JPH08131B2 - 止血用パッド - Google Patents

止血用パッド

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JPH08131B2
JPH08131B2 JP5045480A JP4548093A JPH08131B2 JP H08131 B2 JPH08131 B2 JP H08131B2 JP 5045480 A JP5045480 A JP 5045480A JP 4548093 A JP4548093 A JP 4548093A JP H08131 B2 JPH08131 B2 JP H08131B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、止血用パッドに関
し、詳しくは、切り傷や火傷などの傷部分、あるいは、
注射や点滴の針を抜いた跡など、皮膚の出血個所に当て
て、止血および出血個所の保護を図る止血用パッドに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ゼラチンやコラーゲンには良好な
止血作用があることが知られている。すなわち、ゼラチ
ンやコラーゲンが血液に接触すると、血液を吸収すると
ともに血液を凝固させるという作用がある。そこで、ゼ
ラチンやコラーゲンを用いた止血シートや止血用絆創膏
が種々開発されている。
【0003】たとえば、特開平2−182259号公報
には、ゼラチン又はコラーゲンの溶液を発泡させ、凍結
乾燥させ、さらにゼラチン又はコラーゲンを架橋させて
架橋スポンジを作製し、この架橋スポンジを粘着テープ
に接着して止血用絆創膏とする技術が開示されている。
特公平4−44551号公報には、未変性ゼラチンを薄
いフィルム状に成形して止血および傷口封止用ゼラチン
フィルムとする技術が開示されている。この未変性ゼラ
チンフィルムは、血液と接触したときに吸収と同時に溶
解するので、広い範囲の血液を迅速に凝固させることが
でき、手術創面などに使用したときに止血効果が高いと
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したよ
うな従来におけるゼラチンを用いた止血材料は、製造に
手間がかかったり、出血個所の組織回復を遅らせてしま
う等の問題があった。具体的には、前記したゼラチンの
架橋スポンジを用いる方法は、ゼラチンを発泡させる工
程、凍結乾燥させる工程、さらには架橋反応を行わせる
工程など、非常に多くの作業工程が必要になり、製造設
備が大掛かりになって作業の手間もかかり、コスト的に
高くつくという欠点がある。
【0005】また、未変性ゼラチンフィルムは、厚さ数
10μm程度の薄いフィルムを製造するのは手間がかか
り、製造されたフィルムの保管などの取扱いも面倒であ
る。しかも、フィルムで出血個所を覆ってしまうと、皮
膚表面の組織が外気と完全に遮断されてしまう。出血個
所の組織回復が行われる際には、外気との接触が重要な
要素である。出血個所がフィルムで完全に覆われている
と、このような組織回復が遅れることになる。また、皮
膚の表面で凝固した血液は、乾燥風化して皮膚表面から
脱落することにより、その下に皮膚組織が再生されるの
であるが、出血個所がフィルムで密閉されたままである
と、凝固した血液は、いつまでも乾燥風化せず、このこ
とによっても、組織の回復が遅れる。さらに、平坦なフ
ィルムを、手足の指のように、複雑な曲面状をなす皮膚
にぴったりと貼り付けるのが難しい。
【0006】架橋スポンジあるいはフィルムの何れであ
っても、ゼラチンのみからなる材料は、それほど強度が
ないので、皮膚に張り付ける際や取扱い中に破れ易い。
そこで、この発明の課題は、ゼラチンを用いた止血用パ
ッドに関する前記従来技術の問題点を解消し、製造およ
び取扱いが容易であるとともに、皮膚の出血個所に対す
る保護および組織回復を良好に行うことのできる止血用
パッドを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、こ
の発明にかかる止血用パッドのうち第1の発明にかかる
止血用パッドは、通気性材料からなる支持体に、その通
気性を遮断しない状態で、平均粒径3〜300μmの溶
解性を有するゼラチン粉末を担持させてなり、前記ゼラ
チン粉末が分解ゼラチン粉末を含む
【0008】支持体は、ガーゼのような繊維の編織材
料、不織布など、シートまたはフィルム状をなし、表裏
に貫通する通気空間を有していれば、従来の止血用パッ
ドその他の医用品に採用されていたような、通常の通気
性材料が使用できる。合成樹脂の連続発泡体や、樹脂自
体が通気性を有する樹脂からなるフィルムやシートも利
用できる。
【0009】ゼラチンは、従来、止血用ゼラチンとして
採用されていたような、通常のゼラチンが使用できる。
ゼラチンには、原料の違い、アルカリ処理あるいは酸処
理という処理方法の違い、抽出条件の違いなどによっ
て、様々な特性を有するゼラチンが存在するが、この発
明では、前記した良好な止血作用が達成できれば、ゼラ
チンの製造方法や特性は限定しない。
【0010】なお、ゼラチンには、吸水によって溶解す
る通常のゼラチンと、吸水しても膨潤するだけで溶解し
ない不溶性のゼラチン(架橋ゼラチン、硬膜ゼラチンな
どとも呼ばれ、通常のゼラチンを変性させて得ることが
できる)があり、この発明では、止血作用に優れた溶解
性のあるゼラチンを用いる
【0011】この発明では、ゼラチンとして分解ゼラチ
を用いる。分解ゼラチンは、通常のゼラチンを分解し
たものであり、通常のゼラチンに比べて溶解性が高く、
低い温度でも容易に溶解するので、血液と接触したとき
に溶解し易く、止血作用が高まる。分解ゼラチンの製造
方法は、従来食品その他の用途に使用されていた各種分
解ゼラチンの製造方法など、通常の製造方法が適用でき
る。ゼラチン粉末としては、上記分解ゼラチンの粉末を
単独で使用してもよいし、分解ゼラチンの粉末と前記し
た通常の溶解性を有するゼラチン粉末とを混合して使用
することもできる。
【0012】ゼラチンには、止血作用その他の医療上の
機能を有する化合物を配合しておいたり、これらの化合
物とゼラチン分子を結合しておくこともできる
【0013】 ゼラチン粉末は、乾燥状態のゼラチンを粉
砕したり、ゼラチン溶液を噴霧乾燥したりする通常の粉
末形成手段で製造できる。ゼラチン粉末の大きさは、製
造や取扱いの容易性、支持体への付着性、通気性の確
保、止血効果などの条件を考慮して、自由に設定するこ
とができる。一般的には、粒径が小さいほど、止血効果
などの使用性能は良好になるが、あまり粒径の小さなも
のは製造が難しい。具体的には、平均粒径3〜300μ
m程度のものが用いられ、好ましくは20〜200μm
程度のものが用いられる。
【0014】ゼラチン粉末を支持体に担持させるとは、
ゼラチン粉末が支持体から脱落しない程度に固着してい
ればよい。具体的な担持手段としては、たとえば、ゼラ
チン粉末の一部を水と接触させたり加熱したりして、
ラチン粉末の一部表面を溶解させた状態で支持体の表面
に散布することによって、ゼラチン粉末の表面が固化す
るのに伴って支持体に固着することになり、ゼラチン粉
末を支持体に担持させることができる。支持体の表面に
粘着剤や接着剤を塗布しておき、その上にゼラチン粉末
を散布してもよい。支持体を構成する繊維や糸に、予め
ゼラチン粉末を付着させておき、このゼラチン粉末が付
着した繊維や糸で、支持体を作製してもよい。
【0015】支持体の表面に担持させるゼラチン粉末の
密度あるいは量は、十分な止血作用が発揮できるととも
に、支持体の通気性をあまり阻害しない程度に設定す
る。具体的には、支持体の構造やゼラチン粉末の大きさ
によってもことなるが、通常、ゼラチンを100〜15
0g/m2程度、支持体の表面に担持させておけばよい。
【0016】支持体には、ゼラチン粉末とともに、止血
剤、殺菌剤その他の薬剤を担持させておくこともでき
【0017】 ゼラチン粉末が担持された支持体は、その
ままで適当な大きさに裁断して、止血用パッドとして使
用することができる。止血用パッドは、矩形その他の面
板状、あるいはテープ状など、使用する身体の部位や用
途に合わせて、自由な形状で使用できる。
【0018】止血用パッドを、他の材料と組み合わせ
て、各種の製品を製造することもできる。たとえば、粘
着剤が塗布された伸縮性テープの中央に止血用パッドを
貼着しておけば、皮膚の任意の場所に止血用パッドを張
り付けることがてき、いわゆる緊急用絆創膏として利用
することができる。止血用パッド自体の外周に粘着剤を
塗布しておけば、止血用パッドだけでも、皮膚に張り付
けておくことができる。包帯などの一部に止血用パッド
を取り付けておいてもよい。
【0019】つぎに、第2の発明にかかる止血用パッド
は、通気性材料からなる支持体に、その通気性を遮断し
ない状態で、分解ゼラチン溶液を含浸させ乾燥させて、
分解ゼラチン固体を支持体に付着させている
【0020】分解ゼラチン溶液は、通気性材料からなる
支持体の表から裏まで全体に均等に含浸させてもよい
し、支持体の表面近くの一定厚みのみに含浸させること
もできる。分解ゼラチン溶液の濃度は、このような支持
体への浸透性と乾燥後に形成される分解ゼラチン固体の
生成量などを考慮して設定しておけばよい。具体的に
は、分解ゼラチン溶液の濃度を10〜40重量%程度に
設定しておくのが好ましい。分解ゼラチン溶液に、止血
剤や殺菌剤その他の薬効成分や各種添加剤を添加してお
くこともできる。 支持体に含浸された分解ゼラチン溶液
は、加熱あるいは通風その他の乾燥手段で乾燥され、そ
の結果生成された分解ゼラチンの固体が支持体に付着し
た状態で残る。このゼラチンは、支持体の内部構造の全
体に一様な厚みで形成されていてもよいし、部分的に塊
になった状態で分解ゼラチン固体が存在していてもよ
い。但し、何れにしても、ゼラチン固体が支持体の通気
性を完全に阻害してしまわないようにしておく必要があ
る。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【作用】通気性材料からなる支持体に、その通気性を遮
断しない状態で、溶解性を有するゼラチン粉末を担持さ
せておけば、この支持体を、皮膚の出血個所に当てたと
きに、支持体に担持されたゼラチンが、血液と接触し
て、良好な止血作用を発揮する。
【0025】ゼラチンは支持体に担持されているので、
取扱い中にゼラチンに手や異物が接触して汚染されたり
溶解したりする心配がない。保管あるいは流通も、容易
である。ゼラチンが止血作用を発揮するまで、皮膚に当
てておく際にも、支持体が存在することにより、取扱い
あるいは固定が容易に行える。
【0026】止血用パッドを皮膚に取り付けた状態で、
手や腕を動かしたりしても、強度や耐久性に優れた支持
体でゼラチンを固定しているので、ずれたり外れたりす
る心配がない。物がぶつかったりしても、支持体で出血
個所およびゼラチンを良好に保護しておくことができ
る。
【0027】出血個所にゼラチンを当てた状態で、止血
用パッドには十分な通気性があるので、外気が血液と接
触して、血液の凝固あるいは乾燥風化を促進させ、出血
個所の組織回復を良好に行わせることができる。出血個
所が適度に乾燥していれば、雑菌の繁殖や化膿が発生す
る心配も少なくなる。
【0028】ラチン粉末の製造は容易であり、この粉
末を散布するなどの手段で支持体に容易に担持させるこ
できるので、止血用パッドの製造は容易であり、製
造コストも安価である。しかも、粉末の間には確実に隙
間が形成されるので、止血用パッドの通気性も確保でき
る。
【0029】特に、ゼラチン粉末の平均粒径が3〜30
0μmであれば、製造および取扱いが容易であり、支持
体への固着が確実に行えるとともに、支持体に固着され
たゼラチン粉末の間に確実な隙間があくので十分な通気
性が確保でき、止血効果にも優れたものとなる。
【0030】上記方法において、ゼラチンとして分解ゼ
ラチンを用いれば、分解ゼラチンは低い温度でも容易に
溶解するので、出血個所の血液や水分を吸収して迅速に
溶解し、広い範囲の血液を迅速に凝固させることが可能
になる。
【0031】つぎに、支持体に分解ゼラチン溶液を含浸
させ乾燥させて分解ゼラチンを支持体に付着させれば、
分解ゼラチンを支持体の内部構造を含む全体にわたって
確実に担持させることができる。止血用パッドの取扱中
に、支持体からゼラチンが脱落する心配がない。 分解ゼ
ラチンは常温でも水に溶解するので、支持体に分解ゼラ
チン溶液を含浸させる際には、高い温度に加熱しなくて
も、支持体の全体に速やかに含浸させることができる。
【0032】
【実施例】ついで、この発明の実施例について、図面を
参照しながら以下に説明する。図1は、止血用パッドの
断面構造を表している。止血用パッド10は、支持体2
0とゼラチン粉末30で構成されている。支持体20
は、不織布からなり、繊維の空間を通じて表裏面へと十
分な通気性を有している。支持体20の表面に、ゼラチ
ン粉末30が着している。ゼラチン粉末30は、全表
面にほぼ均等に配置されているとともに、ゼラチン粉末
30同士の間にはある程度の隙間があいている。
【0033】図2に示すように、矩形状に裁断された止
血用パッド10が、伸縮性のある帯状の粘着テープ40
の表面中央に貼着されている。粘着テープ40には、微
細な孔42が多数形成されていて、通気性を確保してい
る。
【0034】この止血用パッド10が取り付けられた粘
着テープ40は、緊急用絆創膏として使用できる。手指
などの皮膚に小さな切り傷や火傷による出血が生じたと
きに、この緊急用絆創膏を皮膚の曲面形状に沿って貼れ
ば、止血用パッド10のゼラチン粉末30が血液と接触
し、血液を吸収して凝固させるとともに、ゼラチン粉末
30の全体もしくは一部が溶解して血液側に進出した
り、ゼラチン粉末30が変形して拡がったりする。その
結果、当初のゼラチン粉末30の存在個所だけではな
く、より広い範囲の血液に対してもゼラチンが接触し
て、その部分を血液を凝固させ、止血することができ
る。
【0035】粘着テープ40を皮膚に貼り付けた状態で
も、粘着テープ40の表面から孔42および支持体10
の通気空間を通して、外界の空気が供給される。ゼラチ
ン粉末30同士の間にも隙間があいているので、ゼラチ
ン粉末30で凝固させられた血液に空気が触れ、血液を
乾燥風化させる。また、皮膚の表面にも空気が供給され
る。その結果、傷口の皮膚組織は迅速に再生回復するこ
とができる。また、傷口が蒸れて、不快感を与えたり、
雑菌が繁殖したりするのを防ぐこともできる。
【0036】緊急用絆創膏としては、図2に示した形状
および構造以外にも、用途や使用部位に合わせて、任意
の形状からなる粘着テープ40および止血用パッド10
を組み合わせればよい。
【0037】図3に示す実施例では、不織布などの通気
性材料からなる粘着テープ44の表面中央に、ゼラチン
粉末30を直接に着させている。この場合、粘着テー
プ44が、前記実施例における支持体10としての機能
と、皮膚に固定したり皮膚を保護したりする絆創膏とし
ての機能の両方を果たすことになる
【0038】つぎに、図4に示す実施例は、分解ゼラチ
ン溶液を用いた場合である。 支持体20は、繊維22が
複雑に絡み合った立体的構造を有している。この繊維2
2の所々に、球状のゼラチン小塊32が付着形成されて
いる。すなわち、前記実施例のように支持体20の表面
にゼラチン粉末30が付着しているのではなく、支持体
20の内部構造にゼラチン小塊32が分散している構造
になっている。 このような止血用パッド10を製造する
には、分解ゼラチン溶液を支持体20に含浸させた後、
これを乾燥すればよい。支持体20に含浸された分解ゼ
ラチン溶液が、その表面張力などの作用で、繊維22の
所々に集まった状態で乾燥固化するので、前記のような
ゼラチン小塊32が形成されるのである。但し、分解ゼ
ラチン溶液の特性や濃度などによっては、図示したよう
なゼラチン小塊32は形成されず、繊維22の周囲を薄
いゼラチン膜が覆った形になったりする場合もあるが、
このような状態でも使用可能である。なお、分解ゼラチ
ン溶液の濃度が高過ぎたり、ゼラチン溶液の含浸量が多
過ぎたりすると、支持体20の通気空間がゼラチンで完
全に埋められてしまい、目的とする通気が果たせなくな
るので、そのような状態にならない程度にゼラチン溶液
を含浸させておくものとする。 上記した実施例の止血用
パッド10は、支持体20に対してゼラチン小塊32が
強固に付着することになるので、ゼラチン小塊32の脱
落などは起こり難い。但し、支持体20の表面にゼラチ
ン粉末30を付着させた前記実施例では、血液がゼラチ
ン粉末30に早く接触できる。
【0039】 つぎに、この発明にかかる止血用パッドを
具体的に製造して、その性能を評価した結果について説
明する。
【0040】
【0041】−実施例− 酸処理豚皮ゼラチン微粉末(粒径約150μm)と分解
ゼラチン(平均分子量約1万、粒径約150μm)を
2:1の割合で混合し、粘着シートの止血部分に、1m2
当たり100gふりかけ、止血用パッドを得た。−実施例2− 分解ゼラチン10%溶液を、ガーゼ(日本薬局方)に、
1m 2 当たり1.5リットルしみ込ませた。これを乾燥空
気により通風乾燥させて、止血用パッドを得た。
【0042】上記各実施例で得られた止血用パッドを、
皮膚の出血個所に当てておいたところ、血液は迅速に凝
固し、出血部分の組織回復も良好であった。
【0043】
【発明の効果】以上に述べた、この発明にかかる止血用
パッドのうち、第1の発明にかかる止血用パッドは、前
記のような支持体とゼラチン粉末とを組み合わせている
ことにより、ゼラチンの有する止血作用を十分に発揮さ
せることができ、その結果、優れた止血効果を有するも
のとなる。
【0044】特に、ゼラチン粉末を支持体に担持させる
だけでよいので、製造および取扱いが容易であるととも
に、強度や耐久性に優れたものとなる。耐久性のある支
持体は、出血個所にものが当たったり、傷口が汚染され
たりすることを、良好に防止することもできる。
【0045】しかも、支持体にゼラチン粉末を固着させ
た状態でも、良好な通気性を有しているので、単に止血
が迅速に行われるだけでなく、外部空気との接触によ
り、血液の固化作用や皮膚の内部組織の再生回復作用な
どが良好に行われる。
【0046】特に、ゼラチン粉末に分解ゼラチン粉末を
含んでいるので、血液と接触したときに分解ゼラチン粉
末が迅速に溶解して止血作用を果たす。分解ゼラチン粉
末は常温でも溶解するので、皮膚の表面で血液と接触す
るだけでも速やかに溶解して止血作用を発現するのであ
る。 つぎに、第2の発明にかかる止血用パッドは、分解
ゼラチン溶液を用いているので、前記した分解ゼラチン
が有する機能を発揮できるとともに、分解ゼラチンが支
持体を構成する繊維材料などを被覆して付着しているの
で分解ゼラチンが支持体に強固に担持されることにな
り、使用中における分解ゼラチンの脱落が起き難い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例を表す止血用パッドの概略
断面構造図
【図2】 止血用パッドを用いて製造された緊急用絆創
膏の平面図(a) および正面図(b)
【図3】 別の実施例を表す緊急用絆創膏の平面図(a)
および正面図(b)
【図4】 別の実施例を表す止血用パッドの概略断面構
造図
【符号の説明】
10 止血用パッド 20 支持体 2 繊維 30 ゼラチン粉末32 ゼラチン小塊 40、44 粘着テープ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通気性材料からなる支持体に、その通気
    性を遮断しない状態で、平均粒径3〜300μmの溶解
    性を有するゼラチン粉末を担持させてなり、前記ゼラチ
    ン粉末が分解ゼラチン粉末を含む止血用パッド。
  2. 【請求項2】 前記ゼラチン粉末が分解ゼラチン粉末の
    みからなる請求項1記載の止血用パッド。
  3. 【請求項3】 通気性材料からなる支持体に、その通気
    性を遮断しない状態で、分解ゼラチン溶液を含浸させ乾
    燥させて、分解ゼラチンの固体を支持体に付着させてい
    止血用パッド。
JP5045480A 1993-03-05 1993-03-05 止血用パッド Expired - Lifetime JPH08131B2 (ja)

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