JPH08157681A - 表面保護フィルム - Google Patents

表面保護フィルム

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Publication number
JPH08157681A
JPH08157681A JP33149094A JP33149094A JPH08157681A JP H08157681 A JPH08157681 A JP H08157681A JP 33149094 A JP33149094 A JP 33149094A JP 33149094 A JP33149094 A JP 33149094A JP H08157681 A JPH08157681 A JP H08157681A
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JP
Japan
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weight
film
protective film
surface protective
isoprene
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Pending
Application number
JP33149094A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Zentou
利行 善当
Takao Igarashi
孝雄 五十嵐
Kazunari Ishiura
一成 石浦
Atsushi Ito
厚志 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 合成樹脂シ−トの表面を保護するマスキング
材料として接着力が経時的に安定で、印刷・熱成形等加
工時において貼り付けたまま加工を行ってもフィルムの
破れや付着のない表面保護フィルムを提供する。 【構成】 (A)アクリル系樹脂、および(B)分子中
に二個以上の数平均分子量が3000〜40000の芳
香族ビニル単量体からなるブロックと、一個以上のイソ
プレンまたはイソプレン−ブタジエンからなり50%以
上水素化されたブロックより構成され数平均分子量が2
0000〜100000であるブロック共重合体を重量
比(A)/(B)=30/70〜70/30の範囲で含
有する熱可塑性樹脂組成物からなる表面保護フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面保護フィルムに関
し、特に表面保護フィルムを貼った状態で熱成形加工す
ることが可能な合成樹脂シ−トに好適な表面保護フィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】金属板、被覆塗装鋼板、ガラス板、樹脂
板等の板状体、特にアクリル系樹脂シ−ト、ポリカ−ボ
ネ−ト樹脂シ−ト、塩化ビニル樹脂シ−ト等の合成樹脂
シ−トの表面は保管や物流時に損傷を受けやすく、これ
を防止するため表面保護フィルムが用いられており、従
来から種々のものが提案されてきている。近年最も一般
的に用いられているものは、エチレン・酢酸ビニル共重
合体とポリエチレンとを共押出しして得られた積層フィ
ルムであり、エチレン・酢酸ビニル共重合体層が接着剤
層となって合成樹脂シ−トの表面に粘着するものであ
る。表面保護フィルムは、シ−トの運搬時や機械加工、
熱成形加工などの取扱時には剥がれないようにシ−トと
十分に密着していることが要求され、一方加工の最終段
階など不要となった時点では簡単に剥がれることが要求
される。このため、表面保護フィルムの接着力として
は、180°剥離試験(引っ張り速度300mm/mi
n)での剥離力が通常3〜350g/25mm幅程度の
範囲ものが用いられている。
【0003】しかしながら、接着された表面保護フィル
ムの接着力は多くの場合経時的に増加し、その傾向は保
管温度が高ければ高い程加速されるため、初期時に適当
な接着力を有していても経時的変化により接着力がかな
り増大し、容易に剥がすことができなくなる。そのため
加工の最終段階で作業性を悪くするという問題があっ
た。また、樹脂シ−トが加工工程において表面保護フィ
ルムを貼った状態のまま加熱される場合、上記のような
問題点が一層顕著に現れるという問題があった。例え
ば、自動販売機の前面板に加工されるアクリル系樹脂シ
−トの場合、押出成形後表面保護フィルムは樹脂温度が
約30℃で貼り付けられるが、印刷加工される場合一般
に印刷面のみが剥がされ、背面はキズ防止のため表面保
護フィルムを貼ったまま印刷乾燥工程において約60℃
に加熱される。さらに印刷が多色刷りになれば加熱乾燥
はその色数だけ繰り返し加熱が行われるため、エチレン
・酢酸ビニル共重合体からなる接着剤層は、高い温度の
熱履歴を繰り返し受けることにより、表面保護フィルム
の接着力は増加し、剥離が困難になることが多い。また
表面保護フィルムを樹脂シ−トの表面に貼ったままの状
態で真空成形する場合には、160℃程度まで加熱され
るため表面保護フィルムの接着力はさらに増大し、剥離
作業が困難になったり、表面保護フィルムが溶融しその
一部が成形品に残ってしまうという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、合成樹脂シ−ト等の表面を保護するマスキング
材料として接着力が経時的に安定で、印刷・熱成形等加
工時において貼り付けたまま加工を行ってもフィルムの
破れや付着のない表面保護フィルムを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、アクリル系
樹脂と特定の熱可塑性エラストマ−との樹脂組成物から
なるフィルムが表面保護フィルムとして好適であること
を見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明の要旨
とするところは、(A)アクリル系樹脂、および(B)
分子中に二個以上の数平均分子量が3000〜4000
0の芳香族ビニル単量体からなるブロックと、一個以上
のイソプレンまたはイソプレン−ブタジエンからなり5
0%以上水素化されたブロックより構成され数平均分子
量が20000〜100000であるブロック共重合体
を、重量比(A)/(B)=30/70〜70/30の
範囲で含有する熱可塑性樹脂組成物からなる表面保護フ
ィルム、上記アクリル系樹脂とブロック共重合体の合計
量100重量部に対して、さらにオレフィン系樹脂を3
〜250重量部配合した表面保護フィルム、およびこれ
らのフィルムをポリオレフィン系フィルムの片面に設け
た表面保護フィルムである。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いるアクリル系樹脂(A)とは、メタクリル酸メチル
の単独ポリマ−、あるいはメタクリル酸メチルを主成分
とし他の共重合単量体を含有する単量体混合物のコポリ
マ−をいい、重合度3000以下のものが好ましく用い
られる。さらに透明性を必要とする場合には、重合度3
00〜1000程度のものが好もしく、重合度400〜
600でメルトフロ−レ−トが25〜34g/10mi
n(200℃−3.8Kg)程度のものがより好まし
い。
【0007】メタクリル酸メチルと共重合する単量体と
しては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなど
のアクリル酸エステル類、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メ
タクリル酸グリシジル、メタクリル酸シクロヘキシルな
どのメタクリル酸エステル類、酢酸ビニルなどの酢酸エ
ステル類、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族
ビニル化合物、無水マレイン酸、マレイン酸モノ、及び
ジアルキルエステル、N−フェニルマレイミドなどのマ
レイミド類、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸金
属塩、メタクリル酸金属塩などが挙げられる。これらは
1種以上を用いることができるが、メタクリル酸メチル
との共重合比率は、通常1〜30重量%程度の範囲で使
用するのが好ましい。
【0008】本発明に用いるブロック共重合体(B)と
は、分子中に二個以上の数平均分子量が3000〜40
000、好ましくは3000〜15000の芳香族ビニ
ル単量体からなるブロックと、一個以上のイソプレンま
たはイソプレン−ブタジエンからなり50%以上、好ま
しくは85〜100%水素化されたブロックより構成さ
れ数平均分子量が20000〜100000、好ましく
は30000〜70000である共重合体をいい、熱可
塑性エラストマ−として用いられるものである。
【0009】上記ブロック共重合体の第1成分の芳香族
ビニル単量体としては、例えばアニオン重合可能なスチ
レン、2−ビニルナフタレン、3−メチルスチレン、4
−プロピルスチレン等が挙げられ、スチレンが最も好ま
しく用いられる。またブロック共重合体の第2成分の単
量体としてはイソプレンまたはイソプレンとブタジエン
の混合物であり、イソプレンの割合が40〜100重量
%の範囲が粘着性の点で好ましい。これらの成分からな
るブロック共重合体のブロック形態としては、芳香族ビ
ニル単量体からなるブロックをa、イソプレンまたはイ
ソプレン−ブタジエンからなるブロックをb、1以上の
整数をnで示すと、a(ba)n,(ab)nで表され
るが、abaの構造であって、 aブロックの数平均分子量が3000〜15000、 ブロック共重合体中のaブロックの含有量が15〜3
5重量%、 bブロックを構成するイソプレンとブタジエンの重量
比が40/60〜100/0の範囲、 ブロック共重合体の数平均分子量が30000〜70
000 を満足するものが透明性、粘着性の点から最も好まし
い。
【0010】上記ブロック共重合体は、種々の方法によ
り得られ、例えばアルキルリチウム化合物を開始剤とし
て芳香族ビニル単量体、イソプレンまたはイソプレン−
ブタジエンを逐次重合させる方法、または芳香族ビニル
単量体、イソプレンまたはイソプレン−ブタジエンをそ
れぞれ重合しカップリング剤によってカップリングする
方法、あるいはジリチウム系化合物を開始剤として芳香
族ビニル単量体、イソプレンまたはイソプレン−ブタジ
エンを逐次重合する方法などが挙げられる。好ましい態
様の一つとして、有機アルカリ金属触媒を用いるアニオ
ンリビング重合などによりポリマ−を得、ついでこれを
水添することにより3元ブロック共重合体を得る方法を
具体的に次に説明する。例えば、n−ブチルリチウムな
どのアニオン重合開始剤を用いてヘキサン、ヘプタンな
どの飽和脂肪族炭化水素化合物、またはベンゼン、トル
エンなどの芳香族炭化水素化合物を溶媒に用いて30か
ら60℃の温度条件下で、芳香族ビニル単量体をアニオ
ン重合させることによりリビングポリマ−を製造し、続
いてイソプレンまたはイソプレン−ブタジエン混合物な
どの共役ジエン系単量体を系内に滴下してブロック共重
合を行い、さらに再び芳香族ビニル単量体を系内に滴下
し、ブロック共重合体を製造する。
【0011】重合を行う際に、共触媒としてジメチルエ
−テル、ジエチルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサンなどのエ−テル類、エチレングリコ−ルジメチル
エ−テル、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−テルなど
のグリコ−ルエ−テル類、トリエチルアミン、N,N,
N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N−メチ
ルモルホリンなどのアミン類などルイス塩基を、重合触
媒の金属カチオンのモル数に対して概ねO.1〜100
0倍の範囲で用いた場合は、イソプレンおよび/または
ブタジエンからなるブロックセグメントのミクロ構造が
変化し、ビニル結合を含有するようになる。このビニル
構造単位が40%以上になると室温ガラス転移温度を持
つようになり、室温付近での制振性能を付与する事がで
きる(特開平2−102212号公報)。
【0012】そしてブロック共重合体が所望の分子量に
達したところでアルコ−ル類、カルボン酸類、水などの
活性水素化合物を添加して重合を停止する。続いて、得
られた共重合体を水添する。水添触媒としては均一系触
媒、または不均一系触媒を用いることができる。均一系
触媒を用いる場合には、有機遷移金属触媒(例えばニッ
ケルアセチルアセトナ−ト、コバルトアセチルアセトナ
−ト、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルトなど)
とアルミニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属など
の金属アルキル化物との組み合せによるチ−グラ−触媒
などを、水添に供される重合体の二重結合当り0.01
〜0.1mol%程度使用する。水添反応は常温〜15
0℃、常圧〜50kg/cm2 の水素圧下で行われ、約
1〜50時間で終了する。反応終了後、容器中に酸性の
水を加え、激しく撹拌させる事で水添触媒を水中に溶解
させる。相分離している2相のうちの水相を除去し、さ
らに溶媒を除去することで目的のブロック共重合体を得
る。一方、不均一触媒を用いる場合には、ニッケル、コ
バルト、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、白金など
を単独もしくはこれらをシリカ、ケイソウ土、アルミ
ナ、活性炭などに担持して用い、その量は重合体重量に
対して0.5〜10重量%が適当である。これを重合反
応液に加える。また、この際、ジエチルエ−テル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサンなどのエ−テル類、エタノ
−ル、イソプロパノ−ルなどのアルコ−ル類も混合溶媒
として用いることができる。水添反応は常温〜250
℃、常圧〜200kg/cm2 の水素圧下で行われ、約
1時間〜50時間で終了する。反応終了後、容器から反
応生成物を取り出し、触媒をロ液から溶媒を除去するこ
とで目的とするブロック共重合体を得ることができる。
【0013】本発明の表面保護フィルムは、上記(A)
アクリル系樹脂と(B)ブロック共重合体とを、重量比
(A)/(B)として30/70〜70/30、好まし
くは40/60〜60/40の範囲内で含有する熱可塑
性樹脂組成物からなり、該熱可塑性樹脂組成物には、さ
らにオレフィン系樹脂を含有することができる。オレフ
ィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖低密度
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレ−ト共重合
体、エチレン−ブチルアクリレ−ト共重合体、エチレン
−メチルメタクリレ−ト共重合体、ポリプロピレンなど
が挙げられ、これら単独または2種以上のブレンドとし
て用いられる。オレフィン系樹脂の配合量は、(A)ア
クリル系樹脂と(B)ブロック共重合体との合計量10
0重量部に対して3〜250重量部が好ましく、樹脂シ
−トとの接着力、フィルムの成形安定性を考慮すれば1
0〜150重量部、より好ましくは15〜100重量部
の範囲が望ましい。また該熱可塑性樹脂組成物には、表
面保護フィルムとしての性能を損なわない程度に紫外線
吸収剤、老化防止剤、酸化防止剤、充填剤、ブロッキン
グ防止剤、滑剤、帯電防止剤、可塑剤、粘着付与剤など
を添加することもできる。粘着付与剤としては、例えば
テルペン樹脂、クロマン・インデン樹脂、ロジン樹脂等
が好適に用いることができる。
【0014】表面保護フィルムの形態としては、上記
(A)アクリル系樹脂と(B)ブロック共重合体よりな
る熱可塑性樹脂組成物、および上記(A)アクリル系樹
脂と(B)ブロック共重合体と(C)オレフィン系樹脂
とよりなる熱可塑性樹脂組成物からなる1層構造のフィ
ルムまたは2層構造のフィルムや、オレフィン系樹脂フ
ィルムの片面にこれら熱可塑性樹脂組成物からなるフィ
ルムを設けたフィルムが挙げられる。また表面保護フィ
ルムの厚みとしては、単層、複層ともに通常30〜30
0μm程度であり、コスト等の点から40〜100μm
程度のものが好ましく用いられる。
【0015】本発明の表面保護フィルムを製造する方法
としては、特に制限はなく、Tダイ押し出し法、インフ
レ−ション法、カレンダ−ロ−ル法など通常フィルムを
製造する方法が挙げられる。これらの方法により単層、
複層のフィルムが製造可能であるが、これらの方法のう
ち共押出ができ厚み精度に優れるなどの点でTダイ押し
出し法が好ましく採用されている。
【0016】本発明の表面保護フィルムは、金属板、ポ
リエステルなどの種々の樹脂製被覆面を有する被覆塗装
鋼板、ガラス板、樹脂板等種々の板状体の表面を保護す
るために使用することができ、特に表面保護フィルムを
貼ったままの状態で熱成形加工等の加工が要求されるア
クリル系樹脂シ−ト、ポリカ−ボネ−ト樹脂シ−ト、塩
化ビニル樹脂シ−ト、スチレン系樹脂シ−ト等合成樹脂
シ−トの表面保護フィルムとして好適に用いられる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例により限定されるもの
ではない。なお、試験・評価は次の方法で実施した。
【0018】<剥離力の測定試験>オ−トグラフ(島津
製作所製:AG2000B)を用いて、下記保管条件で
調整したサンプル(寸法:25mmW×200mmL×
板厚)について、25mm幅のフィルムを速度300m
m/minで引っ張り、180°剥離力を測定する。 (保管条件) 常温(23℃)で24時間保管 120℃で1時間保管 160℃で5分間保管 180℃で5分間保管
【0019】<ペン皿成形性評価>真空圧空圧縮成形機
(布施真空製:CUCF−1115−PWB150)、
エポキシ樹脂製ペン皿成形型(寸法:100mmW×3
10mmL×20mmH)および赤外線ヒ−タ−(エル
スタインヒ−タ−)を用い、上側ヒ−タ−温度を400
℃、下側ヒ−タ−温度を360℃に設定して、サンプル
(寸法:320mmW×480mmL×板厚)の表面温
度が155℃になるまでサンプルの両側から加熱した
後、加熱サンプルを成形型の上に載置して成形機により
真空成形を行った。得られたペン皿成形品の成形性およ
び型付着性を評価すると共に、成形品からの表面保護フ
ィルムの剥離性を目視および官能評価し、次の記号で示
した。(成形性) ○ : 表面保護フィルムの破れなく成形性良好 × : 表面保護フィルムの破れあり (型付着性) ○ : 表面保護フィルムの成形型への付着なし × : 表面保護フィルムの成形型への付着が一部有り (剥離性) ○ : 表面保護フィルムの剥離性良好 × : 表面保護フィルムの剥離性不良
【0020】<延伸性評価>ペン皿成形性評価と同様の
成形機およびヒ−タ−を用いて、サンプルを160℃に
加熱して約3倍に延伸した後、表面保護フィルムの剥離
性を官能評価した。その結果を次の記号で示した。 ○ : 表面保護フィルムの剥離性良好 × : 表面保護フィルムの剥離性不良
【0021】[実施例1] (A−1):アクリル樹脂[重合度495、MFR3
0.8g/10min(200℃−3.8Kg)]と、
(B−1):スチレンからなるブロックの数平均分子量
5300、スチレンの含有量30重量%、ブロック共重
合体の数平均分子量が40000のスチレン−水添イソ
プレン(水添率97%)−スチレンブロック共重合体
を、重量比(A−1)/(B−1)=50/50で配合
した熱可塑性樹脂組成物をインフレ−ション法により約
200μm厚みのフィルムに成形した。表面保護フィル
ムとしては透明で良好な外観を有していた。このフィル
ムを、押し出し成形された直後の樹脂板温度が約70℃
まで低下したところで、該樹脂板にドライラミネ−タ−
法で貼り合わせて厚さ3mmの透明メタクリル樹脂押出
板[(株)クラレ製:コモグラス]を得た。得られた押
出板からサンプルを採取し、剥離力の測定試験を行うと
共に、加熱成形性を評価するためにペン皿成形性評価お
よび延伸性評価を行った。それらの結果を表1および表
2に示す。剥離力は各保管条件ともに剥離容易な接着力
範囲内にあり良好であり、加熱成形性も良好であった。
【0022】[実施例2]実施例1と同様の熱可塑性樹
脂組成物100重量部に、さらにポリエチレン(三井石
油化学製:LLDPE2022L)を10重量部配合し
たものを用いる他は実施例1と同様にしてフィルムおよ
び押出板を製造し、実施例1と同様の試験・評価を行っ
た。得られた結果を表1および表2に示す。剥離力は各
保管条件ともに剥離容易な接着力範囲内にあり良好であ
り、加熱成形性も良好であった。
【0023】[実施例3]実施例1と同様の熱可塑性樹
脂組成物100重量部に、さらに実施例2で用いたポリ
エチレンを17重量部配合したものを用いる他は実施例
1と同様にしてフィルムおよび押出板を製造し、実施例
1と同様の試験・評価を行った。得られた結果を表1お
よび表2に示す。剥離力は各保管条件ともに剥離容易な
接着力範囲内にあり良好であり、加熱成形性も良好であ
った。
【0024】[実施例4]実施例1と同様の熱可塑性樹
脂組成物100重量部に、さらに実施例2で用いたポリ
エチレンを100重量部配合したものを用いる他は実施
例1と同様にしてフィルムおよび押出板を製造し、実施
例1と同様の試験・評価を行った。得られた結果を表1
および表2に示す。剥離力は各保管条件ともに剥離容易
な接着力範囲内にあり良好であり、加熱成形性も良好で
あった。
【0025】[実施例5]実施例1と同様の熱可塑性樹
脂組成物100重量部にさらにポリプロピレン(宇部興
産製:RE398)を100重量部配合したものと、実
施例1と同様の熱可塑性樹脂組成物100重量部に実施
例2と同様のポリエチレンを10重量部配合したものを
用いる他は実施例1と同様にしてそれぞれフィルムを製
造し、これら2種のフィルムを卓上プレス機で230℃
でプレスし貼り合わせて表面保護フィルムを製造した。
この後実施例1と同様にして押出板を製造し、実施例1
と同様の試験・評価を行った。得られた結果を表1およ
び表2に示す。剥離力は各保管条件ともに剥離容易な接
着力範囲内にあり良好であり、加熱成形性も良好であっ
た。
【0026】[実施例6]実施例1と同様の熱可塑性樹
脂組成物100重量部にさらにポリプロピレン(宇部興
産製:RE398)を100重量部配合したものと、実
施例1と同様の熱可塑性樹脂組成物100重量部に実施
例2と同様のポリエチレンを17重量部配合したものを
用いる他は実施例1と同様にしてそれぞれフィルムを製
造し、これら2種のフィルムを卓上プレス機で230℃
でプレスし貼り合わせて表面保護フィルムを製造した。
この後実施例1と同様にして押出板を製造し、実施例1
と同様の試験・評価を行った。得られた結果を表1およ
び表2に示す。剥離力は各保管条件ともに剥離容易な接
着力範囲内にあり良好であり、加熱成形性も良好であっ
た。
【0027】[実施例7]実施例1と同様の熱可塑性樹
脂組成物100重量部に、さらに実施例5で用いたポリ
プロピレンを10重量部配合したものを用いる他は実施
例1と同様にしてフィルムおよび押出板を製造し、実施
例1と同様の試験・評価を行った。得られた結果を表1
および表2に示す。剥離力は各保管条件ともに剥離容易
な接着力範囲内にあり良好であり、加熱成形性も良好で
あった。
【0028】[実施例8]実施例1と同様の熱可塑性樹
脂組成物100重量部に、さらに実施例5で用いたポリ
プロピレンを43重量部配合したものを用いる他は実施
例1と同様にしてフィルムおよび押出板を製造し、実施
例1と同様の試験・評価を行った。得られた結果を表1
および表2に示す。剥離力は各保管条件ともに剥離容易
な接着力範囲内にあり良好であり、加熱成形性も良好で
あった。
【0029】[実施例9](A−2):アクリル樹脂
(クラレ製パラペットG1000)と、(B−2):ス
チレンからなるブロックの数平均分子量8000、スチ
レン含有量30重量%、ブロック共重合体の数平均分子
量が60000のスチレン−水添イソプレン(水添率9
7%)−スチレンブロック共重合体を、重量比(A−
2)/(B−2)=50/50で配合した熱可塑性樹脂
組成物100重量部に、さらに実施例5と同様のポリプ
ロピレンを43重量部配合したものを用いる他は実施例
1と同様にしてフィルムおよび押出板を製造し、実施例
1と同様の試験・評価を行った。得られた結果を表1お
よび表2に示す。剥離力は各保管条件ともに剥離容易な
接着力範囲内にあり良好であり、加熱成形性も良好であ
った。
【0030】[実施例10]実施例1と同様の熱可塑性
樹脂組成物100重量部にさらに実施例2で用いたポリ
エチレンを10重量部配合したものと、実施例5で用い
たポリプロピレンを用いる他は実施例1と同様にして、
それぞれフィルムを製造し、これら2種のフィルムを卓
上プレス機で230℃でプレスし貼り合わせて表面保護
フィルムを製造した。次いで、実施例1と同様にして押
出板を製造し、実施例1と同様の試験・評価を行った。
得られた結果を表1および表2に示す。剥離力は各保管
条件ともに剥離容易な接着力範囲内にあり良好であり、
加熱成形性も良好であった。
【0031】[実施例11]実施例1と同様の熱可塑性
樹脂組成物100重量部にさらに実施例2で用いたポリ
エチレンを17重量部配合したものと、実施例5で用い
たポリプロピレンを用いる他は実施例1と同様にして、
それぞれフィルムを製造し、これら2種のフィルムを卓
上プレス機で230℃でプレスし貼り合わせて表面保護
フィルムを製造した。次いで、実施例1と同様にして押
出板を製造し、実施例1と同様の試験・評価を行った。
得られた結果を表1および表2に示す。剥離力は各保管
条件ともに剥離容易な接着力範囲内にあり良好であり、
加熱成形性も良好であった。
【0032】[実施例12]実施例1と同様の(A−
1):アクリル樹脂と、(B−3):スチレンからなる
ブロックの数平均分子量5300、スチレン含有量30
重量%、ブロック共重合体の数平均分子量が40000
のスチレン−水添イソプレン/ブタジエン(イソプレン
/ブタジエン=55/45重量%、水添率98%)−ス
チレンブロック共重合体を、重量比(A−1)/(B−
3)=50/50で配合した熱可塑性樹脂組成物に、実
施例1と同様にしてフィルムおよび押出板を製造し、実
施例1と同様の試験・評価を行った。得られた結果を表
1および表2に示す。剥離力は各保管条件ともに剥離容
易な接着力範囲内にあり良好であり、加熱成形性も良好
であった。
【0033】[実施例13]実施例1と同様の熱可塑性
樹脂組成物100重量部に実施例2で用いたポリエチレ
ン100重量部配合したものと、実施例1と同様の熱可
塑性樹脂組成物100重量部に実施例2で用いたポリエ
チレン25重量部配合したものを、インフレ−ション共
押出法により70μm厚みの二層構造の表面保護フィル
ムを作成した。表面保護フィルムとしては透明で良好な
外観を有していた。このフィルムを実施例1と同様な方
法により熱可塑性樹脂組成物100重量部にポリエチレ
ン25重量部配合した層側を実施例1と同様の押出板に
貼り合わせ、実施例1と同様の試験・評価を行った。得
られた結果を表1および表2に示す。剥離力は各保管条
件ともに剥離容易な接着力範囲内にあり良好であり、加
熱成形性も良好であった。
【0034】[比較例1]サンエ−化学製のポリエチレ
ンマスキング(構造はエチレン・酢酸ビニル共重合体と
ポリエチレンからなる:商品名PAC−5、厚み60
μ)の表面保護フィルムを実施例1と同様にして貼り合
わせ、実施例1と同様の試験・評価を行った。得られた
結果を表1および表2に示す。剥離力は加熱することに
より大きくなり、容易に剥がれなかった。また加熱成形
性は表面保護フィルムと成形型との接触部分に破れが発
生し、表面保護フィルムが一部型に付着した。
【0035】
【表1】
【0036】[比較例2]サンエ−化学製のポリエチレ
ンマスキング(構造はポリエチレンの2層構造であり、
接着層側には粘着付与剤が添加されている:商品名PA
C−4H、厚み60μ)の表面保護フィルムを実施例1
と同様にして貼り合わせ、実施例1の場合の成形性およ
び延伸性について試験を行った。得られた結果を表2に
示す。成形性は表面保護フィルムの型との接触部分に破
れが発生し、一部型との付着が見られた。また延伸性は
材料の伸びを制約することなく、同様な伸びを示し良好
であり、容易に剥離できた。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、適度な初期接着力を有
し加熱下におかれた場合も接着力の経時的変化が少なく
剥がしやすいと共に、熱成形した場合にもフィルムの破
れや成形型との付着がない表面保護フィルムが提供でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/00 LCK LCN 53/02 LLY (72)発明者 伊藤 厚志 茨城県つくば市御幸が丘41 株式会社クラ レ内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アクリル系樹脂、および(B)分
    子中に二個以上の数平均分子量が3000〜40000
    の芳香族ビニル単量体からなるブロックと、一個以上の
    イソプレンまたはイソプレン−ブタジエンからなり50
    %以上水素化されたブロックより構成され数平均分子量
    が20000〜100000であるブロック共重合体
    を、重量比(A)/(B)=30/70〜70/30の
    範囲で含有する熱可塑性樹脂組成物からなる表面保護フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】 アクリル系樹脂とブロック共重合体の合
    計量100重量部に対して、さらにオレフィン系樹脂を
    3〜250重量部配合したことを特徴とする請求項1記
    載の表面保護フィルム。
  3. 【請求項3】 2層構造を有することを特徴とする請求
    項1乃至請求項2記載の表面保護フィルム。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィン系フィルムの片面に請求
    項1乃至請求項2記載のフィルムを設けてなる表面保護
    フィルム。
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