JPH08127939A - フィッティング材用三次元織物及びその製織方法 - Google Patents

フィッティング材用三次元織物及びその製織方法

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JPH08127939A
JPH08127939A JP6290536A JP29053694A JPH08127939A JP H08127939 A JPH08127939 A JP H08127939A JP 6290536 A JP6290536 A JP 6290536A JP 29053694 A JP29053694 A JP 29053694A JP H08127939 A JPH08127939 A JP H08127939A
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supporting
piece
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woven fabric
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JP6290536A
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English (en)
Inventor
Kenji Fukuda
多 健 二 福
Hirochika Ozaki
崎 博 規 尾
Koji Nakamura
村 功 二 中
Masahiko Kanehara
原 雅 彦 金
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Three D Composites Research Corp
Original Assignee
Three D Composites Research Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィラメントワインディング法を利用した簡
単な手段により、フィッティング材用のプリフォームと
して望ましい繊維配向が得られ、十分な補強効果を発揮
できるようにした三次元織物及びその製織方法を得る。 【構成】 フィッティング材の強化用三次元織物1は、
支持孔部2とそれを支持するための支持部4とを一体に
連設したものである。この織物1は、繊維束の巻積によ
り形成した筒状の内周部片10と、その内周部片を内包
した状態で繊維束を巻積することにより、内周部片の周
囲に密着させる巻着部22と支持部4を形成するための
支持部用延設部23とを連設した状態に形成した外側部
片20とを備え、支持部用延設部を得ようとする支持部
形状に圧縮扁平化し、外側部片20の内側に形成される
空間には充填材を介装する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィッティング材用三
次元織物及びその製織方法に関するものであり、更に詳
しくは、単数または複数の支持孔部とそれらを支持する
ための支持部とを一体に連設した構成を有し、軸受やワ
イヤー支持具等として利用されるフィッティング(エン
ジン、配管系、機械あるいは他の装置の組立に使用され
る標準寸法の小さな補助部品)を構成するための三次元
織物及びその製織方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】単数または複数の支持孔部とそれらを取
付けるための支持部とを一体に連設した構成を有するフ
ィッティングは、比較的強度を必要とする場合が多いた
め、繊維強化複合材料により製造することが望まれる
が、その形状が強化用繊維の立体的製織に適していると
は言えず、それに起因してプリフォームの製織が困難で
あり、しかもそのフィッティング各部の強度を考慮した
繊維配向や製織組織をもつプリフォームを得ることは非
常に困難である。そのため、上記フィッティングにおい
て繊維強化を必要とする場合には、多くの手作業を強い
られ、あるいは各部の強度を十分に強化できないような
繊維配向となって、繊維強化の目的を十分に達成できな
い製品しか得られない。
【0003】また、上述したフィッティング材用三次元
織物の成形に際しては、フィラメントワインディング法
(以下、FW法という。)によるロービングの巻積を有
効に利用できる可能性があるが、単純にそのFW法を適
用することはできず、それを適用できたとしても、その
FW法で形成した部材においては、特に巻積したロービ
ングの配向方向と平行な繊維層に沿う外力等が作用する
場合に、それに沿って層間剥離が生じ易いという問題が
ある。そのため、FW法の利用に際しては、その層間剥
離の問題をも解決できるような態様でそれを利用する必
要があり、そのための配慮が必要になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の技術的課題
は、FW法を利用した簡単な手段により、上述したフィ
ッティング材用のプリフォームとして望ましい繊維配向
が得られ、十分な補強効果を発揮できるようにしたフィ
ッティング材用三次元織物及びその製織方法を提供する
ことにある。本発明の他の技術的課題は、FW法により
繊維束を巻積して形成した部材における繊維層間に剥離
が生じ易いという問題を解決できるという前提で、上記
FW法を有効に利用できるようにしたフィッティング材
用三次元織物及びその製織方法を提供することにある。
【0005】本発明の他の技術的課題は、一般に、単数
または複数の支持孔部とそれらを取付けるための支持部
とを一体に連設したフィッティングでは、支持孔の周り
に周方向の力が作用することから、それを効果的に補強
し、該周方向の力に対して十分な強度が得られるように
したフィッティング材用三次元織物及びその製織方法を
提供することにある。
【0006】また、単数または複数の支持孔部とそれら
を取付けるための支持部とを一体に連設したフィッティ
ングでは、軸やワイヤーを取付けるための支持孔を有す
る支持孔部とそれを他の固定部材等に取付ける支持部と
の連結部に各種方向の比較的大きな力が作用すると共
に、支持部にその長手方向(支持孔部に向かう方向)の
引張または圧縮力、あるいはそれと直交する方向の剪断
力が作用する。本発明の他の技術的課題は、それらの力
に対して効果的に補強し、十分な強度が得られるように
したフィッティング材用三次元織物及びその製織方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明のフィッティング材用三次元織物は、支持孔部
とそれを支持するための支持部とを一体に連設したフィ
ッティング材の強化用三次元織物であって、繊維束の巻
積により筒状に形成した支持孔部の内周部片と、上記内
周部片を内包した状態で繊維束を巻積することにより、
上記内周部片の周囲に巻着する巻着部と前記支持部を形
成するための支持部用延設部とを連設した状態に形成さ
れ、上記巻着部を内周部片の周囲に密接させると共に、
支持部用延設部を得ようとする支持部形状に圧縮扁平化
した外側部片と、上記圧縮扁平化する支持部用延設部中
もしくは該支持部用延設部と内周部片との間に生じる空
間に介装された充填材とにより形成したことを特徴とす
るものである。
【0008】上記フィッティング材用三次元織物におい
ては、支持孔部とそれを支持するための支持部の一方ま
たは双方に、巻積した繊維束に対して交差する方向に、
繊維束をマトリックスにより結合硬化させてなる補強用
ロッドを挿入したものとすることができる。また、上記
フィッティング材用三次元織物は、複数の内周部片を内
包した状態で支持部用延設部を有する外側部片の繊維束
を巻積し、上記複数の内周部片を離間配置して、それら
の内周部片の間において外側部片の支持部用延設部を圧
縮扁平化することにより支持部を形成したものとし、あ
るいは、単一の内周部片を内包した状態で支持部用延設
部を有する外側部片の繊維束を巻積し、上記内周部片に
巻着した外側部片の巻着部から支持部用延設部を一方側
に延出させて、端部を折曲した状態に圧縮扁平化するこ
とにより支持部を形成したものとすることができる。
【0009】一方、本発明のフィッティング材用三次元
織物の製造方法は、支持孔部の内周部片を繊維束の巻積
により筒状に形成する工程と、上記内周部片の周囲に巻
着する巻着部と前記支持部を形成するための支持部用延
設部とを連設した外側部片を、上記内周部片を内包した
状態で繊維束の巻積により形成する工程と、上記外側部
片における巻着部を内周部片の周囲に密接させると共
に、支持部用延設部を得ようとする支持部形状に圧縮扁
平化する工程と、上記圧縮扁平化する支持部用延設部中
もしくは該支持部用延設部と内周部片との間に生じる空
間に充填材を介装する工程とを備え、必要に応じて支持
孔部とそれを支持するための支持部の一方または双方
に、巻積した繊維束に対して交差する方向に、繊維束を
マトリックスにより結合硬化させてなる補強用ロッドを
挿入する工程を備えたことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】上記構成を有するフィッティング材用三次元織
物の製造するには、まず、単一または複数の支持孔部の
内周部片を繊維束の巻積により筒状に形成し、次いで、
上記内周部片を内包した状態での繊維束の巻積により、
該内周部片の周囲に巻着する巻着部と支持部を形成する
ための支持部用延設部とを連設した外側部片を形成し、
上記巻着部を内周部片の周囲に密接させると共に、支持
部用延設部を得ようとする支持部形状に圧縮扁平化す
る。さらに、上記圧縮扁平化する支持部用延設部中もし
くは該支持部用延設部と内周部片との間に生じる空間に
充填材を介装する。
【0011】一般に、単数または複数の支持孔部とそれ
らを取付けるための支持部とを一体に連設したフィッテ
ィングでは、支持孔の周りに周方向の力が作用すること
が多く、上述のようにしてフィッティング材用三次元織
物を形成すると、支持孔部は筒状の内周部片及び外側部
片の巻着部において支持孔の周囲に巻積した強化繊維の
層により効果的に強化され、フィッティング材用のプリ
フォームとして望ましい繊維配向を得ることができ、し
かもその繊維配向をFW法利用の簡単な手段により得る
ことができる。
【0012】また、上述のフィッティングでは、支持孔
部と支持部との連結部に各種方向の比較的大きな力が作
用すると共に、支持部にその長手方向の引張または圧縮
力、あるいはそれと直交する方向の剪断力等が作用する
が、上述したように構成したフィッティング材用三次元
織物では、支持部における繊維配向がその長手方向に向
くと同時に、該支持部を構成する外側部片の巻着部が支
持孔部において内周部片の周囲を包囲しているので、そ
れらの力に対して効果的な補強効果を発揮し、フィッテ
ィング材用三次元織物として十分な強度を得ることがで
きる。
【0013】支持部用延設部を例えばT字状に圧縮扁平
化する際には、その交点の中心に略三角状の空間が生
じ、また、内周部片の周囲に密接させた外側部片の巻着
部から支持部用延設部を延出させる部分においても、該
支持部用延設部と内周部片との間に同様な略三角形状の
空間が生じることになり、これらの空間を残すことは強
度低下につながることになる。しかるに、これらの空間
を外側部片の圧縮扁平化により押し潰すと、その部分で
の強化用繊維の折れ曲がりにより却って強度を損なう可
能性がある。上述した空間に介装する充填材は、このよ
うな観点からフィッティング材用三次元織物の強度を高
めるために有効に作用するものである。
【0014】さらに、上記フィッティング材用三次元織
物においては、FW法による繊維束の巻積を行うため、
巻積した繊維層間に剥離が生じ易いという問題がある
が、上記支持孔部または支持部において、補強用ロッド
を巻積した繊維束に対して交差する方向に挿入するた
め、その挿入方向にも補強されて、層間剥離をも抑止で
きるようにしたフィッティング材用三次元織物及びその
製織方法を得ることができる。
【0015】
【実施例】本発明に係るフィッティング材用三次元織物
は、単数または複数の支持孔部とそれらを支持するため
の支持部とを一体に連設してなるフィッティングを三次
元織物複合材料により形成するためのプリフォームを構
成するものであり、具体的には、図3及び図4に例示す
るような形態にすることができるが、それらに限られる
ものではない。以下においては、本発明の三次元織物製
織方法について説明しながら、フィッティング材用三次
元織物自体の構成例についても詳述する。
【0016】図1ないし図3は、本発明の三次元織物製
織方法に基づいて、それぞれに支持孔3を有する複数の
支持孔部2,2とそれらを支持するための支持部4とを
有する図3のフィッティング材用三次元織物1を製造す
る過程を、順を追って示すものである。上記フィッティ
ング材用の三次元織物1の製造に際しては、まず、図1
に示すように、支持孔部2の内周部を形成するための複
数の筒状の内周部片10,10を、FW法による繊維束
の巻積により所要の厚さの繊維層として形成する。この
FW法による繊維束の巻積は、得ようとするフィッティ
ングの支持孔3の形状に応じた断面形状を有するマンド
レル、あるいは適宜巻取り部材の周囲に繊維束を巻き付
け、繊維層を形成することによって行うものである。な
お、その繊維束の巻積に際し、必要に応じてマンドレル
あるいは巻取り部材の軸方向にも別途繊維束を配向させ
ることができる。
【0017】FW法により繊維束を巻積した内周部片1
0内における層間剥離を防止するために、巻積により形
成した繊維層に対してその繊維束に直交または斜交する
方向に補強用ロッド12を挿入する場合には、その巻積
の過程において逐次該ロッド12を挿入することができ
る。このロッド12は、繊維束を合成樹脂等からなるマ
トリックスにより結合硬化させたもので、繊維束の巻積
に際して予め上記マンドレル等の表面に立設しておくこ
ともでき、あるいは該ロッド12を針状としてそれを巻
積された繊維層に対して刺入することもできる。また、
この補強用ロッド12は内周部片10の全周に配設する
こともできるが、必要な部分に部分的に配設することも
でき、図1においては、このロッド12を支持部4(図
3)に対向する部分のみに設けた状態を示している。
【0018】次の工程では、図2に示すように、上記内
周部片10の周囲に巻積する巻着部22と前記支持部4
を形成するための支持部用延設部23とを連設した外側
部片20の繊維層を、上記両内周部片10を内包した状
態でFW法による繊維束の巻積により形成する。更に、
この繊維束の巻積により形成した外側部片20を所要の
形状に成形するため、上記外側部片20における巻着部
22を内周部片10の周囲に密接させると共に、対向す
る支持部用延設部23を接合して得ようとする支持部4
の形状に圧縮扁平化する。そのため、前記繊維束の巻積
により外側部片20を形成する工程では、それに続く外
側部片20の圧縮扁平化の工程における変形を考慮して
支持部用延設部23を必要な長さに形成しておく必要が
ある。前記内周部片10及び外側部片20をFW法によ
り形成する繊維束としては、所謂ロービングと呼ばれて
いる炭素繊維等の強化繊維の繊維束、あるいは適宜素材
からなる糸等を用いることができる。
【0019】上記圧縮扁平化の工程では、内周部片10
の周囲に密接させた外側部片20の巻着部22から支持
部用延設部23を延出させる部分において、該支持部用
延設部23と内周部片10との間に略三角形状の空間が
生じ、これを残存させると強度低下の原因になるため、
この空間に充填材30を介装することによりその部分の
強度低下を抑止する。なお、この空間を外側部片20の
一層の圧縮扁平化により押し潰すと、その部分での強化
用繊維の折れ曲がりにより却って強度を損なう可能性が
あるので、上記充填材30は支持孔部2と連結部分の強
度を高めるために有効なものである。
【0020】上記充填材30は、図示したように三つの
繊維層の集合部における空間に介装する三角形状のもの
に限らず、例えば、図2における外側部片20の内部空
間に挿入する板状その他の内部空間を埋める形状のもの
にすることもできる。また、上記充填材30を形成する
素材としては、上記外側部片20内に形成される空間に
介装して、前記補強用ロッド12と同様なロッドの貫通
が可能な不織布、ロービングなどの繊維集合体からなる
補強材、あるいはプラスチック、金属片などの適宜材料
からなる賦形用のスぺーサを用いることができる。
【0021】このようにして所期の形状に形成した三次
元織物においては、前述の層間剥離の防止のため、上記
支持孔部2または支持部4の必要な部分において、巻積
した繊維層に対してその繊維束に直交または斜交する方
向に補強用ロッド24を挿入することができる。この補
強用ロッド24は、前記ロッド12と同様に、繊維束を
合成樹脂等からなるマトリックスにより結合硬化させた
もので、その挿入は、外側部片20の繊維束の巻積の過
程において逐次繊維束間に挿入することができるが、該
繊維束の巻積に際して、予め内周部片10の表面に立設
しておくこともでき、あるいは該ロッド24を針状とし
てそれを巻積された繊維層に対して刺入することもでき
る。なお、前記充填材30として繊維集合体からなる補
強材を用いている場合には、外側部片20を通してその
充填材30中に補強用ロッド24を挿入し、外側部片2
0と充填材30との間の層間を強化することができる。
【0022】上述した製織方法によれば、支持孔部2と
それを支持するための支持部4とを一体に連設したフィ
ッティング材の強化用三次元織物であって、繊維束の巻
積により形成した支持孔部2の筒状をなす内周部片10
と、上記内周部片10を内包した状態で繊維束を巻積す
ることにより、上記内周部片10の周囲に巻積する巻着
部22と前記支持部4を形成するための支持部用延設部
23とを連設した状態に形成され、上記巻着部22を内
周部片10の周囲に密接させると共に、対向する支持部
用延設部23を接合して得ようとする支持部4の形状に
圧縮扁平化した外側部片20とを有し、更に、上記圧縮
扁平化する支持部用延設部23と内周部片10との間に
生じる空間に介装された充填材30を有し、必要な部分
に補強ロッド12,24を挿入した繊維強化フィッティ
ング材用プリフォームを得ることができる。
【0023】このプリフォームは、含浸法、RTM法な
どの所要の成形法を用いてマトリックス樹脂との一体化
を行い、三次元織物複合材料からなるフィッティングを
得ることができる。この三次元織物複合材料は、支持孔
部2に軸やワイヤー等を挿入し、支持部4を適宜部材等
に取付けて使用するものである。
【0024】図4及び図5は、本発明の三次元織物製織
方法に基づいて、支持孔43を有する単一の支持孔部4
2とそれらを支持するための支持部44とを有するフィ
ッティング材用三次元織物41の構成を示すものであ
る。このフィッティング材用三次元織物41の製造に際
しては、図1に示す場合と同様にして、支持孔部42の
内周部を形成するための単一の筒状をなす内周部片50
をFW法による繊維束の巻積により形成し、次いで、図
2により説明したように、上記内周部片50の周囲に層
状に巻積する巻着部62と前記支持部44を形成するた
めの支持部用延設部63とを連設した外側部片60を、
上記内周部片50を内包した状態でFW法による繊維束
の巻積により形成する。
【0025】更に、上記外側部片60における巻着部6
2を内周部片50の周囲に密接させると共に、対向する
支持部用延設部63を接合して圧縮扁平化することによ
りT字状の支持部44を形成する。この場合にも、圧縮
扁平化に際して支持部用延設部63の対向部分が重接さ
れるとき、内周部片50の周囲に密接させた外側部片6
0の巻着部62から支持部用延設部63を延出させる部
分、及び支持部44におけるT字状の交差部中心におい
て、支持部用延設部63と内周部片50との間及び該支
持部用延設部63中に略三角形状の空間が生じるため、
この空間に充填材70を介装し、それらの部分を補強す
る。上記充填材70としては、前記実施例の場合と同様
な素材を用いることができる。なお、ここでは支持部4
4をT字状に形成した場合を示しているが、それを直線
状に形成したり、L字状に折曲形成することもできる。
【0026】この実施例においても、内周部片50内及
び外側部片60における層間剥離を防止するために、前
記実施例と同様に、巻積した繊維層に対して直交または
斜交する方向に補強用ロッドを挿入するすることができ
る。なお、図4では、支持孔部42及び支持部44にお
いて、巻積した繊維層に対して繊維束に直交または斜交
する方向に補強用ロッド64を挿入した状態を示してい
る。
【0027】一般に、単数または複数の支持孔部2,4
2とそれらを取付けるための支持部4,44とを一体に
連設したフィッティングでは、支持孔3,43の周りに
周方向の力が作用するが、上述のようにして得られたフ
ィッティング材用三次元織物1,41を基材とする複合
材料においては、支持孔部2,42が内周部片10,5
0及び外側部片20,60の巻着部22,62において
支持孔3,43の周囲に巻積した強化繊維層により効果
的に強化され、フィッティング材用のプリフォームとし
て望ましい繊維配向を得ることができ、しかもその繊維
配向をFW法利用の簡単な手段により得ることができ
る。
【0028】また、上述のフィッティングでは、支持孔
部2,42と支持部4,44との連結部に各種方向の比
較的大きな力が作用すると共に、支持部4,44にその
長手方向の引張または圧縮力、あるいはそれらと直交す
る方向の剪断力等が作用するが、上述したように構成し
たフィッティングでは、支持部4,44における繊維配
向がそれらの長手方向に向くと同時に、該支持部4,4
4を構成する外側部片20,60の巻着部22,62が
支持孔部2,42において内周部片10,50の周囲を
包囲しているので、それらの力に対して効果的な補強効
果を発揮し、フィッティング材用プリフォームとして十
分な強度を得ることができる。
【0029】さらに、上記フィッティング材用三次元織
物において、所要の厚さに巻積した繊維層からなる支持
孔部2,42と支持部4,44に、繊維層の厚さ方向の
強化成分となる補強用ロッド12,24,64を挿入し
て組織しているので、FW法による繊維束の巻積によっ
て形成された繊維層間の結合力を強化し、繊維層間の剥
離が容易に生じない靭性の高い特性を発現させることが
できる。
【0030】
【発明の効果】以上に詳述した本発明によれば、FW法
を利用した簡単な手段により、フィッティング材用のプ
リフォームとして望ましい繊維配向が得られ、層間剥離
に対しても強化できて、十分な補強効果を発揮できるよ
うにしたフィッティング材用三次元織物及びその製織方
法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィッティング材用三次元織物におけ
る内周部片の構成を示す説明図である。
【図2】図1の内周部片に外側部片を巻積した状態を示
す説明図である。
【図3】図2の素材により形成したフィッティング材用
三次元織物の正面図である。
【図4】本発明のフィッティング材用三次元織物の他の
実施例を示す正面図である。
【図5】同側面図である。
【符号の説明】
1,41 フィッティング材用三次元織物 2,42 支持孔部 3,43 支持孔 4,44 支持部 10,50 内周部片 12 補強用ロッド 20,60 外側部片 22,62 巻着部 23,63 支持部用延設部 24,64 補強用ロッド 30,70 充填材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D03D 41/00 B (72)発明者 金 原 雅 彦 茨城県つくば市千現二丁目1番地6 株式 会社スリーデイコンポリサーチ内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持孔部とそれを支持するための支持部と
    を一体に連設したフィッティング材の強化用三次元織物
    であって、 繊維束の巻積により筒状に形成した支持孔部の内周部片
    と、 上記内周部片を内包した状態で繊維束を巻積することに
    より、上記内周部片の周囲に巻着する巻着部と前記支持
    部を形成するための支持部用延設部とを連設した状態に
    形成され、上記巻着部を内周部片の周囲に密接させると
    共に、支持部用延設部を得ようとする支持部形状に圧縮
    扁平化した外側部片と、 上記圧縮扁平化する支持部用延設部中もしくは該支持部
    用延設部と内周部片との間に生じる空間に介装された充
    填材と、により形成したことを特徴とするフィッティン
    グ材用三次元織物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のフィッティング材用三次
    元織物において、 支持孔部とそれを支持するための支持部の一方または双
    方の繊維層に、巻積した繊維束に対して交差する方向
    に、繊維束をマトリックスにより結合硬化させてなる補
    強用ロッドを挿入した、ことを特徴とするフィッティン
    グ材用三次元織物。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のフィッティング
    材用三次元織物において、 複数の内周部片を内包した状態で支持部用延設部を有す
    る外側部片の繊維束を巻積し、上記複数の内周部片を離
    間配置して、それらの内周部片の間において外側部片の
    支持部用延設部を圧縮扁平化することにより支持部を形
    成した、ことを特徴とするフィッティング材用三次元織
    物。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載のフィッティング
    材用三次元織物において、 単一の内周部片を内包した状態で支持部用延設部を有す
    る外側部片の繊維束を巻積し、上記内周部片に巻着した
    外側部片の巻着部から支持部用延設部を一方側に延出さ
    せて、端部を折曲した状態に圧縮扁平化することにより
    支持部を形成した、ことを特徴とするフィッティング材
    用三次元織物。
  5. 【請求項5】支持孔部とそれを支持するための支持部と
    を一体に連設したフィッティング材の強化用三次元織物
    を製造するための方法であって、 支持孔部の内周部片を繊維束の巻積により筒状に形成す
    る工程と、 上記内周部片の周囲に巻着する巻着部と前記支持部を形
    成するための支持部用延設部とを連設した外側部片を、
    上記内周部片を内包した状態で繊維束の巻積により形成
    する工程と、 上記外側部片における巻着部を内周部片の周囲に密接さ
    せると共に、支持部用延設部を得ようとする支持部形状
    に圧縮扁平化する工程と、 上記圧縮扁平化する支持部用延設部中もしくは該支持部
    用延設部と内周部片との間に生じる空間に充填材を介装
    する工程と、を有することを特徴とするフィッティング
    材用三次元織物の製織方法。
  6. 【請求項6】請求項5に記載のフィッティング材用三次
    元織物の製造方法において、 支持孔部とそれを支持するための支持部の一方または双
    方に、巻積した繊維束に対して交差する方向に、繊維束
    をマトリックスにより結合硬化させてなる補強用ロッド
    を挿入する工程を有する、ことを特徴とするフィッティ
    ング材用三次元織物の製織方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102002790A (zh) * 2010-12-21 2011-04-06 东华大学 一种三维立体织物织造成型方法
CN102535018A (zh) * 2011-12-12 2012-07-04 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 具有开孔结构的纤维织物及具有开孔结构的纤维复合材料制件的制备方法
CN104878507A (zh) * 2015-05-29 2015-09-02 中材科技股份有限公司 一种环向和/或轴向加筋的圆管状层连织物及其制备方法
CN114248463A (zh) * 2020-09-21 2022-03-29 江苏金风科技有限公司 纤维织物及其治具和制造方法

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