JPH08122Y2 - 潤滑油供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、機械の回転部又は摺動部への潤滑油供給装
置に関するものである。

従来の技術 従来、自動潤滑油供給装置は第３図に示すように潤滑
油貯蔵タンク101をし有するポンプユニット102より分配
器103に潤滑油を送って、回転部又は摺動部へ潤滑油を
供給する集中潤滑方式が一般的に用いられている。

考案が解決しようとする課題 従来の技術で述べた集中潤滑方式は、例えば摺動面の
他にボールねじ等の回転面にも自動給油しようとする
と、摺動面用と、ボールねじ用とは最適潤滑油が違うた
め、それぞれ別系統の給油装置が必要となる。最近のよ
うに機械の多機能化と高速化が進むと、最適潤滑油の種
類も多くなり、そのたびに高価な給油装置を多数設置す
ることは、コストアップになるとともに大きさ設置場所
が必要となるという問題点を有している。

本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑
みなされたものであり、その目的とするところは、親と
なる１個の集中潤滑油装置により別系統のポンプを駆動
して異種の潤滑油を同時に供給することのできる潤滑油
供給装置を提供しようとするものである。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本考案の潤滑油供給装置
は、設定時間ごとに間欠的に内蔵タンク内の潤滑油の供
給及び加圧と脱圧とを繰返す脱圧機構付ポンプユニット
と加圧時または脱圧時に所定量の前記潤滑油を吐出する
分配器とを有する集中潤滑油装置と、前記脱圧機構付ポ
ンプユニットにより駆動され専用タンクに貯蔵する異種
潤滑油を所定量ずつ間欠的に吐出する付加ポンプ部材を
少なくとも一個前記分配器に対して並列に配設したもの
である。

作用 タイマにより設定された時間ごとにポンプモータがON
-OFFされて、加圧と脱圧とを繰り返す脱圧機構付ポンプ
ユニットにより内蔵タンク内の潤滑油が分配器より本機
の給油個所に間欠的に送り出される集中潤滑油装置の作
動と同時に、前記脱圧機構付ポンプユニットにより付加
ポンプ部材のポンプシリンダのピストンが移動されて、
専用タンク内の異種潤滑油を本機の別の必要給油個所に
間欠的に送り出す。

実施例 第１実施例について第１図を参照して説明する。

本機の近傍床上に集中潤滑油装置の脱圧機構付ポンプ
ユニット１が設置されている。ポンプユニット１は、例
えばSHOWA製LCB1形ポンプユニット等市販のものを使用
することができる。このものは潤滑油タンク２上にACタ
イマ又はICタイマにより設定時間ごとにON-OFFされるモ
ータ３駆動のギャーポンプ４と，脱圧機構５を備えてい
る。脱圧機構５は、ポンプ４の回転が停止されると後述
の供給管路６をリタン管路７に連通させてタンク内に開
放し脱圧するものである。脱圧機構は、供給管路６によ
り容積式分配器８に連通されており、容積式分配器８は
同じSHOWA製の先出しタイプのDPB形又は後出しタイプの
DSA形等市販の分配器を使用することができる。DPB形
は、ポンプユニット１より送られる油圧力により、ばね
の力に抗してプランジャを押し上げ、シリンダ内の油を
枝管９に吐出する。次にポンプの回転が止まって脱圧機
構５により供給管路６内圧力が下がりばねの力でプラン
ジャが下がり、プランジャの下に溜まった油がプランジ
ャの穴を通ってシリンダ内に置油されるものである。ま
たDSA形は、ポンプユニットより送られる油圧力により
ばねの力に抗してピストン12を押し上げ、シリンダ内に
油を溜める。次に脱圧機構５により供給管路６内圧力が
下がると、ばね圧によりピストンが押し下げられてシリ
ンダ内の油を枝管９に吐出するものである。

容積式分配器８と並列に付加ポンプユニット11が配設
されており、付加ポンプユニット11は、異種潤滑油を貯
蔵する付加タンク12の図示しない上蓋上に、ポンプシリ
ンダ15が垂直に固着されており、このポンプシリンダ15
に、ばね13により常時上向きに付勢されるピストン14が
移動可能に嵌挿されている。ポンプシリンダ15の下室は
一方で吸入管路16により付加タンク12内の潤滑油内に連
通され、他方で吐出管路17により図示しない本機の複数
の給油個所に連通されている。吸入管路16と、吐出管路
17には途中に逆止弁18,19がそれぞれ取付けられてお
り、シリンダ15の上室は、分岐管路20により供給管路６
の途中に連通されている。そしてポンプユニット１より
シリンダ15の上室に圧油が供給されると、ばね13の力に
抗してピストン14が押し下げられて、シリンダ15の後室
に置油されている潤滑油が逆止弁19を通って吐出管路17
を経て本機の給油部に送り出される。次にギャーポンプ
４の回転が止まって脱圧機構５により管路6,20内の圧力
が下がると、ばね13の力でピストン14が上昇し、チェッ
クバルブ18を通って吸入管路16を経てシリンダ15の下室
に潤滑油が吸い上げられて置油される。

尚付加ポンプユニット11は複数個並列に配設すること
ができる。

続いて第２実施例について第２図を参照して説明す
る。

第１実施例と異なるところは、付加ポンプユニット21
のみで他は同一仕様のため第２図は付加ポンプユニット
のみとし、説明の重複を避けるため同一個所には同一符
号を付して説明を省略する。

付加タンク12の図示しない上蓋上に、ポンプシリンダ
22が垂直に固着され、ポンプシリンダ22上に油圧シリン
ダ23が同心に固着されている。油圧シリンダ23のピスト
ン24は、ばね27により常時下向きに付勢されており、ピ
ストン24と一体のピストンロッド25の先端に、ポンプシ
リンダ22内に移動可能に嵌挿されるピストン26が固着さ
れている。そしてポンプユニット１より供給管路6,分岐
管路20を通って油圧シリンダ23の下室に圧油が送られる
と、ばね27の力に抗してピストン24,26が上昇し、逆止
弁18を通ってポンプシリンダ22の下室に、付加タンク12
内の潤滑油が吸い上げられて置油される。つまりギャー
ポンプ４の回転が停止されて脱圧機構５により管路6,20
内の圧力が下がると、ばね27の力でピストン24,26が下
降し、ポンプシリンダ22の下室に置油されている潤滑油
が、逆止弁19を通って吐出管路17を経て図示しない本機
給油部に送り出される。

考案の効果 本考案は、上述のとおり構成されているので次に記載
する効果を奏する。

集中潤滑油装置の脱圧機構付ポンプユニットにより、
分配器より潤滑油が吐出され本機の給油個所に送られる
とともに、並設された付加ポンプ部材のポンプシリンダ
のピストンを駆動して、専用タンクに貯蔵する異種潤滑
油を、本機の別の給油個所に間欠的に送り出すようにし
たので、潤滑油が異なるごとに高価で大形のモータ付潤
滑油ポンプを設ける必要がなくなり、コストアップと取
付スペース上の問題が一挙に解決されるとともに保守が
容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例の潤滑油供給装置の説明
図、第２図は第２実施例の付加ポンプユニット部の説明
図、第３図は従来の集中潤滑油装置の説明図である。 ５……脱圧機構、８……分配器 11,21……付加ポンプユニット 15,22……ポンプシリンダ 23……油圧シリンダ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】設定時間ごとに間欠的に内蔵タンク内の潤
   滑油の供給及び加圧と脱圧とを繰返す脱圧機構付ポンプ
   ユニットと加圧時または脱圧時に所定量の前記潤滑油を
   吐出する分配器とを有する集中潤滑油装置と、前記脱圧
   機構付ポンプユニットにより駆動され専用タンクに貯蔵
   する異種潤滑油を所定量ずつ間欠的に吐出する付加ポン
   プ部材を少なくとも一個前記分配器に対して並列に配設
   したことを特徴とする潤滑油供給装置。