JPH081028Y2 - 汚水処理池用防臭蓋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は汚水処理池用防臭蓋に関するものである。

〈従来の技術〉 汚水処理池、例えば下水処理場の沈殿池や曝気池にお
いては、悪臭のガスが発生するので、気密構造の蓋によ
って防臭する必要がある。而して、従来においては、第
４図Ｂ（第４図Ａにおけるb-b断面図）に示すように、
蓋片Ａ（面板の裏面四方に梁を固着してある）並びに蓋
片Ｂ（蓋片Ａの両脇部裏面にシール板３′,3′を固設
し、シール板２′の上面に平形パッキング２′を貼着し
てある）を交互に並設して蓋片Ａと蓋片Ｂとの間をパッ
キング２′でシールし、他方、池縁と蓋片との間のシー
ルは、例えば、第４図Ｃ（第４図ＡのC-C断面図）に示
すように、池縁に受枠４′を固設し、該受枠４′に平形
パッキング41′を貼着し、この上に蓋片の梁11′を載置
する構成を用いている。

〈解決しようとする課題〉 しかしながら、かかる防臭蓋においては、蓋片Ａまた
はＢが積載荷重あるいは、気温変化に基づく熱膨張収縮
によって歪変形すると、パッキング２′と蓋片Ａとの間
に隙間が発生し易く、かかる隙間の発生下では防臭を満
足に行い難い。また、上記蓋片Ｂのシール板３′を傾斜
状態で取着したり、あるいは、気温変化により蓋片Ｂが
反り上ったりして蓋片Ａの上面レベルが蓋片Ｂの上面レ
ベルよりも高くなると蓋片Ａの池縁端が浮き上がってし
まい、縁池と蓋との間からの臭気漏れが避けられない。

本考案の目的は、蓋片の歪変形または、蓋片Ａと蓋片
Ｂとの上面レベルの不一致等が生じても、防臭効果を良
好に保持し得る汚水処理池用防臭蓋を提供することにあ
る。

〈課題を解決するための手段〉 本考案に係る汚水処理池上に蓋片が並列に載置されて
おり、互いに隣り合う蓋片の一方の縁端部裏面側にパッ
キングが当該縁端より突出して取着されており、該パッ
キングの突出部が上記蓋片の他方の縁端部裏面と粱側面
とにパッキングの撓み反力に抗して圧接されていること
を特徴とする構成である。

〈作用〉 かかる構成のために、蓋片が歪変形し、隣り合う蓋片
の上面レベルの不一致が生じても、パッキングが粱側面
に接したままその変形に追従して撓み変形して、上記圧
接状態が維持される。

〈実施例の説明〉 以下、図面により本考案の一実施例を説明する。

第１図Ａは本考案の一実施例を示す一部切欠き斜視
図、第１図Ｂは第１図Ａにおけるb-b断面図である。

第１図Ａ並びに第１図Ｂにおいて、A,…並びにＢは蓋
片であり、面板１の裏面の四方に梁11,11並びに12,12を
設け（梁12,12は面板１の全巾にまたがっている）、こ
れらの梁の中間に補助梁13,13を設けてある。これらの
蓋片には木材、または、FRP材、例えば、熱硬化性樹脂
発泡体（硬質ウレタン樹脂）をガラス長繊維で強化した
ものを使用できる。2,2は蓋片Ｂの両脇部裏面に取着し
たパッキングであり、面板１の縁端から突出したシール
部21を有し、第２図Ａに示すように、非加圧時でのシー
ル部の最上箇所を面板裏面のレベルよりも△Ｈだけ上方
に位置させてある。蓋片Ｂと蓋片Ａの面板裏面とは同一
レベルであり、パッキング２は上記した△Ｈの量の撓み
を受けて、シール部21の上面が蓋片Ａの面板縁端部10の
裏面に接触されている。従ってその接触面には撓み反力
に抗する圧力が作用している。また、パッキング２の長
さは蓋片Ａと蓋片Ｂとの梁11,11間の間隔よりもやや長
く設定して、パッキング２のシール部21の先端を蓋片Ｂ
の粱側面110に圧接させる。このようにすれば、パッキ
ング２のシール部21を蓋片Ａの面板裏面以外に梁側面に
も接触させ得、シール性を増大できる。

上記において、パッキング２の蓋片Ｂへの取着には、
例えば、第１図Ｂに示すように、パッキング２に押さえ
固定部22を設け、上端に水平支承部31を有する押え板３
（金属又はプラスチック製）によってパッキング押え固
定部22を梁11に木ネジ等（図示せず）で固定する方法を
用いることができる。押え板３の水平支承部31は、パッ
キング２のシール部21の撓み反力（シール部の方向の曲
り変形に対する抵抗）を大きくして、上記蓋片Ａとパッ
キングシール部２との間の接触面圧を増大させるのに有
効であり、第２図Ａに示すように、パッキング２を押え
板３の水平支承部31に係止すれば、パッキングシール部
の撓み反力を更に大きくし得、上記接触面圧のより一層
の増大が可能となる。

第２図Ｂに示すように、パッキング21の根本部23を厚
肉にし、この肉厚部23を押え板上端の水平部31で押えさ
えることもできる。

上記パッキングの材質には耐食性の軟質材料、発泡に
より軟質化した材料を使用し、通常、ゴムを使用する。

上記パッキング２のシール部21の形状は第２図Ｃに示
すような円形、あるいは第２図Ｄに示すような突起付円
形とすることもでき、これらの場合も、前記した接触面
圧を発生するためにシール部の最上箇所を蓋片の面板裏
面のレベルよりも高くし（通常２〜6mm）、シール部先
端を蓋片Ａの梁側面に接触させ得るようにパッキングの
巾寸法を充分に長くしてある。

第１図Ａにおいて、蓋片Ａ、蓋片Ｂの両端部の梁12,1
2は面板全巾にまたがっており、蓋片A,Bと池縁ｅとの間
をシールするには、例えば、第３図Ａに示すように池縁
に受枠４を固設し、この受枠４に平パッキング41を貼着
し、このパッキング41上に梁12を載置することができ
る。

この場合、前記した蓋片間シール用パッキング２は、
通常、第１図Ａに示す蓋片Ｂの梁12,12間の範囲ｆに取
着するが、第３図Ｂまたは第３図Ｃに示すように梁12の
端部を欠切し、この欠切部分120に蓋片間シール用パッ
キング２並びに押え板３を通し、蓋片Ｂの全長にわたっ
て当該パッキングを取着することもできる。

本考案に係る汚水処理池用防臭蓋は、上述した通りの
構成であり、蓋片Ｂの縁端部裏面側にパッキングをその
縁端より突出して取着し、蓋片Ａの縁端部裏面側と粱側
面とをパッキングの突出部にパッキングの撓み反力に抗
し弾性的に接触させており、蓋片A,Bが歪変形を受けて
もパッキングの撓みをその蓋片の変形に弾性的に追従さ
せ得るから、パッキングと蓋片Ａの縁端部裏面側と粱側
面との間の接触をよく保ち得、蓋片Ａと蓋片Ｂとの間の
シールを良好に保持できる。また、蓋片Ｂが反り変形し
ても、蓋片Ｂと蓋片Ａとの間のパッキング材が撓むか
ら、蓋片Ｂの反り変形による蓋片Ａの浮き上がりを回避
でき、従って、蓋片Ａの池縁からの浮き上がりを防止で
き、池縁に対するシールをよく保持し得、また、蓋片Ｂ
においてもその反り変形のいかんにかかわらず、池縁と
のシールをよく保持し得るから、蓋全体の池縁とのシー
ルも良好に保持できる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは本考案の一実施例を示す一部切欠き斜視図、
第１図Ｂは第１図Ａにおけるb-b断面図、第２図Ａ、第
２図Ｂ、第２図Ｃ並びに第２図Ｄはそれぞれ本考案にお
いて使用するパッキングを示す説明図、第３図Ａは第１
図ＡにおけるIII-III断面図、第３図Ｂ並びに第３図Ｃ
はそれぞれ本考案における蓋片端部でのパッキングの取
着状態を示す説明図、第４図Ａは従来例を示す上面説明
図、第４図Ｂ並びに第４図Ｃはそれぞれ第４図Ａにおけ
るb-b断面図並びにC-C断面図である。 A,B……蓋片、２……パッキング、21……パッキングシ
ール部（突出部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】汚水処理池上に蓋片が並列に載置されてお
   り、互いに隣り合う蓋片の一方の縁端部裏面側にパッキ
   ングが当該縁端より突出して取着されており、該パッキ
   ングの突出部が上記蓋片の他方の縁端部裏面と粱側面と
   にパッキングの撓み反力に抗して圧接されていることを
   特徴とする汚水処理池用防臭蓋。