JPH0813077A - 窒素含有焼結硬質合金 - Google Patents

窒素含有焼結硬質合金

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JPH0813077A
JPH0813077A JP15344794A JP15344794A JPH0813077A JP H0813077 A JPH0813077 A JP H0813077A JP 15344794 A JP15344794 A JP 15344794A JP 15344794 A JP15344794 A JP 15344794A JP H0813077 A JPH0813077 A JP H0813077A
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peak
alloy
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ray diffraction
weight
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JP15344794A
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Kazutaka Isobe
和孝 磯部
Keiichi Tsuda
圭一 津田
Akihiko Ikegaya
明彦 池ケ谷
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特に切削加工用工具の材質として極めて耐熱
衝撃性に優れ、かつ耐摩耗性及び強度に富み、湿式切削
にも使用可能な窒素含有焼結硬質合金を提供する。 【構成】 Tiと、周期律表の4a,5a,6a族から
選ばれたTiを除く少なくとも1種の遷移金属の炭化
物、窒化物、炭窒化物あるいはこれらの複合炭窒化物の
少なくとも1種以上からなる硬質相が75〜95重量%
で、Ni及びCo並びに不可避不純物を含む結合相が5
〜25重量%であり、X線回折測定でB1構造のピーク
が2種類検出される窒素含有焼結硬質合金において、
(表面の半価幅)/(内部の半価幅)、IH 、IN 、I
H /IN (X線のCu−Kα線B1構造の(220)面
からの回折曲線を使用)、ピーク位置ずれ角、IWN、I
WH/IWNを特定した。 【効果】 従来は高価な被覆超硬合金工具でしか使用で
きなかった加工領域に対し、コーティングなしで極めて
信頼性が高い窒素含有焼結硬質合金を提供できるという
効果を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒素含有焼結硬質合金
に関し、特に切削加工用工具の材質として極めて耐熱衝
撃性に優れ、かつ耐摩耗性及び強度に富み、湿式切削に
も使用可能な窒素含有焼結硬質合金に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】Tiを主成分とする炭窒化物などを硬質
相とし、これをNiとCoからなる金属で結合した窒素
を含有する焼結硬質合金が切削工具としてすでに実用化
されている。この窒素含有焼結硬質合金は、従来の窒素
を含有しない焼結硬質合金に比べ硬質相が著しく微粒に
なるため耐高温クリープ特性が大幅に改善されるためW
Cを主成分としたいわゆる超硬合金と並んで切削工具と
して広く使用されてきている。しかしながら、この窒素
含有焼結硬質合金は、 主成分であるTiの炭窒化物の熱伝導度が超硬合金の
主成分であるWCの熱伝導率に比べて著しく小さいた
め、この窒素含有焼結硬質合金の熱伝導度は超硬合金の
約1/2であること、 熱膨張係数も、同様に主成分の特性値に依存して窒素
含有焼結硬質合金のそれは超硬合金に比べ1.3倍にな
ること、などの理由により熱衝撃に対する抵抗が低くな
る。このため、特に熱衝撃の厳しくなる条件下での切
削、例えばフライス切削や角材の旋盤による切削加工、
また、切込みの大きく変動する湿式での倣い切削などに
は、被覆超硬合金などに比べて信頼性が低いのが現状で
あった。 このような問題に対して、以下に示す様に様々な改良が
試みられている。例えば、特開平2−15139号公報
では、Tiを炭化物等換算で50重量%以上、W等6a
族元素を炭化物換算で40重量%未満、N/C+Nの原
子比が0.4〜0.6の高窒素含有したものを焼結雰囲
気を制御して表面粗さを向上させ、表層部に高靱性、高
硬度の改質部を形成させることが、また、特開平5−9
646号公報では、Tiを主成分としW,Mo,Crを
炭化物換算で合計40重量%未満含有したものを焼結後
の冷却工程を制御して表面部に内部よりも結合相の減少
した領域を形成し表面に圧縮応力を残すサーメットが開
示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
いずれの公報に開示されたサーメットにおいても、耐摩
耗性及び靱性は向上しているが、被覆超硬合金に比べれ
ば耐欠損性は不十分であり、耐熱衝撃性、特に熱亀裂の
発生や、熱衝撃と機械的衝撃の両者に起因する亀裂の進
展による突発欠損が生じやすく、十分な信頼性が得られ
ない。すなわち、このような先行技術では、コーティン
グ工程を省略することによって製造コストが下げられる
ものの、性能的にはそれに見合っただけのものしか発揮
できない。これは、ある程度以上のTiの含有を前提と
したいわゆるサーメットという範疇においては、欠損に
対する強度向上を図ることにはおのずと限界があるとい
うことである。そこで発明者らは、種々の切削における
温度分布などの切削現象の解析と、工具内の材料成分の
配置との詳細な研究をしてきた結果、本発明に到達し
た。本発明は、従来の高価な被覆超硬合金でしか使用で
きなかった厳しい熱衝撃を受ける条件下での加工におい
ても、表面被覆を施すことなく高い信頼性を持って使用
可能な切削工具用窒素含有焼結硬質合金を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】窒素含有焼結硬質合金
は、特公昭56−51201号公報などに開示されてい
るように、硬質相粒子がいわゆる有芯二重構造を呈しT
iとNが富化されている芯部とW,Moが富化されNが
貧化している周辺部とで形成されている。このような二
重構造の合金はX線回折測定(Cu−Kα線)をする
と、図1に示すように回折角の低角側の強度の強いピー
クは周辺部のもので、高角側の強度の低いピークは芯部
のものである。
【0005】本発明者らは、耐熱衝撃性、特に熱亀裂の
発生や、熱衝撃と機械的衝撃の両者に起因する亀裂の進
展による突発欠損が生じなく、従来の高価な被覆超硬合
金でしか使用できなかった厳しい熱衝撃を受ける条件下
での加工、例えばフライス切削や角材の旋盤による切削
加工、また、切込みの大きく変動する湿式での倣い切削
などにも、表面被覆を施すことなく高い信頼性を持って
使用可能な切削工具用の窒素含有焼結硬質合金を開発す
べく鋭意研究を行った。その結果、合金表面部の組成・
構造を、有芯構造の芯部の割合を減らし、周辺部の構造
の存在比を多くかつ均質で歪の少ない状態にすることが
耐摩耗性、耐熱衝撃性、靱性を著しく向上させられると
いう知見を得、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明の窒素含有焼結硬質合金
は、第1にTiと、周期律表の4a,5a,6a族から
選ばれたTiを除く少なくとも1種の遷移金属の炭化
物、窒化物、炭窒化物あるいはこれらの複合炭窒化物の
少なくとも1種以上からなる硬質相が75〜95重量%
で、Ni及びCo並びに不可避不純物を含む結合相が5
〜25重量%であり、X線回折測定でB1構造のピーク
が2種類検出される窒素含有焼結硬質合金において、X
線回折測定における2つのB1構造の同一回折面からの
ピークのうち低角側に検出される強度の大きい方のピー
クにおけるX線回折ピークの半価幅(以下、半価幅とい
う)が、合金表面部で測定する半価幅が、合金の1mm
以上内部で測定する半価幅に対し40%以上60%未満
である事を特徴とする窒素含有焼結硬質合金である。
【0007】さらに第2の発明は同じ窒素含有焼結硬質
合金において、X線回折における2つのB1構造の同一
回折面からのピークにおいて、回折角の高角側に検出さ
れる強度の小さいピークの強度をIs 、回折角の低角側
に検出される強度の大きいピークの強度をIL とし、合
金表面部でのIs /IL で表わされるピーク強度比をI
H 、合金の1mm以上内部でのIs /IL で表わされる
ピーク強度比をIN としたときのIH /IN が、0.0
1以上0.95以下である事を特徴とする窒素含有焼結
硬質合金である。望ましくは0.01以上0.3以下で
ある。
【0008】第3の発明は同じ窒素含有焼結硬質合金に
おいて、X線回折角の低角側に検出される強度の大きい
ピークのピーク位置において、合金の1mm以上内部で
測定するX線回折ピーク位置に対し合金表面部で測定す
るX線回折ピーク位置が、低角側に存在する事を特徴と
する窒素含有焼結硬質合金である。
【0009】第4の発明は同じ窒素含有焼結硬質合金に
おいて、WC相を存在させることを特徴とするが、表面
部ではほとんど存在させないことが必要で、具体的には
WCの(110)ピークの強度をIWC、2つのB1構造
の(220)ピークのうち低角側に検出される強度の大
きいピークの強度をIB1とし、合金の1mm以上内部で
のIWC/IB1で表される強度比をIWN、合金表面部での
WC/IB1で表される強度比をIWHとしたとき、IWN
0.1以上0.95未満で、IWH/IWNが0.2以下で
ある事を特徴とする窒素含有焼結硬質合金である。第5
の発明は上述第1と第2の発明を、第6の発明は上述第
3と第1又は第5の発明を、第7の発明は上述第4と第
1、第5又は第6の発明をそれぞれ結合させたものであ
る。
【0010】
【作用】以下、本発明における限定理由などについて詳
細に述べる。本発明における硬質相は、75重量%未満
では耐摩耗性、耐塑性変形性の低下が著しく、95重量
%を越えると強度、靱性が不足し好ましくない。本発明
の表面部の強度の大きい方のピークの半価幅は、内部の
半価幅に対し40%以上60%未満である。40%未満
では耐塑性変形性が劣り、60%以上では耐熱衝撃性が
不十分で好ましくない。本発明のIH /IN は、0.0
1未満は実質的に製造不可能で、0.95を越えると所
望の耐熱衝撃性を得ることができない。望ましい上限値
は0.3である。また、本発明におけるX線回折角の強
度の大きいピークのピーク位置において、内部で測定す
るピーク位置に対し表面部で測定するピーク位置が、低
角側に存在すると所望の耐熱衝撃性と耐摩耗性が得られ
るが高角側に存在すると特に耐熱衝撃性と耐塑性変形性
が劣る。例えばX線のCu−Kα線で回折角61度付近
に検出できるB1構造の(220)面からの回折曲線
(図2参照)の場合では、表面部の回折角が0.01〜
0.2度低角側にシフトしていることが必要である。
【0011】さらに本発明では内部にWC相を存在さ
せ、表面部にはほとんど存在させないことを特徴とし、
WNが0.1未満では亀裂の進展抵抗が不十分で著しく
靱性が劣化、0.95以上ではWC相が表面にも多く残
存するようになり次に述べる。IWH/IWNが0.2以下
にできない。IWH/IWNが0.2を越えると耐摩耗性・
耐クレータ摩耗性(被削材との高温拡散摩耗などのケミ
カルな反応で生じる摩耗)が劣化し好ましくない。
【0012】本発明の窒素含有焼結硬質合金は、一般
に、Tiと周期律表4a、5a、6a族から選ばれるT
iを除く少なくとも1種の遷移金属を含む炭窒化物粉
末、WC粉末、及びNiやCoの鉄族金属粉末を湿式混
合後、型押して成形し1〜10-2Torr程度の真空中
で1000〜1200℃で脱ガス後、窒素ガス分圧2〜
70Torrで1400〜1500℃に0.5〜3時間
焼結し、10-5〜10-1Torr程度の真空中で0.5
〜10℃/分の割合で冷却し調製する。なお上記の方法
で原料の平均粒径は0.5〜5μmの範囲とするのが好
ましい。
【0013】以下に本発明のその他の実施態様を要約し
て示す。 (1)第1の発明と第3及び第4の発明の組合せからな
るもの (2)第2の発明と第3及び第4の発明の少なくとも1
つとの組合せからなるもの。 (3)第3の発明と第4の発明との組合せからなるも
の。 (4)Tiと周期律表4a、5a、6a族から選ばれる
Tiを除く少なくとも1種の遷移金属を含む炭窒化物粉
末、WC粉末、及びNiやCoの鉄族金属粉末を湿式混
合後、型押して成形し1〜10-2Torr程度の真空中
で1000〜1200℃で脱ガス後、窒素ガス分圧2〜
70Torrで1400〜1500℃に0.5〜3時間
焼結し、10-5〜10-1Torr程度の真空中で0.5
〜10℃/分の割合で冷却し調製することを特徴とする
請求項1〜7のいずれか、又は上記(1)〜(3)のい
ずれかに記載の窒素含有焼結硬質合金の製造方法。 (5)原料粉末の平均粒径が0.5〜5μmの範囲にあ
る上記(4)に記載の窒素含有焼結硬質合金の製造方
法。
【0014】
【実施例】以下本発明と下記の実施例により更に詳細に
説明するがこれにより本発明を限定するものではない。 〔実施例1〕平均粒径2μmで有芯構造の外郭部分が反
射電子顕微鏡で真っ白に見え、芯部分が真っ黒に見える
(Ti0.85Ta0.05Nb0.040.06)(C0.550.45
粉末と、同0.7μmのWC粉末と、同1.5μmのN
i粉末とCo粉末をそれぞれ45重量%、40重量%、
7重量%、8重量%を湿式混合後、型押し成形し、10
-2Torrの真空中で1200℃で脱ガス後、窒素ガス分圧
20Torrで1450℃にて1時間焼結後、真空中で2.
5℃/分で冷却し、試料1を作成した。この試料1のX
線のCu−Kα線B1構造の(220)面からの回折曲
線の強度の強い方のピークの半価幅(以下、半価幅とい
う)が、表面から1mm内部で0.27度、表面ラッピ
ング面で0.14度と52%に減少していた。試料1と
同一合金組成となるようにTiCN35重量%、TaC
4重量%、NbC2重量%、WC44重量%、Ni7重
量%、Co8重量%配合し試料1と同一条件で焼結し試
料2を、また、TiCN46重量%、TaC8重量%、
Mo2C8重量%、WC20重量%、Ni6重量%、C
o12重量%配合し試料1と同一条件で焼結し試料3
を、試料1、試料2と同一の型押し成形体を窒素分圧5
Torrで1400℃で焼結しCO分圧200Torrで冷却
し、それぞれ試料4、試料5を作成した。それぞれの
(表面の半価幅)/(内部の半価幅)は、62%、63
%、76%、71%であった。各試料1〜5の窒素含有
焼結硬質合金で焼結肌で工具形状CNMG432を作成
し下記耐熱衝撃性評価の切削テストを行った。(試料1
は本発明品、試料2〜5は比較品)
【0015】耐熱衝撃性切削テスト
【表1】 結果、試料1は、2個しか欠損しなかったが試料2〜5
は、それぞれ14、16、18、13個欠損した。
【0016】〔実施例2〕平均粒径2μmの(Ti0.87
Nb0.070.06)(C0.5 0.5 )粉末と、同1.5μ
mのNi粉末とCo粉末をそれぞれ85重量%、7重量
%、8重量%を湿式混合後、型押し成形し、10-2Torr
の真空中で1200℃で脱ガス後、窒素ガス分圧5Torr
で1450℃にて1時間焼結後、表1に示す冷却をし、
併記したI H /IN (X線のCu−Kα線B1構造の
(220)面からの回折曲線を使用)を得た。これら
を、下記耐摩耗試験と実施例1中の耐熱衝撃テストを実
施し、その結果も表1に記す。
【0017】耐摩耗切削テスト
【表2】
【0018】
【表3】 徐冷:3〜10℃/分 超徐冷:0.5〜5℃/分 炉冷:5〜15℃/分 急冷:10〜100℃/分
【0019】〔実施例3〕平均粒径2μmの(Ti0.85
Ta0.05Nb0.040.06)(C0.550.45)粉末と、同
0.7μmのWC粉末と、同1.5μmのNi粉末とC
o粉末をそれぞれ52重量%、30重量%、10重量
%、8重量%を湿式混合後、型押し成形し、10-2Torr
の真空中で1200℃で脱ガス後、窒素ガス分圧20To
rrで1480℃にて1時間焼結後、真空中で1.5℃/
分で冷却し、試料13を作成した。試料13と同一合金
組成となるようにTiCN38重量%、TaC4重量
%、NbC2重量%、WC38重量%、Ni10重量
%、Co8重量%配合し試料13と同一条件で焼結し試
料14を、また、TiCN46重量%、NbC8重量
%、Mo2C8重量%、WC20重量%、Ni10重量
%、Co8重量%配合し試料13と同一条件で焼結し試
料15を、試料13、15と同一の型押し成形体を窒素
分圧15Torrで1430℃で焼結しCO分圧180Torr
で冷却し、それぞれ試料16、17を作成した。さら
に、試料13、15と同一の型押し成形体を窒素分圧1
5Torrで1430℃で焼結し、真空中で5℃で冷却し、
試料18、19を作成した。
【0020】それぞれのX線のCu−Kα線B1構造の
(220)面からの回折曲線を使用しての表面部のピー
ク位置の内部のピーク位置からの回折角ずれ角(低角へ
のずれを−、高角へのずれを+)と、各試料の窒素含有
焼結硬質合金で焼結肌で工具形状CNMG432を作成
し、下記耐熱衝撃性評価の切削テスト(2)を行い結果
を併せて第2表に記した。
【0021】
【表4】
【0022】
【表5】
【0023】〔実施例4〕平均粒径2μmの(Ti0.85
Ta0.090.06)(C0.6 0.4 )粉末と、同0.7μ
mのWC粉末と、同1.5μmのNi粉末とCo粉末を
それぞれ45重量%、40重量%、8重量%、7重量%
を湿式混合後、型押し成形し、10-2Torrの真空中で1
200℃で脱ガス後、窒素ガス分圧を1480℃まで5
〜20Torrと漸増し1480℃にて1時間焼結後、真空
中で2℃/分で冷却し、試料20を作成した。試料20
と同一合金組成となるようにTiCN35重量%、Nb
C6重量%、WC44重量%、Ni8重量%、Co7重
量%配合し試料13と同一条件で焼結し試料21を、ま
た、TiCN46重量%、NbC8重量%、Mo2C8
重量%、WC20重量%、Ni10重量%、Co8重量
%配合し試料20と同一条件で焼結し試料22を作成
し、それぞれのIWNとIWH/IWNを、試料20で0.4
1、0.05、試料21で0.55、0.51、試料2
2で0.01以下、0.01以下、とした。試料20〜
22を用い実施例2と同様の耐摩耗切削テストを実施し
た結果、それぞれのVB は、0.14mm、0.29m
m、0.33mmであった。また、実施例3と同様の耐
熱衝撃性切削テスト(2)を実施した結果、欠損切刃数
は、それぞれ、3個、18個、13個であった。(試料
20は本発明品、試料21〜22は比較品)。
【0024】〔実施例5〕試料23として、平均粒径2
μmの(Ti0.85Ta0.05Nb0.040.06)(C 0.55
0.45)粉末と、同0.7μmのWC粉末と、同1.5μ
mのNi粉末とCo粉末をそれぞれ47重量%、38重
量%、7重量%、8重量%を配合し、試料24として試
料23と同一合金組成となるようにTiCN37重量
%、TaC4重量%、NbC2重量%、WC42重量
%、Ni7重量%、Co8重量%配合、さらに、試料2
4としてTiCN50重量%、TaC2重量%、NbC
8重量%、Mo2C5重量%、WC19重量%、Ni8
重量%、Co8重量%配合し、それぞれを湿式混合後、
型押し成形し、10-2Torrの真空中で1200℃で脱ガ
ス後、窒素ガス分圧20Torrで1450℃にて1時間焼
結後、真空中で2℃/分で冷却し、切削用焼結肌チップ
CNMG432を作成した。また、試料23〜25と同
様に焼結し、冷却のみCO分圧200Torrで行ったもの
をそれぞれ試料26、27、28とした。それぞれの
(裏面の半価幅)/(内部の半価幅)、IH 、IN 、I
H /IN (X線のCu−Kα線B1構造の(220)面
からの回折曲線を使用)、ピーク位置ずれ角、IWN、I
WH/IWN、実施例2と同様の耐摩耗切削テスト結果、実
施例3と同様の耐熱衝撃性切削テスト(2)を実施した
結果、下記靱性テスト結果を表3に併記する。(試料2
3は本発明品、試料24〜28は比較品)
【0025】靱性切削テスト
【表6】
【0026】
【表7】
【0027】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、切削工具
として特に熱衝撃の厳しい条件での切削、例えばフライ
ス切削や角材の旋盤による切削加工、また、切込みの大
きく変動する湿式での倣い切削加工など、従来は高価な
被覆超硬合金工具でしか使用できなかった加工領域に対
し、コーティングなしで極めて信頼性が高い窒素含有焼
結硬質合金を提供できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】は有芯二重構造をもつ窒素含有焼結硬質合金の
X線のCU−Kα線の典型的なB1構造(422)面か
らの回折曲線である。
【図2】は有芯二重構造をもつ窒素含有焼結硬質合金の
X線のCu−Kα線のB1構造(220)面からの回折
曲線である。
【図3】は実施例5の中の試料23の、(a)表面部、
(b)内部のX線Cu−Kα線の回折曲線である。
【図4】は同じく試料24の、(a)表面部、(b)内
部のX線Cu−Kα線の回折曲線である。
【図5】は同じく試料25の、(a)表面部、(b)内
部のX線Cu−Kα線の回折曲線である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Tiと、周期律表の4a,5a,6a族
    から選ばれたTiを除く少なくとも1種の遷移金属の炭
    化物、窒化物、炭窒化物あるいはこれらの複合炭窒化物
    の少なくとも1種以上からなる硬質相が75〜95重量
    %で、Ni及びCo並びに不可避不純物を含む結合相が
    5〜25重量%であり、X線回折測定でB1構造のピー
    クが2種類検出される窒素含有焼結硬質合金において、
    X線回折測定における2つのB1構造の同一回折面から
    のピークのうち低角側に検出される強度の大きい方のピ
    ークにおいて、合金表面部で測定するX線回折ピークの
    半価幅が、合金の1mm以上内部で測定するX線回折ピ
    ークの半価幅に対し40%以上60%未満である事を特
    徴とする窒素含有焼結硬質合金。
  2. 【請求項2】 Tiと、周期律表の4a,5a,6a族
    から選ばれたTiを除く少なくとも1種の遷移金属の炭
    化物、窒化物、炭窒化物あるいはこれらの複合炭窒化物
    の少なくとも1種以上からなる硬質相が75〜95重量
    %で、Ni及びCo並びに不可避不純物を含む結合相が
    5〜25重量%であり、X線回折測定でB1構造のピー
    クが2種類検出される窒素含有焼結硬質合金において、
    X線回折における2つのB1構造の同一回折面からのピ
    ークにおいて、回折角の高角側に検出される強度の小さ
    いピークの強度をIs 、回折角の低角側に検出される強
    度の大きいピークの強度をIL とし、合金表面部でのI
    s /IL で表されるピーク強度比をIH 、合金の1mm
    以上内部でのIs /IL で表されるピーク強度比をIN
    としたときのIH /IN が、0.01以上0.95以下
    である事を特徴とする窒素含有焼結硬質合金。
  3. 【請求項3】 Tiと、周期律表の4a,5a,6a族
    から選ばれたTiを除く少なくとも1種の遷移金属の炭
    化物、窒化物、炭窒化物あるいはこれらの複合炭窒化物
    の少なくとも1種以上からなる硬質相が75〜95重量
    %で、Ni及びCo並びに不可避不純物を含む結合相が
    5〜25重量%であり、X線回折測定でB1構造のピー
    クが2種類検出される窒素含有焼結硬質合金において、
    X線回折角の低角側に検出される強度の大きいピークの
    ピーク位置において、合金の1mm以上内部で測定する
    X線回折ピーク位置に対し合金表面部で測定するX線回
    折ピーク位置が、低角側に存在する事を特徴とする窒素
    含有焼結硬質合金。
  4. 【請求項4】 Tiと、周期律表の4a,5a,6a族
    から選ばれたTiを除く少なくとも1種の遷移金属の炭
    化物、窒化物、炭窒化物あるいはこれらの複合炭窒化物
    の少なくとも1種以上からなる硬質相が75〜95重量
    %で、Ni及びCo並びに不可避不純物を含む結合相が
    5〜25重量%であり、X線回折測定でB1構造のピー
    クが2種類検出される窒素含有焼結硬質合金において、
    WCの(110)ピークの強度をIWC、2つのB1構造
    の(220)ピークのうち低角側に検出される強度の大
    きいピークの強度をIB1とし、合金の1mm以上内部で
    のIWC/IB1で表される強度比をIWN、合金表面部での
    WC/IB1で表される強度比をIWHとしたとき、IWN
    0.1以上0.95未満で、IWH/IWNが0.2以下で
    ある事を特徴とする窒素含有焼結硬質合金。
  5. 【請求項5】 X線回折における2つのB1構造の同一
    回折面からのピークにおいて、回折角の高角側に検出さ
    れる強度の小さいピークの強度をIS 、回折角の低角側
    に検出される強度の大きいピークの強度をIL とし、合
    金表面部でのIS /IL で表されるピーク強度比を
    H 、合金の1mm以上内部でのIS /I L で表される
    ピーク強度比をIN としたときのIH /IN が、0.0
    1以上0.95以下である事を特徴とする請求項1に記
    載の窒素含有焼結硬質合金。
  6. 【請求項6】 X線回折角の低角側に検出される強度の
    大きいピークのピーク位置において、合金の1mm以上
    内部で測定するX線回折ピーク位置に対し合金表面部で
    測定するX線回折ピーク位置が、低角側に存在する事を
    特徴とする請求項1または5に記載の窒素含有焼結硬質
    合金。
  7. 【請求項7】 WCの(110)ピークの強度をIWC
    2つのB1構造の(220)ピークのうち低角側に検出
    される強度の大きいピークの強度をIB1とし、合金の1
    mm以上内部でのIWC/IB1で表される強度比をIWN
    合金表面部でのIWC/IB1で表される強度比をIWHとし
    たとき、IWNが0.1以上0.95未満で、IWH/IWN
    が0.2以下である事を特徴とする請求項1または5ま
    たは6に記載の窒素含有焼結硬質合金。
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