JPH08116698A - 同期機の過負荷制限方法及び過負荷制限装置 - Google Patents

同期機の過負荷制限方法及び過負荷制限装置

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JPH08116698A
JPH08116698A JP6251091A JP25109194A JPH08116698A JP H08116698 A JPH08116698 A JP H08116698A JP 6251091 A JP6251091 A JP 6251091A JP 25109194 A JP25109194 A JP 25109194A JP H08116698 A JPH08116698 A JP H08116698A
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limit
excitation
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Masanori Shimizu
正憲 清水
Masaru Shimomura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繰り返し過負荷許容による電機子巻線温度の
上昇し過ぎを防止ししつ過負荷許容を要求に応じて充分
に行うことを目的としている。 【構成】 過負荷許容から該過負荷許容より後の過負荷
許容要求までの間隔度合を判別する判別手段17、及び
この判別手段17の出力に応動し前記後の過負荷許容要
求に対する過負荷許容許容量を調整する調整手段18を
備えた同期機の過負荷制限装置である。 【効果】 繰り返し過負荷許容による電機子巻線温度の
上昇し過ぎを防止ししつ過負荷許容を要求に応じて充分
に行うことができ、同期機電機子巻線の定格電流を越え
た余裕分を活かし乍ら、系統安定化に柔軟に対応でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、無効電力の繰り返し
要求等により同期機の電機子巻線の温度が上昇して絶縁
が低下するのを防止する同期機の過負荷制限方法及び過
負荷制限装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の同期機の過負荷制限方法及び過負
荷制限装置を図15〜図17によって説明する。図14
は従来の同期発電機、同期調相機等の同期機における過
負荷制限装置を示す接続図、図15は同期機の供給有効
電力、供給無効電力、界磁制御、定格電機子電流、及び
実際の電機子電流、の各関係を示す線図、図16は定格
電機子電流、実際の電機子電流、および弱め界磁制御開
始、の各関係を示す線図である。
【0003】図14において、1は同期機、2はこの同
期機1の界磁巻線、3は前記同期機1の出力端子電圧を
検出する計器用変圧器、4は自動電圧調整装置(以下、
単にAVRと称する)で、前記界磁巻線2の電流、即ち
界磁電流、を自動制御するものである。5は前記同期機
1の電機子電流を検出する計器用変流器、6はこの計器
用変流器5の出力交流を直流に変換する交/直変換器、
7は電機子電流制限開始値設定器、8は偏差検出器で、
前記交/直変換器6の出力と前記電機子電流制限開始値
設定器7の設定出力とを比較するものである。9は前記
偏差検出器8の出力を増幅する増幅回路、10は力率検
出器で、前記計器用変圧器3の出力交流電圧と前記計器
用変流器5の出力電流とを入力し、前記出力交流電圧と
出力電流との位相を検出するものである。11は極性切
換器で、前記力率検出器10の出力を入力するものであ
る。12は前記同期機1から有効電力及び無効電力が供
給される電力系統、IARは前記同期機1の電機子電流、
Eは前記同期機1の出力端子電圧、IF は前記同期機1
の界磁巻線2の界磁電流である。
【0004】図15において、横軸のPは有効電力、縦
軸のQは無効電力、P1 は同期機1が電力系統12に供
給している有効電力、Q11は同期機1が電力系統12に
供給している無効電力で、電力系統12からの無効電力
の要求が小さい場合を示す。Q12は同期機1が電力系統
12に供給している無効電力で、電力系統12からの無
効電力の要求が前記Q11より大きい場合を示す。IAR11
は同期機1が電力系統12に有効電力P1 、無効電力Q
11を供給している時の同期機1の実際の電機子電流、I
AR12は同期機1が電力系統12に有効電力P1 、無効電
力Q12を供給している時の同期機1の実際の電機子電
流、IATは同期機1の定格電機子電流曲線である。
【0005】図16において、横軸のtは時点、縦軸の
A は同期機1の電機子電流、IAR11,IAR12,I
ATは、図14に図示の前記IAR11,IAR12,IATと同じ
電機子電流、t1 は電機子電流がIAR11からIAR12に変
化し始める時点、t2 は電機子電流IAR12が定格電機子
電流IATを越えた時点である。
【0006】次に電力系統12の無効電力が変化した場
合、界磁制御によって同期機1の電機子巻線の絶縁低下
を防止する過負荷制限方法及び過負荷制限装置の動作に
ついて説明する。電力系統12の負荷には、電動機、電
気炉等の誘導負荷があり、この誘導負荷は、電力系統1
2に位相遅れを生じさせると共に、前記同期機1に無効
電力の供給を要求する。前記同期機1は、この無効電力
供給の要求に応じて無効電力を電力系統12に供給する
が、この無効電力の供給に伴って、前記同期機1の電機
子電流IARは増加する。電機子電流IARが増加して電機
子巻線の定格電流IATを越えれば、電機子巻線は過負荷
状態となり、電機子電流IARの増加に伴って電機子巻線
の温度が上昇し、この電機子巻線の温度上昇状態が続く
と電機子巻線の絶縁が低下する。従って、同期機1の電
機子電流IARが電機子巻線の定格電流IATを越えれば、
同期機1の界磁巻線2の界磁電流IF を弱め界磁制御し
て、電機子電流IARを定格電流IAT内に入るように制御
する。
【0007】このような従来装置の基本的制御動作を図
14〜図16によって具体的に説明する。先ず、図14
において、AVR4は、計器用変圧器3を介して検出さ
れた同期機1の端子電圧Eに応じて界磁巻線2の界磁電
流IF を制御し、系統12の負荷が変動しても前記同期
機1の端子電圧Eが一定になるように制御する。また、
同期機1の出力電流、即ち実際の電機子電流IAR、は計
器用変流器5を介して交/直変換器6により直流電流と
して検出され、この直流電流は、偏差検出器8によっ
て、電機子電流制限開始値設定器7の設定値、即ち定格
電機子電流IAT、と比較され、該直流電流、即ち実際の
電機子電流IAR、が前記定格電機子電流IATより大き
くなれば、両者の偏差信号が偏差検出器8から出力され
る。そしてこの偏差検出器8から出力された偏差信号
は、増幅回路9を介して適当なレベルの信号に増幅され
た後、極性切換器11を介してAVR4の混合器(図示
省略)に供給される。
【0008】一方、同期機1の出力端の力率は、前記計
器用変圧器3の出力及び計器用変流器5の出力が供給さ
れる力率検出器10によって検出され、この力率検出器
10は、検出した力率が遅れ位相であれば、極性切換器
11に対して、弱め界磁制御を行わせる極性で出力する
ように切換指令を与え、逆に検出した力率が進み位相で
あれば、極性切換器11に対して、強め界磁制御を行わ
せる極性で出力するように切換指令を与える。そこで、
極性切換器11は、前記増幅回路9から供給された前記
実際の電機子電流IARと定格電機子電流IATとの偏差信
号を、前記力率が遅れ位相の場合は、前記弱め界磁制御
を行わせる極性(例えば−極性)で、前記AVR4の混
合器(図示省略)に供給し、逆に、前記力率が進み位相
の場合は、前記強め界磁制御を行わせる極性(例えば+
極性)で、前記AVR4の混合器に供給する。AVR4
は、前記極性切換器11から、前記弱め界磁制御を行わ
せる極性(例えば−極性)で、前記実際の電機子電流I
ARと定格電機子電流IATとの偏差信号が供給されると、
前記同期機1の界磁巻線2への界磁電流IF を減少さ
せ、減磁制御し、逆に、前記強め界磁制御を行わせる極
性(例えば+極性)で、前記実際の電機子電流IARと定
格電機子電流IATとの偏差信号が供給されると、前記同
期機1の界磁巻線2への界磁電流IF を増加させ、増磁
制御する。
【0009】次に、これら基本的制御動作及び過負荷制
限方法並びに過負荷制限動作を、図15及び図16によ
って説明する。図15及び図16において、系統12の
要求が、有効電力P1 、無効電力Q11の場合は、実際の
電機子電流IARはIAR11であり、定格電機子電流IAT
にあるので、偏差検出器8、及び増幅回路9の出力は0
であり、実際の電機子電流IARに対応した界磁電流IF
制御は行われない。次に、系統12の要求により、時点
1 から無効電力Qが増加し始めると、実際の電機子電
流IAR11も前記時点t1 から増加し始め、時点t2 にお
いて無効電力QがQ12に増加した場合は、実際の電機子
電流IARはIAR12となり、定格電機子電流IATを越える
ので、偏差検出器8は、前記実際の電機子電流IAR12
定格電機子電流IATとの偏差信号を出力する。一方、無
効電力Q12の場合は、力率は遅れ位相であるので、力率
検出器10は極性切換器11に対して、弱め界磁の極性
に切り換えるように指令信号を供給する。従ってAVR
4は、前記極性切換器11からの弱め界磁にする極性信
号、及び前記増幅器9の出力に基づいて、界磁電流IF
を減少する方向に制御する。この制御により、界磁電流
Fが減少すれば、無効電力Q12は矢印で示すように無
効電力Q11の方向へ減少し始め、実際の電機子電流I
AR12も減少して、定格電機子電流IAT内に入る。
【0010】ところで、この図14に示す従来の過負荷
制限方法及び装置においては、定格電機子電流IATに至
った実際の電機子電流IAR12を、前記界磁電流IF の減
少制御によって制限した場合、該実際の電機子電流I
AR12が定常電機子電流IAR11以下まで必要以上に制限さ
れたり、系統からの無効電力の要求が連続的あるいは継
続的に発生することにより、定格電機子電流IATの近辺
で短時間で繰り返し変動することにより励磁制限(過負
荷制限)−励磁制限(過負荷制限)解除の動作を短時間
内に繰り返す(実際の電機子電流IARは定格電機子電流
ATの近辺で増減を繰り返す)場合がある。そこで、系
統によっては、このようなことを防止するため、従来、
図17に示すような過負荷制限方法及び装置も考えられ
ていた。
【0011】図17に示す過負荷制限装置は偏差検出器
8と増幅器9との間にタイマ−T89を設けたもので、図
18に示すように、前記実際の電機子電流IAR12が、定
格電機子電流IATを越えた時点t2 から所定時間T経過
時に、界磁電流IF を減少制御する事例を示してあり、
これら図17,図18において、IART は、前記時点t
2 から所定時間T経過時の実際の電機子電流で、前述の
時点t2 において界磁電流IF を減少制御する事例の場
合と同様に、前記界磁電流IFの減少制御によって、時
点T3Tにおいて前記定格電機子電流IAT内に入る。
【0012】ところで、この図17に示す過負荷制限方
法及び装置の場合において、実際の電機子電流IARは、
図18に示すように、定常電機子電流IAR11から定格電
機子電流IATを越えて、IAR12,IART と増加し、I
ART を最大値として励磁制限(過負荷制限)によって減
少し始め、時点T3Tで定格電機子電流IATに至り、系統
からの無効電力の要求が過渡的なものであった場合は、
更に減少して、定常電機子電流IAR11に戻るが、前記実
際の電機子電流IARの変化に伴う電機子巻線の温度変化
は、図19(イ)に細い実線Cで示すように、該実際の
電機子電流IARの変化に対して可成り遅れる。即ち、図
19(イ)(縦軸は温度も同時に表している)におい
て、電機子巻線の温度曲線C上の点CP は前記実際の電
機子電流IARの最大値IART に対応する電機子巻線温度
の最大値、CN は前記定常電機子電流IAR11に対応する
電機子巻線温度、CL は電機子巻線が健全な状態を維持
できる電機子巻線限界温度、tCPは電機子巻線温度CG
が最大値CP になる時点、tCNは電機子巻線温度Cが前
記定常電機子電流IAR11に対応する温度CN まで低下す
る時点である。この図19(イ)に示すように、前記電
機子巻線温度Cの最大値CP の時点tCPと前記実際の電
機子電流IARの最大値IART の時点t3 とは時間的に遅
れており、また、前記定常電機子電流IAR11に対応する
電機子巻線温度CNに下がった時点tCNと、前記励磁制
限(過負荷制限)によって前記実際の電機子電流IART
が定常電機子電流IAR11に下がった時点tN とも時間的
に遅れている。このような電機子電流IARの変化に対す
る電機子巻線温度Cの変化の遅れは、一般的に熱時定数
による遅れと言われている。
【0013】そこで、系統からの無効電力の要求は、前
述の図19(イ)のように過渡的なものに限られず、長
時間に亘って連続的あるいは継続的に発生するものもあ
る。図19(ロ)は系統からの無効電力の要求が長時間
に亘って連続的あるいは継続的に発生する場合の実際の
電機子電流(太い実線で図示)と電機子巻線温度(細い
実線で図示)Cとの関係を示す図である。即ち、定格電
機子電流IATを越えて増加した実際の電機子電流IART
が励磁制限(過負荷制限)によって定格電機子電流IAT
まで低下するとすぐに、系統からの無効電力の要求によ
り、再び定格電機子電流IATを越えてIART に至る現象
が長時間に亘って連続的あるいは継続的に発生した場
合、前述の熱時定数により、図示のように、電機子巻線
温度Cが下がらないうちに電機子電流IARが増加するの
で、前記現象が連続的あるいは継続的に長時間発生すれ
ば、電機子巻線温度Cは徐々に上昇し、遂には前記電機
子巻線限界温度CL に至る可能性が出て来るという問題
が生じる。なお、前記電機子電流IARの変化に対する電
機子巻線温度Cの変化の遅れの程度は、同期機の電機子
の構造、冷却手段、等により異なるので、前述の電機子
巻線限界温度CL に至る可能性が出て来る問題も、同期
機の種類、電機子の構造、冷却手段、等によりその程度
は異なる。
【0014】一方、同期機1の電機子巻線の絶縁は、電
機子巻線を流れる実際の電機子電流IARが定格電機子電
流IAT以内であれば、長時間連続的に流れても当然低下
しないが、実際の電機子電流IARが定格電機子電流IAT
を越えても、流れる時間によっては低下しない。電機子
巻線の絶縁が低下しない限界は、実際の電機子電流IAR
の大きさと該実際の電機子電流IARが流れる時間とに依
存し、図20に電機子巻線耐量曲線ATLとして示してあ
る。この図20において、t2 は、前述の図16におけ
る時点t2 と同じであり、実際の電機子電流IAR12が定
格電機子電流IATを越えると即座に弱め界磁制御を開始
する事例の弱め界磁制御開始時点(過負荷制限開始時
点)である。t3 は前述の図18における時点t3 と同
じであり、実際の電機子電流IAR12が定格電機子電流I
ATを越えた時点t2 から所定時間T経過時に、界磁電流
F を減少制御する事例の弱め界磁制御開始時点であ
り、t3Tは、所定時間T経過時に弱め界磁制御を開始す
ることによって実際の電機子電流IART が定格電機子電
流IAT内に入った時点である。
【0015】ここで、前記弱め界磁制御開始時点(過負
荷制限開始時点)t2 、t3 における実際の電機子電流
AR12、IART と前記電機子巻線耐量曲線ATLとを比較
した場合、実際の電機子電流IAR12、IART は何れも電
機子巻線耐量内(前記耐量曲線ATL以下の斜線の領域)
にある。即ち、前述の実際の電機子電流IAR12が定格電
機子電流IATを越えると即座に弱め界磁制御を開始する
事例、及び実際の電機子電流IAR12が定格電機子電流I
ATを越えた時点t2 から所定時間T経過時に弱め界磁制
御を開始する事例、の何れの場合も、弱め界磁制御を開
始する時点の実際の電機子電流IAR12、IART が長時間
連続的に電機子巻線に流れたとしても、電機子巻線の絶
縁が低下する虞はない。
【0016】ところで、見方を変えれば、図20から判
明するように、前述の定格電機子電流IATを越えると即
座に弱め界磁制御を開始する事例、所定時間T経過時に
弱め界磁制御を開始する事例、の何れの場合も、t3
点における実際の電機子電流IART を連続的に流した電
機子電流直線LART と電機子巻線耐量曲線ATLとによっ
て囲まれた領域(電機子巻線余裕領域B)は、系統負荷
への無効電力供給には活用されていないと言え、逆に、
前記電機子巻線余裕領域Bを積極的に活用する手段を講
じて系統負荷へ無効電力を更に継続供給すれば、系統を
更に安定化することが可能であると言える。そこで、発
明者等は前記電機子巻線余裕領域Bを積極的に活用する
手段を講じて系統負荷へ無効電力を更に継続供給し、系
統を更に安定化する各種発明をし、特願平6ー2507
11号として出願済みである。前記先の出願(特願平6
ー250711号)の特許明細書に記載の発明におけ
る、前記系統からの長時間に亘る連続的あるいは継続的
な無効電力の要求により発生する励磁制限(過負荷制
限)実行・停止の連続的繰り返しによる電機子巻線温度
上昇の問題、を図21〜図30により説明する。
【0017】電機子巻線余裕領域Bを積極的に活用する
例1.図21〜図28はこの例1を説明するための図
で、図21は装置全体の構成を示す接続図、図22は
(I2 −1)の積算装置の詳細構成を示す接続図、図2
3は(I2 −1)tの予測装置の詳細構成を示す接続
図、図24は同期機の供給有効電力、供給無効電力、界
磁制御、定格電機子電流、及び実際の電機子電流、の各
関係を示す線図、図25及び図26は、各々、定格電機
子電流、実際の電機子電流、および弱め界磁制御開始、
の各関係を、過負荷制限開始時点(弱め界磁制御開始時
点)が異なる場合について示す線図、図27は定格電機
子電流、実際の電機子電流、および弱め界磁制御開始の
各関係と、電機子巻線の耐量とを、比較して示す線図
で、実際の電機子電流が定格電機子電流を越えた時点を
時間軸の0点として示してある。図28は定格電機子電
流、実際の電機子電流、弱め界磁制御開始、及び電機子
巻線温度の各関係を示す線図である。
【0018】以下、先ず、例1の構成を詳細に説明す
る。図21において、5は同期機1の実際の電機子電流
ARを検出する検出手段で例えばCT(計器用変流器)
である。13はリレーで、極性切換器11とAVR(自
動電圧調整器)4との接続を入切、即ち極性切換器11
からAVR4に供給される過負荷制限信号を入切するも
のである。14は交/直変換器6の出力を入力とする積
算装置で、その出力14sとして(I2 −1)の積算値
(I2 −1)tを出力するものである。尚、Iは前記交
/直変換器6から入力した実際の電機子電流IARの、定
格電機子電流IATに対するP.U.(パー・ユニット)
値で、前記同期機1が定格状態で運転されているときの
電機子電流IARは1P.U、前記交/直変換器6から入
力した実際の電機子電流IARが定格電機子電流IATの2
倍の場合は、当該実際の電機子電流IARは2P.Uであ
る。tは時間である。15は前記交/直変換器6の出力
を入力とする予測装置で、その出力15sとして前記同
期機1の電機子電流制限開始後、即ち過負荷制限開始
後、の(I2−1)tの予測値を出力するものである。
【0019】16は加算器で、その出力16sとして、
前記積算装置14の出力14sと前記予測装置15の出
力15sとを加算して出力するものである。17は(I
2−1)t動作設定器で、前記同期機1の電機子電流I
ARの制限を開始させる(I2 −1)t値が設定されるも
のであり、その設定値は任意に設定できるが、設定後
は、その出力17sは変動せずに一定であって、この実
施例では、設定値40としてある。18は比較器で、前
記加算器16の出力と前記(I2 −1)t動作設定器1
7の出力とを比較し、前記加算器16の出力が前記(I
2 −1)t動作設定器17の出力より大きくなれば、前
記リレー13を付勢し、該リレー13に前記入動作をさ
せるものである。19は制限開始時期自動制御手段で、
前記検出手段5によって検出された実際の電機子電流I
ARの大きさに応じて前記同期機1の励磁の制限開始時
期、即ち前記同期機1の過負荷制限開始時期、を自動的
に変えるものであり、前述のリレー13、積算装置1
4、予測装置15、加算器16、(I2 −1)t動作設
定器17、及び比較器18で構成されている。20は前
記同期機1を電力系統12に併入するしゃ断器で、例え
ば前記同期機1の起動後、所定の時点で投入され、前記
同期機1を電力系統12に接続するものである。なお、
符号1,2,3,4,6,7,8,9,10,11,1
2は、前述の図14の場合と同一又は相当の機能である
ので説明は省略する。
【0020】図22は前記(I2 −1)積算装置14内
の詳細構成を示す図で、この図22において、141
除算器で、交/直変換器6からの実際の電機子電流IAR
と、定格電機子電流設定器142 に設定された定格電機
子電流IATとが入力され、前記実際の電機子電流IAR
P.U値、即ちIを出力するものである。143 は乗算
器で、前記除算器141 の出力Iを入力し、I2 を出力
するものである。144 は1設定器で、前記(I2
1)における1が設定されるものである。145 は積分
器で、前記乗算器143 の出力I2 と前記1設定器14
4 の出力1とを入力し、これら2つの入力からその入力
段で(I2 −1)を得、この(I2 −1)を積分して
(I2 −1)tを出力し、この出力(I2 −1)tが、
前記(I2 −1)積算装置14の出力14sとなり、前
記加算器16の一方の入力となるものである。rは抵抗
である。
【0021】図23は前記(I2 −1)t予測装置15
内の詳細構成を示す図で、151aは第1番目の比較器
で、第1番目の電機子電流設定器151aa と、第1番目
の増幅器151ab と、第1番目の半導体スイッチング素
子151ac と、抵抗rとで構成されており、前記第1番
目の増幅器151ab には、前記第1番目の電機子電流設
定器151aa の設定値出力と、前記交/直変換器6の出
力、即ち実際の電機子電流IAR、との偏差が供給され
る。151jは第j番目の比較器で、第j番目の電機子電
流設定器151ja と、第j番目の増幅器151jb と、第
j番目の半導体スイッチング素子151jc と、抵抗rと
で構成されており、前記第j番目の増幅器151jb
は、前記第j番目の電機子電流設定器151ja の設定値
出力と、前記交/直変換器6の出力、即ち実際の電機子
電流IAR、との偏差が供給される。なお、前記第j番目
の電機子電流設定器151ja は、前記第1番目の電機子
電流設定器151aa より大きな設定値としてある。
【0022】152aは第1番目のリレーで、前記第1番
目の比較器151aにおける前記第1番目の半導体スイッ
チング素子151ac の導通により付勢され、そのa接点
152aa を閉じるものである。152jは第j番目のリレ
ーで、前記第j番目の比較器151jにおける前記第1番
目の半導体スイッチング素子151jc の導通により付勢
され、そのa接点152ja を閉じるものである。
【0023】153aは第1番目の(I2 −1)t予測設
定器、153jは第j番目の(I2−1)t予測設定器、
154 は加算器で、前記第1番目の(I2 −1)t予測
設定器153a〜前記第j番目の(I2 −1)t予測設定
器153jの各出力が、前記第1番目のリレー152a〜前
記第j番目のリレー152jの各a接点152aa 〜15
2ja を介して供給され、これら供給された前記各出力を
加算して出力15sとして出力する。また、この加算器
154 は、これら供給された各出力を加算増幅する演算
増幅器154aと、抵抗rとで構成されている。
【0024】図24において、横軸のPは有効電力、縦
軸のQは無効電力、P1 は同期機1が電力系統12に供
給している有効電力、Q11、Q2 、Q3 は同期機1が電
力系統12に供給している無効電力で、Q11は電力系統
12からの無効電力の要求が小さい場合を、Q2 は電力
系統12からの無効電力の要求が前記Q11より大きい場
合を、Q3 は電力系統12からの無効電力の要求が前記
2 より大きい場合を各々示している。IAR11は同期機
1が電力系統12に有効電力P1、無効電力Q11を供給
している時の同期機1の実際の電機子電流、IAR2 は同
期機1が電力系統12に有効電力P1 、無効電力Q2
供給している時の同期機1の実際の電機子電流、IAR3
は同期機1が電力系統12に有効電力P1 、無効電力Q
3 を供給している時の同期機1の実際の電機子電流、I
ATは同期機1の定格電機子電流曲線である。IALは同期
機1の実際の電機子電流の限界許容電流で、実際の電機
子電流を電機子巻線の絶縁を低下させることなく流し得
る限界である。
【0025】図25〜図27において、横軸のtは時
点、縦軸のIA は同期機1の電機子電流、IAR11、I
AR2 、IAR3 、IATは、図24に図示の前記IAR11、I
AR2 、IAR3 、IATと同じ電機子電流、t1 は実際の電
機子電流がIAR11からIAR2 に変化し始める時点、t2
は前記実際の電機子電流IAR2 が定格電機子電流IAT
越えた時点で、積算装置14が出力を出し始める時点で
ある。t42は予測装置15が出力を出し始める時点、t
52は同期機1の励磁制限開始(過負荷制限開始)時点、
14sは(I2 −1)積算装置14の出力、15sは
(I2 −1)t予測装置15の出力、16sは加算器1
6の出力、17sは(I2 −1)t動作設定器17の出
力である。なお、図27において、ATLは電機子巻線の
耐量曲線で、電機子巻線が絶縁劣化等の異常を起こし始
める限界値を電機子電流IA と時間tとの関係で示すも
のである。
【0026】次に例1の動作について説明する。先ず、
装置全体の構成を示す図21により、装置全体の動作
を、図24〜図27を参照しながら説明する。図21に
おいて交/直変換器6、電機子電流制限開始値設定器
7、加算器8、増幅器9、力率検出器10、及び極性切
替器11の相対的な一連の動作については、従来装置を
示す第15図におる前述の動作と基本的に同じであるの
で、説明は省略し、他の部分を主体的に説明する。
【0027】先ず、同期機1が定格状態で運転されてい
るときは、リレー13は付勢されておらず、その接点1
3aは開いており、極性切替器11の出力はAVR4に
は供給されない。従って、前記リレー13が付勢されて
その接点13aが閉じるまでは、交/直変換器6の出
力、即ち実際の電機子電流IAR、が電機子電流制限開始
値設定器7の設定値より大きくなっても、AVR4によ
る同期機1の励磁制限、即ち過負荷制限、は行われな
い。
【0028】ここで、電力系統12からの無効電力の要
求により、交/直変換器6から出力される実際の電機子
電流IARが、図25及び図26にIAR2 、IAR3 で示す
ように定格電機子電流IATより大きくなれば、該実際の
電機子電流IAR2 、IAR3 のP.U値の大きさ、及び時
間tの経過、に応じて、(I2 −1)積算装置14はそ
の出力14s、即ち(I2 −1)の積算値(I2 −1)
tを、加算器16へ出力する。この出力14sは図25
及び図26に示すように変化する。一方、(I2 −1)
t予測装置15は、前記交/直変換器6から出力される
実際の電機子電流IARの大きさに応じ、その時に励磁制
限(過負荷制限)がかかった場合の、当該励磁制限の開
始後の(I2 −1)tの予測値を、出力15sとして前
記加算器16へ供給する。この出力15sは、前記定格
電機子電流IATを越えた実際の電機子電流IARが比較的
小さいIAR2 の場合は、図25に示すように時点t42
発生し、該実際の電機子電流IARが比較的大きいIAR3
の場合は、図26に示すように時点t43で発生すると共
に時間の経過に伴って大きくなる。加算器16は前記積
算装置14の出力14sと前記予測装置15の出力15
sとを加算して得られた出力16sを比較器18へ供給
する。この出力16sは図26及び図27に示すように
変化する。比較器18は、前記加算器16の出力16
s、即ち前記積算装置14の出力14sと前記予測装置
15の出力15sとの加算値、が、(I2 −1)t設定
器17の設定値40、即ち出力17s、より小さければ
リレー13を付勢せず、該設定値40に到達すれば該リ
レー13を付勢する。
【0029】リレー13が付勢されると、その接点13
aが閉じるので、この閉じた時点における偏差検出器8
の出力、即ち、交/直変換器6の出力(実際の電機子電
流IAR)と電機子電流制限開始値設定器7の設定値との
偏差、に応じた大きさの励磁制限(過負荷制限)信号が
極性切替器11からAVR4に供給される。この場合電
力系統12から無効電力を要求されている遅れ位相の状
態下にあるので、極性切替器11は、弱め界磁制御を行
わせる極性の出力をAVR4に供給する。AVR4は、
前記極性切替器11からの偏差信号の大きさに応じた弱
め界磁制御を始め、前記同期機1の実際の電機子電流I
ARは、比較的小さいIAR2 の場合は、図26に示すよう
に前記弱め界磁制御開始の時点t52から減少し始め、比
較的大きいIAR3 の場合は、図26に示すように前記弱
め界磁制御開始の時点t53から減少し始め、何れの場合
も、定格電機子電流IAT内に入るように制限される。前
述のように弱め界磁制御(過負荷制限)によって実際の
電機子電流IAR3 が定格電機子電流IAT内に入るように
制限されると、電力系統に供給される無効電力は、図2
4に矢印で示すように、Q3 →Q2 →Q11と減少する。
【0030】なお、前記積算装置14は前述のように
(I2 −1)の積算値(I2 −1)tを出力するので、
実際の電機子電流IARの前記P.U値Iが小さい場合
は、(I2 −1)の値は小さいけれども、tが大きくな
れば、即ち長い時間経過すれば、前記積算装置14の出
力14sと前記予測装置15の出力15sとの加算値を
入力する前記比較器18は出力を出す。また、逆に、実
際の電機子電流IARの前記P.U値Iが大きい場合は、
(I2 −1)の値が大きくなるので、tが小さくても、
即ち短い時間で前記比較器18は出力を出す。即ち、実
際の電機子電流IARが、定格電機子電流IATを越えて
も、その大きさが比較的小さい場合(例えば図24、図
25、図27のIAR2 )は、前記リレー接点13aは比
較的遅く閉じ、従って、前記同期機1の励磁制限(過負
荷制限)は、図25、図27に制限開始時点t52で示す
ように遅く始まり、逆に、その大きさが比較的大きい場
合(例えば図24、図26、図27のIAR3 )は、前記
リレー接点13aは比較的早く閉じ、従って、励磁制限
(過負荷制限)は、図26、図27に制限開始時点t53
で示すように早く始まる。この動作により図27にI
AR2 、IAR3で示すように、実際の電機子電流IARを、
定格電機子電流IATを越えて、しかも電機子巻線の耐量
曲線ATLを越えることなく該電機子巻線の耐量曲線ATL
の近傍まで流すことができる。即ち、電機子巻線をその
絶縁低下から確実に保護しつつ、且つ、電機子巻線余裕
領域B(斜線を施した部分)を積極的に充分に活用し
て、電力系統12に無効電力をより多く供給(例えば、
図24におけるQ3 )して、電力系統をより安定化でき
る。
【0031】ところで、同期機1の電機子巻線の耐量
は、正確には同期機1の構造の違いや容量の違いによっ
て多少異なるが、概略(1)式で表せる。 t=40/(I2 −1)……………………………………………(1) 但し、Iは、同期機1が定格状態で運転されているとき
の実際の電機子電流を1P.U.とする実際の電機子電
流のP.U.値である。従って、同期機1の電機子巻線
の絶縁抵抗が低下しないように保護するためには、(I
2 −1)の積算値(I2 −1)tが40になる前に、同
期機1を弱め界磁制御して励磁制限(過負荷制限)し、
実際の電機子電流IAR(図24〜図27におけるI
AR2 、IAR3 )を、定格電機子電流IAT(1P.U.)
以下に制限すればよい。しかしながら、(I2 −1)の
積算値(I2 −1)tが40になる直前に前記制限開始
をすれば、前記実際の電機子電流IARが、瞬時に定格電
機子電流IAT(1P.U.)以下に制限されるかといえ
ば、そうではなく、現実には同期機1の界磁時定数によ
り、瞬時には、実際の電機子電流IARは定格電機子電流
AT以下に減衰しない。また、この減衰の度合は、実際
の電機子電流IARが大きい場合と小さい場合とでは異な
り、実際の電機子電流IARが大きい場合の方が、小さい
場合に比べて、減衰するのに時間がかかる。
【0032】従って、界磁時定数により前記励磁制限
(過負荷制限)開始後にも積算される(I2 −1)を見
込んで、前記制限開始を行う必要があり、そのために
は、実際の電機子電流IARが定格電機子電流IATを越え
てから前記制限(過負荷制限)が開始されるまでの間の
(I2 −1)tと、界磁時定数に依存して前記電機子電
流IARが前記制限開始から前記定格電機子電流IAT内に
至るまでの期間の(I2 −1)tとの和が、前記40を
越えないように、前記制限開始時点を、実際の電機子電
流IARの大きさに応じて変更するとよく、このような変
更を行えるように、前述の図21に示すように、前記
(I2 −1)積算装置14、及び、前記界磁時定数に依
存した減衰時間を考慮にいれた前記制限開始後の(I2
−1)t予測装置15を設けることにより、定格電機子
電流IATを越えた実際の電機子電流IARが比較的小さく
前記制限開始後の(I2 −1)tの積算値が少ないと予
測されるときは、過負荷状態を長く許容して、電力系統
安定度向上に寄与し、前記定格電機子電流IATを越えた
実際の電機子電流IARが大きく前記制限開始後の(I2
−1)tの積算値が多いと予測されるときは、早く前記
制限を行い、同期機1の電機子巻線を絶縁低下から保護
するようにすればよいのである。
【0033】次に前述の(I2 −1)積算装置14及び
(I2 −1)t予測装置15の各々の具体的な動作につ
いて、図22及び図23により、図25及び図26を参
照しながら説明する。先ず、図22により、図25及び
図26を参照しながら、(I2 −1)積算装置14によ
る(I2 −1)tを得る動作を説明する。交/直変換器
6からの実際の電機子電流IARと、定格電機子電流設定
器142に設定された定格電機子電流IATとが、除算器
141 に入力されると、除算器141 では、前記実際の
電機子電流IARを前記定格電機子電流IATで除して、前
記(I2 −1)tにおける実際の電機子電流IARのP.
U値、即ちIを出力する。この除算器141 の出力I
が、次段の乗算器143 に入力されると、この乗算器1
3 では、前記Iを2乗して、前記(I2 −1)tにお
けるI2 を導出し出力する。一方、1設定器144 は前
記(I2 −1)tにおける1を出力するので、この1設
定器144 の出力1と前記乗算器143 の出力I2
が、次段の積分器145 に供給され、積分器145
は、これら2つの入力I2 及び1からその入力段で(I
2 −1)を得、この(I2−1)を積分して(I2
1)tを出力する。この積分器145 の出力(I2
1)tが前記(I2 −1)積算装置14の出力14sと
なって、前記加算器16の一方の入力となる。なお、図
25及び図26に示すように、前記積分器145 、即ち
前記積算装置14は、交/直変換器6からの実際の電機
子電流IARが小さい場合(例えば図25のIAR2 )より
大きい場合(例えば図26のIAR3 )の方が、即ち、実
際の電機子電流IARのP.U値Iが小さい場合より大き
い場合の方が、早く大きな出力14sを発生する。
【0034】次ぎに、図23により、図25及び図26
を参照しながら、(I2 −1)t予測装置15による制
限開始後の(I2 −1)tを得る動作を説明する。先
ず、電力系統から要求される無効電力がそれほど大きく
なく、前記交/直変換器6から出力される実際の電機子
電流IARが、前記定格電機子電流IATを越えているけれ
ども比較的小さく、第1番目の電機子電流設定器15
1aa の設定値より大きいが、他の電機子電流設定器……
151ja の設定値より小さい場合を、一例として図24
及び図25におけるIAR2 の場合について説明する。実
際の電機子電流IARが、第1番目の電機子電流設定器1
1aa の設定値より大きく、他の電機子電流設定器……
151ja の設定値より小さい場合は、第1番目の半導体
スイッチング素子151ac のみが導通し、第1番目のリ
レー152aのみが付勢され、そのa接点152aa のみが
閉じる。a接点152aa のみが閉じるので、第1番目の
(I2 −1)t予測設定器153aの予測設定値(I2
1)t[但し、前記界磁時定数に依存した減衰時間を考
慮に入れて任意に事前設定された固定値]のみが、加算
器154 から、前記制限開始後の(I2 −1)t予測装
置15の出力15sとして、図25に15sで示される
ように出力され、前記加算器16の他方の入力となる。
【0035】次ぎに、電力系統から要求される無効電力
が大きく、前記交/直変換器6から出力される実際の電
機子電流IARが、前記定格電機子電流IATを大きく越え
て電機子電流設定器151ja の設定値より大きい場合に
ついて説明する。実際の電機子電流IARが、電機子電流
設定器151ja の設定値より大きい場合は、第1番目の
半導体スイッチング素子151ac 〜第j番目の半導体ス
イッチング素子151jc の全てが導通し、第1番目のリ
レー152a〜第j番目のリレー152jの全てが付勢さ
れ、それらのa接点152aa 〜152ja の全てが閉じ
る。a接点152aa 〜152ja の全てが閉じるので、第
1番目の(I2−1)t予測設定器153a〜第j番目の
(I2 −1)t予測設定器153jの各予測設定値(I2
−1)t[但し、何れの設定値も前記界磁時定数に依存
した減衰時間を考慮に入れて任意に事前設定された固定
値]が加算器154 で加算され、この加算値が加算器1
4 から、前記制限開始後の(I2 −1)t予測装置1
5の出力15sとして、例えば図26に15sで示され
るように(但し図26は3個の電機子電流設定器の各設
定値を加算した場合を示してある)出力され、前記加算
器16の他方の入力となる。このように、電力系統から
要求される無効電力がそれほど大きくなく前記交/直変
換器6から出力される実際の電機子電流IARが前記定格
電機子電流IATを越えているけれども比較的小さい場合
に比べ、電力系統から要求される無効電力が大きく前記
交/直変換器6から出力される実際の電機子電流IAR
前記定格電機子電流IATを大きく越えている場合の方
が、前記制限開始後の(I2 −1)t予測装置15の出
力15sは、大きく、しかも早く出る。
【0036】従って、前記(I2 −1)積算装置14の
出力14sと、前記(I2 −1)t予測装置15による
前記制限開始後の予測値出力15sとの和、即ち前記比
較器18の一方の入力として供給される加算器16の出
力16sも、電力系統から要求される無効電力がそれほ
ど大きくなく前記交/直変換器6から出力される実際の
電機子電流IARが比較的小さい場合に比べ、電力系統か
ら要求される無効電力が大きく前記交/直変換器6から
出力される実際の電機子電流IARが大きい場合の方が、
大きく、しかも早く出る。比較器18の他方の入力には
(I2 −1)t動作設定器17の設定値40(固定値)
が供給されているので、該比較器18の前記一方の入力
である前記加算器16の出力16sが該設定値40(固
定値)に到達すると、該比較器18が出力を出し、図2
1の動作説明で述べたように、前記制限開始用のリレー
13が付勢され、そのa接点13a(図21)を閉じ、
同期機1の励磁制限、即ち過負荷制限、が行われる。
【0037】ところで、前述の図21〜図27により説
明した例1の過負荷制限方法及び過負荷制限装置におい
て、過負荷許容することによる電機子電流IAR3 の変化
(図26に図示)と、該電機子電流IAR3 による電機子
巻線の温度変化との関係は図28(イ)に示すようにな
る。図28(イ)において、Cは電機子巻線の温度を示
す曲線で、細い実線で示してある。なお、電機子電流I
AR3 は太い実線で示してある。CP は前記実際の電機子
電流IAR3 の最大値IAR3Pに対応する電機子巻線温度C
の最大値、CL は電機子巻線が健全な状態を維持できる
限界温度、tCPは電機子巻線温度Cが最大値CP の時
点、tCNは、電機子巻線温度Cが最大値CP に到達した
後、定常電機子電流IAR11に対応する電機子巻線温度C
N に励磁制限(過負荷制限)により低下した時点、tN
は電機子電流IAR3 が励磁制限(過負荷制限)により最
大値IAR3Pから定常電機子電流IAR11に制限された時点
である。この図28(イ)においても、前述の図19
(イ)の場合と同様に、電機子の熱時定数により、電機
子巻線温度Cが最大値CP の時点は、電機子電流IAR3
が最大値IAR3Pの時点より時期的に遅れ、また、定常電
機子電流IAR11に対応する電機子巻線温度CN に到達し
た時点tCNも、電機子電流IAR3 が励磁制限(過負荷制
限)により最大値IAR3Pから定常電機子電流IAR11に制
限された時点tNより時期的に遅れている。
【0038】ここで、図28(ロ)は系統からの無効電
力の要求が長時間に亘って連続的あるいは継続的に発生
する場合の実際の電機子電流(太い実線で図示)と電機
子巻線温度(細い実線で図示)Cとの関係を示す図であ
る。即ち、定格電機子電流IATを越えて増加した実際の
電機子電流IAR3 がその最大値IAR3Pから励磁制限(過
負荷制限)によって定格電機子電流IATまで低下すると
すぐに、系統からの無効電力の要求により、再び定格電
機子電流IATを越えて最大値IAR3Pに至る現象が連続的
あるいは継続的に繰り返し発生した場合、図示のよう
に、前述の熱時定数により、電機子巻線の温度Cが下が
らないうちに電機子電流IARが増加するので、前記現象
が連続的あるいは継続的に繰り返し発生すれば、電機子
巻線温度Cは徐々に上昇し、遂には前記電機子巻線限界
温度CL に至る可能性が出て来るという問題が生じる。
なお、前記電機子電流IARの変化に対する電機子巻線温
度Cの変化の遅れの程度は、前述の図17の場合と同様
に、同期機の電機子の構造、冷却手段、等により異なる
ので、前述の電機子巻線限界温度CL に至る可能性が出
て来る問題も、同期機の種類、電機子の構造、冷却手
段、等によりその程度は異なる。
【0039】電機子巻線余裕領域Bを積極的に活用する
例2.図21〜図23に示す例1は、実際の電機子電流
値に応じて、事前設定の予測設定器153a〜153jを切
り換える例であるが、図29は実際の電機子電流から直
接、自動的に、制限開始後の(I2 −1)tの予測値を
演算する(I2 −1)t自動予測装置15の一例であ
る。なお、図29に図示した部分以外の部分は、図21
と、構成及び動作が同じであるので、図示及び説明は省
略してある。この図29に示す自動予測装置15は、制
限開始後の(I2 −1)tの予測計算式(2)を簡略化
した式(3)を実現する一例を示すものである。
【0040】
【数1】
【0041】但し、t1 は制限開始から許容電流値へ戻
るまでにかかる時間を示す。又、Iは同期機1が定格状
態で運転されているときの実際の電機子電流を1P.
U.とする実際の電機子電流のP.U.値である。 簡易予測値=K(I+3)(I−1) ………………………(3) 但し、Kは電機子電流値が変化する時定数で決まる係数
である。
【0042】図29において、155 は定格電機子電流
設定手段で、定格電機子電流ITLを設定するものであ
る。156 は除算手段で、実際の電機子電流IAR、I
AR2、IAR3 、を前記定格電機子電流設定手段155
出力ITLで除算して、実際の電機子電流のP.U値Iを
求め、該Iを出力するものである。157 は第1の数値
設定手段で、前記(3)式における(I+3)の「3」
を設定するものである。158 は第1の加算手段で、前
記除算手段156 の出力Iと前記第1の数値設定手段1
7 の出力「3」とを加算して前記(3)式における
(I+3)を求め、該(I+3)を自己の増幅手段15
8aで増幅して出力するものである。159 は第2の数値
設定手段で、前記(3)式における(I−1)の「1」
を設定するものである。1510は第2の加算手段で、前
記除算手段156の出力Iと前記第2の数値設定手段1
9 の出力「1」とを加算して前記(3)式における
(I−1)を求め、該(I−1)を自己の増幅手段15
10a で増幅して出力するものである。1511は第1の乗
算手段で、前記第1の加算手段158 の出力(I+3)
と前記第2の加算手段1510の出力(I−1)とを乗算
して前記(3)式における(I+3)(I−1)を求
め、該(I+3)(I−1)を出力するものである。1
12は係数設定手段で、前記(3)式における係数Kを
設定するものである。1513は第2の乗算手段で、前記
第1の乗算手段1511の出力(I+3)(I−1)と前
記係数設定手段1512の出力Kとを乗算して前記(3)
式K(I+3)(I−1)、即ち簡易予測値を求めるも
のである。1514は増幅手段で、その増幅部1514a
前記K(I+3)(I−1)を増幅して自動予測装置1
5の出力15sとして出力するものである。前記各加算
手段158 、1510及び増幅手段1514におけるrは抵
抗である。
【0043】前記自動予測装置15において、実際の電
機子電流IAR、IAR2 、IAR3から自動的に演算して求
められた前記K(I+3)(I−1)は、加算器16の
一方の入力として供給され、加算器16の他方の入力に
は、(I2 −1)積算装置14(図22における(I2
−1)積算装置14と同じ構成、同じ機能のもの)の出
力(I2 −1)tが供給される。比較器18は、自動予
測装置15の出力K(I+3)(I−1)と(I2
1)出力積算装置14の出力(I2−1)tとの和が、
加算器16から供給され、以後、前述の例1と同様に動
作し、該例1と同等の効果を奏する。なお、この例2の
自動予測装置15によれば、前述の例1のように、複数
個の予測値設定器153a〜153j、比較器151a〜15
1j、リレー152a〜152jが不要となり、前述の実施例
1に比べて、装置の構成が簡素で小型化できる。
【0044】前述の例2では、簡略式(3)を利用した
例を示したが、前記式(2)をそのまま回路化あるいは
利用しても、或はこれらの式の近似式を回路化あるいは
利用しても、前述の例1と同様な効果を奏する。尚、こ
の例2の場合の電機子巻線温度、定格電機子電流、実際
の電機子電流、及び弱め界磁制御開始の各関係は、前述
の図21〜図23に示す例1の場合とほぼ同じである。
従って、定格電機子電流を越えて増加した実際の電機子
電流がその最大値から励磁制限(過負荷制限)によって
定格電機子電流まで低下するとすぐに、系統からの無効
電力の要求により、再び定格電機子電流を越えて最大値
に至る現象が連続的あるいは継続的に繰り返し発生した
場合、電機子巻線温度は徐々に上昇し、遂には前記電機
子巻線限界温度に至る可能性が出て来るという問題も、
前述の図21〜図23に示す例1の場合とほぼ同じよう
に生じるので、この例2の場合の電機子巻線温度、定格
電機子電流、実際の電機子電流、及び弱め界磁制御開始
の各関係は、図示を省略する。
【0045】電機子巻線余裕領域Bを積極的に活用する
例3.前述の例1では、単に電機子電流の大きさに応じ
て予測設定器153a〜153jを切り換える場合の例につ
いて述べたが、同期機1が系統に接続されている負荷時
と、無負荷の時とでは、電機子電流は異なった変化を
し、同一電機子電流でも制限開始後の(I2 −1)tの
積算値も異なって来る。そこで、図30に示す例は、前
記同期機1が系統に接続されている場合の(I2 −1)
tに適合した負荷時(I2 −1)t予測装置15Aと、
無負荷の場合の(I2 −1)tに適合した無負荷時(I
2 −1)t予測装置15Bと、同期機が系統に接続され
ている時に動作する、例えば、系統12に同期機1を接
続するしゃ断器22のa接点22aの閉成時に動作する
リレー23とを設け、前記しゃ断器22の投入によるa
接点22aの閉成により、前記リレー23のa接点23
aが閉じると共にb接点23bが開いて、前記負荷時
(I2 −1)t予測装置15Aが自動的に、交/直変換
器6と加算器16との間に接続されると共に、前記無負
荷時(I2−1)t予測装置15Bが自動的に切り離さ
れるようにしたものであり、また、前記しゃ断器22が
開いて同期機1が無負荷になれば、しゃ断器22のa接
点22aが開くことにより、前記リレー23のa接点2
3aが開くと共にb接点23bが閉じて、前記無負荷時
(I2 −1)t予測装置15Bが、自動的に交/直変換
器6と加算器16との間に接続されると共に、前記負荷
時(I2 −1)t予測装置15Aが自動的に切り離され
るようにしたものである。従って、図30に示される例
3を使用すれば、無負荷時及び系統に接続されている時
のどちらの時にも対応することが出来る。
【0046】なお、前述の例3では図30に示すよう
に、(I2 −1)t予測装置15全体を、負荷時用15
Aを1台、無負荷時用15Bを1台、計2台設けた例を
示したが、(I2 −1)t予測装置15全体を2台置か
ず、例えば、例1の図23において、予測設定器153a
〜153jを、負荷時用1式、無負荷時用1式、計2式置
き、加算器154 の前段に、負荷時と無負荷時とで自動
的にに切り替わるように自動切替手段(前記図30にお
けるしゃ断器22のa接点22a、リレー23、リレー
接点23a 、リレー接点23b )設けることによって
も、前述の図30に示す例3の場合と同様な効果を奏す
る。なお、図30に図示した部分以外の部分は、図14
と、構成及び動作が同じであるので、図示及び説明は省
略してある。
【0047】なお、同期機1の界磁電流IF の変化は、
一般的に、無負荷時は開回路時定数Tdo’、系統に接
続されている時は(4)式にて表せる時定数Tgにて変
化する。 Tg=(Xd’+Xe)・Tdo’/(Xd+Xe)………(4) 但し、Xdは負荷時の同期機のリアクタンス、Xd’は
無負荷時の同期機のリアクタンス、Xeは電力系統のの
リアクタンスである。同期機における定格電機子電流I
ATを越えた実際電機子電流IAR2 、IAR3を制限して、
定格電機子電流IAT内に引き戻すときは、前述のように
同期機の界磁電流IF を減少させることにより行うの
で、前記無負荷時の時定数Tdo’と前記負荷時の時定
数Tgとの差が、前記定格電機子電流IATを越えた実際
電機子電流IAR2 、IAR3 を制限してから、定格電機子
電流IAT内に引き戻すまでの時間に影響する。即ち、前
述の制限開始後に作動する(I2 −1)t予測装置15
の予測設定値を、負荷時用と、無負荷用とで変える必要
があるのである。尚、この例3の場合の電機子巻線温
度、定格電機子電流、実際の電機子電流、及び弱め界磁
制御開始の各関係も、前述の図21〜図23に示す例1
の場合とほぼ同じである。従って、定格電機子電流を越
えて増加した実際の電機子電流がその最大値から励磁制
限(過負荷制限)によって定格電機子電流まで低下する
とすぐに、系統からの無効電力の要求により、再び定格
電機子電流を越えて最大値に至る現象が連続的あるいは
継続的に繰り返し発生した場合、電機子巻線温度は徐々
に上昇し、遂には前記電機子巻線限界温度に至る可能性
が出て来るという問題も、前述の図21〜図23に示す
例1の場合とほぼ同じように生じるので、この例3の場
合も電機子巻線温度、定格電機子電流、実際の電機子電
流、及び弱め界磁制御開始の各関係は、図示を省略す
る。
【0048】なお、過負荷による発電機界磁巻線の焼損
事故を防止するものとして、界磁電流検出手段と、この
界磁電流検出手段により検出された界磁電流が所定の制
限値より大きい場合交流励磁機に設けられた界磁巻線の
回路を開き発電機の界磁巻線の励磁を停止する過励磁リ
レーとを設けたものは、特開平4−54822号公報に
しめされている。
【0049】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来に
おける同期機の過負荷制限方法及び過負荷制限装置にお
いては、定格電機子電流から実際の電機子耐量までの電
機子巻線余裕領域Bを積極的に活用してないため、同期
機の電機子に余裕があり無効電力供給能力が残っている
にも拘らず、系統からの無効電力要求に対して該同期機
により充分応えることができず、また、実際の電機子電
流を定格電機子電流以上流すようにした場合、定格電機
子電流を越えて増加した実際の電機子電流がその最大値
から励磁制限(過負荷制限)によって定格電機子電流ま
で低下するとすぐに、系統からの無効電力の要求によ
り、再び定格電機子電流を越えて最大値に至る現象が連
続的あるいは継続的に繰り返し発生した場合、電機子巻
線温度は徐々に上昇し、遂には前記電機子巻線限界温度
に至る可能性が出て来るという問題がある。この発明
は、以上のような従来における同期機の過負荷制限方法
及び過負荷制限装置における課題を解決するためになさ
れたもので、定格電機子電流を越えて増加した実際の電
機子電流がその励磁制限(過負荷制限)がかかる値から
励磁制限(過負荷制限)によって定格電機子電流まで低
下するとすぐに、系統からの無効電力の要求により、再
び定格電機子電流を越えて前記励磁制限(過負荷制限)
がかかる値に至る現象が、連続的あるいは継続的に繰り
返し発生して、電機子巻線温度が徐々に上昇しても、電
機子巻線温度がその限界温度に至らないようにする同期
機の過負荷制限方法及び過負荷制限装置を提供すること
を目的とするものである。
【0050】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る同
期機の過負荷制限方法は、過負荷許容から該過負荷許容
より後の過負荷許容要求までの時間に関連して、前記後
の過負荷許容要求に対する過負荷許容量を変える過負荷
制限方法である。請求項7の発明に係る同期機の過負荷
制限方法は、励磁制限から該励磁制限より後の過負荷許
容要求までの時間に関連して、前記励磁制限より後の過
負荷許容量を変える過負荷制限方法である。請求項13
の発明に係る同期機の過負荷制限装置は、過負荷許容か
ら該過負荷許容より後の過負荷許容要求までの間隔度合
を判別する判別手段、及びこの判別手段の出力に応動し
前記後の過負荷許容要求に対する過負荷許容量を調整す
る調整手段を設けた過負荷制限装置である。請求項19
の発明に係る同期機の過負荷制限装置は、励磁制限から
該励磁制限より後の過負荷許容要求までの間隔度合を判
別する判別手段、及びこの判別手段の出力に応動し前記
励磁制限より後の過負荷許容量を調整する調整手段を設
けた過負荷制限装置である。
【0051】請求項2の発明に係る同期機の過負荷制限
方法は、過負荷許容から該過負荷許容より後の過負荷許
容要求までの時間に関連して、先の過負荷許容量に対応
して前記後の過負荷許容要求に対する過負荷許容量を変
える過負荷制限方法である。請求項8の発明に係る同期
機の過負荷制限方法は、励磁制限から該励磁制限より後
の過負荷許容要求までの時間に関連して、前記励磁制限
における励磁制限量に対応して前記励磁制限より後の過
負荷許容量を変える過負荷制限方法である。請求項14
の発明に係る同期機の過負荷制限装置は、過負荷許容か
ら該過負荷許容より後の過負荷許容要求までの間隔度合
を判別する判別手段、及びこの判別手段の出力に応動し
先の過負荷許容における過負荷許容量に対応して前記後
の過負荷許容要求に対する過負荷許容量を調整する調整
手段を設けた過負荷制限装置である。請求項20の発明
に係る同期機の過負荷制限装置は、励磁制限から該励磁
制限より後の過負荷許容要求までの間隔度合を判別する
判別手段、及びこの判別手段の出力に応動し前記励磁制
限における励磁制限量に対応して前記励磁制限より後の
過負荷許容量を調整する調整手段を設けた過負荷制限装
置である。
【0052】請求項3の発明に係る同期機の過負荷制限
方法は、過負荷許容から該過負荷許容より後の過負荷許
容要求までの時間が所定時間以内の場合は、先の過負荷
許容量に対応して前記後の過負荷許容要求に対する過負
荷許容量を減少させる過負荷制限方法である。請求項9
の発明に係る同期機の過負荷制限方法は、励磁制限から
該励磁制限より後の過負荷許容要求までの時間が所定時
間以内の場合は、前記励磁制限における励磁制限量に対
応して前記励磁制限より後の過負荷許容量を減少させる
過負荷制限方法である。請求項15の発明に係る同期機
の過負荷制限装置は、過負荷許容から該過負荷許容より
後の過負荷許容要求までの間隔度合を判別する判別手
段、及びこの判別手段の出力に応動し前記間隔度合が所
定度合以内の場合に前記後の過負荷許容要求に対する過
負荷許容量を減少させる調整手段を設けた過負荷制限装
置である。請求項21の発明に係る同期機の過負荷制限
装置は、励磁制限から該励磁制限より後の過負荷許容要
求までの間隔度合を判別する判別手段、及びこの判別手
段の出力に応動し前記間隔度合が所定度合以内の場合に
前記励磁制限より後の過負荷許容量を減少させる調整手
段を設けた過負荷制限装置である。
【0053】請求項4の発明に係る同期機の過負荷制限
方法は、後の過負荷許容要求に対する過負荷許容量を、
同期機の電機子巻線の熱時定数に対応して増加させる過
負荷制限方法である。請求項10の発明に係る同期機の
過負荷制限方法は、励磁制限より後の過負荷許容量を、
同期機の電機子巻線の熱時定数に対応して増加させる過
負荷制限方法である。請求項16の発明に係る同期機の
過負荷制限装置は、後の過負荷許容量を、同期機の電機
子巻線の熱時定数に対応して増加させる補正手段を設け
た過負荷制限装置である。請求項22の発明に係る同期
機の過負荷制限装置は、励磁制限より後の過負荷許容量
を、同期機の電機子巻線の熱時定数に対応して増加させ
る補正手段を設けた過負荷制限装置である。
【0054】請求項5の発明に係る同期機の過負荷制限
方法は、先の過負荷許容から後の過負荷許容要求までの
時間が短い場合は長い場合より、前記後の過負荷許容要
求に対する過負荷許容量を小さくする過負荷制限方法で
ある。請求項11の発明に係る同期機の過負荷制限方法
は、励磁制限から該励磁制限より後の過負荷許容要求ま
での時間が短い場合は長い場合より、前記励磁制限より
後の過負荷許容量を小さくする過負荷制限方法である。
請求項17の発明に係る同期機の過負荷制限装置は、調
整手段が、先の過負荷許容から該過負荷許容より後の過
負荷許容要求までの間隔度合が小さい場合は大きい場合
より過負荷許容量が小さくなるように調整する過負荷制
限装置である。請求項23の発明に係る同期機の過負荷
制限装置は、調整手段が、励磁制限から該励磁制限より
後の過負荷許容要求までの間隔度合が小さい場合は大き
い場合より過負荷許容量が小さくなるように調整する過
負荷制限装置である。
【0055】請求項6の発明に係る同期機の過負荷制限
方法は、先の過負荷許容から後の過負荷許容要求までの
時間が短い場合は長い場合よりも、前記後の過負荷許容
要求に対する過負荷制限を早く始める過負荷制限方法で
ある。請求項12の発明に係る同期機の過負荷制限方法
は、励磁制限から該励磁制限より後の過負荷許容要求ま
での時間が短い場合は長い場合より前記励磁制限より後
の励磁制限を早く始める過負荷制限方法である。請求項
18の発明に係る同期機の過負荷制限装置は、調整手段
が、先の過負荷制限から該過負荷制限より後の過負荷許
容要求までの間隔度合が小さい場合は大きい場合より、
前記過負荷制限より後の過負荷制限が早く始まるように
調整する過負荷制限装置である。請求項24の発明に係
る同期機の過負荷制限装置は、調整手段は、励磁制限か
ら該励磁制限より後の過負荷許容要求までの間隔度合が
小さい場合は大きい場合より、前記励磁制限より後の過
負荷制限が早く始まるように調整する過負荷制限装置で
ある。
【0056】請求項25の発明に係る同期機の過負荷制
限装置は、実際の電機子電流を検出する検出手段によっ
て検出された実際の電機子電流が定格電機子電流を越え
ると(I2 −1)[但し、Iは定格電機子電流に対する
実際の電機子電流のP.U.値]を積算する積算装置、
及びこの積算装置による積算値を所定時間記憶する記憶
装置を設け、前記積算装置による積算値及び前記記憶装
置による記憶値に基づいて過負荷制限する過負荷制限装
置である。
【0057】請求項26の発明に係る同期機の過負荷制
限装置は、実際の電機子電流を検出する検出手段によっ
て検出された実際の電機子電流が定格電機子電流を越え
ると(I2 −1)[但し、Iは定格電機子電流に対する
実際の電機子電流のP.U.値]を積算する積算装置、
この積算装置による積算値を所定時間記憶する記憶装
置、及びこの記憶装置による記憶値を電機子巻線の熱時
定数に対応して減衰させる補正装置を設け、前記積算装
置による積算値及び前記減衰された記憶値に基づいて過
負荷制限する過負荷制限装置である。
【0058】請求項27の発明に係る同期機の過負荷制
限装置は、実際の電機子電流を検出する検出手段によっ
て検出された実際の電機子電流が定格電機子電流を越え
ると(I2 −1)[但し、Iは定格電機子電流に対する
実際の電機子電流のP.U.値]を積算する積算装置、
前記検出手段から実際の電機子電流が供給され過負荷制
限によって定格電機子電流以下に復帰した実際の電機子
電流に相当する電機子巻線温度を演算する目標値演算回
路、及び前記積算装置による積算値が電機子巻線温度に
対応して変換された値を所定時間記憶すると共に前記目
標値演算回路によって演算された前記電機子巻線温度を
目標に記憶値が限衰させられる記憶装置を設け、前記積
算装置による積算値及び前記記憶装置の限衰された記憶
値に基づいて過負荷制限する過負荷制限装置である。
【0059】
【作用】請求項1,7,13,19の発明に係る同期機
の過負荷制限方法及び過負荷制限装置においては、過負
荷許容から該過負荷許容より後の過負荷許容要求までの
時間に関連して、前記後の過負荷許容要求に対する過負
荷許容量を変え、あるいは、励磁制限から該励磁制限よ
り後の過負荷許容要求までの時間に関連して、前記励磁
制限より後の過負荷許容量を変え、あるいは、過負荷許
容から該過負荷許容より後の過負荷許容要求までの間隔
度合を判別手段で判別して、前記後の過負荷許容要求に
対する過負荷許容量を調整手段で調整し、あるいは、励
磁制限から該励磁制限より後の過負荷許容要求までの間
隔度合を判別手段で判別して、前記励磁制限より後の過
負荷許容量を調整手段で調整するので、過負荷許容要求
あるいは励磁制限が頻繁に繰り返し生じた場合は、後の
過負荷許容量を小さくして電機子巻線温度の上昇し過ぎ
を防止し、逆に過負荷許容要求あるいは励磁制限が少な
い場合は、後の過負荷許容は要求に応じて充分に行うこ
とが可能であり、同期機電機子巻線の定格電流を越えた
余裕分を活かし乍ら、系統安定化に柔軟に対応できる。
【0060】請求項2,8,14,20の発明に係る同
期機の過負荷制限方法及び過負荷制限装置においては、
過負荷許容から該過負荷許容より後の過負荷許容要求ま
での時間に関連して、先の過負荷許容量に対応して、前
記後の過負荷許容要求に対する過負荷許容量を変え、あ
るいは、励磁制限から該励磁制限より後の過負荷許容要
求までの時間に関連して、前記励磁制限における励磁制
限量に対応して、前記励磁制限より後の過負荷許容量を
変え、あるいは、過負荷許容から該過負荷許容より後の
過負荷許容要求までの間隔度合を判別手段で判別して、
先の過負荷許容における過負荷許容量に対応して、前記
後の過負荷許容要求に対する過負荷許容量を調整手段で
調整し、あるいは、励磁制限から該励磁制限より後の過
負荷許容要求までの間隔度合を判別手段で判別して、前
記励磁制限における励磁制限量に対応して、前記励磁制
限より後の過負荷許容量を調整手段で調整するので、過
負荷許容要求あるいは励磁制限が頻繁に繰り返し生じた
場合は、後の過負荷許容量を小さくして電機子巻線温度
の上昇し過ぎを防止し、逆に過負荷許容要求あるいは励
磁制限が少ない場合は、後の過負荷許容は要求に応じて
充分に行うことが可能であると共に、先の過負荷許容量
が大きい場合は、後の先の過負荷許容量を小さくして電
機子巻線温度の上昇し過ぎを防止し、逆に、先の過負荷
許容量が小さい場合は、後の過負荷許容量を要求に応じ
て充分に大きくすることが可能であり、同期機電機子巻
線の定格電流を越えた余裕分を活かし乍ら、系統安定化
に柔軟に対応できる。
【0061】請求項3,9,15,21の発明に係る同
期機の過負荷制限方法及び過負荷制限装置においては、
過負荷許容から該過負荷許容より後の過負荷許容要求ま
での時間が、所定時間以内の場合は、先の過負荷許容量
に対応して前記後の過負荷許容要求に対する過負荷許容
量を、減少させ、あるいは、励磁制限から該励磁制限よ
り後の過負荷許容要求までの時間が、所定時間以内の場
合は、前記励磁制限における励磁制限量に対応して前記
励磁制限より後の過負荷許容量を、減少させ、あるい
は、過負荷許容から該過負荷許容より後の過負荷許容要
求までの間隔度合を判別手段で判別して、前記間隔度合
が、所定度合以内の場合に、前記後の過負荷許容要求に
対する過負荷許容量を調整手段で、減少させ、あるい
は、励磁制限から該励磁制限より後の過負荷許容要求ま
での間隔度合を判別手段で判別して、前記間隔度合が、
所定度合以内の場合に、前記励磁制限より後の過負荷許
容量を調整手段で減少させるので、先の過負荷許容から
後の過負荷許容までの時間間隔が短く、先の過負荷許容
による電機子巻線の温度が充分低下していなくても、後
の過負荷許容量が減少していることにより電機子巻線温
度の上昇し過ぎを防止することができる。
【0062】請求項4,10,16,22の発明に係る
同期機の過負荷制限方法及び過負荷制限装置は、後の過
負荷許容要求に対する過負荷許容量を、同期機の電機子
巻線の熱時定数に対応して増加させ、あるいは、励磁制
限より後の過負荷許容量を、同期機の電機子巻線の熱時
定数に対応して増加させ、あるいは、後の過負荷許容量
を、同期機の電機子巻線の熱時定数に対応して補正手段
で増加させ、あるいは励磁制限より後の過負荷許容量
を、同期機の電機子巻線の熱時定数に対応して補正手段
で増加させるので、先の過負荷許容あるいは先の励磁制
限に温度上昇していた電機子巻線が、後の過負荷許容ま
でに、電機子巻線の熱時定数によって温度低下した分だ
け余分に後の過負荷許容時に過負荷許容でき、同期機電
機子巻線の定格電流を越えた余裕分を更に充分活かし乍
ら、系統安定化に更に柔軟に対応できる。
【0063】請求項5,11,17,23の発明に係る
同期機の過負荷制限方法及び過負荷制限装置において
は、先の過負荷許容から後の過負荷許容要求までの時間
が、短い場合は長い場合より、前記後の過負荷許容要求
に対する過負荷許容量を、小さくし、あるいは、励磁制
限から該励磁制限より後の過負荷許容要求までの時間が
短い場合は長い場合より、前記励磁制限より後の過負荷
許容量を、小さくし、あるいは、先の過負荷許容から該
過負荷許容より後の過負荷許容要求までの間隔度合が、
小さい場合は大きい場合より、過負荷許容量が小さくな
るように、調整手段が調整し、あるいは、励磁制限から
該励磁制限より後の過負荷許容要求までの間隔度合が、
小さい場合は大きい場合より、過負荷許容量が小さくな
るように、調整手段が調整するので、前記時間が短か
く、電機子巻線温度が充分低下しきれていない場合は、
電機子巻線温度が上昇し過ぎないように過負荷許容量は
小さく抑えられ、前記時間が長く電機子巻線温度が充分
低下している場合は、電機子巻線温度は上昇する余裕が
充分あり、過負荷許容は要求に応じて充分おこなわれ、
同期機電機子巻線の定格電流を越えた余裕分を充分活か
し乍ら、系統安定化に柔軟に対応できる。
【0064】請求項6,12,18,24の発明に係る
同期機の過負荷制限方法及び過負荷制限装置において
は、先の過負荷許容から後の過負荷許容要求までの時間
が、短い場合は長い場合より、前記後の過負荷許容要求
に対する過負荷制限を、早く始め、あるいは、励磁制限
から該励磁制限より後の過負荷許容要求までの時間が、
短い場合は長い場合より、前記励磁制限より後の励磁制
限を、早く始め、あるいは、先の過負荷制限から該過負
荷制限より後の過負荷許容要求までの間隔度合が小さい
場合は大きい場合より、前記過負荷制限より後の過負荷
制限が早く始まるように、調整手段が調整し、あるい
は、励磁制限から該励磁制限より後の過負荷許容要求ま
での間隔度合が小さい場合は大きい場合より、前記励磁
制限より後の過負荷制限が早く始まるように調整手段が
調整するので、前記時間が短かく、電機子巻線温度が充
分低下しきれていない場合は、電機子巻線温度が上昇し
過ぎないように励磁制限は早く始められ、前記時間が長
く電機子巻線温度が充分低下している場合は、電機子巻
線温度は上昇する余裕が充分あり、過負荷許容要求に充
分に応じるため、励磁制限は遅く始められ、同期機電機
子巻線の定格電流を越えた余裕分を充分活かし乍ら、系
統安定化に柔軟に対応できる。
【0065】請求項25の発明に係る同期機の過負荷制
限装置おいては、実際の電機子電流が、定格電機子電流
を越えると(I2 −1)[但し、Iは定格電機子電流に
対する実際の電機子電流のP.U.値]を積算装置が積
算し、この積算装置による積算値(I2 −1)t[但
し、tは時間]を記憶装置が所定時間記憶し、前記積算
装置による積算値及び前記記憶装置による記憶値に基づ
いて過負荷制限がおこなわれるので、過負荷許容要求が
頻繁に繰り返し行われた場合、前記記憶装置による記憶
値により過負荷許容量が制限され、同期機電機子巻線温
度の上昇し過ぎが防止され、また、後の過負荷許容要求
が前記所定時間経過後になければ、前記記憶値による制
限はなくなり、要求に応じ充分な過負荷許容がおこなわ
れ、その場合、前記所定時間の経過によって同期機電機
子巻線温度は低下しているので、前記充分な過負荷許容
により同期機電機子巻線温度が上昇し過ぎることはな
い。
【0066】請求項26の発明に係る同期機の過負荷制
限装置においては、実際の電機子電流が定格電機子電流
を越えると(I2 −1)[但し、Iは定格電機子電流に
対する実際の電機子電流のP.U.値]を積算装置が積
算し、この積算装置による積算値を記憶装置が所定時間
記憶し、この記憶装置による記憶値は、補正装置によ
り、電機子巻線の熱時定数に対応して減衰し、過負荷制
限は、この減衰された記憶値と前記積算装置による積算
値に基づいておこなわれるので、電機子巻線温度の低下
に対応して記憶値は小さくなっていき、減衰した分だけ
過負荷制限量は少なくなり、即ち、過負荷許容量は多く
なり、同期機電機子巻線の定格電流を越えた余裕分を充
分活かし乍ら、系統安定化に柔軟に対応できる。
【0067】請求項27の発明に係る同期機の過負荷制
限装置においては、実際の電機子電流が定格電機子電流
を越えると(I2 −1)[但し、Iは定格電機子電流に
対する実際の電機子電流のP.U.値]を積算装置が積
算し、前記検出手段から実際の電機子電流が供給され過
負荷制限によって定格電機子電流以下に復帰した実際の
電機子電流に相当する電機子巻線温度を目標値演算回路
が演算し、前記積算装置による積算値が電機子巻線温度
に対応して変換された値を記憶装置が所定時間記憶する
と共に前記目標値演算回路によって演算された前記電機
子巻線温度を目標に記憶値が限衰され、前記積算装置に
よる積算値及び前記記憶装置の限衰された記憶値に基づ
いて過負荷制限されるので、過負荷許容要求が頻繁に繰
り返し行われた場合、前記記憶装置による記憶値により
過負荷許容量が制限され、同期機電機子巻線温度の上昇
し過ぎが防止され、また、後の過負荷許容要求が前記所
定時間経過後になければ、前記記憶値による制限はなく
なり、要求に応じ充分な過負荷許容がおこなわれ、その
場合、前記所定時間の経過によって同期機電機子巻線温
度は低下しているので、前記充分な過負荷許容により同
期機電機子巻線温度が上昇し過ぎることはなく、更に、
定格電機子電流以下の実際の電機子電流に相当する電機
子巻線温度も考慮にいれて前記記憶値が限衰され、定格
電機子電流以上にしか限衰できない場合に比べ、過負荷
許容を余分に行え、従って、同期機電機子巻線の熱的余
裕分を更に充分活かし乍ら、系統安定化に更に柔軟に対
応できる。
【0068】実施例1.図1及び図2は、この発明の実
施例1を示す図で、図1は全体構成を示す接続図、図2
は電機子巻線温度、定格電機子電流、実際の電機子電
流、及び弱め界磁制御開始(励磁制限(過負荷制限))
の各関係を示す線図で、同図(イ)は定格電機子電流を
越えて増加した実際の電機子電流がその励磁制限(過負
荷制限)がかかる値から励磁制限(過負荷制限)によっ
て定格電機子電流以下まで低下した後、系統からの無効
電力の要求が無く、次の励磁制限(過負荷制限)がかか
らない場合を示し、同図(ロ)は定格電機子電流を越え
て増加した実際の電機子電流がその励磁制限(過負荷制
限)がかかる値から励磁制限(過負荷制限)によって定
格電機子電流以下まで低下するとすぐに、系統からの無
効電力の要求により、再び定格電機子電流を越えて前記
励磁制限(過負荷制限)がかかる値に至る現象が、連続
的あるいは継続的に繰り返し発生する場合を示してあ
る。図1において、同期機1、界磁巻線2、計器用変圧
器3、AVR(自動電圧調整器)4、計器用変流器等の
検出手段5、交/直変換器6、電機子電流制限開始値設
定器7、偏差検出器8、増幅回路9、力率検出器10、
極性切換器11、電力系統12、及びタイマT89は、そ
れらの各機能、相対関係については、前述の図17と同
じであるので省略する。17は判別手段で、前記検出手
段6で検出された実際の電機子電流IARと、前記電機子
電流制限開始値設定器7で設定された設定電機子電流と
の偏差を、前記タイマT89、及び増幅回路9を介して入
力し、過負荷制限から該過負荷制限より後の過負荷許容
までの間隔度合を判別するものである。18は調整手段
で、前記検出手段6で検出された実際の電機子電流IAR
と、電機子電流制限開始値設定器7に設定された設定電
機子電流との偏差を、前記タイマT89、及び増幅回路9
を介して一方の入力端に入力すると共に、前記判別手段
17の判別結果を他方の入力端に入力し、その出力を極
性切換器11に供給して、過負荷制限後の過負荷許容量
を調整するものであり、例えば、積分回路等の記憶手段
が使用される。
【0069】図2(イ)(ロ)は何れも、縦軸には電機
子電流IA を、横軸には時点tをとってあり、同図にお
いて、IARは実際の電機子電流で、太い実線で示してあ
る。IATは定格電機子電流、IAR11は定常電機子電流、
AR12は前記定格電機子電流IATを越えた実際の電機子
電流、IART は前記実際の電機子電流の最大値、Cは前
記実際の電機子電流IARによって温度上昇する電機子巻
線の温度で、細い実線で示してある。CN は前記定常電
機子電流IAR11に対応する電機子巻線温度、CP は前記
電機子巻線温度Cの最大値、CL は前記電機子巻線が健
全な状態を維持できる電機子巻線の限界温度、t1 は実
際の電機子電流IARがIAR11からIAR12へと上昇し始め
る時点、t2 は実際の電機子電流IARがIAR11からI
AR12へと上昇し始め定格電機子電流IATを越えた時点、
3 は実際の電機子電流IAR12が最大値IART となった
時点で、励磁制限(過負荷制限)開始の時点でもある。
3Tは前記励磁制限により実際の電機子電流IARが減少
し定格電機子電流IATに到達した時点、tN は前記励磁
制限により実際の電機子電流IARが減少して定常電機子
電流IAR11に到達した時点、tCPは前記電機子巻線温度
Cの最大値で、前記実際の電機子電流の最大値IART
対応するものである。t2Tは調整手段18が、前記励磁
制限がかかるレベル(前記実際の電機子電流の最大値I
ART に相当)の出力を停止する時点、tCNは前記励磁制
限による前記実際の電機子電流の減少により前記電機子
巻線温度Cが低下し、前記定常電機子電流IAR11に対応
する温度に到達した時点である。TはタイマーT89の時
限である。太い一点鎖線で示す線18sは調整手段18
の出力、即ち、極性切換器11の入力である。
【0070】次に、図1、図2(イ)(ロ)により励磁
制限(過負荷制限)方法及び動作について説明する。な
お、判別手段17、調整手段18を主体的に説明し、他
は、前述の図17と同じであるので、詳述は省略する。
先ず、定格電機子電流IATを越えて増加した実際の電機
子電流IAR12がその励磁制限(過負荷制限)がかかる値
から励磁制限(過負荷制限)によって定電機子電流IAT
以下まで低下した後、系統からの無効電力の要求が無
く、次の励磁制限(過負荷制限)がかからない場合につ
いて、図1、図2(イ)により説明する。今、実際の電
機子電流IAR11が、系統からの無効電力の要求により増
加し始め、定格電機子電流IATを越えてIAR12となる
と、偏差検出器8から出力が出始め、該出力はタイマー
89の時限Tの間増加し続け、増幅器9を介して、判別
手段17及び調整手段18に供給され、タイマーT89
時限Tが切れる前に、実際の電機子電流IAR12がその最
大IART に到達すると、その時点t3 で励磁制限(過負
荷制限)がかかり、電機子電流IAR12は減少し始め、時
点t3Tで定格電機子電流IAT以下となり、更に、時点t
N で定常電機子電流IAR11まで減少し、以後定常電機子
電流IAR11が、次の無効電力の要求があるまで持続され
る。
【0071】一方、判別手段17は、前述の実際の電機
子電流IAR11が定格電機子電流IATを越えたことを判別
して、前記調整手段18に、前記定格電機子電流IAT
越えた実際の電機子電流IAR12(前記偏差検出器8の偏
差出力)を記憶するように指令を出す。前記調整手段1
8は、この指令を受けると、前記実際の電機子電流I
AR11が定格電機子電流IATを越えた時点t2 から前記実
際の電機子電流IAR12の前記定格電機子電流IATに対す
る差の量を記憶し始め、前記励磁制限(過負荷制限)が
かかった時点t3 では最大電機子電流IART を記憶し、
前記実際の電機子電流が前記定常電機子電流IAR11に到
達した時点tN で、該到達したことを前記判別手段17
から知らされ、この知らされた時点tN から所定時間後
の時点t2Tで、前記記憶した最大電機子電流IART の前
記極性切換器11への出力18sを停止すると共に、前
記最大電機子電流IART の記憶を解除する。
【0072】また、電機子巻線の温度Cは、図示のよう
に、前記実際の電機子電流IARの変化に対応して変化す
るが、前記熱時定数により、前記実際の電機子電流IAR
の変化より遅れて変化し、電機子巻線温度Cの最大値C
P は、前記時点t3 ,t3T,tN より後の時点tCPとな
り、前記定常電機子電流IAR11に対応する電機子巻線温
度CN となるのは、前記調整手段18から前記極性切換
器11への出力18sの停止時点t2Tより後のtCNとな
る。
【0073】次に、定格電機子電流を越えて増加した実
際の電機子電流がその励磁制限(過負荷制限)がかかる
値から励磁制限(過負荷制限)によって定格電機子電流
以下まで低下するとすぐに、系統からの無効電力の要求
により、再び定格電機子電流を越えて前記励磁制限(過
負荷制限)がかかる値に至る現象が、連続的あるいは継
続的に繰り返し発生する場合について、図1、図2
(ロ)により説明する。この場合、実際の電機子電流I
AR12が、励磁制限(過負荷制限)により減少し始め、定
格電機子電流IATに到達する時点t3Tまでの動作は、前
述の図2(イ)の場合と同じである。前記時点t3Tを越
え、実際の電機子電流IAR12が、定格電機子電流IAT
下となった時点、例えば時点tN で、系統からの無効電
力の要求が発生した場合、この時点では、前記電機子電
流制限開始値設定器7の設定値より実際の電機子電流I
ARの方が小さいので前記偏差検出器8の偏差出力は0で
あるが、前述のように調整手段18に記憶された電機子
電流最大値IART (出力18s)を、該調整手段18が
極性切換器11に供給しているので、AVR4による励
磁制限(過負荷制限)は持続されており、実際の電機子
電流IARは増加しない。
【0074】前記系統からの無効電力の要求によって実
際の電機子電流IAR11が再び増加し始めるのは、前記調
整手段18から前記極性切換器11への出力18sの停
止時点t2Tであり、この時点t2Tから、前述と同様に、
実際の電機子電流IAR11は、増加し、定格電機子電流I
ATを越え、最大値IART に到達し、偏差検出器8、判別
手段17、調整手段18の前記各動作により、前述のよ
うな特別な機能の励磁制限(過負荷制限)方法及び動作
が再び実行される。電機子巻線温度Cは、前記系統から
の無効電力の要求による実際の電機子電流IAR11の再増
加時点t2Tまでに、定常電機子電流IAR11対応温度CN
近傍まで低下しており、従って、前記実際の電機子電流
AR11の再増加による電機子巻線温度Cの再上昇は、前
記熱時定数による遅れと相まって、定常電機子電流I
AR11対応温度C からとなり、前述の図17〜図
30の場合のように、直前の励磁制限(過負荷制限)時
に上昇した電機子巻線温度最大値CP 近傍の温度に上積
みされて最大値CP 近傍の温度から更に電機子巻線温度
が上昇して電機子巻線限界温度CL に至るようなことは
生じない。
【0075】即ち、前述の図1及び図2に示された過負
荷制限方法及び過負荷制限装置においては、時点t3
励磁制限(過負荷制限)が開始した場合、該時点t3
ら時点t2T(時点t3 で励磁制限(過負荷制限)に基づ
く調整手段18の出力18sが停止する時点)までの期
間では、系統からの無効電力の再要求があっても、過負
荷許容は0に制限され、この制限は時点t2Tで解かれ
る。また、この制限は、系統からの無効電力の再要求時
点が例えば時点tCNで生じた場合は、該時点tCNが前記
時点t2Tより前ではないので、実質的になされてないこ
とになる。
【0076】つまり図1及び図2に示された過負荷制限
方法は、電機子電流が所定値を越える過負荷を許容した
後前記過負荷を制限する同期機の過負荷制限方法におい
て、過負荷制限(時点t3 )から該過負荷制限より後の
過負荷許容要求までの時間に関連して(無効電力再要求
時点が、前記時点t3 から前記時点t2Tまでの期間内
か、或は前記時点t2Tより後の時点かによって)前記過
負荷制限(時点t3)より後の過負荷許容量を変える
(無効電力再要求が、前記時点t3 から前記時点t2T
での期間中であれば過負荷許容量を0に制限し、無効電
力再要求が、前記時点t2Tより後の時点であれば、通常
通り過負荷を許容)過負荷制限方法であり、このような
過負荷制限方法により、定格電機子電流を越えて増加し
た実際の電機子電流がその励磁制限(過負荷制限)がか
かる値から励磁制限(過負荷制限)によって定格電機子
電流以下まで低下するとすぐに、系統からの無効電力の
要求により、再び定格電機子電流を越えて前記励磁制限
(過負荷制限)がかかる値に至る現象が、連続的あるい
は継続的に繰り返し発生する場合であっても、前述のよ
うに、電機子巻線温度Cが電機子巻線限界温度CL まで
上昇する可能性を確実に防止できるのである。
【0077】同様に、図1及び図2に示された過負荷制
限装置は、同期機の電機子電流が所定値を越える過負荷
を許容した後前記過負荷を制限する同期機の過負荷制限
装置において、過負荷制限(時点t3 )から該過負荷制
限より後の過負荷許容要求までの間隔度合(無効電力再
要求時点が、前記時点t3 から前記時点t2Tまでの期間
内か、或は前記時点t2Tより後の時点(前記時点t3
ら見て、前記時点t3 から前記時点t2Tまでの前記期間
より長い期間)か)を判別する判別手段、及びこの判別
手段の出力に応動し前記過負荷制限より後の過負荷許容
量を調整(無効電力再要求が、前記時点t3 から前記時
点t2Tまでの期間中であれば過負荷許容量を0に制限
し、無効電力再要求が、前記時点t2Tより後の時点(前
記時点t3 から見て、前記時点t3 から前記時点t2T
での前記期間より長い期間)であれば、通常通り過負荷
を許容)する調整手段を設けた同期機の過負荷制限装置
であり、このような過負荷制限装置により、定格電機子
電流を越えて増加した実際の電機子電流がその励磁制限
(過負荷制限)がかかる値から励磁制限(過負荷制限)
によって定格電機子電流以下まで低下するとすぐに、系
統からの無効電力の要求により、再び定格電機子電流を
越えて前記励磁制限(過負荷制限)がかかる値に至る現
象が、連続的あるいは継続的に繰り返し発生する場合で
あっても、前述のように、電機子巻線温度Cが電機子巻
線限界温度CL まで上昇する可能性を確実に防止できる
のである。
【0078】実施例2.図3〜図5はこの発明の実施例
2を示す図で、図3は全体構成を示す接続図、図4は図
3の要部の詳細接続図、図5は電機子巻線温度、定格電
機子電流、実際の電機子電流、及び弱め界磁制御開始
(励磁制限(過負荷制限))の各関係を示す線図で、同
図(イ)は定格電機子電流を越えて増加した実際の電機
子電流がその励磁制限(過負荷制限)がかかる値から励
磁制限(過負荷制限)によって定格電機子電流以下まで
低下した後、系統からの無効電力の要求が無く、次の励
磁制限(過負荷制限)がかからない場合を示し、同図
(ロ)は定格電機子電流を越えて増加した実際の電機子
電流がその励磁制限(過負荷制限)がかかる値から励磁
制限(過負荷制限)によって定格電機子電流以下まで低
下するとすぐに、系統からの無効電力の要求により、再
び定格電機子電流を越えて前記励磁制限(過負荷制限)
がかかる値に至る現象が、連続的あるいは継続的に繰り
返し発生する場合を示してある。
【0079】図3において、符号1,2,3,4,6,
7,8,9,10,11,12,13,14,16,1
9,20,21,22は、前述の図14、図17、図2
1、図22の場合と同一又は相当の機能であるので説明
は省略する。17は交/直変換器6の出力及び(I2
1)t積算装置14の出力を入力する判別手段で、実際
の電機子電流IARが定格電機子電流を越えたことを検出
すると共に定格電機子電流を越えた実際の電機子電流が
定格電機子電流以下に低下したことを検出し、更に、実
際の電機子電流が定格電機子電流以下に低下してから所
定時間経過したことを判別するものである。18は前記
(I2 −1)t積算装置14の出力及び前記判別手段1
7の出力を入力する調整手段で、例えば記憶回路を有し
ており、前記判別手段17からの指令により前記(I2
−1)t積算装置14の出力を記憶すると共に該記憶値
の出力18sを加算器16へ供給し、また、前記判別手
段17から実際の電機子電流が定格電機子電流以下に低
下してから所定時間経過したことの知らせを受けて前記
記憶内容を消去すると共に前記加算器16への前記記憶
値の出力18sの供給を停止するものである。なお、同
期機の電機子巻線の耐量は前述の従来装置として述べた
ように、概略t=40/(I2 −1)で表せる関係上、
(I2 −1)t動作設定器19の設定値は(I2 −1)
tを「40」としてあり、(I2 −1)積算装置14で
の積算値が「(I2 −1)t=20」となって、(I2
−1)積算装置14の出力を記憶する調整手段(記憶装
置)18の記憶値も「(I2 −1)t=20」となった
ときに、加算器16の出力が「(I2 −1)t=40」
となるので、励磁制限(過負荷制限)が開始される。
【0080】図4は前述の図3における判別手段17、
調整手段18、及びその周辺の関連部分をハードウェア
回路で実現した例を示してあり、同図において、171
は定格電機子電流値の設定器、172 は交/直変換器6
の出力と前記設定器171 の出力との偏差を増幅する増
幅器、173 はこの増幅器172 の出力により導通する
トランジスタ、174 はこのトランジスタ173 の導通
により付勢される第1のリレーで、非限時のリレーであ
る。174a1 及び174a2は前記第1のリレー174
a接点、174b1 及び174b2 は前記第1のリレー17
4 のb接点、175 は前記トランジスタ173 の導通に
より付勢される第2のリレーで、オフディレイタイマー
リレーである。175bはこの第2のリレー175 のb接
点で、前記第2のリレー175 が付勢されれば瞬時に開
き、該第2のリレー175 が消勢されれば該消勢から所
定時間後に閉じるものである。rは抵抗である。前記判
別手段17は、これら設定器171 、増幅器172 、ト
ランジスタ173 、第1のリレー174 、a接点17
4a1、a接点174a2 、b接点174b、第2のリレー1
5 、b接点175b、及び抵抗rで構成されている。1
2 は積分回路、C1 は積分用コンデンサ、rは抵抗で
ある。前記調整手段18は、これら積分回路182 、積
分用コンデンサC1 、及び抵抗rで構成されている。前
記(I2 −1)t積算装置14は、除算器141 、定格
電機子電流値の設定器142 、乗算器143 、1設定器
144 、前記乗算器143 の出力と前記1設定器144
の出力との加算値(I2 −1)を増幅する増幅器14
5 、積分器146 とで構成され、前述の図22と同じ動
作をして(I2−1)tを出力する。
【0081】図5(イ)及び図5(ロ)において、14
sは(I2 −1)t積算装置14の出力、16sは加算
器16の出力、18sは調整手段18の出力、19sは
(I2 −1)t動作設定器19の出力、16S2は前記無
効電力再要求時の加算器16の出力、IAR32は前記無効
電力再要求に応えた過負荷許容により流れる実際の電機
子電流、t2Tは前記調整手段18の出力18sが無くな
る時点、t22は前記無効電力再要求時に加算器16が出
力16S2を発生する時点、t32は前記無効電力再要求に
応えた過負荷許容により流れる実際の電機子電流IAR32
に対する励磁制限(過負荷制限)が開始される時点であ
る。その他の符号については、前述の図2及び図28と
同じであるので説明は省略する。
【0082】次に、実施例2の励磁制限(過負荷制限)
方法及び動作を、図3〜図5によって説明する。先ず、
定格電機子電流を越えて増加した実際の電機子電流がそ
の励磁制限(過負荷制限)がかかる値から励磁制限(過
負荷制限)によって定格電機子電流以下まで低下した
後、系統からの無効電力の要求が無く、次の励磁制限
(過負荷制限)がかからない場合について、図3及び図
5(イ)により説明する。定格電機子電流IATを越えた
実際の電機子電流IAR3 が増加するに伴って、(I2
1)t積算装置14の出力14s、調整手段18の出力
18s、加算器16の出力16sも、図5(イ)に示す
ように増加し、時点t3 で前記加算器16の出力16s
が(I2 −1)t動作設定器19の設定値19sに到達
すると、比較器20が出力を出し、励磁制限(過負荷制
限)が開始され、実際の電機子電流IAR3 は減少し、定
格電機子電流IAT以下となった時点T3Tで、第1のリレ
ー174 のb接点174b2 が閉じることにより、積分器
146 のコンデンサCが放電し、(I2 −1)t積算装
置14の出力14sは0となる。一方、調整手段18の
出力18sは、前記第2のリレー175 のb接点175b
が閉じる時点t2Tまで持続し、該時点t2Tで第2のリレ
ー175 のb接点175bが閉じることによる積分用コン
デンサ182 の放電により0となる。
【0083】次いで、定格電機子電流を越えて増加した
実際の電機子電流がその励磁制限(過負荷制限)がかか
る値から励磁制限(過負荷制限)によって定格電機子電
流以下まで低下するとすぐに、系統からの無効電力の要
求により、再び定格電機子電流を越えて前記励磁制限
(過負荷制限)がかかる値に至る現象が、連続的或は継
続的に繰り返し発生する場合について、図3及び図5
(ロ)により説明する。時点t3 で前記励磁制限(過負
荷制限)がかかり、実際の電機子電流IAR3が減少し
て、定格電機子電流IAT以下となった時点t3Tで、系統
からの無効電力の要求により、再び実際の電機子電流I
AR32が定格電機子電流IATを越えた状態で増加し始める
と、その時点t3Tから(I2 −1)t積算装置14の出
力14sも発生し始めるので、加算器16の出力16S2
は、調整手段18の出力18sと(I2 −1)t積算装
置14の出力14sとの合計値となり、図5(ロ)に示
すように増加し、時点t4 で、(I2 −1)t動作設定
器19の設定値19sに到達すると、比較器20が出力
を出し、再び励磁制限(過負荷制限)が開始され、実際
の電機子電流IAR32は図示のように減少する。前記時点
4 における実際の電機子電流IAR32の最大値IAR32P
は、図示の通り、前の励磁制限(過負荷制限)時t3
実際の電機子電流IAR3 の最大値IAR3Pに比べ可成り小
さい値となっている。また、この図5(ロ)に図示のよ
うに、先の過負荷許容期間(時点t2 〜時点t3 )にお
ける過負荷許容量より、後の過負荷許容期間(時点t3T
〜時点t4 )における過負荷許容量は小さく抑えられて
いる。なお、後の過負荷許容期間が、調整手段18の出
力18sの停止時点t2Tより後の場合は、該後の過負荷
許容期間における過負荷許容量は、前記先の過負荷許容
期間(時点t2 〜時点t3 )における過負荷許容量と変
わらず同じになる。
【0084】ここで、電機子巻線温度Cは、時点tCP
最大値となり、再度の励磁制限(過負荷制限)が開始時
点t4 では低下しており、また、前記時点t4 における
実際の電機子電流IAR32の最大値IAR32P は可成り小さ
く抑えられており、しかも、前記再度の過負荷許容によ
る実際の電機子電流IAR32による前記電機子巻線温度C
の上昇は前記熱時定数によって遅れることもあって、前
記後の過負荷許容期間(時点t3T〜時点t4 の間)にお
いて、前記電機子巻線温度Cは、図示してあるように、
前記先のの過負荷許容期間(時点t2 〜時点t3 の間)
の実際の電機子電流IAR3 による最大値CP よりは上が
らない。前述のように、実施例2においても、実施例1
と同様に、定格電機子電流を越えて増加した実際の電機
子電流がその励磁制限(過負荷制限)がかかる値から励
磁制限(過負荷制限)によって定格電機子電流以下まで
低下するとすぐに、系統からの無効電力の要求により、
再び定格電機子電流を越えて前記励磁制限(過負荷制
限)がかかる値に至る現象が、連続的あるいは継続的に
繰り返し発生する場合であっても、電機子巻線温度Cが
電機子巻線限界温度CL まで上昇する可能性を確実に防
止できる。
【0085】実施例3.図6はこの発明の実施例3を示
す要部の接続図である。この実施例3の全体構成は前述
の図3と同じ構成にすればよいので、図示は省略してあ
る。図6において、176 は第3のリレーで、非限時の
リレーである。176b1及び176b2 は何れも前記第3
のリレー176 のb接点、181 は増幅回路、182
積分回路、183 は補正手段、184 は前記b接点17
6b2 を含むb接点回路、C1 は積分用コンデンサ、C2
は前記積分用コンデンサC1 が前記b接点176b1 を通
して瞬時放電するのを抑制するコンデンサである。な
お、前記補正手段183 は、前記増幅回路181 及びb
接点回路184を介して前記積分回路182 の入出力端
間に挿入されており、前記実際の電機子電流IAR3 が前
記定格電機子電流IAT以下になることにより前記b接点
176b1 及び176b2 が閉じると、前記積分回路182
の出力、即ち調整手段18の出力18s、が、電機子巻
線の前記熱時定数に相当する一定の時定数で減衰するよ
うに、前記積分回路182 にフィードバックをかけるも
のである。前記調整手段18は、前記増幅回路181
積分回路182 、補正手段183 及びb接点回路184
により構成されている。その他の符号については、それ
らの各機能、及び相対関係が前述の図4と同じであるの
で、説明は省略する。
【0086】図7は前記図6に示す実施例3における電
機子巻線温度、定格電機子電流、実際の電機子電流、及
び弱め界磁制御開始(励磁制限(過負荷制限))の各関
係を示す線図で、同図(イ)は定格電機子電流を越えて
増加した実際の電機子電流がその励磁制限(過負荷制
限)がかかる値から励磁制限(過負荷制限)によって定
格電機子電流以下まで低下した後、系統からの無効電力
の要求が無く、次の励磁制限(過負荷制限)がかからな
い場合を示し、同図(ロ)は定格電機子電流を越えて増
加した実際の電機子電流がその励磁制限(過負荷制限)
がかかる値から励磁制限(過負荷制限)によって定格電
機子電流以下まで低下するとすぐに、系統からの無効電
力の要求により、再び定格電機子電流を越えて前記励磁
制限(過負荷制限)がかかる値に至る現象が、連続的あ
るいは継続的に繰り返し発生する場合を示してある。
【0087】図7(イ)(ロ)において、前述の図5
(イ)(ロ)と異なる点は、調整手段18の出力18s
で、前述の図5(イ)(ロ)における調整手段18の出
力18sが励磁制限(過負荷制限)後一定の値に維持さ
れているのに対し、図7(イ)(ロ)においては、図示
のように、励磁制限(過負荷制限)による実際の電機子
電流の減少に伴う電機子巻線温度Cの低下に伴って、電
機子巻線の前記熱時定数に相当する一定の時定数で減衰
している。前述の系統からの無効電力再要求による再度
の過負荷許容によって実際の電機子電流が定格電機子電
流を再び越えて流れ始めるまでに、電機子巻線温度Cが
低下している場合は、低下している分だけ余分に過負荷
許容できる。この電機子巻線温度Cが低下している分だ
け余分に過負荷許容するため、調整手段18の出力18
sも前記電機子巻線温度Cの低下に見合う分だけ下げる
ようにしてあるのである。即ち、調整手段18の出力1
8sが前記電機子巻線温度Cの低下に見合う分だけ下が
れば、加算器16の出力16sも調整手段18の出力1
8sが下がった分だけ下がるので、加算器16の出力1
6sが前記(I2 −1)t動作設定器19の設定値19
sに到達する時点t5 も遅くなり、遅くなった分だけ励
磁制限(過負荷制限)開始が遅くなるため、励磁制限
(過負荷制限)開始が遅くなった分だけ余分に過負荷を
許容できる。
【0088】なお、図7(ロ)に、調整手段18の出力
18sが励磁制限(過負荷制限)後一定の値に維持され
ている場合における調整手段18の出力18s及び加算
器16の出力16sを点線で示してあり、この場合の加
算器16の出力16sが前記(I2 −1)t動作設定器
19の設定値19sに到達する時点(励磁制限(過負荷
制限)がかかる時点)はt4 で示してある。前記2つの
時点t5 とt4とを比較すれば、同じ電機子電流IAR32
に対し(同じ過負荷許容要求に対し)、調整手段18の
出力18sが前記電機子巻線温度Cの低下に見合う分だ
け下がるようにした場合の励磁制限(過負荷制限)開始
時点t5 が遅く、この遅い分だけ過負荷許容量が多いこ
とが容易に理解できる。
【0089】なお、図4及び図6に示す実施例では、
(I2 −1)tの積算値を積分回路182 に一定時間記
憶させる場合について述べたが、前記(I2 −1)tの
値を、この(I2 −1)tに対応する前記電機子巻線の
温度値に変更し、温度値として前記積分回路182 に記
憶させても、図4及び図6と同様な効果を奏する。また
この場合、実際の電機子電流が定格電機子電流以下にな
れば、前記積分回路182 に記憶された前記電機子巻線
温度相当の記憶値を、前述の図6に示すような補正手段
183 により、電機子巻線の熱時定数で限衰してもよ
い。
【0090】実施例4.図8はこの発明の実施例4の要
部を示す接続図である。この実施例4の全体構成は前述
の図3と同じ構成にすればよいので、図示は省略してあ
る。図8において、177 は前記(I2 −1)t積算装
置14の出力端と前記調整手段18の入力端との間に挿
入された温度変換ゲイン設定回路で、前記前記(I2
1)t積算装置14から前記調整手段18に供給される
(I2 −1)tを電機子巻線温度相当値に変換するもの
である。241 は除算器、242は定格電機子電流設定
器で、前記除算器241 は、この設定器242 の出力で
実際の電機子電流を除すことによりI(定格電機子電流
に対する実際の電機子電流のP.U.値)を得る。24
3 は前記IからI2 を得る乗算器、245 は前記I2
温度に変換するゲイン設定回路、246 は定格電機子電
流値相当の電機子巻線温度を設定する巻線温度設定器、
247 は前記ゲイン設定回路245 の出力と前記設定器
246 の出力との差をとりその差を増幅する差分回路、
248 は0値を設定する0値設定器、249 は前記0値
設定器248 の出力と前記積分回路182 の出力(調整
手段18の出力)18sとの差を増幅する比較回路、2
10はトランジスタで、前記積分回路182 の出力(調
整手段18の出力)18sが前記0値設定器248 の出
力より大きい場合に導通するものである。2411はこの
トランジスタ2410が導通すると付勢される第4のリレ
ー、2411a はこの第4のリレー2411のa接点、24
11b は前記第4のリレー2411のb接点、rは抵抗であ
る。24は前記調整手段18の積分回路182 に対する
積算値目標演算回路で、前記除算器241 、定格電機子
電流設定器242 、乗算器243 、ゲイン設定回路24
5 、巻線温度設定器246 、差分回路247 、0値設定
器248 、比較回路249 、トランジスタ2410、第4
のリレー2411、a接点2411a 、b接点2411b、及
び抵抗r24で構成されている。24sはこの積算値目
標演算回路24の出力である。その他の符号について
は、前述の図6と同一或は相当部分であるので、説明は
省略する。
【0091】この図8においては、前記差分検出回路2
7 の出力、即ち前記積算値目標演算回路24の出力2
4sは、前記除算器241 に入力される実際の電機子電
流が定格電機子電流の場合は0となり、実際の電機子電
流が定格電機子電流未満の場合は負となる。一方、前記
調整手段18の積分回路182 に供給される2つの入
力、即ち前記(I2 −1)t積算装置14の出力14
s、及び前記積算値目標演算回路24の出力24sは、
何れも電機子巻線温度相当値に変換されて供給されてい
るが、前記(I2 −1)t積算装置14の出力14s
は、前記実際の電機子電流が定格電機子電流以上になれ
ば動作する第1のリレー174 のa接点174a2が閉じ
ている時だけ供給される。従って、前記積算値目標演算
回路24が設けられてない例えば図6においては、前記
積分回路182 に記憶される記憶値は、定格電機子電流
を越えた上昇分相当値であり、実際の電機子電流が定格
電機子電流未満になれば補正手段183 によって減衰さ
れる前記積分回路182 の記憶値の最終減衰目標値は、
前記上昇分が0に戻る値である。即ち、定格電機子電流
相当温度に戻すことが最終減衰目標に設定されている。
【0092】しかし、励磁制限(過負荷制限)時には、
現実には、実際の電機子電流は、定格電機子電流より小
さな電流まで制限されるので、前記減衰も、実際の電機
子電流に合わせてより低い値まで行われるようにした方
が好ましい。そこで、図8の実施例においては、積算値
目標演算回路24を設け、実際の電機子電流が定格電機
子電流より小さい場合は、負の出力が前記積分回路18
2に供給されるようにしてあるので、積分回路182
記憶値を、定格電機子電流未満も対象にした低い値まで
減衰することが可能となる。
【0093】実施例5.図9〜図11は、前述の図21
〜図23の過負荷制限装置に、前述の判別手段17及び
調整手段18を設けた例を示してあり、前述の実施例と
同様な効果を奏する。
【0094】実施例6.図12は、前述の図29の過負
荷制限装置に、前述の判別手段17及び調整手段18を
設けた例を示してあり、前述の実施例と同様な効果を奏
する。
【0095】前述の図9〜図12において、前記判別手
段17及び調整手段18が(I2−1)t積算装置14
の出力14sを直接入力し前記調整手段18の出力18
sを加算器16に入力する回路構成(前述の図3、図4
と同じ回路構成)としても前述の実施例と同様な効果を
奏する。また、同様に、前記判別手段17及び調整手段
18が(I2 −1)t予測装置15の出力15sを直接
入力し前記調整手段18の出力18sを加算器16に入
力する回路構成としても前述の実施例と同様な効果を奏
する。
【0096】実施例7.図13は、前述の図30の過負
荷制限装置に、前述の判別手段17及び調整手段18を
設けた例を示してあり、前述の実施例と同様な効果を奏
する。なお、この図13において、前記判別手段17及
び調整手段18が(I2 −1)t積算装置14の出力1
4sを直接入力し前記調整手段18の出力18sを加算
器16に入力する回路構成(前述の図3、図4と同じ回
路構成)としても前述の実施例と同様な効果を奏する。
また、同様に、前記判別手段17及び調整手段18が各
(I2 −1)t予測装置15A,15Bの各々に対して
設け、各々、対応する(I2 −1)t予測装置出力15
sを直接入力し前記調整手段18の出力18sを加算器
16に入力する回路構成としても前述の実施例と同様な
効果を奏する。
【0097】前述の各実施例は何れもともアナログ回路
で説明したが、当然ディジタル回路或はマイクロプロセ
ッサ等を使用した制御装置に於けるソフトウェアーでも
実現でき、前述の各実施例1〜6と同様な効果を奏す
る。
【0098】また、同様に前述の実施例では、励磁機を
持たない励磁制御装置に適用した説明したが、ブラシレ
ス励磁機、直流励磁機等の回転励磁機を有する励磁制御
装置に適用しても前述の実施例と同様の効果を奏する。
【0099】なお、系統からの無効電力の要求(過負荷
許容の要求)は、連続的に繰り返しあったとしても、常
に励磁制限(過負荷制限)がかかる大きさとは限らず、
励磁制限(過負荷制限)がかからない程度の比較的小さ
な無効電力の要求(過負荷許容の要求)があった後、該
無効電力の要求(過負荷許容の要求)がなくなり、その
後、励磁制限(過負荷制限)がかかる大きさの無効電力
の要求(過負荷許容の要求)がある場合がある。このよ
うな場合は、先の比較的小さな無効電力の要求(過負荷
許容の要求)が存在している間に電機子巻線温度Cはそ
れ程上がらないので、先の無効電力の要求(過負荷許容
の要求)が大きい場合に比べて、後の大きな無効電力の
要求(過負荷許容の要求)に対しては過負荷許容を比較
的大きくしても電機子巻線温度Cはそれ程大幅に上昇し
ない場合があり、このような場合は、励磁制限(過負荷
制限)の時点が遅くなるようにして、過負荷許容量が大
きくなるように対応した方が好ましい。前述の図3以降
の各実施例の何れにおいても、前記調整手段18は(I
2 −1)tを記憶する構成としてあり、一方、前記比較
的小さな無効電力の要求時には、実際の電機子電流も比
較的小さく、(I2 −1)tも小さくなるので、前述の
好ましい対応を自動的に行う。
【0100】また、前述の実施例においては、予測装置
15として、定格電機子電流を越えた実際の電機子電流
の大きさに応じて作動するものについて示したが、定格
電機子電流を越えた実際の電機子電流の大きさは、該電
機子電流の変化率でも把握できるので、予測装置15
は、定格電機子電流を越えた実際の電機子電流の変化率
に応動するものにしても、定格電機子電流を越えた実際
の電機子電流の大きさに応じて作動することに該当する
ものである。また、前述の図1〜図30の各図中、同一
符号は同一又は相当部分を示す。
【0101】
【発明の効果】請求項1,7,13,19の発明は、過
負荷許容から該過負荷許容より後の過負荷許容要求まで
の時間に関連して、前記後の過負荷許容要求に対する過
負荷許容量を変え、あるいは、励磁制限から該励磁制限
より後の過負荷許容要求までの時間に関連して、前記励
磁制限より後の過負荷許容量を変え、あるいは、過負荷
許容から該過負荷許容より後の過負荷許容要求までの間
隔度合を判別手段で判別して、前記後の過負荷許容要求
に対する過負荷許容量を調整手段で調整し、あるいは、
励磁制限から該励磁制限より後の過負荷許容要求までの
間隔度合を判別手段で判別して、前記励磁制限より後の
過負荷許容量を調整手段で調整するので、過負荷許容要
求あるいは励磁制限が頻繁に繰り返し生じた場合は、後
の過負荷許容量を小さくして電機子巻線温度の上昇し過
ぎを防止し、逆に過負荷許容要求あるいは励磁制限が少
ない場合は、後の過負荷許容は要求に応じて充分に行う
ことが可能であり、同期機電機子巻線の定格電流を越え
た余裕分を活かし乍ら、系統安定化に柔軟に対応でき
る。
【0102】請求項2,8,14,20の発明は、過負
荷許容から該過負荷許容より後の過負荷許容要求までの
時間に関連して、先の過負荷許容量に対応して、前記後
の過負荷許容要求に対する過負荷許容量を変え、あるい
は、励磁制限から該励磁制限より後の過負荷許容要求ま
での時間に関連して、前記励磁制限における励磁制限量
に対応して、前記励磁制限より後の過負荷許容量を変
え、あるいは、過負荷許容から該過負荷許容より後の過
負荷許容要求までの間隔度合を判別手段で判別して、先
の過負荷許容における過負荷許容量に対応して、前記後
の過負荷許容要求に対する過負荷許容量を調整手段で調
整し、あるいは、励磁制限から該励磁制限より後の過負
荷許容要求までの間隔度合を判別手段で判別して、前記
励磁制限における励磁制限量に対応して、前記励磁制限
より後の過負荷許容量を調整手段で調整するので、過負
荷許容要求あるいは励磁制限が頻繁に繰返し生じた場合
は、後の過負荷許容量を小さくして電機子巻線温度の上
昇し過ぎを防止し、逆に過負荷許容要求あるいは励磁制
限が少ない場合は、後の過負荷許容は要求に応じて充分
に行うことが可能であると共に、先の過負荷許容量が大
きい場合は、後の先の過負荷許容量を小さくして電機子
巻線温度の上昇し過ぎを防止し、逆に、先の過負荷許容
量が小さい場合は、後の過負荷許容量を要求に応じて充
分に大きくすることが可能であり、同期機電機子巻線の
定格電流を越えた余裕分を活かし乍ら、系統安定化に柔
軟に対応できる。
【0103】請求項3,9,15,21の発明は、過負
荷許容から該過負荷許容より後の過負荷許容要求までの
時間が、所定時間以内の場合は、先の過負荷許容量に対
応して前記後の過負荷許容要求に対する過負荷許容量
を、減少させ、あるいは、励磁制限から該励磁制限より
後の過負荷許容要求までの時間が、所定時間以内の場合
は、前記励磁制限における励磁制限量に対応して前記励
磁制限より後の過負荷許容量を、減少させ、あるいは、
過負荷許容から該過負荷許容より後の過負荷許容要求ま
での間隔度合を判別手段で判別して、前記間隔度合が、
所定度合以内の場合に、前記後の過負荷許容要求に対す
る過負荷許容量を調整手段で、減少させ、あるいは、励
磁制限から該励磁制限より後の過負荷許容要求までの間
隔度合を判別手段で判別して、前記間隔度合が、所定度
合以内の場合に、前記励磁制限より後の過負荷許容量を
調整手段で減少させるので、先の過負荷許容から後の過
負荷許容までの時間間隔が短く、先の過負荷許容による
電機子巻線の温度が充分低下していなくても、後の過負
荷許容量が減少していることにより電機子巻線温度の上
昇し過ぎを防止することができる。
【0104】請求項4,10,16,22の発明は、後
の過負荷許容要求に対する過負荷許容量を、同期機の電
機子巻線の熱時定数に対応して増加させ、あるいは、励
磁制限より後の過負荷許容量を、同期機の電機子巻線の
熱時定数に対応して増加させ、あるいは、後の過負荷許
容量を、同期機の電機子巻線の熱時定数に対応して補正
手段で増加させ、あるいは励磁制限より後の過負荷許容
量を、同期機の電機子巻線の熱時定数に対応して補正手
段で増加させるので、先の過負荷許容あるいは先の励磁
制限に温度上昇していた電機子巻線が、後の過負荷許容
までに、電機子巻線の熱時定数によって温度低下した分
だけ余分に後の過負荷許容時に過負荷許容でき、同期機
電機子巻線の定格電流を越えた余裕分を更に充分活かし
乍ら、系統安定化に更に柔軟に対応できる。
【0105】請求項5,11,17,23の発明は、先
の過負荷許容から後の過負荷許容要求までの時間が、短
い場合は長い場合より、前記後の過負荷許容要求に対す
る過負荷許容量を、小さくし、あるいは、励磁制限から
該励磁制限より後の過負荷許容要求までの時間が短い場
合は長い場合より、前記励磁制限より後の過負荷許容量
を、小さくし、あるいは、先の過負荷許容から該過負荷
許容より後の過負荷許容要求までの間隔度合が、小さい
場合は大きい場合より、過負荷許容量が小さくなるよう
に、調整手段が調整し、あるいは、励磁制限から該励磁
制限より後の過負荷許容要求までの間隔度合が、小さい
場合は大きい場合より、過負荷許容量が小さくなるよう
に、調整手段が調整するので、前記時間が短かく、電機
子巻線温度が充分低下しきれていない場合は、電機子巻
線温度が上昇し過ぎないように過負荷許容量は小さく抑
えられ、前記時間が長く電機子巻線温度が充分低下して
いる場合は、電機子巻線温度は上昇する余裕が充分あ
り、過負荷許容は要求に応じて充分おこなわれ、同期機
電機子巻線の定格電流を越えた余裕分を充分活かし乍
ら、系統安定化に柔軟に対応できる。
【0106】請求項6,12,18,24の発明は、先
の過負荷許容から後の過負荷許容要求までの時間が、短
い場合は長い場合より、前記後の過負荷許容要求に対す
る過負荷制限を、早く始め、あるいは、励磁制限から該
励磁制限より後の過負荷許容要求までの時間が、短い場
合は長い場合よりも、前記励磁制限より後の励磁制限
を、早く始め、あるいは、先の過負荷制限から該過負荷
制限より後の過負荷許容要求までの間隔度合が小さい場
合は大きい場合より、前記過負荷制限より後の過負荷制
限が早く始まるように、調整手段が調整し、あるいは、
励磁制限から該励磁制限より後の過負荷許容要求までの
間隔度合が小さい場合は大きい場合より、前記励磁制限
より後の過負荷制限が早く始まるように調整手段が調整
するので、前記時間が短かく、電機子巻線温度が充分低
下しきれていない場合は、電機子巻線温度が上昇し過ぎ
ないように励磁制限は早く始められ、前記時間が長く電
機子巻線温度が充分低下している場合は、電機子巻線温
度は上昇する余裕が充分にあり、過負荷許容要求に充分
に応じるため、励磁制限は遅く始められ、同期機電機子
巻線の定格電流を越えた余裕分を充分活かし乍ら、系統
安定化に柔軟に対応できる。
【0107】請求項25の発明は、実際の電機子電流
が、定格電機子電流を越えると(I2−1)[但しIは
定格電機子電流に対する実際の電機子電流のP.U.
値]を積算装置が積算し、この積算装置による積算値
(I2 −1)t[但しtは時間]を記憶装置が所定時間
記憶し、前記積算装置による積算値及び前記記憶装置に
よる記憶値に基づいて過負荷制限がおこなわれるので、
過負荷許容要求が頻繁に繰り返し行われた場合、前記記
憶装置による記憶値により過負荷許容量が制限され、同
期機電機子巻線温度の上昇し過ぎが防止され、また、後
の過負荷許容要求が前記所定時間経過後になければ、前
記記憶値による制限はなくなり、要求に応じ充分な過負
荷許容がおこなわれ、その場合、前記所定時間の経過に
よって同期機電機子巻線温度は低下しているので、前記
充分な過負荷許容により同期機電機子巻線温度が上昇し
過ぎることはない。
【0108】請求項26の発明は、実際の電機子電流が
定格電機子電流を越えると(I2−1)[但し、Iは定
格電機子電流に対する実際の電機子電流のP.U.値]
を積算装置が積算し、この積算装置による積算値を記憶
装置が所定時間記憶し、この記憶装置による記憶値は、
補正装置により、電機子巻線の熱時定数に対応して減衰
し、過負荷制限は、この減衰された記憶値と前記積算装
置による積算値に基づいておこなわれるので、電機子巻
線温度の低下に対応して記憶値は小さくなっていき、減
衰した分だけ過負荷制限量は少なくなり、即ち、過負荷
許容量は多くなり、同期機電機子巻線の定格電流を越え
た余裕分を充分活かし乍ら、系統安定化に柔軟に対応で
きる
【0109】請求項27の発明は、実際の電機子電流が
定格電機子電流を越えると(I2−1)[但し、Iは定
格電機子電流に対する実際の電機子電流のP.U.値]
を積算装置が積算し、前記検出手段から実際の電機子電
流が供給され過負荷制限により定格電機子電流以下に復
帰した実際の電機子電流に相当する電機子巻線温度を目
標値演算回路が演算し、前記積算装置による積算値が電
機子巻線温度に対応して変換された値を記憶装置が所定
時間記憶すると共に前記目標値演算回路によって演算さ
れた前記電機子巻線温度を目標に記憶値が限衰され、前
記積算装置による積算値及び前記記憶装置の限衰された
記憶値に基いて過負荷制限されるので、過負荷許容要求
が頻繁に繰り返し行われた場合、前記記憶装置による記
憶値により過負荷許容量が制限され、同期機電機子巻線
温度の上昇し過ぎが防止され、また、後の過負荷許容要
求が前記所定時間経過後になければ、前記記憶値による
制限はなくなり、要求に応じ充分な過負荷許容がおこな
われ、その場合、前記所定時間の経過によって同期機電
機子巻線温度は低下しているので、前記充分な過負荷許
容により同期機電機子巻線温度が上昇し過ぎることはな
く、更に、定格電機子電流以下の実際の電機子電流に相
当する電機子巻線温度も考慮にいれて前記記憶値が限衰
され、定格電機子電流以上にしか限衰できない場合に比
べ、過負荷許容を余分に行え、従って、同期機電機子巻
線の熱的余裕分を更に充分活かし乍ら系統安定化に更に
柔軟に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1を示す図で、装置全体構
成を示す接続図。
【図2】 この発明の実施例1における、同期機の電機
子巻線温度、定格電機子電流、実際の電機子電流、およ
び弱め界磁制御開始(励磁制限(過負荷制限))、の各
関係を示す線図。
【図3】 この発明の実施例2を示す図で、装置全体構
成を示す接続図。
【図4】 この発明の実施例2の要部の詳細接続図。
【図5】 この発明の実施例2における同期機の電機子
巻線温度、定格電機子電流、実際の電機子電流、および
弱め界磁制御開始(励磁制限(過負荷制限))、の各関
係を示す線図で、図5(イ)は定格電機子電流を越えて
増加した実際の電機子電流がその励磁制限(過負荷制
限)がかかる値から励磁制限(過負荷制限)によって定
格電機子電流以下まで低下した後、系統からの無効電力
の要求が無く、次の励磁制限(過負荷制限)がかからな
い場合を示し、図5(ロ)は定格電機子電流を越えて増
加した実際の電機子電流がその励磁制限(過負荷制限)
がかかる値から励磁制限(過負荷制限)によって定格電
機子電流以下まで低下するとすぐに、系統からの無効電
力の要求により、再び定格電機子電流を越えて前記励磁
制限(過負荷制限)がかかる値に至る現象が、連続的あ
るいは継続的に繰り返し発生する場合を示してある。
【図6】 この発明の実施例3の要部の詳細接続図。
【図7】 この発明の実施例3における、同期機の電機
子巻線温度、定格電機子電流、実際の電機子電流、およ
び弱め界磁制御開始(励磁制限(過負荷制限))、の各
関係を示す線図。定格電機子電流、実際の電機子電流、
および弱め界磁制御開始の各関係と、電機子巻線の耐量
とを、比較して示す線図で、実際の電機子電流が定格電
機子電流を越えた時点を時間軸の0点としてある。
【図8】 この発明の実施例4の要部の詳細接続図。
【図9】 この発明の実施例5を示す全体構成図。
【図10】 この発明の実施例5における(I2 −1)
積算装置を示す接続図。
【図11】 この発明の実施例5における(I2 −1)
t予測装置を示す接続図。
【図12】 この発明の実施例6の要部の詳細接続図。
【図13】 この発明の実施例7の要部の構成図。
【図14】 従来装置の全体構成図。
【図15】 従来装置の供給有効電力、供給無効電力、
界磁制御、定格電機子電流、及び実際の電機子電流、の
各関係を示す線図。
【図16】 従来装置における、各々、定格電機子電
流、実際の電機子電流、および弱め界磁制御開始、の各
関係を示す線図。
【図17】 従来装置の他の例を示す全体構成図。この
発明の実施例1における、定格電機子電流、実際の電機
子電流、および弱め界磁制御開始の各関係と、電機子巻
線の耐量とを、比較して示す線図で、実際の電機子電流
が定格電機子電流を越えた時点を時間軸の0点としてあ
る。
【図18】 図17の従来装置における、定格電機子電
流、実際の電機子電流、および弱め界磁制御開始、の各
関係を示す線図。
【図19】 図17の従来装置における、同期機の電機
子巻線温度、定格電機子電流、実際の電機子電流、およ
び弱め界磁制御開始(励磁制限(過負荷制限))、の各
関係を示す線図で、図19(イ)は定格電機子電流を越
えて増加した実際の電機子電流がその励磁制限(過負荷
制限)がかかる値から励磁制限(過負荷制限)によって
定格電機子電流以下まで低下した後、系統からの無効電
力の要求が無く、次の励磁制限(過負荷制限)がかから
ない場合を示し、図19(ロ)は定格電機子電流を越え
て増加した実際の電機子電流がその励磁制限(過負荷制
限)がかかる値から励磁制限(過負荷制限)により定格
電機子電流以下まで低下するとすぐに、系統からの無効
電力の要求により、再び定格電機子電流を越えて前記励
磁制限(過負荷制限)がかかる値に至る現象が、連続的
あるいは継続的に繰り返し発生する場合を示してある。
【図20】 従来装置における、供給有効電力、供給無
効電力、界磁制御、定格電機子電流、及び実際の電機子
電流、の各関係を示す線図。
【図21】 従来装置の他の例を示す全体構成図。
【図22】 図21の従来装置における、(I2 −1)
積算装置の内部接続図。
【図23】 図21の従来装置における、(I2 −1)
t予測装置の内部接続である。
【図24】 図21の従来装置における、供給有効電
力、供給無効電力、界磁制御、定格電機子電流、及び実
際の電機子電流、の各関係を示す線図。
【図25】 図21の従来装置における、過負荷供給量
が比較的小さい場合の、定格電機子電流、実際の電機子
電流、および弱め界磁制御開始、の各関係を示す線図。
【図26】 図21の従来装置における、過負荷供給量
が比較的大きい場合の、定格電機子電流、実際の電機子
電流、および弱め界磁制御開始、の各関係を示す線図。
【図27】 図21の従来装置における、定格電機子電
流、実際の電機子電流、および弱め界磁制御開始の各関
係と、電機子巻線の耐量とを、比較して示す線図で、実
際の電機子電流が定格電機子電流を越えた時点を時間軸
の0点として、図25及び図26の場合を示してある。
【図28】 図21の従来装置における、同期機の電機
子巻線温度、定格電機子電流、実際の電機子電流、およ
び弱め界磁制御開始(励磁制限(過負荷制限))、の各
関係を示す線図で、図19(イ)は定格電機子電流を越
えて増加した実際の電機子電流がその励磁制限(過負荷
制限)がかかる値から励磁制限(過負荷制限)によって
定格電機子電流以下まで低下した後、系統からの無効電
力の要求が無く、次の励磁制限(過負荷制限)がかから
ない場合を示し、図19(ロ)は定格電機子電流を越え
て増加した実際の電機子電流がその励磁制限(過負荷制
限)がかかる値から励磁制限(過負荷制限)により定格
電機子電流以下まで低下するとすぐに、系統からの無効
電力の要求により、再び定格電機子電流を越えて前記励
磁制限(過負荷制限)がかかる値に至る現象が、連続的
あるいは継続的に繰り返し発生する場合を示してある。
【図29】 従来装置の他の例を示す構成図。
【図30】 従来装置の他の例を示す全体構成図。
【符号の説明】
1 同期発電機、2 発電機の励磁巻線、4 自動電圧
調整装置(AVR)、 5 検出手段、 12 電力系
統、13 リレー、 14 (I2 −1)tを得る(I
2 −1)積算装置、15 (I2 −1)t予測装置、1
5A 負荷時(I2 −1)t予測装置、15B 無負荷
時(I2 −1)t予測装置、16 加算器、 17 判
別手段、 18 調整手段(記憶装置)、183 補正
装置、 19 (I2 −1)t動作設定器、20 比較
器、 24 目標値演算回路、IA 電機子電流、 I
AR 実際の電機子電流、IAR11,IAR12,IAR2,IAR3
,IART 実際の電機子電流、IAT 定格電機子電
流、 ATL 電機子巻線の耐量曲線、B 電機子巻線余
裕領域、 t 時間、

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同期機の電機子電流が所定値を越える過
    負荷を許容した後前記過負荷を制限する同期機の過負荷
    制限方法において、過負荷許容から該過負荷許容より後
    の過負荷許容要求までの時間に関連して、前記後の過負
    荷許容要求に対する過負荷許容量を変えることを特徴と
    する同期機の過負荷制限方法。
  2. 【請求項2】 同期機の電機子電流が所定値を越える過
    負荷を許容した後前記過負荷を制限する同期機の過負荷
    制限方法において、過負荷許容から該過負荷許容より後
    の過負荷許容要求までの時間に関連して、先の過負荷許
    容量に対応して前記後の過負荷許容要求に対する過負荷
    許容量を変えることを特徴とする同期機の過負荷制限方
    法。
  3. 【請求項3】 同期機の電機子電流が所定値を越える過
    負荷を許容した後前記過負荷を制限する同期機の過負荷
    制限方法において、過負荷許容から該過負荷許容より後
    の過負荷許容要求までの時間が所定時間以内の場合は、
    先の過負荷許容量に対応して前記後の過負荷許容要求に
    対する過負荷許容量を減少させることを特徴とする同期
    機の過負荷制限方法。
  4. 【請求項4】 後の過負荷許容要求に対する過負荷許容
    量を、同期機の電機子巻線の熱時定数に対応して増加さ
    せることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一に
    記載の同期機の過負荷制限方法。
  5. 【請求項5】 先の過負荷許容から後の過負荷許容要求
    までの時間が短い場合は長い場合より、前記後の過負荷
    許容要求に対する過負荷許容量を小さくすることを特徴
    とする請求項1〜請求項4の何れか一に記載の同期機の
    過負荷制限方法。
  6. 【請求項6】 先の過負荷許容から後の過負荷許容要求
    までの時間が短い場合は長い場合よりも、前記後の過負
    荷許容要求に対する過負荷制限を早く始めることを特徴
    とする請求項1〜請求項4の何れか一に記載の同期機の
    過負荷制限方法。
  7. 【請求項7】 同期機の電機子電流が所定値を越える過
    負荷を許容した後前記同期機の励磁を制限する同期機の
    過負荷制限方法において、励磁制限から該励磁制限より
    後の過負荷許容要求までの時間に関連して前記励磁制限
    より後の過負荷許容量を変えることを特徴とする同期機
    の過負荷制限方法。
  8. 【請求項8】 同期機の電機子電流が所定値を越える過
    負荷を許容した後前記同期機の励磁を制限する同期機の
    過負荷制限方法において、励磁制限から該励磁制限より
    後の過負荷許容要求までの時間に関連して、前記励磁制
    限における励磁制限量に対応して前記励磁制限より後の
    過負荷許容量を変えることを特徴とする同期機の過負荷
    制限方法。
  9. 【請求項9】 同期機の電機子電流が所定値を越えた過
    負荷を許容した後前記同期機の励磁を制限する同期機の
    過負荷制限方法において、励磁制限から該励磁制限より
    後の過負荷許容要求までの時間が所定時間以内の場合
    は、前記励磁制限における励磁制限量に対応して前記励
    磁制限より後の過負荷許容量を減少させることを特徴と
    する同期機の過負荷制限方法。
  10. 【請求項10】 励磁制限より後の過負荷許容量を、同
    期機の電機子巻線の熱時定数に対応して増加させること
    を特徴とする請求項7〜請求項9の何れか一に記載の同
    期機の過負荷制限方法。
  11. 【請求項11】 励磁制限から該励磁制限より後の過負
    荷許容要求までの時間が短い場合は長い場合より、前記
    励磁制限より後の過負荷許容量を小さくすることを特徴
    とする請求項7〜請求項10の何れか一に記載の同期機
    の過負荷制限方法。
  12. 【請求項12】 励磁制限から該励磁制限より後の過負
    荷許容要求までの時間が短い場合は長い場合より前記励
    磁制限より後の励磁制限を早く始めることを特徴とする
    請求項7〜請求項10の何れか一に記載の同期機の過負
    荷制限方法。
  13. 【請求項13】 同期機の電機子電流が所定値を越える
    過負荷を許容した後前記過負荷を制限する同期機の過負
    荷制限装置において、過負荷許容から該過負荷許容より
    後の過負荷許容要求までの間隔度合を判別する判別手
    段、及びこの判別手段の出力に応動し前記後の過負荷許
    容要求に対する過負荷許容量を調整する調整手段を設け
    たことを特徴とする同期機の過負荷制限装置。
  14. 【請求項14】 同期機の電機子電流が所定値を越える
    過負荷を許容した後前記過負荷を制限する同期機の過負
    荷制限装置において、過負荷許容から該過負荷許容より
    後の過負荷許容要求までの間隔度合を判別する判別手
    段、及びこの判別手段の出力に応動し先の過負荷許容に
    おける過負荷許容量に対応して前記後の過負荷許容要求
    に対する過負荷許容量を調整する調整手段を設けたこと
    を特徴とする同期機の過負荷制限装置。
  15. 【請求項15】 同期機の電機子電流が所定値を越える
    過負荷を許容した後前記過負荷を制限する同期機の過負
    荷制限装置において、過負荷許容から該過負荷許容より
    後の過負荷許容要求までの間隔度合を判別する判別手
    段、及びこの判別手段の出力に応動し前記間隔度合が所
    定度合以内の場合に前記後の過負荷許容要求に対する過
    負荷許容量を減少させる調整手段を設けたことを特徴と
    する同期機の過負荷制限装置。
  16. 【請求項16】 後の過負荷許容量を、同期機の電機子
    巻線の熱時定数に対応して増加させる補正手段を設けた
    ことを特徴とする請求項13〜請求項15の何れか一に
    記載の同期機の過負荷制限装置。
  17. 【請求項17】 調整手段は、先の過負荷許容から該過
    負荷許容より後の過負荷許容要求までの間隔度合が小さ
    い場合は大きい場合より過負荷許容量が小さくなるよう
    に調整することを特徴とする請求項13〜請求項16の
    何れか一に記載の同期機の過負荷制限装置。
  18. 【請求項18】 調整手段は、先の過負荷制限から該過
    負荷制限より後の過負荷許容要求までの間隔度合が小さ
    い場合は大きい場合より、前記過負荷制限より後の過負
    荷制限が早く始まるように調整することを特徴とする請
    求項13〜請求項16の何れか一に記載の同期機の過負
    荷制限装置。
  19. 【請求項19】 同期機の電機子電流が所定値を越える
    過負荷を許容した後前記同期機の励磁を制限する同期機
    の過負荷制限装置において、励磁制限から該励磁制限よ
    り後の過負荷許容要求までの間隔度合を判別する判別手
    段、及びこの判別手段の出力に応動し前記励磁制限より
    後の過負荷許容量を調整する調整手段を設けたことを特
    徴とする同期機の過負荷制限装置。
  20. 【請求項20】 同期機の電機子電流が所定値を越える
    過負荷を許容した後前記同期機の励磁を制限する同期機
    の過負荷制限装置において、励磁制限から該励磁制限よ
    り後の過負荷許容要求までの間隔度合を判別する判別手
    段、及びこの判別手段の出力に応動し前記励磁制限にお
    ける励磁制限量に対応して前記励磁制限より後の過負荷
    許容量を調整する調整手段を設けたことを特徴とする同
    期機の過負荷制限装置。
  21. 【請求項21】 同期機の電機子電流が所定値を越える
    過負荷を許容した後前記同期機の励磁を制限する同期機
    の過負荷制限装置において、励磁制限から該励磁制限よ
    り後の過負荷許容要求までの間隔度合を判別する判別手
    段、及びこの判別手段の出力に応動し前記間隔度合が所
    定度合以内の場合に前記励磁制限より後の過負荷許容量
    を減少させる調整手段を設けたことを特徴とする同期機
    の過負荷制限装置。
  22. 【請求項22】 励磁制限より後の過負荷許容量を、同
    期機の電機子巻線の熱時定数に対応して増加させる補正
    手段を設けたことを特徴とする請求項19〜請求項21
    の何れか一に記載の同期機の過負荷制限装置。
  23. 【請求項23】 調整手段は、励磁制限から該励磁制限
    より後の過負荷許容要求までの間隔度合が小さい場合は
    大きい場合より過負荷許容量が小さくなるように調整す
    ることを特徴とする請求項19〜請求項22の何れか一
    に記載の同期機の過負荷制限装置。
  24. 【請求項24】 調整手段は、励磁制限から該励磁制限
    より後の過負荷許容要求までの間隔度合が小さい場合は
    大きい場合より、前記励磁制限より後の過負荷制限が早
    く始まるように調整することを特徴とする請求項19〜
    請求項22の何れか一に記載の同期機の過負荷制限装
    置。
  25. 【請求項25】 実際の電機子電流が定格電機子電流を
    越えると過負荷制限する同期機の過負荷制限装置におい
    て、前記実際の電機子電流を検出する検出手段、この検
    出手段によって検出された実際の電機子電流が定格電機
    子電流を越えると(I2 −1)[但し、Iは定格電機子
    電流に対する実際の電機子電流のP.U.値]を積算す
    る積算装置、及びこの積算装置による積算値を所定時間
    記憶する記憶装置を設け、前記積算装置による積算値及
    び前記記憶装置による記憶値に基づいて過負荷制限する
    こと特徴とする同期機の過負荷制限装置。
  26. 【請求項26】 実際の電機子電流が定格電機子電流を
    越えると過負荷制限する同期機の過負荷制限装置におい
    て、前記実際の電機子電流を検出する検出手段、この検
    出手段によって検出された実際の電機子電流が定格電機
    子電流を越えると(I2 −1)[但し、Iは定格電機子
    電流に対する実際の電機子電流のP.U.値]を積算す
    る積算装置、この積算装置による積算値を所定時間記憶
    する記憶装置、及びこの記憶装置による記憶値を電機子
    巻線の熱時定数に対応して減衰させる補正装置を設け、
    前記積算装置による積算値及び前記減衰された記憶値に
    基づいて過負荷制限すること特徴とする同期機の過負荷
    制限装置。
  27. 【請求項27】 実際の電機子電流が定格電機子電流を
    越えると過負荷制限する同期機の過負荷制限装置におい
    て、前記実際の電機子電流を検出する検出手段、この検
    出手段によって検出された実際の電機子電流が定格電機
    子電流を越えると(I2 −1)[但し、Iは定格電機子
    電流に対する実際の電機子電流のP.U.値]を積算す
    る積算装置、前記検出手段から実際の電機子電流が供給
    され過負荷制限によって定格電機子電流以下に復帰した
    実際の電機子電流に相当する電機子巻線温度を演算する
    目標値演算回路、及び前記積算装置による積算値が電機
    子巻線温度に対応して変換された値を所定時間記憶する
    と共に前記目標値演算回路によって演算された前記電機
    子巻線温度を目標に記憶値が限衰させられる記憶装置を
    設け、前記積算装置による積算値及び前記記憶装置の限
    衰された記憶値に基づいて過負荷制限すること特徴とす
    る同期機の過負荷制限装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006020391A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Osaka Gas Co Ltd 発電装置及び自家発電装置集中管理システム
CN113489017A (zh) * 2021-05-26 2021-10-08 国电南瑞科技股份有限公司 调相机紧急控制方法、***、存储介质及计算设备

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JP2006020391A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Osaka Gas Co Ltd 発電装置及び自家発電装置集中管理システム
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