JPH08148739A - レーザ共振器及び該レーザ共振器を備えたレーザ装置 - Google Patents

レーザ共振器及び該レーザ共振器を備えたレーザ装置

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JPH08148739A
JPH08148739A JP6285470A JP28547094A JPH08148739A JP H08148739 A JPH08148739 A JP H08148739A JP 6285470 A JP6285470 A JP 6285470A JP 28547094 A JP28547094 A JP 28547094A JP H08148739 A JPH08148739 A JP H08148739A
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laser
total reflection
reflection mirror
waveguide
laser medium
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JP6285470A
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English (en)
Inventor
Taichiro Tamida
太一郎 民田
Junichi Nishimae
順一 西前
Masaki Kuzumoto
昌樹 葛本
Kenji Yoshizawa
憲治 吉沢
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 環円筒形状のレーザ媒質から、高品質なビー
ムを取り出すことのできるレーザ共振器を提供し、超小
型、高出力のレーザを可能にする。 【構成】 レーザ媒質の端部から所定の距離をなして設
置され、且つレーザ媒質を通過した光をレーザ媒質の中
心軸付近方向に集光させる全反射ミラーと、全反射ミラ
ーによって集められた光を概略平行な光に変換する全反
射ミラーとを備えている。さらに、全反射ミラーは、互
いに協働して、レーザ媒質中における環円筒形状部分の
光の波面が最も平面に近くなる、ビームウエストの位置
における光の断面形状である円環の中心の円の虚像を実
質的に一点に集めるような形状及び配置関係を有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、環円筒形状のレーザ
媒質から高品質なビームを取り出すレーザ共振器及び該
レーザ共振器を備えたレーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図18は例えば特開平3−62579号
公報に示された、ワキシコンと呼ばれるミラーを用いた
従来のレーザ共振器を示す断面図であり、図において、
1は環円筒形状(又は単に円筒型とも言う)のレーザ媒
質、2は全反射ミラー、5はレーザ光が放出される部分
反射ミラー、42はワキシコンと呼ばれるミラーであ
る。図18において、レーザ共振器はその中心軸を含む
平面での断面図が描かれている。ワキシコンとは頂角9
0度の円錐形(アキシコン)を2重にした構成のミラー
であり、このワキシコンミラー42は、環円筒形状のレ
ーザ媒質1で生成された断面が円環形状のレーザビーム
を中心に折り曲げ、中心でほぼ平行な円形ビームに変換
するような構成を有している。
【0003】ところで、環円筒形状のレーザ媒質は、冷
却、励起、小形化等の点において、様々な有益性が報告
されている。例えばガスレーザに於いては、熱伝導によ
るガス冷却方式で効率的にガス冷却を行うことができる
点、小形化が可能な点などが挙げられ、固体レーザに於
いては、高効率の励起が可能である点などが挙げられ
る。
【0004】このような環円筒形状のレーザ媒質を有す
るレーザ装置を実用化するにおいて、最も大きな問題と
なるのは、環円筒形状のゲイン空間からガウス型モード
に近い高集束の円形ビームを取り出すことである。この
ために様々なレーザ共振器が提案されており、図18に
示した従来のレーザ共振器はその一例である。
【0005】次に環円筒形状を有するレーザ媒質の特徴
について説明する。例えば、CO2レーザにおいて、そ
のレーザ媒質であるレーザガスを冷却することは不可欠
である。なぜならCO2 レーザはそのガス温度の上昇に
ともなって、急激に出力が低下するという性質をもつか
らである。そのため、全てのCO2 レーザは必ず何らか
のガス冷却機構を有しており、多くの場合それはCO2
レーザ構成上非常に大きな部分を占めている。
【0006】例えば、高出力のCO2 レーザでは、レー
ザガスをレーザ共振器の外部で循環させ、ブロアや熱交
換器を通して強制的に冷却することによって、常に冷却
されたレーザガスがレーザ共振器内に供給されるような
方法が取られている。しかしながら、この方法は高出力
化が容易な反面、ブロアや熱交換器等の部品を必要とし
装置が大型になり、コスト、信頼性などの点で多くの問
題点が挙げられている。
【0007】一方、小形のCO2 レーザでは、ガスの循
環系をもたず、電極を冷却し、熱伝導によってガスを冷
却する方式をもつものもある。しかし、この方式では熱
伝導によってレーザガスを冷却しているので、ビーム径
を大きくするとビームの中心の温度が上がってしまい、
ビーム径を大きくして高出力化することができないとい
う欠点を有している。
【0008】これらの問題を解決するために、短ギャッ
プの平板型のレーザ媒質をもつレーザ装置が提案されて
いる。平板型の電極を短ギャップで対向させ、その電極
を冷却することによって、熱伝導による冷却が効率的に
行われ、かつ平板の面積を拡大することによって、出力
を増大することができる。
【0009】このような平板型のレーザを円筒形に丸め
たものが、この発明の対象とする環円筒形状のレーザ媒
質を有するレーザ装置である。このタイプのレーザ装置
は、平板型と比較してさらに小形にすることが可能であ
り、また、真空装置の構造も簡単になる。
【0010】さらに、CO2 レーザ以外のレーザでも環
円筒形状のレーザ媒質はいろいろな有効性を有してい
る。例えば、YAGレーザでは、フラッシュランプでレ
ーザ媒質を励起するが、環円筒形状のYAGロッドの内
部にフラッシュランプを挿入すると、ランプの光が非常
に効率良くレーザ媒質に吸収され、高効率な発振が可能
になる。
【0011】このように、環円筒形状のレーザ媒質は、
特に冷却と励起に関して、非常に魅力的な特徴を有する
が、この最大の問題点はビームの取り出しにある。環円
筒形状のレーザ媒質から実用に適する高集束な円形ビー
ムを取り出すためには、例えば図18に示したような複
雑なレーザ共振器を構成する必要がある。
【0012】次に図18に示すワキシコンミラーを用い
た共振器の動作について説明する。環円筒形状のレーザ
媒質1は内側、外側の2つの同心の円柱型電極(図示せ
ず)の間隙として構成され、その間の放電によって環円
筒形状のレーザ媒質1が励起される。内側、外側の電極
はそれぞれその内側、外側から水冷されている。電極間
の放電空間はビームの導波路として機能している。
【0013】環円筒形状のレーザ媒質1で発生、増幅さ
れたレーザビームは円筒の軸方向に伝搬していく。ワキ
シコンミラー42に到達した円環形状のレーザビーム
は、まず外側の円錐形状ミラー421によって内側に方
向を変えられ、さらに内側の円錐形状ミラー422によ
ってワキシコンへの入射方向とちょうど反対方向に折り
返される。このとき、入射時に円環形状であったレーザ
ビームはワキシコン反射時には中心部に集められ円形に
なる。このようにして、円環形状のレーザビームを円形
に変換することができる。レーザ共振器はワキシコンミ
ラー42、全反射ミラー2、及び部分反射ミラー5で構
成され、部分反射ミラー5からは円形ビームが取り出さ
れる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記のワキシコンミラ
ーを用いたレーザ共振器をはじめ従来のレーザ共振器は
以上のように構成されているので、出射ビームはレーザ
媒質の円環の各点から発した光の足し合わせたものとな
っており、それ故波面が必然的に歪んでしまうという問
題点があった。
【0015】図19はかかる問題点を説明するための模
式図であり、この図はワキシコンミラー42でのビーム
の伝搬の様子を拡大して示したものである。
【0016】図19において、円筒型導波路の上端(導
波路端)24と下端(導波路端)25から発した光の波
面は、ホイヘンスの原理から導波路端の全ての点からの
光の波面の足し合わせになる。ここでは円筒の半径に比
較して導波路の幅が十分小さいと考えて、導波路中央か
らの光の波面を代表させて考える。それぞれの光はワキ
シコンミラー42で2回反射し、入射方向と反対側に折
り返されるが、これらは導波路端24,25をそれぞれ
ワキシコンミラー42で折り返した導波路端24,25
の虚像26,27から発した光と同等である。つまり、
円環形状の導波路端24,25から発せられ、ワキシコ
ンミラー42で反射された光は、虚像26,27のよう
な円形の光源から発した光と考えることができる。
【0017】ここで、このような光源から発せられた光
の波面の伝搬を考えると、虚像26から発したものは球
面波43の様に、虚像27から発したものは球面波44
の様に伝搬すると考えられる。これらの光を足し合わす
と、図19のように波面は異なる2点からの球面波4
3,44の足し合わせとなり、出力波の波面が歪んでし
まうことがわかる。
【0018】このように、直円錐側面の組合せで構成さ
れたワキシコンミラー42を使う限り、ビーム品質の向
上にはどうしても限界があり、十分な集光性能を実現で
きないなどの問題点があった。
【0019】環円筒形状のレーザ媒質から円形の高品質
ビームを取り出す試みはいろいろなされているが、上記
の例の他、波面の正確な設計を含めた抜本的な解決方法
は未だ提案されていないのが現状である。
【0020】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、カセグレン型のミラー構成を有
しており、レーザ光の出射ビームの波面、即ち位相分布
を均一することが可能なレーザ共振器を得ることを目的
とする。
【0021】また、この発明は、発振する横モードを共
振器損失の差によって選択することができるレーザ共振
器を得ることを目的とする。
【0022】また、この発明は、環円筒形状のレーザ媒
質がレーザビームの導波路となっているレーザ装置であ
って、導波路損失が最小で、対称性,安定性に優れたビ
ームを提供できるレーザ装置を得ることを目的とする。
【0023】また、この発明は、環円筒形状のレーザ媒
質がレーザビームの導波路となっているレーザ装置であ
って、レーザ光の出射ビームの位相分布を均一すること
ができる上に、導波路の中心に対称なビームはその形状
を変えずに出射することができるレーザ装置を得ること
を目的とする。
【0024】また、この発明は、レーザ光の出射ビーム
の位相分布を均一することができる上に、レーザビーム
の伝搬を妨げることなくミラーを保持することができる
レーザ装置を得ることを目的とする。
【0025】また、この発明は、レーザ光の出射ビーム
の位相分布を均一することができる上に、大きな出力の
レーザビームを得ることができるレーザ装置を得ること
を目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るレ
ーザ共振器は、レーザ媒質の他端から所定の距離をなし
て設置され、且つレーザ媒質を通過した光をレーザ媒質
の中心軸付近方向に集光させる第2の全反射ミラーと、
該第2の全反射ミラーによって集められた光を実質的に
平行な光に変換する第3の全反射ミラーとを備えてお
り、第2及び第3の全反射ミラーは、互いに協働して、
レーザ媒質中における環円筒形状部分の光の波面が最も
平面に近くなる、ビームウエストの位置における光の断
面形状である円環の中心の円の虚像を実質的に一点に集
めるような形状及び配置関係を有するものである。
【0027】請求項2の発明に係るレーザ共振器の第2
及び第3の全反射ミラーの表面形状がそれぞれ、ミラー
の中心からの距離に関する1次式又は2次式で表される
ものである。
【0028】請求項3の発明に係るレーザ共振器は、第
3の全反射ミラー上でのビームについて、該ビームの中
心位置からレーザ媒質の中心軸までの距離bと、ビーム
のビーム径ωm との比b/ωm の値が、当該レーザ共振
器の出力ビームの横モードを選択するための指標として
規定されているものである。
【0029】請求項4の発明に係るレーザ共振器は、円
筒座標系における当該レーザ共振器の出力ビームの角度
方向の次数をnとするとき、第3の全反射ミラー上での
ビームについて、該ビームの中心位置からレーザ媒質の
中心軸までの距離bと、ビームのビーム径ωm との比b
/ωm の値が、0.5n+0.9<b/ωm <0.5n
+1.8の関係を満たしているものである。
【0030】請求項5の発明に係るレーザ装置は、環円
筒形状のレーザ媒質を有し、且つ請求項3又は請求項4
に記載されたレーザ共振器を備えており、環円筒形状の
レーザ媒質がレーザビームの導波路となっており、レー
ザ共振器が周方向に偏光したTEM0n * に相当するビー
ムを出力すべく比b/ωm の値が規定されているもので
ある。
【0031】請求項6の発明に係るレーザ装置は、環円
筒形状のレーザ媒質を有しており、請求項1から請求項
4のうちのいずれか1項に記載されたレーザ共振器を備
えており、環円筒形状のレーザ媒質がレーザビームの導
波路となっており、且つ導波路のギャップ長dと導波路
長LとがL=n×d2 /λ(nは任意の整数、λはレー
ザの波長)の関係を満たしているものである。
【0032】請求項7の発明に係るレーザ装置は、環円
筒形状のレーザ媒質を有し、且つ請求項1から請求項4
のうちのいずれか1項に記載されたレーザ共振器を備え
ており、第3の全反射ミラーをレーザ媒質の内部より保
持するように構成したものである。
【0033】請求項8の発明に係るレーザ装置は、環円
筒形状の気体をレーザ媒質として有し、且つ請求項1か
ら請求項4のうちのいずれか1項に記載されたレーザ共
振器を備えており、環円筒形状の光学空間の軸方向に気
体を流すとともにレーザ共振器の外部に気体を導き再度
光学空間内に気体を戻す循環手段と、循環手段によって
外部に導かれた気体を冷却する冷却手段とをさらに備え
たものである。
【0034】
【作用】請求項1の発明におけるレーザ共振器は、環円
筒形状のレーザ媒質から、その軸方向に発せられたレー
ザビームが、例えば円環形状の非球面である第2の全反
射ミラーによってレーザ媒質の中心軸付近に集められ
る。このとき、レーザ媒質中の環円筒形状部分にあるレ
ーザビームのビームウエストの中心の中心円の、第2及
び第3の全反射ミラーによる虚像が、レーザ媒質の中心
軸付近上の一点にほぼ集まるように、第2及び第3の全
反射ミラーは設計されていなければならない。さらに、
中心に集められた光は、例えば非球面である次の第3の
全反射ミラーによって円形状の概略平行な光に変換され
る。概略平行な光に変換されたレーザ光は、部分反射ミ
ラーに入射し、一部はレーザ共振器内に戻され、残りの
一部はレーザ共振器から外部へと出射する。このよう
に、レーザ媒質中の環円筒形状部分にあるレーザビーム
のビームウエストの中心の中心円の虚像が、レーザ媒質
の中心軸付近上の上記一点にほぼ集まるように、第2及
び第3の全反射ミラーは設計されているので、レーザ光
の出射ビームの波面、即ち位相分布を、ある一点から発
した球面波とみなすことができるような、均一なものに
することができる。
【0035】請求項2の発明におけるレーザ共振器は、
第2及び第3の全反射ミラーの表面形状がそれぞれ、非
球面であってミラーの中心からの距離に関する1次式又
は2次式で表されるように形成される。この形状は請求
項1の共振器を実現する最も簡単で現実的なものであ
り、同様に、レーザ媒質中の環円筒形状部分にあるレー
ザビームのビームウエストの中心の中心円の虚像を、レ
ーザ媒質の中心軸付近上の一点にほぼ集めることがで
き、レーザ光の出射ビームの波面、即ち位相分布を均一
することができる。
【0036】請求項3の発明におけるレーザ共振器は、
第3の全反射ミラー上でのビームに対する、該ビームの
中心位置からレーザ媒質の中心軸までの距離bと、ビー
ムのビーム径ωm との比b/ωm の値を用いて設計する
ことによって、当該レーザ共振器の出力ビームの横モー
ドを共振器損失の差によって選択することができる。
【0037】請求項4の発明におけるレーザ共振器は、
同様に、比b/ωm の値をモードの次数nに対して、
0.5n+0.9<b/ωm <0.5n+1.8と規定
することにより、発振する横モードを共振器損失の差に
よって選択する。
【0038】請求項5の発明におけるレーザ装置は、レ
ーザ共振器が周方向に偏光したTEM0n * に相当するビ
ームを出力すべく比b/ωm の値が規定されているの
で、導波路中の偏光も全ての場所において導波路壁に平
行になり、導波路損失が最小であり、対称性や安定性に
優れたビームが得られる。
【0039】請求項6の発明におけるレーザ装置は、導
波路のギャップ長dと導波路長LとがL=n×d2 /λ
の関係を満たしているので、導波路の中心に対称なビー
ムはその形伏を変えずに出射する。
【0040】請求項7の発明におけるレーザ装置は、環
円筒形状のレーザ媒質と出力ビームを同軸にする上で、
第3の全反射ミラーをビームの伝搬を妨げることなく保
持するために有効である。
【0041】請求項8の発明におけるレーザ装置の循環
手段は、光学空間内に封入された気体に流れを生起し
て、気体を循環させる。循環手段によって循環される気
体は冷却手段に到達するとそこで冷却され、再び光学空
間内へと導かれる。従って、このような構成を有したレ
ーザ装置では、円筒形の電極等から熱伝導によってレー
ザ媒体である気体を冷却する必要がないため、レーザ媒
質の大きさを規定する円筒のギャップ長を大きくするこ
とが可能となり、より大きな出力のレーザビームを得る
ことができる。
【0042】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明の一実施例によるレーザ共振器の
構成を概略的に示す構成図であり、図において、1は環
円筒形状のレーザ媒質、2はレーザ媒質1の一端に設け
られた全反射ミラー(第1の全反射ミラー)、3はレー
ザ媒質1の他端に設けられており、環円筒形状のレーザ
媒質1から放出されたレーザ光をレーザ媒質1の中心軸
付近に集める全反射ミラー(第2の全反射ミラー)、4
は全反射ミラー3から反射されたレーザ光を円形状の概
略平行な光に変換する全反射ミラー(第3の全反射ミラ
ー)、5は全反射ミラー2,3,4によって形成された
円形ビームの一部を反射し残りの一部を透過してレーザ
光を放出する部分反射ミラーである。
【0043】全反射ミラー3は、円環形状の非球面ミラ
ーであり、その中心部には貫通孔が形成されている。全
反射ミラー4は、全反射ミラー3と協働して全反射ミラ
ー3によって集光された光を円形状の実質的に平行な光
に変換する非球面ミラーである。この実施例によるレー
ザ共振器は、全反射ミラー3及び4と、全反射ミラー2
と、部分反射ミラー5とから構成されている。円環形状
の全反射ミラー3と、全反射ミラー4との組合せは、天
体望遠ミラーの凹面ミラー等で用いられているカセグレ
ン型のミラー構成を応用したものである。
【0044】次に動作について説明する。環円筒形状の
レーザ媒質1から、その軸方向に発せられたレーザビー
ムは、円環形状の非球面の全反射ミラー3によってレー
ザ媒質1の中心軸付近に集められる。このとき、レーザ
媒質1中の環円筒形状部分にあるレーザビームのビーム
ウエストの中心の中心円の、全反射ミラー3及び4によ
る虚像が、レーザ媒質1の中心軸付近上の一点にほぼ集
まるように、全反射ミラー3及び4は設計されていなけ
ればならない。
【0045】図2はビームウエストとビームウエストの
中心円を模式的に示す斜視図であり、図において、50
はビームウエスト、51は中心円である。この図から明
らかなように、環円筒形状のレーザ媒質1中における光
ビームのビームウエスト50とは、ビームのくびれてい
る部分であり、環円筒形状の光ビームの波面が最も平面
に近くなるような位置のことを言い、円筒部分のビーム
ウエスト50の中心の中心円51とは、円筒部分のビー
ムウエスト50の位置での光ビームの断面形状である円
環の幅の中心が作る円、つまり半径方向で考えたときの
ビームの径の中心が作る円のことを言う。
【0046】さらに、中心に集められた光は、その概略
集められた点よりも全反射ミラー3寄りに設置された次
の非球面の全反射ミラー4によって円形状の概略平行な
光に変換される。概略平行な光に変換されたレーザ光
は、円環形状の全反射ミラー3の中心部の貫通孔を通過
して部分反射ミラー5に入射し、一部はレーザ共振器内
に戻され、残りの一部はレーザ共振器から外部へと出射
する。
【0047】この実施例によるレーザ共振器の利点は、
このミラー構成だけでなく、ミラーの曲率など表面形状
を詳細に設計することによって、高品質な円形高集束ビ
ームを取り出せる点にある。さらに、所望する様々な横
モードや偏光モードのビームを取り出すようにミラーを
設計することができる。
【0048】次にこの実施例によるレーザ共振器のミラ
ーの設計方法について説明する。図3はこの実施例によ
るレーザ共振器の主要部の構成を示す構成図であり、図
において、24,25はそれぞれレーザ媒質である円筒
型導波路の上端および下端であり、かつ全反射ミラー3
で折り返した導波路端である。26は導波路端24の虚
像、27は導波路端25の虚像である。
【0049】先に述べたワキシコンミラーを用いた従来
のレーザ共振器の場合、ワキシコンミラー出力時の波面
が多点から発した球面波の足し合わせになって歪むこと
が問題となっていた。この問題を解決するためには、多
点から発した球面波の中心が実質的に一致していればよ
い。
【0050】導波路端24,25は、導波路伝搬中にビ
ームが変化しないと仮定すると、平面ミラーと近似する
ことができる。この平面ミラーで近似された導波路端は
レーザ共振器の一方の端となっているので、ビームはこ
の導波路端24,25面上でビームウエストを持つこと
になる。一般に、ビームウエストを経て拡散していくビ
ームは、ビームウエストから十分離れた点から見ると、
ビームウエストの中心から発した球面波と見なすことが
できる。つまり、ビームウエストの中心の位置が球面波
の中心と考えてよい。導波路端の各点から発した光を球
面波とみなし、その中心を実質的に一致させるために
は、導波路端の中心の虚像を一致させればよい。
【0051】この実施例によるレーザ共振器のミラーの
設計の最も重要な点は、導波路端から発した光が見かけ
上一点から発したように見えるように、光学系を設計す
ることである。
【0052】全反射ミラー3及び4は、一般には非球面
全反射ミラーであるが、ここでは設計の第1段階とし
て、表面が円錐面の一部であるような全反射ミラーを考
える。この場合、導波路端24,25から発せられ、全
反射ミラー3及び4で反射された光は、実効的に導波路
端上部の虚像26及び導波路端下部の虚像27から発せ
られた光と考えることができる。このとき、全反射ミラ
ー3及び4の角度を調整することによって、虚像26及
び27の端面の中心を一致させることができる。このよ
うに設計された場合、円環形状の導波路端から発せられ
た光は実効的にある一点から発せられたのと同等に扱う
ことができる。即ち、その波面は正確に球面波と考えら
れる。この後、設計の第2段階として、全反射ミラー
4、又は全反射ミラー3及び部分反射ミラー5に適当な
曲率を付けることによって、安定型の共振器を構成する
ことができる。
【0053】通常、円環形状のレーザ媒質と共振器を構
成するミラーとを同軸上に配置するので、それぞれのミ
ラー、特に一般に非球面である全反射ミラー3及び4の
表面形状は軸対称である。さらに、上述のように、その
形状は、円錐面の一部を基本とし、それに所定の曲率を
与えたようなものになる。従って、全反射ミラー3及び
4の表面形状は、その中心からの距離rの1次式又は2
次式で与えられる曲線で与えられる。ただし、綿密な設
計を行った場合、rの範囲によって表面形状の表式が変
化するようなミラーが必要になることがあり得る。
【0054】実際のレーザ共振器ではいろいろなミラー
の組合せや構造が考えられる。例えば、環円筒形状のレ
ーザ媒質の部分が導波路でない場合は、エンドミラーで
ある全反射ミラー2が平面ミラーである場合や曲率のつ
いている場合などが考えられる。いずれにせよ、図2に
示したように、レーザビームは全反射ミラー3以遠の円
環形状のビーム部分のどこかビームウエスト50を持つ
ので、そのビームウエスト50の中心円51の、全反射
ミラー3,4による虚像が一点に一致するように設計す
ればよい。そうすることにより上記のように、ビームウ
エスト50から十分離れた点、例えば部分反射ミラー5
上に於いて、あたかも一点から発した球面波としてレー
ザビームを取り扱うことができる。
【0055】次に、特にレーザ媒質の円環形状部分がレ
ーザの導波路として働いている場合、このような円環形
状のレーザ媒質を用いる際に、出力ビームの横モードを
選択し、特に周方向に偏光したリング形状の偏光モード
になるような、つまりTEM01 * モードに近い横モード
を出力することの重要性について説明する。
【0056】導波路壁でビームが反射する際、s偏光と
p偏光では反射率が異なる。平行平板導波路の導波路損
失は、p偏光、即ち導波路壁にたいして垂直な偏光は損
失が大きく、s偏光、即ち導波路壁に平行な偏光の損失
が少なくなる。その結果、円筒型導波路においては、半
径方向の偏光がより多くの損失を受け、周方向の偏光が
選択され易くなる。
【0057】その結果、この実施例によるレーザ共振器
を組んで、ガウシアンビームに近いビームを出そうとし
たときに、0次モードを出そうとすると、どうしても導
波路部分での偏光選択性に逆らうことになるので、リン
グモード、例えばTEM01 *モードに近いモードが出し
やすくなることが想像される。
【0058】図4は横モードと偏光の関係を示したもの
である。図4(a)は0次ガウシアンビーム28を出す
ようにした場合であるが、この時、導波路中では偏光
が、あるところでは導波路壁に垂直に、あるところでは
導波路壁に平行になっていることがわかる。このような
偏光の状態で導波路を伝搬させることは、導波路損失が
大きくなり、対称性や安定性が悪くなる。
【0059】これに対し、図4(b)は周方向に偏光し
たTEM01 * モードに相当するビーム29を出すように
した場合である。この場合は偏光は周方向なので、導波
路中の偏光も全ての場所において導波路壁に平行にな
り、導波路損失が最小で、対称性や安定性に優れたビー
ムが得られる。
【0060】次に如何にして横モードの選択を行うかに
ついて述べる。通常のCO2 レーザは、2枚の凹面ミラ
ーで構成されるファブリーペロー型共振器とアパーチャ
とにより構成される。モードは凹面ミラーの曲率とアパ
ーチャの大きさによって選択される。このとき、モード
の選択は、単にアパーチャを含む共振器の損失の差によ
って決定されるのではなく、共振器損失とモード間のゲ
インの競合によって決定される。例えば、それぞれの横
モードの共振器損失の値を計算すると、どのような共振
器の構成でも、低次モードの方が高次モードより損失が
少ない。にもかかわらず、高次の単一モード発振が可能
なのは、ゲインの競合があるからである。しかし、この
発明によるレーザ共振器はゲインのある部分が導波路の
部分なので、ゲインの競合によってモードが選択される
ことは期待できない。
【0061】この実施例によるレーザ共振器は、発振す
る横モードを共振器損失の差によって選択することがで
きるという顕著な特徴を持っている。次に、特定のモー
ドを選択するように共振器、ミラー形状を設計する方法
について述べる。
【0062】図3において、導波路端から発したビーム
は、非球面の全反射ミラー3で反射され、非球面の全反
射ミラー4に到達するが、そのとき、全反射ミラー4上
でのビームの中心とレーザ媒質の中心軸との距離をbと
する。さらに、図3において、上側の導波路端面24と
部分反射ミラー5とは、全反射ミラー4を実効的に凸レ
ンズとみなせば、前述のように安定型の共振器を構成す
るが、実際の発振モードも、この安定型共振器によって
形成されるモードの足し合わせであると考えて、近似的
には差しつかえない。この時、全反射ミラー4の位置で
のビーム径は全反射ミラー4や導波路間の距離と全反射
ミラー4等に与えられた曲率で一意的に決定される。こ
のビーム径をωm とする。
【0063】この実施例のレーザ共振器の設計におい
て、全反射ミラー4上でのビームの中心と中心軸の距離
bとビーム径ωm との比が、取り出すビームの横モード
を決定する重要なパラメータになっていることがわかっ
ている。
【0064】図5はある特定の条件の下で、このbとω
m の比を可変なパラメータとして変化させたときの0
次,1次,2次モードの共振器損失の値を示している
(ここで、ωm は強度が1/e2 になるような半径)グ
ラフ図である。bとωm の比は共振器の構成やミラー形
状によって変化するが、全反射ミラー3の円錐の傾きを
変化させてbの値を変化させるのが最も理解しやすい。
【0065】図5から明らかなように、b/ωm =1.
65以下の範囲30では0次が、b/ωm =1.65〜
2.1の範囲31では1次が、b/ωm =2.1以上の
範囲32では2次が、共振器損失最低のモードになるこ
とがわかる。このパラメータb/ωm を変化させること
によって、各横モードの共振器ロスを変化させることに
より発振する横モードを選択することができることがわ
かる。
【0066】以下、横モードの選択方法について述べ
る。まず、b/ωm =1.65以下(図5の領域30)
では、0次モードが選択される。この場合、上述のよう
に円環形状媒質を通過する際の偏光依存性の為に不都合
が生じる可能性があるが、円環形状媒質が導波路として
働かない場合など偏光依存性の無い場合、あるいは偏光
依存性の無視できる場合は、0次モードが最も集光性の
良い高品質なビームを与える。
【0067】次に、b/ωm =1.65〜2.1(図5
の領域31)では1次モードが選択される。円環形状媒
質が強い偏光依存性を持つ場合は、図4(b)にも示し
たように、周方向に偏光したTEM01 * に相当するよう
なモードのビームの発生がもっとも良いと考えられる。
【0068】また、b/ωm =2.1以上(図5の領域
32)では2次あるいはそれ以上の次数のモードが発生
するが、表面改質など広い範囲を均一に照射するような
用途ではこのような横モードの発生が必要になる。
【0069】以上の反射ミラー4上でのビームの中心と
中心軸の距離bとビーム径ωm との比b/ωm の値に依
存した横モード選択についての議論は、ある条件の下に
計算した図5をもとに導かれたものである。従って、別
の条件、即ち、媒質形状や共振器構成の異なった系に対
して計算を行うと、図5に示す特性曲線は多少変化して
異なったものとなる。しかし、b/ωm をパラメータと
した場合、どのような条件下においても、ほぼ図5に等
しい結果が得られることが経験上わかっている。図5に
示した3本の曲線の交点は条件により多少変化するが、
n次モードを発生する際には、b/ωm が経験的には、
以下に示す不等式を満足しなければならないことが経験
的に明らかになっている。
【0070】 0.5n+0.9<b/ωm <0.5n+1.8 即ち、b/ωm が0.5n+0.9より小さい領域では
共振器損失が大きく、そのモードを選択するには不適当
であり、b/ωm が0.5n+1.8よりも大きいと
き、共振器損失は極小値を通り過ぎて増加し、同時にも
う一つ高次のモードの損失が十分小さくなってくるの
で、同様に、モード選択ができなくなる。
【0071】このようにして、出力ビームの横モードを
全反射ミラー4上でのビームの中心と中心軸の距離bと
ビーム径ωm との比b/ωm の値に応じて選択できる。
【0072】実施例2.図6はこの発明の他の実施例に
よるレーザ共振器の構成を示す構成図であり、図におい
て、図3に示した参照符号と同一の符号は同一又は相当
する構成要素を示している。
【0073】上記実施例1によるレーザ共振器において
説明したように、出力ビームの横モードは、全反射ミラ
ー4上でのビームの中心と中心軸の距離bとビーム径ω
m との比b/ωm 値によって選択できる。また、このb
/ωm の値は、共振器の構造が大体決まっている場合
は、全反射ミラー3の円錐の傾きを調整して、bの値を
変化させるのことによって、変化させることができる。
これに対して、この実施例によるレーザ共振器は、共振
器長を変化させることによりωm の値を変化させ、出力
ビームの横モードの選択を実行するように構成されてい
る。
【0074】次に動作について説明する。ωm の値は全
反射ミラー4に付けられた曲率と、共振器長によって決
定される。従って、図6に示すように、部分反射ミラー
5に設けられた光軸方向である図中の矢印Aで示したz
方向へミラーを並進移動させるz方向ステージ(図示せ
ず)等を用いて、取りだし鏡である部分反射ミラー5の
位置を変化させれば、共振器長を変化させることにな
り、ωm の値を変化させることができる。
【0075】このようなレーザ共振器が有効であるの
は、非球面全反射ミラー3及び4の表面形状を変化させ
ることなく、出力モードを変化させることができるとい
う点である。つまり、ミラーを取り替えることなく、取
りだし鏡である部分反射ミラー5の位置を変化させるだ
けで、出力ビームのモードを変化させることができる。
このことは一組のミラーで、いろいろなモードを取り出
すことができる、という点で、実用上非常に有益であ
る。
【0076】実施例3.図7はこの発明の他の実施例に
よるレーザ共振器の構成を示す断面図であり、図におい
て、図1に示した参照符号と同一の符号は同一又は相当
する構成要素を示している。
【0077】図7に示すように、この実施例によるレー
ザ共振器においては、円環形状の全反射ミラー3と部分
反射ミラー5とが一体に構成されている。これら2つの
ミラーを一体とする場合、その母材が異なるため(CO
2 レーザの場合、全反射ミラーに、Au−coat C
u、部分反射ミラーにZnSe)、一体とするにはそれ
らを正確に填め合わせるか、あるいは母材を部分反射ミ
ラー5のものに統一し、その上にコーティングを施す等
が考えられる。尚、この実施例によるレーザ共振器の動
作は、実施例1のレーザ共振器のものと同様であるの
で、ここでは説明を省略する。
【0078】このように複数のミラーを一体に構成する
と、全体の構造が簡単になる、部品点数が減る等の効果
のほか、ミラーの微調整機構等が不必要になり、ミラー
のアライメントのしやすさや、安定性が向上する。
【0079】実施例4.図8はこの発明の他の実施例に
よるレーザ共振器の構成を示す断面図であり、図におい
て、図1に示した参照符号と同一の符号は同一又は相当
する構成要素を示しており、34はルーフリフレクタで
ある。
【0080】図8に示すように、この実施例によるレー
ザ共振器は、部分反射ミラー5の代わりにルーフリフレ
クタ34を具備している。ルーフリフレクタ34は、2
枚の平面ミラーを90度の角度で合わせたものであり、
それぞれのミラーと90度の角をなす平面で入射した光
線が、ミラーの交線に対して左右が反転して出射するよ
うに構成されている。
【0081】次に動作について説明する。この実施例に
よるレーザ共振器はかかる構成を有しているので、ルー
フリフレクタ34によって反射される毎にビームの上下
が入れ代わり、レーザ共振器の往復の度に、ビームの導
波路中の伝搬経路が変化する。つまり、レーザ共振器の
内部のビームを混ぜ合わせるような効果が生まれるの
で、少ない往復回数でビームのコヒーレンシーを容易に
向上させることができる。その結果、レーザ共振器の安
定性やアライメント裕度が向上する。また、このような
効果はここで述べたルーフリフレクタの代わりにコーナ
ーリフレクタ、又はアキシコンミラー等を用いることに
よっても得られる。また、共振器の構成やレーザの取り
出し方法にもよるが、このミラーからレーザを取り出す
場合は取り出し部のルーフリフレクタ、コーナーリフレ
クタ、又はアキシコンミラー等は部分反射ミラーで構成
されることは言うまでもない。
【0082】実施例5.図9はこの発明の他の実施例に
よるレーザ共振器の構成を示す断面図であり、図におい
て、図1に示した参照符号と同一の符号は同一又は相当
する構成要素を示している。
【0083】図9に示すように、この実施例によるレー
ザ共振器においては、全反射ミラー4が環円筒形状のレ
ーザ媒質1の内部に配置されている。尚、この実施例に
よるレーザ共振器の動作は、実施例1のレーザ共振器の
ものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0084】このような構成にすることにより、レーザ
共振器をさらに小形化することができる。
【0085】実施例6.図10はこの発明の他の実施例
によるレーザ共振器の構成を示す断面図であり、図にお
いて、図1に示した参照符号と同一の符号は同一又は相
当する構成要素を示している。
【0086】図10に示すように、この実施例によるレ
ーザ共振器においては、実施例3と同様に円環形状の全
反射ミラー3と部分反射ミラー5とが一体に構成されて
いる上に、非球面の全反射ミラー4と全反射ミラー2と
が一体に構成されている。実施例5ですでに述べたよう
に、これら全反射ミラー3と部分反射ミラー5を一体と
する場合、その母材が異なるため(CO2 レーザの場
合、全反射ミラーに、Au−coat Cu、部分反射
ミラーにZnSe)、一体とするにはそれらを正確に填
め合わせるか、あるいは母材を部分反射ミラー5のもの
に統一し、その上にコーティングを施す等が考えられ
る。尚、この実施例によるレーザ共振器の動作は、実施
例1のレーザ共振器のものと同様であるので、ここでは
説明を省略する。
【0087】このような構成にすると、ミラーの実質的
な個数は2枚となり、通常の単純なファブリーペロー型
共振器と変わらず、アライメントと安定性が向上する。
【0088】実施例7.図11はこの発明の一実施例に
よるレーザ装置の構造を詳細に示す断面図であり、図に
おいて、図1に示した参照符号と同一の符号は同一又は
相当する構成要素を示しており、6,7は電極、8はマ
ッチングボックス、9は電源、10はセラミック電極、
11は電極6の外管、12は電極6の内管、13は水冷
ジャケット、14は電極保持調整機構、15はインバ
ー、16はウインドウ、17は全反射ミラー3のxyz
微調機構、18は部分反射ミラー5のxyz微調機構、
19は全反射ミラー2を微調整するためのマイクロメー
タ、20は全反射ミラー4を微調整するためのマイクロ
メータ、21は全反射ミラー4を微調整するためのマイ
クロメータ、22は部分反射ミラー5を微調整するため
のマイクロメータ、23は真空ポンプである。
【0089】図11では、一例として、冷却機構を具備
する放電励起のガスレーザ、特にCO2 レーザの場合を
示しており、このレーザ装置には上記実施例1に示した
レーザ共振器が組み込まれている。
【0090】環円筒形状のレーザ媒質1は、円柱形状の
内側電極6と円環形状のセラミック電極10との間の間
隙として構成される。この間隙は真空容器になってお
り、容器内には環円筒形状のレーザ媒質1としてレーザ
ガスが入れられ、一定圧力に保たれている。セラミック
電極10の外側には外側電極7が設けられており、放電
はセラミック電極10を介した外側電極7と内側電極6
との間で発生する。内側電極6は装置の構成上、装置筐
体と電気的に等電位となるべく接地されており、外側電
極7は電源9に接続される。
【0091】通常、電源9としてRF(radio f
requency)電源が用いられる。電源9はマッチ
ングボックス8を介して外側電極7に接続されている。
放電はセラミックと金属の間でなされるMetal−D
ielectric境界の放電であるが、これにより均
一な放電が得られる。また、このタイプの放電は構造が
簡単になる点で有効である。
【0092】内側電極6は外管11と内管12の2重管
構造で形成されており、内側電極6を内側から水冷でき
るよう構成されている。外側電極7の外側にも、水冷ジ
ャケット13が設けられ、外側電極7の外側はこれによ
り水冷される。
【0093】内側電極6は電極保持調整機構14によっ
て装置の一端で支えられ、その傾きが調整できるように
なっているため、内側電極6をセラミック電極10と正
確に同軸になるように調整することができる。
【0094】真空容器である環円筒形状のレーザ媒質1
の両端は、全反射ミラー2とウインドウ16とによって
真空封じ込めが行われている。レーザ共振器を構成する
要素が同時に真空の封じ込めも行っているため、ウイン
ドウの数が減り、構造を簡単にすることができる上に性
能をも向上することができる。
【0095】全反射ミラー2にはマイクロメータ19が
備えられており、真空を損なうことなく全反射ミラー2
の角度を微調整することができる。
【0096】さらに、非球面の全反射ミラー4はウイン
ドウ16と一体になるようにウインドウ16に取り付け
られており、ウインドウ16にマイクロメータなどの微
調整機構20を持たせることによって、全反射ミラー4
の微調を可能にしている。また、全反射ミラー4は、こ
のようにウインドウ16に一体的に取り付けるようにし
て少なくとも内側から保持する様に構成する必要があ
り、もし外側から保持するように構成するとレーザビー
ムの伝搬を妨げることになる。
【0097】図12は全反射ミラー4を保持するため
の、ウインドウ16との前記一体構成をより詳細に示す
斜視図である。図12からより一層明らかなように、環
円筒形状のレーザ媒質1と出力ビームが同軸である場
合、もし全反射ミラー4が共振器の構成上、レーザ媒質
1の外側から保持されるならばビームの伝搬を妨げるこ
とになる。また、環円筒形状のレーザ媒質1と出力ビー
ムが同軸でないならば、レーザ共振器の構成も複雑にな
り、ミラーの設計も困難になる。従って、環円筒形状の
レーザ媒質1と出力ビームとを同軸にするためには、全
反射ミラー4を内側から保持する必要がある。この実施
例はその解決策の一例として、ウインドウ16と全反射
ミラー4を一体に構成しており、これによって構造を簡
単にしている。
【0098】全反射ミラー2と、ウインドウ16に一体
的に取り付けられた全反射ミラー4とを含む上記したレ
ーザ装置の構成要素は、熱膨張係数が小さいインバー1
5に支持されており、これによって、全反射ミラー2と
全反射ミラー4との間の距離は常に一定に維持される。
【0099】円環形状の非球面全反射ミラー3はミラー
ホルダーによって保持されるが、このミラーホルダーに
はマイクロメータ等の角度微調機構21、及びxyz方
向の微調機構17が必要である。また、上記したよう
に、このミラー3は真ん中にビームを通すため、中心部
に貫通孔を有した円環形状である必要がある。同じく、
部分反射ミラー5のミラーホルダーも、マイクロメータ
等の角度微調機構22、及びxyz方向の微調機構18
を具備する必要がある。
【0100】ここでは、CO2 レーザについて述べた
が、この実施例によるレーザ共振器が同じく放電励起で
ガス冷却の必要なCOレーザなど他のガスレーザにも適
用できることは言うまでもない。
【0101】実施例8.図13はこの発明の他の実施例
によるレーザ装置を説明するための環円筒形状媒質がレ
ーザの導波路として働く場合を示す説明図である。CO
2 ガスレーザなどのガスレーザでは、円筒の側面から冷
却する必要があるため、円筒の幅(ギャップ長)は短い
ほうがよく、そのような短ギャップの空間をレーザが伝
搬するためには、導波路が有効である。
【0102】しかし、導波路内では伝搬モードが自由空
間の伝搬モードと異なるため、この発明によるレーザ共
振器のような、ビーム形状や波面の設計まで詳細に行う
ことを目的とする場合は、その伝搬モードの影響も考慮
せねばならない。
【0103】非常に簡単なモデルによって、導波路内の
伝搬モードを導出する。まず、ギャップ長dで、両壁が
金属で構成されたスラブ型の導波路を想定する。座標系
を図14に示すようにギャップ方向にx軸、波の進行方
向にz軸をとる。このとき、∂/∂y=0とし、z方向
へは波が波数βで伝搬する、即ち、電界が次の式で表さ
れると仮定すると、
【0104】
【数1】
【0105】導波路の空間では次のような波動方程式が
成立するはずである。
【0106】
【数2】
【0107】ここで、k0 =ω/c、n0 (=1)は導
波路の屈折率である。また、導波路壁での境界条件か
ら、 E(0,y)=E(d,y)=0 (3) が成り立つので、これらから式(2)の解は、
【0108】
【数3】
【0109】となる。nは1以上の任意の整数であり、
nが偶数の時偶関数、即ち導波路中心に対して非対称な
モードを示し、奇数の時対称なモードを示す。
【0110】以上のような最も簡単な場合の導波路の伝
搬モードの算出により、導波路内の伝搬モードは正弦関
数であり、モードによって伝搬係数βの値が異なること
が明らかになった。このことは、モードによって伝搬速
度も異なることを示している。
【0111】自由空間中の伝搬の固有モードは周知のよ
うにガウシアン関数である。ガウシアン関数のビームは
伝搬によってその形状は変化しない。しかし、導波路端
からガウシアンビームが入射すると、導波路内の固有伝
搬モードによって展開され、展開された固有モードはそ
れぞれ異なった速度で導波路内を伝わり、導波路終端で
また足し合わされ、自由空間に出る。このため、一般に
導波路通過によってビームの形状は変化してしまう。
【0112】しかしながら、ある条件の下ではこの変化
を最小限にすることができる。その条件は導波路のギャ
ップ長と導波路長とによって決定される。導波路の長さ
をLとすると、導波路の入口と出口との間に発生する位
相変化は、Lβで与えられる。従って、各固有モードの
位相変化φn は、
【0113】
【数4】
【0114】で与えられる。ただし、n0 =1、k0
ω/cである。
【0115】この値が、モード毎にちょうど2πの整数
倍だけずれるとき、導波路の入口と出口とにおけるビー
ム形状は等しくなるといえる。一般のnに対してこのよ
うな条件のLを求めることはできないが、もしも入射ビ
ームが中心に対して対称であれば、そのような条件が得
られることを示す。
【0116】中心に対して対称なビームとはn=1,
3,5,…=2m−1(mは1以上の任意の整数)であ
る。このことから、次の式が成り立つ。
【0117】
【数5】
【0118】ここで、下式の2つの括弧の内部は共に整
数であり、その差は2m−1で奇数なので、どちらかが
偶数である。よって、この式が2πの整数倍となるため
には、Lとdが、 L=nd2 /λ (7) の関係を満たしておればよく、逆にこの関係を満たして
いるとき、導波路の中心に対称なビームはその形伏を変
えずに出射する。ここで、nは任意の整数、λはレーザ
の波長である。
【0119】実際の導波路は、両導波路壁が金属ではな
い場合が多く、また導波路に入るビームも厳密には導波
路中心に対して対称ではない。しかし、導波路壁が誘電
体である場合でも、その誘電体への電界の侵入長は十分
小さく、金属境界を仮定して得られた上記のモードで十
分近似できること等の理由からここで得られた関係式は
十分実用に耐えると考えてよい。
【0120】実施例9.図15はこの発明の一実施例に
よる、上記実施例に記載されたレーザ共振器を備えたレ
ーザ装置の構成を示す断面図であり、図において、図1
1に示した参照符号と同一の符号は同一又は相当する構
成要素を示しており、33は内側電極6の周りに設けら
れたセラミックのチューブである。
【0121】実施例8で述べたように、上記実施例1等
で示したレーザ共振器が組み込まれるレーザ装置におい
ては、環円筒形状のレーザ媒質1がレーザの導波路とな
ることは非常に有効であるが、一方、実施例1でも述べ
たように、導波路の伝搬ではビームの偏光によって伝搬
特性が変化する。
【0122】導波路はそのような歪みが最小になるよう
に設計するのが好ましい。この歪みは導波路壁の材質に
大きく依存し、s偏光とp偏光の反射特性の違いの大き
い金属で非常に大きくなり、誘電体ではs偏光とp偏光
の反射特性の違いは十分小さくなる。また、導波路が片
面は金属、片面は誘電体のような非対称な構造であれ
ば、進行方向が導波路の軸からずれるという効果がおこ
る。このため、導波路壁が両側共に誘電体であるよう
な、対称誘電体導波路が最適であると結論される。
【0123】図15は、図11に準じて両側の導波路壁
が誘電体であるようなレーザ装置の一例を示したもので
ある。内側電極6の周りにセラミックのチューブ33が
設けられており、内側電極6と外側電極7の間は、内側
電極6−内側セラミックチューブ33−放電空間1a−
外側セラミックチューブ10a−外側電極7、という構
造になっている。この構造は、図11に示したような、
片側誘電体、片側金属の電極構造と比較すると、構造的
には複雑になるが、円筒形の放電空間が導波路として働
く場合など、偏光依存性が顕著になる場合には、かかる
両側誘電体の構造の方が有利である。
【0124】実施例10.図16はこの発明の他の実施
例によるレーザ装置の主要部の構成を示す断面図であ
り、図において、35はフラッシュランプ、36は円筒
型YAGロッド、37は外殻、38は内側冷却水、39
は外側冷却水である。
【0125】この実施例によるレーザ装置は、上記実施
例1等に示したレーザ共振器を固体レーザに適用したも
のである。円筒型YAGロッド36は、図1等に示す上
記した環円筒形状のレーザ媒質1に相当している。この
円筒型YAGロッド36の内部に、励起用のフラッシュ
ランプ35が挿入されている。レーザ媒質の外殻37は
内面が高反射率の反射ミラーになっている。また、レー
ザ装置全体は内側冷却水38及び外側冷却水39によっ
て水冷される。
【0126】次に動作について説明する。このような構
造を有する固体レーザにおいては、フラッシュランプ3
5の光はその全てが反射を介することなく直接、固体レ
ーザのレーザ媒質である円筒形YAGロッド36に到達
し、ほとんどがロッドに吸収される。吸収されたフラッ
シュランプ35の光によって励起されたYAGロッド3
6はレーザ発振を起こす。そして、上記実施例1等で示
したように、YAGロッド36内で増幅されたレーザ光
は、図1に示した全反射ミラー3及び4によって円形状
のビームに変換され、部分反射ミラー5等を介して出射
する。
【0127】このように、この実施例によるレーザ装置
は、環円筒形状のレーザ媒質1を備え、これを効率よく
励起するためにフラッシュランプ等の励起源をレーザを
レーザ媒質の内側に収容し、レーザ媒質の外側には励起
源より発せられたレーザ媒質を透過した光を再びレーザ
媒質へと戻す反射ミラーを備えたので、非常に高効率の
励起が可能であるうえに、上記した実施例1等によるレ
ーザ共振器を適用することにより高品質のレーザビーム
を生成することができる。
【0128】実施例11.図17はこの発明の他の実施
例によるレーザ装置の主要部の構成を示す断面図であ
り、図において、40は熱交換器(冷却手段)、41は
ブロア(循環手段)である。
【0129】この実施例によるレーザ装置は、CO2
ーザ等のガスレーザであって、環円筒形状の放電空間
(光学空間)中にレーザガスを封じ込めずに、軸方向に
ガスを流し、外部でガスを循環させるような機構を具備
したものである。
【0130】次に動作について説明する。ブロア41
は、放電空間内に封入されたガスに図17に示す矢印の
方向に流れを生起して、ガスを循環させる。ブロア41
によって循環されるガスは熱交換器40に到達するとそ
こで冷却され、再び放電空間内へと導かれる。このよう
な構成を有したレーザ装置では、電極から熱伝導によっ
てレーザガスを冷却する必要がないため、円筒のギャッ
プ長を大きくすることが可能となる。従って、この実施
例によるレーザ装置は、従来の高速軸流型のレーザを円
環状に並べたものと同等になり、従来の技術を用いて超
高出力のレーザを発振することができるうえに、上記し
た実施例1等によるレーザ共振器を適用することにより
高品質のレーザビームを生成することができる。
【0131】また、かかる構成は、同じく放電励起でガ
ス冷却の必要なCOレーザにも適用できることは言うま
でもない。
【0132】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、レーザ媒質の他端から所定の距離をなして設置さ
れ、且つレーザ媒質を通過した光をレーザ媒質の中心軸
付近方向に集光させる第2の全反射ミラーと、第2の全
反射ミラーによって集められた光を概略平行な光に変換
する第3の全反射ミラーとを備えており、第2及び第3
の全反射ミラーは、互いに協働して、レーザ媒質中にお
ける環円筒形状部分の光の波面が最も平面に近くなる、
ビームウエストの位置における光の断面形状である円環
の中心の円の虚像を実質的に一点に集めるような形状及
び配置関係を有するように構成したので、レーザ光の出
射ビームの波面、即ち位相分布を均一することができる
効果がある。
【0133】請求項2の発明によれば、ミラーの中心か
らの距離に関する1次式又は2次式で表されるように構
成したので、同様に、レーザ光の出射ビームの波面、即
ち位相分布を均一にすることができる効果がある。
【0134】請求項3の発明によれば、第3の全反射ミ
ラー上でのビームについて、該ビームの中心位置からレ
ーザ媒質の中心軸までの距離bと、ビームのビーム径ω
m との比b/ωm の値が、当該レーザ共振器の出力ビー
ムの横モードを選択するための指標として規定されるよ
うに構成したので、発振する横モードを共振器損失の差
によって選択することができる効果がある。
【0135】請求項4の発明によれば、円筒座標系にお
ける当該レーザ共振器の出力ビームの角度方向の次数を
nとするとき、第3の全反射ミラー上でのビームについ
て、該ビームの中心位置からレーザ媒質の中心軸までの
距離bと、ビームのビーム径ωm との比b/ωm の値
が、0.5n+0.9<b/ωm <0.5n+1.8の
関係を満たすように構成したので、発振する横モードを
共振器損失の差によって選択することができる効果があ
る。
【0136】請求項5の発明によれば、環円筒形状のレ
ーザ媒質を有し、且つ請求項3又は請求項4に記載され
たレーザ共振器を備えており、環円筒形状のレーザ媒質
がレーザビームの導波路となっており、レーザ共振器が
周方向に偏光したTEM0n *に相当するビームを出力す
べく比b/ωm の値が規定されるように構成したので、
導波路損失が最小で、対称性,安定性に優れたビームを
得ることができる効果がある。
【0137】請求項6の発明によれば、環円筒形状のレ
ーザ媒質を有しており、請求項1から請求項4のうちの
いずれか1項に記載されたレーザ共振器を備えており、
環円筒形状のレーザ媒質がレーザビームの導波路となっ
ており、且つ導波路のギャップ長dと導波路長LとがL
=n×d2 /λ(nは任意の整数、λはレーザの波長)
の関係を満たすように構成したので、導波路の中心に対
称なビームはその形状を変えずに出射することができる
効果がある。
【0138】請求項7の発明によれば、環円筒形状のレ
ーザ媒質を有し、且つ請求項1から請求項4のうちのい
ずれか1項に記載されたレーザ共振器を備えており、第
3の全反射ミラーをレーザ媒質の内部より保持するよう
に構成したので、ビームの伝搬を妨げることなく、第3
の全反射ミラーを保持することができるようになる効果
がある。
【0139】請求項8の発明によれば、環円筒形状の気
体をレーザ媒質として有し、且つ請求項1から請求項4
のうちのいずれか1項に記載されたレーザ共振器を備え
ており、環円筒形状の光学空間の軸方向に気体を流すと
ともにレーザ共振器の外部に気体を導き再度光学空間内
に気体を戻す循環手段と、循環手段によって外部に導か
れた気体を冷却する冷却手段とをさらに備えるように構
成したので、レーザ媒質の大きさを規定する円筒のギャ
ップ長を大きくすることが可能となり、より大きな出力
のレーザビームを得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例によるレーザ共振器の構
造の概略を示す斜視図である。
【図2】 図1に示したレーザ共振器において生成され
るレーザビームのビームウエストを説明するための斜視
図である。
【図3】 この発明の一実施例によるレーザ共振器を構
成するミラーの設計方法を説明するための図である。
【図4】 この発明の一実施例によるレーザ共振器にお
ける、横モードに応じて変化する導波路中の偏光状態を
示す図である。
【図5】 この発明の一実施例によるレーザ共振器にお
ける、ミラー設計上のパラメータb/ωm に対する伝搬
する横モードの共振器損失の変化を示すグラフ図であ
る。
【図6】 この発明の他の実施例によるレーザ共振器の
構成を示す構成図である。
【図7】 この発明の他の実施例によるレーザ共振器の
構成を示す断面図である。
【図8】 この発明の他の実施例によるレーザ共振器の
構成を示す断面図である。
【図9】 この発明の他の実施例によるレーザ共振器の
構成を示す断面図である。
【図10】 この発明の他の実施例によるレーザ共振器
の構成を示す断面図である。
【図11】 この発明の他の実施例によるレーザ装置の
中心軸を含む平面での断面図である。
【図12】 図11に示したレーザ装置における全反射
ミラー4の保持方法について説明した図である。
【図13】 この発明の他の実施例によるレーザ装置に
おいて、環円筒形状媒質を導波路としてレーザが伝搬す
る様子を示した図である。
【図14】 両壁が金属で構成されたスラブ型の導波路
を示す断面図である。
【図15】 この発明の他の実施例によるレーザ装置の
中心軸を含む平面での断面図である。
【図16】 この発明の他の実施例によるレーザ装置で
あるフラッシュランプ励起の固体レーザの構造を示す断
面図である。
【図17】 この発明の他の実施例によるレーザ装置の
主要部の構成を示す断面図である。
【図18】 従来のワキシコンを用いたレーザ共振器を
示す構成図である。
【図19】 図18に示したワキシコンを用いたレーザ
共振器において、ワキシコンミラーの部分を拡大して示
す構成図である。
【符号の説明】
1 環円筒形状のレーザ媒質、2 全反射ミラー(第1
の全反射ミラー)、3円環形状の非球面の全反射ミラー
(第2の全反射ミラー)、4 非球面の全反射ミラー
(第3の全反射ミラー)、5 部分反射ミラー、16
ウインドウ、40 熱交換器(冷却手段)、41 ブロ
ア(循環手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉沢 憲治 尼崎市塚口本町八丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環円筒形状のレーザ媒質を有するレーザ
    装置に使用されるレーザ共振器において、前記レーザ媒
    質の一端に設置される第1の全反射ミラーと、前記レー
    ザ媒質の他端から所定の距離をなして設置され、且つ前
    記レーザ媒質を通過した光を前記レーザ媒質の中心軸付
    近方向に集光させる第2の全反射ミラーと、該第2の全
    反射ミラーによって集められた光を概略平行な光に変換
    する第3の全反射ミラーと、該第3の全反射ミラーによ
    り変換された概略平行な光に対して実質的に垂直に設け
    られ、且つ前記概略平行な光の一部を透過させる部分反
    射ミラーとを備えており、前記第2及び第3の全反射ミ
    ラーは、互いに協働して、前記レーザ媒質中における環
    円筒形状部分の光の波面が最も平面に近くなる、ビーム
    ウエストの位置における光の断面形状である円環の中心
    の円の虚像を実質的に一点に集めるような形状及び配置
    関係を有することを特徴とするレーザ共振器。
  2. 【請求項2】 前記第2及び第3の全反射ミラーの表面
    形状がそれぞれ、ミラーの中心からの距離に関する1次
    式又は2次式で表されることを特徴とする請求項1に記
    載のレーザ共振器。
  3. 【請求項3】 前記第3の全反射ミラー上でのビームに
    ついて、該ビームの中心位置から前記レーザ媒質の中心
    軸までの距離bと、前記ビームのビーム径ωm との比b
    /ωm の値が、当該レーザ共振器の出力ビームの横モー
    ドを選択するための指標として規定されていることを特
    徴とする請求項1又は請求項2に記載のレーザ共振器。
  4. 【請求項4】 円筒座標系における当該レーザ共振器の
    出力ビームの角度方向の次数をnとするとき、前記第3
    の全反射ミラー上でのビームについて、該ビームの中心
    位置から前記レーザ媒質の中心軸までの距離bと、前記
    ビームのビーム径ωm との比b/ωm の値が、0.5n
    +0.9<b/ωm <0.5n+1.8の関係を満たし
    ていることを特徴とする請求項3に記載のレーザ共振
    器。
  5. 【請求項5】 環円筒形状の前記レーザ媒質がレーザビ
    ームの導波路となっており、前記レーザ共振器が周方向
    に偏光したTEM0n * に相当するビームを出力すべく前
    記比b/ωm の値が規定されていることを特徴とする請
    求項3又は請求項4に記載のレーザ共振器を備えたレー
    ザ装置。
  6. 【請求項6】 環円筒形状の前記レーザ媒質がレーザビ
    ームの導波路となっており、且つ導波路のギャップ長d
    と導波路長LとがL=n×d2 /λ(nは任意の整数、
    λはレーザの波長)の関係を概略満たしていることを特
    徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項記載のレ
    ーザ共振器を備えたレーザ装置。
  7. 【請求項7】 前記第3の全反射ミラーが環円筒形状の
    前記レーザ媒質の内部より支持されていることを特徴と
    する請求項1から請求項4のいずれか1項記載のレーザ
    共振器を備えたレーザ装置。
  8. 【請求項8】 前記レーザ媒質が気体であり、環円筒形
    状の光学空間の軸方向に前記気体を流すとともに前記レ
    ーザ共振器の外部に前記気体を導き再度前記光学空間内
    に前記気体を戻す循環手段と、該循環手段によって外部
    に導かれた気体を冷却する冷却手段とを備えたことを特
    徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項記載のレ
    ーザ共振器を備えたレーザ装置。
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