JPH0815131A - 劣化診断システム - Google Patents

劣化診断システム

Info

Publication number
JPH0815131A
JPH0815131A JP14793794A JP14793794A JPH0815131A JP H0815131 A JPH0815131 A JP H0815131A JP 14793794 A JP14793794 A JP 14793794A JP 14793794 A JP14793794 A JP 14793794A JP H0815131 A JPH0815131 A JP H0815131A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
deterioration
measured
diagnosis system
deterioration diagnosis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14793794A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitaka Takezawa
由高 竹澤
Toru Koyama
小山  徹
Shinichi Akasaka
伸一 赤坂
Juichi Miya
宮  寿一
Makoto Shimodera
下寺  誠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Building Systems Engineering and Service Co Ltd
Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Building Systems Engineering and Service Co Ltd
Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Hitachi Building Systems Engineering and Service Co Ltd, Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP14793794A priority Critical patent/JPH0815131A/ja
Publication of JPH0815131A publication Critical patent/JPH0815131A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 被測定物pの反射率RLを、2種類の波長(L
1,L2)について測定し、光反射損失AL,光反射損失差
ΔAL1L2を求める(数8参照)。光透過率が50%以上の被
測定物pはその厚さtとして実際の値を採用する。光透
過率が50%以下の場合はt=1とする。求めたΔAL1L2
を、別途求めた該被測定物pの劣化度を示す換算時間と
上記ΔAL1L2との間の関係を示すデータと比較して診断
する。 【数8】 【効果】 透明度の高い材料について、表面の凹凸,汚
損等の影響を受けず、また機器を稼働させたままで劣化
診断ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は実働中の機器の運転を停
止することなく、機器に使用されている絶縁材料や構造
材料の劣化度を非破壊で測定できる劣化診断システムに
関している。
【0002】
【従来の技術】回転機等における電気機器の絶縁材料の
劣化度を評価する非破壊測定システムとしては、特開昭
64−84162号公報に開示されているように、白色
の標準光源を光源に用いた光ファイバからの出射光を絶
縁樹脂と同じ樹脂で構成されているセンサ部中で反射さ
せ、この反射光を受光用光ファイバを通して入射光とし
てサンプリングを行い、L***表色系に基づいた色
度あるいは色度差による表色演算を行う診断装置が提案
されている。ここでL*は明度指数で明るさを表し、a*
及びb*はクロマティック指数と呼び、色度(色相と彩
度)を表す。また、特開平3−226651号公報に記
載されているように、白色の標準光源を光源に用いた光
ファイバからの出射光を絶縁樹脂と同じ樹脂で構成され
ているセンサ部中で透過させ、この透過光を受光用光フ
ァイバを通して入射光としてサンプリングする透過光方
式によるL***表色系に基づいた色度あるいは色度
差による表色演算診断装置も提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術では、回
転機等の電気機器製造時に機器内の絶縁層中に照明用光
ファイバ、受光用光ファイバ及びセンサ部をそれぞれ埋
設しておく必要があり、これらを埋設していない既存の
回転機等の機器には適用できないという本質的な問題が
あった。さらにL***表色系に基づいた色度あるい
は色度差による反射光に基づく表色演算方法では、表面
が塵芥等で汚損した被測定物、あるいは凹凸を有する被
測定物の場合には絶対反射光量の変動の影響が大きいた
め、正確な値を求められない等の問題点を有していた。
【0004】本発明はこれらの問題点を解決し、各種機
器の保守管理点検において実働中の機器の運転を停止す
ることなく、機器に使用されている絶縁材料や構造材料
の劣化度を非破壊で測定できる劣化診断システムを提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】我々は、絶縁樹脂や潤滑
オイル等の劣化度と光学物性との関係を検討した結果、
熱劣化に伴う樹脂やオイル等の表面反射光強度の変化か
ら劣化度を判定する方法を見出した。この方法がの表面
反射光強度の定量評価に特に有効であり、かつ表面が塵
芥等で汚損した被測定物、あるいは凹凸を有する被測定
物の場合に対しても適用し得ることを確認し、本発明に
到達した。
【0006】本発明は、被測定物の劣化度を診断する劣
化診断システムにおいて、少なくとも2種類の波長(L
1,L2)の光それぞれに対しての被測定物の反射率を
求める反射率測定手段と、少なくとも、被測定物の厚さ
の入力を受け付ける入力手段と、上記反射率測定手段の
求めた反射率RLと、上記入力手段の受付た被測定物の
厚さと、を用いて、下記数4(=数1)および数5(=
数2)で定義されるの光反射損失差ΔAL1L2を演算し、
該光反射損失差ΔAL1L2に基づいて当被測定物の劣化の
度合いを診断する劣化度演算手段と、
【0007】
【数4】AL=−(10/t)・log(RL/100) AL:光反射損失(dB/mm) RL:波長L(nm)の光に対する被測定物の反射率
(%) t:被測定物の厚さ(mm)
【0008】
【数5】ΔAL1L2=AL1−AL2 但し、(L1<L2) ΔAL1L2:光反射損失差(dB/mm) を有すること特徴とする劣化診断システムが提供され
る。
【0009】この場合、上記入力手段は、さらに、被測
定物の光線透過率または厚さ補正の有無、の入力を受け
付けるものであり、上記劣化度演算手段は、上記入力手
段の受け付けた光線透過率が50%以上である場合、あ
るいは、厚み補正”有”の指示を受け付けている場合に
は、上記光反射損失差ΔAL1L2を求める際に、上記数4
(=数1)における厚みtとして上記入力手段の受け付
けた厚さの値を採用するものであることが好ましい。
【0010】さらには、上記劣化度演算手段は、上記入
力手段の受け付けた光線透過率が50%以下である場
合、あるいは、厚み補正”無し”の指示を受け付けてい
ない場合には、上記光反射損失差ΔAL1L2を求める際
に、上記数4(=数1)における厚みtとして1を採用
するものであることが好ましい。
【0011】また、被測定物の劣化の度合いを示す基準
指標と上記光反射損失差ΔAL1L2との間における予め実
験によって得た対応関係を示すデータ(以下”マスター
データ”という)を記憶した記憶手段をさらに備え、上
記劣化度演算手段は、上記マスターデータを参照して、
上記演算によって求めた光反射損失差ΔAL1L2に対応す
る上記基準指標の値を獲得し、該基準指標の値に基づい
て劣化の度合いを診断することが好ましい。
【0012】上記基準指標は、下記数6(=数3)で定
義される換算時間(θ)であることが好ましい。
【0013】
【数6】
【0014】上記反射率測定手段が反射率RLを測定す
る光の波長(L1、L2)は、660nm以上850n
m以下であることが好ましい。この波長領域外の光を用
いると、劣化の程度が小さいうちに検出器(後述のレフ
ァレンス光量測定手段、反射光料測定手段に相当)がオ
−バ−レンジとなり、測光不能となる可能性がある。被
測定物が、もともと透明性の高い、アクリル、ポリカー
ボネート等である場合には、660,780,800n
m等の800nm以下の波長の光を用いることがより好
ましい。一方、被測定物が、元もと着色しているアルキ
ッド、不飽和ポリエステル、あるいは、すぐに黒く変色
してしまうエポキシ等については、780、800、8
20、830,850nm等の近赤外領域の波長を用い
ることがより好ましい。
【0015】上記反射率測定手段は、具体的には、以下
のようなものであってよい。すなわち、少なくとも2種
類の相異なる波長(L1,L2)の光を発生可能な光源
と、入射される光の強度を測定する光量測定手段と、上
記光源の発する光を導いて上記被測定物に照射するため
の照明用導光手段と、上記照明用導光手段が照射した光
の上記被測定物からの反射光を受けてこれを上記光量測
定手段に導くための受光用導光手段と、上記光源の発す
る光を上記光量測定手段に導くためのレファレンス用導
光手段と、上記受光用導光手段からの出射光と、上記レ
ファレンス用導光手段からの出射光とのうちのいずれか
一方を選択し、上記光量測定手段に実際に入射させる経
路切替手段と、上記光源の発生可能な波長の光のうち、
いずれか一つの波長の光を選択し、当該選択した波長の
光の強度を、上記光量測定手段に測定させる波長選択手
段と、上記光量測定手段の測定した上記受光用導光手段
を通じて入射された上記2波長(L1,L2)の光の強
度を、上記光量測定手段の測定した上記レファレンス用
導光手段を通じて入射された上記2波長(L1,L2)
の光の強度で除することによって、上記2波長(L1,
L2)それぞれについての上記反射率RLを求める演算
手段と、を含んで構成されるものであってもよい。
【0016】上記光源は、単色光を発する発光素子を複
数含んで構成されるものであってもよい。この場合、上
記単色光のピーク波長は、660nm以上850nm以
下であることが好ましい。上記発光素子は、発光ダイオ
ードであることが好ましい。これは、入手が容易で、か
つ寿命も長く安定した性能を有しているからである。
【0017】光源としてこのようなものを用いる場合に
は、上記波長選択手段は、上記発光素子のうちいずれか
一つの発する光のみを、上記レファレンス用導光手段ま
たは上記照明用導光手段に入射させる切替手段を含んで
構成されるものであってもよい。
【0018】複数の上記発光素子の発する単色光を同時
に、上記レファレンス用導光手段または照明用導光手段
に入射させる光結合器をさらに備えてもよい。
【0019】上記光源は、白色光を発するものであって
もよい。この場合の光源は、ハロゲンランプを含んで構
成されるものであってもよい。
【0020】このような構成を取った場合、上記波長選
択手段は、分光器または光学フィルタを含んで構成され
るものであってもよい。
【0021】上記照明用導光手段は、上記レファレンス
用導光手段を兼ねてもよい。
【0022】上記照明用導光手段、上記受光用導光手
段、上記レファレンス用導光手段のうちの少なくとも一
つは、プラスチック製の光ファイバを含んで構成される
ことが好ましい。
【0023】
【作用】以下、本発明の作用をその測定原理とともに説
明する。
【0024】まず、最初に測定原理を説明する。
【0025】一般に、単一材料からなる有機材料の熱劣
化に伴う光反射損失スペクトルの変化は、図1で示され
るような変化で代表される。このように可視光域の短波
長側で光反射損失は著しい増加を示すので、測定機器の
測定レンジの制限から660nm未満の波長領域では機
器の寿命点まで、使用されている材料の光反射損失を測
定し続けることが実質的に困難となってしまう。この短
波長側での光反射損失の増加は、主に熱酸化劣化反応に
よる電子遷移吸収損失の増大に起因するものである。さ
らに、劣化度の増大に伴って光反射損失ALは短波長側
ほど増加するようになるので、2波長間の光反射損失差
ΔAL1L2(=AL1−AL2)も同様に増加する。ここで、
L1<L2である。図1において、波長L1(nm)と
波長L2(nm)間の光反射損失差ΔAL1L2を、劣化度
の大きい材料から順にα1、α2、α3とすれば、α1
>α2>α3の関係が成立する。
【0026】光線透過率50%以上を有する被検査材
(樹脂膜等)の場合、表面反射光のみでなく被検査材を
透過後、裏表面で反射した光の影響を受ける。そのた
め、そこでこれを補正するために、数1(=数4)には
被検査材の厚さtを含めている。被検査材の厚さが厚い
と光路長が長くなるため、本来よりも(単位長さ(厚
さ)の場合に比べて)光損失が大きくなる。従って、光
損失を小さくするように補正を行う。一方、被検査材の
厚さが薄い場合には、本来よりも(単位長さ(厚さ)の
場合の光損失値に比べて)求められる光損失が小さくな
る。従って、光損失を大きくするように補正がなされ
る。
【0027】光線透過率が50%未満になると裏表面で
反射する光の割合は減少し、裏表面からの反射光の影響
はほとんど無視できるようになる。従って、光線透過率
が50%未満の場合には、厚さ補正をすることは不要で
ある。この場合には、数1(=数4)においてt=1と
おいて適用すればよい。このように、光線透過率50%
以上を有する樹脂等の反射光強度を厚さ(光路長)で補
正することにより、より正確な劣化診断を行うことがで
きることが本発明の最大の特徴である。
【0028】図2には、表面汚損の無い絶縁樹脂表面上
で測定した場合の光反射損失スペクトルと、同じ劣化度
で表面汚損の有る絶縁樹脂表面上で測定した場合の光反
射損失スペクトルを示す。波長L1及び波長L2間にお
ける光反射損失差ΔAL1L2を表面汚損が無いときΔα、
表面汚損が有るときΔα’とすれば、絶縁樹脂が同じ劣
化度であれば汚損の有無に関係なくΔα≒Δα’とな
る。表面の汚損は反射光の絶対強度を変化(増大させる
場合も低下させる場合もある)させるが、一般に波長依
存性が小さく、特に本発明の測定波長領域では波長に依
らず一定であると考えてよい。同様のことは、凹凸を有
する表面における測定に対してもいえる。以上述べたと
おり、2波長間の光反射損失差ΔAL1L2を指標として、
被測定物の表面の汚損、並びに形状の影響をほとんど受
けないで劣化の程度を診断することができる。
【0029】なお、材料の劣化は、換算時間θをその尺
度として比較検討されることが多い。従って、光反射損
失差ΔAL1L2と、換算時間θとの対応関係を予め実験に
よって得ておくことがより好ましい。このようにしてお
けば、本発明によって得た劣化の指標値(光反射損失差
ΔAL1L2)を、より一般的な換算時間に置き換えて議論
することができる。換算時間については、例えば、特開
平3−226651号公報に記載されている。以下、換
算時間θの意味について簡単に述べる。
【0030】換算時間θ(h)は、上記数3(=数6)
で定義されるものである。この換算時間θを用いて劣化
の度合いを診断する場合には、θの値が等しければ、各
被検査材の熱履歴が異なっていても劣化の程度は同じと
して扱われる。
【0031】数3(=数6)において、ΔEは熱劣化の
みかけの活性化エネルギ−(J/mol)、Rは気体定
数(J/K/mol)、Tは熱劣化の絶対温度(K)、
tは劣化時間(h)である。樹脂やオイル等のΔEは、
数種の劣化温度に対する光反射損失差ΔAL1L2の変化を
アレニウスプロットすることによって容易に算出でき
る。
【0032】さらに、予め求めておいた該樹脂や該オイ
ル等を用いた機器の寿命点における換算時間をθ0とす
れば、実測から求めた換算時間θとの差Δθ(=θ0
θ)が余寿命に相当する換算時間となり、劣化度判定の
尺度となる。即ち、余寿命Δθ(h)は、数7で表され
る。
【0033】
【数7】
【0034】数7より、時間t以降の機器の使用温度条
件が定まれば、余寿命の時間Δt(=t0−t)を求め
ることができる。
【0035】次に、本発明の作用を構成に即して説明す
る。
【0036】反射率測定手段が、波長(L1,L2)の
光それぞれに対しての被測定物の反射率を求める(詳細
は後述する)。また、測定者は、別途、入力手段を用い
て、被測定物の厚さ、被測定物の光透過率を入力する。
【0037】劣化度演算手段は、測定した反射率と、入
力された被測定物の厚さと、を用いて、上記数4(=数
1)で定義されるの光反射損失AL1,AL2を演算する。
この場合、入力手段から入力された光線透過率が50%
以上である場合、あるいは、厚み補正”有”の指示がな
されている場合には、上記劣化度演算手段は、上記数4
(=数1)における厚みtとして上記入力手段の受け付
けた厚さの値を採用する。一方、入力された光線透過率
が50%以下である場合、あるいは、厚み補正”無し”
の指示がなされている場合には、上記数4(=数1)に
おける厚みtとして1を採用する。
【0038】この後、さらに、劣化度演算手段は、ここ
で求めた光反射損失AL1、AL2と、数5(=数2)を用
いて、光反射損失差ΔAL1L2を求める。そして、求めた
光反射損失差ΔAL1L2に基づいて当被測定物の劣化の度
合いを診断する。あるいは、さらに、マスターデータを
参照することによって、この光反射損失差ΔAL1L2に対
応する基準指標(例えば、換算時間)の値を求め、これ
に基づいて診断を行う。
【0039】反射率を求める手順を説明する。
【0040】経路切替手段により、光源(例えば、発光
ダイオード、ハロゲンランプ)からの光を、レファレン
ス用導光手段(例えば、プラスチック製の光ファイバ)
に入射させる。そして、このレファレンス用導光手段か
らの出射光の強度を、光量測定手段によって測定する。
【0041】続いて、経路切替手段によって光源の光を
照明用導光手段(例えば、プラスチック製の光ファイ
バ)に入射させる。照明用導光手段はこの光を被測定物
に照射する。受光用導光手段(例えば、プラスチック製
の光ファイバ)は被測定物からの反射光を受けて光量測
定手段に導く。光量測定手段はこの光の強度を測定す
る。
【0042】波長選択手段によって光の波長を選択・変
更して、以上の操作を少なくとも2種類の波長の光につ
いて行う。
【0043】波長選択手段による波長の選択は、例え
ば、光源が単色光を発する発光素子を複数含んで構成さ
れる場合には、切替手段が発光素子のうちいずれか一つ
の発する光のみを、上記レファレンス用導光手段または
上記照明用導光手段に入射させることによってなされ
る。
【0044】光結合器によって複数の上記発光素子の発
する単色光を同時にレファレンス用導光手段等に入射さ
せる構成としている場合、あるいは、光源がハロゲンラ
ンプ等の白色光である場合には、波長選択手段を、分光
器、光学フィルタで構成する。
【0045】演算手段は、このようにして得た上記受光
用導光手段を通じて入射された光(波長L1,L2)の
強度を、レファレンス用導光手段を通じて入射された光
(波長L1,L2)の強度で除することによって、波長
(L1,L2)それぞれについての反射率を求める。
【0046】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明す
る。
【0047】[実施例1]劣化診断システムの構成を図
3に示す。この劣化診断システムは、中央制御部1、切
り替え制御部2、切り替え部3、切り替え部4、切り替
え部5、光源6、レファレンス用光ファイバ7、光量測
定部8、照明用光ファイバ9、反射光測定部10、受光
用光ファイバ13、光源14、外部記憶装置15、操作
キー19を備えている。
【0048】光源6,14は、検査対象となる絶縁膜に
照射する光を発生させるものである。この光源6,14
は、その発光状態をそれぞれ互いに独立して中央制御部
1によって制御可能に構成されている。これ以降の説明
においては、光源6の発する光のピーク波長をL1、光
源14の発する光のピーク波長をL2(但し、L1<L
2)として説明を行う。本実施例では、L1,L2が6
60nm〜850nmの範囲内にある発光ダイオードを
使用している。この理由については、既に述べたとおり
である。
【0049】レファレンス用光ファイバ7は、光源6,
14の発する光を光量測定部8へ導くものである。照明
用光ファイバ9は、光源6,14の発する光を絶縁樹脂
Pの測定対象部位へ照射するためのものである。受光用
光ファイバ13は、絶縁樹脂Pからの反射光を光量測定
部8へ導くためのものである。照明用光ファイバ9の出
射端と、受光用光ファイバ13の入射端とは、互いの位
置関係が変動しないような状態で遮光部材10に取り付
けられている(図4参照)。該遮光部材10は、外部の
迷光を遮断する構造を有している。従って、外部の光の
影響によって測定に影響が出ることはない。本実施例で
は、光ファイバ7,9,13にプラスチック製のものを
使用している。
【0050】切り替え部3,4,5は、切り替え制御部
2からの指示に従って、その時使用する光源6,14、
光の通過経路(レファレンス用光ファイバ7、照明用光
ファイバ9、受光用光ファイバ13)を切り替えるのも
のである。切り替え部3は、光源6の発する光と、光源
14の発する光とを切り替えて、いずれか一方のみを測
定にしようするためのものである。切り替え部4は、そ
の時使用されている光源の光を入射させる光ファイバ
(レファレンス用光ファイバ7と、照明用光ファイバ
9)を切り替えるためのものである。切り替え部5は、
光量測定部8に入射させる光(レファレンス用光ファイ
バ7からの出射光と、受光用光ファイバ13からの出射
光とのうちのいずれか一方)を切り替えるためのもので
ある。切り替え部3,4,5については、既に周知の技
術であるため具体的な構成については、省略する。
【0051】光量測定部8は、入力される光の強さを測
定するものであり、光センサ(例えば、CdS,CCD
素子)等を含んで構成されている。光量測定部8は、測
定した光の強度を中央制御部1へ出力する構成となって
いる。該光量測定部8は、本発明の目的に十分な感度を
有するものであればその具体的構成は特に限定されな
い。
【0052】外部記憶装置15には、図5に示したよう
な、絶縁樹脂の劣化度θ(ここでは、上述の換算時間θ
をそのまま劣化度としている)と、光反射損失差ΔAと
の対応関係が予め記憶されている。この対応関係(以
下”マスターデータ”と言う場合がある)は、予め、様
々な劣化度(換算時間)の試料について光反射損失差Δ
Aを求めておくことによって得られるものである。該マ
スターデータは、被検査材の材質ごとに用意しておく必
要がある。
【0053】操作キー19は、各種指示、データを入力
するためのものである。例えば、厚み補正を行う際に
は、診断対象となっている絶縁皮膜の測定部位における
厚さを入力する。
【0054】表示器20は、操作キー19から入力した
データ、測定結果等を表示するためのものである。本実
施例では、液晶表示板を用いている。
【0055】中央制御部1は、上記各部(例えば、光源
6,14、切り替え部3,4,5)の動作を制御統括す
るとともに、得られたデータに基づいて、検査対象(本
実施例では、絶縁皮膜P)の劣化度を求めるものであ
る。この中央制御部1は、マイクロプロセッサと、各種
制御、演算において必要となるプログラム、データなど
が予め格納されているメモリ(ROM,RAM)と、を
含んで構成されている。上述の数1、数2等の式も該メ
モリ中にプログラムの一部として格納されている。
【0056】特許請求の範囲において言う”入力手段”
とは、本実施例においては、操作キー19を含んで構成
されるものである。”劣化度演算手段”とは、中央制御
部1に相当するものである。”基準指標”とは、換算時
間に相当するものである。”光量測定手段”とは、光量
測定部8に、照明用導光手段、受光用導光手段、レファ
レンス用導光手段、とは、照明用光ファイバ9、受光用
光ファイバ13、レファレンス用光ファイバ14にそれ
ぞれ相当するものである。”経路切替手段”とは、切替
部4、切替部5およびこれらを制御する中央制御部1に
よって実現されるものである。”波長選択手段”(特
に、請求項11における”切替手段”)は、切替部3お
よびこれを制御する中央制御部1によって実現されるも
のである。”演算手段”とは、中央制御部1によって実
現されるものである。
【0057】劣化度を求める際の測定処理手順を説明す
る。
【0058】測定は、下記の順に行われる。
【0059】検査対象の厚み測定および入力 測定対象の透過率が50%以上である場合には、劣化度
を測定する位置(照明用光ファイバ9からの出射光が照
射される位置)における厚さを測定する。そして、その
測定結果を、操作キー19から中央制御装置へ入力して
おく。但し、該測定および中央制御装置1への入力は、
必ずしも最初に行わなくてもよい。中央制御装置1に備
えるプログラムの内容によっては、後の段階で測定、入
力するようにしてもよい。
【0060】なお、透過率が50%以下の材料について
は、この厚み測定および入力は不要である。
【0061】各波長(L1、L2)に対するレファレ
ンス光量の測定 中央制御部1は、予め、切り替え制御部2を通じて切り
替え部3,4,5を作動させ、光源6(または14)か
らの光が、レファレンス用光ファイバ7を経由して光量
測定部8へ入射する状態としておく。
【0062】この状態で、中央制御部1は、光源6に信
号を送り光を発生させる。光源6の発する単色光(ピー
ク波長:L1)は、切替部3、切替部4、さらにレファ
レンス光ファイバ7、切替部5を通り、光量測定部8に
伝送される。光量測定部8は、この入射光の光量(以
下、”レファレンス光量”という)I1を計測し、中央
制御部1に出力する。中央制御部1は、メモリに、この
レファレンス光量I1を記憶する。
【0063】この後、中央制御部1は、切り替え部3に
光源14からの光が入射するように切り替える。そし
て、同様に、光源14の発する単色光(ピーク波長:L
2)についてのレファレンス光量I2を測定、記憶す
る。
【0064】絶縁樹脂表面の反射光量の測定 中央制御部1は、光源6からの光が照明用光ファイバ
9、受光用光ファイバ13を経由して光量測定部8に入
射するように切り替え部3,4,5を切り替えさせる。
そして、この状態で、光源6に光を発生させる。
【0065】光源6からの単色光(ピーク波長:L1)
は、切替部3、切替部4、さらに照明用光ファイバ9を
伝送されて、反射光測定部10内で絶縁樹脂Pの表面に
照射される。絶縁樹脂Pの表面からの反射光rは、受光
用光ファイバ13に入射し、その伝送光は切替部5を通
り光量測定部8に出力される。そして、光量測定部8
は、この光の強度(以下”反射光量”という)I1
を、測定し、中央制御部1へ出力する。
【0066】中央制御部1は、光源14の発する光につ
いても同様の測定を行い、反射光量I2’を得る。
【0067】劣化度の演算 中央制御部1は、これまでの測定で得たデータ
(I1’,I1,I2’,I2)を用いて、反射率RL1(=
100×I1’/I1)、RL2(=100×I2’/I2
を求める。また、この反射率RL1,RL2、および、上述
の数1(=数4)を用いて、光反射損失AL1、AL2を求
める。この場合、絶縁皮膜の透過率が50%未満である
場合には、数1におけるt=1とする。一方、透過率が
50%以上である場合には、その絶縁膜Pの厚さを代入
する。なお、tとしてこのような値を採用することの根
拠については、既に述べたとおりである。
【0068】さらに、光反射損失AL1、AL2および数2
(=数5)から、光反射損失差ΔAL1L2(=AL1
L2)を求める。
【0069】中央制御装置1は、このようにして得た光
反射損失ΔAL1L2と、外部記憶装置15に格納されてい
るマスターデータとを比較参照することによって、当該
絶縁皮膜Pの劣化度(換算時間θ)を求める。さらに
は、該換算時間θを用いて、余寿命Δθを求める(数7
参照)。そして、これらを測定結果として表示器20等
へ出力する。
【0070】[実施例2]本実施例の劣化診断システム
は、上記実施例と比べて、3波長(L1〜L3)を同時
に用いて診断を行うことを特徴とするものである。
【0071】本実施例のハードウエア構成は、図6に示
すとおり、基本的には上記実施例1と同様である。た
だ、光源6,14に加えて、さらに、単色光(ピーク波
長L3:L3≠L1,L2)を発する光源18を備えて
いる。
【0072】さらに、切替部3を省略し、常時、3種類
の波長の光が光結合器16を介して、レファレンス用光
ファイバ7、あるいは、照明用光ファイバ9へ出射され
る構成となっている。3種類の波長の光を1本の光ファ
イバ中で伝送しても、光には干渉性がないのでシステム
は良好に動作する。また、これに対応して、光量測定部
8には、各光の波長(L1,L2,L3)毎に光学フィ
ルタ80を備えている。これらのフィルタ80を時分割
駆動することにより各波長の光量を瞬時に測定できる構
成となっている。なお、光学フィルタに代えて分光器
(例えば、プリズム)を用いることも可能である。ま
た、これらの光学フィルタ等は、必ずしも光量測定部8
自身が有する必要はない。光量測定部8の受光部(図示
せず)に入射する光の波長を上記目的とする波長に限定
することができさえすれば、そのいずれの位置に配置し
ても構わない。
【0073】光量測定部8は、光量の計測値とともに、
当該光の種類を示す情報(必ずしも、波長である必要は
ない。上記3種類の光のうちのいずれについての光量で
あるかを判別できる情報であればよい)を中央制御部1
へ出力している。
【0074】外部記憶装置15には、実施例1と同様の
データが格納されている。本実施例では、反射損失差を
求める際に使用する波長の組みあわせに応じてマスター
データも3種類(ΔAL1L2−θ、ΔAL2L3−θ、ΔA
L1L3−θ)用意している。
【0075】なお、特許請求の範囲において言う”光結
合器”とは、本実施例においては、光結合器16に相当
するものである。”波長選択手段”とは、光学フィルタ
80に相当するものである。
【0076】測定処理動作は基本的には、実施例1と同
様である。つまり、レファレンス光量I、反射光量I’
を順次測定して行く。この場合、本実施例では、光量を
測定する波長の選択は、上述したとおりフィルタの時分
割駆動により行われる。
【0077】この後、中央制御部1は、光量測定部8か
ら出力されるデータを用いて、波長L1〜波長L3にお
ける反射率RL1〜RL3を算出、記憶する。さらに、この
3波長間のデ−タのうち、任意の2波長間の光反射損失
差ΔALL'(=AL−AL')を求める。そして、当該2波
長の組合せについてのマスターデータを参照すること
で、劣化度などを求めることができる。
【0078】[実施例3]本実施例の劣化診断システム
は、上記実施例と比べて、光源として白色光源(ハロゲ
ンランプ)を光源に用いた点を特徴とするものである。
【0079】本実施例の基本構成は、図7に示すとお
り、実施例2と同様なものである。但し、白色光源の発
する光には様々な波長の光が含まれているため、光結合
器16は不要となっている。
【0080】光量測定部8には、干渉フィルタからなる
分光器82が組み込まれており、各波長(500〜90
0nm)での光量を瞬時に測定できる。
【0081】測定処理およびその手順は、基本的には上
記実施例2と同様である。しかし、本実施例では、ある
特定の波長だけではなく、光源17の発する光に含まれ
ている多くの波長の光についてのレファレンス光量及び
反射光量を測定することができる。但し、本システムの
目的および測定の迅速化のためには、測定するのは、5
00〜900nmの範囲内の波長に留めることが好まし
いことは、既に述べたとおりである。
【0082】中央制御部1では、光量測定部8の測定デ
ータを用いて、波長500〜900nmにおける反射率
500〜R900を連続的に算出、記憶する。
【0083】さらに、中央制御部1は、このようにして
得た波長500〜900nmにおける反射率のうち、任
意の2波長間における光反射損失差ΔALL'(=AL−A
L')を求める。そして、外部記憶装置15に格納されて
いるマスターデータを参照することによって、劣化度等
を得ることができる。
【0084】以上説明した本発明の劣化診断システムを
用いて、光線透過率が50%の絶縁皮膜について診断を
行った。この診断は、複合材の絶縁皮膜(エポキシ、酸
化鉄分を含む)を検査対象として劣化診断を行った。こ
の複合皮膜の厚さに範囲は、100〜350μmであっ
た(マイクロメータにて測定)。測定には、波長750
nm,850nmの光を用いた。この測定試験の結果を
図8に示す。図8には、比較のため、厚み補正を行って
いない場合のデータも合わせて記載した。図8中、絶縁
皮膜の厚み補正を行っていない場合のデータ(○)に符
号aを付した。一方、厚み補正を行った場合のデータ
(●)に符号bを付した。
【0085】図8からわかるように、厚さを補正してい
ない場合には、データのバラツキが大きい。これは、十
分な信頼性のおけるマスターデータを得られないことを
意味する。また、マスターデータとして信頼性のおける
ものが得られたとしても(これは、実験に用いる膜の厚
さを厳密に規定することで可能である)であってとして
も、実際に劣化度を診断する際には、正確なデータを得
ることができず、結局、正確な劣化診断を行うことはで
きない。これに対し本発明を適用し厚み補正を行ってい
る場合には、このようなバラツキがない。すなわち、絶
縁皮膜の厚みの違いに起因した誤差をなくし、より正確
な劣化度の診断を行うことができる。
【0086】光透過率が45%の絶縁皮膜について診断
(厚み補正なし、t=1に設定)を行った結果を図9に
示す。診断において使用した光の波長、絶縁膜の材料、
厚みの範囲などは、図8の場合とほぼ同様である。但
し、透過率を45%とするため、絶縁膜の組成比を変え
ている。図9を見ると、データのバラツキがほとんど見
られない。これは、このように光透過率が低い場合に
は、受光用光ファイバ13に入射する光の大部分は、絶
縁皮膜表面で反射した光であり、絶縁皮膜の厚みの影響
は無視しえるほど小さくなっているためと思われる。
【0087】以上説明したとおり本発明を適用した上記
実施例1,2,3では、透過率50%以上の検査対象に
ついても正確な劣化診断が可能である。
【0088】実施例2,3は、演算に用いる波長選択の
自由度が高いため、絶縁皮膜の種類などに応じて、診断
に使用する光を使いわけることができ、より正確な測定
が可能である。
【0089】光ファイバ7,9,13を予め機器に設置
しておく必要がない。そのため、光ファイバ自身は、高
い耐熱性を要求されずプラスチック製の光ファイバを使
用できる。プラスチック製の光ファイバは、口径を大き
くすることが容易であり、また、口径を大きくしてもフ
ァイバを曲げにくくなるようなことが(ガラス製に光フ
ァイバに比べて)少ない。従って、操作性に優れる。
【0090】また、相異なる2種類以上の単色光を、光
結合器を介して最終的に1本の照明用光ファイバに導く
態様においては、照明用光ファイバからの出射光位置が
一点に定まるので位置ずれによる影響を軽減できる。
【0091】上記実施例では、光反射損失差を換算時間
に置き換えて劣化の度合いを診断するようにしていた。
しかし、光反射損失差の自体を指標として、直接劣化の
度合いを診断することも可能である。この場合には、外
部記憶装置15に、各劣化の度合いごとに、光反射損失
差の値を格納しておく。
【0092】上記実施例では、いずれもレファレンス用
光ファイバ7を専用に設けていた。しかし、レファレン
ス光を測定する必要があるのは、光源の発光強度を変え
た場合のみであるため、照明用光ファイバ9にレファレ
ンス用光ファイバ7を兼ねさせてもよい。この場合に
は、照明用光ファイバ9の出射端を光量測定部8につな
ぐことによって(予め接続可能に構成しておく)、レフ
ァレンス光量を測定することができる。このような構成
を取る場合には、切替部4,5は不要となる。このよう
にすれば、システムのコストを低減することができる。
但し、この場合には、誤測定を防ぐため、レファレンス
光量と反射光量とのいずれを測定するのかを、操作スイ
ッチ19によって指定できるようにするか、あるいは、
いずれを行うべきかの指示を表示装置20に表示させる
ようにすることがより好ましい。
【0093】上記実施例では透過率に応じて厚み補正を
行うか否かを決定していた。しかし、厚み補正を行うか
否かは、検査対象を構成する材料によって予め決まるも
のである。従って、様々な材料についての透過率(ある
いは、単に、厚み補正の必要正の有無)を記憶装置15
に格納しておいてもよい。そして、使用者が操作キー1
9から検査対象の種類を指定すると、厚み補正を行うか
否かを自動的に決定し、さらに、厚み補正を行う場合に
は、表示器20に厚みの入力を促す表示を行うようにす
ることも容易に可能である。このようにすれば、実際の
使い勝手も向上する。
【0094】
【発明の効果】本発明によれば、実働中の機器の運転を
停止することなく、機器に使用されている絶縁材料や構
造材料の劣化度を非破壊で測定できる。さらに、表面が
塵芥等で汚損した被測定物、あるいは凹凸を有する被測
定物の場合にも適用できる劣化診断システムを得ること
が可能となる。さらに、光透過率の高い(50%以上)
材料についても、正確な診断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】測定原理を示す図である。
【図2】表面汚損に伴う光反射損失の変化を示すグラフ
である。
【図3】本発明の実施例1の構成を示すブロック図であ
る。
【図4】測定部10の詳細を示す斜視図である。
【図5】マスターデータの一例を示すグラフである。
【図6】実施例2の構成を示すブロック図である。
【図7】実施例3の構成を示すブロック図である。
【図8】透過率50%の絶縁皮膜についての、厚み補正
の有無によるデータのバラツキの様子を示すグラフであ
る。
【図9】透過率45%の絶縁皮膜についてのデータ(厚
み補正なし)を示すグラフである。
【符号の説明】
1…中央制御部、2…切替制御部、3…切替部、4…切
替部、5…切替部、6…光源(波長L1)、7…レファ
レンス光用ファイバ、8…光量測定部、9…照明用光フ
ァイバ、10…遮光部材、13…受光用光ファイバ、1
4…光源(波長L2)、15…外部記憶装置、16…光
結合器、17…光源(ハロゲンランプ)、80…光学フ
ィルタ、82…分光器、P…絶縁樹脂、r…反射光
フロントページの続き (72)発明者 赤坂 伸一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 宮 寿一 東京都千代田区神田錦町一丁目6番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内 (72)発明者 下寺 誠 東京都千代田区神田錦町一丁目6番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定物の劣化度を診断する劣化診断シス
    テムにおいて、 少なくとも2種類の波長(L1,L2)の光それぞれに
    対しての被測定物の反射率RLを求める反射率測定手段
    と、 少なくとも、被測定物の厚さの入力を受け付ける入力手
    段と、 上記反射率測定手段の求めた反射率RLと、上記入力手
    段の受付た被測定物の厚さとを用いて、下記数1および
    数2で定義される光反射損失差ΔAL1L2を演算し、該光
    反射損失差ΔAL1L2に基づいて当被測定物の劣化の度合
    いを診断する劣化度演算手段と、 【数1】AL=−(10/t)・log(RL/100) AL:光反射損失(dB/mm) RL:波長L(nm)の光に対する被測定物の反射率
    (%) t:被測定物の厚み(mm) 【数2】ΔAL1L2=AL1−AL2 但し、(L1<L2) ΔAL1L2:光反射損失差(dB/mm) を有すること特徴とする劣化診断システム。
  2. 【請求項2】上記入力手段は、さらに、被測定物の光線
    透過率または厚さ補正の有無の入力を受け付けるもので
    あり、 上記劣化度演算手段は、上記入力手段の受け付けた光線
    透過率が50%以上である場合、あるいは、厚み補正”
    有”の指示を受け付けている場合には、上記光反射損失
    差ΔAL1L2を求める際に、上記数1における厚みtとし
    て上記入力手段の受け付けた厚さの値を採用するもので
    あること、 を特徴とする請求項1記載の劣化診断システム。
  3. 【請求項3】上記劣化度演算手段は、 上記入力手段の受け付けた光線透過率が50%以下であ
    る場合、あるいは、厚み補正”無し”の指示を受け付け
    ていない場合には、 上記光反射損失差ΔAL1L2を求める際に、上記数1にお
    ける厚みtとして1を採用するものであること、 を特徴とする請求項2記載の劣化診断システム。
  4. 【請求項4】上記被測定物の劣化の度合いを示す基準指
    標と上記光反射損失差ΔAL1L2との間における予め実験
    によって得た対応関係を示すデータ(以下”マスターデ
    ータ”という)を記憶した記憶手段をさらに備え、 上記劣化度演算手段は、上記マスターデータを参照し
    て、上記演算によって求めた光反射損失差ΔAL1L2に対
    応する上記基準指標の値を獲得し、該基準指標の値に基
    づいて劣化の度合いを診断すること、 を特徴とする請求項1,2または3記載の劣化診断シス
    テム。
  5. 【請求項5】上記基準指標は、下記数3で定義される換
    算時間(θ)であること、 【数3】 を特徴とする請求項4記載の劣化診断システム。
  6. 【請求項6】上記反射率測定手段が反射率RLを測定す
    る光の波長(L1、L2)は、660nm以上850n
    m以下であること、 を特徴とする請求項1記載の劣化診断システム。
  7. 【請求項7】上記反射率測定手段は、 少なくとも2種類の相異なる波長(L1,L2)の光を
    発生可能な光源と、 入射される光の強度を測定する光量測定手段と、 上記光源の発する光を導いて上記被測定物に照射するた
    めの照明用導光手段と、 上記照明用導光手段が照射した光の上記被測定物からの
    反射光を受けてこれを上記光量測定手段に導くための受
    光用導光手段と、 上記光源の発する光を上記光量測定手段に導くためのレ
    ファレンス用導光手段と、 上記受光用導光手段からの出射光と、上記レファレンス
    用導光手段からの出射光とのうちのいずれか一方を選択
    し、上記光量測定手段に実際に入射させる経路切替手段
    と、 上記光源の発生可能な波長の光のうち、いずれか一つの
    波長の光を選択し、当該選択した波長の光の強度を、上
    記光量測定手段に測定させる波長選択手段と、 上記光量測定手段の測定した上記受光用導光手段を通じ
    て入射された上記2波長(L1,L2)の光の強度を、
    上記光量測定手段の測定した上記レファレンス用導光手
    段を通じて入射された上記2波長(L1,L2)の光の
    強度で除することによって、上記2波長(L1,L2)
    それぞれについての上記反射率RLを求める演算手段と
    を含んで構成されること、 を特徴とする請求項1記載の劣化診断システム。
  8. 【請求項8】上記光源は、単色光を発する発光素子を複
    数含んで構成されるものであること、 を特徴とする請求項7記載の劣化診断システム。
  9. 【請求項9】上記単色光のピーク波長は、660nm以
    上850nm以下であること、 を特徴とする請求項8記載の劣化診断装置。
  10. 【請求項10】上記発光素子は、発光ダイオードである
    こと、 を特徴とする請求項9記載の劣化診断システム。
  11. 【請求項11】上記波長選択手段は、上記発光素子のう
    ちいずれか一つの発する光のみを、上記レファレンス用
    導光手段または上記照明用導光手段に入射させる切替手
    段を含んで構成されるものであること、 を特徴とする請求項8記載の劣化診断システム。
  12. 【請求項12】複数の上記発光素子の発する単色光を同
    時に、上記レファレンス用導光手段または照明用導光手
    段に入射させる光結合器をさらに備えること、 を特徴とする請求項7記載の劣化診断システム。
  13. 【請求項13】上記光源は、白色光を発するものである
    こと、 を特徴とする請求項7記載の劣化診断システム。
  14. 【請求項14】上記光源は、ハロゲンランプを含んで構
    成されるものであること、 を特徴とする請求項13記載の劣化診断システム。
  15. 【請求項15】上記波長選択手段は、分光器または光学
    フィルタを含んで構成されるものであること、 を特徴とする請求項12または13記載の劣化診断シス
    テム。
  16. 【請求項16】上記照明用導光手段は、上記レファレン
    ス用導光手段を兼ねること、 を特徴とする請求項7記載の劣化診断システム。
  17. 【請求項17】上記照明用導光手段、上記受光用導光手
    段、上記レファレンス用導光手段のうちの少なくとも一
    つは、プラスチック製の光ファイバを含んで構成される
    こと、 を特徴とする請求項7記載の劣化診断システム。
JP14793794A 1994-06-29 1994-06-29 劣化診断システム Pending JPH0815131A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14793794A JPH0815131A (ja) 1994-06-29 1994-06-29 劣化診断システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14793794A JPH0815131A (ja) 1994-06-29 1994-06-29 劣化診断システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0815131A true JPH0815131A (ja) 1996-01-19

Family

ID=15441439

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14793794A Pending JPH0815131A (ja) 1994-06-29 1994-06-29 劣化診断システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0815131A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0816830A2 (en) * 1996-06-28 1998-01-07 Hitachi, Ltd. Method and device for diagnosing insulation deterioration of an electrical apparatus
EP0834730A2 (en) * 1996-10-04 1998-04-08 Hitachi, Ltd. Non-destructive diagnostic method and apparatus
JPH10300670A (ja) * 1997-04-23 1998-11-13 Hitachi Ltd 油入電気機器の劣化診断方法及び劣化診断装置
JPH11235097A (ja) * 1998-02-20 1999-08-27 Hitachi Ltd 劣化診断装置を具備した原動電動装置
JP2002025839A (ja) * 2000-07-04 2002-01-25 Fuji Electric Co Ltd 油入電器の劣化診断装置
JP2006133054A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 Oki Electric Ind Co Ltd 干渉顔料検出装置
JP2007256033A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Ntn Corp Icタグ・センサ付き軸受の潤滑剤劣化検出システム
JP2008241288A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Ntn Corp 潤滑剤劣化検出装置および検出装置付き軸受
JP2014085193A (ja) * 2012-10-23 2014-05-12 Hitachi Ltd グリースの余寿命推定方法及び光診断装置
JP2019144252A (ja) * 2014-05-21 2019-08-29 ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー アミューズメントパーク機器の検査時の使用のための追跡システム及び方法
WO2020260539A1 (de) * 2019-06-26 2020-12-30 Gridinspect Gmbh Verfahren und einrichtung zum ermitteln eines polymerisationsgrades eines isolationspapiers

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0816830A3 (en) * 1996-06-28 1999-06-09 Hitachi, Ltd. Method and device for diagnosing insulation deterioration of an electrical apparatus
EP0816830A2 (en) * 1996-06-28 1998-01-07 Hitachi, Ltd. Method and device for diagnosing insulation deterioration of an electrical apparatus
KR100517104B1 (ko) * 1996-10-04 2005-11-28 가부시끼가이샤 히다치 세이사꾸쇼 비파괴진단방법및비파괴진단장치
EP0834730A2 (en) * 1996-10-04 1998-04-08 Hitachi, Ltd. Non-destructive diagnostic method and apparatus
EP0834730A3 (en) * 1996-10-04 1998-09-16 Hitachi, Ltd. Non-destructive diagnostic method and apparatus
JPH10300670A (ja) * 1997-04-23 1998-11-13 Hitachi Ltd 油入電気機器の劣化診断方法及び劣化診断装置
JPH11235097A (ja) * 1998-02-20 1999-08-27 Hitachi Ltd 劣化診断装置を具備した原動電動装置
JP2002025839A (ja) * 2000-07-04 2002-01-25 Fuji Electric Co Ltd 油入電器の劣化診断装置
JP2006133054A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 Oki Electric Ind Co Ltd 干渉顔料検出装置
JP2007256033A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Ntn Corp Icタグ・センサ付き軸受の潤滑剤劣化検出システム
JP2008241288A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Ntn Corp 潤滑剤劣化検出装置および検出装置付き軸受
JP2014085193A (ja) * 2012-10-23 2014-05-12 Hitachi Ltd グリースの余寿命推定方法及び光診断装置
JP2019144252A (ja) * 2014-05-21 2019-08-29 ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー アミューズメントパーク機器の検査時の使用のための追跡システム及び方法
WO2020260539A1 (de) * 2019-06-26 2020-12-30 Gridinspect Gmbh Verfahren und einrichtung zum ermitteln eines polymerisationsgrades eines isolationspapiers

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1127865A (en) Method and device for analysis with color identification test paper
CN101294795B (zh) 测量薄膜厚度的装置和方法
KR100242670B1 (ko) 스펙트럼식 반사측정 및 투과측정을 위한 방법 및 장치
JP3574851B2 (ja) 可視光及び/又は近赤外光を用いた***炎の有無を診断する方法及び装置
CA2633253C (en) Apparatus and method for illuminator-independent color measurements
JPH0815131A (ja) 劣化診断システム
KR100517104B1 (ko) 비파괴진단방법및비파괴진단장치
US4842410A (en) Apparatus and method utilizing interference fringes to determine the thermal stability of a liquid
JP2002081916A (ja) 膜厚測定方法およびその方法を用いた膜厚センサ
JP2005321244A (ja) 光学的測定装置
JP2000035315A (ja) 透明材料の厚さを測定するための方法及び装置
JP3860846B2 (ja) 材料の劣化度測定システムおよび測定装置
JP4111170B2 (ja) 蛍光測定による劣化診断方法及び診断装置
JP2004077469A (ja) 材料の劣化度測定システムおよび測定装置
JPH09222393A (ja) 劣化度診断装置
JPH11248622A (ja) 尿検査装置
US20040105607A1 (en) Method and apparatus for continuous measurement of the refractive index of fluid
JP3205212B2 (ja) 劣化度診断装置
JP2001307924A (ja) 油入変圧器の劣化診断装置
JPH07140074A (ja) 機器の劣化監視システム
JP2000105152A (ja) 温度測定方法及びその装置
JPH02280033A (ja) 測色検査装置
JPH1123235A (ja) 長く伸びた試験試料のパラメータを検出記録するための装置
JPS62159027A (ja) 油の劣化度検出装置
JP2597515Y2 (ja) 全反射吸収スペクトル測定装置