JPH08121892A - タービン式膨張機の運転制御方法 - Google Patents

タービン式膨張機の運転制御方法

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JPH08121892A
JPH08121892A JP26285594A JP26285594A JPH08121892A JP H08121892 A JPH08121892 A JP H08121892A JP 26285594 A JP26285594 A JP 26285594A JP 26285594 A JP26285594 A JP 26285594A JP H08121892 A JPH08121892 A JP H08121892A
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JP
Japan
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turbine
expander
temperature
inlet temperature
inlet
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JP26285594A
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English (en)
Inventor
Youichi Uetaniuchi
洋一 上谷内
Masato Asao
真人 浅尾
Iwao Kawashima
巌 河島
Koichi Shinkai
光一 新開
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 二段直列に配された各タービン式膨張機の過
負荷運転を防ぎながら、迅速な予冷を行う。 【構成】 直列に配されたタービン式膨張機11,12
の中間部分の圧力(中間段圧力)の制限値を複数のステ
ップに分けて上げ、この制限値に基づいて運転圧力を徐
々に昇圧する。予冷初期は、上記ステップの移行タイミ
ングを、下流側タービン式膨張機12の入口温度が一定
温度以下になるタイミングに基づいて設定する。下流側
タービン式膨張機12の入口温度が上流側タービン式膨
張機11の入口温度よりも下がる時点以降のステップの
うちの少なくとも一つのステップへの移行タイミング
は、少なくとも上流側タービン式膨張機11が一定温度
以下になるタイミングに基づいて設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、相互直列に接続された
二段のタービン式膨張機の運転制御であって、特にその
予冷時(起動してから安定運転状態に至るまでの立上り
時)に有用な運転制御の方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヘリウム冷凍機をはじめとする多くの極
低温冷凍液化装置においては、寒冷発生用の冷媒循環通
路に、タービン式膨張機が二段にわたって相互直列に配
されている。これらのタービン式膨張機の起動により、
液化冷凍装置は常温から設計点の温度まで次第に冷却さ
れるが、この設計点に至るまでの起動時間はなるべく短
縮することが好ましい。この起動時間は、タービン式膨
張機の発生する寒冷量Qが多いほど短くなるが、この寒
冷量Qは一般に次式で表される。
【0003】
【数1】Q=K1・Pi・√Ti・f(π) ここで、K1は定数、Piはタービン入口圧力、Tiは入
口温度、πは圧力比(=Pi/Pe)、Peはタービン出
口圧力、f(π)はπとともに増加する関数である。こ
の数1から明らかなように、寒冷量Qを急増させるに
は、タービン入口圧力Piを急増させればよい。しかし
ながら、このタービン入口圧力Piを過度に上昇させる
と、タービン式膨張機の回転数が異常に増大し(以下、
過回転と称する。)、その結果、焼き付き等のトラブル
を起こすおそれがある。
【0004】そこで、このようなタービン式膨張機の過
回転を防ぎながら迅速に予冷を行うための運転制御方法
として、次のようなものが提案されている。
【0005】A)特公平3−17062号公報:上流側
タービン式膨張機の入口温度に対応する下流側タービン
入口圧力の制限値を予め設定しておき、この制限値まで
低温側タービン式膨張機の入口圧力を圧力制御弁によっ
て昇圧する動作と、この動作後、タービン式膨張機の入
口温度が平衡終端入口温度に達するまで圧力状態を維持
する動作とを交互に行う(図3参照)。この方法によれ
ば、上記圧力制御弁の制御によって低温側タービン式膨
張機の入口圧力を制御することにより、低温側タービン
式膨張機が過速度で回転するのを防ぎながら、速やかに
液化冷凍装置を予冷できる。
【0006】B)特開平3−156256号公報:下流
側タービン式膨張機の入口圧力を検出し、この入口圧力
が設定値以下となるように上流側タービン式膨張機の入
口弁開度を制御するとともに、上記設定値を下流側ター
ビン式膨張機の入口温度の降下に基づいて複数段階に分
けて上昇させる。
【0007】C)特開平5−296589号公報:上流
側タービン式膨張機の入口温度に基づいて下流側タービ
ン式膨張機の入口圧力の制限値を設定し、この制限値と
実際の検出圧力値との比較に基づいて上流側タービン式
膨張機の入口圧力に関する第1目標値を演算すると同時
に、上記上流側タービン式膨張機の入口温度と上記低温
側タービン式膨張機の入口温度との大小関係に基づいて
上流側タービン式膨張機の入口圧力に関係する第2目標
値を演算し、上記第1目標値、第2目標値のうち高温タ
ービンの入口圧力が小さくなる方の目標値に基づいてこ
の入口圧力の制御を行う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般に、上記液化冷凍
装置の予冷は次の順序で行われる。
【0009】 最初は冷媒循環回路に液体ヘリウムデ
ュワーを接続せず、両タービン式膨張機の上流側熱交換
器に供給される液体窒素の寒冷のみで予冷する。このと
き、主圧縮機からの供給ヘリウムガスは、予冷バイパス
通路を通じて加温器経由で戻される。
【0010】 の予冷により冷媒温度が一定以下ま
で下がった時点から、上記冷媒循環回路に液体ヘリウム
デュワーを接続し、ヘリウム蒸発ガスの寒冷も利用して
定常運転温度まで予冷する。このとき、主圧縮機からの
供給ヘリウムガスは、液体ヘリウムデュワーを経由して
保冷箱内流路を通って戻る。
【0011】このため、上記上流側タービン式膨張機の
入口温度及び下流側タービン式膨張機の入口温度は、例
えば図2の曲線41,42のように変化する。すなわ
ち、予冷当初は、上流側での液体窒素供給による冷却の
みがなされるため、曲線41のように上流側タービン式
膨張機の入口温度が先行して液体窒素温度まで急降下
し、これより遅いペースで曲線42のように下流側ター
ビン式膨張機の入口温度も下がる。しかし、予冷が進む
と、デュワー接続に伴うヘリウム蒸発ガスによる冷却
の開始、JT弁でのジュール・トムソン効果による冷
却の開始、低温側熱交換器が高温側熱交換器よりも熱
容量が小さいこと、等に起因して入口温度が逆転し、下
流側タービン式膨張機の入口温度が上流側タービン式膨
張機の入口温度よりも先行して下がる。
【0012】ここで、上記A)の方法では、上流側ター
ビン式膨張機入口温度のみに基づいて下流側タービン式
膨張機入口圧力の制限値を段階的に上げるようにしてい
るので、特に予冷初期、下がり方の遅い下流側タービン
式膨張機の入口温度が高いままその入口圧力が昇圧され
るおそれがあり、よって下流側タービン式膨張機が過回
転するおそれがある。
【0013】逆に、B)の方法では、下流側タービン式
膨張機の入口温度のみに基づいて下流側タービン式膨張
機入口圧力の制限値を段階的に上げるようにしているの
で、特に予冷後期、下がり方の遅い上流側タービン式膨
張機の入口温度がまだ高いのに昇圧が進められるおそれ
があり、よって上流側タービン式膨張機が過回転するお
それがある。
【0014】これに対し、C)の方法では、上流側ター
ビン式膨張機の入口温度に基づく第1目標値と、上流側
タービン式膨張機の入口温度と低温側タービン式膨張機
の入口温度との大小関係に基づいて演算される第2目標
値との双方を考慮して運転制御しているため、一方のタ
ービン式膨張機の入口圧力が異常に高まることは防がれ
るが、この方法では制御が複雑でそのために大がかりな
設備が必要であり、コストアップは免れ得ない。従っ
て、比較的小型の液化冷凍装置等におけるタービン式膨
張機の運転には不向きである。
【0015】本発明は、このような事情に鑑み、簡単な
制御で、両タービン式膨張機の過負荷運転を確実に防ぎ
ながら、迅速に予冷を行うことができるタービン式膨張
機の運転制御方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、寒冷を発生さ
せるための冷媒循環回路に相互直列に配された二段の寒
冷発生用タービン式膨張機の運転制御方法であって、両
タービン式膨張機同士の中間部分の圧力の制限値を時間
経過とともに3つ以上のステップに分けて上昇させ、上
記中間部分の実際の圧力を上記制限値以下に抑えながら
段階的に上昇させるとともに、少なくとも最初のステッ
プから次のステップへ移行するタイミングは、下流側タ
ービン式膨張機の入口温度が予め設定された一定温度以
下になるタイミングに基づいて設定し、下流側タービン
式膨張機の入口温度が上流側タービン式膨張機の入口温
度よりも下がる時点以降のステップのうちの少なくとも
一つのステップへの移行タイミングは、上流側タービン
式膨張機の入口温度が予め設定された一定温度以下にな
るタイミングに基づいて設定するものである(請求項
1)。
【0017】この方法では、下流側タービン式膨張機の
入口温度が上流側タービン式膨張機の入口温度よりも下
がる時点以降のステップのうちの少なくとも一つのステ
ップへの移行タイミングは、上流側タービン式膨張機の
入口温度が予め設定された一定温度以下になるタイミン
グと下流側タービン式膨張機の入口温度が予め設定され
た一定温度以下になるタイミングとの双方に基づいて設
定するのが、より好ましい(請求項2)。
【0018】また、下流側タービン式膨張機の入口温度
が上流側タービン式膨張機の入口温度よりも下がる時点
以降のステップのうちの少なくとも一つのステップで、
上流側タービン式膨張機の入口温度が予め設定された一
定温度以上でかつ下流側タービン式膨張機の入口温度が
予め設定された一定温度以下の時に、下流側タービン式
膨張機よりも低温段側の冷媒を上記上流側タービン式膨
張機よりも高温段側に一定時間バイパスさせることによ
り、後述のようなより優れた効果が得られる(請求項
3)。
【0019】
【作用】上記方法によれば、両タービン式膨張機の中間
部分の圧力(以下、中間段圧力と称する。)の制限値が
段階的に上げられ、この制限値に基づいて運転圧力が徐
々に昇圧される。ここで、予冷初期は、最初のステップ
から次のステップへ移行するタイミングが、上流側ター
ビン式膨張機の入口温度よりも下がり方の遅い下流側タ
ービン式膨張機の入口温度に基づいて設定されるため、
この下流側タービン式膨張機の入口温度が高いまま圧力
制限値が上げられることはない。その後予冷が進み、下
流側タービン式膨張機の入口温度が上流側タービン式膨
張機の入口温度よりも下がる時点以降のステップのうち
の少なくとも一つのステップへの移行タイミングは、下
流側タービン式膨張機よりも下がり方の遅い上流側ター
ビン式膨張機の入口温度に基づいて設定されるため、こ
の上流側タービン式膨張機の入口温度が高いまま制限値
が上げられることはない。従って、予冷初期から終期に
至るまで、中間段圧力の過早上昇が防がれ、これに起因
するタービン式膨張機の過回転が双方のタービン式膨張
機について防止される。
【0020】この方法において、予冷が進んでも何らか
の要因で上流側タービン式膨張機の入口温度と比較して
下流側タービン式膨張機の入口温度の降下が計画より遅
くなってしまった場合、すなわち、両タービン式膨張機
の入口温度の差が予定より縮まってしまった場合には、
上流側タービン式膨張機の入口温度のみに基づいてステ
ップ移行タイミングを設定すると、実際には下流側ター
ビン式膨張機の入口温度が十分下がっていないにもかか
わらず中間段圧力が上げられ、下流側タービン式膨張機
に過回転が生じるおそれがある。しかし、請求項2記載
のように、上記ステップの移行タイミングを、上流側タ
ービン式膨張機の入口温度が一定温度以下になりかつ下
流側タービン式膨張機の入口温度が一定温度以下になる
タイミングに設定すれば、双方のタービン式膨張機の過
回転をより確実に防止できる。
【0021】逆に、何らかの要因で上流側タービン式膨
張機の入口温度と比較して下流側タービン式膨張機の入
口温度の降下が計画より進んでしまった場合、すなわ
ち、両タービン式膨張機の入口温度の差が予定よりも開
いてしまった場合には、下流側タービン式膨張機の入口
温度に対する上流側タービン式膨張機の入口温度の比が
過度に高まることにより、上流側タービン式膨張機に過
回転が生じるおそれがある。しかし、請求項3記載のよ
うに、下流側タービン式膨張機の入口温度が上流側ター
ビン式膨張機の入口温度よりも下がる時点以降のステッ
プのうちの少なくとも一つのステップで、上流側タービ
ン式膨張機の入口温度が一定温度以上になりかつ下流側
タービン式膨張機の入口温度が一定温度以下になった時
に、下流側タービン式膨張機よりも低温段側の冷媒を上
記上流側タービン式膨張機よりも高温段側に一定時間バ
イパスさせるようにすれば、このバイパスした分だけ、
下流側タービン式膨張機を冷却する能力を下げてその入
口温度を上げることができ、これにより上記温度比の過
度の増大を抑制して上流側タービン式膨張機の過回転を
防ぐことができる。
【0022】
【実施例】本発明の第1実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0023】図1は本発明方法が実施されるヘリウム液
化冷凍装置を示したものである。同図において、1は液
体ヘリウムデュワー(容器)、2は保冷箱であり、液体
ヘリウムデュワー1内には冷媒であるヘリウムが収容さ
れ、保冷箱2内には低温側から順に5つの熱交換器5,
6,7,8,9が設置されている。
【0024】保冷箱2の外部には圧縮機10が設けら
れ、この圧縮機10の吐出側が熱交換器9,8,7,
6,5をこの順に通る高圧供給ライン3を介して液体ヘ
リウムデュワー1内に接続されるとともに、この液体ヘ
リウムデュワー1内が熱交換器5,6,7,8,9をこ
の順に通る低圧戻りライン4を介して圧縮機10の吸込
み側に接続されている。上記高圧供給ライン3におい
て、熱交換器5の出口側の位置にはJT弁14が設けら
れ、上記戻りライン4において、熱交換器5の入口側の
位置にはデュワー戻り弁19が設けられている。
【0025】なお、本発明のタービン式膨張機運転制御
方法は、両ライン3,4が液体ヘリウムデュワー1に接
続された液化冷凍装置に限らず、両ライン3,4が冷凍
負荷のみに接続された冷凍装置に対しても適用が可能で
ある。
【0026】上記高圧供給ライン3において上記熱交換
器8,9同士の間に位置する箇所と、低圧戻りライン4
において熱交換器5,6同士の間に位置する箇所とは、
タービンライン13を介して接続されている。このター
ビンライン13は熱交換器7を通っており、この熱交換
器7よりも上流側の位置には上流側タービン式膨張機
(以下、単に「第1タービン」と称する。)11が設け
られ、熱交換器7よりも下流側の位置には下流側タービ
ン式膨張機(以下、単に「第2タービン」と称する。)
12が設けられている。従って、両タービン11,12
はタービンライン13に相互直列に配された状態となっ
ている。
【0027】タービンライン13において、上記高圧供
給ライン3から第1タービン11に至るまでの部分に
は、温度センサ16A及びタービン入口弁15が設けら
れ、上記熱交換器7から第2タービン12に至るまでの
部分には、圧力センサ17及び温度センサ16Bが設け
られている。
【0028】上記温度センサ16A及び温度センサ16
Bの検出信号は、温度設定器18A,18Bにそれぞれ
入力されるようになっている。温度設定器18Aは、温
度センサ16Aにより検出される第1タービン11の入
口温度T1と予め設定された一定の判定温度とを比較
し、その判定信号を出力するものであり、同様に温度設
定器18Bは、温度センサ16Bにより検出される第2
タービン12の入口温度T2と予め設定された一定の判
定温度とを比較し、その判定信号を出力するものであ
る。
【0029】これらの判定信号は、圧力調節器20に入
力されるようになっている。この圧力調節器20は、実
際の第2タービン12の入口圧力(以下、中間段圧力と
称する。)を検出する一方、上記温度設定器18A,1
8Bから出力される温度判定信号に基づいて中間段圧力
制限値を定め、前者の検出値を後者の制限値以下に抑え
ながら上記タービン入口弁15の開度を段階的に増大さ
せる(すなわち運転圧力を徐々に増大させる)ものであ
る。
【0030】より具体的に、上記中間段圧力の制限値
は、予冷の進行とともに複数段階(ステップ)に分けて
上げていき、一つのステップから次のステップへ移行す
るタイミングは、上記温度設定器18A,18Bの温度
判定信号に基づいて定めるように、上記圧力調節器20
が構成されている。その内容を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】この表に示されるように、予冷当初の第1
ステップでは、圧力制限値が 3.0kg/cm2Gに定められ、
同様に、第2ステップでは圧力制限値が 6.0kg/cm2G
に、第3ステップでは圧力制限値が 9.0kg/cm2Gに、そ
れぞれ定められる。また、第1ステップから第2ステッ
プへ移行するタイミングは、第2タービン入口温度T2
が120K(ケルビン)以下となるタイミングに定めら
れ、第2ステップから第3ステップへ移行するタイミン
グは、第1タービン入口温度T1が60K以下となるタ
イミングに定められている。
【0033】上記高圧供給ライン3において上記JT弁
14と熱交換器5との間に位置する箇所は、予冷バイパ
スライン21を介して圧縮機10の吸込み口に接続さ
れ、この予冷バイパスライン21の途中には、ガス加温
器22及び予冷バイパス弁23が設けられている。ま
た、高圧供給ライン3において上記予冷バイパスライン
21の接続箇所と熱交換器5との間に位置する箇所に
は、温度センサ25が設けられ、この温度センサ25に
温度設定器24が接続されている。この温度設定器24
は、温度センサ25により検出された温度が一定温度
(例えば120K)を上回る間は、上記デュワー戻り弁
19及びJT弁14を閉じて予冷バイパス弁23を開
き、上記検出温度が上記一定温度以下になると、上記デ
ュワー戻り弁19及びJT弁14を開いて予冷バイパス
弁23を閉じるように構成されている。
【0034】次に、この装置の作用を、図2も併せて参
照しながら説明する。なお、この図2において、曲線4
1は第1タービン入口温度T1の時間変化を示し、曲線
42は第2タービン入口温度T2の時間変化を示し、線
43は中間段圧力の圧力制限値の時間変化を示す。
【0035】まず、予冷当初は、上記デュワー戻り弁1
9及びJT弁14が閉じて予冷バイパス弁23が開いて
おり、熱交換器9のみに予冷用の液体窒素が通された状
態で、圧縮機10が作動する。この圧縮機10から吐出
される冷媒(ヘリウム)は、高圧供給ライン3を通って
熱交換器9で液体窒素により冷却された後、予冷バイパ
スライン21のガス加温器22で常温まで加温されなが
ら圧縮機10の吸込み口に戻される。また、圧縮機10
から吐出されたヘリウムの一部は、タービンライン13
の第1タービン11及び第2タービン12を順に通過
し、低圧戻りライン4を通じて上記圧縮機10に戻され
る。
【0036】この予冷初期は、表1の第1ステップにあ
り、中間段圧力制限値は 3.0kg/cm2Gに設定されてい
る。従って、この制限値に実際の中間段圧力が到達する
までタービン入口弁15が開かれ、その後は上記制限値
に中間段圧力を保持するようにタービン入口弁15の開
度が制御される。
【0037】上記のように、この予冷初期では専ら熱交
換器9への液体窒素の供給のみで予冷が進められるの
で、図2に示すように、両タービン11,12のうち熱
交換器9に近い第1タービン11の入口温度T1が、第
2タービン12の入口温度T2よりも速いペースで降下
する。従って、第1タービン入口温度T1が先に液体窒
素温度に到達し、これに遅れて第2タービン入口温度T
2も液体窒素温度まで降下する。その途中、この第2タ
ービン入口温度T2が120K以下となった時点で、第
1ステップから第2ステップに移り、圧力制限値は上記
3.0kg/cm2Gから6.0kg/cm2Gに切換えられる。従って、
この切換後は、実際の中間段圧力が 6.0kg/cm2G に到達
するまでタービン入口弁15の開度が増加され、その後
は中間段圧力を 6.0kg/cm2G に維持するように上記開度
が制御される。
【0038】その後、予冷が進み、温度センサ25によ
る検出温度が一定温度まで降下した時点(図2では時刻
to)で、上記デュワー戻り弁19及びJT弁14が開
かれ、予冷バイパス弁23が閉じられる。すなわち、冷
媒循環回路がJT弁14及びデュワー戻り弁19を介し
て液体ヘリウムデュワー1に接続され、液体ヘリウムデ
ュワー1内の蒸発ヘリウムガスが熱交換器5〜9を通る
低圧戻りライン4を通じて圧縮機10に吸込まれる。ま
た、JT弁14を通るヘリウムガス温度が一定以下にな
ると、ジュール−トムソン効果による冷却も始まる。
【0039】この段階に入ると、蒸発ヘリウムガスの寒
冷、JT弁14での冷却効果、低温側の熱交換器5,6
が高温側の熱交換器9よりも熱容量が小さいこと、等に
起因して、第1タービン入口温度T1よりも第2タービ
ン入口温度T2の降下ペースが速くなり、両温度T1,
T2は逆転する。そして、第2タービン入口温度T2よ
りも遅れて降下する第1タービン入口温度T1が60K
以下となった時点で、第2ステップから第3ステップに
移行し、中間段圧力の制限値はそれまでの 6.0kg/cm2G
から 9.0kg/cm2Gに切換えられる。
【0040】この運転制御方法によれば、第1タービン
入口温度T1に比べて第2タービン入口温度T2の降下
ペースが遅い予冷初期では、第2タービン入口温度T2
が一定温度(この実施例では120K)以下になるタイ
ミングを圧力制限値アップのタイミング(第1ステップ
から第2ステップへ移行するタイミング)に設定してい
るので、この第2タービン入口温度T2が高い値に取り
残されたままタービン運転圧力が昇圧されるのを防ぎ、
この過早昇圧による第2タービン12の過回転を防ぐこ
とができる。一方、予冷が進み、両温度T1,T2が逆
転して第1タービン入口温度T1よりも第2タービン入
口温度T2が先に降下する予冷後期では、上記第1ター
ビン入口温度T1が上記逆転温度よりも低い一定の温度
(この実施例では60K)以下になるタイミングを圧力
制限値アップのタイミング(第2ステップから第3ステ
ップへ移行するタイミング)に設定しているので、第1
タービン入口温度T1が高い値に取り残されたままター
ビン運転圧力が昇圧されるのを防ぎ、この過早昇圧に起
因する第1タービン11の過回転を防ぐことができる。
【0041】従って、この方法によれば、予冷初期から
終期に至るまで、双方のタービン11,12の過回転を
防ぎながら迅速に予冷を進めることができる。このよう
な迅速な予冷により、短い日数で試運転調整を終了して
ユーザに提供でき、コストの削減も図ることができる。
【0042】次に、第2実施例を説明する。この実施例
では、次の表2に示すように圧力制限値の切換タイミン
グ(ステップの移行タイミング)が設定されている。
【0043】
【表2】
【0044】すなわち、この実施例では、中間段圧力制
限値が5段階に分けて切換えられ、しかも、第3ステッ
プから第4ステップへの移行タイミングは、第1タービ
ン入口温度T1が90K以下となり、かつ、第2タービ
ン入口温度T2が60K以下となるタイミングに設定さ
れている。
【0045】このように、第3ステップから第4ステッ
プへの移行タイミングを、第1タービン入口温度T1と
第2タービン入口温度T2との双方に基づいて設定すれ
ば、双方のタービン11,12の過回転をより確実に防
ぐことができる。すなわち、上記タイミングを第1実施
例と同様に第1タービン入口温度T1のみに基づいて設
定した場合、例えば液体ヘリウムデュワー1からの蒸発
ガスの寒冷が計画よりも少ない等の理由で第2タービン
入口温度T2の降下ペースが予定よりも遅くなった場
合、この第2タービン入口温度T2が高いまま圧力制限
値が 8.0kg/cm2Gから 9.0kg/cm2G に上げられ、第2タ
ービン12の過回転が生じるおそれがあるが、,この第
2実施例のように双方のタービン入口温度T1,T2を
監視して圧力制限値の切換を行えば、双方のタービン1
1,12の過回転をより確実に防ぐことが可能になる。
【0046】なお、上記表2に示すように、第4ステッ
プから第5ステップへの移行タイミングは、第2タービ
ン入口温度T2に基づいて設定しているが、このタイミ
ングは第1タービン入口温度T1に基づいて設定しても
よい。この段階では予冷が十分に進んで両入口温度T
1,T2の比が安定しており、どちらの入口温度に基づ
いてタイミングを判定してもタービン過回転のおそれが
ないからである。逆にいえば、双方のタービン入口温度
T1,T2に基づくステップ移行タイミングの設定は、
これらの入口温度T1,T2が不安定な時期にあるステ
ップについて行えばよい。
【0047】上記各実施例において、液体ヘリウムデュ
ワー1からの蒸発ガスの寒冷が計画よりも多い等の理由
で、第2タービン入口温度T2の降下ペースが予定より
も進み、両タービン入口温度T1,T2の差が異常に開
くと、温度比T1/T2が過大となって第1タービン1
1の過回転が生じるおそれがある。その対策としては、
例えば上記第1実施例において、第2ステップにある
時、第1タービン入口温度T1が一定温度(例えば12
0K)以上でかつ第2タービン入口温度T2が一定温度
(例えば60K)以下となった場合、予冷バイパス弁2
3を一定時間(例えば10分間)だけ開くような運転を
行えばよい。このような予冷バイパス弁23の開弁によ
り、高圧供給ライン13の流量を増やし、結果として低
圧戻りライン14を流れる蒸発ガスの寒冷による冷却能
力を相対的に低下させ、第2タービン入口温度T2の温
度降下を抑制できるため、上記温度比T1/T2が過大
となるのを防ぎ、第1タービン11の過回転を防止でき
る。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明は、両タービン式膨
張機の中間部分の圧力(以下、中間段圧力と称する。)
の制限値を複数のステップに分けて上げ、この制限値に
基づいて運転圧力を徐々に昇圧するとともに、予冷初期
は、ステップの移行タイミングを、上流側タービン式膨
張機の入口温度よりも下がりにくい下流側タービン式膨
張機の入口温度に基づいて設定し、下流側タービン式膨
張機の入口温度が上流側タービン式膨張機の入口温度よ
りも下がる時点以降のステップのうちの少なくとも一つ
のステップへの移行タイミングは、下流側タービン式膨
張機の入口温度よりも下がりにくい上流側タービン式膨
張機の入口温度に基づいて設定するものであるので、大
がかりな設備を要しない簡単な制御で、両タービン式膨
張機の過負荷運転を防ぎながら、迅速に予冷を行うこと
ができる効果がある。
【0049】さらに、請求項2記載の方法では、下流側
タービン式膨張機の入口温度が上流側タービン式膨張機
の入口温度よりも下がる時点以降のステップのうちの少
なくとも一つのステップへの移行タイミングを、上流側
タービン式膨張機の入口温度が一定温度以下になりかつ
下流側タービン式膨張機の入口温度が一定温度以下にな
るタイミングに設定しているので、上流側タービン式膨
張機の入口温度と比較して下流側タービン式膨張機の入
口温度の降下が計画よりも遅くなってしまった場合、す
なわち、両タービン式膨張機の入口温度の差が予定より
縮まってしまった場合でも、下流側タービン式膨張機の
過回転を防ぐことができ、より安全なタービン式膨張機
の運転を確保できる効果がある。
【0050】また、請求項3記載の方法では、下流側タ
ービン式膨張機の入口温度が上流側タービン式膨張機の
入口温度よりも下がる時点以降のステップのうちの少な
くとも一つのステップで、上流側タービン式膨張機の入
口温度が一定温度以上になりかつ下流側タービン式膨張
機の入口温度が一定温度以下になった時に、下流側ター
ビン式膨張機よりも低温段側の冷媒を上記上流側タービ
ン式膨張機よりも高温段側に一定時間バイパスさせるも
のであるので、何らかの要因で上流側タービン式膨張機
の入口温度と比較して下流側タービン式膨張機の入口温
度の降下が計画よりも進んでしまった場合、すなわち、
両タービン式膨張機の入口温度の差が予定よりも開いて
しまった場合にも、上記バイパス分だけ下流側タービン
式膨張機を冷却する能力を下げてその入口温度を上げ、
第2タービン式膨張機入口温度に対する第1タービン式
膨張機入口温度の比を抑えることにより、上流側タービ
ン式膨張機の過回転を防止でき、より安全なタービン式
膨張機の運転を確保できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるヘリウム液化冷凍
装置の全体構成を示すフローシートである。
【図2】上記液化冷凍装置における各タービン式膨張機
入口温度等の時間変化を示すグラフである。
【図3】従来のタービン式膨張機運転制御方法で設定さ
れる上流側タービン式膨張機入口圧力と下流側タービン
式膨張機入口温度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
3 高圧供給ライン 4 低圧戻りライン 11 第1タービン(上流側タービン式膨張機) 12 第2タービン(下流側タービン式膨張機) 13 タービンライン 15 タービン入口弁 16A,16B 温度センサ 17 圧力センサ 18A,18B 温度設定器 20 圧力調節器 21 予冷バイパスライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新開 光一 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 寒冷を発生させるための冷媒循環回路に
    相互直列に配された二段の寒冷発生用タービン式膨張機
    の運転制御方法であって、両タービン式膨張機同士の中
    間部分の圧力の制限値を時間経過とともに3つ以上のス
    テップに分けて上昇させ、上記中間部分の実際の圧力を
    上記制限値以下に抑えながら段階的に上昇させるととも
    に、少なくとも最初のステップから次のステップへ移行
    するタイミングは、下流側タービン式膨張機の入口温度
    が予め設定された一定温度以下になるタイミングに基づ
    いて設定し、下流側タービン式膨張機の入口温度が上流
    側タービン式膨張機の入口温度よりも下がる時点以降の
    ステップのうちの少なくとも一つのステップへの移行タ
    イミングは、上流側タービン式膨張機の入口温度が予め
    設定された一定温度以下になるタイミングに基づいて設
    定することを特徴とするタービン式膨張機の運転制御方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のタービン式膨張機の運転
    制御方法において、下流側タービン式膨張機の入口温度
    が上流側タービン式膨張機の入口温度よりも下がる時点
    以降のステップのうちの少なくとも一つのステップへの
    移行タイミングは、上流側タービン式膨張機の入口温度
    が予め設定された一定温度以下になるタイミングと下流
    側タービン式膨張機の入口温度が予め設定された一定温
    度以下になるタイミングとの双方に基づいて設定するこ
    とを特徴とするタービン式膨張機の運転制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のタービン式膨張
    機の運転制御方法において、下流側タービン式膨張機の
    入口温度が上流側タービン式膨張機の入口温度よりも下
    がる時点以降のステップのうちの少なくとも一つのステ
    ップで、上流側タービン式膨張機の入口温度が予め設定
    された一定温度以上でかつ下流側タービン式膨張機の入
    口温度が予め設定された一定温度以下の時に、下流側タ
    ービン式膨張機よりも低温段側の冷媒を上記上流側ター
    ビン式膨張機よりも高温段側に一定時間バイパスさせる
    ことを特徴とするタービン式膨張機の運転制御方法。
JP26285594A 1994-10-26 1994-10-26 タービン式膨張機の運転制御方法 Pending JPH08121892A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012068010A (ja) * 2010-08-11 2012-04-05 Nuovo Pignone Spa エキスパンダの速度を自動的に制御するために使用する方法および装置
JP2012068011A (ja) * 2010-08-11 2012-04-05 Nuovo Pignone Spa エキスパンダの速度を自動的に制御するために使用する方法および装置
CN108106037A (zh) * 2016-11-24 2018-06-01 日本超导体技术公司 超导磁体装置
JP2021009011A (ja) * 2019-07-03 2021-01-28 日本酸素ホールディングス株式会社 超電導体の冷却装置及び超電導体の冷却方法

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