JPH08155812A - 自動空研装置 - Google Patents

自動空研装置

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Publication number
JPH08155812A
JPH08155812A JP25657895A JP25657895A JPH08155812A JP H08155812 A JPH08155812 A JP H08155812A JP 25657895 A JP25657895 A JP 25657895A JP 25657895 A JP25657895 A JP 25657895A JP H08155812 A JPH08155812 A JP H08155812A
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JP
Japan
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polishing
pad
polishing cloth
pressing
work surface
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Application number
JP25657895A
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English (en)
Inventor
Kanemitsu Watanabe
兼光 渡辺
Hirokazu Sugiyama
裕和 杉山
Hideya Kinoshita
英也 木下
Takeshi Goto
丈志 後藤
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電着塗装などの塗装の研ぎ工程などにおいて
用いられる、塗面のゴミブツ等の研磨除去を自動的に行
なうことのできる空研装置を得る。 【解決手段】 弾性的に支持された複数の加圧用パット
(14)をワーク表面(B) に対向して配置し、当該加圧用パ
ットにより研磨布(27)をワーク表面に押し当て、当該加
圧用パットをワーク表面に略平行な方向において揺動さ
せて、該揺動に追従して動く研磨布により研磨を行なう
自動空研装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動空研装置に関
し、詳しくは、電着塗装などの塗装の研ぎ工程などにお
いて用いられる、塗面のゴミブツ等の研磨除去を行なう
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車製造を始めとする各種分野におい
て、防錆と美観の付与等を目的として製品表面に塗装を
施すことが行なわれている。一般に、塗料は一つの材料
で、要求されるすべての性能を満足することはできず、
いくつかの材料を使い分け、何回か塗り重ねることによ
り、総合塗膜として諸性能を満足するようになってい
る。例えば、自動車ボディ外板部の塗装は、一般的に、
鋼板素地上に(前処理、)下塗り、中塗りおよび上塗り
という塗膜を順に重ねたものであり、前処理、下塗りで
防錆を、中塗りは仕上り外観向上のための表面調整を、
上塗りは仕上り外観と耐久性を主体に塗膜性能を分担し
ている。
【0003】ところで、このように塗装を塗り重ねる場
合、各塗装工程の間に、ゴミ・ブツ等の塗面の不具合の
修正を行ない、最終的な塗装品質の向上を図るための研
ぎ工程を設けている。
【0004】従来、例えば電着塗装後にワーク表面に存
在するゴミ、鉄粉等の異物を除去するには、折りたたん
だウェスの下にサンドペーパーを入れ、手作業により塗
面を軽くこする(ラフサンド)ことにより行なわれてい
た。
【0005】また、塗面の研磨には回転ブラシを利用す
ることも一般的に行なわれている。例えば、マニュアル
式水平回転ブラシを局所的に使用したり、自動式垂直回
転ブラシを全面的に使用したりしている。
【0006】なお、「研ぎ工程」については、自動車工
学全書 第19巻 自動車の製造法(昭和55年4月2
0日 株式会社山海堂発行)の第196、197頁の項
目8.2.4 下塗り研ぎ(サンディング)および項目
8.2.6 中塗り研ぎ(サンディング)なる記載にて
紹介されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、手作業
による研磨は効率的ではなく、また作業者に多大な労働
負荷をかけることとなるために自動化が望まれるところ
である。また、回転ブラシとしては、一般に研粉を付し
たナイロン製ブラシが使用されているが、研磨時におい
て遊離しワーク表面上付着する研粉の量が多く、次工程
で水洗を行なう水研においては使用可能であるが、空研
には使用できないものであった。さらに回転ブラシを使
用した場合、曲面形状を有するボディ表面に対して完全
な追従が不可能であった。ボディ表面全面を追従させよ
うとすると、研磨圧が強くなる部位が発生し、該部位に
おいて塗膜を完全に剥離してしまう可能性があり、防錆
品質上等で影響が大きいものであった。
【0008】従って本発明は、上述したような問題を解
決し、自動化により操作性よく、塗面上の異物を良好に
研磨除去できる自動空研装置を提供することを目的とす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、ワーク表面の研磨を行なう自動空研装置であっ
て、ワーク表面の形状に追従してワーク表面に略垂直な
方向に変動可能とされた複数の加圧用パットを前記ワー
ク表面に対向して配置し、当該加圧用パットにより研磨
布をワーク表面に押し当て、当該加圧用パットをワーク
表面に略平行な方向において揺動させて、該揺動に追従
して動く研磨布により研磨を行なうことを特徴とするも
のである自動空研装置である。
【0010】本発明は、前記加圧用パットが荷重を利用
する加圧方式となっている自動空研装置を示すものであ
る。本発明は、また前記加圧用パットが弾性部材を利用
する加圧方式となっている自動空研装置を示すものであ
る。
【0011】また本発明は、ワーク表面に略平行に配置
されたレシプロ部と、前記ワーク表面に略垂直な軸線を
それぞれ有して、相互に離間して配置された複数のロッ
ドであって、ワーク表面に略垂直な方向において変動自
在ないし弾性的に、一方ワーク表面に略平行な方向にお
いては変動を規制されて前記レシプロ部に係止された加
圧力を付与する支持ロッドと、前記支持ロッドのワーク
表面に対向する先端部に取付けられた、相互に離間して
配置された複数の加圧用パットと、前記ワーク表面と前
記加圧用パットの間に帯状研磨部材を保持する保持手段
と、前記レシプロ部を前記ワーク表面に略平行な方向に
おいて揺動させる揺動機構と、前記レシプロ部を前記ワ
ーク表面に対して略垂直な方向に変位させる変位機構と
を有することを特徴とする自動研磨装置を示すものであ
る。
【0012】さらに本発明は、前記加圧用パットが、前
記支持ロッドに回動可能に支持されている自動空研装置
を示すものである。また本発明は、排気機構に接続され
た複数の吸塵パイプが、ワーク表面に略垂直な方向にお
いて変動自在ないし弾性的に保持され、前記加圧用パッ
トと並列して配置されているものである自動空研装置を
示すものである。
【0013】本発明はまた、前記各加圧用パットの研磨
布に当接する部位の面積が、6000〜10000mm
2 程度である自動空研装置を示すものである。本発明
は、さらに前記加圧用パッドの研磨布に当接する部位の
面形状が、ワーク表面の比較的曲率の大きな第1方向に
沿う方向において短く、前記第1方向と直交する比較的
曲率の小さな第2方向に沿う方向において長いものとし
て構成されている自動空研装置を示すものである。
【0014】また本発明は、1枚の研磨布により研磨を
行なうことを特徴とする自動空研装置を示すものであ
る。さらに本発明は、前記研磨布の保持手段が、ワーク
表面に略平行な面の両端部において研磨布を固定する機
構を備え、かつ前記加圧用パットの揺動と同期して揺動
する機構を付されているものである自動空研装置を示す
ものである。本発明はまた、前記研磨布が長尺のもので
あって、前記保持手段に前後して研磨布供給部と、研磨
布巻き取り部とが設けられている自動空研装置を示すも
のである。
【0015】また本発明の自動空研装置は、前記支持ロ
ッドが複数本ごとに複数の組を形成し、この各組におい
て、前記複数本の支持ロッドが1つの加圧用パッドに対
し相互に独立して接続されており、かつこの加圧用パッ
ドが少なくとも面方向に可撓性を有する部材により形成
されており、前記複数の支持ロッドがワーク表面に略垂
直な方向にそれぞれ相互に変位差を有して変位可能とさ
れていることを特徴とする自動空研装置を示すものであ
る。
【0016】本発明はさらに、上記各加圧用パットの研
磨布に当接する部位の面積が、6000〜500000
mm2 程度である自動空研装置を示すものである。本発
明はまた、前記加圧パッドの研磨布に当接する部位が、
弾性材質体により構成されていることを特徴とする自動
空研装置を示すものである。
【0017】本発明はまた、前記加圧パットに接続され
た複数本の支持ロッド間の変位差を調整する加圧部変位
差調整機構が設けられていることを特徴とする自動空研
装置を示すものである。
【0018】本発明はまた、前記加圧用パットが前記支
持ロッドに回動可能に支持されており、かつ当該支持ロ
ッドによる支持位置に対して前記加圧用パットの揺動方
向と略直交する方向において離間された少なくとも1つ
の位置に、前記加圧用パッドに対して前記支持ロッドの
軸線と略平行な方向から弾性力ないし荷重を付加する加
圧用パット起上り防止機構が備えられていることを特徴
とする自動空研装置を示すものである。
【0019】本発明はまた、前記加圧用パットが前記支
持ロッドに回動可能に支持されており、かつ前記加圧用
パットの揺動方向における回動角度を規制する首振り防
止機構が備えられていることを特徴とする自動空研装置
を示すものである。
【0020】本発明はさらに、前記レシプロ部および前
記変位機構を、前記加圧用パットごとに設け、前記ワー
ク表面に対する前記加圧用パットの変位を、各加圧用パ
ットごとに制御可能としたことを特徴とする自動空研装
置を示すものである。
【0021】本発明はまた、前記レシプロ部および前記
変位機構を、前記加圧用パットごとに設け、各加圧用パ
ットの揺動幅および各加圧用パット間の間隔を可変とし
たことを特徴とする自動空研装置を示すものである。
【0022】本発明はまた、前記加圧用パットごとに研
磨布が配置され、複数枚の研磨布により研磨を行なうこ
とを特徴とする自動空研装置を示すものである。本発明
はさらに、前記研磨布の保持手段が前記加圧用パットご
とに設けられており、この保持手段が各加圧用パットの
両端部において研磨布を固定する機構を備え、かつ前記
加圧用パットの揺動と同期して揺動する機構を付されて
いるものであり、また前記研磨布が長尺のものであっ
て、前記保持手段に前後して研磨布供給部と、研磨布巻
き取り部とが設けられており、さらに前記保持手段の前
記研磨布固定機構が、前記加圧用パットの肉厚方向に変
位可能とされており、前記研磨布と前記加圧用パットと
の接触を解離した状態で研磨布の逐次更新が可能とされ
ていることを特徴とする自動空研装置を示すものであ
る。
【0023】本発明はさらに、前記研磨布に付着した研
粉を除去する機構が設けてあることを特徴とする自動空
研装置を示すものである。本発明はさらに、前記加圧用
パットに、排気機構に接続された吸気流路を形成し、加
圧用パットの研磨布に当接する部位に当該吸気流路の開
孔部を設けてなることを特徴とする自動空研装置を示す
ものである。
【0024】
【作用】このように本発明の自動空研装置においては、
ワーク表面の形状に追従してワーク表面に略垂直な方向
に変動可能とされた複数の加圧用パットをワーク表面に
対向して配置し、当該加圧用パットにより研磨布をワー
ク表面に押し当て、当該加圧用パットを揺動させて研磨
を行なうものであるため、例えば自動車ボディにおける
ように表面形状が完全に平面ではなく、若干曲面状とな
るものであっても、形状追従性がよく、自動操作にて全
体を均一に研磨できる。またこのように複数の加圧用パ
ットを有するために小さな揺動を付与するのみで全面を
研磨でき、装置の設計容易性、信頼性も向上する。ま
た、本発明においては研磨布を使用して研磨を行なうた
め、研磨時において遊離しワーク表面上付着する研粉の
量が少なく空研に十分対応できるものである。
【0025】ここで前記複数の加圧パットを、ワーク表
面の形状に追従してワーク表面に略垂直な方向に変動可
能とし、かつ所定の加圧力を付与する形態としては、こ
の加圧パットをコイルバネ、エアシリンダー等の弾性部
材を有する支持軸を介して、当該加圧パットの保持部に
係止する弾性部材を利用する加圧方式や、あるいは、保
持部に変動自在に支持軸を係止し、この支持軸ないし加
圧パットの自重あるいはさらに支持軸に取付けられる錘
等の荷重を利用する加圧方式などを採用することができ
る。弾性部材を利用して加圧する方式は、研磨対象とな
るワーク表面の方向、すなわち、例えば水平面や垂直
面、のいかんにかかわらず採用することができるが、厳
密に一定の加圧力を得るためにはバネ等の変位は一定に
保たねばならずその為に、ワーク表面と加圧パットとの
間との非常に細かい位置制御が必要となり、装置構成が
複雑で、高価なものとなりかつ操作も煩雑となるおそれ
がある。一方、錘等の荷重を利用する加圧方式は、略水
平面の研磨にしか採用することができないが、容易に一
定の加圧力を得ることができる。
【0026】さらに本発明の自動空研装置において、ワ
ーク表面に略平行に配置されたレシプロ部と、前記ワー
ク表面に略垂直な軸線をそれぞれ有して、相互に離間し
て配置された複数のロッドであって、ワーク表面に略垂
直な方向において変動自在ないし弾性的に、一方ワーク
表面に略平行な方向においては変動を規制されて前記レ
シプロ部に係止された加圧力を付与する支持ロッドと、
前記支持ロッドのワーク表面に対向する先端部に取付け
られた、相互に離間して配置された複数の加圧用パット
と、前記ワーク表面と前記加圧用パットの間に帯状研磨
部材を保持する保持手段と、前記レシプロ部を前記ワー
ク表面に略平行な方向において揺動させる揺動機構と、
前記レシプロ部を前記ワーク表面に対して略垂直な方向
に変位させる変位機構とを有する構成を取れば、複数の
加圧用パットに所定の揺動運動を容易に付与でき、か
つ、ワークが例えば自動車ボディのような複雑な構成を
有するものであっても、この自動空研装置を設置したラ
インにワークを搬送し、ワークと自動空研装置との相対
位置を変化させ、併せてワーク表面の搬送方向における
マクロ的な凹凸差、例えば、ボンネット部→ルーフ部→
トランク部の高低差に応じて、前記レシプロ部(加圧用
パット部)を変位させることで、ワーク表面各部位の研
磨が容易に行ない得るものである。
【0027】さらに本発明の自動空研装置において、上
記加圧用パットが、前記支持ロッドに回動可能に支持さ
れる、いわゆる首振り機能を備えるものであると、ワー
ク表面に対する形状追従性がさらに向上し、エッジ当り
せず均一に加重を加えることができるために、例えば線
キズといった研磨不良の発生を抑制できる。
【0028】また、本発明の自動空研装置において、排
気機構に接続された複数の吸塵パイプを、ワーク表面に
対向して弾性的ないし変動自在に保持し、前記加圧用パ
ットと並列して配置すると、研磨により発生する研粉の
除去ができ空研操作をより良好なものとすることができ
る。さらに当該吸塵パイプによる研粉の除去は研磨布の
裏側(ワーク表面と当接しない側)より行なうことがで
きるため、吸塵パイプ先端がワーク表面に直接接触する
虞れがなく、接触による塗面のキズ付きといった不具合
の発生がない。
【0029】また、本発明の自動空研装置において、前
記したように各加圧用パットの研磨布に当接する部位の
面積は、同一加重での単位面積当りの加圧力が大きくな
り、研磨力が向上すること、また自動車ボディの形状に
対する追従性が向上するという観点から、6000〜1
0000mm2 程度と十分小さなものであることが望ま
しい。これは、その面積が10000mm2 を越えるも
のであると、自動車ボディB表面の形状に十分に追従で
きず、押圧する研磨布を自動車ボディB表面に十分に密
着させることができずに揺動・研磨時にガタツキを生じ
てしまう虞れがあり、一方、その面積が6000mm2
より著しく小さなものであると、接触効率が悪くなり、
非常に多数の加圧パットを配する必要が生じることにな
るためである。
【0030】さらに前記加圧用パッドの研磨布に当接す
る部位の面形状が、ワーク表面の比較的曲率の大きな第
1方向に沿う方向において短く、前記第1方向と直交す
る比較的曲率の小さな第2方向に沿う方向において長い
ものとして構成されていると、良好な研磨力を得るため
の十分な加圧力が得られると同時に、ワーク表面に対す
る形状追従性がより一層向上するものとなる。
【0031】さらに、本発明の自動空研装置において
は、前記複数の加圧用パットにより1枚の研磨布をワー
ク表面に当接し研磨することが可能となるため、長尺の
研磨布を用い、研磨布の保持手段に前後して研磨布供給
部と研磨布巻き取り部を配することで、研磨部において
使用され性能劣化した研磨布部位を連続的に交換でき、
操業性が向上する。
【0032】また、前記研磨布の保持手段が、ワーク表
面に略平行な面の両端部において研磨布を固定する機構
を備え、かつ前記加圧用パットの揺動と同期して揺動す
る機構を付されているものであると、研磨布の研磨時に
おけるズレ・だぶつきが防止され、これらに起因する局
部的な研磨不良が防止される。
【0033】さらに本発明の自動空研装置において、前
記したように加圧用パットの大きさは、加圧力向上、研
磨力向上、形状追従性向上といった観点からは、比較的
小さい方が望ましいが、一方で、必要とされる加圧パッ
トの個数が増加し、故障率の増大、制御の煩雑化につな
がる虞れがある。このため、本発明の別の形態において
は、支持ロッドに複数本ごとに複数の組を形成させ、こ
の各組において、前記複数本の支持ロッドを1つの加圧
用パッドに対し相互に独立して接続させ、かつこの加圧
用パッドを少なくとも面方向に可撓性を有する部材によ
り形成し、前記複数の支持ロッドがワーク表面に略垂直
な方向にそれぞれ相互に変位差を有して変位可能な構成
を取る。このようにすれば、加圧パットの面積を比較的
大きなものとしても、パットの形状追従性は良好なもの
となり、かつ加圧パットの個数が減少し、故障率の低
下、制御の簡素化が期待できるものとなる。この場合、
上記各加圧用パットの研磨布に当接する部位の面積が、
6000〜500000mm2 程度であることが望まし
い。
【0034】加えて、このように加圧パットを上記のよ
うにして大面積化した場合、加圧パッドの研磨布に当接
する部位が、スポンジ等の弾性材質体により構成されて
いると、ワーク表面の形状に対する追従性がより良好と
なり、パットの大きさに形状追従性の面からの制限が実
質的になくなり、ワークのサイズ等に合せて都合の良い
大きさが選択できるようになる。
【0035】さらに、上記したように1つの加圧パット
に対し複数の支持ロッドを接続した場合、加圧パットの
一部が研磨時にワークの端部よりはみ出すと、加圧パッ
トの過度の撓みと接触面積の減少による加圧力の増大が
生じ、端部でのエッジの研ぎ出しや加圧力増大による線
キズの発生の虞れがあるが、本発明において、前記加圧
パットに接続された複数本の支持ロッド間の変位差を調
整する加圧部変位差調整機構が設けられているとこのよ
うな不具合の発生が防止される。
【0036】本発明の自動空研装置において、前記加圧
用パットが前記支持ロッドに回動可能に支持されてお
り、かつ当該支持ロッドによる支持位置に対して前記加
圧用パットの揺動方向と略直交する方向において離間さ
れた少なくとも1つの位置に、前記加圧用パッドに対し
て前記支持ロッドの軸線と略平行な方向から弾性力ない
し荷重を付加する加圧用パット起上り防止機構が備えら
れていると、研磨工程において摩擦力による加圧用パッ
トの起上りが防止でき、均一な研ぎ付けが可能となる。
【0037】本発明の自動空研装置において、前記加圧
用パットが前記支持ロッドに回動可能に支持されてお
り、かつ前記加圧用パットの揺動方向における回動角度
を規制する首振り防止機構が備えられていると、揺動時
の加圧用パットのガタ、ヨレ等の不具合の発生が防止さ
れ、均一な研ぎ付けが可能となる。
【0038】さらに本発明の自動空研装置において、前
記レシプロ部および前記変位機構を、前記加圧用パット
ごとに設け、前記ワーク表面に対する前記加圧用パット
の変位を、各加圧用パットごとに制御可能とされている
と、例えばサンルーフ付自動車ボディといった部分的に
研磨が不必要な部位を有するワークに対しても適用可能
な装置となる。
【0039】本発明の自動空研装置において、前記レシ
プロ部および前記変位機構を、前記加圧用パットごとに
設け、各加圧用パットの揺動幅および各加圧用パット間
の間隔が可変とされていると、部分的に幅が狭い箇所を
有するワークに対しても加圧パットがワーク表面よりは
み出すことなく研磨を行なえるため、ワーク端部でのエ
ッジの研ぎ出しや加圧力増大による線キズの発生の虞れ
がなくなるものである。
【0040】さらに本発明の自動空研装置において、上
記したように比較的大面積の加圧パットを有する構成と
した場合において、加圧用パットごとに研磨布が配置さ
れると、パット間に研磨布が存在しないため、この部位
に吸塵装置を配すれば、例えばメッシュ状といった研磨
布の形状に限定されることなく、研磨時に発生する研粉
の吸塵除去が可能となる。なお、この場合、研磨布の保
持手段が各加圧用パットの両端部においてクランプ等の
研磨布を固定する機構を備え、かつ前記加圧用パットの
揺動と同期して揺動する機構を付されているものであ
り、また前記研磨布が長尺のものであって、前記保持手
段に前後して研磨布供給部と、研磨布巻き取り部とが設
けられており、さらに前記保持手段の前記研磨布固定機
構が、前記加圧用パットの肉厚方向に変位可能とされて
おり、前記研磨布と前記加圧用パットとの接触を解離し
た状態で研磨布の逐次更新が可能とされているものであ
ると、研磨操作中および研磨布更新時における研磨布の
ズレ、タルミ、破れといった不具合が生じない。
【0041】本発明の自動空研装置において、さらに、
前記研磨布に付着した研粉を除去する機構が設けてある
ものであると、研磨布が目詰まりを生じることなく有効
に使用でき、その耐久性が向上し、かつ付着した研粉に
よる研磨キズ等の発生を抑制することができるものであ
る。
【0042】本発明の自動空研装置において、さらに、
前記加圧用パットに、排気機構に接続された吸気流路を
形成し、加圧用パットの研磨布に当接する部位に当該吸
気流路の開孔部を設けてなるものであると、研磨と同時
に研粉を除去することができるとともに、研磨布の目詰
まりを防止することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施形態に基
づきより詳細に具体的に説明する。図1は、本発明に係
わる自動空研装置の一実施例の構成を模式的に示す正面
図図であり、また図2は同実施例の側面図、図3は同実
施例の要部構成を示す正面図、図4は同実施例の要部構
成を示す側面図、図5は別の実施例の要部構成を示す側
面図であり、図6は本発明に係る自動空研装置のさらに
別の実施例の構成を模式的に示す正面図であり、図7は
同実施例の側面図、図8は同実施例の要部構成を示す正
面図、図9は同実施例の要部構成を示す側面図、図10
(a)および(b)は加圧用パットのワーク端部におけ
る状態を説明する参考図、図11は前記実施例の別の要
部構成を模式的に示す正面図、図12は加圧用パットの
研磨時における起上り現象を説明する参考図、図13は
本発明に係る自動空研装置のさらに別の実施例の要部構
成を模式的に示す斜視図、図14は同実施例の作動状態
を説明する模式図、図15は加圧用パットの研磨時にお
ける揺動方向における首振り現象を説明する参考図、図
16(a)〜(d)は本発明の自動空研装置の一実施例
における研磨布の更新工程を示す模式図、図17は本発
明のさらに別の実施例を使用して自動車ボディを研磨す
る場合における加圧用パットの位置関係を示す説明図、
図18(a)は本発明の自動空研装置のさらに別の実施
例の要部構成を模式的に示す正面図、図18(b)は同
要部構成の底面図である。
【0044】図1〜4に示す実施例における自動空研装
置1は、自動車ボディBの略水平面(フード、ルーフ、
トランクリッド)の電着塗装(ED塗装)研ぎを行なう
装置であって、左右の支柱部2に対し、昇降機構3を介
して昇降自在に取り付けられた水平アーム部4を有し、
さらに、この水平アーム部4の軸方向に形成されたレー
ル5に嵌合されたローラ6により往復動自在に取付けら
れたレシプロ部7を有する。
【0045】このレシプロ部7は、連接棒およびクラン
ク等からなる接続手段によって、支柱部2上部に固定さ
れたモータ付減速機8の回転軸9に連結固定されてい
る。従って、モータ付減速機8の駆動により回転軸9が
回転すると、クランクおよび連接棒等によって回転運動
が水平運動に変換されてレシプロ部7へと伝えられ、レ
シプロ部7が前記ローラ6が嵌合するレール5に規制さ
れて揺動(図1においては左右方向)することとなる。
また、前記昇降機構3は、水平アーム部4の両側端部に
設けられた滑動部28の回転ローラ29が、支柱部2に
設けられた凹状ガイド溝30に嵌合して垂直方向に摺動
自在に支持され、この支柱部2に取付けられた昇降モー
タ30より延長された牽引ワイヤ32が複数のプーリー
33により変向され、上方から前記滑動部28を懸架す
るかたちで、滑動部28へと接続されてなるものであ
り、該昇降モーターを回転ないし反転させることで、水
平アーム部2を昇降させるものである。なお、揺動回
数、揺動幅、および昇降速度は、図示しない制御機構に
おいて所定の範囲で設定可能としておき、この制御機構
からの信号をそれぞれの駆動部に送ることで制御できる
ようにしておくことが望ましい。
【0046】しかして、このレシプロ部7には、相互に
離間されて配置された複数の加圧用パット14が自動車
ボディBの略水平面表面に対向するように弾性的に支持
されて取付けられている。
【0047】この実施例における加圧パット14の取付
けについて詳述すると、図3〜5に示すように、レシプ
ロ部7には、その長手方向に略垂直な方向にそれぞれ軸
線を有する複数の加圧用パット位置変更用シリンダ10
が、一定間隔をもって相互に離間して配置され、ボルト
締めあるいは溶接等により固定されており、そして、こ
のシリンダ10に往復動自在に嵌合したピストンロッド
11の先端には、略逆T字型をした接続部材12が連接
固定されており、この接続部材12の水平板部12aに
は、2つの貫通孔(図示せず)が形成されている。一
方、下端部に加圧用パット14を取付けられ、そのやや
上方にコイルバネ下端押え鍔部15を有する加圧用パッ
ト取付用ロッド13の軸回りにコイルバネ16を配し、
この取付用ロッド13の上端部位を、前記接続部材12
の水平板部12aに形成された貫通孔に下方より遊挿
し、その頭部に脱落防止用キャップ17を取付け、取付
用ロッド13を接続部材12に係止してなるものであ
る。なお、前記加圧パット位置変更用シリンダ10は図
示しない制御機構に接続されており、ここより送られる
圧力信号により、ピストンロッド11を出戻できるもの
である。
【0048】しかしながら本発明の自動空研装置におい
ては、加圧用パット14を弾性的に支持できるものであ
れば、前記したようなコイルバネ16に変えて、その他
の弾性部材、例えば、エアシリンダ、オイルシリンダ、
あるいはゴムないし弾性プラスチックなどの部材を用い
ることも可能であり、さらに後述する実施例におけるよ
うに荷重を利用した加圧方式とすることも可能である。
また、前記加圧用パット位置変更用シリンダ10は、加
圧用パット14と後述するような研磨布との係合・解離
を可能とし、研磨操作前後における種々の設定操作を容
易とするために設けられているが、本発明の自動空研装
置においては、特にこのような部材を設けなくともよ
い。
【0049】ここで、加圧用パット14の研磨布に当接
する部位14aの面積は、同一加重での単位面積当りの
加圧力が大きくなり、研磨力が向上すること、また自動
車ボディBの形状に対する追従性が向上するという観点
から、図3に示すように比較的小さなものであることが
望ましく、より具体的には、例えば、6000〜100
00mm2 程度であることが望ましい。すなわち、その
面積が10000mm2 を越えるものであると、自動車
ボディB表面の形状に十分に追従できず、押圧する研磨
布を自動車ボディB表面に十分に密着させることができ
ずに揺動・研磨時にガタツキを生じてしまう虞れがあ
り、一方、その面積が6000mm2 より著しく小さな
ものであると、接触効率が悪くなり、非常に多数の加圧
パットを配する必要が生じることになるためである。さ
らに加圧用パッド14と取付用ロッド13との接続は、
例えば玉継手、ピン継手等により遊嵌し、回動可能に支
持することが形状追従性を向上させる上から望まれる。
また加圧用パット14の配置間隔としては、100〜3
00mm程度のピッチであることが、自動車ボディBの
表面全体をムラなく均一に研磨する上から望まれる。
【0050】加えて、本実施例においては、この加圧用
パット14の研磨布に当接する部位14aの面形状は、
自動車ボディBの長手方向(Y方向)に沿う方向におい
て長く、幅方向(X方向)に沿う方向において短いもの
として構成されている。一般に、自動車ボディBの略水
平面(フード、ルーフ、トランクリッド)の曲率は、X
方向の方がY方向に比べて曲率が大きい。このため、加
圧用パットの面積が同一であれば、自動車ボディの比較
的曲率の大きなX方向に沿う方向において短く、比較的
曲率の小さなY方向に沿う方向において長い形状とする
ことが、形状追従性がより一層向上するものとなるため
に望ましいものである。なお、研磨対象となるワーク表
面が、本実施例におけるような自動車ボディBの略水平
面でない場合あっても、加圧用パットの研磨布に当接す
る部位の形状を同様に、ワーク表面の比較的曲率の大き
な第1方向に沿う方向において短く、前記第1方向と直
交する比較的曲率の小さな第2方向に沿う方向において
長いものとして構成すれば、同様の作用効果が得られ
る。
【0051】また、この実施例の自動空研装置において
は、図3〜4に示すように、前記加圧パット14と取付
用ロッド13との接続部に略L字形の吸塵パイプ取付け
用板金34の一端部が併せて固定されており、この板金
34の他端部に、吸塵パイプ35周りに巻き付けられた
帯金36を固定している。これにより、排気機構(図示
せず)にベローズ管37を介して接続された吸塵パイプ
35が、前記加圧用パット14と並列して交互に配置さ
れており、かつこの吸塵パイプ35は加圧用パット14
の弾性支持手段(コイルバネ16等)を共用して、自動
車ボディBに対向して弾性支持されている。もちろん、
本発明の自動空研装置においては、図5に示す実施例に
おけるように、このような吸塵機構を必ずしも配する必
要はなく、また加圧パット14とは独立した弾性支持手
段により所定部位に配置することもできるが、空研操作
時に発生する研粉による不具合の発生防止、また装置の
軽量化、簡略化といった観点からは、上記したような構
成は望ましいものである。前記吸塵パイプ35は、後述
するように自動車ボディBとは直接接触しないものであ
るが、例えばナイロン等の合成樹脂あるいは各種合成ゴ
ム等の柔軟な素材から構成されたものであることが望ま
れる。
【0052】さらに、本実施例の自動空研装置におい
て、前記レシプロ部7の長手方向の両端部位には、それ
ぞれ、レシプロ部胴体より下方に延長されたアーム18
が設けられ、このアーム18下端には、研磨布架渡用ロ
ール19が配置してあり、研磨布27を前記自動車ボデ
ィB表面と前記加圧用パット14の間に保持する保持手
段として機能している。またこのアーム18には、架渡
用ロール19に対向して、研磨布固定・緩衝機構20が
設けられている。この研磨布固定・緩衝機構20の構成
は、前記加圧用パット14の取付け方とほぼ同様のもの
であり、アーム18に取付けられた位置変更シリンダ部
とその下部に接続されたコイルバネとにより、弾性的に
支持されかつ架渡用ロール19面ないし研磨布に係合・
解離操作可能とされた押えパット部20aを有するもの
である。このように研磨布固定・緩衝機構20を有する
ことで、研磨布を揺動させて研磨する際の研磨布のズレ
を防止することができ、また研磨布を研磨開始時に自動
車ボディBに密着させる際のクッションを得ることがで
きる。また、架渡用ロール19および研磨布固定・緩衝
機構20は、前記加圧用パット14の取付けられたレシ
プロ部7に取付けられているために、前記加圧用パット
の揺動と同期して揺動することとなる。なお、本発明の
自動空研装置においては、少なくとも前記するような弾
性的に支持された複数の加圧用パットを前記ワーク表面
に対向して有していれば、この加圧用パットとワーク表
面との間に1ないし複数枚、好ましくは1枚の研磨布を
挾持し、加圧用パットを揺動させることにより研磨布に
よるワーク表面の研磨は可能であることから、この実施
例におけるように研磨布の保持手段を設けない態様も可
能であり、また、研磨布を固定し加圧用パットの揺動と
同期して揺動させるにしても保持部を加圧用パットとは
別途の揺動機構に接続する態様としてもよい。
【0053】本実施例の自動空研装置は、さらに左右の
支柱部2に、それぞれ研磨布供給部21および研磨布巻
き取り部22を有している。研磨布供給部21は、研磨
布供給元ロール23と、途中に高さ調整可能な可変ロー
ルを含む段差ロール群24とからなり、一方研磨布巻き
取り部も、駆動装置(図示せず)に接続された研磨布巻
き取りロール25と途中に高さ調整可能な可変ロールを
含む段差ロール群26とからなるものである。これによ
り本実施例においては、研磨布27として一巻にされた
長尺なものを使用し、研磨布供給元ロール23から段差
ロール群24、架渡用ロール19a,b、段差ロール群
26、巻き取りロール25へと順に架け渡し、使用によ
り性能劣化した部位を逐次巻き取り、新たな部位を研磨
領域(架渡用ロール19a,b間)に供給することがで
き、操業性を高めている。しかしながら、もちろん、研
磨布供給部21および研磨布巻き取り部22によるこの
ような連続供給形式とせず、単にレシプロ部17の両端
部に例えばクランプなどの研磨布を緊張固定する手段を
配し、定尺の研磨布を使用し、劣化時には逐次これを取
替えるような構成とすることももちろん可能である。そ
の場合は、ワイヤ等で引張ることで、研磨パットの姿勢
を研磨布と平行に保つようにすると良い。
【0054】前記段差ロール群24および26における
可変ロールは、自動車ボディBにおける被研磨部が例え
ばフード、ルーフ等というように高さが異なる場合に、
前記昇降機構3により水平アーム部4およびレシプロ部
7を上下させる際、これに併せて変動させ、研磨布の長
さ調節を行なうためのものである。またこの実施例にお
いては、研磨布供給部21および研磨布巻き取り部22
を支柱部2に設け、これらを架渡用ロール19a,bよ
りも下方に位置させているが、その配置位置に限定はな
く、例えば、これらをレシプロ部7に設け架渡用ロール
19a,bよりも上方に位置させてもよい。レシプロ部
7に設けた場合、レシプロ部重量が重くなるものの、前
記したような可変ロールを有する段差ロール群を設ける
必要がなくなり装置構成は簡略化される。なお、使用さ
れる研磨布27としては特に限定されないが、メッシュ
状ののものであることが、研磨により発生した研粉を、
裏面(自動車ボディBとの接触面とは反対側の面)側か
ら、前述した吸塵パイプ35により吸塵除去する操作が
有効に行ない得るものとなるために望ましい。
【0055】このような構成の自動空研装置を用いて、
自動車ボディBに施された電着塗装表面の空研を行なう
には以下のようにして行なわれる。
【0056】(1) まず自動空研装置1内へと、台車
等の搬送装置によって自動車ボディBを一定速度で搬送
する。自動空研装置1内へと自動車ボディBが侵入して
きたら、前記昇降機構3を作動させ、架渡用ロール19
a,b間に架け渡された研磨布27が、自動車ボディB
のフードに接触するまで、レシプロ部7を下降させる。
この下降に併せて、段差ロール群24,26におけるピ
ッチを変更し研磨布27のたるみの発生を防止する。
【0057】(2) 次いで、図示しない制御機構から
の圧力信号により各加圧用パット14を支持するシリン
ダ10を「出」にし、各加圧用パット14を押圧位置に
下げ、加圧用パット14で研磨布27を自動車ボディB
のフードに密着させる。この際、加圧用パットをワイヤ
ー等で引張り、ボディB面に平行になるよう支持するこ
とが望ましい。
【0058】(3) さらに架渡用ロール19に対向す
る研磨布固定・緩衝機構20を作動させ、研磨布27を
双方の架渡用ロール19間で固定する。
【0059】(4) この状態で、モータ付減速機8を
作動し、レシプロ部7を揺動させて研磨を行なう。同時
に排気機構(図示せず)を作動させ、研磨により研磨領
域に飛散する研粉等の異物を吸塵パイプ35により吸引
除去する。
【0060】(5) このようにして、フードの研磨が
終了したら、昇降機構3を作動させ、架渡用ロール19
a,b間に架け渡された研磨布27が、自動車ボディB
のルーフに接触しない高さまでまでレシプロ部7を上昇
させる。この上昇に併せて、段差ロール群24,26に
おけるピッチも変更する。
【0061】(6) (5)の操作とほぼ同時ないしは
完了後に、モータ付減速機8を停止し、加圧用パット1
4を支持するシリンダ10を「戻」にし、研磨布固定・
緩衝機構20による固定を解除して、初期条件に戻す。
【0062】(7) 自動車ボディBのルーフが空研装
置下の定位置まで搬送されてきたら、上記(1)〜
(4)の手順でルーフを研磨する。
【0063】(8) ルーフ研磨停止位置まで自動車ボ
ディBが搬送されたら、上記(6)と同様にして初期条
件に戻す。
【0064】(9) トランク下降位置まで自動車ボデ
ィBが搬送されたら、上記(1)〜(4)の手順でトラ
ンクを研磨する。
【0065】(10) 以上のようにして1台の自動車ボ
ディBの研磨作業が終了したら、上記(6)と同様の初
期条件に戻し、レシプロ部7を安全な高さまで上昇させ
て、次の自動車ボディBの研磨に備える。
【0066】(11) なお、以上のような研磨操作にお
いて、研磨領域(架渡用ロール19a,b間)における
研磨布の研磨力が低下した場合には、前記初期条件にあ
る際(上記(6)、(8)、(10)時)に研磨布巻き
取り部22を作動させ、研磨布を必要量巻き取り研磨領
域に新たな研磨布部分を供給する。
【0067】なお、昇降機構3によるレシプロ部7の昇
降は、例えば、研磨対象となる自動車ボディBが搬送装
置に載置完了後、例えば光電管群により構成される車種
検知機構にて形状認識を行ない、その後、自動車ボディ
Bが基準位置通過後、搬送装置の搬送速度をパルス信号
として受け、エンコーダにより制御することができる。
【0068】図6〜9に示す別の実施例における自動空
研装置101は、前記図1〜4に示す実施例と同様に、
自動車ボディBの略水平面(フード、ルーフ、トランク
リッド)の電着塗装(ED塗装)研ぎを行なう装置であ
って、左右の支柱部102に対し、昇降機構103を介
して昇降自在に取り付けられた水平アーム部104を有
し、さらに、この水平アーム部104の軸方向に形成さ
れたレール105に嵌合されたローラ106により往復
動自在に取付けられた複数のレシプロ部107を有す
る。
【0069】このレシプロ部107はそれぞれ、水平ア
ーム部104に設置されたモータ付減速機108の回転
軸109にクランクおよび連接棒等を介して連結されて
いる。従って、モータ付減速機108の駆動により回転
軸109が回転すると、クランクおよび連接棒等によっ
て回転運動が水平運動に変換されてレシプロ部107へ
と伝えられ、レシプロ部107が前記ローラ106が嵌
合するレール105に規制されて揺動(図6においては
左右方向)することとなる。なお、昇降機構103とし
ても、前記図1〜4に示すと同様な構成を有するもので
あるため、説明を省略する。
【0070】しかして、この複数のレシプロ部107に
は、それぞれ1つずつの加圧用パット114が自動車ボ
ディBの略水平面表面に対向して、自動車ボディBの略
水平面に略垂直な方向に変動可能に係止されて取付けら
れている。
【0071】この実施例における加圧パット114の取
付けについて詳述すると、図8〜9に示すように、レシ
プロ部107は、その下端に水平板部110を有してお
り、この水平板部110にはその厚さ方向に貫通するロ
ッド挿通孔111が定間隔ごとに複数(3個)形成され
ている。そしてこのロッド挿通孔111にはそれぞれ、
加圧パット取付用ロッド113が摺動自在に挿通されて
いる。なおこのロッド113は、例えばスプライン軸と
し、前記挿通孔111の周面には前記スプラインと嵌合
するベアリングを配し、ロッドとの摺動性を高めること
も可能である。さらにこの取付用ロッド113の下端に
はそれぞれ、平板状の加圧板112が、玉継手、ピン継
手等を介して回動可能に接続されている。各取付用ロッ
ド113下端に取付けられたこの加圧板112は、隣接
するものと相互に独立したもの(すなわち、隣接する加
圧板112の端部は互いに干渉することなく相互に離間
されたもの)であり、かつ比較的硬質の部材から構成さ
れている。そしてこれら複数の加圧板112の下端に
は、比較的大面積な1つの加圧用パット114が取付け
られている。従ってこの加圧用パット114は、水平方
向において、加圧板112の板面が存在しない離間空間
位置にも実部を有し、ちょうど相互に離間された複数の
加圧板112を連結するような構成を取る。またこの加
圧用パット114はゴムないし軟質樹脂(スポンジ等の
発泡体を含む)等の可撓性を有する部材からなる板状物
であり、少なくともその面方向に変形(撓み)可能とさ
れており、この加圧用パット114に接続された複数の
加圧板112が相対的な高低差を有することを可能とし
ている。
【0072】さらに、この実施例においては、加圧用パ
ット114を二層構造とし、加圧板側には比較的硬質な
ゴム板を配して加圧力の面方向への拡散を確保すると同
時にある程度の形状維持性を付与し、また自動車車体B
側、すなわち、加圧用パット114の研磨布に当接する
部位114aには、比較的軟質なスポンジ板を配して肉
厚方向にも良好な変形性を持たせてより車体形状追従性
を良好としている。もちろん加圧用パットをこのような
多層構造としなくとも、面方向に可撓性を有するととも
に厚さ方向における弾性についても優れた材質を使用す
れば、同様の効果が得られる。また加圧用パットの揺動
方向における両端の研磨布に当接する側の角部ないし辺
部は、丸みを付した構成としておけば、研磨時に研磨布
がその端部で折れてしまうことを防止できるために望ま
しい。
【0073】一方、この加圧パット取付用ロッド113
の上端には、錘取付座115が設けられており、ここに
適当な重量の加圧調整用錘116を取付けることで、所
定の加圧力を加圧用パットに付与することができるよう
になっている。なお、加圧力としては、加圧用パットに
よって、例えば0〜30gf/cm2 の範囲内の任意の
面圧を均一に付与できることが望ましく、加圧調整用錘
は例えば、0.1kg、0.5kg、1.0kg単位で
調整可能とされる。
【0074】ここで、前記図1〜4に示す実施例におけ
るようにバネ等の弾性力を利用して加圧する場合におい
ては、一定の加圧力を得るためにはバネ等の変位は一定
に保たねばならずその為に非常に細かい昇降制御が必要
となり、装置構成が複雑で、高価なものとなりかつ操作
も煩雑となるおそれがあるが、この実施例におけるよう
に、錘等の荷重を利用する加圧方式を用いれば、容易に
一定の加圧力を得ることができる。
【0075】各ロッド113は、自動車車体Bの略水平
面(ワーク表面)に略垂直な方向においては変動自在で
あり、一方ワーク表面に略平行な方向においては、レシ
プロ部107の水平板部110に動きを規制された状態
で係止されており、レシプロ部107が前記した駆動機
構により揺動されると、この動きに追従して各ロッド1
07ないし加圧用パット114が揺動することとなる
が、この揺動運動の際、各ロッド107は自動車車体B
の略水平面における曲面形状に追従して上下動すること
ができる。そして、加圧用パット114に接続される複
数のロッド107ないし加圧板112に高低差が生じて
も、加圧用パット114は、その可撓性により変形する
ため、良好な形状追従性を示す。なお、以下において、
上記した加圧板112および加圧用パット114を含む
部位を、加圧ヘッドと称することがある。
【0076】また、前記図1〜4に示す実施例と比較し
て、この実施例におけるように加圧用パットの面積を大
きくし、加圧用パット自体の個数を低減すると、故障率
の低下、制御の簡素化が図られる。なお、加圧用パット
の面積を単純に大きくしたのみでは、前記したように自
動車ボディBの形状に対する追従性の低下といった問題
が生じてくるが、本実施例におけるように加圧用パット
への加圧を複数に分割し、かつ加圧用パットを可撓性部
材により形成することで、上記したように形状追従性の
点も良好となる。さらに、加圧用パット114の研磨布
に当接する部位114aに、スポンジ板等の弾性材質体
を配して肉厚方向にも良好な変形性を持たせることによ
り、前記図1〜4に示す実施例におけるように加圧用パ
ット幅を狭くして形状追従性を高めるよりもさらに高度
な形状追従性が得られ、加圧用パットの大きさに形状追
従性の上から実質的に制限がなくなり、自動車ボディB
のサイズ等に合せた都合の良い大きさが選択できること
となる。その大きさは、何ら限定されるものではない
が、具体的には、例えば、6000〜500000mm
2 程度であることが望ましい。
【0077】この実施例の自動空研装置においては、ま
た図8および図11に示すように、1つの加圧用パット
114に接続された複数の加圧パット取付用ロッド11
3間の変位差を調整する加圧部変位差調整機構140が
設けられている。
【0078】図10(a)に示すように、各ロッド11
3の垂直方向における変動を実質的に何ら規制していな
い場合、例えば、自動車ボディBのルーフ部位における
ようにワーク幅の狭いところに自動空研装置が位置した
時に、その自動車ボディBの端部で加圧ヘッドが幅方向
にはみ出すと、この加圧ヘッドないしこれにより自動車
ボディBへと押圧される研磨布の一部が、ボディBの略
水平面よりも落込み、ボディB端部に引っかかる不具合
が発生し、揺動運動が阻害されたり、端部でのエッジの
研ぎ出しが生じてしまう。従って、このような落込みが
生じない対策が必要となるが、同時にはみ出した部分の
荷重を取除かないと、図10(b)に示すように接触面
積が減ることによる加圧力の増大により、研磨によって
線キズの発生する虞れが高くなる。
【0079】本実施例における加圧部変位差調整機構1
40は、常時ボディB上部に位置するロッド(図11に
おけるロッド113C)の高さを検出する位置センサー
部141と、ボディB端部よりはみ出す場合のある位置
にあるロッド(図12におけるロッド113Aおよび1
13B)に対して設けられた規制部142とを有してお
り、この規制部142は、ロッド113の上部に設けら
れた前記錘取付座115に対して、垂直方向において係
合可能な断面L字型のストッパー部143を下端部に有
し、ラックとピニオン144のごとき機構を介して昇降
自在にレシプロ部107に取付けられてなる構造を有し
ている。
【0080】これにより、常時ボディB上部に位置する
ロッド(図11におけるロッド113C)の高さを位置
センサー部141において検出し、これに同期して規制
部142のストッパー部143を適当な位置に上下さ
せ、ボディB端部よりロッド113Aないし113Bが
はみ出した場合、このストッパー部143にロッドの錘
取付座115をひっかけ、ロッド113Aないし113
Bの必要以上の落込みを規制し、これらのロッドに加わ
る荷重を除去可能としたものである。なお、これらのロ
ッド113Aないし113BがボディB端部よりはみ出
していない場合においては、このような規制が加わると
加圧用パットの形状追従性が損なわれてしまうため、規
制が生じないようにストッパー部143を十分下方に位
置させておく。
【0081】なお、本実施例においては、加圧用パット
114に接続される複数(3つ)のロッド113のうち
の2つがボディB端部よりはみ出すものと仮定して、こ
れら2つのロッドの落込みを規制する構成としたが、も
ちろん、研磨対象となるワークの幅等に応じて、最端部
の1つのロッドのみの落込みを規制する構成、あるいは
より多数のロッドの落込みを規制する構成とする等は任
意であり、また高さの基準とするロッドとしても常時ワ
ーク表面上部に位置するロッドであれば、任意のものを
選択することができ、あるいはまたワーク表面自体の高
さを直接検出し基準とする等の態様も取り得るものであ
る。さらに、規制部142の構成としてもこの実施例に
示す構成に何ら限定されるものではない。またこのよう
な加圧部変位差調整機構140は、一般には、上記した
ようなワーク端部からの落ち込みが生じる虞れのある自
動空研装置の両端部側の加圧用パットに関してのみ設け
れば良いが、サンルーフ付自動車ボディ等も研磨対象と
する場合には、これらの切欠部に対向する位置に存在す
るものに関してもこのような加圧部変位差調整機構を設
けても良い。
【0082】この実施例の自動空研装置においては、前
記したように取付用ロッド113の下端に板状の加圧板
112が回動可能に接続されているが、図8および図9
に示すように、さらに、この取付用ロッド113には、
この加圧板112との回動可能な接続部より上方におい
て、取付ロッド113の軸線を中心とする矩形の押え板
145が取り付けられており、この押え板145の4つ
の角部位と、相対峙する加圧板112の角部位との間に
は、それぞれコイルバネ146が配置されて、加圧用パ
ット起上り防止機構を構成している。
【0083】加圧用パット114ないし加圧板112を
取付用ロッド113に回動可能に連結した場合、図12
に模式するように、研磨時に研磨面から受ける摩擦力
(N)と、研磨面から回動軸までの距離(h)からなる
モーメントにより、この回動軸より下端の加圧ヘッド部
が力を受け、自動車ボディBの搬送方向側に加圧ヘッド
部が起上ってしまう虞れがある。このように加圧ヘッド
ないし加圧用パッドの起上りが生じると、加圧用パッド
により自動車ボディに押圧される研磨布の接触面積が減
少し、均一な研ぎ付けが出来ない、接触部の加圧力増加
による研ぎキズが発生する、研磨布の片減りが発生する
といった不具合が発生する。このため、発生するモーメ
ントと等価のモーメントを逆方向に発生させることで、
このような起上りを防止するものである。なお、研磨面
から回動軸までの距離(h)を十分に小さくして発生す
るモーメントを限りなくゼロに近づけることも考えられ
るが、加圧パットの形状追従性を高めるためには、前記
したように加圧パットをスポンジのような弾性材質体に
より構成する必要があり、必然的にある程度の厚みが生
じるために、この具現化は困難を伴なうと考えられる。
【0084】この実施例においては、コイルバネ146
の反力を利用して起上りモーメントに対抗する構成とし
たが、加圧用パット起上り防止機構としては、当該取付
用ロッドによる支持位置に対して前記加圧用パットの揺
動方向と略直交する方向において離間された少なくとも
1つの位置に、前記加圧用パッドに対して前記取付用ロ
ッドの軸線と略平行な方向から弾性力ないし荷重を付加
するものであれば、この実施例の構成に限定されること
なく、任意の構成を採用することができ、例えば図1
3、図14に模式するように加圧用の軸(取付用ロッ
ド)を前後(揺動方向と略直交する方向)に分割し、起
上りモーメントに対抗する構成(この場合、自動車ボデ
ィBの搬送方向上流側の軸による荷重W2 を下流側の軸
による荷重W1 より大きくする(W1 <W2 )ことが望
ましい。)とすることや、さらに前記したようなコイル
バネ等の弾性体による方式と加圧軸分割の方式を組合せ
たものなどが採用可能である。
【0085】加えてこの実施例の自動空研装置において
は、図8および図9に示すように、取付用ロッド113
の加圧板112との接続部より揺動方向と平行な方向に
離間された位置に、加圧板112に対し取付用ロッド1
13と同様に回動可能に接続された軸体147が設けら
れており、この軸体147は、その上端部位において揺
動方向と平行な方向に延長された接続用板金材148に
より取付ロッド113に固定され、加圧用パットの揺動
方向における回動角度を規制する首振り防止機構を構成
している。
【0086】加圧用パット114ないし加圧板112を
取付用ロッド113に1つの回動軸で回動可能に連結し
た場合、図15に模式するように、特に揺動の両端(揺
動運動の折返し部)において、研磨面から受ける摩擦力
と研磨面から回動軸までの距離からなるモーメントおよ
び揺動運動力とロッド挿通孔111との当接部から回動
軸までの距離からなるモーメントにより、大きな回動
(首振り)が生じ、これによって加圧用パット114の
ガタ、ヨレが発生し、研ぎ付け不良および研磨布の折
れ、曲り等の不具合が発生する虞れがある。このため、
揺動方向における回動角度を規制する機構を設けること
により、より良好かつ均一な研磨が期待できるものとな
る。
【0087】なお、上記実施例においては、揺動方向と
平行な方向に回動軸を追加して設けることにより取付用
ロッド113の回動角度を規制するものとしたが、揺動
方向における回動角度を規制することのできるものであ
れば、このような構成に何ら限定されるものではなく、
例えば、これ以外にも、揺動方向と平行な方向におい
て、取付用ロッド113より斜め下方に向けて延長され
た板バネ等より構成される干渉体を設け、取付用ロッド
113の回動角度が所定のもの以上となった際にこの干
渉体と加圧板112が接触しこれによって回動角度を規
制することや、あるいはこの取付用ロッド113と加圧
板112との回動自在な接続部において、ある回動角度
となると軸体に対し当りを生じる部位を設ける等により
回動角度を規制するといった構成が採用可能である。
【0088】次にこの実施例における研磨布保持手段に
ついて説明する。この実施例においては、前記図1〜4
に示す実施例とは異なり、各加圧用パット114に対し
て個別の研磨布127が配置されるように構成されてい
る。
【0089】すなわち、この実施例においては、各レシ
プロ部107の長手方向の両端部位には、それぞれ、レ
シプロ部胴体より下方に延長された昇降ないし伸縮可能
なアーム118が設けられ、このアーム118下端に
は、係合・解離操作が可能な対向する一対のロールを有
するクランプ119が配置してあり、研磨布127を前
記自動車ボディB表面と各加圧用パット114の間に保
持する保持手段および研磨布固定・緩衝機構として機能
している。クランプ119は、各加圧用パット114の
取付けられた各レシプロ部107に取付けられているた
めに、各加圧用パットの揺動と同期して揺動することと
なる。また各レシプロ部107には、その上面の長手方
向の一端部位に研磨布供給元ロール123が、また他端
部位に駆動装置(図示せず)に接続された研磨布巻き取
りロール125が取付けられており、研磨布127とし
て一巻にされた長尺なものを使用するものとされてい
る。そして、研磨布供給元ロール123から両方のクラ
ンプ119を通り、巻き取りロール125へと研磨布を
順に架け渡し、使用により性能劣化した部位を逐次巻き
取り、新たな部位を加圧用パット114下に供給するこ
とができるようにし、操業性を高めている。なお、この
ような研磨布の更新は、特に限定されるものではない
が、図16(a)〜(d)に示すように、アーム118
の昇降ないし伸縮手段を作動させて、クランプ119を
加圧用パット114の下面より下方に位置させ、一旦、
加圧用パット114と研磨布127との接触を解除し
(図16(b))、この状態で所定長の研磨布を巻取っ
て研磨布を更新し、その後、片方のクランプ119を加
圧用パット114の下面よりも上方の所定位置まで引上
げ(図16(c))、続いて残りの片方のクランプ11
9を加圧用パット114の下面よりも上方の所定位置ま
で同様に引上げる(図16(d))ことにより、研磨布
127を再度加圧用パットに圧着させるという操作を行
なえば、更新時に研磨布が加圧パット等に引っかかるこ
となく正確な巻付けができ、更新時における研磨布のズ
レ、タルミ、破れ等を防止できるために望ましい。
【0090】しかしながら、もちろん、本実施例におけ
るように比較的大面積の加圧用パットを有する構成とし
た場合であっても、前記図1〜4に示す実施例における
ように全部の加圧用パットに対して1つの研磨布を用い
るような構成とすることも可能であり、またこのような
連続供給形式とせず、定尺の研磨布を使用し、劣化時に
は逐次これを取替えるような構成とすることも可能であ
る。
【0091】さらに図示しないが、このクランプ119
間にかかる研磨布127の張力を検知する機構を設ける
とともに、研磨布供給元ロール123とクランプ11
9、ないしは研磨布巻き取りロール125とクランプ1
19との間に、例えば段差ロール群等から構成される張
力調整機構を設けておき、この検知機構より送られる検
知信号を制御機構に送り、設定値との差より算出される
補正値に基づき張力調整機構を作動させて、クランプ1
19間にかかる研磨布127の張力調整を自動的に行な
えるようにし、併せて研磨布127が破断した場合には
異常信号を発するような構成を付加することが望まし
い。また、さらにクランプ119間にかかる研磨布12
7に付着する研粉を、吸引するあるいは叩く等の操作に
より除去する機構が設けてあることが望ましい。このよ
うな付着研粉除去機構は、例えば、1台の自動車ボディ
Bの研磨終了後、次の自動車ボディBの研磨開始までの
間に作動させることにより、研磨布が目詰まりを生じる
ことなく有効に使用でき、その耐久性が向上し、かつ付
着した研粉による研磨キズ等の発生を抑制することがで
きるものとなる。
【0092】また、前記図1〜4に示す実施例と同様
に、この実施例の自動空研装置においても、図6に示す
ように、各加圧用パット114間には、排気機構(図示
せず)に接続された吸塵パイプ135が、前記加圧用パ
ット114と並列して交互に配置されている。この吸塵
パイプ135の取付方法としては、ワーク表面に略垂直
な方向において変動自在ないし弾性的に保持されるもの
であれば、特に限定されるものではなく、例えば、レシ
プロ部117に対して弾性体ないし変動自在に係止され
た支持軸を介して取付けるなどといった構成を取れば良
く、このようにレシプロ部に取付けると近接する加圧用
パット114と同期して揺動させることも可能となる。
もちろん、独立した弾性支持手段等により所定部位に配
置することもできる。なお、図面においてこの吸塵パイ
プ135の取付方法は省略してある。前記吸塵パイプ1
35を構成する材質としては、前記実施例において述べ
たものと同様のものであることが望まれる。
【0093】本実施例におけるように、各加圧用パット
114に対して個別の研磨布127を配置すると、加圧
用パット114に隣接して配される吸塵パイプ135と
自動車ボディBとの間には、研磨布127が存在してお
らず、このため研磨布127として高価なメッシュ状の
ものを使用するといった制限がなくなり、かつ吸塵が効
率良く行なえるものとなる。
【0094】この実施例の自動空研装置を用いて、自動
車ボディBに施された電着塗装表面の空研を行なう方法
としては、前記図1〜4に示す実施例における装置の場
合とほぼ同様であるため、説明を省略する。
【0095】図17は本発明のさらに別の実施例に係る
自動空研装置を使用して、自動車ボディBを研磨する場
合における加圧用パットの位置関係を模式的に示す図面
である。この実施例に係る自動空研装置は、前記図6〜
9に示した実施例におけるものとは、各加圧用パットを
取付けたレシプロ部に対する昇降機構(および水平アー
ム部)をそれぞれ独立に設けた以外は同様の構成を有す
るものであって、自動車ボディBに対し、各加圧用パッ
ト114を独立して昇降可能とされている。
【0096】この実施例の装置によれば、図示するよう
に、自動車ボディBがルーフにサンルーフ用開口部Oを
有するものである場合であっても、当該開口部Oの存在
する位置においては、この部位に位置する加圧用パット
114(中央部のパット)を上方に待機させ、他の加圧
用パット114(両側面側のパット)のみを自動車ボデ
ィBに押圧して研磨を行なうことができる。なお、フー
ド、トランクリッドおよびルーフにおけるその他の位置
においては、図示するようにすべての加圧用パット11
4を自動車ボディBに押圧して研磨を行なう。
【0097】また、この実施例においては、例えば、水
平アーム部上を揺動する各レシプロ部に駆動手段(モー
タ付減速機)より揺動運動を伝える連接棒およびクラン
ク等の接続手段の一部に可変長部を設けるなどして、水
平アーム部上における各レシプロ部の基準位置を変更可
能とし、これによって各加圧用パット間の間隔が可変さ
れており、また同様に各加圧用パットの揺動幅も可変と
されている。自動車ボディBの略水平面の幅は、通常、
フード、トランクリッドルーフに比べルーフは狭いもの
であるが、この実施例によれば、図示するように、自動
車ボディBの各位置の幅に応じて、加圧用パット間の間
隔および揺動幅を変えることができ、加圧用パットが常
に自動車ボディ幅内に位置するように制御することで、
ワーク端部でのエッジの研ぎ出しや加圧力増大による線
キズの発生の虞れがなくなる。
【0098】図18(a)は本発明のさらに別の実施例
に係る自動空研装置における加圧ヘッドの構成を模式的
に示す正面図、図18(b)はその底面図である。この
実施例においては、加圧用パット214内部に吸気流路
249が形成され、加圧用パットの底面にこの流路に連
通する複数の吸塵口250が開口している。一方、加圧
用パットの側面に形成されたこの吸気流路249の導出
口251には、ベローズ管等の伸縮可能な連通管252
を介して、図示しない排気機構に接続されている。この
ように加圧用パットに吸塵機構を配すれば、メッシュ状
の研磨布と組合せることにより、研磨と同時に、発生す
る研粒の吸塵除去が可能となり、また併せて研磨布の目
詰まりが防止されるために、研磨布の使用寿命が向上す
る。
【0099】以上本発明を実施例により説明したが、本
発明は例示した実施例の構成に何ら限定されるものでは
ない。例えば、前記実施例においては、研磨を行なうワ
ーク表面が自動車ボディのフード、ルーフおよびトラン
クといった略水平方向に向いたものであり、研磨布を水
平方向に揺動させる構成を有するものとしたが、研磨を
行なうワーク表面が略鉛直方向に向いたものであって
も、あるいは他の傾斜角度を有するものであっても、上
記実施例におけると同様に、弾性的ないし変動自在に支
持された複数の加圧用パットを前記ワーク表面に対向し
て配置し、当該加圧用パットにより研磨布をワーク表面
に押し当て、当該加圧用パットをワーク表面に略平行な
方向において揺動させる機構を設けることで本発明に係
わる装置を構成し得るものである。また、先に記述した
ように、加圧用パットの支持方法、吸塵パイプの有無、
研磨布の保持手段等についても各種の態様を取ることが
でき、さらに揺動機構および昇降機構としても同様に機
能し得るものであれば、前記した以外の構成を採用する
ことは当然に可能である。
【0100】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、ワー
ク表面の研磨を行なうにおいて、ワーク表面の形状に追
従してワーク表面に略垂直な方向に変動可能とされた複
数の加圧用パットをワーク表面に対向して配置し、当該
加圧用パットにより研磨布をワーク表面に押し当て、当
該加圧用パットをワーク表面に略平行な方向において揺
動させて空研を行なうものであるので、形状追従性がよ
く、自動操作にて全体を均一に研磨できる。またこのよ
うに複数の加圧用パットを有するために小さな揺動を付
与するのみで全面を研磨でき、装置の設計容易性、信頼
性も向上し、また作業エリアが小さくなり、作業環境を
良好なものとすることができる。また、本発明において
は研磨布を使用して研磨を行なうため、研磨時において
遊離しワーク表面上付着する研粉の量が少なく空研に十
分対応できるものである。
【0101】さらに、本発明の自動空研装置において前
記複数の加圧パットが、荷重を利用する加圧方式による
ものであれば、容易に一定の加圧力を得ることができ
る。
【0102】また本発明の自動空研装置が、ワーク表面
に略平行に配置されたレシプロ部と、前記ワーク表面に
略垂直な軸線をそれぞれ有して、相互に離間して配置さ
れた複数のロッドであって、ワーク表面に略垂直な方向
において変動自在ないし弾性的に、一方ワーク表面に略
平行な方向においては変動を規制されて前記レシプロ部
に係止された加圧力を付与する支持ロッドと、前記支持
ロッドのワーク表面に対向する先端部に取付けられた、
相互に離間して配置された複数の加圧用パットと、前記
ワーク表面と前記加圧用パットの間に帯状研磨部材を保
持する保持手段と、前記レシプロ部を前記ワーク表面に
略平行な方向において揺動させる揺動機構と、前記レシ
プロ部を前記ワーク表面に対して略垂直な方向に変位さ
せる変位機構とを有する構成を取れば、複数の加圧用パ
ットに所定の揺動運動を容易に付与でき、かつ、ワーク
が例えば自動車ボディのような複雑な構成を有するもの
であっても、ワーク表面各部位の研磨が容易に行ない得
るものである。
【0103】さらに本発明の自動空研装置において、上
記加圧用パットが、前記支持ロッドに回動可能に支持さ
れるものであると、ワーク表面に対する形状追従性がさ
らに向上し、エッジ当りせず均一に加重を加えることが
できるために、例えば線キズといった研磨不良の発生を
抑制できる。
【0104】また、本発明の自動空研装置において、排
気機構に接続された複数の吸塵パイプを、ワーク表面に
対向して弾性的ないし変動自在に保持し、前記加圧用パ
ットと並列して配置すると、研磨により発生する研粉の
除去ができ空研操作をより良好なものとすることができ
る。
【0105】また本発明の自動空研装置において、加圧
用パットの研磨布に当接する部位の面積が6000〜1
0000mm2 程度であると、同一加重での単位面積当
りの加圧力が大きくなり、研磨力が向上すること、また
自動車ボディの形状に対する追従性が向上する。
【0106】さらに前記加圧用パッドの研磨布に当接す
る部位の面形状が、ワーク表面の比較的曲率の大きな第
1方向に沿う方向において短く、前記第1方向と直交す
る比較的曲率の小さな第2方向に沿う方向において長い
ものとして構成されていると、良好な研磨力を得るため
の十分な加圧力が得られると同時に、ワーク表面に対す
る形状追従性がより一層向上するものとなる。
【0107】さらに、本発明の自動空研装置において
は、前記複数の加圧用パットにより1枚の研磨布をワー
ク表面に当接し研磨することが可能となるため、長尺の
研磨布を用い、研磨布の保持手段に前後して研磨布供給
部と研磨布巻き取り部を配することで、研磨部において
使用され性能劣化した研磨布部位を連続的に交換でき、
操業性が向上する。
【0108】また、前記研磨布の保持手段が、ワーク表
面に略平行な面の両端部において研磨布を固定する機構
を備え、かつ前記加圧用パットの揺動と同期して揺動す
る機構を付されているものであると、研磨布の研磨時に
おけるズレ・だぶつきが防止され、これらに起因する局
部的な研磨不良が防止される。
【0109】さらに本発明の自動空研装置において、支
持ロッドに複数本ごとに複数の組を形成させ、この各組
において、前記複数本の支持ロッドを1つの加圧用パッ
ドに対し相互に独立して接続させ、かつこの加圧用パッ
ドを少なくとも面方向に可撓性を有する部材により形成
し、前記複数の支持ロッドがワーク表面に略垂直な方向
にそれぞれ相互に変位差を有して変位可能な構成を有す
れば、加圧パットの面積を比較的大きなものとしても、
パットの形状追従性は良好なものとなり、かつ加圧パッ
トの個数が減少し、故障率の低下、制御の簡素化が期待
できるものとなる。この場合、上記各加圧用パットの研
磨布に当接する部位の面積が、6000〜500000
mm2 程度であることが望ましい。
【0110】加えて、このように加圧パットを上記のよ
うにして大面積化した場合、加圧パッドの研磨布に当接
する部位が弾性材質体により構成されていると、ワーク
表面の形状に対する追従性がより良好となる。
【0111】さらに本発明において、前記加圧パットに
接続された複数本の支持ロッド間の変位差を調整する加
圧部変位差調整機構が設けられていると、ワーク端部で
のエッジの研ぎ出しや加圧力増大による線キズの発生の
虞れがなくなる。
【0112】本発明の自動空研装置において、前記加圧
用パットが前記支持ロッドに回動可能に支持されてお
り、かつ当該支持ロッドによる支持位置に対して前記加
圧用パットの揺動方向と略直交する方向において離間さ
れた少なくとも1つの位置に、前記加圧用パッドに対し
て前記支持ロッドの軸線と略平行な方向から弾性力ない
し荷重を付加する加圧用パット起上り防止機構が備えら
れていると、研磨工程において摩擦力による加圧用パッ
トの起上りが防止でき、均一な研ぎ付けが可能となる。
【0113】本発明の自動空研装置において、前記加圧
用パットが前記支持ロッドに回動可能に支持されてお
り、かつ前記加圧用パットの揺動方向における回動角度
を規制する首振り防止機構が備えられていると、揺動時
の加圧用パットのガタ、ヨレ等の不具合の発生が防止さ
れ、均一な研ぎ付けが可能となる。
【0114】さらに本発明の自動空研装置において、前
記レシプロ部および前記変位機構を、前記加圧用パット
ごとに設け、前記ワーク表面に対する前記加圧用パット
の変位を、各加圧用パットごとに制御可能とされている
と、例えばサンルーフ付自動車ボディといった部分的に
研磨が不必要な部位を有するワークに対しても適用可能
な装置となる。
【0115】本発明の自動空研装置において、前記レシ
プロ部および前記変位機構を、前記加圧用パットごとに
設け、各加圧用パットの揺動幅および各加圧用パット間
の間隔が可変とされていると、部分的に幅が狭い箇所を
有するワークに対しても加圧パットがワーク表面よりは
み出すことなく研磨を行なえるため、ワーク端部でのエ
ッジの研ぎ出しや加圧力増大による線キズの発生の虞れ
がなくなるものである。
【0116】さらに本発明の自動空研装置において、上
記したように比較的大面積の加圧パットを有する構成と
した場合において、加圧用パットごとに研磨布が配置さ
れると、パット間に研磨布が存在しないため、この部位
に吸塵装置を配すれば、例えばメッシュ状といった研磨
布の形状に限定されることなく、研磨時に発生する研粉
の吸塵除去が可能となる。なお、この場合、研磨布の保
持手段が各加圧用パットの両端部においてクランプ等の
研磨布を固定する機構を備え、かつ前記加圧用パットの
揺動と同期して揺動する機構を付されているものであ
り、また前記研磨布が長尺のものであって、前記保持手
段に前後して研磨布供給部と、研磨布巻き取り部とが設
けられており、さらに前記保持手段の前記研磨布固定機
構が、前記加圧用パットの肉厚方向に変位可能とされて
おり、前記研磨布と前記加圧用パットとの接触を解離し
た状態で研磨布の逐次更新が可能とされているものであ
ると、研磨操作中および研磨布更新時における研磨布の
ズレ、タルミ、破れといった不具合が生じない。
【0117】本発明の自動空研装置において、さらに、
前記研磨布に付着した研粉を除去する機構が設けてある
ものであると、研磨布が目詰まりを生じることなく有効
に使用でき、その耐久性が向上し、かつ付着した研粉に
よる研磨キズ等の発生を抑制することができるものであ
る。
【0118】本発明の自動空研装置において、さらに、
前記加圧用パットに、排気機構に接続された吸気流路を
形成し、加圧用パットの研磨布に当接する部位に当該吸
気流路の開孔部を設けてなるものであると、研磨と同時
に研粉を除去することができるとともに、研磨布の目詰
まりを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の自動空研装置の一実施例の構成を模
式的に示す一部断面図、
【図2】 同実施例の側面図、
【図3】 同実施例における要部構成を示す正面図、
【図4】 同実施例における要部構成を示す側面図、
【図5】 本発明の別の実施例における要部構成を示す
側面図、
【図6】 本発明に係る自動空研装置のさらに別の実施
例の構成を模式的に示す正面図、
【図7】 同実施例の側面図、
【図8】 同実施例の要部構成を示す正面図、
【図9】 同実施例の要部構成を示す側面図、
【図10】 (a)および(b)は加圧用パットのワー
ク端部における状態を説明する参考図、
【図11】 前記実施例の別の要部構成を模式的に示す
正面図、
【図12】 加圧用パットの研磨時における起上り現象
を説明する参考図、
【図13】 本発明に係る自動空研装置のさらに別の実
施例の要部構成を模式的に示す斜視図、
【図14】 同実施例の作動状態を説明する模式図
【図15】 加圧用パットの研磨時における揺動方向に
おける首振り現象を説明する参考図、
【図16】 (a)〜(d)は本発明の自動空研装置の
一実施例における研磨布の更新工程を示す模式図、
【図17】 本発明のさらに別の実施例を使用して自動
車ボディを研磨する場合における加圧用パットの位置関
係を示す説明図、
【図18】 (a)は本発明の自動空研装置のさらに別
の実施例の要部構成を模式的に示す正面図、(b)は同
要部構成の底面図。
【符号の説明】
1、101…自動空研装置、 2、102…支柱部、 3、103…昇降機構、 4、104…水平アーム部、 5、105…レール、 6、106…ローラ、 7、107…レシプロ部、 8、108…モータ付減速機、 9、109…回転軸、 10…加圧用パット位置変更用シリンダ、 11…ピストンロッド、 12…接続部材、 13、113、213…加圧用パット取付用ロッド、 14、114、214…加圧用パッド、 15…コイルバネ下端押え鍔部、 16…コイルバネ、 17…脱落防止用キャップ、 18、118…アーム、 19a,b…研磨布架渡用ロール、 20…研磨布固定・緩衝機構、 21…研磨布供給部、 22…研磨布巻き取り部、 23、123…研磨布供給元ロール、 24、26…段差ロール群、 25、125…研磨布巻き取りロール、 27、127…研磨布、 28…滑動部、 29…回転ローラ、 30…凹状ガイド溝、 31…昇降モータ、 32…牽引ワイヤ、 33…プーリー、 34…吸塵パイプ取付け用板金、 35、135…吸塵パイプ、 36…帯金、 37…ベローズ管、 110…水平板部、 111…ロッド挿通孔、 112…加圧板、 119…クランプ、 140…加圧部変位差調整機構、 141…位置センサー部、 142…規制部、 143…ストッパー部、 144…ラックとピニオン、 145…押え板、 146…コイルバネ、 147…軸体、 148…接続用板金材、 249…吸気流路、 250…吸塵口、 251…吸気流路導出口、 252…連通管、 B…自動車ボディ、 O…サンルーフ用開口部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 丈志 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワーク表面の研磨を行なう自動空研装置
    であって、 ワーク表面の形状に追従してワーク表面に略垂直な方向
    に変動可能とされた複数の加圧用パットを前記ワーク表
    面に対向して配置し、当該加圧用パットにより研磨布を
    ワーク表面に押し当て、当該加圧用パットをワーク表面
    に略平行な方向において揺動させて、該揺動に追従して
    動く研磨布により研磨を行なうことを特徴とする自動空
    研装置。
  2. 【請求項2】 加圧用パットが荷重を利用する加圧方式
    となっていることを特徴とする自動空研装置。
  3. 【請求項3】 加圧用パットが弾性部材を利用する加圧
    方式となっていることを特徴とする請求項1に記載の自
    動空研装置。
  4. 【請求項4】 ワーク表面に略平行に配置されたレシプ
    ロ部と、 前記ワーク表面に略垂直な軸線をそれぞれ有して、相互
    に離間して配置された複数のロッドであって、ワーク表
    面に略垂直な方向において変動自在ないし弾性的に、一
    方ワーク表面に略平行な方向においては変動を規制され
    て前記レシプロ部に係止された加圧力を付与する支持ロ
    ッドと、 前記支持ロッドのワーク表面に対向する先端部に取付け
    られた、相互に離間して配置された複数の加圧用パット
    と、 前記ワーク表面と前記加圧用パットの間に帯状研磨部材
    を保持する保持手段と、 前記レシプロ部を前記ワーク表面に略平行な方向におい
    て揺動させる揺動機構と、 前記レシプロ部を前記ワーク表面に対して略垂直な方向
    に変位させる変位機構とを有することを特徴とする自動
    研磨装置。
  5. 【請求項5】 前記加圧用パットが、前記支持ロッドに
    回動可能に支持されているものである請求項1〜4のい
    ずれかに記載の自動空研装置。
  6. 【請求項6】 排気機構に接続された複数の吸塵パイプ
    が、ワーク表面に略垂直な方向において変動自在ないし
    弾性的に保持され、前記加圧用パットと並列して配置さ
    れているものである請求項1〜5のいずれかに記載の自
    動空研装置。
  7. 【請求項7】 前記各加圧用パットの研磨布に当接する
    部位の面積が、6000〜10000mm2 程度である
    請求項1〜7のいずれかに記載の自動空研装置。
  8. 【請求項8】 前記加圧用パッドの研磨布に当接する部
    位の面形状が、ワーク表面の比較的曲率の大きな第1方
    向に沿う方向において短く、前記第1方向と直交する比
    較的曲率の小さな第2方向に沿う方向において長いもの
    として構成されているものである請求項1〜10のいず
    れかに記載の自動空研装置。
  9. 【請求項9】 1枚の研磨布により研磨を行なうことを
    特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の自動空研装
    置。
  10. 【請求項10】 前記研磨布の保持手段が、ワーク表面
    に略平行な面の両端部において研磨布を固定する機構を
    備え、かつ前記加圧用パットの揺動と同期して揺動する
    機構を付されているものである請求項1〜9のいずれか
    に記載の自動空研装置。
  11. 【請求項11】 前記研磨布が長尺のものであって、前
    記保持手段に前後して研磨布供給部と、研磨布巻き取り
    部とが設けられているものである請求項1〜10のいず
    れかに記載の自動空研装置。
  12. 【請求項12】 前記支持ロッドが複数本ごとに複数の
    組を形成し、この各組において、前記複数本の支持ロッ
    ドが1つの加圧用パッドに対し相互に独立して接続され
    ており、かつこの加圧用パッドが少なくとも面方向に可
    撓性を有する部材により形成されており、前記複数の支
    持ロッドがワーク表面に略垂直な方向にそれぞれ相互に
    変位差を有して変位可能とされていることを特徴とする
    請求項1〜6のいずれかに記載の自動空研装置。
  13. 【請求項13】 前記各加圧用パットの研磨布に当接す
    る部位の面積が、6000〜500000mm2 程度で
    ある請求項12に記載の自動空研装置。
  14. 【請求項14】 前記加圧パッドの研磨布に当接する部
    位が、弾性材質体により構成されていることを特徴とす
    る請求項12または13に記載の自動空研装置。
  15. 【請求項15】 前記加圧パットに接続された複数本の
    支持ロッド間の変位差を調整する加圧部変位差調整機構
    が設けられていることを特徴とする請求項12〜14の
    いずれかに記載の自動空研装置。
  16. 【請求項16】 前記加圧用パットが前記支持ロッドに
    回動可能に支持されており、かつ当該支持ロッドによる
    支持位置に対して前記加圧用パットの揺動方向と略直交
    する方向において離間された少なくとも1つの位置に、
    前記加圧用パッドに対して前記支持ロッドの軸線と略平
    行な方向から弾性力ないし荷重を付加する加圧用パット
    起上り防止機構が備えられていることを特徴とする請求
    項5〜15のいずれかに記載の自動空研装置。
  17. 【請求項17】 前記加圧用パットが前記支持ロッドに
    回動可能に支持されており、かつ前記加圧用パットの揺
    動方向における回動角度を規制する首振り防止機構が備
    えられていることを特徴とする請求項5〜16のいずれ
    かに記載の自動空研装置。
  18. 【請求項18】 前記レシプロ部および前記変位機構
    を、前記加圧用パットごとに設け、前記ワーク表面に対
    する前記加圧用パットの変位を、各加圧用パットごとに
    制御可能としたことを特徴とする請求項12〜17のい
    ずれかに記載の自動空研装置。
  19. 【請求項19】 前記レシプロ部および前記変位機構
    を、前記加圧用パットごとに設け、各加圧用パットの揺
    動幅および各加圧用パット間の間隔を可変としたことを
    特徴とする請求項12〜18のいずれかに記載の自動空
    研装置。
  20. 【請求項20】 前記加圧用パットごとに研磨布が配置
    され、複数枚の研磨布により研磨を行なうことを特徴と
    する請求項12〜19のいずれかに記載の自動空研装
    置。
  21. 【請求項21】 前記研磨布の保持手段が前記加圧用パ
    ットごとに設けられており、 この保持手段が各加圧用パットの両端部において研磨布
    を固定する機構を備え、かつ前記加圧用パットの揺動と
    同期して揺動する機構を付されているものであり、 また前記研磨布が長尺のものであって、前記保持手段に
    前後して研磨布供給部と、研磨布巻き取り部とが設けら
    れており、 さらに前記保持手段の前記研磨布固定機構が、前記加圧
    用パットの肉厚方向に変位可能とされており、前記研磨
    布と前記加圧用パットとの接触を解離した状態で研磨布
    の逐次更新が可能とされていることを特徴とする請求項
    20に記載の自動空研装置。
  22. 【請求項22】 前記研磨布に付着した研粉を除去する
    機構が設けてあることを特徴とする請求項1〜21のい
    ずれかに記載の自動空研装置。
  23. 【請求項23】 前記加圧用パットに、排気機構に接続
    された吸気流路を形成し、加圧用パットの研磨布に当接
    する部位に当該吸気流路の開孔部を設けてなることを特
    徴とする請求項1〜22のいずれかに記載の自動空研装
    置。
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