JPH08136520A - 液体クロマトグラフィー用カラム - Google Patents
液体クロマトグラフィー用カラムInfo
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- JPH08136520A JPH08136520A JP6270968A JP27096894A JPH08136520A JP H08136520 A JPH08136520 A JP H08136520A JP 6270968 A JP6270968 A JP 6270968A JP 27096894 A JP27096894 A JP 27096894A JP H08136520 A JPH08136520 A JP H08136520A
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- Japan
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- column
- hydroxyapatite
- substance
- acidic
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- Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】アスペクト比10以上の針状ハイドロキシアパ
タイト結晶を含むカラム充填剤層と、アスペクト比2未
満の板状ハイドロキシアパタイト結晶を含むカラム充填
剤層とを、直列に接続した液体クロマトグラフィー用カ
ラム。 【効果】本発明は、酸性生化学物質及び塩基性生化学物
質の分離度を良好なものとすると共に、各物質に対して
優れた吸着特性を示す。従って種々の生化学分析等に利
用できる。
タイト結晶を含むカラム充填剤層と、アスペクト比2未
満の板状ハイドロキシアパタイト結晶を含むカラム充填
剤層とを、直列に接続した液体クロマトグラフィー用カ
ラム。 【効果】本発明は、酸性生化学物質及び塩基性生化学物
質の分離度を良好なものとすると共に、各物質に対して
優れた吸着特性を示す。従って種々の生化学分析等に利
用できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医学、薬学、生化学等
の分野におけるタンパク質、核酸、糖類等の生化学物質
の分析若しくは分取等に利用可能な液体クロマトグラフ
ィー用カラムに関する。
の分野におけるタンパク質、核酸、糖類等の生化学物質
の分析若しくは分取等に利用可能な液体クロマトグラフ
ィー用カラムに関する。
【0002】
【従来の技術】ハイドロキシアパタイトをカラム充填剤
とする液体クロマトグラフィーは、1956年チゼリウ
スによって創案され、当初実験室的に合成されていた
が、その後大量合成した市販品が供されている。このよ
うな市販品としては、例えば湿式合成もしくは水熱合成
した板状ハイドロキシアパタイト結晶を、スプレードラ
イ法等により球状に造粒した充填剤(特開平1−230
413号公報)等が知られている。該板状ハイドロキシ
アパタイト結晶を含むカラム充填剤を用いたクロマトグ
ラフィーの吸着分離機構は、例えば酸性の生化学物質の
場合、その分子表面上の負に帯電した官能基(酸性タン
パク質のカルボキシル基、DNAのポリヌクレオチド中
のリン酸基等)により、該板状結晶のA面又はB面上に
存在するカルシウムイオンより構成される正に帯電した
吸着サイトに吸着する。一方、塩基性生化学物質の場
合、その分子表面上の正に帯電した官能基(塩基性タン
パク質のアミノ基等)により、板状結晶のC面上に存在
するリン酸イオンより構成される負に帯電した吸着サイ
トに吸着する。
とする液体クロマトグラフィーは、1956年チゼリウ
スによって創案され、当初実験室的に合成されていた
が、その後大量合成した市販品が供されている。このよ
うな市販品としては、例えば湿式合成もしくは水熱合成
した板状ハイドロキシアパタイト結晶を、スプレードラ
イ法等により球状に造粒した充填剤(特開平1−230
413号公報)等が知られている。該板状ハイドロキシ
アパタイト結晶を含むカラム充填剤を用いたクロマトグ
ラフィーの吸着分離機構は、例えば酸性の生化学物質の
場合、その分子表面上の負に帯電した官能基(酸性タン
パク質のカルボキシル基、DNAのポリヌクレオチド中
のリン酸基等)により、該板状結晶のA面又はB面上に
存在するカルシウムイオンより構成される正に帯電した
吸着サイトに吸着する。一方、塩基性生化学物質の場
合、その分子表面上の正に帯電した官能基(塩基性タン
パク質のアミノ基等)により、板状結晶のC面上に存在
するリン酸イオンより構成される負に帯電した吸着サイ
トに吸着する。
【0003】しかしながら、前記板状ハイドロキシアパ
タイト結晶は、形態制御されたものではなく、通常のア
スペクト比(c/a)が3.0程度の六角柱状微結晶で
あるため、結晶のC面表面積は大きいが、結晶のA面又
はB面の表面積は相対的に大きくない。従って、塩基性
生化学物質を吸着するC面上の吸着サイトの吸着結合力
は強いが、酸性生化学物質を吸着するA面又はB面上の
吸着サイトの吸着結合力は弱くなる。このような板状結
晶をカラム充填剤に用いた場合の塩基性生化学物質と酸
性生化学物質との分離度及び各物質の吸着力を図1
(a)に示し、詳述する。この際分離度とは、図1にお
ける塩基性生化学物質の保持時間と、酸性生化学物質の
保持時間との差で表わすことができ、保持時間の差が大
きいほど分離度に優れていることを示す。一方吸着力
は、各々の物質の吸光度の値で表わすことができ、吸光
度が高いほどその物質に対する吸着力に優れていること
を示す。してみると、板状ハイドロキシアパタイト結晶
の場合、図1(a)に示されるように、酸性生化学物質
の吸着結合力は弱く(吸光度が低い)、その保持時間は
一般に短いが、塩基性生化学物質、特に等電点が7.0
を越える塩基性タンパク質等の吸着結合力は良好(吸光
度が高い)で、その保持時間は一般に長い。従って、こ
の板状結晶では、塩基性生化学物質と酸性生化学物質の
分離度は良好であるが、酸性生化学物質(酸性タンパク
質、DNA等)の吸着結合力が弱く、故に酸性生化学物
質の吸着分離特性が劣るという欠点がある。
タイト結晶は、形態制御されたものではなく、通常のア
スペクト比(c/a)が3.0程度の六角柱状微結晶で
あるため、結晶のC面表面積は大きいが、結晶のA面又
はB面の表面積は相対的に大きくない。従って、塩基性
生化学物質を吸着するC面上の吸着サイトの吸着結合力
は強いが、酸性生化学物質を吸着するA面又はB面上の
吸着サイトの吸着結合力は弱くなる。このような板状結
晶をカラム充填剤に用いた場合の塩基性生化学物質と酸
性生化学物質との分離度及び各物質の吸着力を図1
(a)に示し、詳述する。この際分離度とは、図1にお
ける塩基性生化学物質の保持時間と、酸性生化学物質の
保持時間との差で表わすことができ、保持時間の差が大
きいほど分離度に優れていることを示す。一方吸着力
は、各々の物質の吸光度の値で表わすことができ、吸光
度が高いほどその物質に対する吸着力に優れていること
を示す。してみると、板状ハイドロキシアパタイト結晶
の場合、図1(a)に示されるように、酸性生化学物質
の吸着結合力は弱く(吸光度が低い)、その保持時間は
一般に短いが、塩基性生化学物質、特に等電点が7.0
を越える塩基性タンパク質等の吸着結合力は良好(吸光
度が高い)で、その保持時間は一般に長い。従って、こ
の板状結晶では、塩基性生化学物質と酸性生化学物質の
分離度は良好であるが、酸性生化学物質(酸性タンパク
質、DNA等)の吸着結合力が弱く、故に酸性生化学物
質の吸着分離特性が劣るという欠点がある。
【0004】そこで、このような欠点を解決するため
に、酸性生化学物質の吸着サイトを有するA面又はB面
を選択的に成長させた、即ち結晶のA面又はB面の表面
積を相対的に増大させて酸性生化学物質の吸着結合力を
強くした針状ハイドロキシアパタイト結晶を含むカラム
充填剤が提案されている。
に、酸性生化学物質の吸着サイトを有するA面又はB面
を選択的に成長させた、即ち結晶のA面又はB面の表面
積を相対的に増大させて酸性生化学物質の吸着結合力を
強くした針状ハイドロキシアパタイト結晶を含むカラム
充填剤が提案されている。
【0005】しかしながら、前記針状結晶の場合、図1
(b)に示されるとおり、酸性生化学物質の吸着結合力
が強くなると共に、酸性生化学物質の保持時間が増長
し、且つ塩基性生化学物質の保持時間が減短するため、
双方の保持時間が接近してピークが重なり合う恐れが生
じ、分離度が極端に低下するという欠点がある。
(b)に示されるとおり、酸性生化学物質の吸着結合力
が強くなると共に、酸性生化学物質の保持時間が増長
し、且つ塩基性生化学物質の保持時間が減短するため、
双方の保持時間が接近してピークが重なり合う恐れが生
じ、分離度が極端に低下するという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、酸性生化学物質と塩基性生化学物質との良好な分離
度と、各物質に対する優れた吸着力とを兼備し、バラン
スの良い分離展開能を示す液体クロマトグラフィー用カ
ラムを提供することにある。
は、酸性生化学物質と塩基性生化学物質との良好な分離
度と、各物質に対する優れた吸着力とを兼備し、バラン
スの良い分離展開能を示す液体クロマトグラフィー用カ
ラムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、アスペ
クト比10以上の針状ハイドロキシアパタイト結晶を含
むカラム充填剤層(以下カラム充填剤層Aと称す)と、
アスペクト比2未満の板状ハイドロキシアパタイト結晶
を含むカラム充填剤層(以下カラム充填剤層Bと称す)
とを、直列に接続したことを特徴とする液体クロマトグ
ラフィー用カラムが提供される。
クト比10以上の針状ハイドロキシアパタイト結晶を含
むカラム充填剤層(以下カラム充填剤層Aと称す)と、
アスペクト比2未満の板状ハイドロキシアパタイト結晶
を含むカラム充填剤層(以下カラム充填剤層Bと称す)
とを、直列に接続したことを特徴とする液体クロマトグ
ラフィー用カラムが提供される。
【0008】以下本発明を更に詳細に説明する。本発明
の液体クロマトグラフィー用カラムは、前記カラム充填
剤層Aと、前記カラム充填剤層Bとを、直列に接続した
ことを特徴とする。このように前記カラム充填剤層A及
びBを直列に接続することにより、酸性生化学物質及び
塩基性生化学物質をバランス良く分離展開させることが
できるのは、以下の吸着機構によるものと考えられる。
の液体クロマトグラフィー用カラムは、前記カラム充填
剤層Aと、前記カラム充填剤層Bとを、直列に接続した
ことを特徴とする。このように前記カラム充填剤層A及
びBを直列に接続することにより、酸性生化学物質及び
塩基性生化学物質をバランス良く分離展開させることが
できるのは、以下の吸着機構によるものと考えられる。
【0009】本発明のカラムを構成する各充填剤層を、
例えば上層に前記カラム充填剤層Bが、下層に前記カラ
ム充填剤層Aが配置するように直列に接続した場合、グ
ラジエント溶出によって、酸性生化学物質は、まず上層
のカラム充填剤層Bに吸着し、すぐに低溶媒濃度にて脱
離するが、次いで下層のカラム充填剤層Aに再吸着し、
更に高溶媒濃度となってから下層から脱離して溶出す
る。従ってこの際、酸性生化学物質の保持時間は図1
(b)及び(c)に示すとおり、カラム充填剤層A(針
状ハイドロキシアパタイト結晶)単独の場合と同程度の
長さとなり、しかも、吸着力も良好となる。これに対
し、塩基性生化学物質は、上層のカラム充填剤層Bに吸
着した後、前記酸性生化学物質が下層から脱離するより
更に高溶媒濃度になるまで保持された後に脱離し、次い
で下層のカラム充填剤層Aに吸着することなく通過す
る。従ってこの際、塩基性生化学物質の保持時間は、図
1(a)及び(c)に示すとおり、カラム充填剤層B
(板状ハイドロキシアパタイト結晶)単独の場合と同程
度の長さとなり、しかも吸着力も良好となる。即ち、本
発明のカラムでは、カラム充填剤層Aとカラム充填剤層
Bとを直列に接続することにより、各々の充填剤層単独
使用における欠点を改善し、各物質に対する良好な分離
度と優れた吸着力とを兼備し、バランスの良い分離展開
能を示すように作用する。なお、各充填剤層を、前述の
例示とは逆に、カラム充填剤層Aを上層に、カラム充填
剤層Bを下層に直列に接続することによっても同様な作
用効果が得られる。
例えば上層に前記カラム充填剤層Bが、下層に前記カラ
ム充填剤層Aが配置するように直列に接続した場合、グ
ラジエント溶出によって、酸性生化学物質は、まず上層
のカラム充填剤層Bに吸着し、すぐに低溶媒濃度にて脱
離するが、次いで下層のカラム充填剤層Aに再吸着し、
更に高溶媒濃度となってから下層から脱離して溶出す
る。従ってこの際、酸性生化学物質の保持時間は図1
(b)及び(c)に示すとおり、カラム充填剤層A(針
状ハイドロキシアパタイト結晶)単独の場合と同程度の
長さとなり、しかも、吸着力も良好となる。これに対
し、塩基性生化学物質は、上層のカラム充填剤層Bに吸
着した後、前記酸性生化学物質が下層から脱離するより
更に高溶媒濃度になるまで保持された後に脱離し、次い
で下層のカラム充填剤層Aに吸着することなく通過す
る。従ってこの際、塩基性生化学物質の保持時間は、図
1(a)及び(c)に示すとおり、カラム充填剤層B
(板状ハイドロキシアパタイト結晶)単独の場合と同程
度の長さとなり、しかも吸着力も良好となる。即ち、本
発明のカラムでは、カラム充填剤層Aとカラム充填剤層
Bとを直列に接続することにより、各々の充填剤層単独
使用における欠点を改善し、各物質に対する良好な分離
度と優れた吸着力とを兼備し、バランスの良い分離展開
能を示すように作用する。なお、各充填剤層を、前述の
例示とは逆に、カラム充填剤層Aを上層に、カラム充填
剤層Bを下層に直列に接続することによっても同様な作
用効果が得られる。
【0010】前記カラム充填剤層Aは、アスペクト比が
10以上、好ましくは15以上の針状ハイドロキシアパ
タイト結晶を含む。この際アスペクト比とは、ハイドロ
キシアパタイト1次結晶のc軸方向の結晶子径を長軸と
し、a軸又はb軸方向の結晶子径を短軸とした場合の相
対比(c/a)のことであり、このようなc軸方向の結
晶子径は、50〜2000nm、a軸方向の結晶子径は
10〜100nmに調整するのが好ましい。
10以上、好ましくは15以上の針状ハイドロキシアパ
タイト結晶を含む。この際アスペクト比とは、ハイドロ
キシアパタイト1次結晶のc軸方向の結晶子径を長軸と
し、a軸又はb軸方向の結晶子径を短軸とした場合の相
対比(c/a)のことであり、このようなc軸方向の結
晶子径は、50〜2000nm、a軸方向の結晶子径は
10〜100nmに調整するのが好ましい。
【0011】前記針状ハイドロキシアパタイト結晶を調
製するには、例えば湿式合成法により得られるハイドロ
キシアパタイトスラリーに、EDTA等を添加した後、
水熱処理する方法、湿式合成法により得られるハイドロ
キシアパタイトスラリーに塩酸を添加溶解し、pH=4
〜6に調整した後、水熱処理する方法等の公知の方法に
より得ることができる。
製するには、例えば湿式合成法により得られるハイドロ
キシアパタイトスラリーに、EDTA等を添加した後、
水熱処理する方法、湿式合成法により得られるハイドロ
キシアパタイトスラリーに塩酸を添加溶解し、pH=4
〜6に調整した後、水熱処理する方法等の公知の方法に
より得ることができる。
【0012】前記カラム充填剤層Aを調製するには、前
記針状ハイドロキシアパタイトを、好ましくは粒径1〜
100μmの球状凝集体に造粒し、カラムに充填する方
法等により得ることができる。該造粒された球状凝集体
の比表面積は、10〜100m2/gであるのが好まし
い。
記針状ハイドロキシアパタイトを、好ましくは粒径1〜
100μmの球状凝集体に造粒し、カラムに充填する方
法等により得ることができる。該造粒された球状凝集体
の比表面積は、10〜100m2/gであるのが好まし
い。
【0013】また前記カラム充填剤層Bは、アスペクト
比が2未満、好ましくは 未満の板状ハイドロキシア
パタイト結晶を含む。この際板状ハイドロキシアパタイ
ト結晶のc軸方向の結晶子径は、1〜200μm、a軸
方向の結晶子径は10〜100μmに調整するのが好ま
しい。
比が2未満、好ましくは 未満の板状ハイドロキシア
パタイト結晶を含む。この際板状ハイドロキシアパタイ
ト結晶のc軸方向の結晶子径は、1〜200μm、a軸
方向の結晶子径は10〜100μmに調整するのが好ま
しい。
【0014】前記板状ハイドロキシアパタイト結晶を調
製するには、例えば湿式合成法により得られるハイドロ
キシアパタイトスラリーに、塩化ナトリウム等を添加し
た後、水熱処理する方法、湿式合成法により得られるハ
イドロキシアパタイトスラリーに水酸化ナトリウムを添
加溶解し、pH=10〜14に調整した後、水熱処理す
る方法等の公知の方法により得ることができる。
製するには、例えば湿式合成法により得られるハイドロ
キシアパタイトスラリーに、塩化ナトリウム等を添加し
た後、水熱処理する方法、湿式合成法により得られるハ
イドロキシアパタイトスラリーに水酸化ナトリウムを添
加溶解し、pH=10〜14に調整した後、水熱処理す
る方法等の公知の方法により得ることができる。
【0015】前記カラム充填剤層Bを調製するには、前
記板状ハイドロキシアパタイト結晶を好ましくは粒径1
〜100μmの球状凝集体に造粒し、カラムに充填する
方法等により得ることができる。該造粒された球状凝集
体の比表面積は、10〜100m2/gであるのが好ま
しい。
記板状ハイドロキシアパタイト結晶を好ましくは粒径1
〜100μmの球状凝集体に造粒し、カラムに充填する
方法等により得ることができる。該造粒された球状凝集
体の比表面積は、10〜100m2/gであるのが好ま
しい。
【0016】本発明の液体クロマトグラフィー用カラム
において、前記カラム充填剤層A及びBの配合割合は、
A:B=1:10〜10:1が好ましく、特に1:2〜
2:1が望ましい。
において、前記カラム充填剤層A及びBの配合割合は、
A:B=1:10〜10:1が好ましく、特に1:2〜
2:1が望ましい。
【0017】本発明の液体クロマトグラフィー用カラム
は、前記カラム充填剤層Aと前記カラム充填剤層Bとを
直列に接続したものであって、精製すべき生化学物質と
しては、トリプトファン、アルブミン、リゾチーム、チ
トクロムC等のアミノ酸やタンパク質;一本鎖DNA、
二本鎖DNA等の核酸等を好ましく挙げることができ
る。
は、前記カラム充填剤層Aと前記カラム充填剤層Bとを
直列に接続したものであって、精製すべき生化学物質と
しては、トリプトファン、アルブミン、リゾチーム、チ
トクロムC等のアミノ酸やタンパク質;一本鎖DNA、
二本鎖DNA等の核酸等を好ましく挙げることができ
る。
【0018】
【発明の効果】本発明の液体クロマトグラフィー用カラ
ムは、針状ハイドロキシアパタイト結晶を含むカラム充
填剤層と、板状ハイドロキシアパタイト結晶を含むカラ
ム充填剤層とを直列に接続しているので、酸性生化学物
質及び塩基性生化学物質の分離度を良好なものとすると
共に、各物質に対して優れた吸着特性を示す。従って種
々の生化学分析等に利用できる。
ムは、針状ハイドロキシアパタイト結晶を含むカラム充
填剤層と、板状ハイドロキシアパタイト結晶を含むカラ
ム充填剤層とを直列に接続しているので、酸性生化学物
質及び塩基性生化学物質の分離度を良好なものとすると
共に、各物質に対して優れた吸着特性を示す。従って種
々の生化学分析等に利用できる。
【0019】
【実施例1】水酸化カルシウム7.37gと85重量%
リン酸6.89gとを湿式合成した2重量%ハイドロキ
シアパタイトスラリー500mlに、塩化ナトリウム5
0gを添加し、200℃、2MPa、5時間の条件で水
熱処理して板状のハイドロキシアパタイト1次結晶を得
た。この結晶のアスペクト比をX線回折法により測定し
たところ1.7であった。また、C軸方向の結晶子径は
100nmであった。次に、水酸化カルシウム7.37
gと85重量%リン酸6.89gとを湿式合成した2重
量%ハイドロキシアパタイトスラリー500mlにED
TA25gを添加し、200℃、2MPa、5時間の条
件で水熱処理して針状のハイドロキシアパタイト1次結
晶を得た。この結晶のアスペクト比をX線回折法により
測定したところ12.9であった。また、C軸方向の結
晶子径は300nmであった。得られた板状及び針状双
方のハイドロキシアパタイト1次結晶を、スプレードラ
イ法により造粒した後、900℃、1時間焼成処理し、
それぞれ平均粒径6μmの球状凝集体を得た。4φ×1
50Lmmのステンレス製カラム2本に、これら2種類
の結晶から構成されるカラム充填剤を各々別々に充填し
た。次にこの2本のカラムをジョイントで直列に接続
し、液体クロマトグラフ装置に取り付けた。次いでトリ
プトファン、アルブミン、リゾチーム及びチトクロムC
の4種の生化学物質混合水溶液をカラム内に注入し、吸
着させた後、10〜350mMKH2PO4水溶液のリニ
アグラジエント(30分)で展開溶出試験(流速:0.
2ml/分、検出:UV(280nm))を行なった。
その結果を図1(c)に示す。また最も保持時間が接近
する酸性生化学物質のアルブミンと塩基性生化学物質リ
ゾチームとの分離度を算出し、比較した。その結果を表
1に示す。これらの結果より、本発明のカラムは、酸性
化学物質及び塩基性化学物質の両方が良好にバランス良
く吸着分離されていることが判った。
リン酸6.89gとを湿式合成した2重量%ハイドロキ
シアパタイトスラリー500mlに、塩化ナトリウム5
0gを添加し、200℃、2MPa、5時間の条件で水
熱処理して板状のハイドロキシアパタイト1次結晶を得
た。この結晶のアスペクト比をX線回折法により測定し
たところ1.7であった。また、C軸方向の結晶子径は
100nmであった。次に、水酸化カルシウム7.37
gと85重量%リン酸6.89gとを湿式合成した2重
量%ハイドロキシアパタイトスラリー500mlにED
TA25gを添加し、200℃、2MPa、5時間の条
件で水熱処理して針状のハイドロキシアパタイト1次結
晶を得た。この結晶のアスペクト比をX線回折法により
測定したところ12.9であった。また、C軸方向の結
晶子径は300nmであった。得られた板状及び針状双
方のハイドロキシアパタイト1次結晶を、スプレードラ
イ法により造粒した後、900℃、1時間焼成処理し、
それぞれ平均粒径6μmの球状凝集体を得た。4φ×1
50Lmmのステンレス製カラム2本に、これら2種類
の結晶から構成されるカラム充填剤を各々別々に充填し
た。次にこの2本のカラムをジョイントで直列に接続
し、液体クロマトグラフ装置に取り付けた。次いでトリ
プトファン、アルブミン、リゾチーム及びチトクロムC
の4種の生化学物質混合水溶液をカラム内に注入し、吸
着させた後、10〜350mMKH2PO4水溶液のリニ
アグラジエント(30分)で展開溶出試験(流速:0.
2ml/分、検出:UV(280nm))を行なった。
その結果を図1(c)に示す。また最も保持時間が接近
する酸性生化学物質のアルブミンと塩基性生化学物質リ
ゾチームとの分離度を算出し、比較した。その結果を表
1に示す。これらの結果より、本発明のカラムは、酸性
化学物質及び塩基性化学物質の両方が良好にバランス良
く吸着分離されていることが判った。
【0020】
【比較例1】実施例1で得られた板状ハイドロキシアパ
タイトの平均粒径6μmの球状凝集体を、4φ×300
Lmmのステンレス製カラムに充填し、実施例1と同様
な方法で展開溶出試験を行なった。その結果を図1
(a)及び表1に示す。これらの結果より、酸性生化学
物質のアルブミンと塩基性生化学物質のリゾチームとの
分離度は良好であるが、酸性生化学物質の吸着結合力が
悪いことが判った。
タイトの平均粒径6μmの球状凝集体を、4φ×300
Lmmのステンレス製カラムに充填し、実施例1と同様
な方法で展開溶出試験を行なった。その結果を図1
(a)及び表1に示す。これらの結果より、酸性生化学
物質のアルブミンと塩基性生化学物質のリゾチームとの
分離度は良好であるが、酸性生化学物質の吸着結合力が
悪いことが判った。
【0021】
【比較例2】実施例1で得られた針状ハイドロキシアパ
タイトの平均粒径6μmの球状凝集体を、4φ×300
Lmmのステンレス製カラムに充填し、実施例1と同様
な方法で展開溶出試験を行なった。その結果を図1
(b)及び表1に示す。これらの結果より酸性生化学物
質及び塩基性生化学物質の吸着結合力は良好であるが、
分離度が悪いことが判った。
タイトの平均粒径6μmの球状凝集体を、4φ×300
Lmmのステンレス製カラムに充填し、実施例1と同様
な方法で展開溶出試験を行なった。その結果を図1
(b)及び表1に示す。これらの結果より酸性生化学物
質及び塩基性生化学物質の吸着結合力は良好であるが、
分離度が悪いことが判った。
【0022】
【表1】
【図1】図1(a)は、板状ハイドロキシアパタイト結
晶を含むカラム及び実施例1の展開溶出試験の結果を示
すグラフである。図1(b)は、針状ハイドロキシアパ
タイト含むカラム及び比較例1の展開溶出試験の結果を
示すグラフである。図1(c)は、板状ハイドロキシア
パタイト結晶と針状ハイドロキシアパタイト結晶とを含
むカラム及び比較例2の展開溶出試験の結果を示すグラ
フである。
晶を含むカラム及び実施例1の展開溶出試験の結果を示
すグラフである。図1(b)は、針状ハイドロキシアパ
タイト含むカラム及び比較例1の展開溶出試験の結果を
示すグラフである。図1(c)は、板状ハイドロキシア
パタイト結晶と針状ハイドロキシアパタイト結晶とを含
むカラム及び比較例2の展開溶出試験の結果を示すグラ
フである。
Claims (1)
- 【請求項1】 アスペクト比10以上の針状ハイドロキ
シアパタイト結晶を含むカラム充填剤層と、アスペクト
比2未満の板状ハイドロキシアパタイト結晶を含むカラ
ム充填剤層とを、直列に接続したことを特徴とする液体
クロマトグラフィー用カラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6270968A JPH08136520A (ja) | 1994-11-04 | 1994-11-04 | 液体クロマトグラフィー用カラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6270968A JPH08136520A (ja) | 1994-11-04 | 1994-11-04 | 液体クロマトグラフィー用カラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08136520A true JPH08136520A (ja) | 1996-05-31 |
Family
ID=17493543
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6270968A Withdrawn JPH08136520A (ja) | 1994-11-04 | 1994-11-04 | 液体クロマトグラフィー用カラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08136520A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999015251A1 (fr) * | 1997-09-22 | 1999-04-01 | Organo Corporation | Procede et equipement de separation chromatographique |
JP2001287903A (ja) * | 2000-04-05 | 2001-10-16 | Asahi Kasei Corp | 針状アパタイト粒子の製造方法 |
JP2008069041A (ja) * | 2006-09-14 | 2008-03-27 | Okayama Univ | アパタイト複合体及びその製造方法 |
JP2011079697A (ja) * | 2009-10-06 | 2011-04-21 | Hyogo Prefecture | 球状ヒドロキシアパタイト及びその製造方法 |
-
1994
- 1994-11-04 JP JP6270968A patent/JPH08136520A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999015251A1 (fr) * | 1997-09-22 | 1999-04-01 | Organo Corporation | Procede et equipement de separation chromatographique |
US6331250B1 (en) | 1997-09-22 | 2001-12-18 | Organo Corporation | Method and equipment for chromatographic separation |
JP2001287903A (ja) * | 2000-04-05 | 2001-10-16 | Asahi Kasei Corp | 針状アパタイト粒子の製造方法 |
JP2008069041A (ja) * | 2006-09-14 | 2008-03-27 | Okayama Univ | アパタイト複合体及びその製造方法 |
JP2011079697A (ja) * | 2009-10-06 | 2011-04-21 | Hyogo Prefecture | 球状ヒドロキシアパタイト及びその製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020115 |