JPH08112536A - メタル担体 - Google Patents

メタル担体

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JPH08112536A
JPH08112536A JP6331344A JP33134494A JPH08112536A JP H08112536 A JPH08112536 A JP H08112536A JP 6331344 A JP6331344 A JP 6331344A JP 33134494 A JP33134494 A JP 33134494A JP H08112536 A JPH08112536 A JP H08112536A
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metal
honeycomb body
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fixing
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JP6331344A
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Yuuzou Tsukiide
雄三 月出
Haruo Serizawa
治夫 芹沢
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 メタルハニカム体の外周面と金属製ケーシン
グの内周面の固着において、固着領域が軸方向及び周方
向の熱歪を効果的に吸収・緩和するようにし、メタル担
体の耐久性を改善する。 【構成】 薄肉金属製の平板状帯材と波板状帯材を相互
に当接するようにして製作した排気ガス浄化用触媒を担
持するためのメタルハニカム体、及び前記メタルハニカ
ム体を外包するとともに固着保持するための金属製ケー
シング、とからなるメタル担体において、(i)メタル
ハニカム体の外周面の周方向全体または周方向の一部
と、金属 製ケーシングの内周面とが、巨視的な固着領
域をもって固着されるとともに、(ii)前記巨視的な
固着領域が、周方向に微視的な非固着部を有するように
構成されたこと、を特徴とするメタル担体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に自動車の排気ガ
スの浄化手段として排気系統の途中に介装されて使用さ
れる排気ガス浄化触媒を担持するためのメタル製のハニ
カム構造を有するハニカム体(以下、単にメタルハニカ
ム体という。)と該ハニカム体を填装固着するための金
属製ケーシングとから成るメタル担体に関するものであ
る。
【0002】更に詳しくは、本発明は、メタルハニカム
体の外周面と金属製ケーシングの内周面とを特殊な方式
で固着することにより、メタルハニカム体内部に発生す
る熱歪に基づくメタルハニカム体外周部における軸方向
及び周方向の変形力を吸収、緩和し、両要素の離体を防
止した耐久性に優れたメタル担体を提供するものであ
る。
【0003】
【従来の技術】従来、この種のメタル担体(MS、メタ
ルサポートともいわれている。)において、その主要な
構成要素である排気ガス浄化用触媒(例えばPt,R
h,Pdなどを使用した触媒)を担持させるための金属
製担持母体は、単位体積当りの触媒の担持量を多くする
こと(単位体積当たりの排気ガスと浄化用触媒との有効
接触面積を極力大きくすること)、背圧(排気抵抗)を
小さくすること、更には金属製担持母体の自重を可能な
限り軽量化すること、などを考慮して耐熱性でかつ薄肉
金属板製の平板状帯材と波板状帯材を相互に当接するよ
うに重積し、これを巻回成形しハニカム状の構造とした
もの、即ち巻回タイプのメタルハニカム体が良く知られ
ている。なお、メタルハニカム体を成形する方法の相違
により、前記した巻回タイプのもののほかに積層タイ
プ、放射状タイプ、S字状タイプ、Xラップ(卍)状タ
イプなど、種々の構造を有するメタルハニカム体が知ら
れている(特開昭62−273050号、特公表3−5
02544号、特公表3−502660号、特開平4−
227855号などを参照)。
【0004】前記したメタルハニカム体は、後述する図
1に示されるように(図1においてHで示されてい
る。)。例えば、0.1mm以下(好ましくは50μ以
下)の耐熱性の薄肉鋼板からなる平板状帯材(1)と、
前記薄肉鋼板を波付成形した波板状帯材(2)とを、相
互に当接部を有するように重積し、これを一括渦巻状に
巻回して軸方向に排気ガス通路のための多数の網目状通
気孔路(セル)(3)をもつものである。そして、前記
巻回積層されたハニカム構造のメタルハニカム体は、両
端が開口した筒状の金属製ケーシング(C)内に収納さ
れるとともに相互に接合固着され、耐熱疲労性でかつ耐
振構造のメタル担体(MS)とされる。
【0005】周知のように、この種のメタル担体(M
S)は、排気ガス系統という厳しい熱的環境条件のもと
で使用される関係上、その主要な構成要素であるメタル
ハニカム体は、高温耐蝕性(耐ガス腐食性、1000℃
前後の排気ガス系における耐蝕性)、耐冷熱耐久性(内
燃機関の停止及び始動というサイクルにおける1000
℃〜常温の加熱冷却のサイクル下での耐久性)、耐高温
酸化性(高温下での異常酸化に対する耐久性)などの諸
物性に優れた耐熱鋼の箔材で製作されることが好まし
い。この種のハニカム体製造用の材料としては、Fe−
Cr−Al系(20Cr−5Al系)の耐熱鋼を厚さ数
十μm の箔に圧延したものが使用されている。また、前
記耐熱鋼に耐高温酸化性を改善するために少量の希土類
元素成分(REM)を添加したものも使用されている。
【0006】また、メタル担体(MS)は厳しい振動付
加のもとで使用される関係上、その主要な構成要素であ
るメタルハニカム体は、該ハニカム体を構成する帯材同
士の当接部の一部あるいは全部が溶接やろう接(ろう付
け)等により固着され耐振構造のものとされる。更に、
メタルハニカム体の外周面と金属製ケーシングの内周面
との境界面も、メタルハニカム体内部に発生する大きな
熱歪(熱応力に基づく大きな変形力)のもとで両要素の
離体がないように、例えば熱歪を吸収・緩和し得るよう
に前記境界面の特定部位が接合固着され、耐熱疲労性、
耐振構造のメタル担体(MS)とされる。
【0007】前記したように、メタル担体(MS)の耐
久性、耐振性を改善するために、材料の面からあるいは
固着手段の面から努力が払われているが十分なものでは
ない。特にメタルハニカム体と金属製ケーシングの溶接
やろう接などによる固着技術が多く提案されているが十
分なものではない。メタルハニカム体の外周面と金属製
ケーシングの内壁面と固着する方法としては、次のよう
なものが提案されている。溶接による方法としては、特
開昭54−13462号、特開昭57−1545号、実
開昭62−156112号、特開昭1−231947号
などに、電子ビーム溶接、レーザビーム溶接、アーク溶
接などで固着する技術が提案されている。
【0008】ろう接合(ろう付け)による方法として
は、特開昭56−4373号、実開昭62−19443
号、特開昭63−97235号、特開昭2−10274
4号、特開平3−12235号などの多くのものが提案
されている。これらの中にはハニカム体の熱応力に基づ
く変形、特にハニカム体の軸方向への変形を緩和、吸収
するためにメタルハニカム体と金属製ケーシングの当接
部の一部にろう材を適用する技術などがある。例えば、
実開昭62−19443号は、メタルハニカム体の一端
側の外周部において、所望幅の外周面を金属製ケーシン
グの内壁面と接合する方式を提案している。また、特開
平3−12235号は、メタルハニカム体の周方向の外
表面において、メタルハニカム体と金属製ケーシングの
接合部を非連続して設ける方式、即ち接合部と接合部の
間を所望の間隔をおいて接合する方式を提案している。
【0009】しかしながら、前記したメタルハニカム体
と金属製ケーシングの固着に適用される手段において、
溶接の場合、前記したように、ハニカム体の構成部材
(平板状帯材や波板状帯材)が耐熱性の素材で製作され
ていることから溶接部には高温が印加され、溶接部が鋳
造組織でもろくなる欠点を有するものである。一方、ろ
う接合(ろう付け)による接合手段においては、使用す
るろう材としては、例えばNi系の高温ろう材を使用す
るものであり、当接面の一部にろう材を適用するにして
も、高価であるという欠点を有するものである。また、
当然のことながら接合強度を高めようとして多量のろう
材を適用すると母材との合金化反応により母材の特性
(例えば耐熱性)を低下させてしまうという欠点を有す
るものである。
【0010】前記したように、メタル担体(MS)は、
排気ガス自体の高い温度及び排気ガスと触媒との発熱的
反応による高い温度のもとで使用され、かつ内燃機関や
車体からの激しい振動のもとで使用されるものであり、
その使用条件は極めて厳しいものである。従って、メタ
ル担体(MS)の主要な構成要素であるメタルハニカム
体と金属製ケーシングとは強固な接合強度で接合される
ことが必要である。
【0011】前記接合強度を改善する場合、次の点を考
慮しておかなければならない。即ち、メタルハニカム体
には前記した高温の雰囲気下で大きな熱応力による変形
力が発生し、この熱変形力がメタルハニカム体内部の温
度分布の不均一化(温度勾配)に基づき、その外周面に
伝播する。従ってメタルハニカム体外周面と金属製ケー
シング内壁面との接合に際して、極力メタルハニカム体
外周部に集中、集積する熱変形力を効果的に吸収、緩和
するようにしなければならない。即ち、メタルハニカム
体の外周部において、軸方向はもとより周方向の熱変形
力を効率よく吸収、緩和するようにしなければならな
い。しかしながら、従来技術は、前記した要請(ニー
ズ)に十分に答えることができないものである。
【0012】
【発明が解決しようとする問題点】本発明者らは、前記
した従来技術の問題、限界に鑑みメタルハニカム体と金
属製ケーシングとの間の接合強度に優れるとともに、メ
タルハニカム体内部に発生し、その外周面部に集中、集
積する熱変形力を十分に吸収、緩和でき、かつ経済的な
接合技術について鋭意、検討を進めた。
【0013】その結果、メタルハニカム体と金属製ケー
シングとの境界面部に設定した所望の固着領域、即ち、 ・ メタルハニカム体の外周面において、所定幅の周方
向全周を占める固着領域、または、 ・ メタルハニカム体の外周面において、所定幅の周方
向の一部を占める固着領域(これは、周方向の固着領域
が、所望の間隔をおいて設定されていることを意味す
る。)、において、前記固着領域を巨視的な固着領域と
定義づけたとき、前記巨視的な固着領域の内部におい
て、周方向に固着されない部分を散在させた場合(以
下、本発明においては前者の用語との関連で「微視的な
非固着部」という。)、軸方向及び周方向の熱応力の吸
収・緩和能力に優れた固着領域を形成させることができ
るという知見を得た。
【0014】別言すれば、メタルハニカム体と金属製ケ
ーシングの両要素が離体しない耐久性(耐熱疲労性、耐
振性)に優れたメタル担体が得られることを見い出し
た。前記した知見は、従来技術においては巨視的な固着
領域が全て固着されていることからみて新しいものであ
る。本発明は、前記した知見をベースにして完成された
ものである。
【0015】
【問題点を解決するための手段】本発明を概説すれば、
本発明は、薄肉金属製の平板状帯材と波板状帯材を相互
に当接するようにして製作した排気ガス浄化用触媒を担
持させるためのメタルハニカム体、及び前記メタルハニ
カム体を外包するとともに固着保持するための金属製ケ
ーシング、とからなるメタル担体において、(i) メタル
ハニカム体の外周面の周方向全体または周方向の一部と
金属製ケーシングの内周面が、巨視的な固着領域をもっ
て固着されるとともに、(ii) 前記巨視的な固着領域
が、周方向に微視的な非固着部を有するように構成され
たこと、を特徴とするメタル担体に関するものである。
【0016】以下、本発明の技術的構成及び実施態様を
図面を参照して詳しく説明する。なお、本発明は図示の
ものに限定されないことはいうまでもないことである。
【0017】図1は、本発明のメタル担体(MS)の斜
視図である。図示のメタル担体(MS)は、巻回タイプ
のメタルハニカム体(H)が金属製ケーシング(C)内
に填装、固着されて製造されたものである。なお、いう
までもないが、図1には、メタルハニカム体(H)と金
属製ケーシング(C)の境界面に適用する本発明の新し
い固着手段が示されていない。この点は、以下に示され
るところである。図1において、1は平板状帯材、2は
波板状帯材、及び3はセル(網目状通気孔路)を示す。
【0018】図2〜図3は、本発明の第一実施態様を示
すものである。図2は、メタルハニカム体(H)部の斜
視図である。図2において、本発明の巨視的な固着領域
は(a1 )は、図示から明らかのように、メタルハニカ
ム体(H)の一端部の外周部において、所望の幅(W)
の周方向全周を占める領域である。なお、本発明におい
て、前記固着領域(a1 )は、ハニカムコア体(H)の
外周部の所望の部位、例えば中央部または両端部などに
配置されてもよいことはいうまでもない。図3は、本発
明の前記「巨視的な固着領域」と「微視的な非固着部」
の概念、及び具体的な態様を説明するものである。図3
において、微視的な非固着部は(b)で示されている。
なお、図3は、メタルハニカム体(H)と金属製ケーシ
ング(C)との当接部の位置を示すものであり、かつメ
タルハニカム体(H)の最外層が波板状帯材(2)で構
成されていることを示すものである。
【0019】本発明において、前記巨視的な固着領域
(a1 )における固着点(固着密度)と微視的な非固着
部(b)における非固着点(非固着密度)は、相対的な
意味のものである。即ち、巨視的な固着領域(a1
は、周方向において波板状帯材(2)の2個以上の山部
が金属製ケーシング(C)内周面と連続して固着される
領域を意味する。一方、微視的な非固着部(b)は、周
方向において、波板状帯材(2)の山部が1個の山部ま
たは複数個の山部の間隔をおいて固着される場合、当該
非固着状態にある山部の領域を意味する。図3におい
て、波板状帯材(2)の山部は1個の山部の間隔をおい
て固着されており、当該固着された山部の間の非固着状
態にある領域が微視的な非固着部(b)を構成する。
【0020】本発明において、非固着状態にある山部
は、図2の所望幅(W)の軸方向の前長にわたり非固着
状態にあることはいうまでもないことである。これによ
り、特にメタルハニカム体の外周面部に集中、集積する
熱歪をメタルハニカム体の軸方向と周方向において効果
的に吸収・緩和することが出来る。本発明において、固
着はろう接合(ろう付け)による方式であっても、溶接
によるものであってもよいことはいうまでもないことで
ある。本発明において、巨視的な固着領域(a1 )に対
する微視的な非固着領域(b)の割合は所望に設定すれ
ばよい。しかし、この割合が小さいと熱歪の吸収、緩和
能力が小さくなり、逆に大きいと両要素(メタルハニカ
ム体と金属製ケーシング)の全体的な固着強度が小さく
なるため、およそ10〜50%の割合が好ましい。
【0021】図4は、本発明の第二実施態様を説明する
図であり、前記図3に対応する図である。第二実施態様
の微視的な非固着領域(b)は、波板状帯材(2)の山
部が二個の間隔をおいて固着されており、当該固着され
た山部の間の領域に相当する。
【0022】図5は、本発明の第三実施態様を説明する
図である。前記図3の第一実施態様と大きく異なる点
は、メタルハニカム体(H)の最外層が平板状帯材
(1)で構成されているという点である。このような場
合も、前記最外層の平板状帯材(1)の内側に当接配置
された(内接する)波板状帯材(2)の山部を基準にし
て、1個または複数個の山部の間隔をおいて微視的な非
固着部(b)を設定すればよい。図5においては、図3
と同様に波板状帯材(2)の1個の山部の間隔をもつ領
域が微視的な非固着部(b)を構成する。なお、巨視的
な固着領域(a1 )においては、平板状帯材(1)と金
属製ケーシング(C)の当接面は面接合の状態で強固に
固着される。
【0023】図6は、本発明の第四実施態様を説明する
図であり、前記第一実施態様に関する図2に対応する図
である。第四実施態様が前記第一実施態様と大きく異な
る点は、巨視的な固着領域の設定内容が異なることであ
る。即ち、第四実施態様においては、メタルハニカム体
の外周面において、周方向に所望の間隔をおくとともに
ハニカム体の全幅に及ぶ四つの巨視的な固着領域(a1
〜a4 )が形成されている。そして、各巨視的な固着領
域(a1 〜a4 )の内部における微視的な非固着部
(b)の設定内容は、前記第一〜第三実施態様で説明し
たものと同様のものである。なお、本発明において、前
記各固着領域(a1 〜a4 )のメタルハニカム体(H)
の軸方向の幅は、全幅の一部であってもよい。あるいは
各巨視的な固着領域が周方向に位相を異なるように配置
されたものであってもよい。また、巨視的な固着領域の
設定個数(a………an,nは任意の整数)も所望のも
のであってもよいことはいうまでもないことである。
【0024】本発明において、前記平板状帯材(1)と
波板状帯材(2)としては、この種のメタルハニカム体
に適用されている材料が何等の制約なしに使用すること
ができる。例えば平板状帯材(1)としては、通常のメ
タルモノリスタイプのハニカム体を製作するときに使用
されている帯材、例えばクロム鋼(クロム13%〜25
%)、Fe−Cr20%−Al5%などの耐熱性のステ
ンレス鋼、あるいはこれに耐高温酸化性を改善するため
に希土類(REM)を加えた耐熱性のステンレス鋼な
ど、厚さが0.03mm〜0.1mm程度の帯材が使用され
る。また、波板状帯材(2)としては、前記平板状帯材
(1)から所定の略正弦波、略三角波もしくは略台形波
を有するように波付加工したものが使用される。なお、
平板状帯材(1)と波板状帯材(2)にAlを含有され
たものや、あるいはその表面にAl層を設けたものを熱
処理し、その表面にウィスカー状もしくはマッシュルー
ム状のアルミナ(Al2 3 )を析出させたものが好ま
しい。前記ウィスカー状などのアルミナは、Pt,P
d,Rhなどの排気ガス浄化用触媒を担持するためのウ
ォッシュコート層を強固に保持することができるので好
ましいものである。
【0025】本発明において、前記S字状タイプのメタ
ルハニカム体(H1 )が填装、固着される金属製ケーシ
ング(C)の素材としては、前記メタルハニカム体(H
1 )を構成する帯材(1、2)と同種の耐熱鋼を用いて
もよいし、更に耐熱耐食性に富むものを用いてもよい。
また、外側部分の金属材料を内側部分より耐熱耐蝕性に
富むものとした二重構造のもの、具体的には内側部分に
フェライト系ステンレス鋼を、外側部分にオーステナイ
ト系ステンレス鋼を使用したものを用いてもよい。
【0026】
【発明の効果】本発明のメタル担体(MS)は、その主
要な構成要素であるメタルハニカム体(H)と金属製ケ
ーシング(C)の固着に新しい固着方式を適用して製造
されたものである。即ち、本発明は、メタルハニカム体
(H)の内部に発生し、その外周面部に集中・集積する
大きな熱歪を、メタルハニカム体(H)の外周部の軸方
向はもとより周方向においても効果的に吸収、緩和する
ことができる新しい固着方式を採用することにより製造
されるものである。
【0027】従って、本発明のメタル担体(MS)は、
耐久性(耐熱疲労性、耐振性)に優れたものである。ま
た、従来の固着領域を全面的に固着する方式に比較し
て、固着点が少なくて済むため溶接作業が効率化され、
ろう接合の場合は高価な高温ろう材の使用量が少なくて
済むため経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のメタル担体(MS)の斜視図であ
る。
【図2】 本発明のメタルハニカム体部に適用された第
一実施態様の巨視的な固着領域を説明する図である。
【図3】 図2の一部を拡大した図であり、本発明の第
一実施態様の巨視的な固着領域内に形成された非固着部
を説明する図である。
【図4】 本発明の第二実施態様の巨視的な固着領域内
に形成された非固着部を説明する図である。
【図5】 本発明の第三実施態様の巨視的な固着領域内
に形成された非固着部を説明する図である。
【図6】 本発明の第四実施態様のメタルハニカム体部
における巨視的な固着領域を説明する図である。
【符号の説明】
MS ………… メタル担体 H ………… メタルハニカム体 C ………… 金属製ケーシング 1 ………… 平板状帯材 2 ………… 波板状帯材 3 ………… セル(網目状通気孔炉) a1 ,a2 ,a3 ,a4 ………… 巨視的な固着領域 b ………… 微視的な非固着部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年9月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 メタル担体
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に自動車の排気ガ
スの浄化手段として排気系統の途中に介装されて使用さ
れる排気ガス浄化用触媒を担持するための金属製のハニ
カム構造を有するハニカム体(以下、単にメタルハニカ
ム体という。)と該ハニカム体を填装固着するための金
属製ケーシングとから成るメタル担体に関するものであ
る。
【0002】更に詳しくは、本発明は、メタルハニカム
体の外周面と金属製ケーシングの内周面とを特殊な方式
で固着することにより、メタルハニカム体内部に発生す
る熱歪に基づくメタルハニカム体外周部における軸方向
及び周方向の変形力を吸収、緩和し、両要素の離体を防
止した耐久性に優れたメタル担体を提供するものであ
る。
【0003】
【従来の技術】従来、この種のメタル担体(MS、メタ
ルサポートともいわれている。)において、その主要な
構成要素である排気ガス浄化用触媒(例えばPt,R
h,Pdなどを使用した触媒)を担持させるためのメタ
ルハニカム体は、単位体積当りの触媒の担持量を多くす
ること(単位体積当たりの排気ガスと浄化用触媒との有
効接触面積を極力大きくすること)、背圧(排気抵抗)
を小さくすること、更にはメタルハニカム体の自重を可
能な限り軽量化すること、などを考慮して耐熱性でかつ
薄肉金属板製の平板状帯材と波板状帯材を相互に当接す
るように重積し、これを巻回成形してハニカム状の構造
としたもの(巻回タイプ)が知られている。なお、メタ
ルハニカム体を成形する方法の相違により、前記した巻
回タイプの プなど、種々の構造を有するメタルハニカム体が知られ
ている(特開昭62−273050号、特公表3−50
2544号、特公表3−502660号、特開平4−2
27855号などを参照)。
【0004】前記した巻回タイプのメタルハニカム体
は、後述する図1に示されるように(図1においてHで
示されている。)、例えば、0.1mm以下(好ましく
は50μ以下)の耐熱性の薄肉鋼板からなる平板状帯材
(1)と、前記薄肉鋼板を波付加工して調製した波板状
帯材(2)とを、相互に当接部を有するように重積し、
これを一括渦巻状に巻回して製作されるものであり、そ
の軸方向に排気ガス通路のための多数の網目状通気孔路
(セル)(3)をもつものである。そして、前記巻回積
層されたハニカム構造のメタルハニカム体は、両端が開
口した筒状の金属製ケーシング(C)内に収納されると
ともに相互に接合固着され、耐熱疲労性でかつ耐振構造
のメタル担体(MS、メタルサポート)とされる。
【0005】周知のように、この種のメタル担体(M
S)は、排気ガス系統という厳しい熱的環境条件のもと
で使用される関係上、その主要な構成要素であるメタル
ハニカム体は、高温耐蝕性(耐ガス腐食性、1000℃
前後の排気ガス系における耐蝕性)、耐冷熱耐久性(内
燃機関の停止及び始動というサイクル下における100
0℃〜常温の加熱冷却のサイクル下での耐久性)、耐高
温酸化性(高温下での異常酸化に対する耐久性)などの
諸物性に優れた耐熱鋼の箔材で製作されることが好まし
い。この種のメタルハニカム体の製造用の材料として
は、Fe−Cr−Al系(20%Cr−5%Al系)の
耐熱鋼を厚さ数十μmの箔に圧延したものが使用されて
いる。また、前記耐熱鋼に耐高温酸化性を改善するため
に少量の希土類元素成分(REM)を添加したものも使
用されている。
【0006】また、メタル担体(MS)は厳しい振動付
加のもとで使用される関係上、その主要な構成要素であ
るメタルハニカム体は、該ハニカム体を構成する帯材同
士の当接部の一部あるいは全部が溶接やろう接(ろう付
け)等により固着され耐振構造のものとされる。更に、
メタルハニカム体の外周面と金属製ケーシングの内周面
との境界面も、メタルハニカム体内部に発生する大きな
熱歪(熱応力に基づく大きな変形力)のもとで両要素の
離体がないように、例えば熱歪を吸収・緩和し得るよう
に前記境界面の特定部位が接合固着され、耐熱疲労性、
耐振構造のメタル担体(MS)とされる。
【0007】前記したように、メタル担体(MS)の耐
久性、耐振性を改善するために、材料の面からあるいは
固着手段の面から努力が払われているが十分なものでは
ない。特にメタルハニカム体と金属製ケーシングの溶接
やろう接などによる固着技術が多く提案されているが十
分なものではない。メタルハニカム体の外周面と金属製
ケーシングの内壁面とを固着する方法としては、次のよ
うなものが提案されている。溶接による方法としては、
特開昭54−13462号、特開昭57−1545号、
実開昭62−156112号、特開昭1−231947
号などに、電子ビーム溶接、レーザビーム溶接、アーク
溶接などで固着する技術が提案されている。
【0008】ろう接合(ろう付け)による方法として
は、特開昭56−4373号、実開昭62−19443
号、特開昭63−97235号、特開昭2−10274
4号、特開平3−12235号などの多くのものが提案
されている。これらの中にはメタルハニカム体の熱応力
に基づく変形、特にメタルハニカム体の軸方向への変形
を緩和、吸収するためにメタルハニカム体と金属製ケー
シングの当接部の一部にろう材を適用する技術などがあ
る。例えば、実開昭62−19443号は、メタルハニ
カム体の一端側の外周部において、所望幅の外周面を金
属製ケーシングの内壁面と接合する方式を提案してい
る。また、特開平3−12235号は、メタルハニカム
体の周方向の外表面において、メタルハニカム体と金属
製ケーシングの接合部を非連続状に設ける方式、即ち接
合部と接合部の間に所望幅の非接合部を配設して接合す
る方式を提案している。
【0009】しかしながら、前記したメタルハニカム体
と金属製ケーシングの固着に適用される手段において、
溶接の場合、前記したように、ハニカム体の構成部材
(平板状帯材や波板状帯材)が耐熱性の素材で製作され
ていることから溶接部には高温が印加され、溶接部が鋳
造組織でもろくなるという欠点を有するものである。一
方、ろう接合(ろう付け)による接合手段においては、
使用するろう材としては、例えばNi系の高温用ろう材
を使用するものであり、当接面の一部にろう材を適用す
るにしても、高価であるという欠点を有するものであ
る。また、当然のことながら接合強度を高めようとして
多量のろう材を適用するとろう材成分と母材との合金化
反応により母材の特性(例えば耐熱性)を低下させてし
まうという欠点を有するものである。
【0010】前記したように、メタル担体(MS)は、
排気ガス自体の高い温度及び排気ガスと触媒との発熱的
反応による高い温度のもとで使用され、かつ内燃機関や
車体からの激しい振動のもとで使用されるものであり、
その使用条件は極めて厳しいものである。従って、メタ
ル担体(MS)の主要な構成要素であるメタルハニカム
体と金属製ケーシングとは強固な接合強度で接合される
ことが必要である。
【0011】前記接合強度を改善する場合、次の点を考
慮しておかなければならない。即ち、メタルハニカム体
には前記した高温の雰囲気下で大きな熱応力による変形
力が発生し、この熱変形力がメタルハニカム体内部の温
度分布の不均一化(温度勾配)に基づき、その外周面に
伝播する。従ってメタルハニカム体の外周面と金属製ケ
ーシングの内壁面との接合に際して、極力、メタルハニ
カム体の外周部に集中、集積する熱変形力を効果的に吸
収、緩和するようにしなければならない。即ち、メタル
ハニカム体の外周部において、軸方向はもとより周方向
の熱変形力を効率よく吸収、緩和するようにしなければ
ならない。しかしながら、従来技術は、前記した要請
(ニーズ)に十分に答えることができないものである。
【0012】
【発明が解決しようとする問題点】本発明者らは、前記
した従来技術の問題点、限界に鑑みメタルハニカム体と
金属製ケーシングとの間の接合強度に優れるとともに、
メタルハニカム体内部に発生し、その外周面部に集中、
集積する熱変形力を十分に吸収、緩和でき、かつ経済的
な接合技術について鋭意、検討を進めた。
【0013】その結果、メタルハニカム体と金属製ケー
シングとの境界面部に設定した所望の固着領域、即ち、 ・ メタルハニカム体の外周面において、所定幅の周方
向全周を占める固着領域、または、 ・ メタルハニカム体の外周面において、所定幅の周方
向の一部を占める固着領域(これは、周方向の固着領域
が、所望の間隔をおいて設定されていることを意味す
る。)、において、前記固着領域を巨視的な固着領域と
定義づけたとき、前記巨視的な固着領域の内部におい
て、周方向に固着されない部分を散在させた場合(以
下、本発明においては前者の用語との関連において「微
視的な非固着部」という。)、軸方向及び周方向の熱応
力の吸収・緩和能力に優れた固着領域を形成させること
ができるという知見を得た。
【0014】別言すれば、メタルハニカム体と金属製ケ
ーシングの両要素が離体しない耐久性(耐熱疲労性、耐
振性)に優れたメタル担体が得られることを見い出し
た。前記した知見は、従来技術においては巨視的な固着
領域が全て固着されていることからみて、新しいもので
ある。本発明は、前記した知見をベースにして完成され
たものである。
【0015】
【問題点を解決するための手段】本発明を概説すれば、
本発明は、薄肉金属製の平板状帯材と波板状帯材を相互
に当接するようにして製作した排気ガス浄化用触媒を担
持するためのメタルハニカム体、及び前記メタルハニカ
ム体を外包するとともに固着保持するための金属製ケー
シング、とからなるメタル担体において、(i)メタル
ハニカム体の外周面の周方向全体または周方向の一部
と、金属製ケーシングの内周面とが、巨視的な固着領域
をもって固着されるとともに、(ii)前記巨視的な固
着領域が、周方向に微視的な非固着部を有するように構
成されたこと、を特徴とするメタル担体に関するもので
ある。
【0016】以下、本発明の技術的構成及び実施態様を
図面を参照して詳しく説明する。なお、本発明は図示の
ものに限定されないことはいうまでもないことである。
【0017】図1は、本発明のメタル担体(MS)の斜
視図である。図示のメタル担体(MS)は、巻回タイプ
のメタルハニカム体(H)が金属製ケーシング(C)内
に填装、固着されて製造されたものである。なお、いう
までもないが、図1には、メタルハニカム体(H)と金
属製ケーシング(C)の境界面に適用する本発明の新し
い固着手段が示されていない。この点は、以下に示され
るところである。図1において、1は平板状帯材、2は
波板状帯材、及び3はセル(網目状通気孔路)を示す。
【0018】図2〜図3は、本発明の第一実施態様のメ
タル担体(MS)を示すものである。図2は、メタルハ
ニカム体(H)部の斜視図である。図2において、本発
明の巨視的な固着領域は(a)は、図示から明らかの
ように、メタルハニカム体(H)の一端部の外周部にお
いて、所望の幅(W)の周方向全周を占める領域であ
る。なお、本発明において、前記固着領域(a)は、
ハニカムコア体(H)の外周部の所望の部位、例えば中
央部または両端部などに配置されてもよいことはいうま
でもない。図3は、本発明の前記「巨視的な固着領域」
と「微視的な非固着部」の概念、及び具体的な固着態様
を説明するものである。図3において、微視的な非固着
部は(b)で示されている。なお、図3は、メタルハニ
カム体(H)と金属製ケーシング(C)との当接部の位
置を示すものであり、かつメタルハニカム体(H)の最
外層が波板状帯材(2)で構成されていることを示すも
のである。
【0019】本発明において、前記巨視的な固着領域
(a)という用語と微視的な非固着部(b)という用
語は、相対的な意味において使用されている。即ち、巨
視的な固着領域(a)は、周方向において波板状帯材
(2)の2個以上の山部が金属製ケーシング(C)内周
面と連続して固着されている領域を意味する。一方、微
視的な非固着部(b)は、周方向において、波板状帯材
(2)の山部が非固着状態にある1個の山部または複数
個の山部の間隔をおいて固着されている場合、当該非固
着状態にある山部の領域を意味する。図3において、波
板状帯材(2)の山部は非固着状態にある1個の山部の
間隔をおいて固着されており、当該固着された山部の間
の非固着状態にある領域が微視的な非固着部(b)を構
成する。
【0020】本発明において、非固着状態にある山部
は、図2の所望幅(W)においてメタルハニカム体
(H)の軸方向の全長にわたり非固着状態にあることは
いうまでもないことである。これにより、特にメタルハ
ニカム体(H)の外周面部に集中、集積する熱歪をメタ
ルハニカム体(H)の軸方向と周方向において効果的に
吸収・緩和することが出来る。本発明において、固着は
ろう接合(ろう付け)による方式であっても、溶接によ
るものであってもよいことはいうまでもないことであ
る。本発明において、巨視的な固着領域(a)に対す
る微視的な非固着部(b)の設定割合は所望に設定すれ
ばよい。しかし、前記した設定割合が小さいと熱歪の吸
収、緩和能力が小さくなり、逆に大きいと両要素(メタ
ルハニカム体と金属製ケーシング)の全体的な固着強度
が小さくなるため、およそ10〜50%の割合が好まし
い。
【0021】図4は、本発明の第二実施態様のメタル担
体(MS)を説明する図であり、前記図3に対応する図
である。第二実施態様の微視的な非固着部(b)は、波
板状帯材(2)の山部は、非固着状態にある二個の山部
の間隔をおいて固着されており、前記非固着状態にある
山部の間の領域に相当する。
【0022】図5は、本発明の第三実施態様のメタル担
体(MS)を説明する図である。本発明の第三実施態様
が、前記図3の第一実施態様と大きく異なる点は、メタ
ルハニカム体(H)の最外層が平板状帯材(1)で構成
されているという点である。このような場合も、前記最
外層の平板状帯材(1)の内側に当接配置された(内接
する)波板状帯材(2)の山部を基準にして、1個また
は複数個の山部の間隔をおいて微視的な非固着部(b)
を設定すればよい。図5においては、図3と同様に波板
状帯材(2)の1個の山部の間隔をもつ領域が微視的な
非固着部(b)を構成する。なお、巨視的な固着領域
(a)においては、平板状帯材(1)と金属製ケーシ
ング(C)の当接面は面接合の状態で強固に固着され
る。
【0023】図6は、本発明の第四実施態様のメタル担
体(MS)を説明する図であり、前記第一実施態様に関
する図2に対応する図である。本発明の第四実施態様が
前記第一実施態様(図2参照)と大きく異なる点は、巨
視的な固着領域の設定内容が異なることである。即ち、
第四実施態様においては、メタルハニカム体(H)の外
周面において、周方向に所望の間隔をおくとともにハニ
カム体(H)の全幅に及ぶ四つの巨視的な固着領域(a
〜a)が形成されている。そして、各巨視的な固着
領域(a〜a)の内部における微視的な非固着部
(b)の設定内容は、前記第一〜第三実施態様で説明し
たものと同様のものである。なお、本発明において、前
記各巨視的な固着領域(a〜a)のメタルハニカム
体(H)の軸方向の幅は、全幅の一部であってもよい。
あるいは各巨視的な固着領域が周方向に位相を異なるよ
うに配置されたものであってもよい。また、巨視的な固
着領域の設定個数(a………an,nは任意の整数)も
所望のものであってもよいことはいうまでもないことで
ある。
【0024】本発明において、前記平板状帯材(1)と
波板状帯材(2)としては、この種のメタルハニカム体
に適用されている材料が何等の制約なしに使用すること
ができる。例えば平板状帯材(1)としては、通常のメ
タルモノリスタイプのハニカム体を製作するときに使用
されている帯材、例えばクロム鋼(クロム13%〜25
%)、Fe−Cr20%−Al5%などの耐熱性のステ
ンレス鋼、あるいはこれに耐高温酸化性を改善するため
に希土類(REM)を加えた耐熱性のステンレス鋼な
ど、厚さが0.03mm〜0.1mm程度の帯材が使用
される。また、波板状帯材(2)としては、前記平板状
帯材(1)から所定の略正弦波、略三角波もしくは略台
形波を有するように波付加工したものが使用される。な
お、平板状帯材(1)と波板状帯材(2)にAlを含有
されたものや、あるいはその表面にAl層を設けたもの
を熱処理し、その表面にウィスカー状もしくはマッシュ
ルーム状のアルミナ(Al)を析出させたものが
好ましい。前記ウィスカー状などのアルミナは、Pt,
Pd,Rhなどの排気ガス浄化用触媒を担持するための
ウォッシュコート層を強固に保持することができるので
好ましいものである。
【0025】本発明において、前記メタルハニカム体
(H)が填装、固着される金属製ケーシング(C)の素
材としては、前記メタルハニカム体(H)を構成する帯
材(1、2)と同種の耐熱鋼を用いてもよいし、更に耐
熱耐食性に富むものを用いてもよい。また、外側部分の
金属材料を内側部分より耐熱耐蝕性に富むものとした二
重構造のもの、具体的には内側部分にフェライト系ステ
ンレス鋼を、外側部分にオーステナイト系ステンレス鋼
を使用したものを用いてもよい。
【0026】
【発明の効果】本発明のメタル担体(MS)は、その主
要な構成要素であるメタルハニカム体(H)と金属製ケ
ーシング(C)との固着に新しい固着方式を適用して製
造されたものである。即ち、本発明は、メタルハニカム
体(H)の内部に発生し、その外周面部に集中・集積す
る大きな熱歪を、メタルハニカム体(H)の外周部の軸
方向はもとより周方向においても効果的に吸収、緩和す
ることができる新しい固着方式を採用することにより製
造されるものである。
【0027】従って、本発明のメタル担体(MS)は、
耐久性(耐熱疲労性、耐振性)に優れたものである。ま
た、従来の固着領域を全面的に固着する方式に比較し
て、固着点が少なくて済むため溶接作業が効率化され、
ろう接合の場合は高価な高温用ろう材の使用量が少なく
て済むため経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のメタル担体(MS)の斜視図であ
る。
【図2】 本発明のメタルハニカム体部に適用された第
一実施態様の巨視的な固着領域を説明する図である。
【図3】 図2の一部を拡大した図であり、本発明の第
一実施態様の巨視的な固着領域内に形成された非固着部
を説明する図である。
【図4】 本発明の第二実施態様の巨視的な固着領域内
に形成された非固着部を説明する図である。
【図5】 本発明の第三実施態様の巨視的な固着領域内
に形成された非固着部を説明する図である。
【図6】 本発明の第四実施態様のメタルハニカム体部
における巨視的な固着領域を説明する図である。
【符号の説明】 MS ………… メタル担体 H ………… メタルハニカム体 C ………… 金属製ケーシング 1 ………… 平板状帯材 2 ………… 波板状帯材 3 ………… セル(網目状通気孔炉) a,a,a,a………… 巨視的な固着領域 b ………… 微視的な非固着部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F01N 3/28 ZAB 311 S H M

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄肉金属製の平板状帯材と波板状帯材を
    相互に当接するようにして製作した排気ガス浄化用触媒
    を担持させるためのメタルハニカム体、及び前記メタル
    ハニカム体を外包するとともに固着保持するための金属
    製ケーシング、とからなるメタル担体において、 (i) メタルハニカム体の外周面の周方向全体または周方
    向の一部と金属製ケーシングの内周面が、巨視的な固着
    領域をもって固着されるとともに、 (ii) 前記巨視的な固着領域が、周方向に微視的な非固
    着部を有するように構成されたこと、を特徴とするメタ
    ル担体。
  2. 【請求項2】 メタルハニカム体の一端の外周面におい
    て、所望の幅でかつ周方向全体にわたる領域が、金属製
    ケーシングの内周面に固着されたものである請求項1に
    記載のメタル担体。
  3. 【請求項3】 メタルハニカム体の外周面において、所
    望の幅でかつ周方向に断続した領域が、金属製ケーシン
    グの内周面に固着されたものである請求項1に記載のメ
    タル担体。
  4. 【請求項4】 巨視的な固着領域において、メタルハニ
    カム体の最外層が波板状帯材で構成される場合、周方向
    にみたとき少なくとも1つの山部の間隔をおいて波板状
    帯材の山部が金属製ケーシングの内周面に固着されるも
    のである請求項1に記載のメタル担体。
  5. 【請求項5】 巨視的な固着領域において、メタルハニ
    カム体の最外層が平板状帯材で構成される場合、周方向
    にみたとき前記平板状帯材に当接する波板状帯材の少な
    くとも1つの山部の間隔をおいて平板状帯材が金属製ケ
    ーシングの内周面に固着されるものである請求項1に記
    載のメタル担体。
  6. 【請求項6】 巨視的な固着領域において、微視的な非
    固着部が大きさが、巨視的な固着領域の面積の10〜5
    0%である請求項1に記載のメタル担体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011513044A (ja) * 2008-02-27 2011-04-28 エミテック ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンス テクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング 柔軟な連結点を有するセル状構成要素
JP2014147879A (ja) * 2013-01-31 2014-08-21 Honda Motor Co Ltd 小型内燃機関用排気ガス浄化触媒装置

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