JPH0812597A - 局所投与放射線治療剤 - Google Patents

局所投与放射線治療剤

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JPH0812597A
JPH0812597A JP5290080A JP29008093A JPH0812597A JP H0812597 A JPH0812597 A JP H0812597A JP 5290080 A JP5290080 A JP 5290080A JP 29008093 A JP29008093 A JP 29008093A JP H0812597 A JPH0812597 A JP H0812597A
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育也 関
Toku Sato
徳 佐藤
Shigemi Seri
重実 世利
Hiroaki Washino
弘明 鷲野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 適切な滞留性と速やかな体外***を兼ね備
え、製造上の問題がなく、安価に供給され得る局所投与
放射線治療剤を得る。 【構成】 親水性繰り返しモノマー単位を含んでなる生
体内分解性親水性高分子に錯化剤を介して少なくとも1
種の放射性金属イオンが化学的に結合させた、生理学的
pH 及び温度においてゲル化することを特徴とする巨大
分子化合物またはその塩からなる局所投与放射線治療
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、局所投与放射線治療剤
に関する。さらに詳しくはα線やβ線の放射線作用によ
り腫瘍及び炎症性疾患の治療に有用な体内薬物挙動のコ
ントロールを可能とした特徴を有する新規な局所投与放
射線治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】放射線の生物に対する作用はすでに種々
の研究がなされており、その本質は細胞の代謝活性抑
制、細胞***阻害による増殖抑制及び致死作用である。
局所投与放射線治療剤の作用機構もこの放射線の作用に
よるが、その対象疾患は、リウマチ様関節炎などの炎症
性疾患の局所炎症部位及び肺癌,肝癌,胃癌,大腸癌,
乳癌,子宮癌,上皮性癌など通常臨床的にみられるほと
んどの固形癌の原発巣および転移巣である。
【0003】局所投与放射線治療剤は、治療効果を得よ
うとする患部に直接投与後、放射能が減衰するまでの間
その部位に留まり、患部を放射性金属イオンが発するα
線あるいはβ線などで照射するものである。従って、そ
の間に目的部位より***されると他の正常組織が放射線
照射され望ましくない作用が起こる。
【0004】安全性の観点からすれば、局所投与放射線
治療剤は、患部へ投与後放射性核種の物理的減衰に見合
った限定的な間だけ投与部位に留まって放射線照射によ
る治療効果を発揮し、しかる後***され、生体内に長期
残留しない特性が求められる。
【0005】従来より腫瘍や炎症性疾患の治療研究の中
で局所投与放射線治療剤が考案されてきた。
【0006】投与薬剤を局所に滞留させる方法のひとつ
として、投与物を粒子とし物理的に***速度を遅くする
方法がある。放射性同位元素、特に放射性金属イオン
は、それ自体では体内を速やかに移行することができる
ため、局所滞留させるには何らかの粒子や巨大分子に結
合させなくてはならない。この目的を満たすため、従来
放射線金属イオンは安定同位体金属イオンの水酸化物よ
りなるコロイド粒子(数〜数十μm程度の粒子)に含ま
れるよう加工された。
【0007】代表的なものとして、関節リウマチに起因
する滑膜炎の外科的治療法である滑膜切除術に代わる放
射性金属コロイド製剤、あるいは腫瘍部位に直接的に注
入する放射性金属コロイド製剤が挙げられる。例えば、
Y-90コロイドや Au-198 コロイドである。放射性金属コ
ロイド製剤は、投与後その部位に残留し患部をα線ある
いはβ線照射することにより治療効果を発揮する。しか
し、この種の製剤はいくつかの欠点を有するため、我国
では正式な医薬品として工業化されるに至っていない。
欠点は、製造操作,生体内での薬動力学的コントロール
及び安全性の三点で指摘し得る。
【0008】生体に投与する医薬品は、無菌性など品質
に一定の条件が要求される。金属コロイド製剤の有効成
分は数〜数十μm程度の粒子であり、そのため注射剤で
あるにも関わらず最終製造工程で無菌濾過が出来ない。
これは、生体投与を前提とするとき致命的欠陥と言え
る。また、安価で安定的に供給されることが要求される
が、金属コロイドではその条件を必ずしも満たしていな
い。金属コロイド製剤は、しばしば投与部位に長期間残
留して***されず金属としての化学的毒性を発現させる
(例えばJean,P.H. et al:Therapie 41, p.357,(198
6))。そして金属元素による滞留時間のコントロールは
不可能に近い。こうして金属コロイド製剤はかなり長期
間投与部位に残留するため安全性の上で問題があり、体
外***される性質も必要と認識されるに至った。
【0009】一方、腫瘍部位や炎症部位に直接的に注入
する化学製剤の代表的な製剤には、酢酸注製剤やエタノ
ール注製剤,シスプラチン注製剤,オスミウム酸注製剤
等があり、剤形が低分子の溶液であることによる短期残
留からの効果の一過性,大小の副作用が存在することの
2点でその欠点を指摘し得る。腫瘍部位や炎症部位に直
接的に注入する化学製剤はほとんどの剤形が低分子の溶
液であるため、局所に留まることができずに全身へ散在
することになる。このため、効果に持続性がなく数回に
わたり、さらに多量に投与することとなり、治療のため
の経済性は悪くなる。また、この製剤の投与法は、肝癌
などでは動脈を切開し血管内にカテーテルを差し込みな
がら、酢酸注製剤などを目的箇所で数回投与する方法が
用いられるため、医師と患者の負担は大きい。
【0010】このため、適切な滞留性と速やかな体外排
泄を兼ね備え、製造上の問題がなく安価に供給され得る
局所放射線治療剤の出現が待たれていたのである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上述べた従来の金属
コロイド製剤の欠点および化学製剤の欠点を克服すべ
く、我々は新規な局所投与放射線治療剤の発明を試み
た。本発明は、製造工程中の困難を回避でき、生体内で
の薬動力学的コントロールを可能とし、もって、より高
い安全性を実現した生体内分解性親水性高分子を担体と
し、それに錯化剤を介して治療効果を示す放射性金属イ
オンを化学的に結合した治療剤を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに種々研究を重ねた結果、キチン誘導体を代表例とす
る生体内分解性親水性高分子に錯化剤を介して放射性金
属を結合させた巨大分子化合物が、その様な要望を充足
し、かつ臨床上有効と考えられる安全性と治療効果が存
在する事実を見いだすことに成功した。
【0013】例えば、分子量約 50 万のキトサンに錯化
剤としてジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPAと略
す)が化学結合し、さらに放射性金属イオンとしてイン
ジウム111(In-111と略す)が配位した巨大分子化合物に
ついて、ラットにおける体内動態を調べた。ここでIn-1
11を用いたのは不必要なβ線放出放射性金属イオンの使
用を避けるためであり、差し支えない範囲で化学的,物
理的特性が酷似するインジウム114m(In-114mと略す) の
代わりとし、また化学的特性の似たイットリウム90(Y
-90 と略す) の代わりとした。
【0014】その結果、本発明にかかる巨大分子化合物
のラット関節腔内投与における体内消失半減期は In-11
1 金属コロイドと比較して17分の1と速まり、また本発
明の投与放射能量のほとんどが一定期間内投与部位に分
布していたことが確認された。また、その後ほとんどが
尿中へ***され、体内蓄積が認められないことが確認さ
れた。
【0015】本発明は、この様な知見に基づき、アミノ
基,ヒドロキシル基またはカルボキシル基,あるいはそ
れらの誘導体を含有する親水性繰り返しモノマー単位を
含んでなる平均分子量が1×103 から1×106 の生
体内分解性親水性高分子に、錯化剤を介して少なくとも
1種の放射性金属が化学的に結合された、生理学的に認
容性で、生理学的 pH 及び温度においてゲル化すること
を特徴とする巨大分子化合物、またはその塩からなる局
所投与放射線治療剤として完成されたものである。
【0016】本発明の非放射性標識用担体は、平均分子
量が1×103 から1×106 の生体内分解性親水性高
分子を用いるため、滅菌ろ過が可能であり、製剤製造に
おける無菌操作が可能かつ簡便に行うことができる。
【0017】さらに、本発明の局所投与放射性治療剤
は、例えば腫瘍及び炎症性疾患部位に局所投与を行うこ
とで目的部位に、1×103 未満の分子量の低分子化合
物より長く、金属コロイドより短い滞留性を示し、期待
される治療効果と生体外への速やかな排出による臨床上
有効と考えられる安全性を併せもつことで特徴づけら
れ、しかもキトサン誘導体に代表される多糖類に錯化剤
を結合させた合成高分子を放射性金属イオンの担体とす
ることで、本発明の局所投与放射線治療剤を安価に供給
することができるのである。
【0018】本発明に用いられる生体内分解性親水性高
分子は、局所投与された特定疾患部位に放射性金属の物
理的半減期の1〜3倍程度の消失半減期を示す、生理学
的 pH 及び温度においてゲル化する平均分子量が1×1
3 から1×106 の生体内で分解代謝される巨大分子
化合物およびその塩である。特に本発明の概念や実用性
を考慮すると、荷電しうる官能基を繰り返し単位に持つ
多糖類やポリアミノ酸、アミノ酸側鎖を持つ複合糖質、
人工的に合成された様々な有機化合物を構成単位とする
合成高分子、さらに中性条件下でゲル化するこれらの混
合物においてその有用性が好適に発揮される。該巨大分
子としては、アミノ基を繰り返し単位に持つ多糖類では
ポリグルコサミン (=キトサン) 、ポリガラクトサミ
ン、ポリマンノサミンなど、カルボキシル基を繰り返し
単位に持つ多糖類ではヒアルロン酸など、ポリアミノ酸
としてはポリリジン、ポリグルタミン酸など、またそれ
らを分子内に有する複合糖質や複合脂質、ポリヌクレオ
チドなどが挙げられる。
【0019】合成高分子は、構成単位次第では如何なる
分子量でも製造可能であり、生体適合性や分解性も任意
に獲得できる点で有用性が高いと言える。また一方、多
糖類は様々な分子量のものが知られ、しばしば抗原性が
低い。薬剤への応用という観点からは、親水性で生体内
で分解される多糖類が様々な巨大分子の中で放射性金属
イオンの担体として利用価値が優れて高い。
【0020】天然に存在する多糖類は、デンプンなど多
数知られる。植物細胞壁を構成するセルロースや甲殻類
の殻に存在するキチン,キトサンなどは、それぞれ年間
1×1011t,1×109 〜1×1011t生成すると推
定され無尽蔵である。また、原材料として入手可能なキ
チン量は1.5×105 tと推定され、単離法が比較的
簡便なため、極めて安価に供給されている(福井三郎,
斉藤日向監修:バイオテクノロジー事典,シーエムシ
ー, p.645,(1986). Tracey,M.V.:Chitin;Rev.Pure App
l.Chem. 7, p.1,(1957))。
【0021】なかでも、荷電しうる官能基を繰り返し単
位に持つ多糖類、例えばアミノ基を有する多糖類は、酸
性条件では水系溶剤に溶解し、中性〜アルカリ性条件で
は親水性ゲルを形成する性質を有する。また、カルボキ
シル基を有する多糖類は、逆にアルカリ性条件では水系
溶剤に溶解し、酸性条件では親水性ゲルを形成する。こ
のような性質は、医薬品製造上きわめて有利なものと言
える。即ち、溶解状態では化学的修飾反応や精製/濾過
/分注/滅菌などの工業的操作が容易に行え、弱酸性〜
中性の生体内ではゲル化することにより滞留性の増加な
ど体内動態コントロールが可能となる。
【0022】アミノ基を繰り返し単位に持つ多糖類のひ
とつキチン誘導体は、生体適合性や安全性の点で優れた
性質を有する。例えば、キチンは生体防御機構に組み込
まれるリゾチーム(BC.3.2.1.17) に徐々に加水分解さ
れ、体内ではほとんど異物反応を引き起こさない(N.Ni
shi,S.Nishimura,O.Somorin :Lysozyme-accessible Fi
bers from Chitin and its Derivatives, Edt. S.Tokur
a, Sen-i Gakkaishi.39,p.45-49(1983)) 。一方、キト
サンも蔗糖より低毒性であり、抗原性がない、抗血液凝
固作用がない、生体内では速やかに消化***される、な
どの性質を有する(キチン、キトサンの応用:キチン、
キトサン研究会編、p.221(1988))。
【0023】この様に荷電しうる官能基を繰り返し単位
に持つ多糖類、なかでもキチン誘導体は、医療用物質と
して利用しやすい特性を持つと言え、本発明における課
題解決を有利にするものである。
【0024】キチン誘導体の医薬品への応用例として
は、キトサンビーズやカルボキシメチルキチンのゲルを
用いた徐放性薬物担体が考案されているが、それらはい
ずれも薬効を示す化学物質を物理的に吸着するというキ
チン誘導体の性質を利用している。そして、用いられる
担体は、吸着成分を徐々に放出するように設計されてい
る。一方、本発明における巨大分子化合物の特徴は、徐
放性ではなく、担体自体が分解代謝されるまで放出しな
い安定な化学的結合を利用した点にある。本発明の概念
は徐放性薬物担体とは異なるものであり、未だ考案され
ていなかった。
【0025】腫瘍や炎症性疾患に対する治療効果を得る
には、キチン誘導体に代表される多糖類に何らかの治療
効果を示す物質、例えばα線やβ線を放出する放射性金
属イオンをそれらと共存させる必要がある。
【0026】β線を放出する放射性金属イオンは治療作
用を示す物質の代表例であり、一般に担体金属イオンフ
リー(即ち安定同位体として同種類の金属イオンを含ま
ない状態)では治療効果を得るに十分な放射能量でも元
素としての化学量は極微量である。これは、局所投与に
おける残留性や安全性を考えるとき、優れた特性と言え
る。
【0027】局所投与放射線治療剤の特徴を鑑みると
き、用いる放射性金属イオン、具体的には放射性金属イ
オンはいくつかの条件を満たす必要がある。それらを列
挙すると、α核種あるいはβ核種であること、減衰半減
期(T(1/2))が 5〜400 時間程度であること、α線あるい
はβ線放出効率が 90 %以上あること、α線あるいはβ
線のエネルギー 0.1 MeV以上あることである。
【0028】これらの条件を満たす放射性金属イオン
は、いずれも本発明に使用できるが、好ましくは Y-90,
Rh-105, Pd-109, In-114m, Sn-117m, Sn-121, Pm-149,
Sm-153, Gd-159, Tb-161, Dy-165, Ho-166, Er-169, Y
b-175, Lu-177, Re-186, Re-188, Os-193 であり、より
好ましくは Y-90, Ho-166, Lu-177, Re-186 である。
【0029】多糖類などの巨大分子の幾つかは、それ自
体で直接金属イオンを結合する能力を持つことが明らか
にされている。例えば、カルボキシメチルキチンはイオ
ン交換樹脂として用いられており、キトサンも 2価の遷
移金属イオンと配位結合するといわれる。しかし、それ
ら配位結合は生体内で安定に存在し得るほど強固ではな
い。このことは、キチン誘導体と放射性金属イオンを中
性緩衝液中で混合した後電気泳動や薄層クロマトグラフ
ィーで分析すると、両者が容易に分離することからも実
験的に証明し得る。多糖類などの巨大分子そのままで
は、生体内で安定な金属結合体を得ることは難しく放射
性金属イオンの担体として使用できない。
【0030】そこで、多糖類などの巨大分子に金属イオ
ンを強固に配位結合する錯化剤を結合させ、それに放射
性金属イオンを結合させたところ、目的を達成すること
が可能となった。この条件を満たす本発明に用いられる
錯化剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA),ジアミノプ
ロパノール四酢酸(DPTA),グリコールエーテルジアミン
四酢酸(GEDTA), ヘキサメチレンジアミン四酢酸(HDT
A),ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA),トリエチレン
テトラミン五酢酸(TTHA), 1,4,7,10- テトラカルボキ
シメチル-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン(DOTA),
1,4,7,10- テトラアザシクロドデカン-1- アミノエチ
ルカルバモイルメチル-4,7,10-トリス[(R,S)メチル酢
酸](DO3MA), トリエチレンテトラミンポリスチレン(TE
TA),またはシクロヘキサンジアミン四酢酸(CyDTA), ヒ
ドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(EDTA-OH), エ
チレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)(ED
TPO),ジアミノプロパン四酢酸(Methyl-EDTA), ニトリ
ロ三酢酸(NTA)などのポリアミノポリカルボン酸やポリ
アミノポリホスホン酸, ポリアミノポリスルホン酸など
である。
【0031】以上挙げたような錯化剤を適当な様式の化
学結合により多糖類などに結合させた巨大分子化合物を
調製し検討を重ねた結果、放射性金属イオンの担体とし
て有用であることが見いだされた。
【0032】その製造方法は、前記の生体内分解性親水
性高分子を適当な濃度で適当な溶媒に溶解させ、次いで
錯化剤を適当量を添加し、室温において反応させること
により、錯化剤の結合した巨大分子化合物を得ることが
できる。ここでの適当な濃度とは、治療効果を発揮する
のに充分な放射性金属イオンを結合でき、かつ、生体投
与可能限度量を越えず、溶解度の範囲内にあるものを指
す。また、ここでの適当な溶媒とは、無菌水,生理食塩
液,各種緩衝液を指し、必要に応じ、非放射性担体の溶
解性を増すための有機溶媒、pHを調節するための酸、塩
基の添加、放射性金属イオンの原子価状態を調製するた
めの還元剤または酸化剤の添加、および安定化剤,等張
化剤,保存剤を添加しても良い。
【0033】得られる非放射性組成物は、そのまま溶液
の形で放射性金属イオンによる標識化に供してもよく、
また凍結乾燥法または低温圧蒸発法などの方法により溶
媒を除去した乾燥品の形にした後放射性金属イオンによ
る標識化に供してもよい。
【0034】この様にして、DTPA- セルロース, DTPA-
キチン, DTPA- キトサン, DTPA- グリコールキトサン,
DO3MA-セルロース, DO3MA-キチン, DO3MA-キトサン及び
DO3MA- グリコールキトサンの例の様に示される、錯化
剤結合高分子多糖を得ることができる。
【0035】さらに、イオン状態で溶解している放射性
金属イオンの溶液を、前記の非放射性担体である錯化剤
の結合した巨大分子化合物の溶液あるいは懸濁液と混合
し、20〜50℃に加熱することにより、極めて簡便な操作
で、放射性金属標識された巨大分子化合物を得ることが
できる。
【0036】また前記の生体内分解性親水性高分子を適
当な濃度で適当な溶媒に溶解させた溶液、あるいは懸濁
液を、放射性金属イオンが結合した錯化剤溶液と混合
し、20〜50℃に加熱することにより、極めて簡便な操作
で、放射性金属標識された巨大分子化合物を得ることが
できる。
【0037】この様にして、90Y-DTPA- セルロース,90
Y-DTPA- キチン,90Y-DTPA- キトサン,90Y-DTPA- グリ
コールキトサン, 90Y-DO3MA-セルロース, 90Y-DO3MA-キ
チン, 90Y-DO3MA-キトサン, 153Sm-DO3MA- キチン,
153Sm-DO3MA- キトサン, 186Re-DTPA-グリコールキト
サンなどの例に示すβ線放出放射性金属イオンを安定的
に結合させた巨大分子化合物を得ることができる。
【0038】炎症部位への適用では、本発明 37MBq〜3.
7GBq(1〜100mCi) の患部への直接投与で炎症性細胞の代
謝活性抑制による治療効果が期待される。固形癌への適
用では、投与対象となる癌の大きさや広がりに影響され
るが、本発明 37MBq〜18.5GBq (1〜500mCi) の投与で放
射線の致死作用による癌細胞の死滅が期待される。作用
の強弱は、投与する放射能量の調節で容易に達成され
る。放射線の作用は、β線の飛程数 mm の範囲に限られ
るため、放射線による全身的な副作用は最小限に抑える
ことが可能であり、外部より放射線を照射する通常の治
療法に勝る安全性が期待される。
【0039】本発明の投与には、様々な方法が応用でき
る。例えば、適当な太さと長さの注射針を備えた注射器
を用いて経皮的に患部に直接注入する投与法、内視鏡に
よる投与法、及びカテーテルを用いた動脈内投与などで
ある。肝癌ではカテーテルによる動脈内投与が有効であ
り、皮膚癌では経皮的注射が有効であり、胃癌, 肺癌,
胆管癌, 大腸癌, 子宮癌では内視鏡による直接投与が有
効であると言ったように、疾患の特徴によって様々な投
与法が考えられる。これは、局所に留まるという性質が
あればこそ可能な多様性である。
【0040】本発明は、放射性金属イオンの物理的減衰
に見合った生体内滞留時間と生体外への速やかな***と
いう相反する滞留性を、生体内分解性親水性高分子に錯
化剤を結合させた巨大分子化合物の体内動態によって達
成する点に特色がある。この薬動力学的コントロール
は、キチン誘導体の場合、中性水溶液中におけるゲル形
成能力や酵素による分解性によって決定される。これ
は、後述する実施例の中で示すように、多糖類の分子量
の違いは体外***半減期を大きく左右しない、構成単位
である単糖の種類により半減期が異なる、などの実験結
果から示される。本治療剤の有用性は、中性水溶液中に
おける錯化剤結合多糖類の存在状態によって決定される
と言える。
【0041】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れら実施例の記載によってなんら制限されるものではな
い。
【0042】実施例では、場合により和名を用いず略語
を用いた。即ち、キチンを CHN、キトサンを CHT、特に
分子量約 50 万のキトサンを CHT(PSH) 、特に分子量約
5万のキトサンを CHT(LL)、グリコールキトサンを Gly
CHT とした。二官能性錯化剤は、ジエチレントリアミン
五酢酸酸無水物を DTPA 、テトラアザシクロドデカンア
ミノエチルカルバモイルメチルトリス(メチル酢酸)を
DO3MAとした。金属元素は、インジウム−111 を 111I
n、イットリウム90を 90Y、サマリウムを Sm 、ガドリ
ニウムを Gd と略した。
【0043】なお、不必要なβ線放出放射性金属イオン
の使用を避ける目的で、差し支えない範囲で90Y 及び
114mInの代わりに 111In、 153Smの代わりに Sm 安定同
位体、159Gdの代わりに Gd 安定同位体を用いて実験的
検討を行った。これは、Inと Yの化学的挙動の類似性、
放射性同位体と安定同位体の化学的挙動の同一性に基づ
く妥当な措置である。
【0044】
【実施例1】 錯化剤結合多糖類の合成
【0045】1-1. DTPA-CHT 結合体の調製 キトサンPSH(分子量約 50 万) 及びキトサンLL( 分子量
約 5万) を、各々 4〜5mg/mlの濃度でメタノール/10%
酢酸 (容量比 5/1)またはメタノール/0.1N塩酸 (容量
比 4/1)に溶解させた。ここで 8N 水酸化ナトリウムを
10 分の1 倍量添加しアルカリ条件下ゲル状態にしたも
のと、8N水酸化ナトリウムを加えず酸性条件下溶解状態
のままの溶液を用意した。すなわち8種類の溶液を調製
した。次いで DTPA 酸無水物を過剰量(1〜20mg/CHT 1m
g)を添加し、超音波発生器中で超音波にかけながら、室
温において10分間反応させた。
【0046】ここで反応液から少量取り出して 111Inで
標識し、多糖を構成する繰り返し単位 100個当りのDTPA
結合数 (DTPA結合比) をTLC分析により、以下の式を
用いて求めた。 (1) TLC 分析のピーク面積 (2) 反応液への添加モル量 (3) 多糖構成繰り返し単位 (グルコサミン) のモル数 求めた結合比は、 CHT(PSH) では酢酸/酸性反応条件で
6.9 、アルカリ反応条件で2.4 であった。CHT(LL) では
酢酸/酸性反応条件で3.1 、アルカリ反応条件で1 未満
であった。
【0047】各反応液に 0.2M クエン酸緩衝液 pH 5.5
を溶液の約 4倍量加えてキトサンをゲル化させ、遠心に
より沈澱を集めた。沈澱に上記の緩衝液を加えて再懸濁
し、遠心により沈澱を集める操作を 2回繰り返して未結
合 DTPA などの不純物を除去し、目的の DTPA-CHT を得
た。
【0048】これを赤外線吸収スペクトル分析に供し
た。赤外吸収スペクトルの1655cm-1のアミドI バンドと
3450cm-1の水酸基伸縮振動によるバンドとの吸収の比か
ら、脱アセチル化度を検討した。1655cm-1と3450cm-1
比を求めると CHT-PSHは、 A1655/A3450= 0.711 、CHT-
LL:A1655/A3450= 0.53であった。また、DTPA結合体では
1655cm-1付近ピークが重なるが、ピークの高さが増加し
ており、CHT に DTPA が結合していることが確認され
た。また、目的物の精製度を求めるために、少量の目的
物を抜き取り、0.2Mクエン酸緩衝液 pH 5.5 に懸濁して
いる状態(1〜2mg/ml) の目的物溶液 9に対し740MBq/ml
111InCl3 (0.1N 塩酸溶解状態) を 1加えて 111In標
識し、TLC分析により求めた。標識率(=精製度)は
CHT(PSH) ,CHT(LL) いずれも 98 %であった。この方
法で、キトサンPSH 及びキトサンLLをメタノール/10%
酢酸 (容量比 5/1)に溶解させ、アルカリを加えたもの
と、そのまま DTPA 酸無水物を反応させたものとでは、
ほぼ同様の結果が得られた。また、メタノール/0.1N塩
酸 (容量比 4/1)にキトサンPSH 、キトサンLLを溶解し
た場合でも、酢酸を用いた場合とほとんど同様の結果が
得られた。また、キトサンの検出のため、アミノ基に特
異的に反応するニンヒドリン発色、有機化合物に反応す
るヨード発色を各々行ったところ、いずれの発色も放射
能ピーク位置に対応して認められ、実施した方法によっ
て確実に DTPA-CHT 結合体が得られることが明らかとな
った。
【0049】1-2. DTPA-GlyCHT結合体の調製 0.1 M クエン酸/0.2Mリン酸二水素ナトリウム (容量比
3/5) pH 6.0 と 0.4M リン酸ナトリウム緩衝液 pH 8.
0 の2種類の緩衝液に GlyCHT を各々溶解し、GlyCHTの
構成単位であるグリコールグルコサミンと等モルの DTP
A 酸無水物を攪拌しながら添加した。DTPA結合比を求め
るため、反応液から少量取り出して 111In標識し、TL
Cにより求めた。DTPA結合比は、クエン酸リン酸緩衝
液, リン酸緩衝液の2種類の溶媒において各々 11 , 1
であった。5mM クエン酸ナトリウム緩衝液( pH 8.0 )を
泳動緩衝液に用いた電解透析により精製を行った。精製
度を求めるために、少量の目的物を取り出して 111In標
識し、TLCにより求めた。実施した方法によって精製
度100 %のものが得られ、また確実に DTPA-CHT 結合体
が得られることが明らかとなった。
【0050】1-3. DTPA-CHN 結合体の調製 キチンを10mg/ml の濃度でメタノール/10%酢酸 (容量
比 5/1)に溶解させた。次いで DTPA 酸無水物を過剰量
(1〜20mg以上/CHN 1mg)を添加し、超音波洗浄器中で超
音波にかけ反応させた。DTPA結合比を求めるため、反応
液から少量取り出して 111In標識し、TLCにより求め
たところ、1 %未満であった。
【0051】各反応液に 1.5倍量の燐酸・クエン酸緩衝
液 pH 7.4 を加え、遠心分離により沈澱を集め、これを
0.1N 水酸化ナトリウムに懸濁し超音波にかけた。この
操作を2〜3回繰り返し、次に遠心分離により沈澱を集
め目的物を得た。精製度を求めるために、少量の目的物
を抜き取り 111In標識し、TLC分析により求めたとこ
ろ、実施した方法によって確実に DTPA-CHN 結合体が得
られることが明らかとなった。
【0052】1-4. DO3MA-GlyCHT 結合体の調製 0.1Mの濃度に溶解させた DO3MAのジメチルホルムアミド
溶液 1mlに、0.2Mの濃度になるようトリエチルアミンを
加えた後、室温にて 10 分間攪拌した。次に塩化クロロ
アセチル 0.5mmolを加えた後、室温にて攪拌し、DO3MA
に塩化アセチル基を導入した塩酸塩 (DO3MA-Cl) を調製
した。次に、グリコールキトサンの構成単位であるグリ
コールグルコサミンと等モルの DO3MA-Cl が反応液に存
在するように各々を純水に溶解し、濃度を 50mM とす
る。この溶液に 0.1N 水酸化ナトリウムで pH を 8〜9
に調製した。60℃において1時間攪拌後、 0.1N 塩酸で
中和させ、クエン酸緩衝液 pH6に対し透析することによ
り高純度の DO3MA-GlyCHT を得た。精製度は、少量の反
応液を 111In標識し、TLC分析により求めた。これに
より、確実に DO3MA-GlyCHT 結合体が得られることが明
らかとなった。
【0053】
【実施例2】 放射性/非放射性金属イオンの錯化剤結合多糖類への結
【0054】2-1. 111In-DTPA-CHT 結合体の調製 DTPA-CHT結合体を 0.2M クエン酸緩衝液 pH5.5に 1〜2m
g/ml懸濁し、そこへ 370MBq/mlの 111InCl3 (0.1N 塩酸
溶解状態) を 9分の 1容量加えた後室温で5 分攪拌し、
111Inをキレートさせる標識反応を行った。標識後TL
C分析を行い、111Inが DTPA-CHT 結合体に安定的に結
合したことを確認した。標識率を98%であった。
【0055】2-2. 111In-DTPA-GlyCHT結合体の調製 DTPA-GlyCHT を 0.1 Mクエン酸/0.2Mリン酸二水素ナト
リウム (容量比 3/5)pH 6.0 緩衝液 0.4mlに懸濁し、3
70MBq/ml の 111InCl3 (0.1N 塩酸溶解状態)を等容量加
えた後室温で5 分攪拌し、 111Inをキレートさせる標識
反応を行った。標識後TLC分析を行い、 111Inが DTP
A-GlyCHT結合体に安定的に結合したことを確認した。標
識率は100 %であった。
【0056】2-3. 111In-DTPA-CHN 結合体の調製 DTPA-CHN を燐酸・クエン酸・ほう酸緩衝液 pH 8.5 に
溶解し、370MBq/ml の111InCl3 (0.1N 塩酸溶解状態)
を等容量加えた後室温で5 分攪拌し、 111Inをキレート
させる標識反応を行った。標識後TLC分析を行い、
111Inが DTPA-CHN 結合体に安定的に結合したことを確
認した。
【0057】2-4. 111In-DO3MA-GlyCHT 結合体の調製 DO3MA-GlyCHT 結合体少量を 0.2M クエン酸緩衝液 pH6
に懸濁し、370MBq/mlの 111InCl3 (0.1N 塩酸溶解状態)
を 9分の1容量加えた後 60 ℃1時間攪拌し、 111In
をキレートさせる標識反応を行った。標識後TLC分析
を行い、 111Inが DO3MA-GlyCHT 結合体に安定的に結合
したことを確認した。
【0058】2-5. Sm-DTPA-GlyCHT 結合体の調製 0.2M クエン酸緩衝液 pH 5 に溶解させた DTPA-GlyCHT
溶液 0.4mlに、塩化サマリウム (SmCl3 と略す) の濃度
が 0.07mmol になるように溶解させた。この溶液を室温
で 4〜5 時間攪拌し、反応液を遠心し上清を得た。濃縮
後純水に対し透析を行い、目的物を得た。Smの DTPA-Gl
yCHTとの結合は、誘導結合高周波プラズマ分析装置(I
CP)で確認した。 GlyCHT へのDTPA結合量 27.4ppmに
対し、108ppmの Sm が結合していた。
【0059】2-6.Y-DTPA-GlyCHT 結合体の調製 0.2Mクエン酸緩衝液 pH 5 に溶解させた DTPA-GlyCHT溶
液 0.4mlに、塩化イットリウム(YCl3 と略す) の濃度が
0.07mmol になるように溶解させた。この溶液を室温で
4〜5 時間攪拌した後、反応液を純水に対し透析した。
次に白濁した反応液を遠心し沈澱を回収した後、純水で
洗浄して目的物を得た。Y の DTPA-GlyCHTとの結合は、
ICPで確認した。 GlyCHT へのDTPA結合量 10ppmに対
し、46.2ppm の Yが結合していた。
【0060】2-7.90Y-DTPA-GlyCHT 結合体の調製 DTPA-GlyCHT を燐酸・クエン酸・ほう酸緩衝液 pH 8.5
に溶解し、94MBq/mlの90YCl 3 (0.1N 塩酸溶解状態) を
等容量加えた後室温で1時間攪拌し、90Y をキレートさ
せる標識反応を行った。標識後TLC分析を行い、 90Y
が DTPA-GlyCHT結合体に安定的に結合したことを確認し
た。標識率は100 %であった。
【0061】
【実施例3】 投与用巨大分子化合物注射液の製造
【0062】90Y-DTPA-GlyCHT 注射液 実施例1の方法に従って調製したDTPA-GlyCHT 懸濁液を
0.1N塩酸でpH 3以下に調整した生理食塩液に対して透析
した。透析後 DTPA-GlyCHTをポアサイズ 0.2μm メンブ
ランフィルターで無菌濾過し、ガラス製バイアルに分注
封栓した。塩化イットリウム (90YCl3 ) は、pH 5〜7
のクエン酸緩衝液かリン酸緩衝液に溶解し、0.2 μm メ
ンブランフィルターで無菌濾過した後ガラス製バイアル
に分注封栓した。標識は、DTPA-GlyCHT 溶液を適当なシ
リンジでバイアルより抜き取って90YCl3 バイアルに加
え、室温に30分間振盪/静置することにより行った。DT
PA-GlyCHT は90YCl3 バイアルの中で中性緩衝液と混ざ
ってコロイド状態に変化し、目的とする巨大分子化合物
は標識反応の進行と同時に生成する。
【0063】
【実施例4】111 In標識した錯化剤結合多糖類の体内動態
【0064】4-1.皮下投与による体内分布111 In-DTPA-CHT(PSH)試料液(37MBq/ml)を、麻酔下で正
常 SD ラット (雌:体重 230〜280g) の膝関節付近の皮
下に 25 μl 投与した。体内分布は、投与後 1, 3, 6,
24時間に解剖し、シングルチャンネルカウンターにより
臓器ごとの放射能分布を求め算出した。24時間後では、
投与を行った関節部を含めた残全身に 81 %残ってお
り、また尿中へ***された放射能量は 17 %であり、残
り 2%が臓器などに移行していた。
【0065】111In-DTPA-CHT(PSH)の皮下投与による体
内分布の特徴は、投与部位に残留しつつも徐々に代謝さ
れ、腹腔内臓器への移行はほとんどみられず、主な排出
経路は腎/尿路系であることなどである。これらの知見
により、 111In-DTPA-CHT(PSH)が投与部位における滞留
性を示しつつ、投与部位からの排出後は直ちに代謝され
て生体外へ***されることが明らかとなった。
【0066】4-2.関節腔投与による体内分布 正常 SD ラット (雌:体重 230〜280g) の膝皮膚をラボ
ナール麻酔下で切開し、関節腔内に調製した試料液 2μ
l を投与した。試料液は各々分子量約 50 万の111In-DT
PA-CHT(PSH)懸濁液(37MBq/ml)、分子量約 5万の 111In-
DTPA-CHT(LL)懸濁液(37MBq/ml)、111In-DTPA-GlyCHT 懸
濁液(185MBq/ml) の3種類であり、実施例に示した試料
を用いた。切開された皮膚は、投与後にシアノアクリレ
ート系瞬間接着剤にて接着させた。体内分布は投与 3,
6, 24, 48 時間後に各時間点2匹ずつ解剖し、臓器ごと
の放射能分布として求めた。 111In-DTPA-CHT(PSH),
111In-DTPA-CHT(LL), 111In-DTPA- GlyCHT の体内動態
の特徴は、いずれも似た結果であった。即ち他の正常臓
器への移行はほとんど認められず、主たる***経路は腎
/尿路系であった。
【0067】関節腔内投与放射能は、関節腔から経時的
に排出され、関節の放射能の割合を時間に対してプロッ
トしたグラフ(図1)より、放射能の***は指数関数的
であることが明らかとなった。図1の直線の傾きを最小
二乗法により求め、関節腔からの消失半減期(関節腔内
残存量が 50 %になる時間:T1/2 )を算出した結果、
111In-DTPA-CHT(PSH)は 53.6 時間、 111In-DTPA-CHT
(LL) は 52.7 時間、 111In-DTPA-GlyCHTは208 時間で
あった。キトサンとグリコールキトサンでは半減期が4
倍ほど異なる。さらにキトサン(LL)とキトサン(PSH
)の分子量差は***半減期に反映しないことが明らか
となった。これらの知見より、キトサンを代表とする担
体を選択することで薬動力学的コントロールが可能とな
ることが明確にされた。
【0068】4-3.皮下移植腫瘍への投与による体内分布 DTPA結合比 11 の DTPA-GlyCHTの凍結乾燥品を用いて、
2mg/ml の濃度になるように 0.1M クエン酸 0.2M リン
酸二水素ナトリウム (容量比 3:5) pH 6.0 緩衝液に溶
解し、O.5ml に 111InCl3 塩酸溶液を 0.2ml添加し、投
与供試用試料液とした。
【0069】肝細胞癌を背に移植した WKA系雄ラット
(体重270 〜310g)の腫瘍部に、 111In-DTPA-GlyCHT 5
0 μl(5.3MBq) を注入した。3 時間後, 48時間後にガン
マカメラによりイメージングを行った(図2)。5 日後
に解剖を行い体内分布を求めた(n=3)。
【0070】ガンマカメラによるイメージングから、腫
瘍部には 3時間後で 90 %、24時間後で 81 %、48時間
後で 75 %ほどが残存してしていた。5 日後の解剖で
は、腫瘍部に約 23 %残存していた。
【0071】イメージングと解剖の結果から 111In-DTP
A-GlyCHTの腫瘍からの消失半減期(T1/2)は、約 74 時間
と算出された(図3)。腫瘍部における滞留性は充分長
く、腫瘍への直接投与あるいは栄養血管を介して直接腫
瘍へ投与する塞栓性局所投与治療剤としての有用性が示
唆された。
【0072】
【参考例】111 In、 111In-DTPA 、 111Inコロイド及び 111In-DTPA
-GlyCHTの関節腔内投与における体内分布比較
【0073】実施例4で示した手順と同様に、正常 SD
ラット (雌:体重 230〜280g) の膝皮膚をラボナール麻
酔下で切開し、関節腔内に調製した試料液 2μl を投与
した。用意した試料液は各々 111In-DTPA 溶液(74MBq/m
l)、 111In溶液(185MBq/ml)、 111Inコロイド溶液(37MB
q/ml)である。 111In-DTPA 溶液は1mM DTPA 溶液に、
0.4Mホウ酸:0.1Mクエン酸−0.2Mリン酸三ナトリウム緩
衝液 (容量比 39 :100)pH 8.5を4倍量加え 0.2mMのDT
PA濃度にした後、5分の1倍量の 111InCl3 を添加して
よく振盪させた後、1時間静置させたものである。 111
In溶液は、 111InCl3 の 0.1N 塩酸溶液と、0.4Mホウ
酸:0.1Mクエン酸−0.2Mリン酸三ナトリウム緩衝液 (容
量比 39 :100)pH 8.5を等量混合し、pHは 6.5にしたも
のである。111Inコロイド溶液は、1OmMの濃度であるInC
l3 の 0.1N 塩酸溶液に、 111InCl3 の 0.1N 塩酸溶液
を9分の1容量添加し、次に水酸化ナトリウムを用いて
pHを 6〜8 に調整したものである。切開された皮膚
は、投与後に瞬間接着剤にて接着させた。体内分布は投
与3, 6,24,48時間後に各時間点2匹ずつ解剖し、臓器ご
との放射能分布として求めた。
【0074】各々の試料の関節腔投与による体内分布の
経時変化を図4に示した。3試料の分布の特徴は以下の
とおりであった。 111In-DTPA は関節腔からのクリアラ
ンスが非常に速く、肝臓や血液中、残全身への移行が認
められ、尿としての体外***がやや遅いことなどに特徴
がある。 111Inは、腎/尿路系より***される他、肝
臓、大腸の臓器への移行や残全身への蓄積が認められ、
肝/胆系による排出が存在する。
【0075】111Inコロイドの体内分布の特徴は、関節
腔内に長時間留まり関節腔外へほとんど移行しない点に
ある。図4にこれらの試料の関節腔内残存の時間経過を
示したが、各試料の直線の傾きを最小二乗法で求め、関
節腔からの排出半減期(T1/2)を算出した結果、 111In-D
TPA は 3時間以下、 111Inは 3.95 時間、 111Inコロイ
ドは 923時間となった。表1に示した。
【0076】この実験結果は、 111Inイオンあるいは単
に錯化しただけの 111In-DTPA ではすばやく***されて
薬効を示しにくい、しかし、コロイド状態にすると長期
残留性が問題となることを示している。先の実施例4で
示した様に、多糖類に結合した 111Inの排出半減期は、
キトサンの約 53 時間、グリコールキトサンの 208時間
であり、 111In-DTPA 、 111Inよりも滞留性があるが、
111Inコロイドより排出され易い。以上の結果から、多
糖類を放射性金属イオンの担体とすることによって、薬
効および安全性を同時に達成しうることが期待でき、さ
らに担体に使用する多糖類を適切に選択することによ
り、関節腔からの排出速度のコントロールも可能である
ことが示された。
【表1】
【0077】
【実施例5】 安全性の検討
【0078】5-1. 111In-DTPA-GlyCHTの代謝産物の分析111 In-DTPA-GlyCHT 試料液(185MBq/ml), 111In-DTPA 溶
液(74MBq/ml), 111In溶液(185MBq/ml) 各々の試料液 2
μl の関節腔内投与後 3,6,24,48時間の各時間点のラッ
トの尿中に含まれる代謝産物をTLC系で分析をおこな
った。 111In-DTPA-GlyCHTを例とする担体を結合させた
試料においては、生体内で分子が消化作用を受けて低分
子化していることが示唆された。
【0079】
【実施例6】90 Y 標識したキレート剤結合多糖類の治療効果
【0080】6-1.担癌マウスによる腫瘍部局所投与の治
療効果 ルイス肺癌細胞を背に移植した C57BL/6系雄マウス(体
重 12 〜14g )の腫瘍部に、実施例4で示した90Y-DTPA
-GlyCHT 375 μl(0.3MBq) を 4回に分けて注入した。そ
の結果を表2に示した。投与を開始して 2日目から腫瘍
の縮退が観られ、未投与の腫瘍と比べ、5 日目で差が広
がり、腫瘍細胞に対する増殖抑制及び致死作用が認めら
れた。
【0081】また、腫瘍組織状態の確認のため、採材し
た腫瘍組織をホルマリン固定した。固定後、定法(パラ
フィン包埋法)に従い約4μm に薄切したパラフィン切
片を作成し、ヘマトキシリン・エオジン染色を施し、病
理組織学的検索に供した。得られた組織像は図5〜図9
に示した。90Y-DTPA-GlyCHT 投与腫瘍組織は、肉眼的、
弱拡検鏡的に組織は全体的に小さく、壊死領域が組織塊
の大部分を占めている(図5)。壊死領域周辺には結合
組織が増生し、中心部には細胞集簇巣および核崩壊像が
多数認められた。ルイス肺癌細胞に特徴的な細胞は組織
標本上には認められなかった (図6,図7)。これに対
し対照腫瘍組織では、大小不同の核を持つ細胞が密実に
存在し、細胞の大きさも様々であった。これらの細胞の
多くには核***像が認められた(図8,図9)。腫瘍組
織周辺には出血巣、単核細胞浸潤、小壊死巣が存在し、
隣接する筋組織とは結合組織により境界されていた。こ
の得られた所見から90Y-DTPA-GlyCHT 投与により、腫瘍
細胞は傷害されたことが明らかになった。また、鏡検上
周囲の筋組織には著変が認められず、腫瘍組織全域にわ
たり細胞が壊死に陥っていることからこの薬物投与によ
る治療効果は期待できるものと思われる。
【表2】
【0082】6-2.病態モデルによる関節腔内投与体内動
態及び治療効果 オブアルブミン(10mg/ml) をフロインドコンプリートア
ジュバントと共にウサギ全身の皮内数十箇所に、1ヶ月
おきに 4回、 0.1mlずつ注射し、ウサギを感作した。そ
の後、右後肢の膝関節腔内にオブアルブミンのアジュバ
ント懸濁液を 50 μl 投与し、免疫反応を誘発させ、ア
ジュバント関節炎モデルとした。鮮明な体内分布画像を
得るため、90Y の代わりに 111Inを標識させた 111In-D
TPA-GlyCHT試料液 50 μl(6.2MBq) を疾患状態の右後肢
膝関節腔内に投与した。投与製剤の体内分布は、投与後
3,24及び48時間にはガンマカメラにより、5 日後には解
剖を行い、求めた(n=3) 。図10にガンマカメラによるイ
メージを示した。また図11に関節と尿の全身に対する放
射能の割合を示した。ガンマカメラによるイメージか
ら、関節腔には 3時間後で 85.6 %、6 時間後で 83.8
%、24時間後で 63.1%、48時間後で 49 %ほどが残存
し、時間経過と共に指数関数的に減少した。投与放射能
の関節腔排出半減期(T1/2)を最小二乗法により求めた結
果、54.6時間であった。
【0083】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0084】本発明の、高分子多糖の担体使用を特徴と
する局所投与放射線治療剤では、多糖を担体に使用する
ことにより、生理学的に認容性であって、生体内で分解
されて体外に排出され易くし、長期残留から起こる毒性
障害の様な負の作用のない、局所投与放射線治療剤を提
供することができる。
【0085】キチン誘導体など天然に多量に存在する多
糖類担体として使用することにより、安定的にしかも安
価に製剤を供給することができる。またキチン誘導体を
使用した場合、pHの違いにより溶解状態が変化するた
め、滅菌操作および製造が簡単である。
【0086】さらに、多糖の種類により生体内消化性が
異なる性質を利用し、適当な多糖を選択することによ
り、目的にあった局所滞留性を得ることができ、薬動力
学的コントロールが容易となる。
【0087】そして、担体となる多糖に錯化剤を結合す
ることにより、多糖自身の金属イオンとの結合能力に依
らず、多種類の多糖に多種類の放射性金属イオンを安定
に結合することができ、多種類の多糖を担体として使用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 キチン誘導体の関節腔放射能残存率を比較し
た図。
【図2】 投与後 3,48時間の腫瘍イメージ。
【図3】 腫瘍部放射能残存率の経時変化を示した図。
【図4】 各試料の関節腔放射能残存率を比較した図。
【図5】 担癌マウスによる治療効果を示すイメージ。
【図6】 担癌マウスによる治療効果を示すイメージ。
【図7】 担癌マウスによる治療効果を示すイメージ。
【図8】 担癌マウスによる治療効果を示すイメージ。
【図9】 担癌マウスによる治療効果を示すイメージ。
【図10】 病態モデル関節腔イメージの経時変化。
【図11】 病態モデル体内分布の経時変化を示した
図。
【符号の説明】
N : 壊死領域 M : 筋組織 F : 細胞集簇巣(核崩壊像を含む) C : 細胞集簇巣を構成する細胞 L : 腫瘍細胞 S : 核***像
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年5月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 キチン誘導体の関節腔放射能残存率を比較し
た図。
【図2】 投与後 3,48時間の腫瘍イメージ写真(生物
の形態)。
【図3】 腫瘍部放射能残存率の経時変化を示した図。
【図4】 各試料の関節腔放射能残存率を比較した図。
【図5】 担癌マウスによる治療効果を示す病理組織写
真(生物の形態)。
【図6】 担癌マウスによる治療効果を示す病理組織写
真(生物の形態)。
【図7】 担癌マウスによる治療効果を示す病理組織写
真(生物の形態)。
【図8】 担癌マウスによる治療効果を示す病理組織写
真(生物の形態)。
【図9】 担癌マウスによる治療効果を示す病理組織写
真(生物の形態)。
【図10】 病態モデルイメージ写真(生物の形態)の
経時変化。
【図11】 病態モデル体内分布の経時変化を示した
図。
【符号の説明】 N : 壊死領域 M : 筋組織 F : 細胞集簇巣(核崩壊像を含む) C : 細胞集簇巣を構成する細胞 L : 腫瘍細胞 S : 核***像
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
フロントページの続き (72)発明者 鷲野 弘明 千葉県袖ケ浦市北袖3番地1 日本メジフ ィジックス株式会社中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ基,ヒドロキシル基またはカルボ
    キシル基,あるいはそれらの誘導体を含有する親水性繰
    り返しモノマー単位を含んでなる平均分子量が1×10
    3 から1×106 の生体内分解性親水性高分子に、錯化
    剤を介して少なくとも1種の放射性金属イオンが化学的
    に結合された、生理学的に認容性で、生理学的 pH 及び
    温度においてゲル化することを特徴とする巨大分子化合
    物、またはその塩からなる局所投与放射線治療剤。
  2. 【請求項2】 生体内分解性親水性高分子が多糖及びそ
    の誘導体である請求項1記載の治療剤。
  3. 【請求項3】 一般式: 【化1】 (式中、R1 , R2 は各々異なってアミノ基,ヒドロキ
    シル基, あるいは水素原子を表し、R3 は水素原子, グ
    リコール基, カルボキシメチル基を表し、R4 ,R5
    各々異なって水素原子あるいはヒドロキシル基を表
    す。)で示される親水性繰り返しモノマー単位が1→4
    結合及び/または1→6結合してできた生体内分解性高
    分子に、R1 またはR2 に結合した錯化剤を介して、少
    なくとも1種の放射性金属イオンが化学的に結合した巨
    大分子化合物からなる請求項1〜2記載の治療剤。
  4. 【請求項4】 生体内分解性親水性高分子がキチン,キ
    トサンおよびその誘導体である請求項1〜3記載の治療
    剤。
  5. 【請求項5】 放射性金属イオンがα線またはβ線放出
    核種である請求項1〜4記載の治療剤。
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