JPH08145134A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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Publication number
JPH08145134A
JPH08145134A JP28191294A JP28191294A JPH08145134A JP H08145134 A JPH08145134 A JP H08145134A JP 28191294 A JP28191294 A JP 28191294A JP 28191294 A JP28191294 A JP 28191294A JP H08145134 A JPH08145134 A JP H08145134A
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JP
Japan
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continuously variable
variable transmission
type continuously
input side
trunnions
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JP28191294A
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English (en)
Inventor
Takashi Imanishi
尚 今西
Nobuo Goto
伸夫 後藤
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外形寸法を小さくして限られた空間への設置
を可能にする。 【構成】 変速比の変換時には、駆動ピストン37aと
油圧シリンダ38aとから構成されるアクチュエータに
より、トラニオン6を枢軸5、5の軸方向に亙って変位
させる。駆動ピストン37aの外周面形状及び油圧シリ
ンダ38aの内周面形状を、長円形若しくは楕円形にす
る。突出量を抑えるべき側に短径を配置する事で、アク
チュエータによる外形寸法の増大を抑える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係るトロイダル型無段
変速機は、例えば自動車用の変速機として利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車用変速機として、図8〜9に略示
する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究さ
れている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開
昭62−71465号公報に開示されている様に、入力
軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力軸1
と同心に配置された出力軸3の端部に出力側ディスク4
を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケー
シング(図示せず)の内側には、上記入力軸1並びに出
力軸3に対して捻れの位置にある枢軸5、5を中心とし
て揺動するトラニオン6、6が設けられている。上記入
力軸1並びに出力軸3の中心軸が、上記入力側、出力側
両ディスク2、4の中心軸である。
【0003】各トラニオン6、6は、両端部外側面に上
記枢軸5、5を設けている。又、各トラニオン6、6の
中心部には変位軸7、7の基半部を支持し、上記枢軸
5、5を中心として各トラニオン6、6を揺動させる事
により、各変位軸7、7の傾斜角度の調節を自在として
いる。各トラニオン6、6に支持された変位軸7、7の
先半部周囲には、それぞれパワーローラ8、8を回転自
在に支持している。そして、各パワーローラ8、8を、
上記入力側、出力側両ディスク2、4の間に挟持してい
る。
【0004】入力側、出力側両ディスク2、4の互いに
対向する内側面2a、4aは、それぞれ断面が、上記枢
軸5を中心とする円弧を回転させて得られる凹面をなし
ている。そして、球状凸面に形成された各パワーローラ
8、8の周面8a、8aを、上記内側面2a、4aに当
接させている。
【0005】上記入力軸1と入力側ディスク2との間に
は、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この押圧
装置9によって上記入力側ディスク2を、出力側ディス
ク4に向け、弾性的に押圧している。この押圧装置9
は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器11
により保持された複数個(例えば4個)のローラ12、
12とから構成されている。上記カム板10の片側面
(図8〜9の右側面)には、円周方向に亙る凹凸面であ
るカム面13を形成し、上記入力側ディスク2の外側面
(図8〜9の左側面)にも、同様のカム面14を形成し
ている。そして、上記複数個のローラ12、12を、上
記入力軸1の中心に対して放射方向の軸を中心とする回
転自在に支持している。
【0006】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回
転すると、カム面13によって複数個のローラ12、1
2が、入力側ディスク2外側面のカム面14に押圧され
る。この結果、上記入力側ディスク2が、上記複数のパ
ワーローラ8、8に押圧されると同時に、上記1対のカ
ム面13、14と複数個のローラ12、12との押圧に
基づいて、上記入力側ディスク2が回転する。そして、
この入力側ディスク2の回転が、上記複数のパワーロー
ラ8、8を介して出力側ディスク4に伝達され、この出
力側ディスク4に固定の出力軸3が回転する。
【0007】入力軸1と出力軸3との回転速度を変える
場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう
場合には、枢軸5、5を中心として各トラニオン6、6
を揺動させ、各パワーローラ8、8の周面8a、8aが
図8に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心
寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部
分とにそれぞれ当接する様に、各変位軸7、7を傾斜さ
せる。
【0008】反対に、増速を行なう場合には、上記各ト
ラニオン6、6を揺動させ、各パワーローラ8、8の周
面8a、8aが図9に示す様に、入力側ディスク2の内
側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4
aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、各変位
軸7、7を傾斜させる。各変位軸7、7の傾斜角度を図
8と図9との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間
で、中間の変速比を得られる。
【0009】更に、図10〜11は、実願昭63−69
293号(実開平1−173552号)のマイクロフィ
ルムに記載された、より具体化されたトロイダル型無段
変速機を示している。入力側ディスク2と出力側ディス
ク4とは円管状の入力軸15の周囲に、それぞれニード
ル軸受16、16を介して回転自在に支持している。
又、カム板10は上記入力軸15の端部(図10の左端
部)外周面にスプライン係合し、鍔部17によって上記
入力側ディスク2から離れる方向への移動を阻止されて
いる。そして、このカム板10とローラ12、12と入
力側ディスク2外側面のカム面14とにより、ローディ
ングカム式の押圧装置9を構成している。上記出力側デ
ィスク4には出力歯車18を、キー19、19により結
合し、これら出力側ディスク4と出力歯車18とが同期
して回転する様にしている。
【0010】1対のトラニオン6、6の両端部は1対の
支持板20、20に、揺動並びに軸方向(図10の表裏
方向、図11の左右方向)に亙る変位自在に支持してい
る。そして、上記各トラニオン6、6の中間部に形成し
た円孔23、23部分に、変位軸7、7の基半部を支持
している。これら各変位軸7、7は、互いに平行で且つ
偏心した支持軸部21、21と枢支軸部22、22と
を、それぞれ有する。このうち、各変位軸7、7の基半
部を構成する各支持軸部21、21を上記各円孔23、
23の内側に、ラジアルニードル軸受24、24を介し
て、回転自在に支持している。又、上記各変位軸7、7
の先半部を構成する各枢支軸部22、22の周囲にパワ
ーローラ8、8を、ラジアルニードル軸受25、25を
介して回転自在に支持している。
【0011】尚、上記1対の変位軸7、7は、上記入力
軸15に対して180度反対側位置に設けている。又、
これら各変位軸7、7の各枢支軸部22、22が各支持
軸部21、21に対し偏心している方向は、上記入力
側、出力側両ディスク2、4の回転方向に関して同方向
(図11で左右逆方向)としている。又、偏心方向は、
上記入力軸15の配設方向に対してほぼ直交する方向と
している。従って上記各パワーローラ8、8は、上記入
力軸15の配設方向に亙る若干の変位自在に支持され
る。
【0012】又、上記各パワーローラ8、8の外側面と
上記各トラニオン6、6の中間部内側面との間には、こ
れら各パワーローラ8、8の外側面の側から順に、スラ
スト玉軸受26、26とスラストニードル軸受27、2
7とを設けている。このうちのスラスト玉軸受26、2
6は、上記各パワーローラ8、8に加わるスラスト方向
の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ8、8の回
転を許容する。この様なスラスト玉軸受26、26はそ
れぞれ、複数個ずつの玉29、29と、各玉29、29
を転動自在に保持する円環状の保持器28、28と、円
環状の外輪30、30とから構成されている。各スラス
ト玉軸受26、26の内輪軌道は上記各パワーローラ
8、8の外側面に、外輪軌道は上記各外輪30、30の
内側面に、それぞれ形成している。
【0013】又、上記スラストニードル軸受27、27
は、レース31と保持器32とニードル33、33とか
ら構成される。このうちのレース31と保持器32と
は、回転方向に亙る若干の変位自在に組み合わされてい
る。この様なスラストニードル軸受27、27は、上記
レース31、31を上記各トラニオン6、6の内側面に
当接させた状態で、この内側面と上記外輪30、30の
外側面との間に挟持している。この様なスラストニード
ル軸受27、27は、上記各パワーローラ8、8から上
記各外輪30、30に加わるスラスト荷重を支承しつ
つ、上記枢支軸部22、22及び上記外輪30、30が
上記支持軸部21、21を中心として揺動する事を許容
する。
【0014】更に、上記各トラニオン6、6の一端部
(図11の左端部)にはそれぞれ駆動ロッド36、36
を結合し、各駆動ロッド36、36の中間部外周面に駆
動ピストン37、37を固設している。そして、これら
各駆動ピストン37、37を、それぞれ駆動用の油圧シ
リンダ38、38内に油密に嵌装している。これら各駆
動ピストン37、37を嵌装した油圧シリンダ38、3
8が、上記各トラニオン6、6を変位させる為のアクチ
ュエータを構成する。
【0015】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機の場合、入力軸15の回転は押圧装置9を介して入
力側ディスク2に伝えられる。そして、この入力側ディ
スク2の回転が、1対のパワーローラ8、8を介して出
力側ディスク4に伝えられ、更にこの出力側ディスク4
の回転が、出力歯車18より取り出される。
【0016】入力軸15と出力歯車18との間の回転速
度比を変える場合には、上記1対の駆動ピストン37、
37を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピスト
ン37、37の変位に伴って上記1対のトラニオン6、
6が、それぞれ逆方向に変位し、例えば図11の下側の
パワーローラ8が同図の右側に、同図の上側のパワーロ
ーラ8が同図の左側に、それぞれ変位する。この結果、
これら各パワーローラ8、8の周面8a、8aと上記入
力側ディスク2及び出力側ディスク4の内側面2a、4
aとの当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化す
る。そして、この力の向きの変化に伴って上記各トラニ
オン6、6が、支持板20、20に枢支された枢軸5、
5を中心として、互いに逆方向に揺動する。この結果、
前述の図8〜9に示した様に、上記各パワーローラ8、
8の周面8a、8aと上記各内側面2a、4aとの当接
位置が変化し、上記入力軸15と出力歯車18との間の
回転速度比が変化する。
【0017】この様に上記入力軸15と出力歯車18と
の間の回転速度比を変化させるべく、上記変位軸7、7
の傾斜角度を変化させると、これら各変位軸7、7が上
記各支持軸部21、21を中心として僅かに回動する。
この回動の結果、上記各スラスト玉軸受26、26の外
輪30、30の外側面と上記各トラニオン6、6の内側
面とが相対変位する。これら外側面と内側面との間に
は、上記各スラストニードル軸受27、27が存在する
為、この相対変位に要する力は小さい。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成され作
用するトロイダル型無段変速機を自動車用変速機として
利用する場合には、外径寸法をできるだけ小さくする必
要がある。これは、自動車用変速機は、エンジンルーム
内(例えばFF車の場合)或はフロアパネルに形成した
トンネル内(例えばFR車の場合)の限られた設置空間
内に設置する必要がある為である。この様に外形寸法を
小さくする面からトロイダル型無段変速機の構造を見た
場合、各トラニオン6、6を変位させる為のアクチュエ
ータである、それぞれが駆動ピストン37、37を嵌装
した油圧シリンダ38、38部分が、小型化のネックに
なる。
【0019】この様に油圧シリンダ38、38がトロイ
ダル型無段変速機の小型化のネックになる主な理由は、
各油圧シリンダ38、38の設置位置が、トラニオン
6、6を枢軸5、5の軸方向に変位させる必要上、他の
構成部品よりも外側になるにも拘らず、これら各油圧シ
リンダ38、38の容量を十分に大きくしなければなら
ない為である。即ち、トロイダル型無段変速機の運転時
には、各パワーローラ8、8から変位軸7、7を介して
各トラニオン6、6に、枢軸5、5の軸方向に亙る大き
な荷重が加わる。上記各油圧シリンダ38、38には、
この大きな荷重により上記各トラニオン6、6が変位す
る事を防止できるだけの容量が要求される。
【0020】例えば、トロイダル型無段変速機により伝
達すべき動力のトルクをTe とし、入力側ディスク2の
内側面2aとパワーローラ8の周面8aとの接触点の回
転半径をR1 とし、トロイダル型無段変速機を構成する
パワーローラ8、8の全個数をnとした場合、上記各油
圧シリンダ38、38に要求される容量(支持可能な
力)Fp は、次の(1)式で表される。 Fp =2Te /n・R1 −−− (1)
【0021】この(1)式で表されるFp の値は、相当
に大きなものになる。この様に大きな容量を得るべく、
有効面積がAp である駆動ピストン37を嵌装した油圧
シリンダ38の高圧室の圧力をPH とし、低圧室の圧力
をPL とした場合には、次の(2)式が成り立つ。 Fp =Ap (PH −PL ) −−− (2)
【0022】この(2)式から明らかな通り、上記容量
p を確保する為には、上記有効面積Ap を大きくする
か、或は高圧室の圧力PH と低圧室の圧力PL との差
(PH−PL )を大きくしなければならない。(PH
L )を大きくする事は、油圧を発生させる為のポンプ
の能力の点、或はこのポンプを駆動する事に伴う動力損
失を低く抑える点から限度がある。この為、上記有効面
積Ap を大きくしなければならず、前述の様に、油圧シ
リンダ38、38部分が、小型化のネックになる。本発
明のトロイダル型無段変速機は、この様な事情に鑑みて
発明したものである。
【0023】
【課題を解決する為の手段】本発明のトロイダル型無段
変速機は何れも、前述した従来のトロイダル型無段変速
機と同様に、内側面を回転円弧状の凹曲面とした入力側
ディスクと、この入力側ディスクの内側面と対向する内
側面を回転円弧状の凹曲面とした出力側ディスクと、そ
れぞれの周面を球状凸面とし、この周面と上記入力側、
出力側両ディスクの内側面とを当接させた状態でこれら
入力側、出力側両ディスク同士の間に設けられた複数の
パワーローラと、それぞれの先半部にこれら各パワーロ
ーラを回転自在に支持する、上記パワーローラと同数の
変位軸と、これら各変位軸の基半部を支持する、上記パ
ワーローラと同数のトラニオンと、これら各トラニオン
の両端部に設けられ、それぞれの軸心を上記入力側、出
力側両ディスクの中心軸に対して捩れの位置関係で配置
した枢軸と、上記各トラニオンをこれら各枢軸の軸方向
に亙って変位させるアクチュエータとを備えている。
【0024】特に、本発明のトロイダル型無段変速機の
うち、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機に於
いては、上記アクチュエータは、固定の油圧シリンダ
と、この油圧シリンダの内側に油密に嵌装された駆動ピ
ストンと、この駆動ピストンと上記枢軸とを結合するロ
ッド部材とを備える。そして、上記油圧シリンダの内周
面及び上記駆動ピストンの外周面の断面形状を、長円形
若しくは楕円形としている。
【0025】更に、請求項2に記載したトロイダル型無
段変速機に於いては、アクチュエータは、上記枢軸にそ
の一端を結合したロッド部材と、このロッド部材の中間
部複数個所位置に、軸方向に互いに離隔して固定された
複数の駆動ピストンと、互いに独立して設けられ、これ
ら各駆動ピストンを油密に嵌装した固定の油圧シリンダ
とから成る。
【0026】
【作用】上述の様に構成される本発明のトロイダル型無
段変速機は、アクチュエータの容量を大きくすべく、こ
のアクチュエータを構成する駆動ピストン及び油圧シリ
ンダの断面積を十分に確保した場合でも、この油圧シリ
ンダの直径方向に亙る寸法を、部分的(請求項1の場
合)又は全体的(請求項2の場合)に小さくできる。こ
の結果、トロイダル型無段変速機の外形寸法を小さくし
て、このトロイダル型無段変速機の小型化を図れる。
【0027】
【実施例】図1〜3は、請求項1に対応する、本発明の
第一実施例を示している。尚、本発明の特徴は、トロイ
ダル型無段変速機の小型化を図るべく、トラニオン6を
枢軸5、5の軸方向(図1の上下方向)に変位させる為
のアクチュエータを構成する油圧シリンダの内周面及び
駆動ピストンの外周面の断面形状を工夫した点にある。
その他の部分の構成及び作用は、前述した従来構造と同
様である為、重複する説明を省略若しくは簡略にし、以
下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0028】上記トラニオン6を支承する為、トロイダ
ル型無段変速機を納めるハウジング39(本発明の具体
的構造を示す図4〜6参照。図1〜3には省略。)内に
固定されたフレーム40内に、油圧シリンダ38aを設
けている。このフレーム40は、アルミニウム合金製板
材、ダイキャスト成形材等、それぞれが十分な剛性を有
する複数枚(図示の例では3枚)の固定板41a、41
b、41cを重ね合わせて成る。このうち、上記トラニ
オン6に対向する固定板41aと中間の固定板41bと
により、上記油圧シリンダ38aを構成している。この
油圧シリンダ38aの内周面42の断面形状は、次述す
る駆動ピストン37aの外周面の断面形状と同じにして
いる。又、上記各固定板41a、41b、41cの一部
にはそれぞれ円孔43、43を形成している。尚、これ
ら各円孔43、43の中心軸は、上記油圧シリンダ38
aの中心軸と一致させている。
【0029】上記油圧シリンダ38aには駆動ピストン
37aを、軸方向(図1の上下方向)に亙る変位自在に
嵌装している。この駆動ピストン37aの外周面の断面
形状は、図2(A)に示す様な長円形、又は同図(B)
に示す様な楕円形としている。又、この駆動ピストン3
7aの外周面に装着したシールリング44の外周縁を上
記油圧シリンダ38aの内周面42に摺接させて、上記
油圧シリンダ38aの内側を、互いに油密に隔てられた
1対の室45a、45bに仕切っている。上記トラニオ
ン6を枢軸5、5の軸方向に亙って変位させる場合に
は、図示しない給排路を通じて、これら各室45a、4
5bに圧油を給排する。
【0030】上記駆動ピストン37aの中心部には円管
部46を固設しており、この円管部46を、上記円孔4
3、43内に挿入している。そして、上記円管部46の
外周面に係止したシールリング47、47により、この
円管部46の外周面とこれら各円孔43、43の内周面
との間の油密保持を図っている。又、上記円管部46の
内側には、上記駆動ピストン37aと枢軸5とを結合す
るロッド部材であるボルト48を、この円管部46に対
する回転を自在として挿通している。そしてこのボルト
48の先端部を、上記トラニオン6の一端(図1の下
端)の枢軸5の中心部に形成したねじ孔49に螺合して
いる。
【0031】又、上記円管部46の一端面(図1の上端
面)と上記枢軸5との間には、この枢軸5の側から順
に、ロックナットを兼ねたスリーブ50とスラスト転が
り軸受51aとを設けている。一方、上記円管部46の
他端面(図1の下端面)と上記ボルト48の頭部52と
の間にはスラスト転がり軸受51bを設けている。従っ
て、上記ボルト48及びこのボルト48の端部が結合さ
れた枢軸5及びトラニオン6は、上記駆動ピストン37
aに対して回転自在である。
【0032】この様に枢軸5及びトラニオン6を駆動ピ
ストン37aに対して回転自在にする理由は、次の通り
である。トロイダル型無段変速機による変速比を変える
際に上記トラニオン6は、枢軸5、5を中心として揺動
する。上記駆動ピストン37aの外周面及び上記油圧シ
リンダ38aの内周面42は長円形又は楕円形である
為、上記駆動ピストン37aは回転不能である。そこ
で、上述の様に枢軸5及びトラニオン6を駆動ピストン
37aに対し回転自在にする事で、変速操作を可能にし
ている。尚、上記各スラスト転がり軸受51a、51b
としては、図3に詳示する様なスラストころ軸受を使用
する。
【0033】上述の様に構成される本発明のトロイダル
型無段変速機は、トラニオン6に加わる大きなスラスト
荷重を支承すべく、アクチュエータの容量を大きくする
為、このアクチュエータを構成する駆動ピストン37a
及び油圧シリンダ38aの断面積を十分に確保した場合
でも、この油圧シリンダ38aの直径方向に亙る寸法
を、部分的に小さくできる。この結果、トロイダル型無
段変速機の外形寸法を小さくして、このトロイダル型無
段変速機の小型化を図れる。
【0034】例えば、図4〜5は、大きなトルクを伝達
すべく、入力側ディスク2、2と出力側ディスク4、4
とを2組設けた、所謂ダブルキャビティ型のトロイダル
型無段変速機に、本発明を実施した状態を示している。
この様なダブルキャビティ型のトロイダル型無段変速機
では、押圧装置9を介して回転駆動される1本の入力軸
54の両端部に1対の入力側ディスク2、2を、この入
力軸54と共に回転する様に係止している。又、上記入
力軸54の中間部周囲には1対の出力側ディスク4、4
を、この入力軸54に対する回転自在に支持している。
トロイダル型無段変速機の運転時には、上記1対の出力
側ディスク2、2から上記1対の出力側ディスク4、4
に、それぞれ2個ずつのパワーローラ8、8を介して動
力を伝達する。そして、これら各出力側ディスク4、4
に伝達された動力を、スリーブ55と出力歯車56とを
通じて取り出す。
【0035】上述の様なダブルキャビティ型のトロイダ
ル型無段変速機には、トラニオン6、6の数に合わせて
複数の油圧シリンダ38a、38aを、トロイダル型無
段変速機の本体部分の下側に、2列2行に配置する。こ
れは、断面積が嵩む油圧シリンダ38a、38aが上方
或は側方に突出する事を防止し、フロアトンネル内等の
限られた空間に設置可能にする為である。隣り合う油圧
シリンダ38a、38a同士の間隔(ピッチ)は、トロ
イダル型無段変速機の幅方向(図4の左右方向、図5の
表裏方向)に亙っては狭く、長さ方向(図4の表裏方
向、図5の左右方向)に亙っては広くなる。そこで、周
面の断面形状が長円形又は楕円形である駆動ピストン3
7a、37aと油圧シリンダ38a、38aとから成る
アクチュエータを、長円形又は楕円形の長径方向と上記
長さ方向とを一致させて配置すれば、トロイダル型無段
変速機の外形寸法を大きくする事なく、上記アクチュエ
ータの容量を十分に大きくできる。そして、アクチュエ
ータの容量を大きくした分、高圧室と低圧室との圧力差
(前記(2)式の「PH −PL 」を小さくできる。この
結果、トロイダル型無段変速機を駆動する為の油圧ポン
プを小さくして、油圧ポンプによる動力損失を小さくで
きる。言い換えれば、トロイダル型無段変速機の効率向
上を図れる。
【0036】又、図6は、やはり大きなトルクを伝達す
べく、入力側ディスクと出力側ディスクとの間に3個の
パワーローラ8、8を設けたトロイダル型無段変速機を
示している。この様なトロイダル型無段変速機の場合に
は、図6からも明らかな通り、3個のトラニオン6、6
を変位させる為のアクチュエータを構成する油圧シリン
ダ38a、38aが、外周寄り部分に配置される。そこ
で、これら各油圧シリンダ38a、38aを、長円形又
は楕円形の長径方向とトロイダル型無段変速機の軸方向
(図6の表裏方向)とを一致させて配置すれば、トロイ
ダル型無段変速機の外形寸法を大きくする事なく、上記
アクチュエータの容量を十分に大きくできる。
【0037】次に、図7は、請求項2に対応する、本発
明の第二実施例を示している。本実施例の場合には、ト
ラニオン6の枢軸5にその一端を結合したロッド部材で
あるボルト48の中間部2個所位置に、駆動ピストン3
7b、37bを、軸方向に互いに離隔させた状態で固定
している。そして、3枚の固定板41a、41b、41
cの内側に互いに独立した状態で設けられた油圧シリン
ダ38b、38bに、これら各駆動ピストン37b、3
7bを油密に嵌装している。これら各駆動ピストン37
b、37bの外周面及び油圧シリンダ38b、38bの
内周面42、42の断面形状は円形である。
【0038】そして、上記各駆動ピストン37b、37
bにより上記各油圧シリンダ38b、38bの内側を油
密に仕切る事で構成した2対の室45a、45bに、図
示しない給排路を通じて圧油を給排自在としている。本
実施例の場合には、上記各駆動ピストン37b、37b
は上記各油圧シリンダ38b、38bの内側で回転でき
る為、前述の第一実施例の様なスラスト転がり軸受51
a、51b(図1、3)は設けない。
【0039】上述の様に構成されるトロイダル型無段変
速機は、トラニオン6に加わる大きな荷重を支承する為
にアクチュエータの容量を大きくすべく、このアクチュ
エータを構成する駆動ピストン37b、37b及び油圧
シリンダ38b、38bの断面積の合計を十分に確保し
た場合でも、これら各油圧シリンダ38b、38bの直
径方向に亙る寸法を全体的に小さくできる。この結果、
例えば前記図4〜6に示した様なトロイダル型無段変速
機に組み込んだ場合に、このトロイダル型無段変速機の
外形寸法を小さくして、このトロイダル型無段変速機の
小型化を図れる等、前述の第一実施例と同様の作用効果
を奏する事ができる。
【0040】
【発明の効果】本発明のトロイダル型無段変速機は、以
上に述べた通り構成され作用する為、外形寸法を小さく
して、限られた空間への設置を可能にできて、トロイダ
ル型無段変速機を自動車用変速機として実用化するのに
寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を、要部のみを取り出した
状態で示す断面図。
【図2】ピストンの形状の2例を示す、図1のA−A視
図。
【図3】図1のB部拡大図。
【図4】本発明を組み込んだ具体的構造の第1例を示す
部分断面図。
【図5】図4のC−C断面図。
【図6】本発明を組み込んだ具体的構造の第2例を示す
部分断面図。
【図7】本発明の第二実施例を、要部のみを取り出した
状態で示す断面図。
【図8】従来から知られたトロイダル型無段変速機の基
本的構成を、最大減速時の状態で示す側面図。
【図9】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図10】従来から知られている具体的構造の1例を示
す断面図。
【図11】図10のD−D断面図。
【符号の説明】
1 入力軸 2 入力側ディスク 2a 内側面 3 出力軸 4 出力側ディスク 4a 内側面 5 枢軸 6 トラニオン 7 変位軸 8 パワーローラ 8a 周面 9 押圧装置 10 カム板 11 保持器 12 ローラ 13、14 カム面 15 入力軸 16 ニードル軸受 17 鍔部 18 出力歯車 19 キー 20 支持板 21 支持軸部 22 枢支軸部 23 円孔 24、25 ラジアルニードル軸受 26 スラスト玉軸受 27 スラストニードル軸受 28 保持器 29 玉 30 外輪 31 レース 32 保持器 33 ニードル 36 駆動ロッド 37、37a、37b 駆動ピストン 38、38a、38b 油圧シリンダ 39 ハウジング 40 フレーム 41a、41b、41c 固定板 42 内周面 43 円孔 44 シールリング 45a、45b 室 46 円管部 47 シールリング 48 ボルト 49 ねじ孔 50 スリーブ 51a、51b スラスト転がり軸受 52 頭部 54 入力軸 55 スリーブ 56 出力歯車

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側面を回転円弧状の凹曲面とした入力
    側ディスクと、この入力側ディスクの内側面と対向する
    内側面を回転円弧状の凹曲面とした出力側ディスクと、
    それぞれの周面を球状凸面とし、この周面と上記入力
    側、出力側両ディスクの内側面とを当接させた状態でこ
    れら入力側、出力側両ディスク同士の間に設けられた複
    数のパワーローラと、それぞれの先半部にこれら各パワ
    ーローラを回転自在に支持する、上記パワーローラと同
    数の変位軸と、これら各変位軸の基半部を支持する、上
    記パワーローラと同数のトラニオンと、これら各トラニ
    オンの両端部に設けられ、それぞれの軸心を上記入力
    側、出力側両ディスクの中心軸に対して捩れの位置関係
    で配置した枢軸と、上記各トラニオンをこれら各枢軸の
    軸方向に亙って変位させるアクチュエータとを備えたト
    ロイダル型無段変速機に於いて、このアクチュエータ
    は、固定の油圧シリンダと、この油圧シリンダの内側に
    油密に嵌装された駆動ピストンと、この駆動ピストンと
    上記枢軸とを結合するロッド部材とを備え、上記油圧シ
    リンダの内周面及び上記駆動ピストンの外周面の断面形
    状を、長円形若しくは楕円形とした事を特徴とするトロ
    イダル型無段変速機。
  2. 【請求項2】 内側面を回転円弧状の凹曲面とした入力
    側ディスクと、この入力側ディスクの内側面と対向する
    内側面を回転円弧状の凹曲面とした出力側ディスクと、
    それぞれの周面を球状凸面とし、この周面と上記入力
    側、出力側両ディスクの内側面とを当接させた状態でこ
    れら入力側、出力側両ディスク同士の間に設けられた複
    数のパワーローラと、それぞれの先半部にこれら各パワ
    ーローラを回転自在に支持する、上記パワーローラと同
    数の変位軸と、これら各変位軸の基半部を支持する、上
    記パワーローラと同数のトラニオンと、これら各トラニ
    オンの両端部に設けられ、それぞれの軸心を上記入力
    側、出力側両ディスクの中心軸に対して捩れの位置関係
    で配置した枢軸と、上記各トラニオンをこれら各枢軸の
    軸方向に亙って変位させるアクチュエータとを備えたト
    ロイダル型無段変速機に於いて、このアクチュエータ
    は、上記枢軸にその一端を結合したロッド部材と、この
    ロッド部材の中間部複数個所位置に、軸方向に互いに離
    隔して固定された複数の駆動ピストンと、互いに独立し
    て設けられ、これら各駆動ピストンを油密に嵌装した固
    定の油圧シリンダとから成る事を特徴とするトロイダル
    型無段変速機。
JP28191294A 1994-11-16 1994-11-16 トロイダル型無段変速機 Pending JPH08145134A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0933559A3 (en) * 1998-01-29 1999-10-06 Nissan Motor Company, Limited Friction roller type continuously variable transmission
US6716135B2 (en) 2000-09-14 2004-04-06 Nsk Ltd. Toroidal-type continuously variable transmission
JP2011112059A (ja) * 2009-11-24 2011-06-09 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機

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