JPH08120078A - 新規ポリイミド - Google Patents

新規ポリイミド

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JPH08120078A
JPH08120078A JP28125594A JP28125594A JPH08120078A JP H08120078 A JPH08120078 A JP H08120078A JP 28125594 A JP28125594 A JP 28125594A JP 28125594 A JP28125594 A JP 28125594A JP H08120078 A JPH08120078 A JP H08120078A
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JP
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liquid crystal
polyimide
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alignment film
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JP28125594A
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English (en)
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Shigeru Sugimori
滋 杉森
Takashi Kato
隆 加藤
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ポリイミド製造の際に低温、短時間の焼成で製
造できる電気および電子材料、特に液晶セル製造時にカ
ラーフィルター等の退色劣化を招くことなく、液晶配向
性に優れ、5〜45度の広い範囲でプレチルト角を自由
に制御出来る液晶配向膜として有用な、新規ポリイミド
を提供することである。 【構成】化1で示される構造単位と化2で示される構造
単位から成るポリイミド。 【化1】 (ただしR1は炭素数1〜20のアルキル基を示す。) 【化2】 (ただしmは1〜20の整数、nは1〜2、R2は炭素
数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は側鎖にアルキルエステル
および液晶基を有する新規ポリイミド共重合体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドは市販のプラスチック中最高
の耐熱性を有し、また温度による特性の変化が少なく、
耐衝撃性、寸法安定性、電気特性、耐摩耗性も良い優れ
たプラスチックである。このような特徴を活かして、絶
縁、封止材料やプリント基板などの電気電子分野をはじ
め、航空宇宙用、機械用素材として使用されている。ま
た近年、液晶表示素子の配向膜材料としても注目されて
おり、多くのポリイミド系液晶配向膜が開発されてい
る。
【0003】時計や電卓に用いられている液晶表示素子
には、上下2枚で1対をなす電極基板の間でネマチック
液晶分子の配列方向を90度捻った構造のツイステッド
ネマチック(以下TNと略す)モードが主に採用されて
いる。また、液晶のねじれ角を180〜270度にした
スーパーツイステッドネマチック(以下STNと略す)
モードも現在一般的になり、ワープロ、パソコンなどの
大型ディスプレイ用として大量に生産されている。この
ような液晶表示素子に使用される配向膜は、単に液晶分
子を配列させるだけでは不十分であり、応答性を良くし
双安定性を確実にするため、基板面と液晶分子との間に
TNモードで1〜4度、STNモードで4〜8度のプレ
チルト角をもたせなければならない。また、近年さらに
コントラストや視角依存性が優れた表示素子として、超
捻れ複屈折効果(以下SBEと略す)モードが開発され
ているが、この方式では20〜30度といった高いプレ
チルト角が要求される。
【0004】また液晶表示素子のカラー化が望まれてい
るが、現在広く用いられているカラー表示方式の一つに
カラーフィルター方式があり、液晶カラーテレビやパソ
コン用ディスプレイへの利用が広がっている。この方式
は、基板と透明電極との間にカラーフィルターを設ける
方式である。この方式では、透明電極、カラーフィルタ
ーを付設した基板にポリアミド酸を塗布、乾燥、焼成す
ることによりポリイミド膜を作製するが、染料型のカラ
ーフィルターは比較的耐熱性に劣るため、焼成によりフ
ィルターが退色劣化する可能性がある。従ってカラーフ
ィルターを付設する際には、なるべく低温で焼成するこ
とが好ましい。
【0005】特開平4−100020号公報には側鎖に
直鎖アルキルエステルを有するジアミノ化合物と、3,
3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とから
成る、前記式〔1〕の構造単位を有するポリイミド配向
膜、およびそれを用いた液晶表示素子が開示されてい
る。しかしこの配向膜のプレチルト角については具体的
記述はない。一方、特開平3−179322号公報、特
開平3−179323号公報および特開平5−2724
4号公報には、側鎖に液晶基を有するジアミン成分をモ
ノマーとするポリイミド系液晶配向膜が開示されてい
る。しかしこれらのポリイミドは製造時に200〜25
0℃で1〜2時間の焼成が必要であり、耐熱性の低い染
料カラーフィルターを付設した場合、退色劣化を招くお
それがあった。
【0006】本発明者は側鎖にフレキシブルなアルキル
鎖から成るスペーサーを有し、その先端にフェニルシク
ロヘキシル基またはフェニルビシクロヘキシル基の様な
液晶基を持つジアミン成分と、2,2−ビス(4−アミノ
フェノキシフェニル)−プロパンとをモノマーとして得
られる、低温硬化性に優れたポリイミドを発明し、特願
平6−173269号として特許出願を行ったが、この
ポリイミドを液晶配向膜として用いた場合プレチルト角
は約8度と比較的低い値であった。そこでさらに検討を
重ねた結果、側鎖にフレキシブルなアルキル鎖から成る
スペーサーを有し、その先端にフェニルシクロヘキシル
基、またはフェニルビシクロヘキシル基の様な液晶基を
持つジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物との反応
で得られる、前記式〔2〕の構造単位を有するポリイミ
ド配向膜を製造したところ、30度以上の高いプレチル
ト角を持つことを発見し、特願平6−234162号と
して特許出願を行った。しかしこのポリマーは単独重合
体であるため、目的に応じてプレチルト角を自由に制御
することは困難であった。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】以上のように従来の
ポリイミド系配向膜では、製造の際に、カラーフィルタ
ーの退色劣化を招くおそれがあり、また、プレチルト角
を自由に制御するのは困難であった。本発明の目的はよ
り低温短時間の焼成で製造できる電気および電子材料
用、特に液晶セル製造時にカラーフィルター等の退色を
招くことなく、液晶配向性に優れており、さらに5〜4
5度の広い範囲でプレチルト角を自由に制御出来る液晶
配向膜として有用な、新規ポリイミドを提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは前記
問題点を解決するため鋭意検討を重ねた結果、側鎖にフ
レキシブルなアルキル鎖を有するジアミン成分をモノマ
ーとして得られる、前記式〔1〕の構造単位、および側
鎖にフェニルシクロヘキシル基またはフェニルビシクロ
ヘキシル基の様な、液晶基を持つジアミン成分をモノマ
ーとして得られる、前記式〔2〕の構造単位の共重合体
から成るポリイミドは、比較的低温かつ短時間の焼成で
製造することができる事から、液晶セル製造時にカラー
フィルター等の退色を招くことはなく、製膜性やガラス
基板への密着性および熱的安定性に優れており、かつ液
晶配向性も良好であった。さらに式〔1〕の化合物と式
〔2〕の化合物の組成比を変えることにより、5〜45
度の広い範囲でプレチルト角を自由に制御出来る事を見
いだし、本発明を完成した。
【0009】すなわち本発明の構成は下記の通りであ
る。 (1)式〔1〕で示される構造単位と式〔2〕で示され
る構造単位から成り、式〔1〕の構造単位のモル比が5
〜95モル%であるポリイミド。
【化6】 (ただしR1は炭素数1〜20のアルキル基を示す。)
【化7】 (ただしmは1〜20の整数、nは1〜2、R2は炭素
数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基を示す。) (2)式〔3〕および式〔4〕で示されるジアミノ化合
物と、式〔5〕で示されるテトラカルボン酸二無水物と
を溶媒中で反応させてポリアミック酸を生成し、該ポリ
アミック酸を加熱することにより得られるポリイミド。
【化8】 (ただしR1は炭素数1〜20のアルキル基を示す。)
【化9】 (ただしmは1〜20の整数、nは1〜2、R2は炭素
数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基を示す。)
【化10】 (3)上記第(1)項〜上記第(2)項のいずれかに記
載されたポリイミドを用いたことを特徴とする液晶配向
膜。 (4)上記第(3)項に記載された液晶配向膜を備えた
液晶表示素子。
【0010】本発明においてはポリイミドのアミン成分
として、式〔3〕で示される3,5−ジアミノ安息香酸
アルキルエステルおよび式〔4〕で示される3,5−ジ
アミノ安息香酸〔4−(トランスー4−アルキル−シク
ロヘキシル)フェノキシアルキル〕エステルを用いる。
【化11】 (ただしR1は炭素数1〜20のアルキル基を示す。)
【化12】 (ただしmは1〜20の整数、nは1〜2、R2は炭素
数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基を示す。)
【0011】上記式〔3〕で示される3,5−ジアミノ
安息香酸アルキルエステルは下記化13に従い製造す
る。すなわち、アルコールをトリエチルアミン存在下、
3,5−ジニトロベンゾイルクロリドと縮合し、3,5
−ジニトロ安息香酸アルキルエステルを得、この化合物
をパラジウム−炭素触媒存在下接触還元して3,5−ジ
アミノ安息香酸アルキルエステルを製造する。
【化13】 (ただしR1は炭素数1〜20のアルキル基を示す。)
【0012】上記式〔4〕で示される3,5−ジアミノ
安息香酸〔4−(トランス−4−アルキル−シクロヘキ
シル)フェノキシアルキル〕エステルは下記化14に従
い製造する。すなわち、初めに4−(トランス−4−ア
ルキル−シクロヘキシル)フェノールと、α,ω−アル
キレンハロヒドリンを、過剰の炭酸カリウムの存在下ジ
メチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピ
ロリドン(NMP)、もしくはジメチルホルムアミド
(DMF)等の溶媒中100〜150℃で縮合しアルコ
ール体を得る。続いてこの化合物をトリエチルアミン存
在下、3,5−ジニトロベンゾイルクロリドと縮合し、
3,5−ジニトロ安息香酸〔4−(トランス−4−アル
キル−シクロヘキシル)フェノキシアルキル〕エステル
を得る。最後にこの化合物をパラジウム−炭素触媒存在
下接触還元して3,5−ジアミノ安息香酸〔4−(トラ
ンス−4−アルキル−シクロヘキシル)フェノキシアル
キル〕エステルを製造する。
【0013】
【化14】 (ただしmは1〜20の整数、nは1〜2、R2は炭素
数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基を示す。)
【0014】本発明においては使用するテトラカルボン
酸二無水物は、式〔5〕で示される3,3',4,4'−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)である。
【化15】
【0015】式〔1〕、および式〔2〕で示される構造
単位から成るポリイミド分子中における、各構造単位の
モル比は、式〔1〕が5〜95モル%、式〔2〕が95
〜5モル%である事が好ましく、さらに好ましくは式
〔1〕が30〜70モル%、式〔2〕が70〜30モル
%である。式〔1〕の比率を5モル%以下にすると、得
られるポリイミド配向膜のプレチルト角が低下するとい
う問題が生じる。
【0016】ポリイミド分子中における式〔1〕で示さ
れる構造単位の中の、アルキル基の長さは炭素数3以上
である事が好ましく、さらに好ましくは炭素数6以上で
ある。炭素数3以下であると側鎖方向のフレキシビリテ
ィが低くなり、低温硬化性が悪化する。
【0017】ポリイミド分子中における式〔2〕で示さ
れる構造単位の中のmは3以上である事が好ましく、さ
らに好ましくはmが6以上である。mが3以下であると
側鎖方向のフレキシビリティが低下するため、製造時に
高温の焼成が必要となる。
【0018】上記ジアミンとテトラカルボン酸二無水物
とを縮合反応させてポリアミック酸を得る。これらの反
応は無水の条件下、DMAc、NMP、DMF、ジメチ
ルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、ブチロラク
トン、クレゾール、フェノール、ハロゲン化フェノー
ル、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ンなどの溶媒中、好ましくはNMP溶媒中−10〜30
℃の温度で行う。
【0019】本発明のポリイミドおよび液晶配向膜を基
板上に形成させるには、上記のポリアミック酸を基板上
に塗布し、加熱処理して脱水反応させてポリイミド系高
分子膜を基板上に形成する方法が好ましい。具体的に説
明すると、上記のポリアミック酸を、NMP、DMA
c、DMF、DMSO、ブチルセロソルブ、エチルカル
ビトールなどの溶媒に溶解し、0.1〜30重量%溶液
に調整し、この溶液を刷毛塗り法、浸責法、回転塗布
法、スプレー法、印刷法等により基板上に塗布する。
【0020】塗布後、100〜450℃、好ましくは1
80〜220℃で加熱処理を行い、脱水閉環反応させて
ポリイミド系高分子膜を設ける。塗布前に基板表面上を
シランカップリング剤で処理し、その上に高分子膜を形
成させれば、膜と基板との接着性を改善することができ
る。しかる後、この被膜面を布などで一方向にラビング
して液晶配向膜を得る。
【0021】液晶表示素子として用いる基板は通常ガラ
ス基板で、基板上に電極、具体的にはITO(酸化イン
ジウム−酸化スズ)や酸化スズの透明電極が形成された
基板であるが、さらにこの電極と基板との間に、基板か
らのアルカリ溶出を防止するための絶縁膜、カラーフィ
ルター、カラーフィルターオーバーコート等のアンダー
コート膜を設けてもよく、電極上に絶縁膜、カラーフィ
ルター膜などのオーバーコート膜を設けてもよい。また
電極上にTFT(スィンフィルムトランジスター Th
in−Film−Transistor)素子、MIM
(メタルインシュレーターメタル Metal−Ins
ulator−Metal)素子などの能動素子を形成
していてもよい。これらの電極、アンダーコート、その
他の液晶セル内の構成は、従来の液晶表示素子の構成が
使用可能である。
【0022】上記のように形成された電極付き基板を使
用してセルに組立て、液晶を注入し、注入口を封止して
液晶表示素子を作る。この封入される液晶としては、通
常のネマチック液晶の他、二色性色素を添加した液晶等
種々の液晶が使用できる。本発明の液晶配向膜は、液晶
配向性が良くモノマー比を選ぶことにより5〜45度の
広い範囲でプレチルト角を自由に制御出来る。
【0023】本発明の液晶表示素子は、液晶配向性がよ
く、5〜45度の広い範囲でプレチルト角を自由に制御
出来る液晶配向膜、すなわち本発明に関わる液晶配向膜
を備えていることが特徴であり、通常、電極付き基板、
電圧印加手段、液晶配向膜、液晶層などにより構成され
る。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例によって何等限定され
るものではない。
【0025】実施例で得られたポリイミドまたはポリア
ミック酸の物性は以下の方法で測定した。 分解温度(Td):示差熱重量同時測定装置(セイコー電
子工業社製 TG / DTA−220型)を用い毎分10℃の
昇温速度で測定し、重量減少5%の温度をTdとした。 対数粘度:ウベローデ粘度計を用い、NMP溶媒中、3
0℃で0.5g/dlの濃度で測定した。 プレチルト角:磁場印加法を用いて測定した。
【0026】
【実施例】
実施例1 式〔1〕、式〔2〕で示される構造単位から成るポリイ
ミドの製造: 1)式〔3〕で示される3,5−ジアミノ安息香酸ステ
アリルエステル(R1=C1837)の製造。 攪拌機をつけた500mlの三つ口フラスコにテトラヒ
ドロフラン(THF)200mlを取り、ここにステア
リルアルコール13.5g(0.050mol)、トリエ
チルアミン8.4mlを加え0℃で攪拌した。これに
3,5−ジニトロベンゾイルクロリド11.5g(0.0
50mol)をTHF50mlに溶かした溶液を30分
で滴下し、このまま6時間反応を行なった。反応終了後
この液を1Lの水に加え、酢酸エチル1.5Lで抽出し
た。続いて有機層を3N塩酸で3回、飽和重曹水で3
回、さらに水で洗浄した。得られた酢酸エチル層を無水
硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して得られ
た結晶を、酢酸エチルで2回再結晶して3,5−ジニト
ロ安息香酸ステアリルエステル18.1g(0.039m
ol)を得た。融点は75.9〜76.7℃であった。こ
の化合物の構造をIRとNMRで確認した後、該化合物
の接触還元を行った。
【0027】すなわち、3,5−ジニトロ安息香酸ステ
アリルエステル8.0g(0.017mol)を酢酸エチ
ル300mlに溶かし、5%パラジウムー炭素1.0g
を加え常温常圧下で接触還元を行った。反応終了後触媒
をろ別し、溶媒を減圧下留去して得られた結晶をn−ヘ
プタン/酢酸エチルで2回再結晶して、3,5−ジアミ
ノ安息香酸ステアリルエステル4.48g(0.011m
ol)を得た。この化合物の融点は81.8〜82.6℃
であった。
【0028】2)式〔4〕で示される3,5−ジアミノ
安息香酸〔4−(トランス−4−エチル−シクロヘキシ
ル)フェノキシプロピル〕エステル(ただしm=3、n
=1、R2=C25)の製造。 冷却管、攪拌機を付けた1Lの三つ口フラスコに、ジメ
チルホルムアミド500ml、4−(トランス−4−エ
チル−シクロヘキシル)フェノール20.4g(0.10
mol)、炭酸カリウム41.4g(0.30mol)を
入れ室温で攪拌した。ここに3−ブロモ−1−プロパノ
ール18.1g(0.13mol)を加え100℃で激し
く攪拌した。10時間反応させた後この液を2Lの水に
加え、酢酸エチル1.5Lで抽出した。続いて有機層を
3N塩酸で3回、2N水酸化ナトリウム水溶液で3回、
さらに水で洗浄した。得られた酢酸エチル層を無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して得られた結
晶を、n−ヘプタンで2回再結晶して4−(トランス−
4−エチル−シクロヘキシル)フェノキシプロパノール
17.6g(0.067mol)を得た。融点は68.5
〜69.9℃であった。
【0029】続いて、攪拌機をつけた500mlの三つ
口フラスコにTHF300mlを取り、ここに4−(ト
ランス−4−エチル−シクロヘキシル)フェノキシプロ
パノール18.0g(0.068mol)、トリエチルア
ミン11.4mlを加え0℃で攪拌した。これに3,5
−ジニトロベンゾイルクロリド15.7g(0.068m
ol)をTHF50mlに溶かした溶液を30分で滴下
し、このまま6時間反応を行なった。反応終了後この液
を1Lの水に加え、酢酸エチル1.5Lで抽出した。続
いて有機層を3N塩酸で3回、飽和重曹水で3回、さら
に水で洗浄した。得られた酢酸エチル層を無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して得られた結晶
を、酢酸エチルで2回再結晶して3,5−ジニトロ安息
香酸〔4−(トランス−4−エチル−シクロヘキシル)
フェノキシプロピル〕エステル23.3g(0.051m
ol)を得た。融点は108.0〜109.4℃であっ
た。この化合物の構造をIRとNMRで確認した後、該
化合物の接触還元を行った。
【0030】すなわち、3,5−ジニトロ安息香酸〔4
−(トランス−4−エチル−シクロヘキシル)フェノキ
シプロピル〕エステル15.0g(0.033mol)を
酢酸エチル300mlに溶かし、5%パラジウム−炭素
1.50gを加え常温常圧下で接触還元を行った。反応
終了後触媒をろ別し、溶媒を減圧下留去して得られた結
晶をn−ヘプタン/酢酸エチルで2回再結晶して、3,
5−ジアミノ安息香酸〔4−(トランス−4−エチル−
シクロヘキシル)フェノキシプロピル〕エステル11.
1g(0.028mol)を得た。この化合物の融点は
91.5〜92.4℃であった。
【0031】3)重合反応 50mlの三ツ口フラスコに、3,5−ジアミノ安息香酸
ステアリルエステル0.0606g(0.15mmo
l)、3,5−ジアミノ安息香酸〔4−(トランス−4
−エチル−シクロヘキシル)フェノキシプロピル〕エス
テル0.5348g(1.35mmol)、NMP3.0m
lを入れて、窒素気流下室温で攪拌溶解した。次いでこ
の液を10℃に保ち、BPDAを0.4413g(1.5
0mmol)投入した。器壁についたBPDAをNMP
3mlで洗い落とし、そのまま3時間反応を行った。得
られた反応液をNMP/ブチルセロソルブ=1/1溶媒
で4.0wt%に希釈後、ITOの透明電極付きガラス
基板上に回転塗布法(スピンナー法)で塗布した。塗布
後、200℃で30分間焼成し、膜厚600オングスト
ロームのポリイミド膜を設けた基板を得た。このポリイ
ミドは、分解温度が360.3 ℃であり、基板への密
着性がよかった。また、残りの反応液はメタノール30
0mlに注ぎ、析出した沈澱物をろ過した。このろ過物を
常温で減圧乾燥して、ポリアミック酸を得た。このポリ
アミック酸の固有粘度は0.51(30℃、0.5g/
dl、NMP溶液)であった。
【0032】4)セル作成およびプレチルト角測定 2枚のポリイミド膜を設けた基板の膜面にそれぞれラビ
ング処理を施し、ラビング方向がアンチパラレルになる
ようにセル厚20μmの液晶セルを組み立て、チッソ
(株)製液晶FB-01を封入した。その後封入したセルに
120℃で30分間加熱処理を行った。加熱処理後放冷
し、プレチルト角を求めると29.2度であった。ま
た、このセルを顕微鏡で観察したところ配向に乱れがな
く、優れた配向性を示した。
【0033】実施例2〜5 3,5−ジアミノ安息香酸ステアリルエステル、および
3,5−ジアミノ安息香酸〔4−(トランスー4−エチ
ル−シクロヘキシル)フェノキシプロピル〕エステルの
成分比を変える以外は、実施例1の3)、4)に準拠し
て重合反応、セル作成およびプレチルト角測定を行っ
た。その成分比と得られたポリイミドの物性値を表1に
示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明により得られたポリイミドは低温
短時間の焼成で製造可能で、かつ分解温度が350℃以
上と高く高温での使用が可能である。また、このポリイ
ミドを用いた液晶配向膜は、ガラス基板への密着性およ
び液晶配向性に優れている。さらに共重合の比率を変え
ることにより、プレチルト角を約5〜45度の広い範囲
で自由に制御出来る事から、TN、STN、SBE用液
晶セルの配向膜用材料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたポリイミドフィルムのIR
スペクトル図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式〔1〕で示される構造単位と式〔2〕で
    示される構造単位から成り、式〔1〕の構造単位のモル
    比が5〜95モル%であるポリイミド。 【化1】 (ただしR1は炭素数1〜20のアルキル基を示す。) 【化2】 (ただしmは1〜20の整数、nは1〜2、R2は炭素
    数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基を示す。)
  2. 【請求項2】式〔3〕および式〔4〕で示されるジアミ
    ノ化合物と、式〔5〕で示されるテトラカルボン酸二無
    水物とを溶媒中で反応させてポリアミック酸を生成し、
    該ポリアミック酸を加熱することにより得られるポリイ
    ミド。 【化3】 (ただしR1は炭素数1〜20のアルキル基を示す。) 【化4】 (ただしmは1〜20の整数、nは1〜2、R2は炭素
    数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基を示す。) 【化5】
  3. 【請求項3】請求項1〜2のいずれかに記載されたポリ
    イミドを用いたことを特徴とする液晶配向膜。
  4. 【請求項4】請求項3に記載された液晶配向膜を備えた
    液晶表示素子。
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