JPH08145031A - 分割ナットおよびその製造方法 - Google Patents

分割ナットおよびその製造方法

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JPH08145031A
JPH08145031A JP28222194A JP28222194A JPH08145031A JP H08145031 A JPH08145031 A JP H08145031A JP 28222194 A JP28222194 A JP 28222194A JP 28222194 A JP28222194 A JP 28222194A JP H08145031 A JPH08145031 A JP H08145031A
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JP
Japan
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split nut
split
engaging
bolt
pieces
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JP28222194A
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English (en)
Inventor
Shinichi Omori
真一 大森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HIRATA KOGYO KK
I S K KK
Original Assignee
HIRATA KOGYO KK
I S K KK
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Publication date
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Publication of JPH08145031A publication Critical patent/JPH08145031A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工に手間を要することなしに、容易に、か
つ、高精度で製造することができるとともに、ボルトへ
の装着および取外し作業を迅速に行うことができる分割
ナットを提供する。 【構成】 連結部13によって連結される複数の分割片
12a,12bの内周部に内ねじ14が形成され、一方
の分割片12bには係合爪16が形成されるとともに、
他方の分割片12aには、前記係合爪16が係合する係
合凹所17が形成される。各分割片12a,12bを相
互に近接する方向に押圧することによって、係合爪16
が案内面26に案内されて係合凹所17内に嵌まり込
み、ボルト18からの抜落ちが防止される。また、ボル
ト18から分割ナット11を取外す場合には、係合爪1
6を係合凹所17から離反する方向に変位させることに
よって、各分割片12a,12bが離反し、この状態で
分割ナット11をボルト18から抜取ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長いボルトの軸線方向
の途中位置に装着するために周方向の少なくとも一部で
分断された分割ナットおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図13は、典型的な先行技術の分割ナッ
ト1を示す斜視図であり、この先行技術はたとえば実開
平2−117416号公報に示されている。この先行技
術では、2つの分割片2a,2bの各一端部をヒンジピ
ン3によって相互に角変位自在に連結し、各分割片2
a,2bの他端部には、ピン孔4a,4bをそれぞれ形
成して、各分割片2a,2bが略C字状に連結された分
割ナット1が形成される。各分割片2a,2bの内周部
には、内ねじ6a,6bが各ねじ山が連続するようにし
て刻設される。この分割ナット1を、螺着されるべき長
いボルトの途中位置に装着した後、各分割片2a,2b
を、各ピン孔4a,4bが1つの軸線上に重なるように
相互に近接する方向に角変位させて閉じた状態とし、1
つの軸線上で連通する各ピン孔4a,4bにロックピン
5を挿通して、各分割片2a,2bを環状に連結し、前
記ボルトに噛合させることができるように構成されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような先行技術で
は、分割ナット1は、各分割片2a,2b、ヒンジピン
3およびロックピン5によって構成されており、これら
の分割片2a,2b、ヒンジピン3およびロックピン5
はそれぞれ異なる形状を有し、個別に製造しなければな
らない。また、各分割片2a,2bをヒンジピン3によ
って連結しなければならず、各分割片2a,2b、ヒン
ジピン3を製造した後に、組立て作業を伴う。しかも、
分割ナット1をボルトに装着して、ロックピン5を各ピ
ン孔4a,4bに挿入した状態で、分割ナット1を円滑
に回転させて締付け、あるいは緩めることができるよう
にしなければならず、そのため、各分割片2a,2bへ
のヒンジピン3の挿入位置および各ピン孔4a,4bの
形成位置などを正確に位置決めしなければならず、加工
に手間を要する。さらに、分割ナット1をボルトに装着
するためには、ロックピン5を各ピン孔4a,4bから
一旦抜取り、各分割片2a,2bをボルトに装着して再
び前記ロックピン5を各ピン孔4a,4bに挿入しなけ
ればならず、装着作業に手間を要する。特に、多数の分
割ナット1をボルトに装着し、あるいは取外さなければ
ならない場合には、前記ロックピン5の各ピン孔4a,
4bの挿入または抜取り作業を、全ての分割ナット1に
対してそれぞれ行わなければならず、分割ナット1のボ
ルトへの装着および取外し作業に長い時間と労力とを要
してしまう。
【0004】したがって本発明の目的は、分割ナットを
構成する部品点数を少なくして、加工に手間を要するこ
となしに容易にかつ高精度で製造することができるとと
もに、ボルトへの装着および取外し作業を迅速に行うこ
とができる分割ナットおよびその製造方法を提供するこ
とである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の分割片
が連結部によって略C字状に連結され、内周部には内ね
じが形成される分割ナットにおいて、前記複数の分割片
のうち周方向一端部に配置される分割片には、係合爪が
形成され、かつ、前記複数の分割片のうち周方向他端部
に配置される分割片には、前記係合爪が係合する係合凹
所が形成されることを特徴とする分割ナットである。ま
た、本発明の前記連結部は、ばね鋼から成るばねによっ
て構成されることを特徴とする。さらに本発明は、断面
形状が多角形の熱可塑性樹脂から成る棒状体を、その軸
線方向に予め定める一定の間隔で軸直角方向に切断し
て、複数の細片を形成し、各細片に、その中心軸線上で
厚み方向に挿通するねじ孔を形成し、前記ねじ孔が形成
された各細片に、前記ねじ孔から外周面にわたって切断
して、係合爪と、この係合爪が係合する係合凹所とを形
成し、前記係合爪および係合凹所が形成された各細片
に、前記ねじ孔から外周部付近まで延びる切欠きを形成
することを特徴とする分割ナットの製造方法である。
【0006】
【作用】本発明に従えば、分割ナットは、連結部によっ
て相互に角変位自在に連結される複数の分割片を有し、
各分割片は熱可塑性樹脂から成る。各分割片は、前記連
結部によって連結された状態で略C字状に形成され、そ
の内周部には、分割ナットが装着されるべきボルトに螺
合することができる内ねじが刻設される。このように、
略C字状に連結された複数の分割片のうち、周方向一端
部に配置される分割片には係合爪が形成される。また、
前記略C字状に連結された複数の分割片のうち周方向他
端部に配置される分割片には、前記係合爪が係合する係
合凹所が形成される。
【0007】したがって、分割ナットを前記ボルトに装
着した状態で、前記周方向両端部に配置される各分割片
を相互に近接する方向に締付けることによって、前記係
合爪が係合凹所に嵌まり込んで係止され、このようにし
て、分割ナットをボルトに抜け止めされた状態で取付け
ることができる。また、分割ナットをボルトから離脱す
るにあたっては、前記係合爪を係合凹所から離脱させる
ことによって、前記周方向両端部の各分割片の係止状態
が解除されて、各分割片間の開口部を介して、分割ナッ
トをボルトから抜取ることができる。
【0008】このような分割ナットにおいて、各分割片
は熱可塑性樹脂から成るので、前記係合爪および係合凹
所ならびに連結部を一体的に形成することができ、した
がって前記先行技術に関連して述べたように、複数の部
材を個別的に製造する必要がなくなり、また複数の部材
を組立てる作業をなくすことができる。
【0009】係合爪を係合凹所に係合するには、周方向
両端部に配置される各分割片を相互に近接する方向に押
圧すればよいので、分割ナットのボルトへの取付け作業
が容易である。また、ボルトに装着された分割ナットを
取外す際には、係合爪を係合凹所から離脱させればよい
ので、分割ナットの取外し作業が容易である。
【0010】このように、分割ナットのボルトへの装着
および取外し作業を容易に行うことができるので、前記
先行技術のように、ロックピンをピン孔へ差込み、また
は抜取るという作業を行う必要がなく、分割ナットのボ
ルトの取付け作業および取外し作業の効率が向上され
る。
【0011】さらに、上述したように、複数の分割片は
熱可塑性樹脂から成るので、加工に手間を要せず、容易
にかつ高精度で製造することができる。
【0012】また本発明に従えば、前記連結部は、ばね
鋼から成るばね、たとえば板ばねまたは捩りばねなどに
よって構成される。このようなばねによって、各分割片
を相互に近接する方向または離反する方向にばね付勢す
ることができる。各分割片を相互に近接する方向にばね
付勢するように構成した場合には、その分割ナットをボ
ルトに装着した状態で落下しないように手で保持してお
く必要がなく、したがって作業者の手が前記分割ナット
を保持しておくために拘束されず、装着時の作業性を向
上することができる。また、前記ばねによって各分割片
を相互に離反する方向にばね付勢するように構成した場
合には、その分割ナットをボルトから取外す際に、各分
割片を相互に離反する方向に大きな力で開く必要がなく
なり、分割ナットのボルトからの取外し作業を容易に行
うことができる。さらに、前記ばねを周方向両端部に配
置される各分割片間の隙間が、ボルトの外径よりも僅か
に小さくなる位置で安定するばねを用いることによっ
て、分割ナットをボルトに装着した状態では、その分割
ナットのボルトからの抜落ちを防ぐことができ、かつ、
分割ナットをボルトから取外す際には、前記周方向両端
部に配置される各分割片間の隙間を介して容易に抜取る
ことができる。
【0013】さらに、連結部を前記ばねによって構成す
ることによって、各分割片を大きな強度で連結すること
ができる。これによって、分割ナットのボルトへの取付
けおよび取外し作業を多くの回数にわたって行っても、
連結部に亀裂が生じたり、伸びが生じることを防ぐこと
ができ、これによって分割ナットの耐久性を格段に向上
することができる。
【0014】さらに本発明に従えば、断面形状が多角形
の熱可塑性樹脂から成る棒状体をその軸線方向に一定の
間隔で切断して複数の細片を形成し、この細片の中心に
ねじ孔を形成した後、係合爪と係合凹所とを形成すると
ともに、これらの係合爪および係合凹所とは異なる位置
で、切欠きを形成して分割ナットが製造される。
【0015】したがって分割ナットを構成する形状の異
なる複数の部材を個別に製造する必要がなくなり、かつ
前記形状の異なる複数の部材を組立てる必要がなくな
り、分割ナットの製造工程を格段に簡略化して、生産性
を向上することができる。
【0016】また、各細片には、ねじ孔から外周面にわ
たって切断することによって、係合爪と係合凹所とが形
成される。したがって、これらの係合爪と係合凹所とを
個別に形成する必要がなく、同時に、しかも係合爪と係
合凹所とが相互にぴったりと係合するように対応づけて
正確に形成することができる。これによって、加工の手
間が格段に簡略化され、生産性が向上される。
【0017】
【実施例】図1は本発明の一実施例の分割ナット11を
示す斜視図であり、図2は分割ナット11の平面図であ
る。本実施例の分割ナット11は、複数(本実施例では
2)の分割片12a,12bが、連結部13によって略
C字状に連結されて構成される。各分割片12a,12
bは、前記連結部13に関して相互に矢符A1,A2方
向に角変位自在であって、内周部には内ねじ14を構成
する内ねじ部分15a,15bがそれぞれ刻設される。
各内ねじ部分15a,15bは、各分割片12a,12
bを連結した状態で、ねじ山が螺旋状に連続するように
形成される。
【0018】前記複数の分割片12a,12bのうち、
周方向一端部に配置される一方の分割片12bには、係
合爪16が形成され、かつ、前記複数の分割片12a,
12bのうち、周方向他端部に配置される分割片12a
には、前記係合爪16が係合する係合凹所17が形成さ
れる。
【0019】このような分割ナット11は、軸線方向に
長いボルト18の途中位置に装着して、各分割片12
a,12bを相互に近接する方向A2に押圧することに
よって、係合凹所17に係合爪16が嵌まり込み、ボル
ト18の外周面に刻設される外ねじ19に、前記内ねじ
14を螺合させることができる。
【0020】本実施例の分割ナット11の断面形状は、
正六角形であって、外周面20を構成する6つの平坦状
の側面21a〜21fが相互に成す内角θは、120度
である。各側面21a〜21fが周方向に隣接する他の
側面に交差する各稜線22a〜22fと中心軸線23と
は平行であり、前記一方の分割片12bに形成される係
合爪16は、中心軸線23と1つの稜線22fとを結ぶ
一半径線24を超えて他方の分割片12a側に突出して
形成される。したがって、この係合爪16が係合する前
記係合凹所17は、前記他方の分割片12aに形成され
る。
【0021】この分割片12aにはまた、各分割片12
a,12aが相互に近接する方向A2に押圧されたと
き、係合爪16を係合凹所17内に円滑に案内するため
に、係合凹所17よりも前記一方の分割片12b側に突
出する突部25には、半径方向外方に向かうにつれて係
合凹所17寄りに弯曲する外方に凸の案内面26が形成
される。このような案内面26によって、各分割片12
a,12bが相互に近接する方向A2に押圧されたと
き、係合爪16は案内面26によって半径方向外方に案
内されて半径方向外方に変形し、その先端部27が係合
凹所17に臨んだとき、係合爪16はその弾性回復力に
よって半径方向内方に復帰する。このようにして、係合
爪16を係合凹所17内に案内して係合させることがで
きる。
【0022】また本実施例では、前記連結部13は、各
分割片12a,12bと同一材料によって一体的に形成
される。この材料としては、たとえばアクリル−ニトリ
ル−ブタジエン−スチレン樹脂(略称ABS樹脂)、ポ
リアミド樹脂(商品名ナイロン)、ポリアセタール樹
脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ
フェニレンオキサイド樹脂、およびポリエステル樹脂
(略称FRB)などの熱可塑性樹脂を用いることができ
る。特に、ポリアミド樹脂は染色できるため、分割ナッ
ト11の用途や大きさおよび取付け位置などに応じて色
分けすることが可能である。また、残余の樹脂、すなわ
ちABS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネイト
樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンオキサイド
樹脂およびポリエステル樹脂もまた、全外表面または外
周面20に塗料を塗布して、色分けすることが可能であ
る。
【0023】このように、分割ナット11を色分けする
ことによって、たとえば装着されるべきボルト18の呼
び径などに応じて、色によって大きさの異なる分割ナッ
ト11を容易に識別することができる。
【0024】図3は、図1および図2に示される分割ナ
ット11の使用状態を示す断面図である。たとえば、建
物のコンクリート製のスラブの下面から下方に垂下する
軸線方向に長い吊りボルトなどと呼ばれるボルト18に
は、天井板30を支持するために、2つの分割ナット1
1によってブラケット31が所定の高さに固定される。
このブラケット31は、前記2つの分割ナット11によ
って挟持されボルト18が挿通するフランジ部32と、
フランジ部32の一側部からほぼ直角に屈曲して立下が
る立下がり部33と、立下がり部33の下端部から前記
フランジ部32とは反対側にほぼ直角に屈曲して水平に
延びる水平部34と、水平部34の遊端部から上方にほ
ぼ直角に屈曲して立上がる立上がり部35とを有する。
【0025】このブラケット31は、たとえばアルミニ
ウム合金から成る形材である。このようなブラケット3
1は、ハンガーとも呼ばれ、野縁受け36を支持する。
野縁受け36には、その長手方向に直交して複数の野縁
37が、図3の紙面に垂直方向に間隔をあけて固定され
る。野縁受け36および野縁37は、軸直角断面がC字
状の溝形鋼によって実現される。野縁37には、前記天
井板30がタッピングねじなどを用いて固定される。こ
の天井板30は、たとえば石膏ボードなどの仕上げ材に
よって実現される。
【0026】このように、天井板30を取付けるための
構成に関連して、前記分割ナット11を長いボルト18
の途中位置の前記フランジ部の両側に、前記分割片12
a,12b間の隙間38(図1参照)を介して側方から
容易に装着することができる。したがって、ボルト18
の下端部から従来のナットを装着して回転させながら締
め込む場合に比べて、格段に取付け作業が容易であり、
作業時間を短縮することができる。しかも、各分割ナッ
ト11をボルト18に装着した状態で、各分割片12
a,12bを相互に近接する方向A2に押圧することに
よって、係合爪16が係合凹所17内に嵌まり込み、容
易に抜け止めすることができる。
【0027】このようにして、各分割ナット11がボル
ト18に装着された状態で、前記複数の側面21a〜2
1fのうち、相互に平行な一対の側面、たとえば側面2
1a,21dにスパナなどの締付け工具を掛合して締付
け、これによって天井板30が水平となるように、ブラ
ケット31を野縁受け36および野縁37とともに、正
確に上下方向に位置決めして固定することが可能とな
る。
【0028】図4は分割ナット11の製造手順を説明す
るためのフローチャートであり、図5は分割ナット11
の製造手順を示す簡略化した図である。
【0029】ステップn1で分割ナット11の製造作業
が開始され、図5(1)に示されるように、断面形状が
正六角形の中実の棒状体38が準備される。この棒状体
38の軸線方向長さLは、一例として述べると、20〜
100cmであり、好ましくは30cmに選ばれる。棒
状体38の軸線方向長さLが30cm程度であれば、運
搬や箱積め作業が容易であり、誤って切損してしまうこ
とも少なく、取扱いが便利である。
【0030】このような棒状体38は、図6に示される
ような、押出成型装置39によって製造することができ
る。この押出成型装置39は、本体40と、本体40の
上部に設けられるシリンダ41と、シリンダ41の先端
部に装着されるダイ42と、前記シリンダ41の基端部
に設けられ、前述した熱可塑性樹脂の粉粒体が収容され
るホッパ43とを有する。
【0031】シリンダ41内には、ホッパ43から供給
された原料をダイ42に向けて搬送するためのスクリュ
ー44が設けられ、その周囲には、ホッパ43から供給
された材料を加熱溶融するための複数のヒーター45が
設けられる。このようなヒーター45によって流動状に
加熱された材料は、前記ダイ42の断面が正六角形のノ
ズル孔から押出され、常温で徐々に冷却されるにつれて
硬化し、図5(1)に示されるような棒状体38が形成
される。
【0032】次に、ステップn2において、上述の棒状
体38が軸線方向に一定の間隔ΔL、たとえばΔL=
1.0cmで裁断機によって連続的に裁断され、図5
(2)に示されるように、複数の細片47が形成され
る。その後、ステップn3で、各細片47の中心にドリ
ルなど穿孔装置によって図5(3)に示されるように、
挿通孔48を形成し、この挿通孔48内にタップ(図示
せず)を挿入して前記内ねじ14が刻設され、ねじ孔4
9が形成される。
【0033】その後、ステップn4で、ねじ孔49から
外周面20にわたって糸のこなどによって切断し、前記
係合爪16および係合凹所17が同時に形成されるとと
もに、案内面26が形成される。次に、ステップn5
で、図5(5)に示されるように、たとえば打抜き加工
によって切欠き50が前記ねじ孔49から外周部付近で
ある稜線22c付近にわたって形成される。このような
切欠き50を形成することによって薄肉部52が形成さ
れ、各分割片12a,12bを相互に近接する方向A2
および離反する方向A1に、容易に開閉動作することが
できる。
【0034】以上のようにして、組立て作業を伴わずに
切削加工だけで分割ナット11を形成することができる
ので、加工の手間が少なくて済み、生産性を向上するこ
とができる。また、分割ナット11は、熱可塑性樹脂か
ら成るので、軽量であり、運搬が容易である。
【0035】図7は、本発明の他の実施例の分割ナット
11aを示す平面図である。なお、前述の実施例と対応
する部分には、同一の参照符を付す。本実施例の分割ナ
ット11aは、2つの分割片12a,12bから成り、
各分割片12a,12bは、軸線23に関して面対称に
形成される。各分割片12a,12bは、前記係合爪1
6、係合凹所17、案内面26ならびに切欠き50がそ
れぞれ形成される。このような構成とすることによっ
て、各分割片12a,12bの双方を共通な断面形状と
することができ、これによって部品点数が1つで済み、
構成が簡略化される。各分割片12a,12bの各係合
爪16は、その相手となる係合凹所17にそれぞれ嵌ま
り込んで係合する。この場合、係合爪16の係合凹所1
7に嵌まり込む力が弱い場合には、前記切欠き50を形
成しなくてもよい。
【0036】さらに本発明の他の実施例として、図8に
示されるように、2つの切欠き51a,51bが形成さ
れた3つの分割片12a,12b,12cによって構成
される分割ナット11bを用いるようにしてもよい。な
お、前述の実施例と対応する部分には同一の参照符を付
す。このように、2つの切欠き51a,51bを形成す
ることによって、中央の分割片12cに関して両側の各
分割片12a,12bを矢符A1方向に容易に開き、か
つ矢符A2方向に容易に閉じることができ、開閉するた
めの力が少なくて済む。
【0037】図9は本発明のさらに他の実施例の分割ナ
ット11cを示す斜視図であり、図10は図9に示され
る実施例の分割ナット11cの平面図である。なお、前
述の実施例と対応する部分には、同一の参照符を付す。
本実施例において、注目すべきは、前記連結部13は、
板ばね53によって実現される。この板ばね53は、ば
ね鋼から成る。板ばね53の長手方向両端部は、各分割
片12a,12bに埋設され、各分割片12a,12b
間において一部が外部に露出している。このような板ば
ね53は、各側面21c,21dに沿って平行に延び、
図11に示されるように、いわば「ヘ」字状に形成され
る。このような分割ナット11cは、金型内に予め板ば
ね53を設置しておき、その金型内に熱可塑性樹脂を流
し込んで成形する金型成型によって製造するようにして
もよい。また、各分割片12a,12bに板ばね53の
長手方向両端部が嵌まり込むことができる凹所をそれぞ
れ形成しておき、各凹所に予め接着剤を流し込んでお
き、その各凹所内に板ばね53の長手方向両端部を挿入
して固定するようにしてもよい。この板ばね53は、各
分割片12a,12bが矢符A1方向に離反する方向に
ばね力が発生するように設けたときには、係合爪16
と、係合凹所17との係合状態を解除したとき、各分割
片12a,12bが板ばね53のばね力によっていわば
自動的に開き、容易にボルト18から分割ナット11c
を取外すことができる。また、前記板ばね53を、各分
割片12a,12bが矢符A2方向に相互に近接する方
向にばね力を生じるように設けたときには、分割片11
cにボルト18を装着した状態で、僅かな力で各分割片
12a,12bを近接方向A2に押圧することによっ
て、係合爪16を係合凹所17に嵌め込むことができ、
取付け作業が容易である。さらに、板ばね53を、各分
割片12a,12b間の隙間がボルト18の外径よりも
僅かに小さくなる位置で安定するばねを用いる場合に
は、分割ナット11cをボルト18に装着し、または取
外す際に、わずかな力で各分割片12a,12bを矢符
A1方向に離反させ、あるいは矢符A2方向に近接させ
ることができるので、分割ナット11cのボルト18へ
の着脱作業を容易に行うことができる。しかも、頻繁に
各分割片12a,12bを開閉操作しても、前記板ばね
53によって大きな強度で連結部が構成されるので、各
分割片12a,12bを頻繁に開閉させても、疲労によ
って亀裂や伸びが発生するおそれはなく、耐久性の高い
分割ナットを実現することができる。
【0038】本発明のさらに他の実施例として、前記板
ばね53に代えて図12に示されるように、1または複
数の捩りばね54を用いるようにしてもよい。この場合
もまた、前述の板ばね53を備える分割ナット11cと
同様な効果を達成することができる。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、略C字状
に連結された複数の分割片のうち、周方向一端部に配置
される分割片には係合爪が形成され、また前記略C字状
に連結された複数の分割片のうち周方向他端部に配置さ
れる分割片には、前記係合爪が係合する係合凹所が形成
される。したがって、分割ナットを前記ボルトに装着し
た状態で、前記周方向両端部に配置される各分割片を相
互に近接する方向に締付けることによって、前記係合爪
が係合凹所に嵌まり込んで係止され、このようにして、
分割ナットをボルトに容易に取付けることができる。ま
た、分割ナットをボルトから離脱するにあたっては、前
記係合爪を係合凹所から離脱させることによって、前記
周方向両端部の各分割片の係止状態が解除されて開口部
が形成され、この開口部を介して分割ナットをボルトか
ら容易に抜取ることができる。このように、分割ナット
のボルトへの装着および取外し作業を容易に行うことが
できるので、前記先行技術のように、ロックピンをピン
孔へ差込み、または抜取るという繁雑な作業を行う必要
がなく、分割ナットのボルトの取付け作業および取外し
作業の効率が向上される。
【0040】さらに各分割片は熱可塑性樹脂から成るの
で、前記係合爪および係合凹所ならびに連結部を含んで
前記複数の分割片を一体的に形成することができ、これ
によって前記先行技術に関連して述べたように、複数の
部材を個別的に製造する必要がなくなり、また複数の部
材を組立てる作業をなくすことができる。複数の分割片
は熱可塑性樹脂から成るので、加工に手間を要せず、容
易に、かつ高精度で製造することができる。
【0041】また本発明によれば、前記連結部がばね鋼
から成るばねによって構成される。このようなばねによ
って、各分割片を相互に近接する方向または離反する方
向にばね付勢することができる。これによって、分割ナ
ットのボルトへの取付けおよび取外し作業を多くの回数
にわたって行っても、連結部に亀裂が生じたり、伸びが
生じることを防ぐことができ、これによって分割ナット
の耐久性を格段に向上することができる。
【0042】さらに本発明によれば、断面形状が多角形
の熱可塑性樹脂から成る棒状体をその軸線方向に一定の
間隔で切断して複数の細片を形成し、この細片の中心に
ねじ孔を形成した後、係合爪と係合凹所とを形成すると
ともに、これらの係合爪および係合凹所とは異なる位置
で、切欠きを形成して分割ナットが製造される。したが
って、分割ナットを構成する形状の異なる複数の部材を
個別に製造する必要がなくなり、したがって前記形状の
異なる複数の部材を組立てる必要がなくなり、分割ナッ
トの製造工程を格段に簡略化して、生産性を向上するこ
とができる。また、各細片には、ねじ孔から外周面にわ
たって切断することによって係合爪と係合凹所とが形成
される。したがって、これらの係合爪と係合凹所とを個
別に形成する必要がなく、同時に、しかも係合爪と係合
凹所とが相互にぴったりと係合するように正確に形成す
ることができる。これによって、加工の手間が格段に簡
略化され、生産性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の分割ナット11を示す斜視
図である。
【図2】図1に示される実施例の分割ナット11の平面
図である。
【図3】図1および図2に示される分割ナット11の使
用状態を説明するための断面図である。
【図4】分割ナット11の製造手順を説明するためのフ
ローチャートである。
【図5】分割ナット11の製造手順を簡略化して示す図
である。
【図6】棒状体38を製造するための押出成型装置39
を部分的に切欠いて示す正面図である。
【図7】本発明の他の実施例の分割ナット11aを示す
平面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施例の分割ナット11b
を示す平面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例の分割ナット11c
を示す斜視図である。
【図10】図9に示される実施例の分割ナット11cの
平面図である。
【図11】図9および図10に示される実施例の分割ナ
ット11cに備えられる板ばね53の斜視図である。
【図12】本発明のさらに他の実施例の分割ナット11
dに用いられる捩りばね54を示す平面図である。
【図13】典型的な先行技術の分割ナット1を示す斜視
図である。
【符号の説明】
11,11a,11b,11c,11d 分割ナット 12a,12b 分割片 13 連結部 14 内ねじ 16 係合爪 17 係合凹所 18 ボルト 20 外周面 25 突部 26 案内面 38 棒状体 47 細片 49 ねじ孔 50;51a,51b 切欠き 53 板ばね 54 捩りばね

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の分割片が連結部によって略C字状
    に連結され、内周部には内ねじが形成される分割ナット
    において、 前記複数の分割片のうち周方向一端部に配置される分割
    片には、係合爪が形成され、かつ、前記複数の分割片の
    うち周方向他端部に配置される分割片には、前記係合爪
    が係合する係合凹所が形成されることを特徴とする分割
    ナット。
  2. 【請求項2】 前記連結部は、ばね鋼から成るばねによ
    って構成されることを特徴とする請求項1記載の分割ナ
    ット。
  3. 【請求項3】 断面形状が多角形の熱可塑性樹脂から成
    る棒状体を、その軸線方向に予め定める一定の間隔で軸
    直角方向に切断して、複数の細片を形成し、 各細片に、その中心軸線上で厚み方向に挿通するねじ孔
    を形成し、 前記ねじ孔が形成された各細片に、前記ねじ孔から外周
    面にわたって切断して、係合爪と、この係合爪が係合す
    る係合凹所とを形成し、 前記係合爪および係合凹所が形成された各細片に、前記
    ねじ孔から外周部付近まで延びる切欠きを形成すること
    を特徴とする分割ナットの製造方法。
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