JPH0811106A - 木材の漂白・脱色方法 - Google Patents

木材の漂白・脱色方法

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JPH0811106A
JPH0811106A JP14941894A JP14941894A JPH0811106A JP H0811106 A JPH0811106 A JP H0811106A JP 14941894 A JP14941894 A JP 14941894A JP 14941894 A JP14941894 A JP 14941894A JP H0811106 A JPH0811106 A JP H0811106A
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JP
Japan
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hydrogen peroxide
bleaching
solution
wood
peroxide
Prior art date
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Pending
Application number
JP14941894A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaji Murotani
正次 室谷
Toshihiko Yasui
俊彦 安井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Sanso Kagaku Co Ltd
Original Assignee
Shin Sanso Kagaku Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0811106A publication Critical patent/JPH0811106A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 木材の漂白・脱色において概ね過酸化水素水
溶液のみが用いられているが、過酸化水素だけでは脱色
が不十分であるので、特定の過酸化水素誘導体を助剤と
して、過酸化水素等の酸化剤を活性化して漂白・脱色の
向上を図る。 【構成】 低濃度の過酸化水素水に、過炭酸ナトリウ
ム、過硼酸ナトリウム及び過酸化カルシウムのいずれか
1又は2以上を添加して、弱アルカリ性の過酸化水素希
釈溶液を準備し、該溶液に木材薄板を所定時間浸漬し、
該薄板を漂白・脱色することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、過酸化水素等の酸化剤
を用いる木材の漂白・脱色方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、広葉樹の一種、例えばナラ、セ
ン、タモと呼ばれているような木材をスライスした単板
を、化粧単板のように住宅等の建築素材として使用され
てきた。このような木材薄板において、色揃えのため
に、過酸化水素を用いて漂白ないし脱色を行なうこと、
あるいはその後染色や塗装を行なうこと等が提案されて
いる。
【0003】特開昭60−11307号公報には、アル
カリが浸透させられた後、過酸化水素が浸透せられてな
る木材を積み上げ、摂氏40度プラスマイナス5度の雰
囲気中で4時間以上養生して脱色を行うにあたり、減圧
下で養生することが開示されている。また、特開昭60
−90708号公報では、木材にアルカリ液を塗布して
放置した後、過酸化水素水溶液を塗布して放置する木材
の脱色法であって、アルカリおよび過酸化水素の濃度
を、所定の脱色法が得られる範囲内で低いものとするこ
とが開示されている。
【0004】更にまた、特開昭60−176718号公
報では、木材の脱色を過酸化水素水溶液のみで行なうこ
ととし、過酸化水素水溶液の濃度を15重量パーセント
以下とすることが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来提
案されている木材の漂白ないし脱色法においては、過酸
化水素水溶液のみを用い、あるいは塩基性物質を併用し
ているが、過酸化水素だけでは脱色が不十分であった。
本発明の目的は、特定の過酸化水素誘導体を助剤とし
て、過酸化水素等の酸化剤を活性化することにより漂白
・脱色の向上を図った木材の漂白・脱色方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めに、本発明の木材の漂白・脱色方法は、特定の過酸化
水素誘導体、即ち過炭酸ナトリウム、過硼酸ナトリウム
及び過酸化カルシウムのいずれか1又は2以上を添加し
た過酸化水素水溶液等の酸化剤溶液で、木材を漂白・脱
色することを特徴とするものである。
【0007】すなわち、本発明者等は木材の酸化漂白・
脱色において、酸化剤を活性化して漂白・脱色度を向上
させるべく種々検討した結果、特定の過酸化水素誘導体
を助剤として酸化剤に添加することにより、漂白・脱色
度の向上を図ることが出来るという事実を見出し、本発
明を完成するに至った。一般に、酸化剤として過酸化水
素を用いる脱色方法では、実際の酸化漂白・脱色に寄与
する過酸化水素は数パーセントから多くても50パーセ
ント位であろうと言われている。その多くは、肝心の酸
化反応に関与する前に分解している。
【0008】そこで、反応効率を上げる為の各種の助剤
が併用が検討され、そして現実に使われている。そのよ
うな助剤の多くは、塩基性物質である。それら塩基性物
質を併用した系のPH は高い値を示しており、その為に
過酸化水素の急速な分解が促され、一部に「強い酸化
種」が生ずる。これが、漂白・脱色度を向上させるもの
と考えられる。
【0009】しかしながら、これらの塩基性物質を併用
した高PH の系では、「強い酸化種」が生ずる以前に、
過酸化水素の単なる分解が起こり、過酸化水素の使用効
率は良いとは言えない。これは当然ながら過酸化水素の
使用コストアップに繋がる。本発明者等は、鋭意検討の
結果、過炭酸ナトリウム、過硼酸ナトリウム又は過酸化
カルシウムといった、酸と塩基からなる塩にして、そこ
に過酸化水素を付加あるいは反応せしめられた物質が、
極めて有効であるという事実を見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0010】本発明に成る過炭酸ナトリウム、過硼酸ナ
トリウム又は過酸化カルシウムの効果を推察するに、次
の様な事であうと思われる。まず、基本的には塩である
が、それらは水溶液中では弱塩基性を示し、その為に過
酸化水素の分解が除々に進む。それが、効率の良い「強
い酸性種」の発生に繋がるものと考えられる。
【0011】次にこれら自身、水溶液中では過酸化水素
を除々に放出し、系中の過酸化水素濃度を増す役割も果
たす。それもまた効率の良い「強い酸性種」の発生に繋
がるものと考えられる。すなわち、本発明は、木材の漂
白・脱色において、過炭酸ナトリウム、過硼酸ナトリウ
ム又は過酸化カルシウムといった、特定の過酸化水素誘
導体を添加した酸化剤溶液を用いる、効率的な方法を提
供するものである。
【0012】
【実施例】実施例1及び比較例1 実施例1として、5%濃度の過酸化水素水100重量部
に対して、過炭酸ナトリウム0.4重量部を添加した、
H 9程度の弱アルカリ性過酸化水素の希釈溶液200
m に、セン (広葉樹の一種) のスライス単板20枚(5
cm×15cm×厚み0.2mm)を、24時間浸漬し
た。
【0013】その後該単板を引上げ、水洗後乾燥した。
該処理単板は、目視判定として明らかに脱色されてお
り、その後経時的に色戻りすることも無かった。比較実
験として、過炭酸ナトリウムを添加しない同様の試験を
試験を比較例1として行ったが、明らかに脱色の程度は
低かった。
【0014】表1に、実施例1及び比較例1における、
処理前後の単板のL* 値を示す。なお、表1における数
値はスライス単板20枚の平均値である。
【0015】
【表1】
【0016】実施例2、3及び比較例2、3 実施例2では、6%濃度の過酸化水素水100重量部に
対し、過硼酸ナトリウム─実施例3では、過硼酸ナトリ
ウムの代わりに過酸化カルシウム─0.5重量部を添加
した、PH 9程度の弱アルカリ性過酸化水素の希釈溶液
200mlに、タモ (広葉樹の一種) ─実施例3では、タ
モの代わりにナラ (広葉樹の一種) ─のスライス単板2
0枚(5cm×15cm×厚み0.2mm)を、24時
間浸漬した。
【0017】その後該単板を引上げ、水洗後乾燥した。
該処理単板は、目視判定として明らかに脱色されてお
り、その後経時的に色戻りすることも無かった。比較試
験として、過硼酸ナトリウムを添加しない以外は実施例
2と同様な試験を比較例2として、また過酸化カルシウ
ムを添加しない以外は実施例3と同様な試験を比較例3
として、それぞれ比較試験を行ったが、これらの比較例
では明らかに脱色の程度は低かった。
【0018】表2に、実施例2、3及び比較例2、3に
おける、処理前後の単板のL* 値を示す。
【0019】
【表2】
【0020】表1及び表2から明らかなように、実施例
1、2及び3のいずれも、処理前に比較して処理後のL
* 値(X)は大幅に向上している。これに対し、比較例
1、2及び3はいずれも、処理前と処理後のL*
(X)の差が少なく、脱色の程度が低いことが分かる。
【0021】
【発明の効果】以上に説明したような、本発明の木材の
漂白・脱色法においては、特定の過酸化水素誘導体を助
剤として、過酸化水素等の酸化剤を活性化しているの
で、漂白・脱色の向上の程度を大幅に向上させることが
できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年7月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】従来、広葉樹の一種、例えばナラ、セ
ン、タモと呼ばれているような木材をスライスしたツキ
単板を、ツキ板合板加工して住宅等の建築素材として
使用してきた。このような木材薄板において、色揃えの
ために、過酸化水素を用いて漂白ないし脱色を行なうこ
と、あるいはその後染色や塗装を行なうこと等が提案さ
れている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来提
案されている木材の漂白ないし脱色法においては、過酸
化水素水溶液のみを用い、あるいは塩基性物質を併用し
ているが、過酸化水素だけでは脱色が不十分であった。
又、塩基性物質の併用にしても、効率は決して良くなか
った。本発明の目的は、特定の過酸化水素誘導体を助剤
として、過酸化水素等の酸化剤を活性化することにより
漂白・脱色の向上を図った木材の漂白・脱色方法を提供
することにある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】そこで、反応効率を上げる為の各種の助剤
併用が検討され、そして現実に使われている。そのよ
うな助剤の多くは、塩基性物質である。それら塩基性物
質を併用した系のPH は高い値を示しており、その為に
過酸化水素の急速な分解が促され、一部に「強い酸化
種」が生ずる。これが、漂白・脱色度を向上させるもの
と考えられる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特定の過酸化水素誘導体を添加した酸化
    剤溶液で、木材を漂白・脱色することを特徴とする木材
    の漂白・脱色方法。
  2. 【請求項2】 特定の過酸化水素誘導体が、過炭酸ナト
    リウム、過硼酸ナトリウム及び過酸化カルシウムのいず
    れか1又は2以上からなることを特徴とする請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 酸化剤が過酸化水素であることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 低濃度の過酸化水素水に、過炭酸ナトリ
    ウム、過硼酸ナトリウム及び過酸化カルシウムのいずれ
    か1又は2以上を添加して、弱アルカリ性の過酸化水素
    希釈溶液を準備し、該溶液に木材薄板を所定時間浸漬
    し、該薄板を漂白・脱色することを特徴とする木材の漂
    白・脱色方法。
JP14941894A 1994-06-30 1994-06-30 木材の漂白・脱色方法 Pending JPH0811106A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7477962B2 (en) 2003-10-27 2009-01-13 Yamaha Corporation Method for manufacturing wooden decorative material
CN107457861A (zh) * 2017-09-09 2017-12-12 王莉 一种竹丝漂白工艺

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US7477962B2 (en) 2003-10-27 2009-01-13 Yamaha Corporation Method for manufacturing wooden decorative material
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