JPH0812612A - アセトアルデヒドとヨウ化メチルの分離方法 - Google Patents

アセトアルデヒドとヨウ化メチルの分離方法

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JPH0812612A
JPH0812612A JP6149652A JP14965294A JPH0812612A JP H0812612 A JPH0812612 A JP H0812612A JP 6149652 A JP6149652 A JP 6149652A JP 14965294 A JP14965294 A JP 14965294A JP H0812612 A JPH0812612 A JP H0812612A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アセトアルデヒドとヨウ化メチルを効率的に
分離すること、又、酢酸及び/又は無水酢酸の連続製造
プロセスにおいて、容易に、カルボニル化反応器に再循
環するプロセス液中に含まれるアセトアルデヒドを十分
に除去すると共に、効率的にヨウ化メチルを反応器に再
循環することにある。 【構成】 アセトアルデヒド及びヨウ化メチルを含有す
る混合液を蒸留する際に、塔頂温度、還流タンクの温度
ならびに圧力を制御すること、又は、メタノールの存在
下に塔頂温度、還流タンク温度を制御することによっ
て、アセトアルデヒドの縮合物であるパラアルデヒド、
メタアルデヒドの生成、析出をコントロールして、アセ
トアルデヒドとヨウ化メチルを効率的に分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アセトアルデヒド及び
ヨウ化メチルを含む混合液からアセトアルデヒドとヨウ
化メチルを効率的に分離する方法に関するものである。
【0002】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】アセト
アルデヒド及びヨウ化メチルを含む混合液からアセトア
ルデヒドとヨウ化メチルを分離する方法としては、さま
ざまな方法があるが、多くの場合に複雑で多大の困難が
伴う。なぜならば、アセトアルデヒドとヨウ化メチルは
沸点が近く、実際上相互に分別できないという問題点を
有しているからである。この問題点を解決するべく、特
公平3−51696号公報、特公平2−39490号公
報には、常圧下の沸点25〜55℃の沸点をもつ炭化水
素とアセトアルデヒドの共沸を利用し、ヨウ化メチルと
分離するもので、共沸物は、水によりアセトアルデヒド
が洗い出され、炭化水素は再び共沸蒸留に供給されると
いう方法が開示されている。
【0003】しかし、共沸物が水で処理される際、水相
に抽出され、その結果、廃棄される炭化水素の補充が必
要となるだけでなく、又、低沸点成分を取り扱うため高
圧条件、あるいは低温冷却水を必要とするため、設備
上、操業上、コストが高くなるという問題点を有する。
【0004】また、第8族金属触媒及びヨウ化メチルの
存在下、メタノール及び/又は酢酸メチルと一酸化炭素
を連続的に反応させて、酢酸及び/又は無水酢酸を製造
する方法において、反応器に再循環されるヨウ化メチル
に富む液の中には、例えばアセトアルデヒド、ブチルア
ルデヒド、クロトンアルデヒド、2−エチルクロトンア
ルデヒドなどのようなカルボニル不純物が含まれている
ことが知られている。前記カルボニル不純物とヨウ化メ
チルを分離する方法として、カルボニル反応器へのヨウ
化メチル再循環流を、カルボニルと反応して水溶性窒素
含有誘導体を形成するアミノ化合物を反応させて、有機
ヨウ化メチル相を水性誘導体相から分離し、ヨウ化メチ
ル相を蒸留してカルボニル不純物を除去する方法が開示
されている(特開平4−266843号公報)。
【0005】しかし、前記カルボニル化反応器に再循環
する有機流中に含まれるカルボニル不純物濃度は高く、
十分な量とはいえず、又、含窒素化合物の除去という新
たな問題を伴う。
【0006】従って、本発明の目的は、アセトアルデヒ
ドとヨウ化メチルを効率的に分離することにある。
【0007】更に、本発明の2つめの目的は、特に、酢
酸及び/又は無水酢酸の連続製造プロセスにおいて、容
易に、カルボニル化反応器に再循環するプロセス液中に
含まれるアセトアルデヒドを十分に除去すると共に、効
率的にヨウ化メチルを反応器に再循環することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するため鋭意検討した結果、アセトアルデヒド及び
ヨウ化メチルを含有する混合液を蒸留する際に、塔頂温
度、還流タンク温度、ならびに圧力を制御することによ
って、または、アルコールの存在下に、塔頂温度、還流
タンク温度を制御することによって、アセトアルデヒド
の縮合物であるパラアルデヒド、メタアルデヒドの生
成、析出をコントロールすることができ、アセトアルデ
ヒドとヨウ化メチルを効率的に分離できることを見出だ
し本発明に至った。
【0009】すなわち、本発明は、アセトアルデヒド及
びヨウ化メチルを含む混合液を塔頂温度55℃以上、還
流タンク温度25℃以上、1Kg/cm以上の圧力で
蒸留する、又は、アルコールの存在下に、塔頂温度55
℃未満、還流タンク温度25℃未満で蒸留することによ
って、アセトアルデヒドとヨウ化メチルを効率的に分離
する方法を提供する。
【0010】本発明の処理を受けるアセトアルデヒド及
びヨウ化メチルを含む混合液を提供する反応の一例とし
て酢酸製造プロセスについて説明する。
【0011】第8族金属触媒、ヨウ化メチルの存在下、
メタノールと一酸化炭素を反応させ反応液を酢酸、酢酸
メチルおよびヨウ化メチルを含む揮発性相と第8族金属
触媒を含む低揮発性相とに分離し、揮発性相を蒸留し
て、酢酸を含む生成物と酢酸メチル及びヨウ化メチルを
含むオーバーヘッドを得、該オーバーヘッドを反応器に
再循環する酢酸の製造プロセスである。
【0012】前記プロセスで用いられる第8族金属触媒
としては、ロジウム触媒、パラジウム触媒、モリブデン
触媒、ニッケル触媒等が挙げられる。また、コバルト、
イリジウム、白金、オスミウムおよびルテニウムからな
る群から選ばれる1種以上の化合物を含有する化合物
も、触媒として使用できる。触媒は、1種のみを用いて
もよいし、2種以上を用いてもよい。前記触媒の中でも
ロジウム触媒がより好適に用いられる。ロジウム触媒
は、反応液中で通常ロジウム錯体として存在する。従っ
て、ロジウム触媒は反応条件下で、反応液に溶解する錯
体に変化するものであればどのような形態で用いてもよ
い。具体的には、RhI、[Rh(CO)
などのロジウムヨウ素錯体、ロジウムカルボニル錯体が
有効に用いられる。その使用量は、反応液中の濃度で、
200〜1000ppm、好ましくは300〜600p
pmである。
【0013】ヨウ化物塩は、特に低水分下でのロジウム
触媒の安定化と副反応抑制のために添加されてもよい。
このヨウ化物塩は反応液中で、ヨウ素イオンを発生する
ものであればいかなるものであってもよい。例を挙げる
ならば、LiI、NaI、KI、RbI、CsIのよう
なアルカリ金属ヨウ化物塩、BeI、MgI、Ca
等のアルカリ土類金属ヨウ化物塩、BI、AlI
等のアルミニウム族金属ヨウ化物塩等がある。また金
属ヨウ化物塩以外に有機ヨウ化物塩でもよく、例えば、
四級ホスホニウムヨウ化物塩(トリブチルホスフィン、
トリフェニルホスフィンなどの、ヨウ化メチル付加物又
はヨウ化水素付加物等)、四級アンモニウムヨウ化物塩
(三級アミン、ピリジン類、イミダゾール類、イミド類
等の、ヨウ化メチル付加物又はヨウ化水素付加物等)が
挙げられる。特にLiIなどのアルカリ金属ヨウ化物塩
が好ましい。ヨウ化物塩の使用量は、反応液中いずれも
ヨウ化物イオンとして0.07〜2.5モル/リットル
であり、好ましくは0.25〜1.5モル/リットルと
なるような添加量がよい。
【0014】本プロセスにおいて、ヨウ化メチルは触媒
促進剤として使用され、反応液中5〜20重量%、好ま
しくは12〜16重量%存在させる。
【0015】また反応液中の水分濃度は15重量%以
下、好ましくは10重量%以下、更に好ましくは1〜5
重量%である。
【0016】また本プロセスの反応は連続反応であるの
で、原料メタノールが酢酸と反応して生成する酢酸メチ
ルが0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜5重量%
存在しており、反応液中、残りの主成分は生成物であり
かつ反応溶媒でもある酢酸である。
【0017】本プロセスにおけるカルボニル化の典型的
な反応温度は約150〜250℃であり、約180〜2
20℃の温度範囲が好ましい。反応器中の一酸化炭素分
圧は広範囲に変動し得るが、典型的には約2〜30気
圧、好ましくは4〜15気圧である。全反応器圧は副生
成物の分圧と含まれる液体の蒸気圧とのために、約15
〜40気圧の範囲内である。
【0018】以下、酢酸製造のプロセスを図面に基いて
説明する。
【0019】図1はメタノールから酢酸へのカルボニル
化に用いられる反応−酢酸回収系を示すフロー図であ
る。
【0020】図1に示すメタノールから酢酸への反応−
酢酸回収系は、カルボニル化反応器10、フラッシャー
12及びヨウ化メチル−酢酸スプリッターカラム14を
含む。カルボニル化反応器10では通常、反応液体内容
物が自動的に一定レベルに維持されている。この反応器
には、新鮮なメタノール、十分な水が必要に応じて連続
的に導入されて、反応媒質中に、測定可能な水濃度を維
持する。代替え蒸留系も、粗酢酸回収手段と、触媒溶
液、ヨウ化メチル及び酢酸メチルを反応器に再循環させ
る手段とを備える限り、使用可能である。
【0021】好ましいプロセスでは、一酸化炭素を、カ
ルボニル化反応器10に、内容物の撹拌に用いる撹拌機
のすぐ下において連続的に導入する。ガス状供給材料は
この手段によって反応液中で全体に分散する。ガス状パ
ージ流を反応器から排出してガス状副生成物の蓄積を阻
止し、一定総反応器圧における設定一酸化炭素分圧を維
持する。反応器温度は自動的に制御され、一酸化炭素供
給材料は好ましい総反応器圧を維持するために充分な反
応速度で導入される。液体生成物はカルボニル化反応器
10から一定レベルを維持するために十分な速度で取り
出されてフラッシャー12にその頂部とその底部との中
間点においてライン11を介して導入される。
【0022】フラッシャー12では、触媒溶液が底部流
13(主として、触媒とヨウ化物塩とを、少量の酢酸メ
チル、ヨウ化メチル及び水と共に含む酢酸)として取り
出され、カルボニル化反応器10に戻される。フラッシ
ャー12のオーバーヘッド15は主として生成物の酢酸
をヨウ化メチル、酢酸メチル及び水と共に含む。
【0023】ヨウ化メチル−酢酸スプリッターカラム1
4の底部近くの側面からライン17により取り出される
生成物酢酸(底部流としても取り出され得る)は、当業
者によって、自明の方法で更に精製される。主としてヨ
ウ化メチルと酢酸メチルのほかに若干の水と酢酸を含
む、ヨウ化メチル−酢酸スプリッターカラム14からの
オーバーヘッド20はライン21を介してカルボニル化
反応器10に再循環される。オーバーヘッド20は凝縮
すると、充分な水が存在する場合には、典型的に二つの
液相に分かれる。下相30は主としてヨウ化メチルプラ
ス若干の酢酸メチルと酢酸から成り、上相32は主とし
て水と酢酸プラス若干の酢酸メチルから成る。
【0024】ヨウ化メチル−酢酸スプリッターカラム1
4からの下相30、上相32、又は分離していない場合
には総オーバーヘッド20、またはこれらの流れを、ヨ
ウ化メチル、酢酸メチル、水及び不純物を含む他の再循
環生成物と一緒にして、再循環流21を形成することが
できる。
【0025】ヨウ化メチル−酢酸スプリッターカラム1
4からの下相30、上相32、又は総オーバーヘッド2
0又は再循環流21は蒸留塔40に導入され、本発明の
処理が施される。蒸留塔、分離等は技術上の周知の適当
ないかなる装置でも用いることができる。また、蒸留塔
の段数は何段でも構わないが、設備費等の都合上、1本
の蒸留塔で実施できない場合は、2本以上の蒸留塔を用
いることによって本発明の処理を行ってもさしつかえな
い。
【0026】以下、2本の蒸留塔を用いて実施する場合
について図2を用いて説明する。
【0027】ヨウ化メチル−酢酸スプリッターカラム1
4からの下相30、上相32、又は総オーバーヘッド2
0又は再循環流21は蒸留塔40に導入され、塔底から
ヨウ化メチル再循環流をライン46を介して反応器に再
循環される。塔頂からは留出液44が得られる。
【0028】蒸留塔40の留出液44は蒸留塔60に導
入され、本発明の処理を受け、アセトアルデヒドの大半
を除去したヨウ化メチル再循環流はライン66を介して
蒸留塔40の上部に再循環される。あるいは、アセトア
ルデヒドの大半を除去したヨウ化メチルに富む液が塔頂
から得られる場合は、塔頂留出液が蒸留塔40に再循環
される。
【0029】通常、ヨウ化メチル−酢酸スプリッターカ
ラム14からの総オーバーヘッド20のプロセス液は、
ヨウ化メチル5〜90重量%、アセトアルデヒド0.0
5〜50重量%、酢酸メチル0〜15重量%、酢酸0〜
80重量%、水分0.1〜40重量%およびその他のカ
ルボニル不純物を含んでいる。
【0030】上記のようなアセトアルデヒドを含むプロ
セス液はヨウ化メチル、酢酸メチル等の有用成分を含ん
でいるため、カルボニル化反応器10に循環し、再使用
されてる。従って、これらのプロセス液よりできる限り
アセトアルデヒドが分離除去されたのちに、反応器に循
環されるのが好ましい。
【0031】アセトアルデヒドが充分に除去されなかっ
た場合、アセトアルデヒドがプロセス液中に蓄積され
て、アセトアルデヒドのアルドール縮合が促進され、ク
ロトンアルデヒド、2−エチルクロトンアルデヒドなど
の還元性物質やヨウ化ヘキシル等のヨウ化アルキルの副
生速度が増加し、これらカルボニル不純物が多量に含ま
れた製品酢酸が得られることになる。
【0032】アセトアルデヒドとヨウ化メチルを分離す
るには、アセトアルデヒドとヨウ化メチルの沸点が近い
ため、困難を要するだけでなく、また、ヨウ化メチルな
ど、非水系での蒸留濃縮は、パラアルデヒド、メタアル
デヒドを生成させ、アセトアルデヒドの濃縮に妨げとな
るばかりでなく、メタアルデヒドがプロセス内で析出
し、安全運転が行えなくなる。
【0033】パラアルデヒドは、アセトアルデヒドの三
量体であり、沸点124℃、融点10℃の液体である。
パラアルデヒドはアセトアルデヒドから一般に0〜−1
0℃程度の低温で発生しやすく、生成限界温度は55℃
である。実験室において、20℃で発生することを確認
した。
【0034】メタアルデヒドは、アセトアルデヒドの四
〜六量体であり、融点140〜246℃の白色針状結晶
である。メタアルデヒドはパラアルデヒドよりも低温で
生成し、一般にアセトアルデヒドから一般に−10〜−
40℃程度で発生する。実験室では5℃程度でも発生す
ることを確認した。−40℃以下にすると、高分子重合
がおこる。又、パラアルデヒド、メタアルデヒドには、
立体異性体があり、融点、溶媒への溶解度が異なること
を確認した。
【0035】ここに示したように、パラアルデヒド、メ
タアルデヒドの生成は温度に影響を受ける。すなわち、
蒸留塔内での操作圧力、操作温度を制御することで、ア
セトアルデヒドを分離除去することが可能となった。
【0036】すなわち、蒸留塔において塔頂温度55℃
以上、還流タンク温度25℃以上、1Kg/cmの圧
力で蒸留することによって、パラアルデヒド、メタアル
デヒドの生成を抑制することができ、かつ、ヨウ化メチ
ルとアセトアルデヒドの分離効率が向上することを見出
だした。又、塔頂コンデンサーから還流タンクを経て蒸
留塔内に戻るまでの滞留時間を短くすることも、パラア
ルデヒド、メタアルデヒドの生成を抑制する上で効果的
である。
【0037】又、蒸留塔において塔頂温度55℃未満、
還流タンク温度25℃未満で蒸留することによって、塔
頂でアセトアルデヒドがパラアルデヒド、メタアルデヒ
ドに変化し高沸点化することにより、塔底側に移動して
くるので、アセトアルデヒドをパラアルデヒド、メタア
ルデヒドの形で、缶出液から除去することを見い出し
た。しかし、メタアルデヒドは、特にヨウ化メチルに対
して溶解度の低い固体であるため析出し、蒸留塔の多孔
板、充填物のみならず各ノズルや配管、バルブなどを閉
塞させ、操業上の障害となる。本発明者らは、メタアル
デヒドがメタノール、エタノール、プロパノールなどの
アルコールに溶解することを見出だした。すなわち、ア
ルコールの存在下に蒸留することで、閉塞を防止するこ
とが可能となった。
【0038】本発明で使用されるアルコールは、メタノ
ール、エタノール、プロパノール等の脂環式アルコー
ル、フェノール、ベンジルアルコール等の芳香族アルコ
ール、エチレングリコール等の多価アルコールなど、ど
の様なアルコールでも用いられるが、好ましくは原料と
しても用いられるメタノールである。
【0039】又、メタアルデヒドの溶解度を詳細に検討
した結果、ヨウ化メチル<<アセトアルデヒド=メタノ
ール<ヨウ化メチルとメタノールの混合溶液の順に溶解
度が増加し、又、ヨウ化メチルとメタノールの混合溶液
において溶解度の最適点があることを見出だした。酢酸
の連続製造プロセスにおける、蒸留塔缶出液組成におい
て、ヨウ化メチル/メタノール重量比が3/1ならば再
結晶化温度は18℃、5/4ならば12℃、3/4なら
ば6℃、1/2ならば−9℃以下であることを確認し
た。保温状況にもよるが、好ましいヨウ化メチル/メタ
ノール重量比は5/4〜1/2である。
【0040】アルコールの仕込み位置としては、アルコ
ールが塔頂から損失しないような分離のできる仕込み段
であればよいが、好ましくは本発明の処理を受けるアセ
トアルデヒド及びヨウ化メチルを含む混合液の仕込み段
より下部である。
【0041】又、パラアルデヒド、メタアルデヒドの生
成、分解は、温度、時間のほかに、共存する酸強度の影
響も受けるようである。
【0042】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。例中の部は特記しない限り重量基準で
ある。
【0043】実施例1 図1、及び2に示す酢酸製造の試験装置の操作中、ヨウ
化メチル−酢酸スプリッタ−カラム14のオーバーヘッ
ド20を凝縮した後の分液槽下相液30を総段数80段
(Sieve Tray)の蒸留塔40の上から70段
目に導入して、還流比270、塔頂温度54℃、塔底温
度82℃の条件で蒸留した。仕込み量を100部とし
て、塔頂から0.033部、塔底から99.67部抜き
取った。設備の都合上、2本目の蒸留塔60に、蒸留塔
40の塔頂留出液を仕込み、パラアルデヒド及びメタア
ルデヒドの生成しない条件、塔頂温度56℃、還流タン
ク温度32℃、塔頂圧力2.5kg/cmGで、蒸留
した。蒸留塔60は理論段8段の充填塔で、上から4段
目に蒸留塔40の塔頂留出液全量が仕込まれた。又、還
流比は40、塔底温度は74℃であった。蒸留塔60へ
の仕込量を100部として、塔頂から38.5部のアセ
トアルデヒド濃縮液(アセトアルデヒド濃度88.1w
t%)が分離除去され、ヨウ化メチルに富む液(ヨウ化
メチル82.8wt%)は缶出液として塔底から61.
5部抜き取られ、蒸留塔40に再循環された。また、製
品酢酸中のヨウ化ヘキシルの濃度は28ppbであっ
た。表1に反応液の組成を、表2に蒸留塔40への仕込
み液、蒸留塔40の塔頂抜取液組成を、表3に蒸留塔6
0への仕込み液、蒸留塔60の留出液、缶出液組成をそ
れぞれ示す。
【0044】
【表1】
【表2】
【表3】 比較例1 ヨウ化メチル−酢酸スプリッターカラムからのオーバー
ヘッド20について蒸留を行わず、そのまま反応器に循
環した。その結果、アセトアルデヒドは分離除去され
ず、製品酢酸中のヨウ化ヘキシルの濃度は100ppb
であった。また、ヨウ化メチル−酢酸スプリッタ−カラ
ムの底部付近から取り出された湿潤生成物流は蒸留によ
り乾燥されるが、この乾燥した生成物液中のプロピオン
酸濃度は620ppmであった。
【0045】実施例2 実施例1における蒸留塔40の塔頂抜取液を蒸留塔60
に導入して、パラアルデヒド及びメタアルデヒドを生成
させる条件、塔頂温度28.7℃、還流タンク温度−1
0℃で蒸留を行った。蒸留塔60におけるその他の条件
は還流比15、総段数は20段のオールダーショーで、
塔底温度64.6℃、塔頂圧力1.033kg/cm
であった。又、蒸留塔60の上から17段目にメタノー
ル溶液100部を導入した。蒸留塔40の塔頂液100
部を蒸留塔60に導入し、塔頂から74部を抜き取り、
蒸留塔40の上部へ再循環した。また、残りの26部が
缶出液として分離除去された。又、メタノールを仕込む
ことにより、蒸留塔下部ノズルの閉塞を防止し、缶出液
を抜き取ることができた。製品酢酸中のヨウ化ヘキシル
の濃度は40ppbであった。表4に蒸留塔60への仕
込み液、蒸留塔60の留出液、缶出液組成を示す。
【0046】
【表4】 比較例2(メタノールを仕込まない条件) メタノール溶液を仕込まない以外は、実施例2と同様に
実施した結果、メタアルデヒド結晶析出のため、蒸留塔
下部ノズルが閉塞し、運転ができなくなってしまった。
【0047】
【発明の効果】本発明によって、アセトアルデヒドとヨ
ウ化メチルが効率的に分離できるようになった。更に
は、酢酸及び/又は無水酢酸の連続製造プロセスにおい
て、容易に、カルボニル化反応器に再循環するプロセス
液中に含まれるアセトアルデヒドを十分に除去すると共
に、効率的にヨウ化メチルを反応器に再循環できるよう
になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 メタノールから酢酸へのカルボニル化に用い
られる反応−酢酸回収系のフロー図を示す。
【図2】 アセトアルデヒドとヨウ化メチルを分離する
蒸留系のフロー図の一例を示す。
【符号の説明】
10 カルボニル化反応器 12 フラッシャー 14 ヨウ化メチル−酢酸スプリッターカラム 30 分液槽下相 40,60 蒸留塔
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 51/54

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセトアルデヒド及びヨウ化メチルを含
    む混合液を塔頂温度55℃以上、還流タンク温度25℃
    以上、1Kg/cm以上の圧力で蒸留することを特徴
    とするアセトアルデヒドとヨウ化メチルの分離方法。
  2. 【請求項2】 アセトアルデヒド及びヨウ化メチルを含
    む混合液を塔頂温度55℃未満、還流タンク温度25℃
    未満、及びアルコールの存在下に蒸留することを特徴と
    するアセトアルデヒドとヨウ化メチルの分離方法。
  3. 【請求項3】 アセトアルデヒド及びヨウ化メチルを含
    む混合液の仕込み段より下部にアルコールを導入するこ
    とを特徴とする請求項2記載のアセトアルデヒドとヨウ
    化メチルの分離方法。
  4. 【請求項4】 アルコールがメタノールであることを特
    徴とする請求項2又は3記載のアセトアルデヒドとヨウ
    化メチルの分離方法。
  5. 【請求項5】 アセトアルデヒド及びヨウ化メチルを含
    む混合液が、メタノール及び/又は酢酸メチルを、第8
    族金属触媒とヨウ化メチルとを含む反応媒質中でカルボ
    ニル化し、前記カルボニル化の生成物を前記生成物と未
    反応メタノール及び/又は酢酸メチルとヨウ化メチルを
    含む揮発性相と前記第8族金属触媒を含む低揮発性相と
    に分離し、更に、前記揮発性相を蒸留して、生成物と未
    反応メタノール及び/又は酢酸メチルとヨウ化メチルと
    を含むオーバーヘッドとを得、前記オーバーヘッドを前
    記カルボニル化反応器に再循環する、メタノール及び/
    又は酢酸メチルのカルボニル化方法における、前記オー
    バーヘッドであることを特徴とする請求項1〜4のう
    ち、いづれか1項記載のアセトアルデヒドとヨウ化メチ
    ルの分離方法。
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