JPH08134496A - 洗浄剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 （Ａ）重量比で（１）／（２）＝１００／０
〜７０／３０であるリン酸エステル系界面活性剤、 【化１】 （Ｒ¹ 、Ｒ² はＣ₁₀〜Ｃ₁₈のアルキル基等、Ｘ¹ 〜Ｘ³
はＨ、アルカリ金属等、ｋ、ｍ及びｎは０〜１０の
数）、及び（Ｂ）アミド基を有するヒドロキシスルホベ
タイン（３） 【化２】 （Ｒ⁴ はＣ₇ 〜Ｃ₂₃の炭化水素基、Ｒ⁵ はＨ、Ｃ₁ 〜Ｃ
₄ の炭化水素基、Ｒ⁶ 及びＲ⁷ はＣ₁ 〜Ｃ₄ の炭化水素
基、ｐは１〜６の数）を含有する洗浄剤組成物。 【効果】 皮膚等に対する刺激が少なく、起泡性に優
れ、泡質がクリーミーで、しかも洗浄後の皮膚等の感触
が良好である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、起泡力及び泡質に優
れ、しかも使用後の皮膚や毛髪の感触が良好な洗浄剤組
成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、リン酸エステル系界面活性剤は、
皮膚に対して低刺激であることから、シャンプーや皮膚
洗浄剤の主成分として使用されている（特公昭５５−９
０３３号公報、特公昭５７−４７９５９号公報）。しか
しながら、特にモノアルキルリン酸エステルは、洗浄剤
の主成分として単独で用いた場合、起泡力や泡質等が充
分でないという欠点があるため、他の界面活性剤と組合
わせて用いる方法が提案されている（特公平２−４６６
３９号公報、特公平６−３３４０４号公報等）。

【０００３】ここで、リン酸エステルと組合わせて用い
られる界面活性剤としては、リン酸エステルの増泡効果
に優れることから、各種のベタイン型界面活性剤が多用
されている。かかるベタイン型界面活性剤としては、例
えば、特公平２−４６６３９号公報に記載されているヒ
ドロキシスルホベタインや、特公平６−３３４０４号公
報に記載されているアミドプロピルベタイン等が挙げら
れるが、これらは、いずれも起泡力及び泡質の両方を満
足するものではなく、さらにこれらとリン酸エステルを
組合わせても、洗浄後の感触、特にしっとり感という点
で充分満足できるものではなかった。

【０００４】また、炭素数９以下の短鎖ジアルキル又は
ジアルケニルリン酸塩は、他のリン酸エステルの有する
起泡性を維持するのに有効であり、これらと両性界面活
性剤を含有する組成物も提案されている（特開平２−１
９３９１０号公報）。しかしながら、これらの短鎖ジア
ルキル又はジアルケニルリン酸塩を含有する洗浄剤は、
洗浄後の感触などの点で充分満足できるものではなかっ
た。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、リ
ン酸エステル系界面活性剤の低刺激性という特徴を維持
したまま、起泡性に優れ、泡質がクリーミーで、しかも
洗浄後の皮膚等の感触が良好な洗浄剤組成物を提供する
ことを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、リン酸エステル系界
面活性剤と、特定のアミド基を有するヒドロキシスルホ
ベタインを組合わせて用いれば、短鎖ジアルキル又はジ
アルケニルリン酸塩を含まなくても、起泡性に優れ、泡
質がクリーミーで、しかも洗浄後の皮膚等の感触が良好
な洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成
した。

【０００７】すなわち、本発明は、次の成分（Ａ）及び
（Ｂ）： （Ａ）一般式（１）で表されるリン酸エステル系界面活
性剤又はこれと一般式（２）で表されるリン酸エステル
系界面活性剤との混合物であって、その含有重量比が
（１）／（２）＝１００／０〜７０／３０であるリン酸
エステル系界面活性剤

【０００８】

【化３】

【０００９】（式中、Ｒ¹ 及びＲ² はそれぞれ炭素数１
０〜１８の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル
基を示し、Ｘ¹ 、Ｘ² 及びＸ³ はそれぞれ水素原子、ア
ルカリ金属、アンモニウム又はアルカノールアンモニウ
ムを示し、ｋ、ｍ及びｎは、それぞれ０〜１０の数を示
す） （Ｂ）一般式（３）で表されるアミド基を有するヒドロ
キシスルホベタイン

【００１０】

【化４】

【００１１】（式中、Ｒ⁴ は炭素数７〜２３の直鎖又は
分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、Ｒ⁵ は水
素原子又は炭素数１〜４の炭化水素基を示し、Ｒ⁶ 及び
Ｒ⁷ は同一又は異なって、炭素数１〜４の炭化水素基を
示し、ｐは１〜６の数を示す）を含有することを特徴と
する洗浄剤組成物を提供するものである。

【００１２】また、本発明は、前記成分（Ａ）及び
（Ｂ）に加え、更に、一般式（５）で表わされる脂肪酸
塩； Ｒ⁹ＣＯＯＸ⁵ ・・・（５） （式中、Ｒ⁹ は炭素数７〜１７の直鎖又は分岐鎖のアル
キル基又はアルケニル基を示し、Ｘ⁵ は水素原子、アル
カリ金属、アンモニウム又はアルカノールアンモニウム
を示す）を含有する洗浄剤組成物を提供するものであ
る。

【００１３】本発明に使用される成分（Ａ）のリン酸エ
ステル系界面活性剤において、一般式（１）及び（２）
中、Ｒ¹ 及びＲ² で示される炭素数１０〜１８の直鎖又
は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基としては、例え
ばノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ト
リデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘプタ
デシル基、オクタデシル基等が挙げられ、特に炭素数１
２〜１６のものが好ましく、さらに炭素数１２〜１４の
アルキル基が好ましい。Ｘ¹ 、Ｘ² 及びＸ³ としては、
例えば水素原子、ナトリウム、カリウム、モノエタノー
ルアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタ
ノールアンモニウム、アンモニウム等が挙げられ、この
うちアルカリ金属、トリエタノールアンモニウムがより
好ましく、特に水に対する溶解性の点からカリウムが好
ましい。さらに、ｋ、ｍ及びｎは、０のものが好まし
い。

【００１４】また、成分（Ａ）中のモノアルキルリン酸
エステル（１）の含有率は７０重量％以上であることが
必要であり、８０重量％以上、特に９０重量％以上が好
ましい。モノアルキルリン酸エステル（１）が７０重量
％未満では、起泡性及び洗浄力が劣り好ましくない。

【００１５】なお、本発明の洗浄剤組成物には、一般式
（４）

【００１６】

【化５】

【００１７】（式中、Ｒ⁸ はそれぞれ炭素数９以下の直
鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、Ｘ
⁴ は水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又はアルカ
ノールアンモニウムを示し、ｒ及びｓは、それぞれ０〜
４の数を示す）で表わされる短鎖ジアルキル又はジアル
ケニルリン酸塩を含まないのが望ましい。

【００１８】本発明に使用される成分（Ｂ）のアミド基
を有するヒドロキシスルホベタインにおいて、一般式
（３）中、Ｒ⁴ としては炭素数９〜１５、特に炭素数１
１〜１３のものが好ましく、Ｒ⁵ としては水素原子又は
メチル基が好ましく、Ｒ⁶ 及びＲ⁷ としてはメチル基又
はエチル基が好ましく、ｐとしては２〜４の数が好まし
い。成分（Ｂ）として好ましいものとしては、例えば
Ｎ，Ｎ−ジメチルラウリン酸アミドプロピル−２−ヒド
ロキシプロピルスルホベタイン、Ｎ，Ｎ−ジメチルヤシ
脂肪酸アミドプロピル−２−ヒドロキシプロピルスルホ
ベタイン、Ｎ，Ｎ−ジメチル−Ｎ′−メチル−ミリスチ
ン酸アミドプロピル−２−ヒドロキシスルホベタイン等
が挙げられる。

【００１９】本発明の洗浄剤組成物における成分（Ａ）
及び成分（Ｂ）の配合量は特に制限されないが、全組成
中に成分（Ａ）は５〜４０重量％、特に８〜３０重量％
配合するのが、洗浄力、感触に優れるので好ましく、成
分（Ｂ）は０．１〜２０重量％、特に２．５〜１０重量
％配合するのが、起泡力、すすぎ性に優れるので好まし
い。また、成分（Ａ）と成分（Ｂ）の配合比率は、特に
限定されるものではないが、通常、重量比で（Ａ）／
（Ｂ）＝９９／１〜４０／６０、特に９５／５〜７０／
３０であるのが、起泡力の点から好ましい。

【００２０】また、本発明の洗浄剤組成物には、更に前
記一般式（５）で表わされる脂肪酸塩を配合すると、良
好な感触を保ちながら、起泡性及び泡質がより優れたも
のとなり、好ましい。脂肪酸塩としては、一般式（５）
中、Ｒ⁹ が炭素数９〜１７、特に１１〜１７のもの、Ｘ
⁵ がアルカリ金属のものが好ましく、例えばラウリン酸
塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩
等が好ましい。

【００２１】脂肪酸塩を配合する場合、全組成中に５〜
４０重量％、特に７〜３０重量％配合するのが好まし
い。また、成分（Ａ）と脂肪酸塩の配合比率は特に制限
されないが、（Ａ）／脂肪酸塩＝９９／１〜４０／６
０、特に９５／５〜５０／５０であるのが、感触等の点
から好ましい。

【００２２】本発明の洗浄剤組成物のpHは特に制限され
ないが、５重量％水溶液のpHが４〜１１、特にpH６〜
９、さらにpH７〜８であるのが好ましい。

【００２３】本発明の洗浄剤組成物には、本発明の効果
を損なわない範囲で、さらに他の皮膚洗浄剤や毛髪洗浄
剤に配合されているアニオン界面活性剤、非イオン界面
活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、コンデ
ィショニング成分等の各種成分を配合することができ
る。

【００２４】かかる成分のうち、アニオン界面活性剤と
しては、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキ
ルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸系界面活性剤、ポリ
オキシアルキレンアルキルアミドエーテル硫酸塩、モノ
グリセライド硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカ
ンスルホン酸塩、アシル化イセチオン酸塩、アシル化ア
ミノ酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸
塩、ポリオキシアルキレンアルキルアミドエーテル酢酸
塩等が挙げられ；非イオン界面活性剤としては、アルキ
ルポリグリコシド、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセ
リン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエ
ーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルアミンオ
キサイド、脂肪酸多価アルコールエステル等が挙げら
れ；カチオン界面活性剤としては、直鎖又は分岐鎖のモ
ノ又はジ長鎖アルキル第４級アンモニウム塩、モノ又は
ジ長鎖アルキル第３級アミン等が挙げられ；両性界面活
性剤の例としては、アミドアミノ酸系界面活性剤、カル
ボベタイン系界面活性剤、スルホベタイン系界面活性
剤、イミダゾリウムベタイン系界面活性剤、アミノ酸系
ベタイン界面活性剤、ホスホベタイン系界面活性剤等が
挙げられる。

【００２５】コンディショニング成分としては、高級ア
ルコール、シリコーン及びシリコーン誘導体、ラノリ
ン、スクワレン、炭化水素、蛋白誘導体、ポリエチレン
グリコールの脂肪酸エステル等の油剤；カチオン化セル
ロース、カチオン化グアーガムやマーコート５５０（メ
ルク社製）等のカチオンポリマーなどが挙げられる。

【００２６】さらに、洗浄剤組成物において通常使用さ
れているその他の成分、例えば、メチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマ
ー、キサンタンガム等の多糖類等の水溶性高分子；ポリ
オキシアルキレンソルビタンエステル、ポリオキシエチ
レングリコールジステアレート、エタノール等の粘度調
整剤；エチレンジアミン四酢酸（ＥＤＴＡ）、ホスホン
酸塩類等のキレート剤；メチルパラベン、ブチルパラベ
ン等の防腐剤；ビタミンやその前駆体等の有効成分；レ
シチン、ゼラチン等の動植物抽出物又はその誘導体；ナ
イロンやポリエチレン等のポリマーの微粉体；グリチル
リチン酸ジカリウム等の消炎剤；トリクロサン、トリク
ロロカルバン、オクトピロックス、ジンクピリチオン等
の殺菌剤や抗フケ剤；ジブチルヒドロキシトルエン等の
酸化防止剤；パール化剤；紫外線吸収剤；pH調整剤；色
素；香料；水などを、本発明の効果を損なわない範囲
で、必要に応じて配合することができる。

【００２７】本発明の洗浄剤組成物は、通常の方法に従
って製造することができ、固形、ペースト状、液体等の
種々の剤型にすることができる。また、皮膚、毛髪用の
洗浄剤として好適であり、その他食器用、衣料用洗浄剤
等、各種目的の洗浄剤に適用することができる。

【００２８】

【発明の効果】本発明の洗浄剤組成物は、皮膚等に対す
る刺激性が少なく、起泡性に優れ、泡質がクリーミー
で、しかも洗浄後の皮膚等の感触がしっとりとして良好
であり、特に、皮膚、毛髪用の洗浄剤として有用であ
る。

【００２９】

【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。

【００３０】実施例１ 表１に示す組成の洗浄剤組成物を常法により製造し、そ
の起泡量、泡質及び洗浄後の感触について評価した。結
果を表１に示す。なお、各洗浄剤組成物は、５重量％水
溶液のpHが７．１となるよう、リン酸水溶液又は水酸化
カリウム水溶液で調整した。

【００３１】（評価方法）専門パネラーにより、洗浄剤
組成物３mlを用いて手、腕を洗浄したときの起泡量、泡
質及び洗浄後の感触を下記基準に従って官能評価した。

【００３２】（１）起泡量： ◎；泡量が非常に多い。 ○；泡量が多い。 △；泡量がやや少ない。 ×；泡量が少ない。 （２）泡質： ◎；きめ細かく、かつ非常にクリーミーで良好な泡質で
ある。 ○；クリーミーで良好な泡質である。 △；ややクリーミーな泡質である。 ×；軽く粗い泡質である。 （３）洗浄後の感触： ○；充分なしっとり感がある。 △；しっとり感があまりない。 ×；しっとり感がほとんどない。

【００３３】

【表１】

【００３４】実施例２（ボディーシャンプー） 次に示す組成のボディーシャンプー（pH７．８）を常法
により製造した。このものは起泡力に優れ、泡質がクリ
ーミーであり、洗浄後にしっとりした感触が得られるも
のであった。

【００３５】

【表２】 （成分） （重量％） ラウリルホスフェートカリウム塩／ジラウリルホスフェート カリウム塩（８０／２０） １５．０ Ｎ，Ｎ−ジメチルラウリン酸アミドプロピル−２−ヒドロキ シプロピルスルホベタイン ５．０ ヤシ脂肪酸カリウム塩 ２．０ カチオン化セルロース^* ０．０５ 水酸化カリウム 適 量 リン酸 適 量 香料 ０．１ イオン交換水 バランス 計 １００．０ ＊：ポリマーＪＲ４００（ＵＣＣ社製）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ１１Ｄ 1:92 3:20） (Ｃ１１Ｄ 10/04 1:34 1:92 9:02）

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 次の成分（Ａ）及び（Ｂ）： （Ａ）一般式（１）で表されるリン酸エステル系界面活
   性剤又はこれと一般式（２）で表されるリン酸エステル
   系界面活性剤との混合物であって、その含有重量比が
   （１）／（２）＝１００／０〜７０／３０であるリン酸
   エステル系界面活性剤 【化１】 （式中、Ｒ¹ 及びＲ² はそれぞれ炭素数１０〜１８の直
   鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、Ｘ
   ¹ 、Ｘ² 及びＸ³ はそれぞれ水素原子、アルカリ金属、
   アンモニウム又はアルカノールアンモニウムを示し、
   ｋ、ｍ及びｎは、それぞれ０〜１０の数を示す） （Ｂ）一般式（３）で表されるアミド基を有するヒドロ
   キシスルホベタイン 【化２】 （式中、Ｒ⁴ は炭素数７〜２３の直鎖又は分岐鎖の飽和
   又は不飽和の炭化水素基を示し、Ｒ⁵ は水素原子又は炭
   素数１〜４の炭化水素基を示し、Ｒ⁶ 及びＲ⁷ は同一又
   は異なって、炭素数１〜４の炭化水素基を示し、ｐは１
   〜６の数を示す）を含有することを特徴とする洗浄剤組
   成物。
2. 【請求項２】 成分（Ａ）と成分（Ｂ）の含有量の重量
   比が、（Ａ）／（Ｂ）＝９９／１〜４０／６０である請
   求項１記載の洗浄剤組成物。
3. 【請求項３】 成分（Ｂ）が、Ｎ，Ｎ−ジメチルラウリ
   ン酸アミドプロピル−２−ヒドロキシプロピルスルホベ
   タイン、Ｎ，Ｎ−ジメチルヤシ脂肪酸アミドプロピル−
   ２−ヒドロキシプロピルスルホベタイン及びＮ，Ｎ−ジ
   メチル−Ｎ′−メチル−ミリスチン酸アミドプロピル−
   ２−ヒドロキシスルホベタインから選ばれるものである
   請求項１又は２記載の洗浄剤組成物。
4. 【請求項４】 更に、一般式（５）で表わされる脂肪酸
   塩； Ｒ⁹ＣＯＯＸ⁵ ・・・（５） （式中、Ｒ⁹ は炭素数７〜１７の直鎖又は分岐鎖のアル
   キル基又はアルケニル基を示し、Ｘ⁵ は水素原子、アル
   カリ金属、アンモニウム又はアルカノールアンモニウム
   を示す）を含有する請求項１〜３のいずれか１項記載の
   洗浄剤組成物。