JPH08134209A - 結晶性コポリアミドおよびそれを含んでなるポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

結晶性コポリアミドおよびそれを含んでなるポリアミド樹脂組成物

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JPH08134209A
JPH08134209A JP27382894A JP27382894A JPH08134209A JP H08134209 A JPH08134209 A JP H08134209A JP 27382894 A JP27382894 A JP 27382894A JP 27382894 A JP27382894 A JP 27382894A JP H08134209 A JPH08134209 A JP H08134209A
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polyamide
temperature
mol
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copolyamide
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JP27382894A
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Masao Nishiyama
昌男 西山
Yoji Okushita
洋司 奥下
Tetsuharu Hirano
徹治 平野
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、(A)ヘキサメチレンテレフタラ
ミド単位、(B)ヘキサメチレンイソフタラミド単位、
および(C)炭素数が11または12のω−カルボン酸
アミド単位から形成され、これらの成分単位の組成が、
その組成割合(モル%)を示す三角座標〔(A),
(B),(C)〕上の点〔75,22,3〕、〔75,
10,15〕、〔64,10,26〕、〔48,26,
26〕および〔48,49,3〕を結んで囲まれる範囲
内の組成である結晶性コポリアミドと、該結晶性コポリ
アミド100重量部と充填剤1〜200重量部とからな
るポリアミド樹脂組成物に関する。 【効果】 本発明によれば、優れた耐熱性、剛性、耐衝
撃性および低吸水性を有し、かつ溶融成形性に優れた結
晶性コポリアミド、ならびにこれら結晶性コポリアミド
の優れた物性に加えて、荷重たわみ温度や剛性がさらに
優れたポリアミド樹脂組成物を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の成分ならびに組
成からなる結晶性コポリアミドおよびそれを特定量含ん
でなるポリアミド樹脂組成物に関する。さらに詳しく
は、優れた耐熱性、剛性とともに耐衝撃性、低吸水性を
有し、しかも、溶融成形性に優れた結晶性コポリアミ
ド、およびこれと充填剤とからなり、結晶性コポリアミ
ドの前記の優れた物性を保持するとともに、さらに荷重
たわみ温度や剛性が向上したポリアミド樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】ポリアミドは、構造的
にみれば、メチレン基あるいはフェニレン基などの炭素
−炭素結合とアミド結合からなる主鎖骨格とアミド−ア
ミドの分子間水素結合からなる不均一構造をもつ材料で
あり、この構造に起因する分子の配向、結晶性などに基
づく特徴的な物性を有する。その代表例がポリアミド
6、ポリアミド66のような結晶性の脂肪族ポリアミド
である。これらは剛性、靱性、耐衝撃性、耐摩耗性など
の機械的性質、荷重たわみ温度などの熱的性質、高絶縁
性などの電気的性質、耐候性などの光学的性質ならびに
耐油性、耐溶剤性、耐薬品性などの化学的性質のいずれ
にも優れるとともに、溶融成形性にも優れたバランスの
とれた材料として、自動車分野や電気・電子部品分野に
おけるエンジニアリングプラスチックの中核を形成して
いる。
【0003】ところが、近年の自動車分野におけるエン
ジンの高性能化、高出力化、電気・電子部品分野におけ
るSMT(表面実装)化の動きに対応するためにはより
高い熱的性質、機械的性質を有する材料が求められてお
り、上記脂肪族ポリアミドでは十分に応えきれなくなっ
てきている。また、上記脂肪族ポリアミドは吸水性が高
いため、このような脂肪族ポリアミドからなる成形品
は、吸水による物性低下、寸法変化が大きいという欠点
がある。さらに、上記脂肪族ポリアミドは、吸水性が高
いことに関連して、塩化カルシウムや塩化亜鉛などの金
属ハロゲン化物に対する耐性が十分でなく、これらの金
属塩の接触で亀裂を生ずることなどの欠点を有する。
【0004】このような高耐熱性、高剛性、低吸水性の
ポリアミドに対する市場要求に応える材料として、主鎖
骨格に芳香環を有するポリアミドが知られている。具体
的には、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカ
ルボン酸および/あるいはメタキシリレンジアミンなど
の芳香族ジアミンを1成分とする溶融成形加工が可能な
結晶性の半芳香族ポリアミドならびにその組成物であ
る。例えば、特開昭59−53536号公報には、ジカ
ルボン酸成分としてテレフタル酸およびイソフタル酸あ
るいはナフタリンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸を、そしてジアミン成分として直鎖脂肪族アルキレン
ジアミンを用いた半芳香族ポリアミドと充填剤からなる
成形用ポリアミド組成物が、特開昭60−158220
号公報には、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸およ
びイソフタル酸あるいはナフタリンジカルボン酸などの
芳香族ジカルボン酸を、そしてジアミン成分として直鎖
脂肪族アルキレンジアミンを用いた半芳香族ポリアミド
からなる摺動材用成形材料が、そして、特開平3−72
565号公報には、ジカルボン酸成分としてテレフタル
酸およびテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸または
脂肪族ジカルボン酸を、そしてジアミン成分として脂肪
族アルキレンジアミンおよび/または脂環族アルキレン
ジアミンを用いた半芳香族ポリアミドと白色顔料からな
る赤外線リフロー用組成物が、それぞれ提案されてい
る。また、特開平3−143957号公報には、ジカル
ボン酸成分としてテレフタル酸およびテレフタル酸以外
の芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸と、ジ
アミン成分として直鎖脂肪族アルキレンジアミンとを用
いた半芳香族ポリアミドとガラス繊維からなる転がり軸
受用保持器が、特開平3−188700号公報には、ジ
カルボン酸成分としてテレフタル酸およびテレフタル酸
以外の芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸
と、ジアミン成分として脂肪族アルキレンジアミンとを
用いた半芳香族ポリアミドから形成されている樹脂表面
に導電性層が設けられている電磁波シールド部材が、そ
れぞれ提案されている。さらにはまた、特開平3−20
1375号公報には、ジカルボン酸成分としてテレフタ
ル酸およびテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸また
は脂肪族ジカルボン酸と、ジアミン成分として脂肪族ア
ルキレンジアミンおよび/または脂環族アルキレンジア
ミンとを用いた半芳香族ポリアミドから得られるコネク
ター用樹脂組成物が提案されている。
【0005】上記の公報に記載の結晶性の半芳香族ポリ
アミドおよびその組成物は、いずれも従来のポリアミド
6やポリアミド66のような結晶性の脂肪族ポリアミド
にはない優れた耐熱性と高い剛性をもつ材料である。し
かしながら、引張り伸びや衝撃強度などの靱性に優れる
といった脂肪族ポリアミドに特徴的な性質が失われると
いう問題が生じている。
【0006】そこで、これらの問題を解決するために、
結晶性半芳香族ポリアミドに脂肪族ポリアミドおよび/
あるいはポリオレフィンをブレンドまたは共重合した組
成物が試みられている。脂肪族ポリアミドをブレンドあ
るいは共重合した組成物に関しては、例えば、特公昭6
2−9617号公報には、芳香族アミノ酸および/また
は芳香族ジカルボン酸を主たる構成成分とする非晶性ポ
リアミドと脂肪族ポリアミドをブレンドして得られる自
動車用アンダーフード部品が、特開昭62−57458
号公報には、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸およ
びテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸または脂肪族
ジカルボン酸を、そしてジアミン成分として脂肪族アル
キレンジアミンを用いた半芳香族ポリアミドと脂肪族ポ
リアミドを溶融ブレンドすることにより得られるポリア
ミド組成物が、特開昭62−156130号公報には、
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸およびテレフタル
酸以外の芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸
と、ジアミン成分として脂肪族アルキレンジアミンとを
用いた半芳香族ポリアミド単位と脂肪族ポリアミド単位
からなる多元共重合ポリアミドが、特開平3−7256
4号公報には、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸お
よびテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸または脂肪
族ジカルボン酸と、ジアミン成分として脂肪族アルキレ
ンジアミンおよび/または脂環族アルキレンジアミンと
を用いた半芳香族ポリアミド、線状ポリアミドおよび無
機繊維を溶融ブレンドして得られるエンジンヘッドカバ
ー用ポリアミド樹脂組成物が、特開平4−370116
号公報には、ヘキサメチレンアジパミド単位、ヘキサメ
チレンテレフタラミド単位、ヘキサメチレンイソフタラ
ミド単位および炭素数6〜12の環状ラクタムもしくは
アミノカルボン酸から得られるポリアミド単位からなる
結晶性のポリアミドが、そして、特開平5−23020
9号公報には、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、
脂肪族ジカルボン酸および/あるいはイソフタル酸と、
ジアミン成分として脂肪族アルキレンジアミンとから得
られる半芳香族ポリアミド単位、脂肪族ポリアミド単位
およびω−アミノカルボン酸単位からなる耐衝撃性、引
張り伸びに優れたポリアミド組成物が、それぞれ提案さ
れている。
【0007】また、ポリオレフィン類を結晶性の半芳香
族ポリアミドにブレンドあるいは共重合することによっ
て靱性が改良された組成物に関しては、例えば、特開平
2−229855号公報には、ジカルボン酸成分として
テレフタル酸およびテレフタル酸以外の芳香族ジカルボ
ン酸または脂肪族ジカルボン酸を、ジアミン成分として
脂肪族アルキレンジアミンをおよび/または脂環族アル
キレンジアミン用いた半芳香族ポリアミドとα−オレフ
ィン成分単位およびα,β−不飽和酸のグリシジルエス
テル成分単位から構成されるオレフィン系共重合体から
なる耐熱特性、耐衝撃強度、耐水性、耐薬品性および溶
融流動性に優れた組成物が、そして、特開平5−983
2号公報には、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸お
よびテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸または脂肪
族ジカルボン酸と、ジアミン成分として脂肪族アルキレ
ンジアミンおよび/または脂環族アルキレンジアミンと
を用いた半芳香族ポリアミド、グラフト変性α−オレフ
ィンランダム共重合体および/またはグラフト変性芳香
族ビニル系炭化水素・共役ジエン共重合体またはその水
素化物および脂肪族ポリアミドからなるコネクターが、
それぞれ提案されている。
【0008】しかしながら、これらの公報に記載の組成
物においても下記に示すような種々の問題があり、ポリ
アミド樹脂が本来持つ優れた物性(剛性、靱性、耐衝撃
性、耐摩耗性、荷重たわみ温度、高絶縁性、耐候性、耐
油性、耐溶剤性、耐薬品性など)と溶融成形性を保持し
つつ、さらに高耐熱性、高剛性、低吸水性の向上した材
料を得るための根本的な解決には至っていない。すなわ
ち、脂肪族ポリアミドをブレンドあるいは共重合した半
芳香族ポリアミドは、耐衝撃性や引張り伸びは改良され
るが、実質的に用いるポリアミドのほとんどがポリアミ
ド6やポリアミド66であるので吸水性が大きくなり、
半芳香族ポリアミドの特徴である低吸水性が低くなり、
実使用時の物性低下を引き起こすという問題がある。ま
た、吸水に伴って寸法安定性も低下する。また、ポリオ
レフィン類を結晶性の半芳香族ポリアミドにブレンドあ
るいはグラフト共重合して得られる組成物は、低比重、
低吸水性であり寸法変化は小さいが、半芳香族ポリアミ
ドが本来有する高耐熱性、高剛性が著しく低下するとい
う問題が発生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た耐熱性、剛性とともに耐衝撃性および低吸水性を有
し、かつ、溶融成形性に優れた結晶性コポリアミド、お
よび該結晶性コポリアミドと充填剤からなり、該結晶性
コポリアミドの有する前記の優れた物性を保持しつつ、
さらに荷重たわみ温度と剛性を向上させたポリアミド樹
脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、高
耐熱性、高剛性、低比重、低吸水性および強靱性に優
れ、かつ、溶融成形性にも優れた結晶性のポリアミドお
よびそれを含んでなるポリアミド樹脂組成物について検
討を重ねた結果、特定成分からなる特定組成の結晶性コ
ポリアミド、および、該結晶性コポリアミドと充填剤と
からなる特定組成のポリアミド樹脂組成物が、従来技術
にはない極めて優れた物性と成形性を兼ね備えたポリア
ミド樹脂あるいはポリアミド樹脂組成物であることを見
出し、本発明に到った。
【0011】すなわち、本発明における第1の発明は、
(A)ヘキサメチレンテレフタラミド単位、(B)ヘキ
サメチレンイソフタラミド単位および(C)一般式〔O
C(CH2 )nNH〕(ただし、式中のnは、10ない
し11を表わす)で表わされるω−カルボン酸アミド単
位から形成されるコポリアミドであり、これら各成分単
位の組成が、その組成割合(モル%)を示す三角座標
〔(A),(B),(C)〕上の点〔75,22,
3〕、〔75,10,15〕、〔64,10,26〕、
〔48,26,26〕および〔48,49,3〕を順次
直線で結んで囲まれる範囲内の組成を有する結晶性コポ
リアミドを提供することで達成できる。また第2の発明
は、上記第1の発明に係る結晶性コポリアミド100重
量部と、充填剤1〜200重量部とからなるポリアミド
樹脂組成物を提供することで達成できる。
【0012】以下に、本発明を詳しく説明する。本発明
において得られ、また、用いることができるポリアミド
は、(A)ヘキサメチレンテレフタラミド単位が48〜
75モル%、(B)ヘキサメチレンイソフタラミド単位
が10〜49モル%、および(C)一般式〔OC(CH
2 )nNH〕(ただし、式中のnは、10ないし11を
表わす)で表わされるω−カルボン酸アミド単位が3〜
26モル%(ただし、(A)、(B)および(C)の各
成分単位の合計は100モル%である。)の範囲内にお
いて調製されるコポリアミドである。すなわち、これら
各成分単位の組成が、図1の斜線で示される部分、つま
り、各成分単位の組成割合(モル%)を示す三角座標
〔(A),(B),(C)〕上の点〔75,22,
3〕、〔75,10,15〕、〔64,10,26〕、
〔48,26,26〕および〔48,49,3〕を結ん
で囲まれる範囲内の組成を有する結晶性コポリアミドで
ある。
【0013】(A)ヘキサメチレンテレフタラミド単位
が48モル%未満の場合には、剛性が小さく、75モル
%を越えると、結晶融解温度が330℃以上になり溶融
成形時の熱分解が顕著になるので、いずれの場合も好ま
しくない。一方、(B)ヘキサメチレンイソフタラミド
単位が10モル%未満の場合には、靱性が小さくなる
し、49モル%を越えると、結晶性が低くなり、荷重た
わみ温度、耐薬品性などの物性が低下するので、いずれ
の場合も好ましくない。そして、(C)一般式〔OC
(CH2 )nNH〕(ただし、式中のnは、10ないし
11を表わす)で表わされるω−カルボン酸アミド単位
が3モル%未満の場合には、引張り伸びや衝撃強度など
の靱性が低くなり好ましくないし、また、26モル%を
越えると、剛性が低下するとともに結晶融解温度が27
0℃以下になり耐熱性も低くなるので好ましくない。
【0014】すなわち、本発明は、ポリアミド6T成分
(Tは、テレフタル酸成分単位を表わす。以下において
同じ)、ポリアミド6I成分(Iは、イソフタル酸成分
単位を表わす。以下において同じ)およびポリアミド1
1あるいは12成分からなる特定組成の結晶性コポリア
ミド、および該結晶性コポリアミドと充填剤とからなる
特定組成のポリアミド樹脂組成物が、ポリアミド6Tの
剛性、耐熱性、低吸水性、耐油性および耐薬品性、ポリ
アミド6Iの低吸水性および強靱性、ポリアミド11お
よび/あるいは12の強靱性、低吸水性および耐衝撃性
といったそれぞれのポリアミドの長所を生かした新規ポ
リアミド樹脂およびポリアミド樹脂組成物の創製を目指
す設計思想に基づくものである。
【0015】本発明におけるポリアミドの結晶性は、示
差走査熱量計(DSC)を用いて10℃/minの速度
で昇温または降温した場合に得られる吸熱または発熱ピ
ークの有無によって判断し得る。
【0016】本発明の結晶性コポリアミドの原料は、前
記(A)成分としては、等モルのテレフタル酸とヘキサ
メチレンジアミン、あるいはそれらから得られる等モル
塩、前記(B)成分としては、等モルのイソフタル酸と
ヘキサメチレンジアミン、あるいはそれらから得られる
等モル塩、そして前記(C)成分としては、11−アミ
ノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸またはラウロ
ラクタムがそれぞれ好適に用いられ得る。
【0017】本発明では、上記原料の重合方法に特別な
制限はない。溶融重合、固相重合、溶液重合などのいず
れも可能であり、これらの方法を単独で、あるいは適当
に組み合わせた方法が適用できる。一般的には、溶融重
合あるいは溶融重合と固相重合を組み合わせる方法が採
用される。具体的には、上記の原料および水を加圧重合
槽に仕込み、加圧下でオリゴマーを製造した後、そのオ
リゴマーを常圧あるいは減圧下で溶融および/あるいは
固相重合することにより目的の結晶性コポリアミドが得
られる。
【0018】例えば、粉末状の上記(A)、(B)およ
び(C)成分の原料を、ドライブレンドするか、あるい
は塩および/またはモノマーの水溶液あるいは水スラリ
ーの形で混合するかなどして、あらかじめ所定の割合に
混合されたこれら原料、および所定量の水を重合槽に仕
込み、攪拌しながら230〜280℃、15〜50kg
f/cm2 Gで重合することによりオリゴマーを得るこ
とができる。重合は、酸素によるオリゴマーの劣化およ
び分解を防止することを目的に、窒素などの不活性ガス
雰囲気下で行うのが好ましい。重合温度は、230〜2
80℃にする必要があり、好ましくは240〜275
℃、さらに好ましくは240〜270℃である。重合温
度が230℃未満であると、芳香族成分が析出し、均一
重合できなかったり、重合時間が長くなったりして好ま
しくない。また、重合温度が280℃よりも高いと、ポ
リマーの物性に好ましくない副反応や熱分解反応が起こ
ってポリマーが着色したり、得られた共重合体の物性が
低下することになるので好ましくない。これらの好まし
くない現象の発生を確実に抑えるには、重合温度は前述
の好ましい範囲、特にはさらに好ましい範囲とすべきで
ある。ここで、オリゴマーを製造する時の圧力は、その
時の重合槽内の圧力であり、主としてオリゴマーと水と
の混合物が示す重合平衡時の水蒸気圧力である。したが
って、この圧力は、温度および水の量によって飽和水蒸
気圧力以内の圧力に適宜調節することができるが、好ま
しくは15〜50kgf/cm2 Gである。この圧力
は、例えば、重合槽に直結された水蒸気の排出ライン内
に設けられた圧力調整弁などによって調節することがで
きる。圧力が15kgf/cm2 G未満であると、オリ
ゴマーを均一状態のまま重合槽から吐出することが困難
になり、50kgf/cm2 Gを越えると、得られるオ
リゴマーの重合度が極めて低くなり、いずれの場合も好
ましくない。
【0019】本発明においてオリゴマーを製造する際
は、前述したように、水の存在下に、前記原料を前記温
度および圧力に加熱加圧するのである。重合槽への水の
供給方法は、特に制限されるものではなく、前記原料の
塩および/またはモノマーの水溶液あるいは水スラリー
の形として供給してもよく、あるいはまた、所定量のイ
オン交換水などの純水または蒸留水などを別に供給して
もよい。重合槽内に存在する水の量は、重合槽への前記
原料の仕込み量や重合槽の温度・圧力条件によって決ま
ってくるものであるが、重合槽への前記原料仕込み基準
で、前記原料の合計量100重量部当たり1〜200重
量部、好ましくは5〜150重量部であることが望まし
い。水の量が前記原料の合計量100重量部当たり1重
量部よりも少ないと、オリゴマーの溶融状態を維持する
ために重合温度を高くする必要があり、したがって、オ
リゴマーが熱分解したり、蒸気圧の高いヘキサメチレン
ジアミン成分の蒸発によって、重合槽内での酸/アミン
の濃度バランスがくずれたりするなど好ましくない。ま
た、水の量が前記原料の100重量部当たり200重量
部よりも多いと、得られるオリゴマーの重合度が小さく
なり、常圧あるいは減圧下でのオリゴマーの重合に際し
て、ヘキサメチレンジアミン成分の蒸発が顕著となり、
最終的に得られるコポリアミドの末端基濃度バランスが
くずれ、重合度が上がらないので好ましくない。なお、
重合槽内に存在する水の量が上述の好ましい範囲を逸脱
すると、前述の好ましくない現象が起こることがある。
【0020】また、本発明において、前記オリゴマーの
重合度は、1%硫酸溶液の25℃における相対粘度(η
r)で表わすと、1.50以下であることが好ましく、
1.12〜1.40であることがより好ましい。オリゴ
マーのηrをこのような範囲に調整することによって、
オリゴマーの取扱いが容易になり、また、次工程での重
合を容易にすることができる。相対粘度が1.50より
大きいと、オリゴマーの溶融粘度が高くなりすぎ吐出不
良を起こすので好ましくない。
【0021】以上のようにして得られたオリゴマーは、
続いて、最終的に得られるポリアミドの融点+10℃〜
340℃の範囲の温度で溶融重合するか、あるいは最終
的に得られるポリアミドの融点から200℃の範囲の温
度で固相重合するか、またはそれらを組み合わせた重合
をすることにより最終的なコポリアミドを得る。溶融重
合時の重合温度が最終的に得られるポリアミドの融点+
10℃より低いと、ポリマーが完全に溶融していない場
合があり、製造中に部分固化するなど安定的に製造でき
なくなる可能性がある。また、重合温度が340℃より
高くなると、熱劣化により着色や機械的物性の低下をも
たらすので好ましくない。一方、固相重合温度が200
℃未満であると、重合速度が著しく小さくなり実質的に
重合が進まなくなるので好ましくない。
【0022】上記重合方法により最終的に得られる結晶
性コポリアミドは、その融点が270℃以上の高温であ
るので、短時間で重縮合を完結しないと熱分解により物
性が低下する危険性がある。したがって、オリゴマーの
溶融重合には、表面更新性に優れる混練押出機が好適に
用いられる。使用する混練押出機としては、単軸スクリ
ュー型混練押出機、特殊単軸混練押出機などの単軸混練
押出機、2軸スクリュー型混練押出機(噛合い型・同方
向回転型、噛合い型・異方向回転型、非噛合い型・同方
向回転型、非噛合い型・異方向回転型など)などの2軸
混練押出機、多軸混練押出機など公知のものを用いるこ
とができるが、特に、前記2軸混練押出機が好適であ
る。
【0023】前記オリゴマーの重合時間は、重合度が十
分上がり、かつ、重合物が熱分解を生じないように選ば
れるべきであり、溶融重合においては、通常0.5〜1
0分であり、固相重合においては、通常1〜50時間で
ある。重合時間が上記範囲より短いと、分子量の上昇が
十分でなく、長いと熱劣化を起こし、いずれの場合も所
望の機械的物性を有するコポリアミドを得ることができ
なくなるので好ましくない。
【0024】重合時の圧力は、常圧あるいは減圧下で行
うことが好ましく、10〜760mmHgで重合する方
法が採用される。重合時の圧力が上記範囲から低く外れ
る場合には、得られるコポリアミドの分子量が著しく増
大し、溶融成形が困難になり好ましくない。また、重合
時の圧力が760mmHgを越える場合には、分子量の
増大が十分でなく、所望の機械的物性を有するコポリア
ミドが得られないので好ましくない。
【0025】したがって、上記混練押出機は、少なくと
も1個のベント口を有するものであり、溶融状態で、連
続的にまたは脈動的に該混練押出機に供給されたオリゴ
マーが、前述の重合温度に加熱されることにより、ある
いは、混練による摩擦熱により溶融されると同時に混練
されて、均一な重合度の結晶性コポリアミドが得られる
間に、前記ベント口から、オリゴマー中に含まれる水お
よび重縮合反応による生成水と、未反応モノマー、オリ
ゴマーなどの残留物との混合蒸気が系外に排気される。
本発明においては、このベント口からの排気を積極的に
行い、オリゴマーの重縮合反応を進めることが必要であ
り、そのためには、前記ベント口を減圧ベント口もしく
は大気開放ベント口として、上記混練押出機内を前述の
圧力に維持するのである。なお、前記ベント口を減圧ベ
ント口とした場合の前記ベント口からの排気は、前記ベ
ント口をナッシュポンプなどの公知の真空装置に接続し
て行うことができる。
【0026】このようにして得られる本発明の結晶性コ
ポリアミドは、1%硫酸溶液の25℃における相対粘度
(ηr)が2.0〜5.0の範囲にあるものである。η
rが2.0未満では、所望の機械的物性を有する結晶性
コポリアミドが得られないので好ましくなく、5.0を
越えると、溶融時の粘度が高くなり溶融成形が困難にな
るので好ましくない。
【0027】上記重合において、必要ならば重合促進剤
として無機系リン化合物などを添加しても問題はない。
無機系リン化合物としては、リン酸、亜リン酸、次亜リ
ン酸、ピロリン酸、ポリリン酸ならびにこれらのアルカ
リ金属塩、アルカリ土類金属塩などが好ましい。添加量
は、通常オリゴマーあるいはポリマーに対して100〜
5000ppmである。また、添加方法は特に制限はな
く、例えば、コポリアミドのペレット、粉末などにリン
化合物をそのままかあるいは水溶液として添加し、ヘン
シェルミキサーなどで混合する方法が好適である。添加
量が上記範囲から外れた場合、100ppm未満である
と、添加効果はほとんど認められず、5000ppmを
越えると、重合速度が著しく増大し、重合制御が困難に
なるとともに、分子量が増大し、さらに架橋などの副反
応も引き起こす可能性があるのでいずれも好ましくな
い。
【0028】また、上記のようにして得られるコポリア
ミドには、オリゴマーの製造時または溶融重合時もしく
は固相重合時に、必要に応じて、耐熱剤、酸化防止剤、
耐候剤、滑剤、結晶核剤、帯電防止剤、顔料、染料など
を添加することもできる。
【0029】ところで、本発明においては、上記のよう
にして得られる結晶性コポリアミドに、充填剤を特定配
合比で配合してなり、該結晶性コポリアミドの優れた物
性を損なうことなく、さらに荷重たわみ温度や剛性を向
上させたポリアミド樹脂組成物を提供することもその目
的としている。
【0030】本発明のポリアミド樹脂組成物に配合され
る充填剤は、粉末状、板状、繊維状あるいはクロス状物
などの種々の形態を有する有機系または無機系の化合物
である。具体的には、シリカ、アルミナ、シリカ・アル
ミナ、チタニア、ベンガラ、酸化亜鉛、マグネシア、カ
ルシア、チタン酸カリウム、各種フェライト類および塩
基性硫酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム他の複
合酸化物類を含む酸化物、タルク、ケイソウ土、クレ
ー、カオリン、石英、マイカ、カーボンブラック、グラ
ファイト、活性炭、ガラスビーズ、ガラスフレークなど
のガラス材料、アスベスト、二硫化モリブデン、珪酸亜
鉛などの珪酸塩、各種金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸
塩、ホウ酸塩、ホウ珪酸塩、アルミノ珪酸塩、チタン酸
塩、塩基性硫酸塩、塩基性炭酸塩およびその他の塩基性
塩、鉄、銅、真ちゅう、ニッケル、チタン、亜鉛、錫、
鉛、ステンレス、アルミニウム、マグネシウム、金、銀
などの金属、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、ムライ
ト、コージェライトなどのセラミックス、フライアッシ
ュやミクロシリカなどの廃棄物などの粉状、板状の無機
系化合物、ガラス繊維、カーボン繊維、ホウ素繊維、セ
ラミック繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカ・ア
ルミナ繊維、チラノ繊維(Si−Ti−C−O繊維)、
石綿繊維、ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維、窒化珪素
繊維、塩基性硫酸マグネシウム繊維、ステンレススチー
ル繊維およびアルミニウム、鉄、銅、チタン、真ちゅ
う、マグネシウム、金、銀などの金属ウィスカーおよび
金属繊維などの繊維状の無機系化合物またはこれらのク
ロス状物などの2次加工品、およびポリパラフェニレン
テレフタルアミド、ポリメタフェニレンテレフタルアミ
ド、ポリパラフェニレンイソフタルアミド、ポリメタフ
ェニレンイソフタルアミド、ジアミノジフェニルエーテ
ルとテレフタル酸またはイソフタル酸との重縮合物、p
−もしくはm−アミノ安息香酸の重縮合物などの全芳香
族系ポリアミド、ジアミノジフェニルエーテルと無水ト
リメリット酸または無水ピロメリット酸との重縮合物な
どの全芳香族系ポリアミドイミド、全芳香族系ポリイミ
ド、ポリベンツイミダゾール、ポリイミダゾフェナンス
ロリンなどの複素環含有化合物、ポリテトラフルオロエ
チレン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、セルロ
ースなどの粉状、板状、繊維状の有機系化合物あるいは
これらのクロス状物などの2次加工品などを例示するこ
とができる。これらの充填剤は、単独で使用してもよ
く、また、2種以上を混合して使用してもよい。また、
これらの充填剤は、公知のシランカップリング剤やチタ
ネート系カップリング剤などで表面処理されたものも同
様に使用することができる。
【0031】本発明では、前記充填剤の中でも、粉末状
または繊維状の無機系充填剤の使用が好ましい。粉末状
の無機系充填剤としては、シリカ、アルミナ、シリカ・
アルミナ、チタニア、グラファイト、二硫化モリブデン
などを使用することが、最終的に得られるポリアミド樹
脂組成物を成形して得られる成形体の、動摩擦係数、テ
ーパー摩耗、限界PV値などの耐摩耗性、引張り強度、
曲げ強度、曲げ弾性率などの機械的性質、荷重たわみ温
度などの熱的性質などの向上の点からは好ましい。これ
ら充填剤の平均粒径は、通常0.1〜200μmの範
囲、特に1〜100μmの範囲にあると、上述の耐摩耗
性、機械的性質、熱的性質などが著しく向上するので好
ましい。
【0032】一方、繊維状の無機系充填剤としては、ガ
ラス繊維、カーボン繊維、ホウ素繊維、アルミナ繊維、
チラノ繊維(Si−Ti−C−O繊維)、石綿繊維、ス
テンレススチール繊維などを好適に使用することができ
る。すなわち、これら繊維状無機系充填剤の使用によ
り、最終的に得られるポリアミド樹脂組成物を成形して
得られる成形体の、引張り強度、曲げ強度、曲げ弾性率
などの機械的性質、荷重たわみ温度などの熱的性質、耐
水性、耐有機溶剤性などの物理的、化学的性質、寸法安
定性などが著しく向上するようになるのである。また、
これら繊維状無機系充填剤は、平均繊維径が0.1〜3
0μmの範囲にあるものを使用するのが、最終的に得ら
れるポリアミド樹脂組成物の成形性が向上し、かつ、該
組成物から得られる成形体の、荷重たわみ温度などの熱
的性質、引張り強度、曲げ強度、曲げ弾性率などの機械
的性質、低吸水性、耐有機溶剤性などの物理的、化学的
性質、寸法安定性などが向上するようになるので好まし
い。
【0033】前記充填剤の配合割合は、前記結晶性コポ
リアミド100重量部に対して、1〜200重量部であ
ることが必要であり、好ましくは5〜150重量部、特
に好ましくは10〜100重量部の範囲である。前記充
填剤の配合割合が前記結晶性コポリアミド100重量部
に対して200重量部より多くなると、最終的に得られ
るポリアミド樹脂組成物の成形性および該ポリアミド樹
脂組成物を成形して得られる成形体の可撓性が著しく低
下するようになるので好ましくない。また、前記結晶性
コポリアミド100重量部に対して1重量部より少ない
と、最終的に得られるポリアミド樹脂組成物から得られ
る成形体の、荷重たわみ温度などの熱的性質、引張り強
度、曲げ強度、曲げ弾性率などの機械的性質、動摩擦係
数、テーパー摩耗、限界PV値などの耐摩耗性、低吸水
性、耐有機溶剤性などの物理的、化学的性質、寸法安定
性などの顕著な向上が望めないので好ましくない。
【0034】前述したように、本発明において最終的に
得られるポリアミド樹脂組成物は、前記結晶性コポリア
ミドおよび前記充填剤を必須構成成分とするものである
が、該両必須構成成分のみからなる組成物であってもよ
いし、該両必須構成成分の他に他成分を含む組成物であ
ってもよい。本発明のポリアミド樹脂組成物に必要に応
じて配合される前記両必須構成成分以外の成分として
は、公知の安定剤、可塑剤、離型剤、滑剤などを例示す
ることができ、これらは、該ポリアミド樹脂組成物の成
形性および物性を損なわない範囲で配合することができ
る。
【0035】前記ポリアミド樹脂組成物を調製する方法
としては、特に限定されるものではなく、種々公知の方
法を用いることができ、例えば、所定量の前記結晶性コ
ポリアミドを溶融状態に維持しながら、所定量の前記充
填剤を配合する方法などを例示することができる。溶融
混練配合する方法としては、具体的には、単軸あるいは
2軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーなどの通常
の溶融混練加工機を使用して、前記結晶性コポリアミド
の溶融が十分に進行し、かつ、分解しない温度として、
220℃以上、好ましくは240〜300℃の温度で、
溶融混練配合する方法などを適用することができる。ま
た、前記結晶性コポリアミドと前記充填剤とを、前述し
たような本発明の配合割合で、室温で予備混合した後、
前記の溶融混練配合する方法を適用することもできる。
この場合、予備混合は、通常の混合に使用されるヘンシ
ェルミキサーなどの高速回転混合機およびコーンブレン
ダー、タンブラーなどの低速回転混合機などの使用によ
り行うことができる。さらにはまた、前記オリゴマーの
製造時またはオリゴマーの溶融重合時もしくは固相重合
時に、中間生成物として生成する前記結晶性コポリアミ
ドに対する前記充填剤の割合が前述した重量割合となる
ような量で前記充填剤を添加し、前述した原料から前記
ポリアミド樹脂組成物を直接製造することもできる。
【0036】以上のようにして得られる本発明のポリア
ミド樹脂組成物は、通常の溶融成形、例えば、圧縮成
形、射出成形または押出成形などによって成形すること
ができる。
【0037】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに詳しく説明する。ただし、本発明は、これらの実
施例および比較例によって何ら限定されるものではな
い。以下の実施例および比較例におけるオリゴマーおよ
び/またはポリマーの諸特性は、次のような方法で測定
した。 (1)相対粘度(ηr) JIS K6810に準じ、98重量%硫酸を溶媒とし
て、1重量/容量%の濃度で25℃で測定した。
【0038】(2)融解温度(Tm)および結晶化温度
(Tc) (株)島津製作所製示差走査熱量計(DSC−50)を
用いて、窒素雰囲気下、10℃/minの速度で測定し
た。
【0039】(3)組成 97重量%重硫酸を溶媒として、5重量%の濃度で、日
本電子(株)製JNM−EX400型FT−NMRを用
いて室温で測定したプロトンNMRスペクトルからコポ
リアミド中の各成分の組成を求めた。
【0040】(4)引張り試験(引張り強さおよび引張
り伸び):ASTM D638 (5)曲げ試験(曲げ強さおよび曲げ弾性率):AST
M D790 (6)衝撃強度(アイゾットノッチ付):ASTM D
256 (7)荷重たわみ温度:ASTM D468(ただし、
コポリアミドにおいては荷重4.6kgf/cm2 、コ
ポリアミドと充填剤からなるポリアミド樹脂組成物にお
いては荷重18.6kgf/cm2 にて測定) (8)吸水率:ASTM D570
【0041】実施例1 攪拌機、温度計、圧力計、還流冷却器、窒素ガス導入口
および放圧口を備えた容量1リットルの圧力容器に、テ
レフタル酸とヘキサメチレンジアミンからなる等モル塩
220.3g(0.780モル)、イソフタル酸とヘキ
サメチレンジアミンからなる等モル塩95.4g(0.
338モル)、12−アミノドデカン酸39.2g
(0.182モル)、次亜リン酸ナトリウム1水和物
0.74g(0.007モル)および蒸留水103gを
仕込んだ。圧力容器内を十分窒素置換した後、攪拌下、
室温から270℃まで2.5時間かけて昇温し、270
℃に達したら、圧力容器内の水蒸気圧を25kgf/c
2 Gに保ちながら4時間反応を進めた後、攪拌を止
め、圧力容器内部を270℃、25kgf/cm2 Gに
保ちながら、圧力容器の底部から反応混合物を大気圧下
に取り出した。そこで、この反応混合物を80℃で48
時間真空乾燥し、ナイロン6T/6I/12共重合体か
らなる粉末状のオリゴマーを得た。得られたオリゴマー
のηrは1.35、Tmは305℃、Tcは264℃で
あった。
【0042】続いて、このオリゴマーを2軸押出機(バ
レル内径:55mm、L/D=42、バレル温度:32
0℃)に供給し、さらに重縮合反応を進め、ペレット状
のポリマーを得た。得られたポリマーのηrは2.7
1、Tmは306℃、Tcは265℃、組成は6T/6
I/12=60/26/14(モル%)であった。この
ペレットを80℃で48時間真空乾燥した後、射出成形
機によりシリンダー温度320℃、金型温度40℃の条
件で物性測定用試験片を作製した。このポリマーの物性
を表1に示す。
【0043】実施例2 実施例1と同様の容量1リットルの圧力容器に、テレフ
タル酸とヘキサメチレンジアミンからなる等モル塩26
4.3g(0.936モル)、イソフタル酸とヘキサメ
チレンジアミンからなる等モル塩66.0g(0.23
4モル)、ラウロラクタム25.7g(0.13モル)
および蒸留水98.8gを仕込んだ。圧力容器内を十分
窒素置換した後、攪拌下、室温から270℃まで2.5
時間かけて昇温した。昇温中、圧力が30kgf/cm
2 Gを越えるようであれば放圧により30kgf/cm
2 Gに調節する。270℃に達したら、圧力容器内の水
蒸気圧を30kgf/cm2 Gに保ちながら6時間反応
を進めた後、攪拌を止め、圧力容器内部を270℃、3
0kgf/cm2 Gに保ちながら、圧力容器の底部から
反応混合物を大気圧下に取り出した。そして、この反応
混合物を80℃で48時間真空乾燥し、ナイロン6T/
6I/12からなる粉末状のオリゴマーを得た。得られ
たオリゴマーのηrは1.35、Tmは320℃、Tc
は286℃であった。
【0044】そこで、このオリゴマーを2軸押出機(バ
レル内径:55mm、L/D=42、バレル温度:34
0℃)に供給し、さらに重縮合反応を進め、ペレット状
のポリマーを得た。得られたポリマーのηrは2.5
4、Tmは320℃、Tcは288℃、組成は6T/6
I/12=72/18/10(モル%)であった。この
ペレットを80℃で48時間真空乾燥した後、射出成形
機によりシリンダー温度340℃、金型温度40℃の条
件で物性測定用試験片を作製した。このポリマーの物性
を表1に示す。
【0045】実施例3 実施例1と同様の容量1リットルの圧力容器に、テレフ
タル酸とヘキサメチレンジアミンからなる等モル塩19
4.6g(0.689モル)、イソフタル酸とヘキサメ
チレンジアミンからなる等モル塩88.1g(0.31
2モル)、11−アミノウンデカン酸60.2g(0.
299モル)、次亜リン酸ナトリウム1水和物0.73
g(0.0069モル)および蒸留水70.6gを仕込
んだ。圧力容器内を十分窒素置換した後、実施例1と同
様な条件で重合を行い、圧力容器内部を270℃、25
kgf/cm2 Gに保ちながら、圧力容器の底部から反
応混合物を大気圧下に取り出した。そこで、この反応混
合物を80℃で48時間真空乾燥し、ナイロン6T/6
I/11からなる粉末状のオリゴマーを得た。得られた
オリゴマーのηrは1.32、Tmは296℃、Tcは
255℃であった。
【0046】次に、このオリゴマーを2軸押出機(バレ
ル内径:55mm、L/D=42、バレル温度:320
℃)に供給し、さらに重縮合反応を進め、ペレット状の
ポリマーを得た。得られたポリマーのηrは2.69、
Tmは295℃、Tcは254℃、組成は6T/6I/
11=53/24/23(モル%)であった。このペレ
ットを80℃で48時間真空乾燥した後、射出成形機に
よりシリンダー温度320℃、金型温度40℃の条件で
物性測定用試験片を作製した。このポリマーの物性を表
1に示す。
【0047】実施例4 実施例1と同様の容量1リットルの圧力容器に、テレフ
タル酸とヘキサメチレンジアミンからなる等モル塩18
3.5g(0.650モル)、12−アミノドデカン酸
16.8g(0.078モル)、イソフタル酸とヘキサ
メチレンジアミンからなる等モル塩161.5g(0.
572モル)および蒸留水153.2gを仕込んだ。圧
力容器内を十分窒素置換した後、実施例1と同様な条件
で重合を行い、圧力容器内部を270℃、25kgf/
cm2 Gに保ちながら、圧力容器の底部から反応混合物
を大気圧下に取り出した。そこで、この反応混合物を8
0℃で48時間真空乾燥し、ナイロン6T/6I/12
からなる粉末状のオリゴマーを得た。得られたオリゴマ
ーのηrは1.40、Tmは306℃、Tcは278℃
であった。
【0048】次に、このオリゴマーを2軸押出機(バレ
ル内径:55mm、L/D=42、バレル温度:325
℃)に供給し、さらに重縮合反応を進め、ペレット状の
ポリマーを得た。得られたポリマーのηrは2.76、
Tmは305℃、Tcは278℃、組成は6T/6I/
12=50/44/6(モル%)であった。このペレッ
トを80℃で48時間真空乾燥した後、射出成形機によ
りシリンダー温度325℃、金型温度40℃の条件で物
性測定用試験片を作製した。このポリマーの物性を表1
に示す。
【0049】実施例5 実施例1と同様の容量1リットルの圧力容器に、テレフ
タル酸とヘキサメチレンジアミンからなる等モル塩24
2.3g(0.858モル)、12−アミノドデカン酸
14g(0.065モル)、イソフタル酸とヘキサメチ
レンジアミンからなる等モル塩106.5g(0.37
7モル)および蒸留水97.6gを仕込んだ。圧力容器
内を十分窒素置換した後、実施例1と同様な条件で重合
を行い、圧力容器内部を270℃、25kgf/cm2
Gに保ちながら、圧力容器の底部から反応混合物を大気
圧下に取り出した。そこで、この反応混合物を80℃で
48時間真空乾燥し、ナイロン6T/6I/12からな
る粉末状のオリゴマーを得た。得られたオリゴマーのη
rは1.37、Tmは315℃、Tcは278℃であっ
た。
【0050】次に、このオリゴマーを2軸押出機(バレ
ル内径:55mm、L/D=42、バレル温度:335
℃)に供給し、さらに重縮合反応を進め、ペレット状の
ポリマーを得た。得られたポリマーのηrは2.71、
Tmは315℃、Tcは280℃、組成は6T/6I/
12=66/29/5(モル%)であった。このペレッ
トを80℃で48時間真空乾燥した後、射出成形機によ
りシリンダー温度335℃、金型温度40℃の条件で物
性測定用試験片を作製した。このポリマーの物性を表1
に示す。
【0051】実施例6 テレフタル酸とヘキサメチレンジアミンからなる等モル
塩20.98kg(74.30モル)、イソフタル酸と
ヘキサメチレンジアミンからなる等モル塩11.18k
g(39.59モル)、12−アミノドデカン酸2.1
3kg(9.89モル)および次亜リン酸ナトリウム1
水和物65.71g(0.62モル)を、窒素雰囲気下
に、タンブラーを用いてドライブレンドした。この混合
物34kgと蒸留水8.5kgを、攪拌機、温度計、圧
力計、還流冷却器、窒素ガス導入口および放圧口を備え
た容量70リットルの圧力容器に仕込み、該圧力容器内
を十分窒素置換した後、攪拌下、室温から260℃まで
3時間かけて昇温した。昇温中、圧力が25kgf/c
2 Gを越えるようであれば、放圧により25kgf/
cm2 Gに調節する。このようにして260℃に達した
ら、圧力容器内の水蒸気圧を25kgf/cm2 Gに保
ちながら3時間反応を進めた後、攪拌を止め、圧力容器
内部を260℃、25kgf/cm2 Gに保ちながら、
圧力容器の底部から反応混合物を大気圧下に取り出し
た。そこで、この反応混合物を80℃で48時間真空乾
燥し、ナイロン6T/6I/12からなる粉末状のオリ
ゴマーを得た。得られたオリゴマーのηrは1.26、
Tmは303℃、Tcは260℃であった。
【0052】次に、このオリゴマーを供給量30kg/
hrで、2軸押出機(バレル内径:55mm、L/D=
42、バレル温度:330℃)に供給して、さらに重縮
合反応を進め、ペレット状のポリマーを得た。得られた
ポリマーのηrは2.59、Tmは303℃、Tcは2
60℃、組成は6T/6I/12=60/32/8(モ
ル%)であった。このペレットを80℃で48時間真空
乾燥した後、射出成形機によりシリンダー温度330
℃、金型温度40℃の条件で物性測定用試験片を作製し
た。このポリマーの物性を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】比較例1 実施例1と同様の容量1リットルの圧力容器に、テレフ
タル酸とヘキサメチレンジアミンからなる等モル塩22
0.3g(0.780モル)、イソフタル酸とヘキサメ
チレンジアミンからなる等モル塩146.8g(0.5
20モル)および蒸留水92.1gを仕込んだ。圧力容
器内を十分窒素置換した後、実施例1と同様な条件で重
合を行い、圧力容器内部を270℃、25kgf/cm
2 Gに保ちながら、圧力容器の底部から反応混合物を大
気圧下に取り出した。そこで、この反応混合物を80℃
で48時間真空乾燥し、ナイロン6T/6Iからなる粉
末状のオリゴマーを得た。得られたオリゴマーのηrは
1.34、Tmは310℃、Tcは260℃であった。
【0055】次に、このオリゴマーを2軸押出機(バレ
ル内径:55mm、L/D=42、バレル温度:330
℃)に供給し、さらに重縮合反応を進め、ペレット状の
ポリマーを得た。得られたポリマーのηrは2.54、
Tmは310℃、Tcは259℃、組成は6T/6I=
60/40(モル%)であった。このペレットを80℃
で48時間真空乾燥した後、射出成形機によりシリンダ
ー温度330℃、金型温度40℃の条件で物性測定用試
験片を作製した。このポリマーの物性を表2に示す。こ
のポリマーは、引張り伸びが低く、靱性に劣るポリアミ
ドであった。
【0056】比較例2 実施例1と同様の容量1リットルの圧力容器に、テレフ
タル酸とヘキサメチレンジアミンからなる等モル塩29
3g(1.040モル)、イソフタル酸とヘキサメチレ
ンジアミンからなる等モル塩62.1g(0.285モ
ル)、12−アミノドデカン酸51.7g(0.312
モル)および蒸留水91.6gを仕込んだ。圧力容器内
を十分窒素置換した後、攪拌下、室温から280℃まで
3時間かけて昇温した。昇温中、圧力が30kgf/c
2 Gを越えるようであれば放圧により30kgf/c
2 Gに調節する。280℃に達したら、圧力容器内の
水蒸気圧を30kgf/cm2 Gに保ちながら4時間反
応を進めた後、攪拌を止め、圧力容器内部を280℃、
30kgf/cm2 Gに保ちながら、圧力容器の底部か
ら反応混合物を大気圧下に取り出した。そこで、この反
応混合物を80℃で48時間真空乾燥し、ナイロン6T
/6I/12からなる粉末状のオリゴマーを得た。得ら
れたオリゴマーのηrは1.32、Tmは325℃、T
cは288℃であった。
【0057】次に、このオリゴマーを2軸押出機(バレ
ル内径:55mm、L/D=42、バレル温度:355
℃)に供給し、さらに重縮合反応を進め、ペレット状の
ポリマーを得た。得られたポリマーのηrは2.59、
Tmは326℃、Tcは290℃、組成は6T/6I/
12=80/15/5(モル%)であった。このポリマ
ーは黄色く着色していた。このペレットを80℃で48
時間真空乾燥した後、射出成形機によりシリンダー温度
355℃、金型温度40℃の条件で物性測定用試験片を
作製した。このポリマーの物性を表2に示す。このポリ
マーは、引張り伸びおよび衝撃強度が低く、靱性に劣る
ポリアミドであった。
【0058】比較例3 実施例1と同様の容量1リットルの圧力容器に、テレフ
タル酸とヘキサメチレンジアミンからなる等モル塩21
3.4g(0.756モル)、イソフタル酸とヘキサメ
チレンジアミンからなる等モル塩39.5g(0.14
0モル)、12−アミノドデカン酸108.6g(0.
504モル)および蒸留水89.3gを仕込んだ。圧力
容器内を十分窒素置換した後、実施例1と同様な条件で
重合を行い、圧力容器内部を270℃、25kgf/c
2 Gに保ちながら、圧力容器の底部から反応混合物を
大気圧下に取り出した。そこで、この反応混合物を80
℃で48時間真空乾燥し、ナイロン6T/6I/12か
らなる粉末状のオリゴマーを得た。得られたオリゴマー
のηrは1.43、Tmは293℃、Tcは246℃で
あった。
【0059】次に、このオリゴマーを2軸押出機(バレ
ル内径:55mm、L/D=42、バレル温度:320
℃)に供給し、さらに重縮合反応を進め、ペレット状の
ポリマーを得た。得られたポリマーのηrは2.71、
Tmは293℃、Tcは247℃、組成は6T/6I/
12=54/10/36(モル%)であった。このペレ
ットを80℃で48時間真空乾燥した後、射出成形機に
よりシリンダー温度320℃、金型温度40℃の条件で
物性測定用試験片を作製した。このポリマーの物性を表
2に示す。このポリマーは、曲げ弾性率および荷重たわ
み温度が低く、剛性および耐熱性に劣るポリアミドであ
った。
【0060】比較例4 実施例1と同様の容量1リットルの圧力容器に、テレフ
タル酸とヘキサメチレンジアミンからなる等モル塩13
3.4g(0.472モル)、イソフタル酸とヘキサメ
チレンジアミンからなる等モル塩114.4g(0.4
05モル)、12−アミノドデカン酸101.8g
(0.473モル)および蒸留水84.5gを仕込ん
だ。圧力容器内を十分窒素置換した後、実施例1と同様
な条件で重合を行い、圧力容器内部を270℃、25k
gf/cm2 Gに保ちながら、圧力容器の底部から反応
混合物を大気圧下に取り出した。そこで、この反応混合
物を80℃で48時間真空乾燥し、ナイロン6T/6I
/12からなる粉末状のオリゴマーを得た。得られたオ
リゴマーのηrは1.32、そしてTmおよびTcは明
確なピークが認められなかった。
【0061】次に、このオリゴマーを2軸押出機(バレ
ル内径:55mm、L/D=42、バレル温度:300
℃)に供給し、さらに重縮合反応を進め、透明のペレッ
ト状ポリマーを得た。得られたポリマーのηrは2.7
0、そしてTmおよびTcは明確なピークが認められな
かった。また、組成は6T/6I/12=35/30/
35(モル%)であった。このペレットを80℃で48
時間真空乾燥した後、射出成形機によりシリンダー温度
300℃、金型温度40℃の条件で物性測定用試験片を
作製した。このポリマーの物性を表2に示す。このポリ
マーは、曲げ強さおよび曲げ弾性率が低く、また、荷重
たわみ温度が著しく低下した剛性および耐熱性に劣るポ
リアミドであった。
【0062】比較例5 実施例1と同様の容量1リットルの圧力容器に、テレフ
タル酸とヘキサメチレンジアミンからなる等モル塩14
5.7g(0.516モル)、イソフタル酸とヘキサメ
チレンジアミンからなる等モル塩183.0g(0.6
48モル)、12−アミノドデカン酸7.8g(0.0
36モル)および蒸留水92.1gを仕込んだ。圧力容
器内を十分窒素置換した後、実施例1と同様な条件で重
合を行い、圧力容器内部を270℃、25kgf/cm
2 Gに保ちながら、圧力容器の底部から反応混合物を大
気圧下に取り出した。そこで、この反応混合物を80℃
で48時間真空乾燥し、ナイロン6T/6I/12から
なる粉末状のオリゴマーを得た。得られたオリゴマーの
ηrは1.30、そしてTmおよびTcは明確なピーク
が認められなかった。
【0063】次に、このオリゴマーを2軸押出機(バレ
ル内径:55mm、L/D=42、バレル温度:320
℃)に供給し、さらに重縮合反応を進め、ペレット状の
ポリマーを得た。得られたポリマーのηrは2.58、
そしてTmおよびTcは明確なピークが認められなかっ
た。また、組成は6T/6I/12=43/54/3
(モル%)であった。このペレットを80℃で48時間
真空乾燥した後、射出成形機によりシリンダー温度32
0℃、金型温度40℃の条件で物性測定用試験片を作製
した。このポリマーの物性を表2に示す。このポリマー
は、荷重たわみ温度が著しく低く、耐熱性に劣るポリア
ミドであった。
【0064】
【表2】
【0065】実施例7 実施例6で得られたナイロン6T/6I/12コポリマ
ーのペレットを80℃で48時間真空乾燥したもの10
0重量部と、平均繊維径が13μmのガラス繊維(日本
電気硝子(株)製、商品名:ECS T−24)30重
量部とを、タンブラーを用いて窒素雰囲気下にドライブ
レンドした。次に、この混合物を池貝鉄工(株)製2軸
混練機PCM−45を用い、シリンダー設定温度330
℃、回転数150rpm、吐出量15kg/hrにて混
練し、ペレット状のポリアミド樹脂組成物を得た。さら
に、得られたポリアミド樹脂組成物を80℃で48時間
真空乾燥した後、射出成形機によりシリンダー温度33
0℃、金型温度40℃の条件で射出成形して、物性測定
用試験片を作製した。得られたポリアミド樹脂組成物の
物性を表3に示す。
【0066】実施例8 実施例6で得られたナイロン6T/6I/12コポリマ
ーのペレットを80℃で48時間真空乾燥したもの10
0重量部に変えて、実施例3で得られたナイロン6T/
6I/11コポリマーのペレットを80℃で48時間真
空乾燥したもの100重量部を用いたこと、実施例7で
用いたのと同様なガラス繊維を30重量部に変えて45
重量部用いたこと、および、混練時のシリンダー設定温
度を330℃に変えて310℃にしたこと以外は、実施
例7と全く同様に処理して、ペレット状のポリアミド樹
脂組成物を得た。次に、得られたポリアミド樹脂組成物
を80℃で48時間真空乾燥した後、射出成形機により
シリンダー温度310℃、金型温度40℃の条件で射出
成形して、物性測定用試験片を作製した。得られたポリ
アミド樹脂組成物の物性を表3に示す。
【0067】比較例6 実施例6で得られたナイロン6T/6I/12コポリマ
ーのペレットを80℃で48時間真空乾燥したもの10
0重量部に変えて、比較例2で得られたナイロン6T/
6I/12コポリマーのペレットを80℃で48時間真
空乾燥したもの100重量部を使用したこと、および、
混練時のシリンダー設定温度を330℃に変えて350
℃にしたこと以外は、実施例7と全く同様に処理して、
ペレット状のポリアミド樹脂組成物を得た。得られたポ
リアミド樹脂組成物は黄色く着色していた。そこで、得
られたポリアミド樹脂組成物を80℃で48時間真空乾
燥した後、射出成形機によりシリンダー温度350℃、
金型温度40℃の条件で射出成形して、物性測定用試験
片を作製した。得られたポリアミド樹脂組成物の物性を
表3に示す。本ポリアミド樹脂組成物は、引張り伸びお
よび衝撃強度が低く、靱性に劣る物であった。
【0068】比較例7 実施例6で得られたナイロン6T/6I/12コポリマ
ーのペレットを80℃で48時間真空乾燥したもの10
0重量部に変えて、比較例4で得られたナイロン6T/
6I/12コポリマーのペレットを80℃で48時間真
空乾燥したもの100重量部を用いたこと、実施例7で
用いたのと同様なガラス繊維を30重量部に変えて45
重量部用いたこと、および、混練時のシリンダー設定温
度を330℃に変えて300℃にしたこと以外は、実施
例7と全く同様に処理して、ペレット状のポリアミド樹
脂組成物を得た。次に、得られたポリアミド樹脂組成物
を80℃で48時間真空乾燥した後、射出成形機により
シリンダー温度300℃、金型温度40℃の条件で射出
成形して、物性測定用試験片を作製した。得られたポリ
アミド樹脂組成物の物性を表3に示す。本ポリアミド樹
脂組成物は、荷重たわみ温度が低く、耐熱性に劣る物で
あった。
【0069】
【表3】
【0070】
【発明の効果】本発明により得られる結晶性コポリアミ
ドは、特定の成分と組成に基づいた半芳香族のポリアミ
ドであるため、ポリアミド樹脂が本来有する耐熱性、高
剛性、低吸水性などの物性を損なうことなく強靱で寸法
安定性に優れたポリアミドである。また、本発明により
得られるポリアミド樹脂組成物は、この結晶性コポリア
ミドと充填剤とを特定の割合で配合してなるものである
ため、前記結晶性コポリアミドの優れた物性に加えて、
荷重たわみ温度や剛性などの物性がさらに向上した樹脂
組成物である。したがって、本発明の結晶性コポリアミ
ドまたはそれを含んでなるポリアミド樹脂組成物を使用
した成形品は、従来公知のポリアミドやポリアミド樹脂
組成物を用いた成形品に比較して、高い荷重たわみ温度
や高い剛性を有するばかりでなく、強靱で引張り伸びや
衝撃強度に優れ、かつ寸法安定性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の結晶性コポリアミドの成分単位である
(A)ヘキサメチレンテレフタラミド単位、(B)ヘキ
サメチレンイソフタラミド単位、および(C)一般式
〔OC(CH2 )nNH〕(ただし、式中のnは、10
ないし11を表わす)で表わされるω−カプロン酸アミ
ド単位の百分率組成(モル%)を三角座標〔(A),
(B),(C)〕で表わしたグラフである。
【符号の説明】
A 結晶性コポリアミド中の(A)ヘキサメチレンテレ
フタラミド単位 B 結晶性コポリアミド中の(B)ヘキサメチレンイソ
フタラミド単位 C 結晶性コポリアミド中の(C)一般式〔OC(CH
2 )nNH〕(ただし、式中のnは、10ないし11を
表わす)で表わされるω−カプロン酸アミド単位

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ヘキサメチレンテレフタラミド単
    位、(B)ヘキサメチレンイソフタラミド単位および
    (C)一般式〔OC(CH2 )nNH〕(ただし、式中
    のnは、10ないし11を表わす)で表わされるω−カ
    ルボン酸アミド単位から形成されるコポリアミドであ
    り、これら各成分単位の組成が、その組成割合(モル
    %)を示す三角座標〔(A),(B),(C)〕上の点
    〔75,22,3〕、〔75,10,15〕、〔64,
    10,26〕、〔48,26,26〕および〔48,4
    9,3〕を順次直線で結んで囲まれる範囲内の組成を有
    する結晶性コポリアミド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の結晶性コポリアミド10
    0重量部と、充填剤1〜200重量部とからなるポリア
    ミド樹脂組成物。
JP27382894A 1994-11-08 1994-11-08 結晶性コポリアミドおよびそれを含んでなるポリアミド樹脂組成物 Pending JPH08134209A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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