JPH08122655A - 湾曲可撓管 - Google Patents

湾曲可撓管

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Publication number
JPH08122655A
JPH08122655A JP6265135A JP26513594A JPH08122655A JP H08122655 A JPH08122655 A JP H08122655A JP 6265135 A JP6265135 A JP 6265135A JP 26513594 A JP26513594 A JP 26513594A JP H08122655 A JPH08122655 A JP H08122655A
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JP
Japan
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tubular body
bending
thin
pipe
tube
Prior art date
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Pending
Application number
JP6265135A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Adachi
英之 安達
Yasuo Hirata
康夫 平田
Yasuhiro Ueda
康弘 植田
Shinji Kaneko
新二 金子
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は組立の必要がなく、容易に形成できる
とともに、湾曲管全体の強度を十分に確保することを最
も主要な特徴とする。 【構成】熱弾性マルテンサイト変態を起こすNiTi系
の超弾性パイプ20より成る管体14を設け、この管体
14の一部に肉厚を薄くして変形しやすくした薄肉部1
6を設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内視鏡や、マニピュレー
タ等の可動部に用いられる湾曲可撓管に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、軟性内視鏡の挿入部にはその先
端部側に湾曲操作可能な湾曲部が設けられている。そし
て、内視鏡の挿入部の手元側の操作部に配設された操作
ノブ等によってこの湾曲部の湾曲動作が遠隔的に操作で
きるようになっている。
【0003】また、この種の内視鏡では通常、挿入部の
先端部側の湾曲部に円筒部品を回転自在に連結して製作
される湾曲管が配設されている。そして、手元側の操作
部の操作によって操作ワイヤを牽引して湾曲管を湾曲動
作させるようになっている。
【0004】さらに、例えば特開平4−61840号公
報には内視鏡の挿入部の先端部側の湾曲部に形状記憶合
金(SMA)パイプを切り欠いた湾曲管が配設され、こ
の湾曲管の切り欠き部の残りの部分によって湾曲時の関
節部が形成される構成のものが示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来構成のものに
あっては湾曲部の湾曲管として円筒部品を回転自在に連
結して製作した場合には湾曲管の構成部品数が多くなる
ので、湾曲管の組立が複雑になる問題がある。
【0006】また、特開平4−61840号公報の場合
には湾曲部の湾曲操作時に湾曲管を形成するSMAパイ
プの切り欠き部に局部的に応力が集中するので、湾曲管
全体の強度が低下しやすい問題がある。そのため、湾曲
管全体の強度、耐久性の確保が難しい問題がある。
【0007】この発明は上記事情に着目してなされたも
ので、その目的は、組立の必要がなく、容易に形成でき
るとともに、湾曲管全体の強度を十分に確保することが
できる湾曲可撓管を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は熱弾性マルテ
ンサイト変態を起こす金属材料より成る管体を設け、こ
の管体の一部に肉厚を薄くして変形しやすくした薄肉部
を設けたものである。
【0009】
【作用】管体の湾曲動作時には薄肉部の領域が主に変形
して湾曲動作するとともに、薄肉部以外の肉厚の部分で
十分な強度を保つようにしたものである。
【0010】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図1乃至図3
を参照して説明する。図2は医用内視鏡1全体の概略構
成を示すものである。この医用内視鏡1には挿入部2
と、操作部3とが設けられており、挿入部2の先端付近
には湾曲部4が配設されている。また、操作部3には湾
曲部4の操作ノブ5が設けられている。そして、この操
作ノブ5によって湾曲部4の湾曲動作が遠隔的に操作さ
れるようになっている。
【0011】さらに、挿入部2の先端面6には観察光学
系、照明光学系が配設されている。また、挿入部2内に
は観察光学系の撮像素子から延設された信号線、及び照
明光学系に接続されるライトガイドファイバがそれぞれ
配設されている。
【0012】また、操作部3にはユニバーサルコード7
の基端部が連結されている。このユニバーサルコード7
の先端部にはコネクタ8が連結されている。このコネク
タ8は光源装置9に着脱可能に接続されている。そし
て、ライトガイドファイバの入射端部側は操作部3から
ユニバーサルコード7内を通り、コネクタ8を経て光源
装置9に接続されている。
【0013】さらに、撮像素子から延設された信号線の
他端部側は操作部3からユニバーサルコード7内を通
り、さらにコネクタ8に連結された接続コード10を介
してカメラコントロールユニット(CCU)11に接続
されている。なお、12は接続コード10の先端部に連
結されたコネクタで、このコネクタ12を介して接続コ
ード10がカメラコントロールユニットに着脱可能に接
続されている。
【0014】また、図1(A),(B)は挿入部2の湾
曲部4を示すものである。この湾曲部4には湾曲管13
が設けられている。この湾曲管13は熱弾性マルテンサ
イト変態を起こす金属材料、例えば応力誘起マルテンサ
イト変態を起こすNiTi系合金によって円筒状の管体
14が形成されている。
【0015】さらに、この管体14の外周面にはリング
状の凹陥部15が軸方向に一定間隔で複数設けられてい
る。そして、管体14にはこれらの凹陥部15の部分に
よって肉厚が薄くなっている薄肉部16が形成されてい
る。
【0016】また、湾曲管13の内部には4本の操作ワ
イヤ17が配設されている。これらの操作ワイヤ17の
先端部は図1(A)に示すように湾曲管13の先端部内
周面に90度おきに配置され、それぞれワイヤ固定部材
18を介して固定されている。
【0017】さらに、湾曲管13の後端部内周面には図
1(B)に示すように操作ワイヤ17のガイド部材19
が固定されている。このガイド部材19はワイヤ固定部
材18と対応する位置にそれぞれ設けられている。そし
て、各操作ワイヤ17はこのガイド部材19内に挿通さ
れ、ワイヤ17同士の絡みが防止されている。
【0018】また、各操作ワイヤ17の基端部側は挿入
部2内を通して操作部3側に導かれ、操作ノブ5で回転
操作されるプーリー(図示せず)に連結されている。そ
して、操作ノブ5を回して任意の操作ワイヤ17を牽引
することで、湾曲部4が湾曲動作するようになってい
る。
【0019】次に、上記湾曲部4の湾曲管13の製作手
順を図3を参照して説明する。まず、図3(A1),
(A2)に示すように湾曲管13の管体素材である外径
寸法1mm、厚さ0.2mmのNiTi系の超弾性パイプ2
0の外周面に集積回路の製造等に用いるポジレジスト2
1(耐エッチングコート)を塗布する。その後、パイプ
20をその中心軸を中心に回転させながらこのパイプ2
0の外周面のポジレジスト21にレーザー光を照射して
適当な間隔(隣接する薄肉部16,16間の間隔に相当
する)をおいて複数(薄肉部16と同数)の露光領域2
2を形成する。
【0020】また、レーザー光による露光後、これを現
像することにより、露光領域22のポジレジスト21が
除去されて図3(B1),(B2)に示すように超弾性
パイプ20の表面を露出させたパイプ表面露出領域23
が形成される。
【0021】次に、これをフッ素と硝酸の混合液に浸
し、超弾性パイプ20が露出されたパイプ表面露出領域
23をエッチングする。このエッチングにより、図3
(C1),(C2)に示すように超弾性パイプ20の外
周面にリング状の凹陥部15が形成され、この部分によ
って超弾性パイプ20の肉厚が薄い領域、例えば厚さ
0.05mmの薄肉部16が形成される。なお、このエッ
チングに際しては、パイプ20の内腔にエッチング用の
混合液が浸入しないようにパイプ20の開口部を封止し
ておく。
【0022】その後、酸素プラズマによって残りのポジ
レジスト21が除去される。これにより、図3(D
1),(D2)に示すように管体14の外周面にリング
状の薄肉部16が軸方向に一定間隔で複数設けられ、薄
肉部16と、隣接する薄肉部16,16間の肉厚部22
とが軸方向に沿って交互に配置された湾曲管13が形成
されている。
【0023】次に、上記構成の作用について説明する。
ここで、挿入部2の湾曲部4を湾曲操作する場合には操
作部3の操作ノブ5を操作することにより、4本の操作
ワイヤ17のうち、操作ノブ5の操作方向に対応する方
向に配置されたいずれかの操作ワイヤ17が手元側に牽
引される。
【0024】この操作ワイヤ17の牽引動作にともない
湾曲部4の湾曲管13が略円弧状に湾曲操作される。例
えば、図1(A),(B)中で、上端部位置の操作ワイ
ヤ17を牽引することにより、湾曲部4の湾曲管13は
図1(B)中で矢印方向に略円弧状に湾曲する。この湾
曲管13の湾曲時には管体14のうち、隣接する薄肉部
16,16間の肉厚部22の領域は略変形しない状態で
保持され、この肉厚部22の部分に比べて強度が弱い管
体14の薄肉部16の領域が主に変形する。
【0025】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、湾曲管13には湾曲しやすい複
数の薄肉部16と、隣接する薄肉部16,16間の肉厚
部22とが軸方向に沿って交互に配置されているので、
湾曲管13の肉厚部22の部分で外力から内蔵物を保護
する強度を保つことができる。さらに、湾曲管13の湾
曲時には管体14のうち、薄肉部16の部分を変形させ
ることにより、湾曲変形しやすい状態を保つことができ
る。そのため、肉厚部22の部分で外力から内蔵物を保
護する強度を保ちながら、同時に薄肉部16の部分で湾
曲変形しやすさを保つことができる。
【0026】また、湾曲管13の管体14はNiTi系
超弾性パイプによって形成されているので、ステンレス
等の一般金属に比べて1桁以上優れた弾性を示す。その
ため、上記構成の湾曲管13でもその湾曲時には十分な
湾曲角が得られる。
【0027】さらに、湾曲管13の管体14は超弾性パ
イプ20の外周面にフォトエッチングの技術によって湾
曲しやすい複数の薄肉部16を形成するようにしている
ので、複数の薄肉部16と、隣接する薄肉部16,16
間の肉厚部22とが軸方向に沿って交互に配置された湾
曲管13を簡単に成形することができる。そのため、複
数の構成部品を組立てて湾曲管を形成する場合のように
複数の構成部品を組立てる作業が必要がなく、湾曲管1
3を容易に形成できる。
【0028】また、湾曲管13の管体14には従来(特
開平4−61840号公報)の様にパイプを切り欠いた
部分が形成されていないので、湾曲管13全体の強度を
高め、繰り返し動作に対する耐久性も向上させることが
できる。
【0029】また、図4は本発明の第2の実施例を示す
ものである。これは、第1の実施例とは湾曲部4の構成
を変更したものである。すなわち、上記第1の実施例で
は操作ワイヤ17を用いた構造の湾曲部4を示したが、
本実施例では図4(D1),(D2)に示すように湾曲
部4の湾曲管31の管体32自体によって形状記憶合金
パイプからなる湾曲アクチュエータを形成する構成にし
たものである。
【0030】ここで、湾曲管31の管体32は予め形状
記憶処理したNiTi系形状記憶合金パイプによって形
成されている。この管体32のNiTi系形状記憶合金
パイプは2方向性形状記憶合金と呼ばれるもので、変態
温度まで加熱されるとある方向に湾曲し、変態温度以下
に冷却されると反転した方向に湾曲するように熱処理が
施されている。
【0031】また、管体32の外周面にはリング状凹陥
部33が軸方向に一定間隔で複数設けられている。さら
に、管体32の外周面にはリング状凹陥部33と直交す
る方向、すなわち管体32の軸方向に略直線状に延出さ
れた帯状凹陥部34が形成されている。そして、管体3
2にはこれらのリング状凹陥部33の部分および帯状凹
陥部34の部分によって肉厚が薄くなっている薄肉部3
5が形成されている。
【0032】また、管体32における上記薄肉部35以
外の肉厚部36の外周面には導電材料、例えば白金層3
7がメッキ等の方法で形成されている。さらに、管体3
2の帯状凹陥部34内には絶縁コートされたリード線3
8が配設されている。このリード線38の先端部は形状
記憶合金パイプの管体32の先端部に溶接されて電気的
に接続されている。このリード線38の基端部は図示し
ない外部の通電装置に接続されている。
【0033】次に、上記湾曲部4の湾曲管31の製作手
順を図4を参照して説明する。まず、図4(A1),
(A2)に示すように予め形状記憶処理した外径寸法1
mm、厚さ0.2mmのNiTi系の形状記憶合金パイプか
らなる管体32にメッキ等の方法で白金層37を形成す
る。
【0034】その後、管体32の外周面に集積回路の製
造等に用いるポジレジスト39を塗布する。続いて、管
体32のパイプをその中心軸を中心に回転させながらこ
の管体32の外周面のポジレジスト39にレーザー光を
照射して適当な間隔(隣接するリング状凹陥部33,3
3間の間隔に相当する)をおいて複数(リング状凹陥部
33と同数)の露光領域40を形成し、更に管体32の
軸方向に略直線状に延出された帯状の露光領域41を形
成する。
【0035】また、レーザー光による露光後、これを現
像することにより、露光領域40、41のポジレジスト
39が除去されて図4(B1),(B2)に示すように
白金層37の表面を露出させた白金層37の露出領域4
2、43が形成される。
【0036】次に、管体32を回転させながらイオンミ
リングを行い、露出領域42、43の部分の白金層37
をエッチングしてその部分の管体32の形状記憶合金を
露出させる。
【0037】続いて、これをフッ素と硝酸の混合液に浸
し、露出領域42、43の部分の管体32の形状記憶合
金を厚さ0.05mmになるまでエッチングする。このエ
ッチングにより、図4(C1),(C2)に示すように
管体32の形状記憶合金の外周面にリング状凹陥部33
および帯状凹陥部34が形成され、この部分によって形
状記憶合金の管体32の肉厚が薄い領域、例えば厚さ
0.05mmの薄肉部35が形成される。なお、このエッ
チングに際しては、管体32の内腔にエッチング用の混
合液が浸入しないように管体32の開口部を封止してお
く。
【0038】その後、酸素プラズマによって残りのポジ
レジスト39が除去される。これにより、図4(D
1),(D2)に示すように管体32の外周面にリング
状凹陥部33と対応する薄肉部35の部分が軸方向に一
定間隔で複数設けられ、リング状薄肉部35と、隣接す
るリング状薄肉部35,35間の白金層37が積層され
た肉厚部36とが軸方向に沿って交互に配置されるとと
もに、帯状凹陥部34と対応する薄肉部35の部分が形
成された湾曲管31が形成される。
【0039】さらに、このように湾曲管31が形成され
た後、この湾曲管31の管体32の帯状凹陥部34内に
リード線38が配設され、このリード線38の先端部が
形状記憶合金パイプの管体32の先端部に溶接されて電
気的に接続される。
【0040】次に、上記構成の作用について説明する。
まず、挿入部2の湾曲部4を湾曲操作する場合にはリー
ド線38を通して湾曲管31の形状記憶合金パイプの管
体32に通電させる。このとき、管体32の薄肉部35
の部分では形状記憶合金が薄いことと、低抵抗の白金層
37がないことから他の肉厚部36の領域と比較して電
気抵抗が著しく大きくなる。
【0041】このため、リード線38を介して形状記憶
合金パイプの管体32に通電した際には帯状凹陥部34
と対応する薄肉部35の部分の領域が選択的に加熱さ
れ、湾曲管31は予め記憶させた円弧状の湾曲形状に変
化する。
【0042】この湾曲管31の湾曲時には第1の実施例
と同様に管体32のうち、隣接するリング状薄肉部3
5,35間の白金層37が積層された肉厚部36の領域
は略変形しない状態で保持され、この肉厚部36の部分
に比べて強度が弱い管体31の薄肉部35の領域が主に
変形する。
【0043】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、本実施例では湾曲管31の湾曲
時には第1の実施例と同様に管体32のうち、隣接する
リング状薄肉部35,35間の白金層37が積層された
肉厚部36の領域は略変形しない状態で保持され、この
肉厚部36の部分に比べて強度が弱い管体31の薄肉部
35の領域が主に変形するので、湾曲管31の肉厚部3
6の部分で外力から内蔵物を保護する強度を保つことが
できるとともに、湾曲管31の湾曲時には管体31のう
ち、薄肉部35の部分を変形させることにより、湾曲変
形しやすい状態を保つことができる。そのため、第1の
実施例と同様、肉厚部36の部分で外力から内蔵物を保
護する強度を保ちながら、同時に薄肉部35の部分で湾
曲変形しやすさを保つことができるとともに、湾曲管3
1を容易に形成でき、かつ湾曲管31全体の強度を高
め、繰り返し動作に対する耐久性も向上させることがで
きる。
【0044】また、本実施例では湾曲管31の管体32
の帯状凹陥部34内にリード線38が配設されているの
で、このリード線38が管体32の外部側に突出された
状態で配設されるおそれがない。そのため、このリード
線38によって湾曲管31の外形寸法が大きくなる事は
ない。
【0045】また、リード線38を介して形状記憶合金
パイプの管体32に通電した際に、このリード線38が
配設されている帯状凹陥部34と対応する薄肉部35の
部分の領域のみを迅速に加熱させることができるので、
湾曲管31の湾曲操作時の応答性を高めることができ
る。
【0046】なお、第2の実施例では湾曲管31の先端
部のみにリード線38を接続させた構成のものを示した
が、湾曲管31の複数位置にリード線38を配設し、各
リード線38を適宜選択的に通電することによって湾曲
管31を複数の形状に湾曲させることもできる。
【0047】また、図5〜図9は本発明の第3の実施例
を示すものである。これは、内視鏡の挿入部の先端部に
配設された湾曲部等の管状構造体51に適用したもので
ある。すなわち、本実施例の管状構造体51は図5
(A)に示すように太径の第1の湾曲管52と、この第
1の湾曲管52内に配設された細径の第2の湾曲管53
とを備えた2重管構造に形成されている。
【0048】ここで、第1の湾曲管52および第2の湾
曲管53は第1の実施例の湾曲管13と同じ構造のもの
である。さらに、2つの湾曲管52,53は図6に示す
ように肉厚の薄い薄肉部16の部分の幅寸法tおよび肉
厚部22の部分の幅寸法sはそれぞれ同寸法に形成され
ている。そして、両者の肉厚の薄い薄肉部16および肉
厚部22の部分の位置を互いに一致させた状態で管状構
造体51内に配設されている。
【0049】また、2本の湾曲管52,53の間には図
5(B)に示すように8本の形状記憶合金パイプ54a
〜54hが略円周状に並設されている。各形状記憶合金
パイプ54a〜54hは予め曲げ形状が記憶されてい
る。
【0050】さらに、それぞれの形状記憶合金パイプ5
4a〜54hの外周面には加熱手段であるワイヤ状のヒ
ータ55が配設されている。ここで、ヒータ55は図7
(A)に示すように略中央部位で折り返され、この折り
返し部が各形状記憶合金パイプ54a〜54hの先端部
外周面に固定されている。
【0051】なお、ヒータ55の配置は図7(A)の
他、例えば図7(B)に示すように各形状記憶合金パイ
プ54a〜54hの内部にロッド状のヒータ56を設け
てもよく、或いは図7(C)に示すように各形状記憶合
金パイプ54a〜54hの外周面にワイヤ状のヒータ5
7を巻き付ける構成にしてもよい。
【0052】さらに、各形状記憶合金パイプ54a〜5
4hの曲げ形状の記憶方向は例えば図8(A)中に矢印
で示すように外向きに曲げ記憶されているか、或いは図
8(B)中に矢印で示すように内向きに曲げ記憶されて
いる。
【0053】また、管状構造体51内には内蔵物として
照明手段のライトガイドケーブル58、観察手段のイメ
ージガイドケーブル59が配設されている。ここで、ラ
イトガイドケーブル58は形状記憶合金パイプ54a、
54c、54e、54gの内部に設けられ、イメージガ
イドケーブル59は第2の湾曲管53の内部に設けられ
ている。
【0054】さらに、その他の空いている形状記憶合金
パイプ54b、54d、54f、54hは鉗子等の処置
具を入れて処置を行うための処置具挿通チャンネルとし
て使用されるものである。
【0055】次に、上記構成の作用について説明する。
ここでは、各形状記憶合金パイプ54a〜54hの曲げ
形状の記憶方向が図8(A)中に矢印で示すように外向
きに曲げ記憶されている場合について説明する。
【0056】まず、本実施例の管状構造体51を例え
ば、図5(B)においてUP方向に曲げる場合には、形
状記憶合金パイプ54aの近傍に設けられているヒータ
55を加熱して形状記憶合金パイプ54aを加熱する。
この場合には形状記憶合金パイプ54aは曲げ形状を記
憶しているため、UP方向に曲がる。また、管状構造体
51をUP−RIGHT方向に曲げるには、同様に形状
記憶合金パイプ54bのパイプを加熱すればその方向に
曲げられる。
【0057】さらに、形状記憶合金パイプ54aと形状
記憶合金パイプ54bの両方のパイプを加熱した場合
は、その中間の方向に曲り、2つのパイプが加熱量の比
を変えることで、形状記憶合金パイプ54aと形状記憶
合金パイプ54bとの間の範囲内で方向を自由に変えら
れる。なお、図9は管状構造体51の湾曲状態を示すも
のである。
【0058】なお、管状構造体51を曲げ形状から直線
状態に戻す場合には、各形状記憶合金パイプ54a〜5
4hが1方向性形状記憶の場合は、湾曲時に加熱された
例えば形状記憶合金パイプ54aとは反対側に配置され
ている形状記憶合金パイプ54eを加熱することによ
り、管状構造体51が直線状態に戻るまで加熱する。ま
た、各形状記憶合金パイプ54a〜54hが2方向性形
状記憶の場合は、湾曲時に加熱された例えば形状記憶合
金パイプ54aを冷却すれば元にもどる。
【0059】以上のように、本実施例の管状構造体51
は各形状記憶合金パイプ54a〜54hを加熱すること
で、全方向に曲げることが可能である。そして、パイプ
54a〜54hの加熱を制御することで、管状構造体5
1の先端部を正確に観察部位に向けることができるとと
もに、形状記憶合金パイプ54b、54d、54f、5
4hから物体を把持する鉗子等を入れることにより、管
状構造体51の先端部で処置することができる。
【0060】そこで、上記構成のものにあっては特に各
形状記憶合金パイプ54a〜54hの内部に空間を有し
ているため、各形状記憶合金パイプ54a〜54hの内
部空間を内蔵物の収納等に利用することができ、管状構
造体51の内部スペースを有効利用することができる。
【0061】また、図10(A),(B)は本発明の第
4の実施例を示すものである。これは、第3の実施例に
おける各形状記憶合金パイプ54a〜54hの記憶形状
を変更したものである。すなわち、本実施例では各形状
記憶合金パイプ54a〜54hに図10(A)に示すよ
うに軸方向に沿って複数の関節部61a〜61fを設
け、各関節部61a〜61fに図10(B)に示す屈曲
形状を予め記憶させたものである。なお、各関節部61
a〜61fは第1の湾曲管52および第2の湾曲管53
の薄肉部16の部分と対応する位置に配置されている。
【0062】さらに、各形状記憶合金パイプ54a〜5
4hの外周面には各関節部61a〜61fと対応する位
置にそれぞれヒータ62が独立に装着されている。ここ
で、各関節部61a〜61fのヒータ62は図示しない
手元側の制御装置によりそれぞれ独立に加熱制御できる
ようになっており、任意の位置の関節部61a〜61f
を選択的に加熱できるようになっている。
【0063】そして、本実施例の動作時には図示しない
手元側の制御装置により複数の形状記憶合金パイプ54
a〜54hのうちどのパイプを選択するのかを決め、さ
らにそのパイプの複数の関節部61a〜61fのうちど
の位置の関節部のヒータ62に通電加熱するかを決める
ことにより、各関節部61a〜61fをそれぞれ任意の
方向に曲げることができる。これにより、管状構造体5
1における第1の湾曲管52および第2の湾曲管53の
薄肉部16の部分を選択的に曲げてこの管状構造体51
を望みの方向に曲げることが可能である。
【0064】そこで、上記構成のものにあっては管状構
造体51を多自由度に湾曲動作の制御が可能であり、管
状構造体51の湾曲動作を正確に制御することができ
る。さらに、各形状記憶合金パイプ54a〜54hの内
部に空間を有しているため、各形状記憶合金パイプ54
a〜54hの内部空間を内蔵物の収納等に利用すること
ができ、管状構造体51の内部スペースを有効利用する
ことができる。
【0065】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形
実施できることは勿論である。次に、本出願の他の特徴
的な技術事項を下記の通り付記する。
【0066】記 (付記項1) 円筒状の熱弾性マルテンサイト変態を起
こす金属材料より成り、その一部の肉厚が薄くなってい
ることを特徴とする湾曲可撓管。
【0067】(付記項2) 前記薄肉部以外の金属材料
の表面に導電材料が形成されている付記項1に記載の湾
曲可撓管。 (付記項3) 前記金属材料はNiTi系合金である付
記項1,2に記載の湾曲可撓管。
【0068】(付記項4) 前記円筒状金属材料は円周
に沿って薄肉部を形成し、その薄肉部は一定間隔で軸方
向に複数設けられている付記項1,2に記載の湾曲可撓
管。 (付記項5) 前記円筒状金属材料に対して加熱手段を
設けた付記項1,2に記載の湾曲可撓管。
【0069】(付記項6) 前記加熱手段は該金属材料
への通電加熱である付記項5に記載の湾曲可撓管。 (付記項7) 前記加熱手段は該金属材料に沿って設け
たヒータである付記項5に記載の湾曲可撓管。
【0070】(付記項8) 前記NiTi系合金は応力
誘起マルテンサイト変態を起こすものである付記項3に
記載の湾曲可撓管。 (付記項9) 円筒状の熱弾性マルテンサイト変態を起
こす金属材料の表面に耐エッチングコートを施し、その
後選択的に金属表面を露出させる工程と、露出部分をエ
ッチングにより薄肉化する工程とを有する湾曲可撓管の
製造方法。
【0071】(付記項10) 前記導電材料は白金であ
る付記項2に記載の湾曲管。 (付記項11) 付記項1に記載の湾曲可撓管を挿入部
の一部に有し、観察手段と、照明手段とを備えたことを
特徴とする内視鏡。
【0072】(付記項12) 湾曲形状を記憶処理され
熱弾性マルテンサイト変態を起こすNiTi系合金円筒
部材は管状構造部材内に複数配置されると共に、それぞ
れ記憶している湾曲形状が異なる向きになるよう配置さ
れ、該円筒部材内部には導光手段、画像伝送手段、加熱
手段が内蔵されていることを特徴とする内視鏡。
【0073】(付記項13) 前記円筒部材は管状構造
体内部に円環状に並べて配置されている付記項12に記
載の内視鏡。 (付記項14) 前記管状構造体は弾性チューブである
付記項12に記載の内視鏡。 (付記項15) 前記加熱手段はヒータである付記項1
2に記載の内視鏡。
【0074】
【発明の効果】この発明によれば熱弾性マルテンサイト
変態を起こす金属材料より成る管体を設け、この管体の
一部に肉厚を薄くして変形しやすくした薄肉部を設けた
ので、組立の必要がなく、容易に形成できるとともに、
湾曲管全体の強度を十分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例を示すもので、(A)
は湾曲管の内面に固定された操作ワイヤの配置状態を示
す正面図、(B)は湾曲管の上半分を断面にして示す側
面図。
【図2】 医用内視鏡全体の概略構成を示す斜視図。
【図3】 湾曲管の製作手順を説明する説明図。
【図4】 本発明の第2の実施例の湾曲管の製作手順を
説明する説明図。
【図5】 本発明の第3の実施例を示すもので、(A)
は内視鏡の湾曲部を示す断面斜視図、(B)は(A)の
1 −L1 線断面図。
【図6】 2つの湾曲管の薄肉部の配置状態を示す側面
図。
【図7】 (A)は形状記憶合金パイプに取付けられた
ヒータの取付け状態を示す斜視図、(B)はヒータの取
付け状態の変形例を示す斜視図、(C)はヒータの取付
け状態のさらに別の変形例を示す斜視図。
【図8】 (A)は形状記憶合金パイプの曲げ形状の記
憶方向の一例を示す横断面図、(B)は形状記憶合金パ
イプの曲げ形状の記憶方向の他の例を示す横断面図。
【図9】 湾曲管の湾曲状態を示す側面図。
【図10】 本発明の第4の実施例を示すもので、
(A)は湾曲前の状態を示す側面図、(B)は湾曲管の
湾曲状態を示す側面図。
【符号の説明】
14,32…管体、16,35…薄肉部。
フロントページの続き (72)発明者 金子 新二 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱弾性マルテンサイト変態を起こす金属
    材料より成る管体を設け、この管体の一部に肉厚を薄く
    して変形しやすくした薄肉部を設けたことを特徴とする
    湾曲可撓管。
JP6265135A 1994-10-28 1994-10-28 湾曲可撓管 Pending JPH08122655A (ja)

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