JPH08139452A - 多層配線基板の製造方法 - Google Patents

多層配線基板の製造方法

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JPH08139452A
JPH08139452A JP27905694A JP27905694A JPH08139452A JP H08139452 A JPH08139452 A JP H08139452A JP 27905694 A JP27905694 A JP 27905694A JP 27905694 A JP27905694 A JP 27905694A JP H08139452 A JPH08139452 A JP H08139452A
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conductor
wiring board
roughening
multilayer wiring
layer
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JP27905694A
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Isamu Tanaka
勇 田中
Hisashi Sugiyama
寿 杉山
Makio Watabe
真貴雄 渡部
Yoshihide Yamaguchi
欣秀 山口
Hitoshi Oka
齊 岡
Satoru Hashimoto
悟 橋本
Shigeru Fujita
繁 藤田
Terutake Kato
輝武 加藤
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】絶縁層と導体回路との接着強度をさらに増強
し、信頼性の高い多層配線基板の製造方法を提供するこ
とにある。 【構成】導体回路形成工程〔図1(a)〜図1(c)工
程〕と層間絶縁膜形成工程〔図1(d)図1〜(h)工
程〕とを交互に繰り返し、ビルドアップ方式により多層
配線基板を製造するに際し、導体回路形成工程後の導体
表面の粗化処理を、導体腐食抑制剤を含有する粗化液で
処理する工程〔図1(c)工程〕とするか、層間絶縁膜
形成工程後の絶縁膜表面の粗化処理を、アルカリ性の過
マンガン酸塩水溶液で粗化した後、表面に形成された二
酸化マンガンを溶解除去し、次いで界面活性剤を含む水
溶液で絶縁層表面に生じた劣化層を除去する工程〔図1
(e)工程〕とする。好ましくは、この導体表面の粗化
処理と絶縁膜表面の粗化処理とを併用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層配線基板の製造方
法に係わり、特に、絶縁層と導体回路とを交互に複数層
積層する、所謂ビルドアップ方式に好適な多層配線基板
の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】層間絶縁層に感光性樹脂を用いたビルドア
ップ法による多層配線基板の製造法については、例えば
特開昭58−209195号公報、特開平3−3297
号公報に開示されている。多層配線基板の積層体を構成
する絶縁層と導体回路とは互いに強固に接着しているこ
とが重要である。この接着強度を向上させるには、製造
工程の上から導体回路上に絶縁層を形成する場合と、絶
縁層上に導体回路を形成する場合とに大別される。
【0003】先ず、前者については、導体回路上に絶縁
層を強固に接着するための技術が、例えば下記の(1)
〜(3)に示すように種々提案されている。 (1)アルカリ性亜塩素酸ナトリウム水溶液や過マンガ
ン酸により、導体を形成している銅の表面を酸化して粗
化することにより、導体と絶縁層とを強固に接着させる
方法。 (2)アルカリ性亜塩素酸ナトリウム水溶液やアルカリ
性過硫酸カリ水溶液、硫化カリ/塩化アンモニア水溶液
などにより、導体を形成している銅の表面を酸化して酸
化第2銅として、その後還元処理を行うことにより導体
層の表面を粗化し、それによって導体と絶縁層とを強固
に接着させる方法(例えば特公昭64−8479号公
報)。 (3)導体層の表面に、予め硬化させた熱硬化性樹脂の
微粒子を含む複合めっき層を形成することにより、導体
と絶縁層とを強固に接着させる方法(例えば特開昭59
−106918号公報)。
【0004】一方、後者の絶縁層上に導体回路を形成す
る場合にも、導体回路を強固に接着するための技術が、
例えば下記の(4)〜(5)に示すように種々提案され
ている。 (4)基板上に所定の充填材を入れた接着剤層ないし樹
脂層を形成し、この表面を選択的に粗化する方法(例え
ば特公昭63−49397号公報)。 (5)過マンガン酸カリ溶液で絶縁層を粗化し、その表
面に導体層を形成して多層配線板を製造する方法(例え
ば特開平4−148590号公報)。
【0005】また、上記の特開平3−3297号公報の
ように、前者と後者の両方の処理を併合し、導体回路と
絶縁層の接着を強固にして積層するビルドアップ法も提
案されている。 (6)この方法は、導体パターン表面の粗化処理をアル
カリ性亜塩素酸ナトリウム水溶液の酸化溶液と、ホルマ
リンおよび水酸化カリウムのアルカリ水溶液から成る還
元溶液との2種類の処理液により行ない、さらに層間絶
縁層表面の粗化処理をクロム酸水溶液の粗化液で行なう
ものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のビルドアップ法では、以下に説明するように導体回
路と絶縁層との接着性を高める上で技術上の種々の問題
点があった。すなわち、導体層上に形成する絶縁層を強
固に接着させる方法として、上記(1)の方法は、導体
の表面が銅酸化物で覆われているため、後工程における
酸洗浄等の薬品処理により、銅の酸化物が還元されて絶
縁層が部分剥離して起こるハローイング或いはピンクリ
ング現象が生じ易く、電気絶縁性などのプリント配線板
の信頼性低下の原因となる欠点があった。また、上記
(2)の方法は、導体表面の銅酸化物は還元除去されて
おり、絶縁層との接着性は良好であるが、導体表面の酸
化処理による粗化を行った後に還元処理することが必須
で、酸化および還元の2つの処理液を必要とし、かつ作
業が煩雑であるという問題があった。さらにまた、上記
(3)の方法は、導体表面の複合めっき層を介して、導
体と絶縁層を強固に接着させる方法であるが、導体層の
表面に形成された複合めっき層が導通抵抗となるため、
ビアホールによって多層配線板を製造しようとする場
合、ビアホールの接続信頼性が低いという欠点があっ
た。
【0007】一方、絶縁層上にめっきにより形成した導
体層を強固に接着させる方法として、上記(4)の方法
は、所定の充填材を入れた特殊な接着剤ないし樹脂組成
物が新たに必要となり多層板の製造コストを高めるとい
う問題がある。また、(5)の方法は、特殊な接着剤な
いし樹脂組成物を用いないで、市販の絶縁材料(エポキ
シ樹脂)を層間絶縁膜とし利用して、この表面を過マン
ガン酸カリ溶液で粗化し、この上にめっきで導体層を作
るものであるが、接着強度が不十分であるという難点が
ある。接着強度は通常、ピール強度(g/cm)で評価
されるが、この種の過マンガン酸カリ溶液を使用した場
合、高々40(g/cm)程度のピール強度であった。
【0008】また、(6)の方法は、導体層表面の粗化
処理について上記(2)と同様の酸化、還元の2種の粗
化液を使用する問題があり、絶縁膜表面の粗化処理につ
いては(5)の過マンガン酸カリ溶液の代わりにクロム
酸水溶液を用いているが、接着強度については同様の問
題があった。
【0009】したがって、本発明の目的は、上記従来の
問題点を解決することにあり、絶縁層と導体回路との接
着強度をさらに増強し、信頼性の高い多層配線基板の製
造方法を提供することにある。具体的には、導体回路表
面の粗化処理を1種の粗化液で行っても高い接着強度が
得られ、しかも粗化液の管理が容易であると共に、絶縁
層を過マンガン酸カリ溶液で粗化しても導体層との接着
強度が飛躍的に向上する粗化処理を実現することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、接着強度
を高めるために種々実験検討した結果、導体回路表面の
粗化処理には導体腐食抑制剤を含有してなる粗化液でエ
ッチングすることが有効で、ピール強度が飛躍的に向上
することを見出した。すなわち、この粗化処理により、
導体回路上に表面積の大きな極めて複雑な形状をした粗
化表面が作られ、この上に形成した絶縁層が強固に接着
する。従来の導体回路表面の粗化処理として使用された
酸化・還元処理では処理液の数が多く、それぞれの処理
条件の管理が煩雑であった。
【0011】ここで本発明者等が用いた粗化液は1液性
で取扱い易く経済的に有利である。また、通常の還元処
理を行わない粗化面で起こりがちな、後工程の酸洗浄等
の薬液処理により導体の酸化物が還元されて絶縁層が部
分剥離して起こるハローイング或いはピンクリング現象
が生じない特徴を有する。
【0012】好ましい粗化液としては、例えば過硫酸塩
/酸/導体腐食抑制剤系、硫酸/過酸化水素/導体腐食
抑制剤系、塩化第二鉄/導体腐食抑制剤系、塩化第二銅
/導体腐食抑制剤系、塩化テトラアンミン銅/導体腐食
抑制剤系等が挙げられる。いずれの粗化液も導体層をエ
ッチングする粗化成分と導体層の表面に部分的に吸着し
て導体の腐食を部分的に抑制する成分(これを導体腐食
抑制剤と云う)とを有していることが特徴である。この
ような、粗化液中では導体腐食抑制剤が導体層で形成さ
れた回路の表面に部分的に吸着し、その吸着された部分
の導体層のエッチングを防ぐため、極めて複雑な粗化面
が得られると推定される。
【0013】粗化液中の導体腐食抑制剤としては、導体
層を構成する金属材料に適した腐食抑制剤を使用するこ
とであり、以下、導体層として通常使用される銅の場合
を例に説明すると、好ましい銅腐食抑制剤としては、例
えばベンゾトリアゾール誘導体〔1,2,3−ベンゾト
リアゾール、4−or5−メチルベンゾトリアゾール、
4−or5−アミノベンゾトリアゾールなど、導体表面
への吸着にベンゾトリアゾール骨格が有効〕、チアゾー
ル誘導体〔ベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチ
アゾール、2−メチルベンゾチアゾール、2−フェニル
チアゾールなど、導体表面への吸着にチアゾール骨格が
有効〕、イミダゾール誘導体〔イミダゾール、ベンゾイ
ミダゾール、2−メチルベンゾイミダゾール、2−エチ
ル−5−メチルベンゾイミダゾール、2−メルカプトベ
ンゾイミダゾール、2−(4−チアゾール)ベンゾイミ
ダゾールなど、導体表面への吸着にイミダゾール骨格が
有効〕、インダゾール類〔6−アミノインダゾール〕、
メラミン誘導体(メラミン、N,N−ジアリルメラミ
ン、2−N−n−ブチルメラミンなど、導体表面への吸
着にメラミン骨格が有効)、トリアジン誘導体〔2,4
−ジアミノ−6−フェニルトリアジン、2,4−ジアミ
ノ−6−メチル−s−トリアジン、2−ビニル−4,6
−ジアミノ−s−トリアジンなど、導体表面への吸着に
トリアジン骨格が有効〕、2−メルカプトベンゾキシア
ゾール、ピリミジン誘導体〔ジアミノピリミジン、トリ
アミノピリミジン、テトラアミノピリミジン、ジアミノ
−メルカプトピリミジンなど、導体表面への吸着にピリ
ミジン骨格が有効〕、3,5−ジアミノ−1,2,4−
トリアゾール、アルカンチオール類〔CnH2n+1S
H〕、チオ尿素誘導体〔チオ尿素、1−フェニル−2−
チオ尿素、エチレンチオ尿素など、導体表面への吸着に
チオ尿素骨格が有効〕、エタノールチオール、ドデシル
メルカプタン、2−メルカプトエタノールなどが挙げら
れる。好ましくは、2−メルカプトベンゾイミダゾー
ル、6−アミノインダゾール、2,4−ジアミノ−6−
フェニルトリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−
s−トリアジン、2−メチルベンゾチアゾール、メラミ
ン、2−N−n−ブチルメラミンである。また、粗化液
中の銅腐食抑制剤の濃度としては0.01〜10g/
l、好ましくは0.1〜2g/lの範囲が良好である。
【0014】次に、導体回路を絶縁層上に強固に接着す
るための絶縁層表面の粗化処理についても本発明者等は
詳細な実験検討を行なった。その結果、以下に説明する
ような極めて有効な知見が得られた。すなわち、絶縁層
の表面をアルカリ性の過マンガン酸塩の水溶液で粗化処
理し、その後、表層に形成された二酸化マンガンを、例
えばヒドロキシルアミン塩等の溶解液で溶解除去し、次
いで粗化処理で絶縁層表面に生じた劣化層を界面活性剤
の水溶液を用いて除去することが、極めて有効であるこ
とを見出した。特に、導体回路を絶縁層上に強固に接着
するためには、この劣化層の除去が極めて重要であるこ
とを見出したものである。
【0015】劣化層を除去するためには、例えばブラシ
等で機械的に除去方法、超音波洗浄等の方法も考えられ
るが、これらの方法はこの種の微細パターンを有する配
線基板では、パターン崩れ等のダメージの恐れがあり、
また、絶縁層の微細部での除去には不向きで均一性に乏
しいことがわかった。そこで本発明者は上記のように界
面活性剤水溶液に浸漬するだけで、極めて短時間に劣化
層を除去することが可能であることを見出したものであ
る。
【0016】本発明に使われる界面活性剤としては、ア
ニオン系ないし必要に応じて可溶化や増粘効果があるカ
チオン系の界面活性剤を併用して用いる。具体的には、
以下に示すような界面活性剤が有効なものとして例示で
きる。 (1)アニオン系:アルキルナフタレンスルフォン酸
類、アルキルスルフォコハク酸類の金属塩のいずれか或
いはそれらの混合物 (2)カチオン系:炭素総数8〜50の第4級アンモニ
ウム塩の混合物の何れか或いは、それらの混合物等を挙
げることができる。さらに具体的な化合物名を挙げる
と、例えば、アニオン系界面活性剤としては、ドデシル
硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリ
ウム、スルフォコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリ
ウム等がある。一方、カチオン系界面活性剤を例示する
と、トリエタノールアミントルエンスルフォン酸塩、ト
リエタノールアミンドデシルベンゼンスルフォン酸塩、
セチルトリメチルアンモニウムクロリド等が代表的であ
る。界面活性剤の濃度としては1〜500g/l、好ま
しくは5〜200g/lの範囲が良好である。
【0017】以上、ビルドアップ方式で多層配線基板を
製造するに際し、配線導体層と層間絶縁層との接着強度
を向上させるための導体層表面の粗化処理および絶縁層
表面の粗化処理について説明したが、本発明ではこれら
何れか一方の粗化処理を、さらに好ましくは双方の粗化
処理を行なうことである。
【0018】以下に本発明の目的達成手段を具体的に総
括して説明すると、上記目的は、導体回路形成工程と層
間絶縁膜形成工程とを交互に繰り返し、ビルドアップ方
式により多層配線基板を製造する方法において、前記導
体回路形成工程後の導体表面の粗化処理を、導体腐食抑
制剤を含有する粗化液で処理する工程として成る多層配
線基板の製造方法により、達成される。
【0019】また、上記目的は、導体回路形成工程と層
間絶縁膜形成工程とを交互に繰り返し、ビルドアップ方
式により多層配線基板を製造する方法において、前記層
間絶縁膜形成工程後の絶縁膜表面の粗化処理を、アルカ
リ性の過マンガン酸塩水溶液で粗化した後、表面に形成
された二酸化マンガンを溶解除去し、次いで界面活性剤
を含む水溶液で絶縁層表面に生じた劣化層を除去する工
程として成る多層配線基板の製造方法によっても、達成
される。
【0020】さらに上記目的は、導体回路形成工程と層
間絶縁膜形成工程とを交互に繰り返し、ビルドアップ方
式により多層配線基板を製造する方法において、前記導
体回路形成工程後の導体表面の粗化処理を、導体腐食抑
制剤を含有する粗化液で処理する工程とすると共に、前
記層間絶縁膜形成工程後の絶縁膜表面の粗化処理を、ア
ルカリ性の過マンガン酸塩水溶液で粗化した後、表面に
形成された二酸化マンガンを溶解除去し、次いで界面活
性剤を含む水溶液で絶縁層表面に生じた劣化層を除去す
る工程として成る多層配線基板の製造方法により、達成
される。
【0021】ここで、多層配線基板を製造する際に用い
られる基板と層間絶縁層を形成する絶縁樹脂について説
明すると、先ず、基板としては通常使用されているもの
と同様に、例えばガラス繊維を樹脂で成形した絶縁シー
トに、銅箔等の導体薄膜を両面もしくは片面に形成した
基板(一般に銅張り積層板と呼ばれているもの、代表的
なものとしてガラスエポキシ銅張り積層板として市販さ
れている)、もしくは内層として、既に回路パターンが
形成されているシートを複数枚積層し、プレス成形した
積層板などが用いられる。また、用途によってはこのよ
うな樹脂基板の代わりにセラミックスシートを使用した
積層板も使用される。
【0022】層間絶縁層を形成する絶縁樹脂としては、
例えば感光性を有するエポキシ樹脂、エポキシアクリレ
ート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリイミド樹
脂、ポリエステル樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹
脂等が挙げられる。好ましくは、その成分が(1)アク
リル酸エステル、またはメタクリル酸エステルを部分構
造として含み、ノボラック型エポキシ樹脂から得られる
樹脂を主成分とするネガ型感光性樹脂組成物である。ま
たは(2)(a)クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、フェノールボラック型エポキシ樹脂からなる群より
選ばれる1種または2種以上のノボラック型エポキシ樹
脂と不飽和カルボン酸とを酸当量/エポキシ当量比が
0.1〜0.98の範囲で付加反応して得られる不飽和
化合物の2級水酸基に、イソシアネートエチルメタクリ
レートをイソシアネート当量/水酸基当量比が0.1〜
1.2の範囲で反応して得られる光重合性不飽和化合物
を100重量部と、(b)2−ベンジル−2−ジメチル
アミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−
1−オンを0.1〜20重量部とを含有するネガ型感光
性樹脂組成物。または(3)必須成分として(a)分子
量3,000〜30,000のジアリルフタレートのプ
レポリマーと、(b)ポリヒドロキシ化合物のアクリレ
ートまたはメタクリレート及びオリゴエステルメタクリ
レートからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の多
官能不飽和化合物と、(c)光重合開始剤と、(d)エ
ポキシ樹脂と、(e)エポキシ樹脂の硬化剤と、(f)
メラミンまたはその誘導体とを含むネガ型感光性樹脂組
成物。ないしは(4)(a)平均して1分子当たり複数
個のエポキシ基を持ったエポキシ樹脂と不飽和カルボン
酸との反応生成物である室温で固形状の多官能化合物
と、(b)1分子当たり複数個のエチレン結合を持つ室
温で液体状の多官能アクリレートまたは多官能メタクリ
レートと、(c)光重合開始剤と、(d)エポキシ樹脂
と、(e)エポキシ樹脂の硬化剤と、(f)メラミンま
たはその誘導体とを含むネガ型感光性樹脂組成物、など
である。
【0023】また、積層する導体層としては、銅が一般
的であるがその他必要に応じて例えばニッケル等のその
他の導体金属を使用することもできる。また、基板上の
2層目以上に積層する導体層は周知のようにめっき層が
使用される。さらに、めっき層としては、無電解めっき
により形成することもできるが、めっき時間が長くなる
ため通常は下地層を薄く無電解めっきにより形成した
後、電気めっきで必要な厚さだけ形成する。
【0024】本発明が目的とする多層配線基板の具体的
な製造方法については、実施例の項で詳述するが、代表
的な製造工程の手順について概要を示すと以下の工程A
〜Dようになる。これらの各工程を適宜組み合わせて、
所望とする導体回路間の種々の接続構成がとれる多層配
線基板を製造する。 (A)工程:銅張り積層板→貫通孔形成→エッチングレ
ジスト→導体回路形成→導体表面粗化→絶縁層形成・パ
ターニング、または、銅張り積層板→エッチングレジス
ト→導体回路形成→貫通孔形成→導体表面粗化→絶縁層
形成・パターニング (B)工程:絶縁層粗化→表面劣化層除去→めっき触媒
付与→銅めっき→エッチングレジスト→導体回路形成→
導体表面粗化→絶縁層形成・パターニング (C)工程:銅張り積層板→エッチングレジスト→導体
回路形成→導体表面粗化→絶縁層形成・パターニング (D)工程:貫通孔形成→絶縁層粗化→表面劣化層除去
→めっき触媒付与→銅めっき→エッチングレジスト→導
体回路形成→導体表面粗化→絶縁層形成・パターニング なお、銅張り積層板としては、両面2層板か、その内層
に回路を有する積層板プレス方式の3層以上の積層板で
あることが好ましい。
【0025】
【作用】導体回路を絶縁層上に強固に接着するための絶
縁層表面の粗化技術として、本発明では、絶縁層をアル
カリ性の過マンガン酸塩の水溶液で粗化後、表層に形成
された二酸化マンガンを溶解除去し(例えばヒドロキシ
ルアミン塩で溶解する)、次に絶縁層表面に生じた劣化
層を界面活性剤の水溶液を用いて除去するが、この方法
では、界面活性剤の作用が極めて重要となる。そこで界
面活性剤の作用について説明すると、先ず、湿潤、浸透
作用によって劣化層をほぐし、劣化物が表面から分離、
次いで界面活性剤に吸着し、粗化表面から脱落して微細
な粒子に分散または懸濁され、これにより、劣化層を絶
縁層の粗化面から容易に除去することができる。このよ
うにして形成された粗化面は表面積が大きく複雑な組織
を構成しているため、その上に形成される回路導体は強
固に接着する。導体回路を絶縁層上に強固に接着させる
ためには、劣化層の除去が極めて重要である。また、こ
のような粗化面に導体回路を強固に接着するためには、
導体回路の少なくとも下地を無電解めっきにより形成
し、複雑な組織に導体を食い込ませることが重要とな
る。
【0026】次に、導体層とこの導体層上部に形成され
る樹脂絶縁層との接着性を高めるために、本発明では導
体腐食抑制剤を含有してなる粗化液で導体層表面をエッ
チングする。これは粗化液中の導体腐食抑制剤が導体表
面に部分的に吸着し、この個所のエッチング速度が低下
し、導体表面が不均一にエッチングされるため、導体回
路上に表面積の大きな極めて複雑な形状をした粗化表面
が得られたためと考えられる。
【0027】前述したように、従来方法では、複雑な形
状の銅粗化面を得るには、2種の粗化液を要し、銅表面
に一度酸化処理により酸化銅を成長させ、この酸化銅の
表面を還元処理して得ていた。この方法は実用可能レベ
ルの接着力とすることが可能であるが、新たな液相還元
処理工程と、かつ還元処理条件を厳密に管理する必要が
あった。しかし、本発明の粗化液は1液性で工程管理や
取扱いが容易で経済的に有利である。また、本発明で
は、従来の粗化処理で起こりがちな、後工程の酸洗浄等
の薬液処理による銅の酸化物が還元されて上部に形成さ
れた絶縁層が部分剥離して起こるハローイング、或いは
ピンクリング現象が生じない特徴を有する。また、この
ような導体回路と絶縁層の接着性を向上させる工程を入
れることにより、信頼性の高いビルドアップ多層配線基
板の製造が可能になった。
【0028】
【実施例】以下、図1および図2に示した製造工程図に
したがって、本発明をさらに詳しく説明する。なお、本
発明の多層配線基板は、導体回路(配線パターン)形成
工程と、層間絶縁膜形成工程とを交互に複数回繰り返し
て積層する、所謂ビルドアップ方式により製造するもの
であり、具体的には、先に示したと同様の工程A〜Dに
記載の代表的な工程を任意に組合わせて、要求される導
体回路間に種々の接続構成がとれる多層配線基板を製造
した。
【0029】(A)工程:銅張り積層板→貫通孔形成→
エッチングレジスト→導体回路形成→導体表面粗化→絶
縁層形成・パターニング、もしくは銅張り積層板→エッ
チングレジスト→導体回路形成→貫通孔形成→導体表面
粗化→絶縁層形成・パターニング。 (B)工程:絶縁層粗化→表面劣化層除去→めっき触媒
付与→銅めっき→エッチングレジスト→導体回路形成→
導体表面粗化→絶縁層形成・パターニング。 (C)工程:銅張り積層板→エッチングレジスト→導体
回路形成→導体表面粗化→絶縁層形成・パターニング。 (D)工程:貫通孔形成→絶縁層粗化→表面劣化層除去
→めっき触媒付与→銅めっき→エッチングレジスト→導
体回路形成→導体表面粗化→絶縁層形成・パターニン
グ。
【0030】〈実施例1〉この実施例は、上記工程Aと
工程Bとを組み合わせて両面合計4層(片面2層)の多
層配線基板を製造した例について説明するものであり、
以下図1の断面工程図にしたがって順次説明する。
【0031】図1(a)工程:ガラスエポキシ積層板1
01の両面に銅箔102を張り合わせた銅張り積層板を
基板100として準備する。 図1(b)工程:基板100にドリルで貫通孔103を
あける。 図1(c)工程:基板両面に図示されていないレジスト
作成用のドライフィルムをラミネートし、予め所定の回
路パターンが形成されたマスクをあて露光、現像してレ
ジストの抜きパターンを形成した。これをエッチングレ
ジストとして銅箔102をエッチングして導体回路10
4を形成した。レジストを除去した後、この基板の導体
表面を過硫酸塩/酸/銅腐食抑制剤系の粗化液で粗化処
理し、導体粗化面105を形成した。用いた粗化液及び
その粗化条件は、次の通りである。 粗化液の組成:過
硫酸塩としてNa228(200g/l)、酸として
98%H2SO4(10ml/l)、銅腐食抑制剤として
2−メルカプトベンゾイミダゾール(0.5g/l)の
組成。 粗化条件:液温40℃でスプレーエッチング。 図1(d)工程:粗化処理後、水洗・乾燥し、この基板
上に絶縁層106を形成した。用いた絶縁樹脂は、感光
性樹脂組成物で、調整法は次の通りである。 (1)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂EOCN1
02(日本化薬製)(1095重量部)のエチルセロソ
ルブアセテート(800重量部)溶液を、アクリル酸
(69重量部)と塩化ベンジルトリメチルアンモニウム
塩(7重量部)とp−メトキシフェノール(3重量部)
とのエチルセロソルブアセテート(100重量部)溶液
とを60℃で混合し、80℃で15時間反応させた。得
られた不飽和化合物溶液を、イソシアネートエチルメタ
クリレート(163重量部)とジブチルチンジラウレー
ト(0.5重量部)とのエチルセロソルブアセテート
(100重量部)溶液に混合して60℃で反応させ、さ
らにメタノール(10重量部)を加えて光重合性不飽和
化合物の溶液を得た。
【0032】この溶液(175重量部)に、2−ベンジ
ル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェ
ニル)−ブタン−1−オン(チバガイギー社製 IRGACU
RE369)(10重量部)、ミクロエースP−4(日本
タルク製、微粒子タルク)(7重量部)、クリスタライ
ト5V(龍森製、微粒子シリカ)(36重量部)、トー
ラッド7100(東都化成製、アミンアクリレート)
(5重量部)、フタロシアニングリーン(1重量部)、
2−メチルイミダゾール(3重量部)、モダフロー(三
菱モンサント製)(0.1重量部)を配合し、三本ロー
ルミルを用いて均一に混合して感光性樹脂組成物溶液を
調整した。
【0033】図1(e)工程:上記樹脂組成物の塗膜か
らなる絶縁層106を80℃で30分間予備乾燥を施
し、次いで、高圧水銀ランプを用い600mJ/cm2
で2層目の導体回路形成に備えて、図示されていない所
定のマスクを介して露光し、溶剤現像を行って絶縁樹脂
106を選択的にエッチングしてパターニングし、電気
的接続に必要な下地導体回路104の所定領域を露出さ
せ、さらに絶縁樹脂の膜質を高めるため150℃で30
分間加熱した。次いで、パターニングされた上記絶縁樹
脂層106を、アルカリ性の過マンガン酸塩の水溶液で
粗化し、粗化面110を形成した。用いた粗化液及びそ
の粗化条件は、次の通りである。 粗化液の組成および粗化条件:KMnO4(60g/
l)、NaOH(40g/l):液温80℃で30分間
浸漬。
【0034】この基板表面に付着した二酸化マンガン1
08を3%塩酸ヒドロキシルアミン水溶液で溶解し、次
に絶縁層表面に生じた劣化層109を界面活性剤の水溶
液を用いて除去した。用いた界面活性剤の水溶液及びそ
の処理条件は、次の通りである。 ドデシル硫酸ナトリウム(50g/l):液温25℃で
60秒間浸漬。
【0035】図1(f)工程:次に、粗化面を活性化す
るため、めっき触媒液に浸漬し、下地導電膜を無電解め
っきで0.2μm形成した後、厚付け電気銅めっきを2
5μm施し、銅めっき層111を形成した。いずれも処
理液は市販品を使用し、周知のめっき方法にて行なった
ものである。
【0036】図1(g)工程:再度図1(c)工程と同
じ方法を繰り返す。すなわち、銅めっき層111上にエ
ッチングレジストを形成し、露光、現像、エッチング、
レジスト剥離の工程を経て導体回路層112を形成す
る。次いで、導体回路表面を同一方法で粗化し、粗化面
113を形成する。
【0037】図1(h)工程:最後に図1(d)を繰り
返し、絶縁層114(ソルダレジストとする)を形成し
てから、図1(e)の一部と同様の方法でパターニング
を行い接続に必要な導体回路面を露出させる。このよう
にして、図示したように片面2層積層構造の配線基板を
得た。
【0038】このようにして得られた配線基板の導体層
と絶縁層との接着強度をJIS−C−6481の評価方
法に準じてピール強度(g/cm)を測定し、また、導
体回路上のハローの有無を観察し、その結果を表1中に
表示した。表中には後述する比較例の結果についても示
した。この表から明らかなように、本実施例のピール強
度は852を示しており、比較例(最高のもので38)
と対比して著しく向上している。また、ハローも無く、
密着性がよく極めて接着強度にすぐれ、信頼性の高い多
層配線基板が実現された。
【0039】
【表1】
【0040】〈実施例2〉この例は片面3層、両面合計
6層の多層配線基板を製造したものである。すなわち、
実施例1で得られた配線基板上に、さらに両面共に導体
層と絶縁層とを1層づつ積層したものであるため、その
分だけパターン形成の繰り返し工程が増加した。先ず、
実施例1の最終工程(図1(h)工程)の後に、図1
(e)工程の絶縁層表面の粗化処理と同様にして、絶縁
層114の表面粗化処理を行ない、次いで図1(f)の
めっき工程〜図1(h)の絶縁層のパターニング工程ま
でを繰り返し、基本的には実施例1と同様の製造工程で
処理した。
【0041】なお、材料および処理方法で実施例1と異
なる点を工程順に述べると、以下の通りである。 (1)先ず、図1(c)の導体回路104の表面粗化処
工程において、粗化液中の銅腐食抑制剤「2−メルカプ
トベンゾイミダゾール」を、メラミンに変更した。
【0042】(2)図1(d)の絶縁層形成工程におい
て、絶縁樹脂106の組成を次のように変更した。すな
わち、ジアリルオルトフタレート樹脂(平均分子量1
0,000)(100重量部)、ペンタエリスリトール
テトラアクリレート(20重量部)、ベンゾフェノン
(4重量部)、4,4’−ビス(N,N’−ジメチルア
ミノ)ベンゾフェノン(2重量部)、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂(30重量部)、2−フェニルイミダゾ
ール(1重量部)、メラミン(5重量部)、シリコーン
オイル(5重量部)、フタロシアニングリーン(2重量
部)、エチルセロソルブアセテート(30重量部)、ブ
チルセロソルブアセテート(30重量部)を配合し、三
本ロールミルを用いて均一に混合して感光性樹脂組成物
溶液を調整した。 (3)図1(e)の絶縁樹脂106をパターニングする
工程において、高圧水銀ランプでの露光量を600mJ
/cm2から900mJ/cm2に変更した。
【0043】このようにして製造した多層配線基板につ
いて、実施例1と同様に導体層と絶縁層との接着強度、
密着性の評価試験をした結果を表1中に表示した。表か
ら明らかなようにピール強度935であり、接着強度は
実施例1よりさらに向上している。
【0044】〈実施例3〉実施例1と基本的に同一製造
工程により片面2層積み上げ、両面合計8層の多層配線
基板を製造した。この実施例で実施例1と異なる点は、
以下の通りである。 (1)先ず、図1(a)の両面銅張り積層板100とし
て、内層回路入りガラスエポキシ両面銅張り4層積層板
を用いた。 (2)図1(c)の導体回路104の表面粗化処工程に
おいて、粗化液中の銅腐食抑制剤「2−メルカプトベン
ゾイミダゾール」を、2−N−n−ブチルメラミンに変
更した。
【0045】(3)図1(d)の絶縁層形成工程におい
て、絶縁樹脂106の組成を次のように変更した。 (a)エポキシ当量225のクレゾールノボラックエポ
キシ樹脂(175重量部)とブチルセロソルブアセテー
ト(75重量部)とを混合し、90℃まで昇温して溶解
させる。ここに、2,5−ジターシャルブチルヒドロキ
ノン(0.02重量部)、N,N’ジメチルアニリン
(1.75重量部)、アクリル酸(22.4重量部)を
加えて反応させ、エポキシビニル(エポキシ当量56
0)を得た。 (b)得られたエポキシビニル(100重量部)、ペン
タエリスリトールテトラアクリレート(20重量部)、
ベンゾフェノン(4重量部)、4,4’−ビス(N,
N’−ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(2重量部)、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(40重量部)、イミ
ダゾール(1’)エチル−s−トリアジン(2重量
部)、メラミン(3重量部)、シリコーンオイル(5重
量部)、フタロシアニングリーン(2重量部)、エチル
セロソルブアセテート(30重量部)、ブチルセロソル
ブアセテート(30重量部)を配合し、三本ロールミル
を用いて均一に混合して感光性樹脂組成物溶液を調整し
た。
【0046】(4)図1(e)の絶縁樹脂106をパタ
ーニングする工程において、高圧水銀ランプでの露光量
を実施例2と同様に600mJ/cm2から900mJ
/cm2に変更した。
【0047】(5)図1(e)の絶縁樹脂106の表面
粗化処理工程において、界面活性剤水溶液中への浸漬時
間を60秒から30秒に短縮して劣化層を除去処理し
た。
【0048】このようにして製造した多層配線基板につ
いて、実施例1と同様に導体層と絶縁層との接着強度、
密着性の評価試験をした結果を表1中に表示した。表か
ら明らかなようにピール強度628であり、接着強度は
実施例1より少し劣るものの従来の比較例と比較して著
しく向上していることがわかる。
【0049】〈実施例4〉この例は実施例2と同様に片
面3層、両面合計6層の多層配線基板を製造したもので
ある。この実施例で実施例2と異なる点は、以下の通り
である。 (1)図1(c)の導体回路104の表面粗化処工程に
おいて、粗化液中の銅腐食抑制剤「メラミン」を、6−
アミノインダゾールに変更した。 (2)図1(d)の絶縁層形成工程において、絶縁樹脂
106の組成を実施例1と同様のものに変更した。 (3)図1(e)の絶縁樹脂106をパターニングする
工程において、高圧水銀ランプでの露光量を実施例1と
同様に600mJ/cm2とした。
【0050】(4)図1(e)の絶縁樹脂106の表面
粗化処理工程において、界面活性剤の水溶液による劣化
層除去処理を次の条件に変更した。界面活性剤として1
−o−ウンデセン酸ナトリウム(50g/l):液温2
5℃で30秒間浸漬。
【0051】このようにして製造した多層配線基板につ
いて、実施例1と同様に導体層と絶縁層との接着強度、
密着性の評価試験をした結果を表1中に表示した。表か
ら明らかなようにピール強度960であり、接着強度は
実施例2よりもさらに向上した。
【0052】〈実施例5〉この実施例は、片面4層積み
上げ、両面合計8層の多層配線基板の製造例を示すもの
である。実施例4で得られた配線基板上に、さらに両面
共に導体層と絶縁層とを1層づつ積層したものであるた
め、実施例4よりもその分だけパターン形成の繰り返し
工程が増加した。すなわち、実施例4の最終工程後に、
図1(e)〜(h)工程をさらに繰り返し、片面4層積
み上げとしたものである。基本的な各製造工程は、実施
例1と同様の製造工程で処理した。
【0053】なお、材料および処理方法で実施例1と異
なる点を工程順に述べると、以下の通りである。 (1)図1(c)の導体回路104の表面粗化処工程に
おいて、粗化液中の銅腐食抑制剤「2−メルカプトベン
ゾイミダゾール」を、6−ビニル−4,6−ジアミノ−
s−トリアジンに変更した。 (2)図1(e)の絶縁樹脂106の表面粗化処理工程
において、界面活性剤の水溶液による劣化層除去処理を
次の条件に変更した。界面活性剤としてスルフォコハク
酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム(50g/l):
液温25℃で60秒間浸漬。
【0054】このようにして製造した多層配線基板につ
いて、実施例1と同様に導体層と絶縁層との接着強度、
密着性の評価試験をした結果を表1中に表示した。表か
ら明らかなようにピール強度882であり、接着強度は
実施例1によりもさらに向上した。
【0055】〈実施例6〉この実施例は、上記工程Cと
工程Dとを組み合わせて両面合計4層(片面2層積層)
の多層配線基盤を製造した例について説明するものであ
り、以下、図2の断面工程図にしたがって順次説明す
る。なお、この例も基本的には、実施例1に示した図1
の各工程と同一である。ただし、貫通口103を開ける
タイミングと、材料および処理方法の一部を変更してい
る。
【0056】図2(a)工程:実施例1の図1(a)工
程と同一工程で、ガラスエポキシ積層板101の両面に
銅箔102を張り合わせた銅張り積層板を基板100と
して準備する。 図2(b)工程:実施例1の図1(c)に該当する工程
で、基板両面に図示されていないレジスト作成用のドラ
イフィルムをラミネートし、予め所定の回路パターンが
形成されたマスクをあて露光、現像してレジストの抜き
パターンを形成した。これをエッチングレジストとして
銅箔102をエッチングして導体回路104を形成し
た。レジストを除去した後、この基板の導体表面を過硫
酸塩/酸/銅腐食抑制剤系の粗化液で粗化処理し、導体
粗化面105を形成した。用いた粗化液及びその粗化条
件は、次の通りである。
【0057】粗化液の組成:過硫酸塩としてNa22
8(200g/l)、酸として98%H2SO4(10m
l/l)、銅腐食抑制剤として2−メルカプトベンゾチ
アゾール(0.5g/l):液温40℃でスプレーエッ
チング。 図2(c)工程:実施例1の図1(d)に該当する工程
で、粗化処理後、水洗・乾燥し、この基板上に絶縁層1
06を形成した。用いた絶縁樹脂は、実施例2に使用し
た感光性樹脂組成物と同一である。 図2(d)工程:実施例1の図1(e)に該当する工程
で、上記樹脂層を80℃で30分間予備乾燥を施し、次
いで、高圧水銀ランプを用い600mJ/cm2で2層
目の導体回路形成に備えて、図示されていない所定のマ
スクを介して露光し、溶剤現像を行って絶縁樹脂106
を選択的にエッチングしてパターニングし、電気的接続
に必要な下地導体回路104の所定領域を露出させ、さ
らに絶縁樹脂の膜質を高めるため150℃で30分間加
熱した。続いて、パターニングされた絶縁樹脂層106
をアルカリ性の過マンガン酸塩の水溶液で粗化し、粗化
面110を形成した。用いた粗化液及びその粗化条件
は、次の通りである。 KMnO4(60g/l)、NaOH(40g/l):
液温80℃で40分間浸漬。 この基板表面に付着した二酸化マンガン108を3%塩
酸ヒドロキシルアミン水溶液で溶解し、次に絶縁層表面
に生じた劣化層109を界面活性剤の水溶液を用いて除
去した。用いた界面活性剤の水溶液及びその処理条件
は、次の通りである。 スルフォコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム
(50g/l):液温25℃で60秒間浸漬。
【0058】図2(e)工程:実施例1の図1(b)に
該当する工程で、スルーホール形成領域にドリルで貫通
孔103を開ける。 図2(f)工程〜(h)工程:実施例1の図1(f)〜
(h)工程とそれぞれ同一工程である。
【0059】このようにして製造した多層配線基板につ
いて、実施例1と同様に導体層と絶縁層との接着強度、
密着性の評価試験をした結果を表1中に表示した。表か
ら明らかなようにピール強度953であり、接着強度は
実施例1によりもさらに向上し、実施例2に比較的近い
特性を示した。
【0060】〈実施例7〉この実施例は、実施例2と同
様に片面3層、両面合計6層の積層体から構成される多
層配線基板の製造例を示すものであるが、ドリルにより
貫通口を形成する工程のタイミングが異なっている。積
層数は異なるが製造工程の順序が、実施例6に示した図
2の工程に比較的類似しているので、以下、図2を引用
して説明する。
【0061】まず、図2(a)〜図2(c)工程まで
は、実施例6と同様に処理する。ただし、図2(b)工
程の導体パターン104の表面粗化処理工程における粗
化液および処理条件は実施例6の場合とは異なり、以下
のようにした。 過硫酸塩として(NH4228(200g/l)、酸
として98%H2SO4(10ml/l)、銅腐食抑制剤
として2−メチルベンゾチアゾール(0.5g/l):
液温40℃でスプレーエッチング。次に図2(e)のド
リルによる貫通口の形成工程と、図2(d)の絶縁樹脂
層106のパターン形成からその表面粗化処理までの工
程を入れ変え、先に図2(e)のドリルによる貫通口の
形成工程を行ない、その後に図2(d)の工程〔図1
(e)に該当する工程〕を実施する。以後の工程は、実
施例6の図2(f)〜図2(h)と同一である。ただ
し、図2(d)のパターン形成後の絶縁樹脂層106の
表面粗化処理工程において、界面活性剤の水溶液を用い
る劣化層109の除去工程は、以下に示す条件とした。 アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム
(50g/l)、アルキルアルカノールドアミド(20
g/l:アミノーンL−01、花王製):液温25℃で
30秒間浸漬。
【0062】このようにして片面2層の積層構造を得た
後、さらに図2(d)における絶縁樹脂層の表面粗化処
理、および図2(f)〜図2(h)工程を繰り返すこと
により、片面3層、両面合計6層構造の配線基板を得
た。
【0063】このようにして製造した多層配線基板につ
いて、実施例1と同様に導体層と絶縁層との接着強度、
密着性の評価試験をした結果を表1中に表示した。表か
ら明らかなようにピール強度682であり、接着強度は
実施例6より劣るものの、実施例3に比較的近い特性を
示した。
【0064】〈実施例8〉実施例5と同様に片面4層、
両面合計8層の積層体から構成される多層配線基板の製
造例を示すものであるが、ドリルにより貫通口を形成す
る工程のタイミングが異なっている。積層数は異なるが
製造工程の順序は、実施例7と基本的に同一工程であ
る。したがって、ここでは重複する説明を省略し、実施
例7と異なる点についてのみ以下に示す。
【0065】(1)先ず、図2(b)工程の導体パター
ン104の表面粗化処理工程における粗化液および処理
条件は実施例6の場合とは異なり、以下のようにした。 98%H2SO4(120ml/l)、35%H22(8
0ml/l)、2−メルカプトベンゾイミダゾール
(0.5g/l):液温40℃でスプレーエッチング。 (2)図2(c)工程の絶縁樹脂106は、実施例2、
6と同一絶縁樹脂を用いた。 (3)図2(d)のパターン形成後の絶縁樹脂層106
の表面粗化処理工程において、界面活性剤の水溶液を用
いる劣化層109の除去工程の処理条件は、実施例1と
同様のドデシル硫酸ナトリウム(5g/l):液温25
℃で30秒間浸漬とした。
【0066】このようにして片面2層の積層構造を得た
後、さらに図2(d)における絶縁樹脂層の表面粗化処
理、および図2(f)〜図2(h)工程を2回繰り返す
ことにより、片面4層、両面合計8層構造の配線基板を
得た。
【0067】このようにして製造した多層配線基板につ
いて、実施例1と同様に導体層と絶縁層との接着強度、
密着性の評価試験をした結果を表1中に表示した。表か
ら明らかなようにピール強度980であり、接着強度は
著しく向上した。
【0068】〈実施例9〉実施例7と同様の処理工程に
より、片面5層、両面合計10層の積層体から構成され
る多層配線基板を製造した。積層数は異なるが製造工程
の順序は、実施例7と基本的に同一工程である。したが
って、ここでは重複する説明を省略し、実施例7と異な
る点についてのみ以下に示す。
【0069】(1)先ず、図2(b)工程の導体パター
ン104の表面粗化処理工程における粗化液および処理
条件は実施例6の場合とは異なり、以下のようにした。 FeCl3(370g/l)、2−メルカプトベンゾイ
ミダゾール(0.05g/l):液温40℃でスプレー
エッチング。 (2)図2(c)工程の絶縁樹脂106は、実施例3と
同一絶縁樹脂を用いた。 (3)図2(d)のパターン形成後の絶縁樹脂層106
の表面粗化処理工程において、界面活性剤の水溶液を用
いる劣化層109の除去工程の処理条件は、1−o−ウ
ンデセン酸ナトリウム(20g/l):液温25℃で3
0秒間浸漬とした。 このようにして片面2層の積層構
造を得た後、さらに図2(d)における絶縁樹脂層の表
面粗化処理、および図2(f)〜図2(h)工程を3回
繰り返すことにより、片面5層、両面合計10層構造の
配線基板を得た。
【0070】このようにして製造した多層配線基板につ
いて、実施例1と同様に導体層と絶縁層との接着強度、
密着性の評価試験をした結果を表1中に表示した。表か
ら明らかなようにピール強度985であり、接着強度は
著しく向上した。
【0071】〈実施例10〉この実施例は、実施例2と
同様に片面3層、両面合計6層の積層体から構成される
多層配線基板の製造例を示すものであるが、ドリルによ
り貫通口を形成する工程のタイミングが異なっている。
積層数は異なるが製造工程の順序が、実施例6に示した
図2の工程に比較的類似しているので、以下、図2を引
用して説明する。
【0072】まず、図2(a)〜図2(b)工程まで
は、実施例6と同様に処理する。ただし、図2(b)工
程の導体パターン104の表面粗化処理工程における粗
化液および処理条件は実施例6の場合とは異なり、以下
のようにした。 CuCl2(250g/l)、36%HCl(130m
l/l)、6−アミノインダゾール(0.2g/l):
液温40℃でスプレーエッチング。
【0073】次いで、図2(c)の絶縁樹脂106の形
成工程においては、実施例3および9に使用したものと
同一の樹脂を用いた。
【0074】次いで、図2(d)のパターン形成後の絶
縁樹脂層106の表面粗化処理工程において、界面活性
剤の水溶液を用いる劣化層109の除去工程の処理条件
としては、ドデシニルベンゼンスルフォン酸ナトリウム
(20g/l):液温25℃で60秒間浸漬とした。
【0075】この後、図2(e)のドリルによる貫通口
103の形成工程を、図2(f)〜図2(g)の後にず
らし、図2(h)工程の直前に移動して、それぞれの工
程を実施する。
【0076】このようにして片面2層の積層構造を得た
後、さらに図2(d)における絶縁樹脂層の表面粗化処
理、および図2(f)〜図2(h)工程を繰り返すこと
により、片面3層、両面合計6層構造の配線基板を得
た。
【0077】このようにして製造した多層配線基板につ
いて、実施例1と同様に導体層と絶縁層との接着強度、
密着性の評価試験をした結果を表1中に表示した。表か
ら明らかなようにピール強度766であり、接着強度は
著しく向上した。
【0078】〈実施例11〉この実施例は、実施例5と
同様に片面4層、両面合計8層の積層体から構成される
多層配線基板の製造例を示すものであるが、ドリルによ
り貫通口を形成する工程のタイミングが異なっている。
積層数は異なるが製造工程の順序が、実施例6に示した
図2の工程に比較的類似しているので、以下、図2を引
用して説明する。
【0079】まず、図2(a)〜図2(b)工程まで
は、実施例6と同様に処理する。ただし、図2(b)工
程の導体パターン104の表面粗化処理工程における粗
化液および処理条件は実施例6の場合とは異なり、以下
のようにした。 Cu(NH34Cl2(450g/l)、NH4Cl、2
8%アンモニア水(15ml/l)、2,4−ジアミノ
−6−フェニルトリアジン(0.5g/l):液温40
℃でスプレーエッチング。
【0080】次いで、図2(c)の絶縁樹脂106の形
成工程においては、実施例1、4および5に使用したも
のと同一の樹脂を用いた。
【0081】次いで、図2(d)のパターン形成後の絶
縁樹脂層106の表面粗化処理工程において、界面活性
剤の水溶液を用いる劣化層109の除去工程の処理条件
としては、スルフォコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナ
トリウム(50g/l):液温25℃で30秒間浸漬と
した。
【0082】次に、図2(e)のドリルによる貫通口1
03の形成工程を後回しにして、図2(f)〜図2
(h)を実施して、片面2層構造を得る。この後、図2
(d)および図2(f)〜図2(h)を再度繰り返し片
面3層構造を得る。この段階で図2(e)のドリルによ
る貫通口103の形成工程を実施する。続いて、図2
(d)および図2(f)〜図2(h)を再度繰り返し、
最終的に片面4層構造、両面合計8層に積層された配線
基板を得る。
【0083】このようにして製造した多層配線基板につ
いて、実施例1と同様に導体層と絶縁層との接着強度、
密着性の評価試験をした結果を表1中に表示した。表か
ら明らかなようにピール強度768であり、接着強度は
著しく向上した。
【0084】〈実施例12〉実施例1の各工程の中で導
体表面の粗化処理工程と絶縁層表面の劣化層を除去する
工程で用いる液組成と処理条件を、下記のように変更し
てして実施例1と同様の配線基板を製造した。
【0085】(1)導体層の粗化液と粗化処理条件は、
次の通りである。 過硫酸塩としてNa228(200g/l)、酸とし
て98%H2SO4(10ml/l)、銅腐食抑制剤とし
て2−メルカプトベンゾイミダゾール(0.1g/
l):液温40℃の粗化槽に浸漬、エアーブロー撹拌・
揺動によりエッチング。
【0086】(2)絶縁層の表面粗化処理時に生じた劣
化層を除去するための界面活性剤の水溶液及びその処理
条件は、次の通りである。 1−o−ウンデセン酸ナトリウム(5g/l):液温2
5℃で2分間浸漬。
【0087】このようにして製造した多層配線基板につ
いて、実施例1と同様に導体層と絶縁層との接着強度、
密着性の評価試験をした結果を表1中に表示した。表か
ら明らかなようにピール強度627であり、実施例3の
場合と同程度の接着強度を示した。
【0088】〈実施例13〉実施例1の各工程の中で導
体表面の粗化処理工程と絶縁層表面の劣化層を除去する
工程で用いる液組成と処理条件を、下記のように変更し
てして実施例1と同様の配線基板を製造した。
【0089】(1)導体層の粗化液と粗化処理条件は、
次の通りである。 過硫酸塩としてNa228(200g/l)、酸とし
て98%H2SO4(10ml/l)、銅腐食抑制剤とし
て6−ビニル−4,6−ジアミノ−s−トリアジン(2
g/1):液温40℃の粗化槽に浸漬、エアーブロー攪
拌・揺動によりエッチング。
【0090】(2)絶縁層の表面粗化処理時に生じた劣
化層を除去するための界面活性剤の水溶液及びその処理
条件は、次の通りである。 ドデシル硫酸ナトリウム(200g/1):液温25℃
で30秒間浸漬。
【0091】このようにして製造した多層配線基板につ
いて、実施例1と同様に導体層と絶縁層との接着強度、
密着性の評価試験をした結果を表1中に表示した。表か
ら明らかなようにピール強度890であり、比較例に比
べて著しく優れた接着強度を示した。
【0092】〈比較例1〉この例は、実施例1の各工程
の中で導体表面の粗化処理工程〔図1(b)工程〕と、
絶縁層表面の粗化処理時における劣化層を除去する工程
〔図1(e)工程〕を省略して製造したものであり、そ
の結果を表1に表示した。ピール強度は38と劣り、ま
た、ハローが観察された。
【0093】〈比較例2〉実施例7の各工程の中で導体
表面の粗化処理工程〔図2(c)工程〕と、絶縁層表面
の粗化処理時における劣化層を除去する工程〔図2
(e)工程〕を省略して製造したものであり、その結果
を表1に表示した。ピール強度は15と著しく特性が劣
り、また、ハローも観察された。
【0094】〈比較例3〉実施例9の各工程の中で導体
表面の粗化処理工程〔図2(c)工程〕と、絶縁層表面
の粗化処理時における劣化層を除去する工程〔図2
(e)工程〕を省略して製造したものであり、その結果
を表1に表示した。ピール強度は28と著しく特性が劣
り、また、ハローも観察された。
【0095】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により所期
の目的を達成することができた。すなわち、導体回路と
樹脂絶縁層との密着性が極めて優れた、ビルドアップ多
層配線基板を容易に製造することができ、産業上に寄与
する効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例となる多層配線基板の製造工
程を示す断面工程図。
【図2】本発明の他の実施例となる多層配線基板の製造
工程を示す断面工程図。
【符号の説明】
100…両面銅張り積層基板、 101…基板(積層板)、 102…銅箔、 103…貫通口、 104…導体回路、 105…導体の粗化面、 106…絶縁層(樹脂)、 108…MnO2、 109…劣化層、 110…絶縁層の粗化面、 111…めっき、 112…導体回路、 113…導体の粗化面、 114…絶縁層(樹脂)のパターニング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 欣秀 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 岡 齊 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 橋本 悟 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所情報通信事業部内 (72)発明者 藤田 繁 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所情報通信事業部内 (72)発明者 加藤 輝武 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所情報通信事業部内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導体回路形成工程と層間絶縁膜形成工程と
    を交互に繰り返し、ビルドアップ方式により多層配線基
    板を製造する方法において、前記導体回路形成工程後の
    導体表面の粗化処理を、導体腐食抑制剤を含有する粗化
    液で処理する工程として成る多層配線基板の製造方法。
  2. 【請求項2】導体回路形成工程と層間絶縁膜形成工程と
    を交互に繰り返し、ビルドアップ方式により多層配線基
    板を製造する方法において、前記層間絶縁膜形成工程後
    の絶縁膜表面の粗化処理を、アルカリ性の過マンガン酸
    塩水溶液で粗化した後、表面に形成された二酸化マンガ
    ンを溶解除去し、次いで界面活性剤を含む水溶液で絶縁
    層表面に生じた劣化層を除去する工程として成る多層配
    線基板の製造方法。
  3. 【請求項3】導体回路形成工程と層間絶縁膜形成工程と
    を交互に繰り返し、ビルドアップ方式により多層配線基
    板を製造する方法において、前記導体回路形成工程後の
    導体表面の粗化処理を、導体腐食抑制剤を含有する粗化
    液で処理する工程とすると共に、前記層間絶縁膜形成工
    程後の絶縁膜表面の粗化処理を、アルカリ性の過マンガ
    ン酸塩水溶液で粗化した後、表面に形成された二酸化マ
    ンガンを溶解除去し、次いで界面活性剤を含む水溶液で
    絶縁層表面に生じた劣化層を除去する工程として成る多
    層配線基板の製造方法。
  4. 【請求項4】上記層間絶縁膜形成工程を、アクリル酸エ
    ステル、もしくはメタクリル酸エステルを部分構造とし
    て含み、ノボラック型エポキシ樹脂から得られる樹脂を
    主成分とするネガ型感光性樹脂組成物で形成する工程と
    して有して成る請求項1乃至3いずれか一つに記載の多
    層配線基板の製造方法。
  5. 【請求項5】上記ネガ型感光性樹脂組成物を、(a)ク
    レゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールボラッ
    ク型エポキシ樹脂からなる群より選ばれる1種または2
    種以上のノボラック型エポキシ樹脂と不飽和カルボン酸
    とを酸当量/エポキシ当量比が0.1〜0.98の範囲
    で付加反応して得られる不飽和化合物の2級水酸基に、
    イソシアネートエチルメタクリレートをイソシアネート
    当量/水酸基当量比が0.1〜1.2の範囲で反応して
    得られる光重合性不飽和化合物100重量部と、(b)
    2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフ
    ォリノフェニル)−ブタン−1−オン0.1〜20重量
    部とを含有する組成物で構成して成る請求項4記載の多
    層配線基板の製造方法。
  6. 【請求項6】上記ネガ型感光性樹脂組成物を、必須成分
    として(a)分子量3,000〜30,000のジアリ
    ルフタレートのプレポリマーと、(b)ポリヒドロキシ
    化合物のアクリレート、もしくはメタクリレート及びオ
    リゴエステルメタクリレートからなる群より選ばれた少
    なくとも1種以上の多官能不飽和化合物と、(c)光重
    合開始剤と、(d)エポキシ樹脂と、(e)エポキシ樹
    脂の硬化剤と、(f)メラミン、もしくはその誘導体と
    を含む組成物で構成して成る請求項4記載の多層配線基
    板の製造方法。
  7. 【請求項7】上記ネガ型感光性樹脂組成物を、(a)平
    均して1分子当たり複数個のエポキシ基を持ったエポキ
    シ樹脂と不飽和カルボン酸との反応生成物である室温で
    固形状の多官能化合物と、(b)1分子当たり複数個の
    エチレン結合を持つ室温で液体状の多官能アクリレー
    ト、もしくは多官能メタクリレートと、(c)光重合開
    始剤と、(d)エポキシ樹脂と、(e)エポキシ樹脂の
    硬化剤と、(f)メラミン、もしくはその誘導体とを含
    む組成物で構成して成る請求項4記載の多層配線基板の
    製造方法。
  8. 【請求項8】上記界面活性剤を、アニオン系界面活性剤
    で構成して成る請求項2乃至7いずれか一つに記載の多
    層配線基板の製造方法。
  9. 【請求項9】上記界面活性剤を、アニオン系界面活性剤
    を主成分とし、副成分として可溶性のカチオン系界面活
    性剤を含む界面活性剤で構成して成る請求項2乃至7い
    ずれか一つに記載の多層配線基板の製造方法。
  10. 【請求項10】上記アニオン系界面活性剤を、疎水性ア
    ルキル鎖炭素数が8〜30であるアルキルベンゼンスル
    ホン酸類、アルキルナフタレンスルフォン酸類、もしく
    はアルキルスルフォコハク酸類の金属塩のいずれか一
    つ、もしくはそれらの混合物で構成して成る請求項8も
    しくは9記載の多層配線基板の製造方法。
  11. 【請求項11】上記導体回路を銅層で構成すると共に、
    導体腐食抑制剤を含有する粗化液を、過硫酸塩/酸/銅
    腐食抑制剤系、硫酸/過酸化水素/銅腐食抑制剤系、塩
    化第二鉄/銅腐食抑制剤系、塩化第二銅/銅腐食抑制剤
    系、および塩化テトラアンミン銅/銅腐食抑制剤系いず
    れか一つの溶液で構成して成る請求項1もしくは3乃至
    10いずれか一つに記載の多層配線基板の製造方法。
  12. 【請求項12】上記銅腐食抑制剤を、2−メルカプトベ
    ンゾイミダゾール、6−アミノインダゾール、2,4−
    ジアミノ−6−フェニルトリアジン、2−ビニル−4,
    6−ジアミノ−s−トリアジン、2−メチルベンゾチア
    ゾール、メラミン、2−N−n−ブチルメラミンの少な
    くとも1種で構成して成る請求項11記載の多層配線基
    板の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001053569A1 (en) * 2000-01-20 2001-07-26 Nikko Materials Company, Limited Copper electroplating liquid, pretreatment liquid for copper electroplating and method of copper electroplating
JP2009038390A (ja) * 2008-09-29 2009-02-19 Ibiden Co Ltd 多層プリント配線板の製造方法
USRE40947E1 (en) 1997-10-14 2009-10-27 Ibiden Co., Ltd. Multilayer printed wiring board and its manufacturing method, and resin composition for filling through-hole
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