JPH0812913A - 印刷インキ用バインダー - Google Patents

印刷インキ用バインダー

Info

Publication number
JPH0812913A
JPH0812913A JP17183694A JP17183694A JPH0812913A JP H0812913 A JPH0812913 A JP H0812913A JP 17183694 A JP17183694 A JP 17183694A JP 17183694 A JP17183694 A JP 17183694A JP H0812913 A JPH0812913 A JP H0812913A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyolefin
weight
binder
printing ink
modified
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17183694A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Yamashita
進二 山下
Kazutoshi Hayashi
一稔 林
Hajime Akiyama
一 秋山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP17183694A priority Critical patent/JPH0812913A/ja
Publication of JPH0812913A publication Critical patent/JPH0812913A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 印刷インキ(特に特殊グラビアインキ)のバ
インダ−として用いることにより、各種プラスチックフ
ィルムに対して十分な接着性を有し、かつ良好なダイレ
クトラミネ−ト加工適性を備えた印刷インキを提供す
る。 【構成】 無水マレイン酸変性低分子量ポリプロピレン
にモノエタノールアミンを反応させて得られた変性物を
塩素化した変性塩素化ポリオレフィンと、ポリブチレン
アジペ−ト、イソホロンジイソシアネート、1,4−ブ
タンジオールおよびジ−n−ブチルアミンから誘導され
るポリウレタン樹脂とからなる印刷インキ用バインダ
−。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は印刷インキ用バインダー
に関する。さらに詳しくは各種プラスチックフィルム、
プラスチックシートの印刷に適した印刷インキ用バイン
ダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、包装材の多様化、高機能化に伴
い、これらに用いるプラスチックフィルム、シート等の
材料も意匠性の向上が求められている。また、これら材
料に用いる印刷インキにもより高度な性能が求められて
いる。なかでも、フレキシブルパッケージと呼ばれる、
ポリエステルフィルム(PET)、ナイロンフィルム
(NY)あるいは延伸ポリプロピレンフィルム(OP
P)などのプラスチックフィルムを基材とする包装材の
製造においては、包装材にヒートシール性や気密性等の
機能性向上のため、フィルム基材にグラビア印刷あるい
はフレキソ印刷等の方式で印刷後、ドライラミネート加
工またはエクストルージョンラミネート加工により、ポ
リエチレンフィルム、無延伸ポリプロピレンフィルムを
ラミネートすることが通常行われる。とりわけ、溶融し
たポリエチレンまたはポリプロピレンで被覆するエクス
トルージョンラミネート加工においては、インキ層との
接着強度を付与する目的で、通常ポリエチレンイミンあ
るいはポリイソシアネートを主体とするアンカーコート
剤(AC剤)が使用されるが、AC剤を用いずに直接溶
融ポリプロピレン等でラミネートする加工方法(ダイレ
クトラミネート)も行われている。ダイレクトラミネー
ト方式が経済的には有利であるが、その適性(接着性)
は主に印刷インキに用いられるバインダー樹脂によって
決まる。従来印刷インキに用いられるバインダー樹脂と
しては、PET、NY、OPPその他の基材フィルムに
対して幅広い接着性を有するポリウレタン樹脂が一般に
使用されている。また、ダイレクトラミネート適性を有
するものとしては、塩素化ポリプロピレンなどの塩素化
ポリオレフィンが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリウ
レタン樹脂をバインダーに用いた印刷インキはラミネー
ト加工適性、とくにダイレクトラミネート適性が不十分
であり、他方、塩素化ポリオレフィンをバインダーに用
いたインキはOPPにはよく接着するが、PET、NY
等に対しては接着性が不十分なため、使用できる基材フ
ィルムが限定されるという問題点がある。各種プラスチ
ックフィルムとの接着性を改善する方法としては、ポリ
ウレタン樹脂と塩素化ポリオレフィンとからなる樹脂が
提案されている(例えば特開昭61−255937号公
報)が、接着性はまだ不十分である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、各種プラ
スチックフィルムに対して十分な接着性を有し、且つ良
好なダイレクトラミネート適性を備えた印刷インキ用バ
インダーを得るべく鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち本発明は、不飽和カルボン酸またはその無
水物で変性された変性低分子量ポリオレフィン(a1)
に、低分子ジオール(a2)および/または分子内に水
酸基とアミノ基とを有する低分子化合物(a3)を反応
させて得られる変性ポリオレフィンの塩素化物(A)と
ウレタン樹脂(B)とからなる印刷インキ用バインダー
である。
【0005】本発明における(a1)は、低分子量ポリ
オレフィンに不飽和カルボン酸またはその無水物を反応
させることにより得られる。
【0006】低分子量ポリオレフィンとしては、例えば
高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メ
チルペンテン−1、エチレンとα−オレフィンとの共重
合体、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレ
ン−ジエン三元共重合体(EPDM)、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、ブチルゴム、ブタジエンゴム、低結晶
性エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン
共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体、および
これらの2種以上の併用が挙げられる。これらのうち好
ましいのはポリプロピレン、およびプロピレンとα−オ
レフィンとの共重合体である。該低分子量ポリオレフィ
ンの平均分子量は通常1000〜50000、好ましく
は2000〜20000である。これら低分子量ポリオ
レフィンは同じ構成単位を有する高分子量ポリオレフィ
ンを熱分解により減成する方法で得られるものでもよ
く、通常のテロメリゼーション(α−オレフィンを単独
または共重合させる)で得られるものでもよいが、高分
子量ポリオレフィンを熱分解により減成する方法で得ら
れるものが末端二重結合含量が多い点で好ましい。用い
られる低分子量ポリオレフィンの二重結合の量に特に制
限はないが、その量は炭素数1000個あたり0.5個
以上有するものが好ましい。
【0007】(a1)を構成する不飽和カルボン酸また
はその無水物としては、アクリル酸、メタクリル酸、ク
ロトン酸、マレイン酸、ケイヒ酸、イタコン酸、シトラ
コン酸、フマール酸など;および無水マレイン酸、無水
イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和カルボン酸
無水物が挙げられ、これらの中では無水マレイン酸が特
に好ましい。
【0008】この不飽和カルボン酸またはその無水物に
よる低分子量ポリオレフィンの変性は加熱反応または有
機過酸化物を用いた公知の方法で実施できる。該(a
1)の製法を例示すると、不活性ガス雰囲気中、低分子
量ポリオレフィンを芳香族および/または塩素系などの
溶剤の存在下または非存在下、また、ラジカル発生触媒
(パーオキシド類たとえばジ−tert−ブチルパーオ
キシド、tert−ブチルハイドロパーオキシド、ジク
ミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、tert
−ブチルパーオキシドベンゾエートなど;アゾニトリル
類たとえばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソ
バレロニトリル、アゾビスイソプロピオニトリルなど)
の存在下または非存在下に、通常120〜220℃に加
熱溶融もしくは溶解し、不飽和カルボン酸またはその無
水物を反応(グラフト)させることにより該(a1)を
得る方法が挙げられる。
【0009】(a1)を構成する(無水)不飽和カルボ
ン酸単位の重量割合は、通常0.5〜15重量%、好ま
しくは1〜10重量%である。0.5重量%未満ではP
ETフィルムおよびNYフィルムとの接着性が低下し、
15重量%を越えるとOPPフィルムとの接着性が低下
する。
【0010】この(a1)と反応させる低分子ジオール
(a2)としては、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、3−メチルペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コール、ビスヒドロキシエトキシベンンゼンなどが挙げ
られる。
【0011】分子内に水酸基とアミノ基とを有する低分
子化合物(a3)としては、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、4
−アミノ−1−ブタノール、アミノフェノール、アミノ
クレゾール、アミノベンジルアルコール、アミノフェニ
ルエチルアルコールなどのアルカノールアミン類が挙げ
られる。これらのうち好ましいものは(a3)であり、
特に好ましいものはモノエタノールアミンである。
【0012】(A)を得るための上記変性ポリオレフィ
ンの塩素化の方法は通常の方法で良く、たとえば四塩化
炭素、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどの塩素
系溶剤に加圧下あるいは常圧下に溶解し、90〜150
℃にて、前述の過酸化物や紫外線の存在のもとで塩素ガ
スを注入する方法が挙げられる。
【0013】該変性ポリオレフィンの塩素化物(A)の
結合塩素含有量は、通常5〜50重量%、好ましくは1
0〜40重量%である。結合塩素量が5重量%未満では
後述のウレタン樹脂(B)との相溶性が悪く不均一とな
り易く、50重量%を超えると接着性が低下する。
【0014】本発明においてポリウレタン樹脂(B)と
してはポリオール(b1)と有機ジイソシアネート(b
2)とからのポリウレタン樹脂が挙げられる。ポリオー
ル(b1)としては、ポリエーテルジオール、ポリエス
テルジオールおよびポリオレフィンジオールが挙げられ
る。
【0015】ポリエーテルジオールとしては、低分子
ジオールのアルキレンオキシド付加物、環状エーテル
の開環(共)重合体などが挙げられる。上記における
低分子ジオールとしては、例えば脂肪族低分子ジオール
類[エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−
または1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ペンタンジオール、3−メチルペンタンンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタメチレ
ンジオール、アルキルジアルカノールアミンなど]、環
状基を有する低分子ジオール類[例えば特公昭4−14
74号公報記載のものなど]およびこれらの2種以上の
混合物が挙げられる。
【0016】またにおけるアルキレンオキシドとして
は、炭素数2〜4のアルキレンオキシド[エチレンオキ
シド 、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなど]
が挙げられる。
【0017】上記の開環(共)重合体としては、の
項で例示したアルキレンオキシドおよび/または環状エ
ーテル(テトラヒドロフランなど)を開環重合または開
環共重合(ブロックおよび/またはランダム)させて得
られるものが挙げられる。
【0018】ポリエーテルジオールの具体例としては、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリオキシエチレンーポリオキシプロピレンジオール
(ブロックおよび/またはランダム)、ポリテトラメチ
レンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテル
−ポリオキシエチレンジオール(ブロックおよび/また
はランダム)、ポリテトラメチレンエーテル−ポリオキ
シプロピレンジオール(ブロックおよび/またはランダ
ム)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0019】ポリエステルジオールとしては、低分子
ジオールおよび/または分子量1000以下のポリエー
テルジオールとジカルボン酸および/またはヒドロキシ
ルモノカルボン酸とを反応させて得られる縮合ポリエス
テルジオールや、ラクトンの開環重合により得られる
ポリラクトンジオールなどが挙げられる。
【0020】における低分子ジオールとしてはの項
で例示したものが挙げられる。における分子量100
0以下のポリエーテルジオールとしては、前記ポリエー
テルジオールのうち、分子量1000以下のもの、例え
ばポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテ
ルグリコール、ポリプロピレングリコール、トリエチレ
ングリコールおよびこれらの2種以上の混合物が挙げら
れる。
【0021】またにおけるジカルボン酸としては脂肪
族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、
グルタル酸、アゼライン酸 、マレイン酸、フマル酸な
ど)、重合脂肪酸系二塩基酸(ダイマー酸など)、芳香
族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸など)お
よびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。におけ
るラクトンとしてはε−カプロラクトン、δ−バレロラ
クトンなどが挙げられる。
【0022】これらのポリエステルジオールの具体例と
しては、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペ
ート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリネオペンチ
ルアジペート、ポリ−3−メチルペンタンアジペート、
ポリエチレンプロピレンアジペート、ポリエチレンブチ
レンアジペート、ポリブチレンヘキサメチレンアジペー
ト、ポリジエチレンアジペート、ポリ(ポリテトラメチ
レンエーテル)アジペート、ポリエチレンアゼレートポ
リエチレンセバケート、ポリブチレンアゼレート、ポリ
ブチレンセバケート、ポリカプロラクトンジオール、ポ
リバレロラクトンジオール、ポリカーボネートジオール
およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0023】ポリオレフィンジオールとしてはブタジエ
ン類を重合して両末端に水酸基を導入したジオールやこ
のものを水素添加したジオールなどが挙げられる。これ
らのポリオレフィンジオールの具体例としては、ポリブ
タジエンジオール、ポリイソプレンジオール、水素添加
ポリブタジエンジオール、水素添加ポリイソプレンジオ
ールおよびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0024】これらのポリオール(b1)を使用する場
合は、単独あるいは2種以上を混合して使用できるが、
印刷物の耐油性が必要となる場合はポリエステルジオー
ルを50重量%以上使用することが好ましい。(b1)
の平均水酸基当量(水酸基1個当りの平均分子量)は通
常250〜2500、好ましくは350〜2000であ
る。
【0025】(B)を構成する有機ジイソシアネート
(b2)としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く)
2〜12の脂肪族ジイソシアネート、炭素数4〜15の
脂環式ジイソシアネート、炭素数8〜12の芳香脂肪族
ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族ジイソシア
ネートおよびこれらの有機ジイソシアネートの変性物
(カーボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン
基、ウレア基、ビューレット基および/またはイソシア
ヌレート基含有変性物など)が使用できる。
【0026】このような有機ジイソシアネートとしては
エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシア
ネート 、ヘキサメチレンジイソシアネート(HD
I)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−
トリメチルヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエー
ト、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス
(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシ
アナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート
などの脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシア
ネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート(水添MDI)、シクロヘキシレン−1,4−
ジイソシアネート(CHI)、メチルシクロヘキシレン
ジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシア
ナトエチル)−4−シクロヘキセン−1−ジカルボキシ
レートなどの脂環式ジイソシアネート;キシリレンジイ
ソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイ
ソシアネート(TMXDI)などの芳香脂肪族ジソシア
ネート;トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート(MDI)、 ナフタレン
ジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;およ
びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのう
ち好ましいものは脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイ
ソシアネートおよび芳香脂肪族ジイソシアネートであ
る。
【0027】ポリウレタン樹脂(B)を製造するに際し
て、必要により鎖伸長剤(b3)や重合停止剤(b4)
を使用してもよい。鎖伸長剤(b3)としては、平均分
子量が500未満の低分子ジオールおよびジアミンが挙
げられる。低分子ジオールとしては前記ポリエステルジ
オールの原料として挙げたジオールおよびそのアルキレ
ンオキシド低モル付加物(分子量500未満)などが挙
げられる。
【0028】ジアミンとしては脂肪族ジアミン(エチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,2−プロピ
レンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン
ジアミン、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ
−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミンなど);脂環
式ジアミン(イソホロンジアミン、4,4'−ジアミノ
ジシクロヘキシルメタン、イソプロピリデンジシクロヘ
キシル−4,4'−ジアミン、1,4−ジアミノシクロ
ヘキサンなど);芳香族ジアミン(4,4'−ジアミノ
ジフェニルメタンなど);芳香脂肪族ジアミン(キシレ
ンジアミンなど);ヒドラジンまたはその誘導体(アジ
ピン酸ジヒドラジッドなど);およびこれらの2種以上
の混合物が挙げられる。これら(b3)を使用する場
合、好ましいものは、低分子ジオール、脂環式ジアミン
およびこれらの併用である。
【0029】重合停止剤(b4)としてはメチルアルコ
ール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブ
チルアルコールなどの1価のアルコール;モノエチルア
ミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、ジ−n
−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミンなどのアルキ
ルモノアミン;モノエタノールアミン、ジエタノルール
アミンなどのヒドロキシルモノアミンなどが挙げられ
る。
【0030】ポリウレタン樹脂(B)の製法を例示する
と、ポリオール(b1)、有機ジイソシアネート(b
2)、必要により鎖伸長剤(b3)および/または重合
停止剤(b4)を一括で反応させるワンショット法;あ
るいは(b1)と過剰の(b2)より両末端イソシア
ネート基を有するウレタンプレポリマーを作成し、鎖
(b3)と必要により重合停止剤(b4)とを反応させ
るプレポリマー法のいずれの方法でも製造することがで
きる。
【0031】プレポリマー法における上記ウレタンプ
レポリマーの製造に際して、有機ジイソシアネート(b
2)のイソシアネート(NCO)基と、ポリオール(b
1)の水酸基の当量比は通常1.1〜5.0/1.0、
好ましくは1.2〜3.0/1.0である。また必要に
より用いる鎖伸長剤(b3)および重合停止剤(b4)
の合計使用量は、プレポリマーのNCO基に対して実質
的に当量、たとえばプレポリマーのイソシアネート基1
当量に対して鎖伸長剤(b3)および重合停止剤(b
4)の活性水素基の合計が通常0.95〜1.05当量、
好ましくは0.98〜1.02当量になる量である。ポリ
ウレタン樹脂(B)の分子末端はアルキル基、NCO
基、OH基あるいはNH2基のいずれであってもよい
が、好ましくはアルキル基である。
【0032】また、上記およびの方法は、溶剤の存
在下でも非存在下でも実施できる。使用できる溶剤とし
てはケトン類(アセトン、メチルエチルケトンメチルイ
ソブチルケトンなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸
プロピル、酢酸ブチルなど)、エーテル類(テトラハイ
ドロフランなど)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシ
レンなど)、アルコール類(メタノール、エタノール、
イソプロピルアルコールなど)、多価アルコール誘導体
(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレング
リコールモノエチルエーテルなど)、アミド類(ジメチ
ルホルムアミドなど)スルホキサイド類(ジメチルスル
ホキサイドなど)およびこれらの2種以上の混合溶剤が
挙げられる。これらのうち好ましいものはアセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、テトラハイドロフラ
ン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、エチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルおよ
びこれらの2種以上の混合溶剤である。溶剤の使用量は
該ポリウレタン樹脂(B)と溶剤の重量比が通常100
/0〜10/90、好ましくは80/20〜20/80
の範囲になる量である。
【0033】本発明のバインダーにおいて(A)の含量
は、(A)および(B)の合計重量に基づいて通常3〜
50重量%、好ましくは5〜40重量%である。(A)
の含量が3重量%未満ではポリオレフィンとの密着性が
十分でなく、50重量%を超えるとPETフィルムやN
Yフィルムとの密着性が低下する。
【0034】本発明のバインダーは、従来のインキ用バ
インダー(例えばポリウレタン樹脂)と同様の方法で使
用できる。すなわち本発明のバインダーに顔料や必要に
より他のインキ用樹脂類、溶剤および顔料分散剤等の添
加剤を配合し、ボールミルなどの通常のインキ製造装置
を用いて混練することによって印刷インキを製造して使
用する。前記の他の樹脂類としてはポリアミド、ニトロ
セルローズ、ポリアクリレート類、ポリ塩化ビニル、塩
化ビニルと酢酸ビニルのコポリマー、塩素化ポリオレフ
ィン、ポリスチレン、ブタジエンゴム、エポキシ樹脂な
どが挙げられる。
【0035】本発明のバインダーを使用した印刷インキ
の配合処方の一例を示せば下記のとおりである(%は重
量%を示す)。 本発明のバインダー(固形分として) 10〜20 % 顔料 5〜40 % 他の樹脂類 0〜10 % 溶剤(バインダー中の溶剤も含む) 40〜75 % 添加剤 適 量
【0036】また、本発明のバインダーは、いわゆる一
液型印刷インキ用として使用してもよいが、ポリイソシ
アネート系硬化剤と併用して二液型印刷インキ用として
使用することもできる。この場合のポリイソシアネート
系硬化剤としては、例えばトリメチロールプロパン1モ
ルと1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレ
ンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネート
3モルから合成されるアダクト体;1,6−ヘキサメチ
レンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネー
トのイソシアネート基の環状三量化によって合成される
イソシアヌレート基含有の三量体;水1モルと1,6−
ヘキサメチレンジイソシアネート3モルから合成される
部分ビュレット反応物及びこれらの二種以上の混合物が
好適である。添加量はインキに対して、通常0.5〜1
0重量%である。本発明のバインダーを用いた印刷イン
キによる印刷方法は従来の特殊グラビアインキの場合と
同様でよい。
【0037】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下にお
いて「部」は重量部、「%」は重量%、「比率」は重量
比を示す。
【0038】製造例1 無水マレイン酸5部と、数平均分子量5000および二
重結合量1.6個(炭素数1000個当たり)を有する
熱減成法で得られた低分子量ポリプロピレン100部と
をキシレンに溶解し、ジクミルパーオキシドの存在下に
反応させ、無水マレイン酸含量4.5%の無水マレイン
酸変性低分子量ポリプロピレンを得た。さらに、この無
水マレイン酸変性低分子量ポリプロピレンとモノエタノ
ールアミンをキシレン中で反応させ、溶剤を除去して、
変性ポリオレフィンを得た。ついで、この変性ポリオレ
フィン100部をテトラクロロエチレン900部に溶解
させ、100〜110℃にて紫外線の存在下に塩素ガス
60部を通気した。この塩素化物を多量のメタノール中
に滴下して樹脂を析出させ、さらにメタノールで洗浄
後、濾過、乾燥させた。この反応物の結合塩素含量は1
8%であった。この反応物20部をトルエン80部に溶
解させ、変性ポリプロピレンの塩素化物溶液(P−1)
を得た。
【0039】製造例2 塩素ガス通気量を100部に変えた以外は製造例1と同
様にして、結合塩素含量27%の反応物を得た。この反
応物20部をトルエン80部に溶解させ、変性ポリプロ
ピレンの塩素化物溶液(P−2)を得た。
【0040】製造例3 ポリブチレンアジペート(分子量2000)100部、
ポリ−3−メチルペンタンアジペートジオール(分子量
2000)100部、1,4−ブタンジオール12.6
部、イソホロンジイソシアネート55.5部、ジオク
チル錫ジラウレート0.05部およびトルエン403部
を反応容器に仕込み、110℃で8時間反応させた。次
いで70℃まで冷却した後ジ−n−ブチルアミン1.2
部を加えてさらに1時間攪拌して反応を完結させ、固形
分40%、粘度45ポイズ/25℃のポリウレタン樹脂
溶液(U−1)を得た。
【0041】製造例4 ポリカプロラクトンジオール(分子量2000)200
部、ネオペンチルグリコール7.2部、イソホロンジイ
ソシアネート48.3部およびジオクチル錫ジラウレー
ト0.05部を反応容器に仕込み、100℃で8時間反
応させ、NCO%が1.55のウレタンプレポリマーを得
た。次にトルエン388部を加えて均一に溶解した後、
イソホロンジアミン6.7部とジ−n−ブチルアミン
3.1部とイソプロパノール10部とからなる混合物を
前記ウレタンプレポリマーのトルエン溶液に投入し、5
0℃で1時間反応させ、固形分40%、粘度52ポイズ
/25℃のポリウレタン樹脂溶液(U−2)を得た。
【0042】実施例1 製造例1で得られた(P−1)200部に、製造例3で
得られた(U−1)200部を加えて攪拌混合し、固形
分30%、粘度5.2ポイズ/25℃の均一な樹脂溶液
(イ)を得た。
【0043】実施例2 製造例1で得られた(P−1)100部に、製造例3で
得られた(U−1)300部とトルエン67部とを加え
て攪拌混合して、固形分30%、粘度8.0ポイズ/2
5℃の均一な樹脂溶液(ロ)を得た。
【0044】実施例3 製造例2で得られた(P−2)200部に、製造例4で
得られた(U−2)200部を加えて攪拌混合し、固形
分30%、粘度6.0ポイズ/25℃の均一な樹脂溶液
(ハ)を得た。
【0045】実施例4 製造例2で得られた(P−2)100部に、製造例4で
得られた(U−2)300部とトルエン67部とを加え
て攪拌混合して、固形分30%、粘度4.5ポイズ/2
5℃の均一な樹脂溶液(ニ)を得た。
【0046】性能試験例 前記実施例1〜4で得た樹脂溶液(イ)〜(ニ)をバイ
ンダー溶液として下記の配合にて印刷インキを調製し
た。 上記の材料を内容積500mlのスチール缶に入れ、ペ
イントコンディショナー(レッドデビル社製)にて1時
間混練してインキを作成した。得られた印刷インキを使
用してグラビア校正機にてPETフィルム、NYフィル
ムおよびOPPフィルムに印刷した。得られた印刷物に
ついて下記の性能試験を行った。その結果を表1に示
す。
【0047】性能試験項目と試験方法 接着性:印刷面にニチバンセロテープ(12mm巾)を
貼り、このニチバンセロテープの一端を印刷面に対して
直角方向に急速に引きはがした時の印刷面の状態を観察
した。 耐ブロッキング性:印刷面と非印刷面とを重ね合せ、温
度40℃、湿度60%RHの中で、1.0Kg/cm2
の荷重をかけ、24時間後にそれを剥して表面の状態を
観察した。 耐油性:25℃の菜種油に印刷物を24時間浸漬した後
の表面状態を観察した。ダイレクトラミネート適性:O
PPの印刷物のインキ面に未処理の低密度ポリエチレン
フィルムを重ね合わせ、ヒートシーラー(東洋精機社
製)用いて200℃×1Kg/cm2の条件で熱溶融圧着
し、1日後にT剥離強度を測定した。上記各試験結果の
判定基準は下記のとおりである。 ◎;極めて良好,○;良好,△;やや不良,×;不良
【0048】比較例1 バインダー樹脂として、製造例3で得られたポリウレタ
ン樹脂(U−1)のみを用いた以外は実施例1と同様に
してインキの調製、印刷ならびに性能試験を行った。そ
の結果を表1に示す。
【0049】比較例2 バインダー樹脂として、製造例1で得られた変性ポリプ
ロピレンの塩素化物溶液(P−1)のみを用いた以外は
実施例1と同様にしてインキの調製、印刷ならびに性能
試験を行った。その結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明のバインダ−を用いた印刷インキ
はポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルム、ナ
イロンフィルム等広範なプラスチックフィルムなどに対
する良好な接着性、ダイレクトラミネート加工適性など
優れた特性を有するので、従来のバインダー樹脂に比
べ、広範な使用目的に応じたインキの設計が可能であ
る。また、本発明のバインダーは各種プラスチックに対
して優れた接着性を有するので、種々のプラスチック成
形品などの塗装プライマーまたは塗料としても適用でき
るものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和カルボン酸またはその無水物で変性
    された酸変性低分子量ポリオレフィン(a1)に、低分
    子ジオール(a2)および/または分子内に水酸基とア
    ミノ基とを有する低分子化合物(a3)を反応させて得
    られる変性ポリオレフィンの塩素化物(A)とウレタン
    樹脂(B)とからなる印刷インキ用バインダー。
  2. 【請求項2】(a1)を構成する変性前のポリオレフィ
    ンが熱減成型低分子量ポリオレフィンである請求項1記
    載のバインダー。
  3. 【請求項3】(a1)を構成する不飽和カルボン酸また
    はその無水物の重量割合が、0.5〜15重量%である
    請求項1または2記載のバインダー。
  4. 【請求項4】(A)中の結合塩素含有量が5〜50重量
    %である請求項1〜3のいずれか記載のバインダー。
  5. 【請求項5】(A)の含有量が、(A)と(B)の合計
    重量に基づいて3〜50重量%である請求項1〜4のい
    ずれか記載のバインダー。
JP17183694A 1994-06-29 1994-06-29 印刷インキ用バインダー Pending JPH0812913A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17183694A JPH0812913A (ja) 1994-06-29 1994-06-29 印刷インキ用バインダー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17183694A JPH0812913A (ja) 1994-06-29 1994-06-29 印刷インキ用バインダー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0812913A true JPH0812913A (ja) 1996-01-16

Family

ID=15930662

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17183694A Pending JPH0812913A (ja) 1994-06-29 1994-06-29 印刷インキ用バインダー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0812913A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006274048A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Sanyo Chem Ind Ltd 印刷インキ用バインダーおよび印刷インキ組成物
US7737208B2 (en) 2004-07-27 2010-06-15 Toyo Kasei Kogyo Company Limited Water base resin composition, process for producing the same, paint, ink, adhesive, sealant and primer
CN111225948A (zh) * 2017-10-25 2020-06-02 日本制纸株式会社 改性聚烯烃树脂组合物及其制备方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7737208B2 (en) 2004-07-27 2010-06-15 Toyo Kasei Kogyo Company Limited Water base resin composition, process for producing the same, paint, ink, adhesive, sealant and primer
JP2006274048A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Sanyo Chem Ind Ltd 印刷インキ用バインダーおよび印刷インキ組成物
CN111225948A (zh) * 2017-10-25 2020-06-02 日本制纸株式会社 改性聚烯烃树脂组合物及其制备方法
US11518838B2 (en) 2017-10-25 2022-12-06 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Modified polyolefin resin composition and method for producing the same
CN111225948B (zh) * 2017-10-25 2024-02-06 日本制纸株式会社 改性聚烯烃树脂组合物及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5556925A (en) Polyurethane resin, process for preparing the same and printing ink for laminate containing the same
JPH01104612A (ja) ポリウレタン水性分散液
JP2021080431A (ja) 脱離能を有する有機溶剤系印刷インキ、印刷物、積層体およびリサイクル基材製造方法
JP3391910B2 (ja) ラミネート用水性印刷インキ組成物およびそれを用いるラミネート方法
JP3044353B2 (ja) 樹脂組成物及びインキ組成物
JP2006274048A (ja) 印刷インキ用バインダーおよび印刷インキ組成物
JPH0812913A (ja) 印刷インキ用バインダー
JP2010270216A (ja) 印刷インキ用バインダー
JP4285069B2 (ja) 表刷り用グラビア印刷インキ組成物
JP3471087B2 (ja) ラミネート用水性印刷インキ組成物
JP2976291B2 (ja) 印刷インキ用バインダ−および印刷インキ
JP2003206431A (ja) 印刷インキ用バインダーおよび印刷インキ
JPH07100771B2 (ja) 印刷インキ用バインダ−
JP3895035B2 (ja) 水性印刷インキ組成物
JPH0586317A (ja) 印刷インキ用バインダー
JPH04372640A (ja) 樹脂組成物
JP2006306979A (ja) 印刷インキ用バインダーおよび印刷インキ組成物
JP2528497B2 (ja) 変性塩素化ポリプロピレン及びその用途
JP2640161B2 (ja) 印刷インキ用バインダー
JP4277410B2 (ja) 印刷インキ用ポリウレタン樹脂、印刷インキ用バインダーおよび印刷インキ
JPH0680921A (ja) 印刷インキ用バインダー
JPH07247382A (ja) コ−ティング剤
JP2002226755A (ja) 印刷インキ組成物
JPH04372641A (ja) 変性塩素化ポリオレフィンからなるバインダ−
JPH0616988A (ja) 印刷インキ組成物