JPH0812645A - 光学活性スルホン酸誘導体およびその製法 - Google Patents

光学活性スルホン酸誘導体およびその製法

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JPH0812645A JP14156694A JP14156694A JPH0812645A JP H0812645 A JPH0812645 A JP H0812645A JP 14156694 A JP14156694 A JP 14156694A JP 14156694 A JP14156694 A JP 14156694A JP H0812645 A JPH0812645 A JP H0812645A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学分割剤、とくにアミノ酸の光学分割剤と
して有用な光学活性スルホン酸誘導体およびその製法を
提供する。 【構成】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは低級アルキル基、R1〜R5のうち、すくな
くとも2個は同一または異なって低級アルキル基、低級
アルコキシ基、トリハロゲノメチル基、ニトロ基および
ハロゲン原子から選ばれる基であり、残りの基は水素原
子を表す)で示される光学活性スルホン酸誘導体(但し、
1−(2,3,4−トリクロロフェニル)エタンスルホン酸
は除く)またはその塩、およびその製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学活性スルホン酸誘導
体、その塩およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】ラセミ型アミノ酸の光学分割法には種々
の方法があるが、ラセミ体に光学活性な分割剤を作用さ
せて一対のジアステレオマー塩を生成させ、その両者の
溶解度の差を利用する光学分割法は工業的に有利な方法
のひとつである。例えば、塩基性アミノ酸や酸性アミノ
酸にはそれぞれ酸性分割剤や塩基性分割剤を作用させて
ジアステレオマー塩を形成させて行う。しかしながら、
中性アミノ酸に対しては、適当な誘導体例えばN−アシ
ル誘導体に変えて典型的な酸性物質とした後塩基性分割
剤に作用させるか、あるいはエステルまたはアミドに変
えて典型的な塩基性物質とした後酸性分割剤を作用させ
ることが必要でかつ光学分割後これらの保護基をラセミ
化させずに除去しなければならないという煩雑な工程が
必要であるという欠点を有している。他方、強酸性分割
剤を用いればいかなるアミノ酸とも塩を形成するのでア
ミノ酸を何ら誘導体に変える必要はなく、また、光学分
割後も中和反応やイオン交換樹脂処理等の温和な条件で
脱塩でき、工業的に有利にアミノ酸を光学分割すること
ができる。このような強酸性光学分割剤としてはカンフ
ァースルホン酸、ブロモカンファースルホン酸、コレス
テノンスルホン酸、ヒドロキシメタンスルホン酸などが
知られているが、いずれも天然物由来のものであって高
価であったり化学的に不安定であったり、さらに非天然
型を必要とする場合に不便をきたすという問題点が依然
残されている。
【0003】また、光学分割剤、特にアミノ酸の光学分
割剤として有用な種々の光学活性スルホン酸が報告され
ている。例えば、特公平2−59828号には、式:
【化4】 (式中、R'は低級アルキル基、低級アルコキシ基または
ハロゲン原子を表す)で示される光学活性な1−(モノ置
換フェニル)エタンスルホン酸誘導体がDL−α−アミ
ノ酸の光学分割剤として有用であることが開示されてい
る。また、特公平3−12051号にはアミノ酸の光学
分割剤として光学活性α−フェニルプロパンスルホン酸
を用いることが開示されている。特公平3−12052
号には、同様にα−フェニルエタンスルホン酸の使用を
開示している。さらに、特開平5−271169号に
は、光学活性1−(4−置換フェニル)エタンスルホン酸
を用いてDL−tert−ロイシンの光学分割法が開示
されている。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】本発明者らは種々
研究を重ねた結果、下記式(I)の光学活性スルホン酸誘
導体が優れた光学分割剤となるものであること、とりわ
けDL−アミノ酸の光学分割剤として優れた緒特性を具
備するものであることを見いだし、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は光学分割剤、特にアミ
ノ酸の光学分割剤として有用な光学活性スルホン酸誘導
体、その塩およびその製法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I)
【化5】 (式中、Rは低級アルキル基、R1〜R5のうち、すくな
くとも2個は同一または異なって低級アルキル基、低級
アルコキシ基、トリハロゲノメチル基、ニトロ基および
ハロゲン原子から選ばれる基であり、残りの基は水素原
子を表す)で示される光学活性スルホン酸誘導体(但し、
1−(2,3,4−トリクロロフェニル)エタンスルホン酸
は除く)またはその塩を提供するものである。
【0006】本発明の光学活性スルホン誘導体(I)とし
ては一般式(I)において、例えばRがメチル基、エチル
基などの炭素数1〜4の低級アルキル基であり、R1
5のうち、少なくとも2個は同一または異なって、メ
チル基、エチル基、プロピル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基などの炭素数
1〜4の低級アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、
イソブトキシ基、メチレンジオキシ基などの炭素数1〜
4の低級アルコキシ基;トリフルオロメチル基などのト
リハロゲノメチル基;ニトロ基;またはフッ素原子、塩
素原子、臭素原子などのハロゲン原子であり、残りの基
は水素原子である化合物が挙げられる。これらの内、好
ましい化合物としては、一般式(I)において、Rがメチ
ル基、およびR1〜R5のうち、2〜3個が塩素原子、フ
ッ素原子などのハロゲン原子、メトキシ基またはメチル
基である化合物が挙げられる。さらに好ましい化合物と
しては、Rがメチル基で、R1〜R5のうち、2〜3個が
ハロゲン原子またはメチル基である化合物が挙げられ
る。
【0007】本発明によれば、当該光学活性スルホン誘
導体(I)は、一般式(I)
【化6】 (式中、RおよびR1〜R5は前記と同意義である)で示
されるスルホン酸誘導体のラセミ体を光学活性アミノ酸
と反応させ、生成する2種のジアステレオマー塩の溶解
度差を利用してその一方の難溶性ジアステレオマー塩た
る前記スルホン酸誘導体(I)の光学活性体と光学活性ア
ミノ酸との塩を分離、採取し、所望により該塩を分解す
ることにより製造することができる。
【0008】ラセミ型スルホン酸誘導体(I)と光学活性
アミノ酸との反応は適当な溶媒中で両化合物を混合溶解
することにより実施することができる。
【0009】本発明で用いるラセミ型スルホン酸誘導体
(I)は遊離型であってもナトリウム塩、カリウム塩など
のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩など
のアルカリ土類金属塩の他、例えばアンモニウム塩、そ
の他アミン塩であってもいずれも本発明に用いることが
できる。また、ラセミ型スルホン酸誘導体(I)を合成し
た際の反応液を用いてもよい。更に、化学合成によって
得られるd−体とl−体の等量混合物の他、一方の光学
活性体を過剰に含むいわゆる低純度の光学活性体であっ
ても用いることができる。また、分割剤たる光学活性ア
ミノ酸としては、例えばアラニン、バリン、ロイシン、
イソロイシン、フェニルアラニン、フェニルグリシン、
ヒドロキシフェニルグリシン、チロシン、トリプトファ
ン、セリン、スレオニン、プロリン、システイン、グル
タミン酸、アスパラギン酸、ヒスチジン、オルニチン、
リジン、シトルリン、アミノ酪酸等の光学活性体を用い
ることができる。これら光学活性アミノ酸は遊離型に限
らず、塩酸塩、硫酸塩などの無機酸塩、シュウ酸塩、ベ
ンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、キシレン
スルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、ニトロベ
ンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、メタン
スルホン酸塩などの有機酸塩でも用いることができる。
分割剤として用いる光学活性アミノ酸もしくはその塩の
使用量は、ラセミ型スルホン酸誘導体(I)1モルに対し
て0.3〜1.5モル、好ましくは0.5〜1.0モルが適
当である。本反応に用いる溶媒としては、塩の生成を妨
げず適当な溶解度を有するものであればいずれも用いる
ことができるが、特に水性溶媒が好ましい。かかる水性
溶媒としては、水;メタノール、エタノールなどの低級
アルカノール;アセトン;ジオキサン;テトラヒドロフ
ラン;ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;
酢酸、プロピオン酸などの脂肪酸;あるいはこれらの混
合溶媒を好適に用いることができるが、とりわけ水が好
ましい。本反応は反応液の沸点から凝固点の温度範囲で
実施することができるが好ましくは5〜80℃で実施す
るのが適当である。
【0010】かくして生成するジアステレオマー塩のう
ち、難溶性ジアステレオマー塩の晶析操作は該反応溶液
を冷却するか、濃縮するか、あるいは有機溶媒を添加す
ることによって容易に行うことができ、該塩を高純度の
結晶として得ることができる。析出した難溶性ジアステ
レオマー塩は通常の固液分離の方法、例えば濾過、遠心
分離法の方法によって分離・取得することができる。
【0011】上記により得られた難溶性ジアステレオマ
ー塩は必要とあれば更に洗浄、再結晶などの処理をする
ことができる。
【0012】かくして得られた難溶性ジアステレオマー
塩は、イオン交換樹脂処理あるいはアルカリ処理などの
常法によって容易に光学活性スルホン酸誘導体(I)とす
ることができる。
【0013】上記の如くして得られた光学活性スルホン
酸誘導体(I)はラセミ型塩基性化合物の光学分割剤とし
て有用であり、特にDL−アミノ酸の光学分割剤として
優れた諸特性を有しているため、該化合物(I)を用いて
好適にDL−α−アミノ酸を光学分割して光学活性α−
アミノ酸に導くことができる。
【0014】上記の通り、本発明の光学活性スルホン誘
導体(I)はDL−α−アミノ酸の光学分割剤として有用
であり、かかる光学活性スルホン酸誘導体(I)を用いて
α−アミノ酸を光学分割した場合、次のような利点を有
する。 (1)本発明で用いる光学活性スルホン酸誘導体(I)は強
酸性分割剤であるので、被分割物質たるラセミ型アミノ
酸は塩基性アミノ酸をはじめ中性あるいは酸性アミノ酸
であってもこれらアミノ酸をエステルまたはアミドなど
の誘導体に導く必要がなく広範囲のアミノ酸の分割に適
用することができる。 (2)光学活性スルホン酸誘導体(I)は合成分割剤であっ
て、従来の天然物由来の光学活性スルホン酸とは異なり
(+)体も(−)体も自由に得られるので必要に応じて(+)
体、(−)体を使い分けることができる。 (3)分割剤たる光学活性スルホン酸誘導体(I)は化学的
にも光学的にも非常に安定であるので、分割剤の回収、
再利用が容易である。 (4)造塩反応、晶析操作は水性溶媒中で実施でき操作が
極めて簡単である。
【0015】本発明の原料化合物であるラセミ型スルホ
ン酸誘導体(I)は、例えばJ.Chem.Soc.,115
9(1927)記載の方法に準じて対応するラセミ型アル
コールをハロゲン化し、得られるラセミ型ハライド型を
スルホン化することにより製することができる。
【0016】
【実施例】
[光学活性スルホン酸誘導体の製法]実施例1 (1)2',4'−ジクロロアセトフェノン135gをメタ
ノール540mlに懸濁し、該懸濁液に水素化ホウ素ナ
トリウム13.5gを15〜25℃で加え、25℃で2
時間撹拌する。反応後、メタノールを留去し得られた残
渣に2N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出する。得られた
有機層を水洗し、乾燥後、溶媒を留去して粗(±)−1−
(2,4−ジクロロフェニル)エチルアルコール135g
を得る。
【0017】(2)(±)−1−(2,4−ジクロロフェニ
ル)エチルアルコール130gをトルエン250mlに
溶解し、該溶液に三臭化リン92gのトルエン溶液を5
〜10℃で滴下後、室温で2時間撹拌する。反応後、該
溶液に冷却下水を加え、水層をトルエンで抽出する。ト
ルエン層を集め、水洗し、乾燥後、溶媒を留去して油状
の(±)−1−(2,4−ジクロロフェニル)ブロモエタン
176gを得る。
【0018】(3)(±)−1−(2,4−ジクロロフェニ
ル)ブロモエタン162gに水362mlおよび亜硫酸
ナトリウム121gを加え、95〜100℃で20時間
撹拌する。反応液に水300mlを加え、酢酸エチルで
洗浄後、水層に濃塩酸137mlを加える。該水層を7
0〜80℃に加熱し、L−ロイシン67gを加えて溶解
し、徐々に冷却する。析出する結晶を濾取し、冷水で洗
浄後、乾燥して粗(−)−1−(2,4−ジクロロフェニ
ル)エタンスルホン酸・L−ロイシン塩98.6gを得
る。 [α]25 D:−17.3°(c=1,H2O) 該粗製塩を水から3回再結晶して(−)−1−(2,4−ジ
クロロフェニル)エタンスルホン酸・L−ロイシン塩5
1gを得る。 [α]25 D:−34.0°(c=1,H2O)、 [α]25 D:−11.0°(c=1,メタノール) M.p.:175〜176℃ IR(KBr)cm-1:3500,2995,1730,
1590,1475 NMR(DMSO−d6)δ:0.92(d,6H,J=7.
0Hz),1.43(d,3H,J=7.0Hz),1.65(m,
4H),3.85(m,1H),4.23(q,1H,J=7.0H
z),7.30〜7.80(m,3H)
【0019】(4)(−)−1−(2,4−ジクロロフェニ
ル)エタンスルホン酸・L−ロイシン塩51gをメタノ
ールに溶解し、25%アンモニア水で中和する。同温度
で1時間撹拌後、析出したL−ロイシンを濾去する。そ
の濾液を濃縮し、残渣を純水に溶解し、IR−120
(H+)強酸性陽イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製)に
通し、次いで、純水で洗浄する。通過液と洗液を合わせ
て濃縮して、(−)−1−(2,4−ジクロロフェニル)エ
タンスルホン酸33.4gを得る。ナトリウム塩 : [α]25 D:−52.2°(c=1,H2O) M.p.:260〜261℃ IR(KBr)cm-1:3460,1655,1590,
1475 NMR(DMSO−d6)δ:1.48(d,3H,J=7.0
Hz),4.30(q,1H,J=7.0Hz),7.30〜7.
90(m,3H)
【0020】実施例2〜6 対応原料化合物を実施例1−(1)〜1−(3)と同様に処
理して下記表1〜2記載の化合物を得、ついで得られた
表1〜2の化合物を実施例1−(4)と同様に処理して下
記表3の化合物を得る。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】実施例7 後記実施例8と同様に処理して得た(±)−1−(3,4−
ジメチルフェニル)エタンスルホン酸8gを含む水溶液
10gに下記表4に示す各種光学活性α−アミノ酸1.
0モル比と溶媒を加え、加熱溶解する。冷却後、析出し
た難溶性ジアステレオマー塩を濾取し、乾燥する。該塩
を10%水溶液とし、IR−120(H+)強酸性イオン
交換樹脂を充填したカラムに通し、流出液を濃縮するこ
とにより、光学活性1−(3,4−ジメチルフェニル)エ
タンスルホン酸水溶液を得る。結果は下記表4に示す通
りである。
【0025】
【表4】
【0026】実施例8 [原料化合物:(±)−1−(2,4−ジクロロフェニル)エ
タンスルホン酸の製法] (1)(±)−1−(2,4−ジクロロフェニル)ブロモエタ
ン162gに水362mlおよび亜硫酸ナトリウム12
1gを加え、95〜100℃で20時間撹拌する。反応
液に水300mlを加え、酢酸エチルで洗浄後、水層に
濃塩酸137mlを加える。該水層を70〜80℃に加
熱し、DL−ロイシン67gを加えて溶解し、冷却す
る。析出する結晶を濾取し、冷水で洗浄後、乾燥して
(±)−1−(2,4−ジクロロフェニル)エタンスルホン
酸・DL−ロイシン塩190gを得る。 NMR(DMSO−d6)δ:0.92(d,6H,J=7.0
Hz),1.43(d,3H,J=7.0Hz),1.65(m,4
H),3.85(m,1H),4.23(q,1H,J=7.0H
z),7.3〜7.8(m,3H) (2)(±)−1−(2,4−ジクロロフェニル)エタンスル
ホン酸・DL−ロイシン塩190gをメタノールに溶解
し、25%アンモニア水で中和する。同温度で1時間撹
拌後、析出したDL−ロイシンを濾去する。その濾液を
濃縮し、残渣を純水に溶解し、IR−120(H+)強酸
性陽イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製)に通液、つい
で純水で洗浄する。通過液と洗液を合わせて濃縮し、
(±)−1−(2,4−ジクロロフェニル)エタンスルホン
酸120gを含む水溶液150gを得る。 (3)(±)−1−(2,4−ジクロロフェニル)エタンスル
ホン酸3.7gを含む水溶液10gを用いて実施例7と
同様に下記表5記載の各種光学活性アミノ酸と処理す
る。結果は表5に示す通りである。
【0027】
【表5】
【0028】実施例9 下記表6に示す各種(±)−スルホン酸誘導体30gと
1.0モル比のD−p−ヒドロキシフェニルグリシンま
たはL−ロイシンの混合物を水に加熱溶解し、氷冷下2
時間撹拌する。析出晶を濾取し、乾燥後、同じ溶媒で再
結晶する。得られたジアステレオマー塩を水に溶解し、
強酸性イオン交換樹脂を充填したカラムに通液し、水洗
する。流出液および洗液を合わせ濃縮することにより、
飴状の光学活性スルホン酸誘導体を得る。本品は化学的
にも光学的にも高純度の光学活性スルホン酸である。そ
の結果は下記表6に示す通りである。
【0029】
【表6】
【0030】[DL−アミノ酸の光学分割]参考例1 DL−アミノ酸10gと下記表7に示す光学活性スルホ
ン酸(1.0モル比)の混合物を溶媒に加熱溶解し、室温
で一日放置する。析出晶を濾取、洗浄、乾燥してジアス
テレオマー塩を得る。該塩を水に溶解し、約5%水溶液
とした後強酸性イオン交換樹脂を充填したカラムに通液
し水洗する。2Nアンモニア水で樹脂に吸着しているア
ミノ酸を溶離する。溶離液を濃縮乾固した後少量の冷水
またはメタノールを加え冷却し、析出晶を濾取すること
によって光学活性アミノ酸を取得する(塩分解収率:8
5〜95%)。結果は下記表7に示す通りである。
【0031】
【表7】
【0032】
【発明の効果】本発明の光学活性スルホン酸誘導体(I)
は光学分割剤、とくに遊離アミノ酸の光学分割剤として
有用であり、従来の光学分割剤にくらべ多種類のラセミ
体の光学分割に使用でき、また光学分割効率も高い。ま
た、本発明の光学活性スルホン酸誘導体(I)は化学的に
も安定であり、化学合成が容易であることから、工業的
にも優れた光学分割剤である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは低級アルキル基、R1〜R5のうち、すくな
    くとも2個は同一または異なって低級アルキル基、低級
    アルコキシ基、トリハロゲノメチル基、ニトロ基および
    ハロゲン原子から選ばれる基であり、残りの基は水素原
    子を表す)で示される光学活性スルホン酸誘導体(但し、
    1−(2,3,4−トリクロロフェニル)エタンスルホン酸
    は除く)またはその塩。
  2. 【請求項2】 一般式(I) 【化2】 (式中、Rは低級アルキル基、R1〜R5のうち、すくな
    くとも2個は同一または異なって低級アルキル基、低級
    アルコキシ基、トリハロゲノメチル基、ニトロ基および
    ハロゲン原子から選ばれる基であり、残りの基は水素原
    子を表す)で示されるスルホン酸誘導体のラセミ体を光
    学活性アミノ酸と反応させ、生成する2種のジアステレ
    オマー塩の溶解度差を利用してその一方の難溶性ジアス
    テレオマー塩たる前記スルホン酸誘導体(I)の光学活性
    体と光学活性アミノ酸との塩を分離、採取し、所望によ
    り該塩を分解することを特徴とする一般式(I) 【化3】 (式中、RおよびR1〜R5は前記と同一である)で示さ
    れる光学活性スルホン酸誘導体(但し、1−(2,3,4−
    トリクロロフェニル)エタンスルホン酸は除く)またはそ
    の光学活性アミノ酸塩の製法。
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