JPH08144052A - Itoスパッタリングターゲット - Google Patents

Itoスパッタリングターゲット

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JPH08144052A
JPH08144052A JP28780194A JP28780194A JPH08144052A JP H08144052 A JPH08144052 A JP H08144052A JP 28780194 A JP28780194 A JP 28780194A JP 28780194 A JP28780194 A JP 28780194A JP H08144052 A JPH08144052 A JP H08144052A
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JP
Japan
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target
ito
sputtering
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indium
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JP28780194A
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Inventor
Toshiya Takahara
俊也 高原
Akio Kondo
昭夫 近藤
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 ターゲット部材間の間隙に金属インジウムを充填した多
分割ITOスパッタリングターゲット 【効果】この発明のターゲットは、これを用いたスパッ
タリング時に、薄膜中の欠陥発生の原因となるノジュー
ルの発生を効果的に抑制する事ができ、製造が容易であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スパッタリングにより
透明導電膜を作製する際に使用されるITOスパッタリ
ングターゲットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ITO(Indium TinOxid
e)薄膜は高導電性、高透過率といった特徴を有し、更
に微細加工も容易に行えることから、フラットパネルデ
ィスプレイ用表示電極、太陽電池用窓材、帯電防止膜等
の広範囲な分野に渡って用いられている。特に液晶表示
装置を始めとしたフラットパネルディスプレイ分野では
近年大型化および高精細化が進んでおり、その表示用電
極であるITO薄膜に対する需要もまた急速に高まって
いる。このようなITO薄膜の製造方法はスプレー熱分
解法、CVD法等の化学的成膜法と電子ビーム蒸着法、
スパッタリング法等の物理的成膜法に大別することがで
きる。中でもスパッタリング法は膜の大面積化が容易で
かつ高性能の膜が得られる成膜法であることから様々な
分野で使用されている。
【0003】スパッタリング法によりITO薄膜を製造
する場合、スパッタリングターゲットとしては金属イン
ジウムおよび金属錫からなる合金ターゲット(以降IT
ターゲットと略する)あるいは酸化インジウムと酸化錫
からなる複合酸化物ターゲット(以降ITOターゲット
と略する)が用いられる。このうち、ITOターゲット
を用いる方法は、ITターゲットを用いる方法と比較し
て得られた膜の抵抗値および透過率の経時変化が少なく
成膜条件のコントロールが容易であるため、ITO薄膜
製造法の主流となっている。
【0004】近年のフラットパネルディスプレイの大型
化に伴い、パネル作製に使用されるガラス基板のサイズ
も大型化している。そのため透明導電膜の作製の際に使
用されるITOターゲットも基板サイズに合わせてその
サイズの大型化が進行している。特に近年異物(パーテ
ィクル)発生が少ないことから脚光を浴びている静止対
向型スパッタリング装置用のITOターゲットでは、タ
ーゲットサイズを基板サイズより一回り大きくする必要
があるため、ITOターゲットの大型化に対する要求は
更に強くなってきている。
【0005】ITOターゲットは一般に酸化インジウム
粉末と酸化錫粉末からなる混合粉末あるいは酸化錫を酸
化インジウム中に所定量だけ固溶させたITO粉末等を
プレス法あるいはスリップキャスト法により成形し、こ
れを大気中または酸素雰囲気中で焼結することにより作
製される。しかし大型のITOターゲットを作製する場
合、成形および焼結に必要な生産設備が従来の物より大
型となるため新たな設備投資を必要とする上、粉末の成
形性はサイズの大型化と共に悪化するため歩留まりが極
端に低下し、結果としてターゲットの製造コストおよび
生産性が悪化する。
【0006】このため現在作製されている大型のITO
ターゲットは、バッキングプレート上で比較的小型のI
TOターゲット部材を半田により複数個接合した多分割
ターゲットにより構成されている。一般にこのような多
分割ターゲットでは隣り合う2つのターゲット部材間に
0.2〜1.0mm程度の間隙(クリアランス)が設けら
れている。これは、ターゲット接合時に加熱され溶融さ
れた半田層がその後室温に冷却される過程で生じる熱収
縮に伴ってターゲット部材同志が衝突し破損するのを防
ぐため設けられたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ITOターゲットを用
いてスパッタリングを連続して行った場合、積算スパッ
タリング時間の増加と共にターゲット表面にはノジュー
ルと呼ばれる黒色の付着物が析出する。インジウムの低
級酸化物と考えられているこの黒色の付着物はスパッタ
リング時の異常放電の原因となりやすく、また、それ自
身が薄膜表面の異物(パーティクル)の発生源となるこ
とが知られている。その結果、連続してスパッタリング
を行うと、形成された薄膜中に次第に異物欠陥が発生
し、これが、液晶表示装置等のフラットパネルディスプ
レイの製造歩留まり低下の原因となっていた。特に近年
フラットパネルディスプレイの分野では高精細化が進ん
でおり、このような薄膜中の異物欠陥は素子の動作不良
を引き起こすため、特に解決すべき重要な課題となって
いた。
【0008】このようなITOターゲット上に発生する
ノジュールを低減する方法の一つとしてITO焼結体を
高密度化する方法が知られており、最近ではスパッタリ
ングターゲットとして密度6.8g/cm3 以上のITO焼
結体が使用されるようになっている。
【0009】ところが前述したような大型の多分割ター
ゲットでは個々のターゲット部材の焼結密度が高密度化
された場合でも、一体型のターゲットと異なり各ターゲ
ット部材間の分割部にクリアランスが存在するので、そ
の分割部近傍で異常放電が起こり易く、結果的にノジュ
ールが多く発生し、パーティクル発生の少ない静止対向
型スパッタリング装置を用いても充分なパーティクル低
減効果が得られないという問題点があった。
【0010】このような分割部近傍での異常放電を低減
させる方法として、0.3〜2mmの間隔を持った多分割
ITOターゲットの各ターゲット部材間のクリアランス
に、ターゲット本体のインジウムと錫の原子比に等しい
インジウム−錫合金を注入する方法が提案されている
(特開平1−230768号公報)。この方法ではクリ
アランスにインジウム−錫合金が注入されているためタ
ーゲット表面上に段差が無く、その結果、異常放電の発
生が抑制されると共に作製されるITO薄膜の透過率お
よび抵抗値にも影響を与えないことが示されている。
【0011】しかし上記方法により各ターゲット部材間
のクリアランスにターゲット本体のインジウムと錫の原
子比に等しいインジウム−錫合金を注入するためには、
ターゲット本体中のインジウムと錫の原子比を測定し、
その結果を元に注入するインジウム−錫合金の組成をそ
の度毎に調整する必要があるため、ターゲットの生産性
向上に難点があった。更にITOターゲット中に含まれ
る錫の量は、その用途に応じて3〜20wt% の範囲に調
整する必要があるため、各錫原子量に対応したインジウ
ム−錫合金を作製しなければならずターゲット作製工程
が複雑化すると言う問題点があった。
【0012】本発明の課題は、フラットパネルディスプ
レイの透明電極等に用いられるITO薄膜のスパッタリ
ングにおいて、大型の多分割ITOターゲットを用いた
場合でも膜中欠陥の発生原因となるターゲット表面のノ
ジュールの析出が起こり難いITOスパッタリングター
ゲットを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記問題点
を解決すべく鋭意検討を行った結果、ターゲット部材間
の分割部にクリアランスを有する多分割ターゲットにお
いて、そのクリアランス部分に金属インジウムを充填す
ることにより、ターゲット本体中の錫原子量に関係無く
簡便に分割部近傍でのノジュール発生量を低減できるこ
とを見出し本発明を完成した。
【0014】即ち本発明は、複数のITOターゲット部
材をバッキングプレート上に接合して構成した多分割I
TOスパッタリングターゲットにおいて、ターゲット部
材間のクリアランスに金属インジウムを充填したことを
特徴とする多分割ITOスパッタリングターゲットに関
する。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明に関わるターゲット部材間の分割部
のクリアランスに金属インジウムを充填した多分割IT
Oスパッタリングターゲットは以下のような方法で製造
することができる。
【0017】まず、酸化インジウム粉末と酸化錫粉末と
の混合粉末あるいはITO粉末等を用いて作製した錫原
子の量が3〜20wt% の範囲にある原料粉末にバインダ
ー等を加え、プレス法あるいは鋳込法等の成形方法によ
り成形してITO成形体を作製し、これに必要に応じて
CIP等の圧密化処理および脱バインダー処理等を施
す。次いでこの成形体を大気中、純酸素雰囲気中等の酸
素ガス含有雰囲気中又は不活性ガス雰囲気中で常圧焼結
又は加圧焼結してITO焼結体とする。
【0018】次に、出来上がったITO焼結体を機械的
に研削加工して多分割ITOターゲットを構成する個々
のターゲット部材とする。この時研削加工は湿式加工で
行うことが望ましい。乾式加工により研削加工を行うと
加工時に焼結体表面に加工傷が生ずる場合があり、これ
を用いたスパッタリング時のノジュール発生量を増加さ
せる恐れがある。加工する各ターゲット部材の端面の
内、他のターゲット部材と隣り合う面の上部表面との角
度は図1(a)に示すように直角となるように加工して
も良く、図1(b)に示すように90°以上(90°+
θa°)の角度を付けた状態に加工しても良いが、90
°以上の角度を付けて加工する場合にはこれらターゲッ
ト部材を接合する際に、隣り合うもう一つのターゲット
部材の端面の角度を図1(c)に示すように逆の角度
(90°−θa°)となるように加工するとお互いに接
合状態が密になり好ましい。
【0019】また、各ターゲット部材のスパッタリング
面を構成する各辺の角には面取り処理を施すことが望ま
しい。具体的には各辺の角を3mm以下にR加工するか、
あるいは3mm以下に糸面取りを施す。これによりボンデ
ィング作業時に発生するターゲット部材端部の破損を防
ぐことができる。
【0020】各ターゲット部材の表面の内、接合後にス
パッタリング面を構成する面については、通常の研削加
工を実施した後、必要に応じて更に研磨加工を施し、ス
パッタリング面の表面粗さをRaが0.8μm 以下で且
つRmax が7μm 以下とすることがより好ましい。この
ような表面処理を施すことにより、スパッタリング面に
発生するノジュールを効果的に抑制することができる。
【0021】加工の終了したターゲット部材は、アルコ
ール等を用いて脱脂洗浄した後更に純水を用いて洗浄し
その後乾燥処理を施すことが望ましい。
【0022】次に上記の加工および洗浄を実施して得ら
れた各ターゲット部材の接合面および、同様の洗浄処理
を施した無酸素銅等からなるバッキングプレートの接合
面に、金属インジウム半田等の接合材料を塗布する。I
TO焼結体には直接半田が溶着しないので、予め各ター
ゲット部材の接合面には半田との濡れ性に優れた銅、ニ
ッケル等の薄膜層をスパッタリング法、メッキ法等によ
り形成した後、この焼結体を使用する半田の融点以上に
加熱して半田を塗布するか、あるいは超音波を用いてI
TO焼結体の接合面に直接半田を塗布する。一方バッキ
ングプレートの素材として半田との濡れ性の悪い材料を
用いた場合にも同様の処理を施すことで半田を塗布する
ことができる。また半田を塗布する前には、接合面以外
の部分を半田で汚染しないようにするため必要に応じて
ポリアミドテープ等を用いて半田の不要部分にマスキン
グ処理を施すことが好ましい。
【0023】次に、このように処理したターゲット部材
とバッキングプレートを接合する。接合の際には半田を
塗布したバッキングプレートを、使用された半田の融点
以上に加熱して表面の半田層を融解させた後、各ターゲ
ット部材を所定の場所へ配置して接合し、その後室温ま
で全体を冷却する。この時、各ターゲット部材間には、
半田層冷却時の熱収縮によるターゲット部材の破損を防
ぐために0.2〜0.8mmのクリアランスを設ける。こ
の時クリアランスを0.2mmより少ない間隔に設定しよ
うとすると、半田層冷却時に熱収縮により隣り合うター
ゲット部材が衝突して破損する恐れがあるので好ましく
ない。一方、半田層冷却後のクリアランスが0.8mmを
越えると、この部分に、後に述べるような方法で融着さ
れた金属インジウムの影響により、成膜時に分割部に向
き合う基板上に形成されるITO薄膜の抵抗値の変動が
その周囲と比べて大きくなり均質な薄膜が形成されない
ので好ましくない。
【0024】ターゲット部材の接合が完了した時のター
ゲットの分割部分の状態を図2に示す。図中1はバッキ
ングプレート、2は半田層、3はターゲット部材、4は
クリアランス部分を夫々示す。
【0025】次にこの分割部のクリアランス部分に金属
インジウムを充填するが、ここで用いる金属インジウム
としては、純度99.9% 以上の粉末またはクリアラン
ス部分の大きさに対応した金属板が用いられる。
【0026】ターゲット部材の分割部のクリアランス部
分に挿入された金属インジウム粉末または金属板は、イ
ンジウムの溶融点以上の温度(150〜160℃)に加
熱して溶融することによりクリアランス部分に緻密に充
填されるが、この際上記インジウムを溶融した融液が充
填部以外のターゲット外周部に流出するのを防ぐためポ
リアミドテープ等を用いて、ターゲット部材の外周部に
はあらかじめ封止処理をして溶融を行うことが望まし
い。前記した金属の加熱溶融は、例えば上記金属を充し
た部分上に超音波半田コテ等を接触させるなどして行う
ことができる。上記金属の溶融を減圧下で行うと、クリ
アランス部分における気泡の残存を防ぐことが出来るの
でより好ましい。
【0027】このようにしてターゲット部材の分割部の
クリアランス部分に金属インジウムを緻密に充填するこ
とができるが、一回の充填作業によりクリアランス部分
が充分に金属インジウムで充填されなかった場合は、再
度前記したのと同様の充填作業を追加し、クリアランス
部分に段差が生じなくなるまでこの作業を繰り返すこと
が好ましい。
【0028】充填が完了した時のターゲットの分割部の
状態を図3に示す。図中5は金属インジウムを充填した
部分を示す。金属を充填した後このターゲットを再びア
ルコール、純水を用いて洗浄し、乾燥してITOターゲ
ットとする。
【0029】本発明は複数個のターゲット部材を接合し
たものであるが、最終的なターゲット形状に応じて各個
のターゲット部材の形状を適宜決定し、これらを接合部
分が前記したクリアランスを持つように配置し、それら
のクリアランスに本発明で用いる金属を前記した方法で
充填して得ることができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例をもって更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】実施例1 酸化インジウム粉末と酸化錫粉末を重量比で9:1の割
合に混合した混合粉末をプレス用金型に入れ300 Kg/
cm2 の圧力で加圧して得た成形体を3ton/cm2 の圧力で
CIP処理してITO成形体を作製した。このようにし
て2個の成形体を得た。得られた成形体のCIP処理後
の密度はいずれも3.9g/cm3 であった。次にこのIT
O成形体を酸素雰囲気中1500℃で5時間常圧焼結し
て130mm×90mm、厚さ5.5mmのITO焼結体を得
た。得られた焼結体の密度はいずれも6.8g/cm3 であ
った。この焼結体をそれぞれ湿式加工により機械研削し
て127mm×89mm×5mmの焼結体に加工した。尚、各
ターゲット部材の端面は全て直角に加工した。また同時
に各焼結体のスパッタリング面を構成する各辺の角をR
=0.5mmにR加工した。その後各焼結体のスパッタリ
ング面を#320、#500、#800の研磨紙を用い
て以下の条件で順次湿式研磨した。
【0032】(研磨条件) 研磨材料:#320、#500、#800/SiC耐水
性研磨紙、研磨材回転数:300 rpm、焼結体回転数:
150 rpm、加重:66g/cm2 、研磨時間:5分/1段
階、研磨順序:#320→#500→#800 研磨後のスパッタリング面の表面粗さを日本工業規格
(JIS B0601)に従って測定したしたところR
a=0.5μm 、R max=5.1μm であった。研磨終
了後、これらの焼結体をエタノール中で10分間超音波
洗浄した後更に純水中で10分間超音波洗浄しその後自
然乾燥させた。乾燥終了後、これらの焼結体をスパッタ
リング装置内に入れ、DCスパッタリングにより各焼結
体の接合面に銅薄膜を約200nm積層した。その後これ
らの焼結体の接合面の周囲の側面にポリアミドテープに
よりマスキングを施してからボンディング面(127mm
×89mm)を上向きにして200℃に設定したホットプ
レート上に設置し、銅薄膜を積層した接合面全体にイン
ジウム半田をその厚みが約0.2mmとなるように塗布し
その後ホットプレート上から取り除いて室温まで冷却し
た。
【0033】次にエタノールおよび純水による超音波洗
浄と、自然乾燥を施した無酸素銅製のバッキングプレー
ト(接合部分の面積:127mm×178.5mm)にも同
様に半田の不要な部分にマスキング処理をした後接合面
を上向きにして200℃に設定したホットプレート上に
設置し、その接合面全体にインジウム半田をその厚みが
約0.2mmとなるように塗布した。そしてこのバッキン
グプレート上に2枚のITO焼結体を、0.5mmの間隙
(クリアランス)を設けて接合面同士を相対して設置
し、室温まで放置冷却した。冷却後、2枚の焼結体間の
クリアランスは0.4mmであった。
【0034】次にこのターゲットの側面の分割部をポリ
アミドテープを用いて封止した後、金属インジウム(純
度:99.99% )の薄板(127mm×5.1mm×0.
4mm)を挿入し、薄板上に超音波半田コテを当てて薄板
を溶融してクリアランス部分に金属インジウムを充填し
た。充填後冷却した接合ターゲットを再びアルコールお
よび純水を用いて洗浄し乾燥した。
【0035】このターゲットをスパッタリング装置に取
り付け、以下の条件でスパッタリングを実施した。
【0036】(スパッタリング条件) DC電力:600W(2.7W/cm2 )、ガス圧:5m To
rr、Arガス流量:50SCCM、酸素ガス流量:1SCCM スパッタリング実施により、ノジュールはターゲット寿
命の末期において若干発生したもののその発生状況はタ
ーゲット表面全体に渡って一様であり、分割部にノジュ
ールの発生が集中する傾向は見られなかった。
【0037】実施例2 クリアランス部分に挿入する金属インジウムをインジウ
ム粉末とした以外実施例1と同様にして2分割ITOタ
ーゲットを作製した。得られたターゲットを実施例1と
同様の条件でスパッタリングしたところ、やはりノジュ
ールがターゲット寿命の末期において若干発生したもの
の、分割部にノジュールが集中発生する傾向は見られな
かった。
【0038】比較例 クリアランス部分の空隙に金属を充填しない2分割IT
Oターゲットを実施例1と同様にして作製した。得られ
たターゲットを実施例1と同様の条件でスパッタリング
したところ、分割部分においてはターゲット使用初期か
ら徐々にノジュールの発生が始まり、ターゲット使用末
期においては明らかに分割部分にノジュールの発生が集
中していることが確認された。
【0039】
【発明の効果】本発明の分割部を持つITOスパッタリ
ングターゲットは製造が容易で、かつこれを用いたスパ
ッタリング時に、従来の分割ターゲットに比較して、タ
ーゲットの分割部近傍に集中的に発生するノジュールを
再現性良く且つ効果的に抑制する事ができる。この結
果、ノジュール除去のためのスパッタリング面清掃過程
を不要もしくはその回数を激減させることができ、従っ
て、ノジュールに起因する薄膜中の欠陥を安定かつ効果
的に防止できるため、LCD等のディスプレイの生産性
を飛躍的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ターゲット部材の端面形状を示す図。
【図2】ターゲットとバッキングプレートの分割部にお
ける接合状態を示す図。
【図3】ターゲットとバッキングプレートの分割部に金
属を充填した際の接合状態を示す図。
【符号の説明】
1:バッキングプレート 2:半田層 3:ターゲット部材 4:ターゲット部材間のクリアランス部 5:金属インジウムを充填したクリアランス部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のITOターゲット部材をバッキング
    プレート上に接合して構成される多分割ITOスパッタ
    リングターゲットにおいて、各ターゲット部材間のクリ
    アランスに金属インジウムを充填したことを特徴とする
    多分割ITOスパッタリングターゲット。
  2. 【請求項2】スパッタリング面を構成する面の表面粗さ
    Raが0.8μm 以下で且つRmax が7μm 以下の請求
    項1記載のターゲット。
JP28780194A 1994-11-22 1994-11-22 Itoスパッタリングターゲット Pending JPH08144052A (ja)

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