JPH08134093A - 制癌剤 - Google Patents

制癌剤

Info

Publication number
JPH08134093A
JPH08134093A JP6271181A JP27118194A JPH08134093A JP H08134093 A JPH08134093 A JP H08134093A JP 6271181 A JP6271181 A JP 6271181A JP 27118194 A JP27118194 A JP 27118194A JP H08134093 A JPH08134093 A JP H08134093A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dideoxy
fluorocytidine
amino
substituted
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6271181A
Other languages
English (en)
Inventor
Minero Saneyoshi
峯郎 実吉
Takeo Kawaguchi
健夫 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP6271181A priority Critical patent/JPH08134093A/ja
Publication of JPH08134093A publication Critical patent/JPH08134093A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Landscapes

  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 式〔I〕で示される2',3'−ジデオキシ−
3'−N−置換−L−フェニルアラニルアミド−5−フ
ルオロシチジン、その製造法及び当該化合物を有効成分
として含有する制癌剤。 〔式中、Rはアミノ基の保護基〕 【効果】 式〔I〕の化合物は、キモトリプシンによっ
て優先的に3'−アミノ−2',3'−ジデオキシ−5−フ
ルオロシチジンが切断活性化されるので、3'−アミノ
−2',3'−ジデオキシ−5−フルオロシチジンを直接
投与するよりも活性が強く、生物学的利用効率に優れた
プロドラッグである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2',3'−ジデオキシ
−3'−N−置換−L−フェニルアラニルアミド−5−
フルオロシチジン及びその製造法並びにその用途に関す
る。
【0002】
【従来の技術】それ自身は活性が低いか不活性である
が、代謝されて活性型に変化する薬物、即ち、薬物が生
体内で代謝を受けるという現実を逆に利用して、意識的
に分子を修飾することによって諸作用の改善を狙った薬
物をプロドラッグという。
【0003】プロドラッグ化の目的は、作用の持続化、
水溶性の増大、投与形態の変更などバイオアベイラビリ
ティーの改善、副作用・毒性の軽減、安定化、味やにお
いの改善など製剤上の問題点の解決等に大別され、これ
までに数多くのプロドラッグが医薬品として開発されて
いる。
【0004】最近では、癌細胞中において優先的に有効
成分が切断されるよう工夫したプロドラッグがデザイン
されている。3'−アミノ−2',3'−ジデオキシシチジ
ンは、化合物として公知であり、マウス白血病細胞であ
るL1210に対する効果が報告されている〔T.S.Lin, W.
R.Mancini; J.Medicinal Chemistry, 26, 544 (198
3)〕。そして、ガン化した細胞において増幅することが
知られているキモトリプシンによって、活性ヌクレオチ
ドを細胞中に放出することが期待される、新しい範疇に
属するプロドラッグである。
【0005】2',3'−ジデオキシ−3'−N−置換−L
−フェニルアラニルアミドシチジンの親化合物である
3'−アミノ−2',3'−ジデオキシシチジンは、細胞中
でデオキシシチジンキナーゼによりリン酸化され、さら
にその5'−トリリン酸となってDNAポリメラーゼ群
を阻害することによってガン細胞の増殖を阻害するが、
S期特異的なDNAポリメラーゼαのみならずβをも阻
害することにより、より広範囲の腫瘍にわたって奏効す
ることが期待される。また、デオキシシチジンキナーゼ
は、2'−デオキシシチジンを基質として、プロドラッ
グの初期活性化(リン酸化)に重要な役割を果している
ことから、2'−デオキシシチジンよりも更にリン酸化
されやすい基質を用いて、ガン細胞の増殖を阻害するの
に特異的な化合物を開発することが望まれる。
【0006】さらに、3'−アミノ−2',3'−ジデオキ
シシチジンは、細胞レベル(in vitro)では効くが、生
体内では血中半減期が短く血中濃度の維持が困難である
ため、血中半減期をより延長することにより、薬理効果
を持続させる薬物の開発が望まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生体内にお
いて、ガン化した細胞中のキモトリプシンによって3'
−アミノ−2',3'−ジデオキシシチジンになり、か
つ、薬物の血中半減期を長くさせて血中濃度を高く維持
することにより優れた制癌活性を生じさせるプロドラッ
グを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を行った結果、2',3'−ジ
デオキシ−3'−N−置換−L−フェニルアラニルアミ
ドシチジンの5−フルオロ誘導体が優れた制癌活性を有
することを見い出し、本発明を完成するに至った。即
ち、本発明は、次式(I):
【0009】
【化6】
【0010】(式中、Rはアミノ基の保護基を表す)で
示される2',3'−ジデオキシ−3'−N−置換−L−フ
ェニルアラニルアミド−5−フルオロシチジンである。
【0011】上記Rで表されるアミノ基の保護基として
は、炭素数6個以上20個以下の脂肪族アシル基又は芳香
族アシル基などが挙げられる。さらに、本発明は、次式
(II):
【0012】
【化7】
【0013】で示される3'−アミノ−2',3'−ジデオ
キシ−5−フルオロシチジンと、次式(III):
【0014】
【化8】
【0015】(式中、Rは前記と同じであり、R1はペ
ンタクロロフェニル、p−ニトロフェニル、N−ヒドロ
キシコハク酸イミド、N−ヒドロキシフタルイミド又は
ヒドロキシトリアゾールを表す)で示されるN−置換−
L−フェニルアラニン誘導体とを反応させることを特徴
とする次式(I):
【0016】
【化9】
【0017】(式中、Rは前記と同様である)で示され
る2',3'−ジデオキシ−3'−N−置換−L−フェニル
アラニルアミド−5−フルオロシチジンの製造方法であ
る。さらに、本発明は、次式(I):
【0018】
【化10】
【0019】(式中、Rは前記と同様である)で示され
る2',3'−ジデオキシ−3'−N−置換−L−フェニル
アラニルアミド−5−フルオロシチジンを有効成分とし
て含有する制癌剤である。以下、本発明について詳細に
説明する。式(I)で表される化合物は、キモトリプシ
ンによって特異的に切断活性化される3'−アミノ−
2',3'−ジデオキシ−5−フルオロシチジンのプロド
ラッグである。
【0020】本発明の化合物(以下、本化合物とする)
は、次のようにして得ることができる。即ち、そのアミ
ノ基を保護したフェニルアラニンであるアシルフェニル
アラニン又は芳香族アシルフェニルアラニンの活性エス
テルと3'−アミノ−2',3'−ジデオキシ−5−フルオ
ロシチジンとを、例えば室温で10〜30時間反応(縮合)
させることによって得られる。アミノ基の保護基として
は、好ましくは、炭素数6個以上20個以下の脂肪族アシ
ル基又は芳香族アシル基、例えばヘキサノイル基、ベン
ゾイル基、ナフトイル基、ニコチノイル基等が挙げられ
る。
【0021】そして、この活性エステルとしては、例え
ばペンタクロロフェニルエステル、p−ニトロフェニル
エステル、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル、N
−ヒドロキシフタルイミドエステル、ヒドロキシトリア
ゾールエステル等が挙げられるが、ペンタクロロフェニ
ルエステルが好ましい。縮合法としては、上記の活性エ
ステル法が用いられるが、その他、混合酸無水物法、
N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド法(DCC
法)、酸アジド法等も用いることができる。
【0022】本化合物は、癌細胞中のプロテアーゼで特
異的に切断活性化される。即ち、癌細胞中で、キモトリ
プシンによって3'−アミノ−2',3'−ジデオキシ−5
−フルオロシチジンが優先的に切断される。特に、2',
3'−ジデオキシ−3'−N−置換−L−フェニルアラニ
ルアミドの5−フルオロ誘導体において、その活性化が
容易になされる。
【0023】従って、本化合物は、キモトリプシンを産
生する癌細胞に対する制癌作用が特に顕著である。しか
も、キモトリプシンによって3'−アミノ−2',3'−ジ
デオキシ−5−フルオロシチジンが切断されるまでは本
化合物は不活性のままであるため、血中半減期を延長さ
せることができ、血中濃度も高く維持できる。これは、
単なるエステルやアミド型プロドラッグとは異なる特徴
を有するものである。また、本化合物を制癌剤として投
与する場合は、主として白血病、肺癌系統等に対して有
効である。
【0024】本化合物を投与する方法は経口又は非経口
でもよく、経口投与には舌下投与を包含する。非経口投
与には、注射、例えば皮下、腹腔内、筋肉、静脈注射、
点滴の他、坐剤等を含む。また、その投与量は、投与対
象の年齢、投与経路、投与回数により異なり、広範囲に
変えることができる。この場合、本化合物の有効量と適
切な希釈剤及び薬理学的に使用し得る担体との組成物と
して投与される有効量は10〜800mg/kg体重/日であり、
1日1回から数回に分けて5日以上投与される。
【0025】本化合物を経口投与する場合には、それに
適用される錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤等とすればよ
く、特に顆粒剤、細粒剤及び散剤は、必要に応じてカプ
セル剤として単位量投与形態とすることができる。これ
ら経口投与用固形剤は、通常それらの組成物中に製剤上
一般に使用される結合剤、包含剤、賦形剤、滑沢剤、崩
壊剤、湿潤剤のような添加物を含有する。また、経口用
液体製剤としては、内用水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ
剤等いずれの状態であってもよく、また、使用する際に
再溶解させる乾燥生成物にしてもよい。更に、その組成
物は添加剤、保存剤のいずれを含有してもよい。
【0026】また、非経口投与の場合には、安定剤、緩
衝剤、保存剤、等張化剤等の添加剤を含有し、通常単位
投与量アンプル又は多投与量容器の状態で提供される。
上記の組成物は使用する際に適当な担体、例えば発熱物
質不含の滅菌した水で再溶解させる粉体であってもよ
い。ここで、下記の通り本化合物の試験例を挙げ、本化
合物を用いた薬理効果(制癌活性)について説明する。
【0027】〔試験例1〕 本化合物のマウス白血病細
胞に対する制癌活性 本化合物には、2',3'−ジデオキシ−3'−N−ヘキサ
ノイル−L−フェニルアラニル−アミノ−5−フルオロ
シチジン(以下「ヘキサノイル体」とする)及び2',
3'−ジデオキシ−3'−N−ベンゾイル−L−フェニル
アラニル−アミノ−5−フルオロシチジン(以下「ベン
ゾイル体」とする)を使用した。尚、比較化合物とし
て、3'−アミノ−2',3'−ジデオキシ−5−フルオロ
シチジン(以下、「3'−アミノ−FCdR」とす
る)、2',3'−ジデオキシ−3'−N−アセチル−L−
フェニルアラニル−アミノ−5−フルオロシチジン(以
下「アセチル体」とする)及び2',3'−ジデオキシ−
3'−N−t−ブトキシカルボニル−L−フェニルアラ
ニル−アミノ−5−フルオロシチジン(以下「t−Bo
c体」とする)を使用した。
【0028】マウス白血病細胞であるP388を106個、マ
ウス(CDF1,雌,8週令)の腹腔中に移植した(1
群あたり5匹)。上記本化合物及び比較化合物を生理食
塩水中に溶解又は懸濁させ、腫瘍細胞移植後1日目より
5日目まで連続して1日1回、図1に示される量をマウ
スの腹腔に投与した。尚、生理食塩水のみを同様の方法
で投与する群(対照群とする)についても同様に試験し
た。
【0029】腫瘍細胞移植後90日間マウスを観察し、そ
の生存時間を測定した。また、腫瘍細胞移植17日後にお
けるマウスの体重変化を測定した。さらに、上記本化合
物及び比較化合物の投与群をT、対照群をCとして、投
与群の対照群に対する生存日数の比(T/C(%))を
求め、これを制癌活性の指標とした。
【0030】結果を図1に示す。図1より、本発明の化
合物であるベンゾイル体において、顕著な制癌活性が示
された。
【0031】〔試験例2〕本化合物のルイス肺癌に対す
る制癌活性 試験例1と同様にして、ルイス肺癌に対する制癌活性を
測定した。ルイス肺癌を3×105個、マウス(BDF1
系,雌,8週令)の皮下に移植した(1群あたり5
匹)。上記本化合物を生理食塩水中に溶解又はカルボキ
シメチルセルロースナトリウム塩含有生理食塩水で懸濁
させ、腫瘍移植後1日目から5日目まで連続して1日1
回、所定量(表1参照)をマウスの腹腔に投与した。
尚、生理食塩水のみを同様の方法で投与する群(対照群
とする)についても同様に試験した。結果を表1に示
す。表1より、本発明の化合物であるヘキサノイル体及
びベンゾイル体において、顕著な制癌活性が示された。
【0032】
【表1】
【0033】表1の「生存時間」の項目に示された各数
値は、それぞれマウス数5匹あたりの平均生存日数±標
準誤差を示す。
【0034】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。 〔実施例1〕 2',3'−ジデオキシ−3'−N−アシル
−L−フェニルアラニルアミド−5−フルオロシチジン
の合成。 3'−アミノ−2',3'−ジデオキシ−5−フルオロシチ
ジンについては、公知の方法〔T.S.Lin et al.,J.Med.C
hem.,26,1691(1983)〕により得た3'−アミノ−2',3'
−ジデオキシ−5−フルオロシチジン243mgをジメチル
ホルムアミド(DMF)5mlに溶解し、N−アシル−L
−フェニルアラニンペンタクロロフェニルエステル(t
−Boc体、アセチル体、ヘキサノイル体又はベンゾイ
ル体)(1.5当量)、トリエチルアミン150μLを加え、
室温で50時間攪拌した。溶媒を減圧下、可及的に留去
し、30mlの飽和炭酸水素ナトリウム及び30mlの酢酸エチ
ルで分配し、有機層を蒸留水で洗浄した。次に、無水硫
酸マグネシウムで乾燥し、シリカゲル(10g)のカラム
にのせ、クロロホルム−エタノール(9:1)で溶出
し、溶出液をシリカゲルの薄層クロマトグラフィーに供
して目的物を含む画分を集めた。溶媒を留去後、少量の
エタノールとエーテルの混液から結晶化した。融点は、
t−Boc体が145〜146℃、アセチル体が156〜157
℃、、ヘキサノイル体が66〜68℃、ベンゾイル体が138
〜139℃であった。
【0035】(1)NMRの結果は、次の通りである。 3'−アミノ−2',3'−ジデオキシ−5−フルオロシチ
ジン(3'-NH2-FCdR):UV(0.01N HCl)λmax277nm(ε1179
0), λmin238nm; UV(0.01N NaOH)λmax268nm(ε7820),
λmin246nm; NMR(Me2SO-d6)δ2.0-2.2(m, 2H, 2'-H),3.
27-3.34(d, 2H,3'-NH2, D2O 交換可能)3.9-4.4(m, 3H,
4'-H,5'-H),4.94(br s, 1H, 5'-OH, D2O 交換可能)4.98
(t, 1H, 3'-H),6.16(t, 1H, 1'-H),7.06(br d, 2H, 4-N
H2, D2O交換可能),7.87(d, 1H, 6-H). ニンヒドリン試
験;陽性。
【0036】2',3'−ジデオキシ−3'−(N−アセチ
ル−L−フェニルアラニル)−アミノ−5−フルオロシ
チジン: UV(Me0H)λmax271;NMR(Me2SO-d6)δ2.0-2.2(m, 2H, 2'-
H),3.3(s, 3H, -CH3),3.6(dd, 2H, -CH2-)3.9-4.4(m, 3
H, 4'-H, 5'-H),4.5(m, 1H, -CH-),4.94(br s, 1H, 5'-
OH, D2O 交換可能),4.98(t, 1H, 3'-H),6.16(t, 1H, 1'
-H),7.06(br d, 2H, 4-NH2, D2O 交換可能),7.1-7.3(m,
5H,芳香族-H), 7.87(d, 1H, 6-H),8.4-8.6(m, 2H, -NH
-, D2O交換可能).
【0037】2',3'−ジデオキシ−3'−(N−t−ブ
トキシカルボニル−L−フェニルアラニル)−アミノ−
5−フルオロシチジン: UV(Me0H)λmax271nm;NMR(CDCl3-d6)δ1.31(s, 9H, -C
H3),2.0-2.2(m, 2H, 2'-H),3.6(dd, 2H, -CH2-)3.9-4.4
(m, 3H, 4'-H, 5'-H),4.5(m, 1H, -CH-),4.94(br s, 1
H, 5'-OH, D2O交換可能),4.98(t, 1H, 3'-H),6.16(t, 1
H, 1'-H),7.06(br d,2, 4-NH2, D2O交換可能),7.1-7.3
(m, 5H,芳香族-H), 7.87(d, 1H, 6-H),8.4-8.6(m, 2H,
-NH-, D2O交換可能).
【0038】2',3'−ジデオキシ−3'−(N−ヘキサ
ノイル−L−フェニルアラニル)−アミノ−5−フルオ
ロシチジン: UV(Me0H)λmax271nm;NMR(CDCl3-d6)δ0.8-0.9(t, 3H, -
Cl3),1.1-1.35(m, 6H, -(CH2)3-),1.5-1.6(t, 2H, -CH2
-),2.0-2.2(m, 2H, 2'-H),3.6(dd, 2H, -CH2-)3.9-4.4
(m, 3H, 4'-H, 5'-H),4.5(m, 1H, -CH-),4.94(br s, 1
H, 5'-OH, D2O 交換可能),4.98(t, 1H, 3'-H),6.16(t,
1, 1'-H),7.06(br d, 2H, 4-NH2, D2O交換可能),7.1-7.
3(m, 5H,芳香族-H), 7.87(d, 1H, 6-H),8.4-8.6(m, 2H,
-NH-, D2O交換可能).
【0039】2',3'−ジデオキシ−3'−(N−ベンゾ
イル−L−フェニルアラニル)−アミノ−5−フルオロ
シチジン: UV(Me0H)λmax271nm;NMR(CDCl3-d6)δ2.0-2.2(m, 2H,
2'-H),3.6(dd, 2H, -CH2-)3.9-4.4(m, 3H, 4'-H, 5'-
H),4.5(m, 1H, -CH-),4.94(br s, 1H, 5'-OH, D2O交換
可能),4.98(t, 1H, 3'-H),6.16(t, 1H, 1'-H),7.06(br
d, 2H, 4-NH2, D2O 交換可能),7.1-7.3(m, 5H,芳香族-
H),7.4-7.53(m, 5H, 芳香族-H),7.87(d, 1H, 6-H),8.4-
8.6(m, 2H, -NH-, D2O 交換可能).
【0040】(2)クロロホルム/水における分配係数
(Partition coefficient;logP) は表2のとおりであ
る。
【0041】
【表2】
【0042】表2より、ヘキサノイル体及びベンゾイル
体において著しい疎水性付与効果を示している。
【0043】(3)N−アシル−フェニルアラニルアミ
ド−2',3'−ジデオキシ−5−フルオロシチジンのγ
−キモトリプシンによる加水分解速度 酵素(240単位/ml)での加水分解速度定数(k)及び
消失半減期(t1/2)は下記の表3の通りである。
【0044】
【表3】
【0045】表3から明らかな通り、ベンゾイル体の半
減期はアセチル体の半減期の約70倍となり、徐放効果が
期待される。
【発明の効果】本発明により、優れた制癌活性を生じる
プロドラッグを提供することができる。本発明の化合物
3'−N−アシル−フェニルアラニルアミド−2',3'−
ジデオキシ−5−フルオロシチジンは、細胞中でキモト
リプシンにより、親化合物へと特異的に切断され、リン
酸化を経てDNA合成を阻害することにより、ガン細胞
増殖を抑えることが期待され、また、半減期が長いこと
から、その活性(ガン細胞の増殖阻害活性)を高めるこ
とができ、制癌剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本化合物のマウス白血病細胞に対する制癌活性
を示す図。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(I): 【化1】 (式中、Rはアミノ基の保護基を表す)で示される2',
    3'−ジデオキシ−3'−N−置換−L−フェニルアラニ
    ルアミド−5−フルオロシチジン。
  2. 【請求項2】 Rで表されるアミノ基の保護基が炭素数
    6個以上20個以下の脂肪族アシル基又は芳香族アシル基
    である、請求項1記載の2',3'−ジデオキシ−3'−N
    −置換−L−フェニルアラニルアミド−5−フルオロシ
    チジン。
  3. 【請求項3】 次式(II): 【化2】 で示される3'−アミノ−2',3'−ジデオキシ−5−フ
    ルオロシシチジンと、次式(III): 【化3】 (式中、Rは前記と同じであり、R1はペンタクロロフ
    ェニル、p−ニトロフェニル、N−ヒドロキシコハク酸
    イミド、N−ヒドロキシフタルイミド又はヒドロキシト
    リアゾールを表す)で示されるN−置換−L−フェニル
    アラニン誘導体とを反応させることを特徴とする次式
    (I): 【化4】 (式中、Rは前記と同じである)で示される2',3'−
    ジデオキシ−3'−N−置換−L−フェニルアラニルア
    ミド−5−フルオロシチジンの製造方法。
  4. 【請求項4】 次式(I): 【化5】 (式中、Rは前記と同じである)で示される2',3'−
    ジデオキシ−3'−N−置換−L−フェニルアラニルア
    ミド−5−フルオロシチジンを有効成分として含有する
    制癌剤。
JP6271181A 1994-11-04 1994-11-04 制癌剤 Pending JPH08134093A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6271181A JPH08134093A (ja) 1994-11-04 1994-11-04 制癌剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6271181A JPH08134093A (ja) 1994-11-04 1994-11-04 制癌剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08134093A true JPH08134093A (ja) 1996-05-28

Family

ID=17496482

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6271181A Pending JPH08134093A (ja) 1994-11-04 1994-11-04 制癌剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08134093A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010275254A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Tokyo Univ Of Agriculture & Technology 疎水性基結合ヌクレオシド、疎水性基結合ヌクレオシド溶液、及び疎水性基結合オリゴヌクレオチド合成方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010275254A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Tokyo Univ Of Agriculture & Technology 疎水性基結合ヌクレオシド、疎水性基結合ヌクレオシド溶液、及び疎水性基結合オリゴヌクレオチド合成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2501297B2 (ja) N4−(置換−オキシカルボニル)−5′−デオキシ−5−フルオロシチジン誘導体
JP4923216B2 (ja) 化合物
EP0986570B1 (en) Gemcitabine derivatives
TWI461432B (zh) 尿嘧啶基螺氧雜環丁烷核苷類
CA2405798A1 (en) Pyrido¬2,3-d|pyrimidine and pyrimido¬4,5-d|pyrimidine nucleosides
JP7054528B2 (ja) プロテインキナーゼ活性を抑制する化合物の結晶形態、及びその適用
US4239905A (en) 1-β-D-Arabinofuranosylcytosine-5'-oleyl phosphate and salts thereof
JPH04500968A (ja) ヌクレオシド誘導体
TWI449528B (zh) 3’-乙炔基胞嘧啶核苷衍生物
EP1606233B1 (en) Phospholipid esters of Clofarabin
CA2707593A1 (en) Clofarabine phospholipid derivatives
US11312699B2 (en) Processes for preparing 2-(4-chlorophenyl)-N-((2-(2,6-dioxopiperidin-3-yl)-1-oxoisoindolin-5-yl)methyl)-2,2-difluoroacetamide
JPH08134093A (ja) 制癌剤
JPH05507267A (ja) カルボ―ヌクレオシド誘導体
CN116096372A (zh) 一种egfr抑制剂、其制备方法和在药学上的应用
JP3025557B2 (ja) 2‐アルキニルアデノシン誘導体
KR101231925B1 (ko) 젬시타빈의 전구약물 및 이의 제조방법
JP2004505899A (ja) 5’−デオキシ−n−(置換されたオキシカルボニル)−5−フルオロシトシン及びその誘導体、その製造方法、並びに、これを有効性分として含む抗癌剤組成物
JPWO2008010571A1 (ja) 2’−シアノピリミジンヌクレオシド化合物
JPS636080B2 (ja)
JPS6383093A (ja) ヌクレオシド−リン脂質複合体
WO2018110643A1 (ja) 抗ウイルス活性を示すヌクレオシド誘導体
JPH0834789A (ja) ピロロインドールカルボン酸エステル誘導体及びその製造方法
JPH07101976A (ja) 制癌剤
WO1995018138A1 (fr) Derive de 2'-desoxy-5-fluorouridine, sel pharmaceutiquement acceptable de ce dernier, son procede de production et medicament anti-tumoral