JPH08155602A - 溶融金属の連続鋳造方法 - Google Patents
溶融金属の連続鋳造方法Info
- Publication number
- JPH08155602A JPH08155602A JP30401594A JP30401594A JPH08155602A JP H08155602 A JPH08155602 A JP H08155602A JP 30401594 A JP30401594 A JP 30401594A JP 30401594 A JP30401594 A JP 30401594A JP H08155602 A JPH08155602 A JP H08155602A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- molten metal
- mold
- electromagnetic force
- electromagnetic coil
- lubricant
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 潤滑剤の溶融金属への巻込みを防止して鋳片
表層部の品質を改善すると同時に鋳造生産性の向上をも
図ることができる溶融金属の連続鋳造方法を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 上下方向に一定周期の振動を付与する水冷鋳
型に溶融金属を注入すると共に溶融金属表面に潤滑剤を
投入し、さらに該鋳型を包囲して配置したリニア電磁コ
イルにより鉛直面内に電磁力を付与して溶融金属の連続
鋳造を行う方法において、前記リニア電磁コイルに付与
する三相交流電流の周波数が鋳型振動の周波数の２ｎ
（ｎは１以上の整数）分の１となるように調整すると共
に、その電磁力の方向を鉛直斜め上方に指向させること
を特徴とする。
表層部の品質を改善すると同時に鋳造生産性の向上をも
図ることができる溶融金属の連続鋳造方法を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 上下方向に一定周期の振動を付与する水冷鋳
型に溶融金属を注入すると共に溶融金属表面に潤滑剤を
投入し、さらに該鋳型を包囲して配置したリニア電磁コ
イルにより鉛直面内に電磁力を付与して溶融金属の連続
鋳造を行う方法において、前記リニア電磁コイルに付与
する三相交流電流の周波数が鋳型振動の周波数の２ｎ
（ｎは１以上の整数）分の１となるように調整すると共
に、その電磁力の方向を鉛直斜め上方に指向させること
を特徴とする。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属の連続鋳造方
法、特に、周方向から溶融金属に電磁力を付与し鋳片表
層の改善を図ることができる連続鋳造方法に関する。
法、特に、周方向から溶融金属に電磁力を付与し鋳片表
層の改善を図ることができる連続鋳造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】例えば、鋼の連続鋳造を行う場合、水冷
構造の鋳型内に溶鋼をノズルを介して注入すると共にそ
の溶鋼表面に潤滑剤（パウダー）を投入し、鋳型に上下
方向に一定周期の振動を付与しながら、溶鋼をその周辺
から凝固させつつ下方に引き抜いて鋳片を得ていた。こ
の鋳造に際しては良好な表面性状の鋳片を得るために、
鋳型の溶鋼メニスカス部に相当する位置の周囲に電磁コ
イルを配置して、鋳型中心に向う電磁力により溶鋼にピ
ンチ力を付与せしめ、溶鋼表面を凸状に盛り上げること
によって、鋳片と鋳型間に潤滑剤が円滑に入り込むよう
にする技術が広く知られている（特公昭５７−２１４０
８号公報参照）。
構造の鋳型内に溶鋼をノズルを介して注入すると共にそ
の溶鋼表面に潤滑剤（パウダー）を投入し、鋳型に上下
方向に一定周期の振動を付与しながら、溶鋼をその周辺
から凝固させつつ下方に引き抜いて鋳片を得ていた。こ
の鋳造に際しては良好な表面性状の鋳片を得るために、
鋳型の溶鋼メニスカス部に相当する位置の周囲に電磁コ
イルを配置して、鋳型中心に向う電磁力により溶鋼にピ
ンチ力を付与せしめ、溶鋼表面を凸状に盛り上げること
によって、鋳片と鋳型間に潤滑剤が円滑に入り込むよう
にする技術が広く知られている（特公昭５７−２１４０
８号公報参照）。
【０００３】しかしながら、従来の鋳型を包囲する電磁
コイルによりピンチ力を付与する連続鋳造法において
は、図２に示すように、単相交流の電磁コイル１１によ
り溶鋼中に生じる電磁力は、鋳型１４中心へ向う水平な
流れを誘起するが、矢印ａにて示す電磁力はコイル中心
側で強く端部側でこれより弱いため、図示のごとき上下
に独立した攪拌流ｂ1 ，ｂ2 を発生させる。これら攪拌
流は凝固シェル１５に当る流れとなり、その結果、攪拌
流ｂ1 は、潤滑剤１３の溶鋼への巻き込みを招き、巻き
込んだ潤滑剤が凝固シェル１５に捕捉されて、鋳片の欠
陥を発生する原因となっていた。
コイルによりピンチ力を付与する連続鋳造法において
は、図２に示すように、単相交流の電磁コイル１１によ
り溶鋼中に生じる電磁力は、鋳型１４中心へ向う水平な
流れを誘起するが、矢印ａにて示す電磁力はコイル中心
側で強く端部側でこれより弱いため、図示のごとき上下
に独立した攪拌流ｂ1 ，ｂ2 を発生させる。これら攪拌
流は凝固シェル１５に当る流れとなり、その結果、攪拌
流ｂ1 は、潤滑剤１３の溶鋼への巻き込みを招き、巻き
込んだ潤滑剤が凝固シェル１５に捕捉されて、鋳片の欠
陥を発生する原因となっていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の問題点を解消し、潤滑剤の溶融金属への巻込
みを防止して鋳片表層部の品質を改善すると同時に鋳造
生産性の向上をも図ることができる溶融金属の連続鋳造
方法を提供することを目的とする。
従来技術の問題点を解消し、潤滑剤の溶融金属への巻込
みを防止して鋳片表層部の品質を改善すると同時に鋳造
生産性の向上をも図ることができる溶融金属の連続鋳造
方法を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、上下方
向に一定周期の振動を付与する水冷鋳型に溶融金属を注
入すると共に溶融金属表面に潤滑剤を投入し、さらに該
鋳型を包囲して配置したリニア電磁コイルにより鉛直面
内に電磁力を付与して溶融金属の連続鋳造を行う方法に
おいて、前記リニア電磁コイルに付与する三相交流電流
の周波数が鋳型振動の周波数の２ｎ（ｎは１以上の整
数）分の１となるように調整すると共に、その電磁力の
方向を鉛直斜め上方に指向させることを特徴とする溶融
金属の連続鋳造方法にある。
向に一定周期の振動を付与する水冷鋳型に溶融金属を注
入すると共に溶融金属表面に潤滑剤を投入し、さらに該
鋳型を包囲して配置したリニア電磁コイルにより鉛直面
内に電磁力を付与して溶融金属の連続鋳造を行う方法に
おいて、前記リニア電磁コイルに付与する三相交流電流
の周波数が鋳型振動の周波数の２ｎ（ｎは１以上の整
数）分の１となるように調整すると共に、その電磁力の
方向を鉛直斜め上方に指向させることを特徴とする溶融
金属の連続鋳造方法にある。
【０００６】
【作用】以下本発明の詳細を説明する。通常の連続鋳造
においては、上記のように水冷鋳型に上下方向に一定周
期で振動を付与しているが、この鋳型振動により鋳片表
面にはオシレーションマークと呼ばれる凹部状欠陥が発
生する。この欠陥は上下方向の鋳型振動と一対一に対応
する。これは鋳型振動が潤滑剤を介して凝固シェルに与
える力が鋳型振動周期で変動するからである。
においては、上記のように水冷鋳型に上下方向に一定周
期で振動を付与しているが、この鋳型振動により鋳片表
面にはオシレーションマークと呼ばれる凹部状欠陥が発
生する。この欠陥は上下方向の鋳型振動と一対一に対応
する。これは鋳型振動が潤滑剤を介して凝固シェルに与
える力が鋳型振動周期で変動するからである。
【０００７】そのため本発明においては、まず、鋳型を
包囲して鉛直面内に電磁力を付与するためのリニア電磁
コイルには、単相ではなく三相の交流電流を流すと共
に、その周波数を鋳型振動の周波数の２ｎ（ｎは１以上
の整数）分の１となるように制御する。このようにする
と、鋳型振動は移動磁界による電磁力の変動の周波数と
同期することになり、オシレーションマークの発生を防
止し、凝固シェルの変形が抑制される。
包囲して鉛直面内に電磁力を付与するためのリニア電磁
コイルには、単相ではなく三相の交流電流を流すと共
に、その周波数を鋳型振動の周波数の２ｎ（ｎは１以上
の整数）分の１となるように制御する。このようにする
と、鋳型振動は移動磁界による電磁力の変動の周波数と
同期することになり、オシレーションマークの発生を防
止し、凝固シェルの変形が抑制される。
【０００８】また、三相の交流電流を流す電磁コイル１
を、図１に示すように、Ｒ相、Ｓ相、Ｔ相の順になるご
とく結線し、各線を鉄心２の溝によりそれぞれ被覆して
鋳型４周囲に設置すれば、コイル電流は図３に示すごと
く、１２０°ごとに位相を変えた同一の波形となること
から、このコイルの設置範囲内では溶融金属には上向き
の移動磁界が順次生じる。したがって、この上向きの移
動磁界とコイル本来のピンチ力による中心側への電磁力
によって、溶融金属６の電磁力誘起流れの方向が、従来
のものと異なり、鋳型中心に向う方向であってかつ鉛直
斜め上方に指向する方向（図の矢印Ａ）となり、攪拌流
も矢印Ｂのごとく上向きの流れとなり、これにより潤滑
剤（パウダー）の溶融金属に対する巻き込みは起こら
ず、かつ、潤滑剤の鋳型４と凝固シェル５間への流入が
促進される結果、良好な鋳片性状が得られると共に鋳造
生産性の向上にもつながる。
を、図１に示すように、Ｒ相、Ｓ相、Ｔ相の順になるご
とく結線し、各線を鉄心２の溝によりそれぞれ被覆して
鋳型４周囲に設置すれば、コイル電流は図３に示すごと
く、１２０°ごとに位相を変えた同一の波形となること
から、このコイルの設置範囲内では溶融金属には上向き
の移動磁界が順次生じる。したがって、この上向きの移
動磁界とコイル本来のピンチ力による中心側への電磁力
によって、溶融金属６の電磁力誘起流れの方向が、従来
のものと異なり、鋳型中心に向う方向であってかつ鉛直
斜め上方に指向する方向（図の矢印Ａ）となり、攪拌流
も矢印Ｂのごとく上向きの流れとなり、これにより潤滑
剤（パウダー）の溶融金属に対する巻き込みは起こら
ず、かつ、潤滑剤の鋳型４と凝固シェル５間への流入が
促進される結果、良好な鋳片性状が得られると共に鋳造
生産性の向上にもつながる。
【０００９】
鋳造条件 ・鋳造材料：普通鋼アルミキルド材 ・鋳型サイズ；１５０mmφ×８００mmｈ ・鋳型振動：ストローク ６mm、サイクル １８０cpm
（３Hz） 潤滑剤 ・主成分 Ｃ−ＣａＯ−ＳｉＯ2 −Ａｌ2 Ｏ3 −ＮａＦ
系 ・粘度 ２ポアズ 電磁力条件 ・コイル：湯面レベルが鋳型上端から１００mm下方のと
き、湯面レベルから下方２００mmまでの位置に配置 比較条件 電磁力無印加 従来の単相交流法 ６０Hz １２００ガウス（最大実
効値） 本発明の三相交流、１．５Hz（鋳型振動の１／２）、
１２００ガウス（最大実効値）
（３Hz） 潤滑剤 ・主成分 Ｃ−ＣａＯ−ＳｉＯ2 −Ａｌ2 Ｏ3 −ＮａＦ
系 ・粘度 ２ポアズ 電磁力条件 ・コイル：湯面レベルが鋳型上端から１００mm下方のと
き、湯面レベルから下方２００mmまでの位置に配置 比較条件 電磁力無印加 従来の単相交流法 ６０Hz １２００ガウス（最大実
効値） 本発明の三相交流、１．５Hz（鋳型振動の１／２）、
１２００ガウス（最大実効値）
【００１０】上記の各条件で鋳造を行った結果を図４の
潤滑剤巻込み欠陥指数及び図５の鋳片表面粗度指数に基
づいて示すが、欠陥指数では本発明方法が最も優れた指
数を示し、表面性状では従来の方法より若干劣るが、ほ
とんど遜色のない性状を示している。
潤滑剤巻込み欠陥指数及び図５の鋳片表面粗度指数に基
づいて示すが、欠陥指数では本発明方法が最も優れた指
数を示し、表面性状では従来の方法より若干劣るが、ほ
とんど遜色のない性状を示している。
【００１１】
【発明の効果】以上のごとく本発明の鋳造方法によれ
ば、鋳型振動に一致する電磁力を溶融金属に付与するの
で、凝固シェルにかかる力が同期し、オシレーションマ
ークのような欠陥が発生しない。また、溶融金属にピン
チ力を付与する電磁力を生み出す電流として三相交流を
用い、これに鉛直斜め上向の電磁力を生じせしめること
から、潤滑剤の溶融金属への巻き込みが防止でき、鋳片
表層の品質改善を図ることができると共に、鋳型振動に
同期しかつ最適な指向性を有する電磁力の付与により、
鋳造作業も効率よく行われることから、生産性の向上を
も図ることができる。
ば、鋳型振動に一致する電磁力を溶融金属に付与するの
で、凝固シェルにかかる力が同期し、オシレーションマ
ークのような欠陥が発生しない。また、溶融金属にピン
チ力を付与する電磁力を生み出す電流として三相交流を
用い、これに鉛直斜め上向の電磁力を生じせしめること
から、潤滑剤の溶融金属への巻き込みが防止でき、鋳片
表層の品質改善を図ることができると共に、鋳型振動に
同期しかつ最適な指向性を有する電磁力の付与により、
鋳造作業も効率よく行われることから、生産性の向上を
も図ることができる。
【図１】本発明の方法を実施するため三相電磁コイルを
配置した鋳造設備例を示す断面説明図。
配置した鋳造設備例を示す断面説明図。
【図２】従来の鋳造方法を実施するため単相電磁コイル
を配置した装置を示す断面説明図。
を配置した装置を示す断面説明図。
【図３】本発明において用いる三相のコイル電流の波形
を示す説明図。
を示す説明図。
【図４】本発明の実施例における潤滑剤巻き込み欠陥指
数についての効果を従来例および比較例と対比して示す
グラフ。
数についての効果を従来例および比較例と対比して示す
グラフ。
【図５】本発明の実施例における鋳片表面粗度について
の効果を従来例および比較例と対比して示すグラフ。
の効果を従来例および比較例と対比して示すグラフ。
１ 三相電磁コイル ２ 鉄心 ３ 潤滑剤 ４ 鋳型 ５ 凝固シェル ６ 溶融金属
Claims (1)
- 【請求項１】 上下方向に一定周期の振動を付与する水
冷鋳型に溶融金属を注入すると共に鋳型内の溶融金属表
面に潤滑剤を投入し、さらに該鋳型を包囲して配置した
リニア電磁コイルにより鉛直面内に電磁力を付与して溶
融金属の連続鋳造を行う方法において、前記リニア電磁
コイルに付与する三相交流電流の周波数が鋳型振動の周
波数の２ｎ（ｎは１以上の整数）分の１となるように調
整すると共に、その電磁力の方向を鉛直斜め上方に指向
させることを特徴とする溶融金属の連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30401594A JPH08155602A (ja) | 1994-12-07 | 1994-12-07 | 溶融金属の連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30401594A JPH08155602A (ja) | 1994-12-07 | 1994-12-07 | 溶融金属の連続鋳造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08155602A true JPH08155602A (ja) | 1996-06-18 |
Family
ID=17928047
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30401594A Withdrawn JPH08155602A (ja) | 1994-12-07 | 1994-12-07 | 溶融金属の連続鋳造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08155602A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104209499A (zh) * | 2013-05-29 | 2014-12-17 | 宝山钢铁股份有限公司 | 利用电磁力致熔体振荡的低频脉冲磁场凝固细晶方法 |
-
1994
- 1994-12-07 JP JP30401594A patent/JPH08155602A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104209499A (zh) * | 2013-05-29 | 2014-12-17 | 宝山钢铁股份有限公司 | 利用电磁力致熔体振荡的低频脉冲磁场凝固细晶方法 |
| CN104209499B (zh) * | 2013-05-29 | 2017-02-08 | 宝山钢铁股份有限公司 | 利用电磁力致熔体振荡的低频脉冲磁场凝固细晶方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020305 |