JPH08108222A - 成形品の成形仕上げ方法 - Google Patents

成形品の成形仕上げ方法

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JPH08108222A
JPH08108222A JP6243988A JP24398894A JPH08108222A JP H08108222 A JPH08108222 A JP H08108222A JP 6243988 A JP6243988 A JP 6243988A JP 24398894 A JP24398894 A JP 24398894A JP H08108222 A JPH08108222 A JP H08108222A
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JP
Japan
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vertical wall
plate material
molded product
low temperature
molding
Prior art date
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Pending
Application number
JP6243988A
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English (en)
Inventor
Takashi Sugiyama
隆司 杉山
Shigeru Ishikawa
茂 石川
Takakuni Iwase
孝邦 岩瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP6243988A priority Critical patent/JPH08108222A/ja
Publication of JPH08108222A publication Critical patent/JPH08108222A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
  • Forging (AREA)
  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、低温成形により成形した成形品の
品質向上を図ることを目的とする。 【構成】 以下の工程を備えてなることを特徴とする。 (i)板材Wを液体窒素により冷却せしめて極低温状態
にする工程。 (ii) (i)工程の終了した後に、極低温状態の板材W
に対して低温成形を行うことにより、この板材をフラン
ジW1 、たて壁W2 、底W3 を備えた成形品Wに成形せ
しめる工程。 (iii) (ii)工程の終了した後に、熱膨張により変形し
た成形品Wにおける一方のたて壁W2 と他方のたて壁W
2 の相対的な寸法精度を部分的に確保するため、一方の
たて壁W2 における必要部分Wa 及び他方のたて壁W2
における必要部分Wb のみに対してリストライキングを
行う工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム板材、ア
ルミニウム合金板材のごとく板材を成形品に成形仕上げ
る成形品の成形仕上げ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム板材、アルミニウム合金板
材の引張強さ、伸びは鋼板材の引張強さ、伸びに比べて
小さいため、アルミニウム板材、アルミニウム合金板材
の成形性は鋼板材の成形性より大きく劣るものである。
【0003】ところで、アルミニウム板材又はアルミニ
ウム合金板のごとき板材を液体窒素により冷却せしめて
極低温状態にすると、板材の伸び、引張強さ等の機械的
性質が向上することは公知であり、またこの極低温状態
の板材に対して低温成形を行うことも公知である(特開
平4−300032号公報、特開平6−47455号公
報参照)。したがって、アルミニウム板材、アルミニウ
ム合金板材に対して低温成形を行うことにより、アルミ
ニウム板材、アルミニウム合金板材の成形性を鋼板材の
成形性に近づけることも可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アルミニウム
板材、アルミニウム合金板材のごとき板材に対して低温
成形を行うことにより成形品を成形せしめた後に、成形
品(板材)が極低温状態から常温状態に戻ると、板材は
熱膨張により大きく変形する。そのため、成形品の寸法
精度が悪化して、成形品の品質向上を図ることができな
いという問題があった。
【0005】そこで、本発明は、成形品の寸法精度を確
保して、成形品の品質向上を図ることができる成形品の
成形仕上げ方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述のごとき従来の問題
点を解決するため、本発明においては、第1の手段とし
て、成形品の成形仕上げ方法において、以下の工程を備
えてなることを特徴する。 (i)板材を液体窒素により冷却せしめて極低温状態に
する工程。 (ii) (i)工程の終了した後に、極低温状態の板材に
対して低温成形を行うことにより、この板材をフラン
ジ、たて壁、底を備えた成形品に成形せしめる工程。 (iii) (ii)工程の終了した後に、熱膨張により変形し
た成形品の寸法精度を確保するため、この成形品に対し
てリストライキングを行う工程。
【0007】第2の手段として成形品の成形仕上げ方法
において、以下の工程を備えてなることを特徴とする。 (i)板材を液体窒素により冷却せしめて極低温状態に
する工程。 (ii) (i)工程の終了した後に、極低温状態の板材に
対して低温成形を行うことにより、この板材をフラン
ジ、たて壁、底を備えた成形品に成形せしめる工程。 (iii) (ii)工程の終了した後に、熱膨張により変形し
た成形品の寸法精度を部分的に確保するため、この成形
品における必要部分のみに対してリストライキングを行
う工程。
【0008】第3の手段として成形品の成形仕上げ方法
において、以下の工程を備えてなることを特徴する。 (i)板材を液体窒素により冷却せしめて極低温状態に
する工程。 (ii) (i)工程の終了した後に、極低温状態の板材に
対して低温成形を行うことにより、この板材をフラン
ジ、たて壁、底を備えた成形品に成形せしめる工程。 (iii) (ii)工程の終了した後に、熱膨張により変形し
た成形品におけるたて壁の寸法精度を確保するため、こ
のたて壁に対してリストライキングを行う工程。
【0009】第4の手段として成形品の成形仕上げ方法
において、以下の工程を備えてなることを特徴する。 (i)板材を液体窒素により冷却せしめて極低温状態に
する工程。 (ii) (i)工程の終了した後に、極低温状態の板材に
対して低温成形を行うことにより、この板材をフラン
ジ、たて壁、底を備えた成形品に成形せしめる工程。 (iii) (ii)工程の終了した後に、熱膨張により変形し
た成形品におけるたて壁の寸法精度を部分的に確保する
ため、このたて壁における必要部分のみに対してリスト
ライキングを行う工程。
【0010】第5の手段として成形品の成形仕上げ方法
において、以下の工程を備えてなることを特徴する。 (i)板材を液体窒素により冷却せしめて極低温状態に
する工程。 (ii) (i)工程の終了した後に、極低温状態の板材に
対して低温成形を行うことにより、この板材をフラン
ジ、たて壁、底を備えた成形品に成形せしめる工程。 (iii) (ii)工程の終了した後に、熱膨張により変形し
た成形品における一方のたて壁と他方のたて壁の相対的
な寸法精度をに確保するため、一方のたて壁及び他方の
たて壁に対してリストライキングを行う工程。
【0011】第6の手段として成形品の成形仕上げ方法
において、以下の工程を備えてなることを特徴する。 (i)板材を液体窒素により冷却せしめて極低温状態に
する工程。 (ii) (i)工程の終了した後に、極低温状態の板材に
対して低温成形を行うことにより、この板材をフラン
ジ、たて壁、底を備えた成形品に成形せしめる工程。 (iii) (ii)工程の終了した後に、熱膨張により変形し
た成形品における一方のたて壁と他方のたて壁の相対的
な寸法精度を部分的に確保するため、一方のたて壁にお
ける必要部分及び他方のたて壁における必要部分のみに
対してリストライキングを行う工程。
【0012】第7の手段として、第6の手段の構成要件
の他に、前記一方のたて壁における必要部分の一側及び
前記他方のたて壁における必要部分の一側にそれぞれた
て溝を形成するようにリストライキングを行うことを特
徴とする。
【0013】第8の手段として、第6の手段の構成要件
の他に、前記一方のたて壁における必要部分の両側及び
前記他方のたて壁における必要部分の両側にそれぞれた
て溝を形成するようにリストライキングを行うことを特
徴とする。
【0014】第9の手段として、第7又は第8の手段の
構成要件の他に、前記一方のたて壁における必要部分の
横方向の総和長さ及び前記他方のたて壁における必要部
分の横方向の総和長さがそれぞれ長くなるようにリスト
ライキングを行うことを特徴とする。
【0015】第10の手段として、第6〜第9の手段の
構成要件の他に、前記成形品は自動車用ドアパネルであ
って、前記一方のたて壁における必要部分はヒンジ取付
部分であって、更に前記他方のたて壁における必要部分
はドアロック取付部分であることを特徴とする。
【0016】第11の手段として、第1〜第10の手段
の構成要件の他に、前記板材は、アルミニウム板材又は
アルミニウム合金板材であることを特徴とする。
【0017】
【作用】第1〜第6の手段において、板材を液体窒素に
より冷却せしめて極低温状態にすることにより、板材の
引張強さ、伸び等の機械的性質を向上せしめる。
【0018】そして、適宜の低温成形用プレス機械によ
り極低温状態の板材に対して低温絞り成形を行う。これ
によって、板材をフランジ、たて壁、底を備えた成形品
に成形せしめる。
【0019】ここで、低温成形過程においては、板材の
機械的性質が向上しているため、より深い絞り成形を行
うことができる。一方、低温成形後においては、成形品
(板材)が極低温状態から常温状態に戻るため熱膨張に
より変形する。
【0020】したがって、第1の手段によれば、適宜の
リストライキング用プレス機械によりこの成形品に対し
てリストライキングを行うことにより、熱膨張により変
形した成形品の寸法精度を確保する。
【0021】また、第2の手段によれば、この成形品に
おける必要部分のみに対してリストライキング加工を行
うことにより、熱膨張により変形した成形品の寸法精度
を部分的に確保する。
【0022】第3の手段によれば、この成形品における
たて壁に対してリストライキングを行うことにより、熱
膨張により変形した成形品におけるたて壁の寸法精度を
確保する。
【0023】第4の手段によれば、たて壁における必要
部分のみに対してリストライキングを行うことにより、
熱膨張により変形した成形品におけるたて壁の寸法精度
を部分的に確保する。
【0024】第5の手段によれば、一方のたて壁及び他
方のたて壁に対してリストライキングを行うことによ
り、熱膨張により変形した一方のたて壁と他方のたて壁
の相対的な寸法精度を確保する。
【0025】第6の手段によれば、一方のたて壁におけ
る必要部分(第10の手段にあってはヒンジ取付部分)
及び他方のたて壁におけ必要部分(第10の手段にあっ
てはドアロック取付部分)のみに対してリストライキン
グを行うことにより、熱膨張により変形した一方のたて
壁と他方のたて壁の相対的な寸法精度を部分的に確保す
る。
【0026】特に、第7、第8の手段にあっては、一方
のたて壁と他方のたて壁の相対的な寸法精度を確保する
他に、一方のたて壁における必要部分の一側又は両側、
及び他方のたて壁における必要部分の一側又は両側にそ
れぞれたて溝を形成するようにリストライキングを行う
ことにより、一方のたて壁における必要部分及び他方の
たて壁における必要部分に横方向へ引張応力をそれぞれ
与え、これらの必要部分においてしわの発生を極力回避
することができる。更に、第9の手段にあっては、一方
のたて壁における必要部分の横方向の総和長さ及び他方
のたて壁における必要部分の横方向の総和長さがそれぞ
れ長くなるようにリストライキングを行っているため、
しわの発生は確実に回避することができる。
【0027】
【実施例】まず、図2を参照して低温成形に用いられる
低温成形用金型装置1について説明する。
【0028】低温成形用プレス機械におけるボルスタ3
にはポンチ5が設けてあり、低温成形用プレス機械にお
ける上下動可能なラム7にはダイ9がこのポンチ5に上
下(図2において上下)に対向して設けてある。このポ
ンチ5の周縁部にはダイ9と協働して板材Wを押圧する
環状のブランクホルダ11が設けてあり、このブランク
ホルダ11は複数のクッションピン13を介して上下動
可能である。
【0029】クッションピン13は、ポンチ5及びボル
スタ3にそれぞれ形成したガイド孔15,17に上下動
自在に支持されており、図示省略の押圧シリンダに接続
してある。
【0030】したがって、液体窒素により極低温状態
(−50℃〜−190℃)に冷却した板材(例えばアル
ミニウム板材、アルミニウム合金板材)Wをダイ9とブ
ランクホルダ11の間に位置せしめた後に、ラム7を下
方向へ移動させることによりブランクホルダ11とダイ
9の協働により板材Wを押圧する。ここで、板材Wの押
圧力は予め押圧シリンダにより適宜に調節されている。
そして、ラム7を更に下方向へ移動させることにより、
ポンチ5をダイ9に対して相対的に上方向へ移動させ
て、ダイ孔9hに進入させる。これによって、板材Wに
対して低温絞り成形を行い、フランジW1 、たて壁
2 、底W3 を備えた成形品(本実施例では自動車用ド
アパネル)Wを成形せしめることができる。
【0031】次に、図3を参照してリストライキングに
用いられるリストライキング用金型装置19について説
明する。
【0032】リストライキング用プレス機械におけるボ
ルスタ21には成形品Wを支持するダイ23が設けてあ
り、リストライキング用プレス機械における上下動可能
なラム25にはポンチ27がこのダイ23に上下(図3
において上下)に対向して設けてある。
【0033】このポンチ27は、ラム25に一体的に設
けたポンチ本体29と、このポンチ本体29の前部(図
3において左部)に左右(図3において紙面に向って裏
表)に設けた一対の第1ポンチチップ31(図3には1
つのみ図示)と、ポンチ本体29の後部に設けた第2ポ
ンチチップ33を備えている。ここで、第1ポンチチッ
プ31は、図1,図6に示すように自動車用ドアパネル
(成形品)Wの前方側(図1において左方側,図6にお
いて下方側)のたて壁W2 におけるヒンジ取付部分Wa
に対して両側にたて溝Sを形成するようにリストライキ
ングを行うものである。また、第2ポンチチップ33
は、図1に示すように自動車用ドアパネル(成形品)W
の後方側(図1における右方側)のたて壁W2 における
ドアロック取付部Wb に対して両側にたて溝を形成する
ようにリストライキングを行うものである。なお、第1
ポンチチップ31は、たて溝Sを形成するため上から見
ると図4に示すような形状になり、第2ポンチチップ3
3も同様である。
【0034】再び図3を参照するに、上記ポンチ27の
中央部にはダイ23と協働して成形品Wにおける底W3
を押圧するブランクホルダ35がガイドピン(図示省
略)を介して上下動可能に設けてあり、このブランクホ
ルダ35は適宜のストッパ部(図示省略)を介してポン
チ27から脱落しないように構成してある。また、上記
ポンチ27とブランクホルダ35の間にはブランクホル
ダ35を下方向へ付勢可能なスプリングのごとき複数の
付勢部材37が設けてある。
【0035】したがって、成形品(自動車パネル)Wを
ダイ23に支持せしめた後に、ラム25を下方向へ移動
させることによりブランクホルダ35とダイ23の協働
により成形品Wにおける底W3 を押圧する。そして、ラ
ム25を更に下方向へ移動させることにより、第1ポン
チチップ31によってヒンジ取付部分Wa に対し両側に
たて溝Sを形成するようにリストライキングが行われる
と共に、第2ポンチチップ33によってドアロック取付
部分Wb に対して両側にたて溝9を形成するようにリス
トライキング加工を行われる。よって、ヒンジ取付部分
a とドアロック取付部分Wb の相対的な寸法精度が確
保される。
【0036】次に、本実施例に係る成形品の成形仕上げ
方法について作用を含めて説明する。
【0037】アルミニウム板材、アルミニウム合金板材
のごとき板材Wを、液体窒素を貯留したハウジング(図
示省略)内に投入して、液体窒素に浸漬せしめることに
より、板材Wを冷却せしめて極低温状態(−50℃〜−
190℃)にする。これによって板材Wの引張強さ、伸
び等の機械的性質を向上せしめる。
【0038】板材Wを冷却せしめた後に、極低温状態の
板材Wをハウジングから取出して、直ちに低温成形用プ
レス機械に搬入せしめる。そして、前述のように、低温
成形用金型装置1により極低温状態の板材Wに対して低
温絞り成形を行う。これによって、板材WをフランジW
1 、たて壁W2 、底W3 を備えた成形品(自動車用ドア
パネル)Wを成形せしめる。
【0039】ここで、低温成形過程においては、板材W
の機械的性質が向上しているため、より深い絞り成形を
行うことができる。一方、低温成形後においては、成形
品Wが極低温状態から常温状態に戻るため熱膨張により
変形して、前方側のたて壁W2 におけるヒンジ取付部分
a と後方側のたて壁W2 におけるドアロック取付部分
b の前後間隔が設定間隔より長くなって相対的な寸法
精度が悪化する。
【0040】したがって、成形品Wを低温成形用プレス
機械から搬出した後に、熱膨張により変形した成形品W
をリストライキング用プレス機械に搬入する。そして、
前述のように、リストライキング用金型装置19により
前方側のたて壁W2 におけるヒンジ取付部分Wa 及び後
方側のたて壁W2 におけるドアロック取付部分Wb のみ
に対してリストライキングを行うことにより、ヒンジ取
付部分Wa とドアロック取付部分Wb の前後間隔が設定
間隔とほぼ同じになって、前方側のたて壁W2と後方側
のたて壁W2 の相対的な寸法精度を部分的に確保するこ
とができる。
【0041】前方側のたて壁W2 と後方側のたて壁W2
の相対的な寸法精度を部分的に確保する他に、図1,図
6に示すように、ヒンジ取付部分Wa の両側及びドアロ
ック取付部分Wb の両側にそれぞれたて溝Sを形成する
ようにリストライキングを行うことにより、ヒンジ取付
部分Wa 、ドアロック取付部分Wb に横方向の引張応力
をそれぞれ与えることができ、ヒンジ取付部分Wa 及び
ドアロック取付部分Wb において、しわの発生を極力回
避することができる。更に、図5に示すように、リスト
ライキング前におけるヒンジ取付部分Wa (及びドアロ
ック取付部分Wb )の横方向の総和長さl1 に対して、
リストライキング後におけるヒンジ取付部分Wa (及び
ドアロック取付部分Wb )の横方向の総和長さl2 が同
じ若しくはそれ以上になるようにリストライキングを行
った場合には、ヒンジ取付部分Wa 及びドアロック取付
部分Wb においてしわの発生は確実に回避することがで
きる。
【0042】以上のごとき本実施例に係る発明によれ
ば、低温成形後において成形品(自動車用ドアパネル)
Wが熱膨張により変形しても、その成形品Wに対してリ
ストライキングを行うことにより、この成形品Wにおけ
る前方側のたて壁W2 と後方側のたて壁W2 の相対的な
寸法精度を確保して、成形品Wの品質向上を図ることが
できる。
【0043】成形品W全体ではなく、成形品の前方側の
たて壁W2 におけるヒンジ取付部分Wa 及び後方側のた
て壁W2 におけるドアロック取付部分Wb のみに対して
リストライキングを行っているため、成形品W全体に負
荷が作用することはない。したがって、成形品W全体に
ねじれが生じることがなく、成形品Wの一層の品質向上
を図ることができる。
【0044】更に、ヒンジ取付部分Wa 及びドアロック
取付部分Wb に横方向の引張応力をそれぞれ与え、ヒン
ジ取付部分Wa 、ドアロック取付部分Wb においてしわ
の発生を極力回避して、成形品Wのより一層の品質向上
を図ることができる。
【0045】なお、本発明は、前述のごとき実施例の説
明に限るものではなく、例えば、低温成形後にトリミン
グ加工を行う等の適宜の変更を行うことにより、その他
種々の態様で実施が可能である。
【0046】
【発明の効果】以上のごとき実施例の説明より理解され
るように、本発明によれば、低温成形後において成形品
が熱膨張により変形しても、この成形品に対してリスト
ライキングを行うことにより、この成形品の寸法精度を
確保して、成形品の品質向上を図ることができる。
【0047】特に、請求項2又は請求項4又は請求項6
〜請求項10に記載の発明によれば、上記効果を奏する
他に、成形品全体ではなく、成形品(成形品のたて壁)
における必要部分のみに対してリストライキングを行っ
ているため、成形品全体に負荷が作用することはなく、
成形品全体にねじれが生じることがない。したがって、
成形品の一層の品質向上を図ることができる。
【0048】更に、請求項7〜請求項9に記載の発明に
よれば、一方のたて壁における必要部分及び他方のたて
壁における必要部分に横方向の引張応力をそれぞれ与
え、これらの必要部分においてしわの発生を極力回避し
て、成形品のより一層の品質向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形品としての自動車ドアパネルの側面図であ
る。
【図2】低温成形用金型装置の側断面図である。
【図3】リストライキング用金型装置の側断面図であ
る。
【図4】リストライキングを行うときにおけるヒンジ取
付部分を上から見た図である。
【図5】ヒンジ取付部分(ドアロック取付部分)を上か
ら見た図である。
【図6】図1における矢視部VIを示す図である。
【符号の説明】
W 板材(成形品) W1 フランジ W2 たて壁 W3 底 Wa ヒンジ取付部分 Wb ドアロック取付部 S たて溝 1 低温成形用金型装置 19 リストライキング用金型装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22F 1/04 A

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形品の成形仕上げ方法において、以下
    の工程を備えてなることを特徴する。 (i)板材を液体窒素により冷却せしめて極低温状態に
    する工程。 (ii) (i)工程の終了した後に、極低温状態の板材に
    対して低温成形を行うことにより、この板材をフラン
    ジ、たて壁、底を備えた成形品に成形せしめる工程。 (iii) (ii)工程の終了した後に、熱膨張により変形し
    た成形品の寸法精度を確保するため、この成形品に対し
    てリストライキングを行う工程。
  2. 【請求項2】 成形品の成形仕上げ方法において、以下
    の工程を備えてなることを特徴とする。 (i)板材を液体窒素により冷却せしめて極低温状態に
    する工程。 (ii) (i)工程の終了した後に、極低温状態の板材に
    対して低温成形を行うことにより、この板材をフラン
    ジ、たて壁、底を備えた成形品に成形せしめる工程。 (iii) (ii)工程の終了した後に、熱膨張により変形し
    た成形品の寸法精度を部分的に確保するため、この成形
    品における必要部分のみに対してリストライキングを行
    う工程。
  3. 【請求項3】 成形品の成形仕上げ方法において、以下
    の工程を備えてなることを特徴する。 (i)板材を液体窒素により冷却せしめて極低温状態に
    する工程。 (ii) (i)工程の終了した後に、極低温状態の板材に
    対して低温成形を行うことにより、この板材をフラン
    ジ、たて壁、底を備えた成形品に成形せしめる工程。 (iii) (ii)工程の終了した後に、熱膨張により変形し
    た成形品におけるたて壁の寸法精度を確保するため、こ
    のたて壁に対してリストライキングを行う工程。
  4. 【請求項4】 成形品の成形仕上げ方法において、以下
    の工程を備えてなることを特徴する。 (i)板材を液体窒素により冷却せしめて極低温状態に
    する工程。 (ii) (i)工程の終了した後に、極低温状態の板材に
    対して低温成形を行うことにより、この板材をフラン
    ジ、たて壁、底を備えた成形品に成形せしめる工程。 (iii) (ii)工程の終了した後に、熱膨張により変形し
    た成形品におけるたて壁の寸法精度を部分的に確保する
    ため、このたて壁における必要部分のみに対してリスト
    ライキングを行う工程。
  5. 【請求項5】 成形品の成形仕上げ方法において、以下
    の工程を備えてなることを特徴する。 (i)板材を液体窒素により冷却せしめて極低温状態に
    する工程。 (ii) (i)工程の終了した後に、極低温状態の板材に
    対して低温成形を行うことにより、この板材をフラン
    ジ、たて壁、底を備えた成形品に成形せしめる工程。 (iii) (ii)工程の終了した後に、熱膨張により変形し
    た成形品における一方のたて壁と他方のたて壁の相対的
    な寸法精度を確保するため、一方のたて壁及び他方のた
    て壁に対してリストライキングを行う工程。
  6. 【請求項6】 成形品の成形仕上げ方法において、以下
    の工程を備えてなることを特徴する。 (i)板材を液体窒素により冷却せしめて極低温状態に
    する工程。 (ii) (i)工程の終了した後に、極低温状態の板材に
    対して低温成形を行うことにより、この板材をフラン
    ジ、たて壁、底を備えた成形品に成形せしめる工程。 (iii) (ii)工程の終了した後に、熱膨張により変形し
    た成形品における一方のたて壁と他方のたて壁の相対的
    な寸法精度を部分的に確保するため、一方のたて壁にお
    ける必要部分及び他方のたて壁における必要部分のみに
    対してリストライキングを行う工程。
  7. 【請求項7】 前記一方のたて壁における必要部分の一
    側及び前記他方のたて壁における必要部分の一側にそれ
    ぞれたて溝を形成するように、リストライキングを行う
    請求項6に記載の成形品の成形仕上げ方法。
  8. 【請求項8】 前記一方のたて壁における必要部分の両
    側及び前記他方のたて壁における必要部分の両側にそれ
    ぞれたて溝を形成するようにリストライキングを行う請
    求項6に記載の成形品の成形仕上げ方法。
  9. 【請求項9】 前記一方のたて壁における必要部分の横
    方向の総和長さ及び前記他方のたて壁における必要部分
    の横方向の総和長さがそれぞれ長くなるようにリストラ
    イキングを行う請求項7又は請求項8に記載の成形品の
    成形仕上げ方法。
  10. 【請求項10】 前記成形品は自動車用ドアパネルであ
    って、前記一方のたて壁における必要部分はヒンジ取付
    部分であって、更に前記他方のたて壁における必要部分
    はドアロック取付部分であることを特徴とする請求項6
    〜請求項9に記載の成形品の成形仕上げ方法。
  11. 【請求項11】 前記板材は、アルミニウム板材又はア
    ルミニウム合金板材であることを特徴とする請求項1〜
    請求項10に記載の成形品の成形仕上げ方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140064460A (ko) * 2012-11-20 2014-05-28 주식회사 두원공조 열교환기의 입출구배관 연결용 입출구 부재 및 이의 제조방법
CN109371341A (zh) * 2018-10-31 2019-02-22 哈尔滨工业大学 一种提高晶须增强铝基复合材料锻坯强韧性与尺寸稳定性的处理方法

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