JPH08100654A - ラジエータキャップ - Google Patents

ラジエータキャップ

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Publication number
JPH08100654A
JPH08100654A JP23571394A JP23571394A JPH08100654A JP H08100654 A JPH08100654 A JP H08100654A JP 23571394 A JP23571394 A JP 23571394A JP 23571394 A JP23571394 A JP 23571394A JP H08100654 A JPH08100654 A JP H08100654A
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JP
Japan
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radiator
pressure
valve
temperature
pressurizing valve
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Application number
JP23571394A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Arai
博之 新井
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Publication of JPH08100654A publication Critical patent/JPH08100654A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01PCOOLING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; COOLING OF INTERNAL-COMBUSTION ENGINES
    • F01P11/00Component parts, details, or accessories not provided for in, or of interest apart from, groups F01P1/00 - F01P9/00
    • F01P11/02Liquid-coolant filling, overflow, venting, or draining devices
    • F01P11/0204Filling
    • F01P11/0209Closure caps
    • F01P11/0238Closure caps with overpressure valves or vent valves

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  • Temperature-Responsive Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は冷却式内燃機関の冷却装置に設けられ
るプレッシャー型のラジエータキャップに関し、冷却装
置の信頼性,耐久性を向上するとを目的とする。 【構成】加圧弁用ばね27により弾性付勢されており、
ラジエータ内圧力が加圧弁用ばね27により設定される
開弁圧以上の圧力となるとラジエータ注水口22を開弁
する加圧弁25を備えたラジエータキャップにおいて、
ラジエータ内温度に対応して体積が変化する感温部材3
7を設け、この感温部材37の体積変化により加圧弁用
ばね27を付勢することにより、加圧弁25の開弁圧を
可変制御する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はラジエータキャップに係
り、特に冷却式内燃機関の冷却装置に設けられるプレッ
シャー型のラジエータキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の水冷式内燃機関の冷却系統は図6
に示す構成とされている。即ち、エンジン1内のウォー
タジャケットはパイプ2によりラジエータ3の水入口に
接続されてエンジン1で温まった冷却水がラジエータ3
に送られるようになっており、ラジエータ3の水出口は
パイプ4によってエンジン1に接続されて、ラジエータ
3で冷却された冷却水をエンジン1に送るよう構成され
ている。また、図中5は冷却水を循環させるウォータポ
ンプである。
【0003】エンジン1の水出口側にはサーモスタット
弁6が設けられており、冷却水の一部をバイパスパイプ
7を介してウォータポンプ5にバイパスされて冷却水温
をコントロールする構成とされている。また、ラジエー
タ3の頂部にはラジエータキャップ8が設けられ、冷却
系統内の圧力が設定圧以上になったときに冷却水または
空気が吹き出される。ラジエータキャップ8はオーバー
フローパイプ9を介してリザーブタンク10に接続さ
れ、オーバーフローした冷却水はリザーブタンク10に
送られる。
【0004】ラジエータキャップ8としては、図7に示
されるものが一般に知られている。このラジエータキャ
ップ8は、ばね11により付勢された加圧弁12を有
し、注水口13に設けられた弁座14に圧接されてい
る。
【0005】このような内燃機関の冷却装置において
は、エンジン1の冷却水温度が上昇してくると冷却水が
体積膨張し、冷却系統内の圧力が上昇し、ラジエータ3
の加圧弁12の圧力が設定圧以上となると加圧弁12が
開き、エンジン1に形成されているウォータジャケット
の冷却水,蒸気等がオーバーフローパイプ9を介してリ
ザーブタンク10内または大気に放出される。
【0006】加圧弁12の圧力は高く設定すると冷却水
の沸騰点が上がり、ラジエータ水温と大気温度との温度
差が大きくなり、ラジエータ3の放熱量が増大するの
で、一般には 0.9乃至 1.1 Kg/cm2 位に設定されている
のが現状である。
【0007】しかるに、冷却装置図は低温状態で冷却水
が系統内に満杯となる構成とされているため、エンジン
水温が適温まで上昇した状態で系統圧は加圧弁12の設
定圧まで上昇し、常時不必要な高圧にさらされることと
なる。このように、系統内圧力が常時高圧状態であると
ウォータポンプ5,ガスケット部等から水漏れが発生す
るおそれがある。
【0008】これを解決したラジエータキャップとし
て、実開昭61−37423号後方に開示されたものが
ある。同公報に開示されたラジエータキャップは、図7
に示すラジエータキャップ8の加圧弁12に、第2の加
圧弁が設けられた構成とされている(以下、加圧弁12
に対応する弁を第1の加圧弁という)。そして、この第
2の加圧弁は、第1の加圧弁の開弁圧よりも低圧(第1
の設定開弁圧)で開弁し、更にこの開弁圧よりも高圧で
かつ第1の加圧弁の開弁圧(第2の設定開弁圧)より低
圧において第1の加圧弁に密着して閉弁する構成とされ
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】内燃機関の冷却装置
に、第1の加圧弁に上記のように動作する第2の加圧弁
を設けたラジエータキャップを設けることにより、冷却
系統の低圧動作が可能となり、冷却系統の漏れの制御,
耐久性の向上を図ることができる。
【0010】しかるに、上記構成とされたラジエータキ
ャップは、二つの加圧弁を設けることにより加圧弁が開
弁する開弁圧を2段階に変化するのみの構成である。ま
た、第2の加圧弁はラジエータ内圧力が第1の設定開弁
圧となるとラジエータ内温度に拘わらず開弁し、同様に
第1の加圧弁はラジエータ内圧力が第2の設定開弁圧と
なるとラジエータ内温度に拘わらず開弁する構成とされ
ている。
【0011】図8は上記の第1及び第2の加圧弁を有す
るラジエータキャップの開弁特性を示す図である。同図
において、横軸はラジエータ内圧力であり、縦軸はラジ
エータキャップの開弁度(第1及び第2の加圧弁を合わ
せた開弁度)を示している。同図に示されるように、ラ
ジエータ内圧力が第1の設定開弁圧P1になると、ラジ
エータキャップの開弁度はV1となる。また、ラジエー
タ内圧力が第2の設定開弁圧P2になると、ラジエータ
キャップの開弁度はV2となる。
【0012】このように、従来のラジエータキャップで
は、ラジエータ内温度に拘わらずラジエータ内圧力が加
圧弁を加圧するばねにより決定される所定の設定開弁圧
となるとラジエータキャップの各加圧弁は開弁する構成
とされていた。このため、例えば真夏時のようにラジエ
ータ内温度が上昇し易い環境下の走行や、エンジンが高
回転状態を長い間続ける環境下(例えば、長い登り坂
等)の走行を行いラジエータ内温度が上昇している場合
には、これに伴いラジエータ内の冷却水の膨張度も大き
くなっている。
【0013】このような場合においては、加圧弁の開弁
は急激に行われる。このようにラジエータキャップの加
圧弁の開弁が急激に行われると、ラジエータ内は高圧で
あるためラジエータ内の冷却水及び水蒸気は過度にオー
バーフローする現象が発生する。
【0014】また、加圧弁を加圧するばねの付勢力は、
加圧弁を閉弁する方向に働くが、このばねの付勢力(閉
弁力)はラジエータ内温度に拘わらず一定であるため、
ラジエータ内が高温で上記のように冷却水及び水蒸気が
激しく噴出する状態では閉弁の応答性が悪くなり、これ
によってもラジエータ内の冷却水及び水蒸気は過度にオ
ーバーフローしてしまう。
【0015】上記のように冷却水及び水蒸気が過度にオ
ーバーフローすると、ラジエータ内の冷却水の液量が減
少し、ラジエータ内の圧力は上記した所定の圧力値であ
る 0.9 Kg/cm2 未満の圧力となってしまう。このように
ラジエータ内圧力が所定の圧力より低下すると、これに
起因してウォータポンプ内でキャビテーションが発生
し、ウォータポンプに損傷が発生したり、また損傷部分
から腐食が発生し冷却装置の信頼性,耐久性が劣化して
しまうという問題点があった。
【0016】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、加圧弁をラジエータ内温度に対応させて滑らかに
開弁させることにより、冷却装置の信頼性,耐久性を向
上させうるラジエータキャップを提供するとを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、弾性部材により弾性付勢されており、
ラジエータ内圧力がこの弾性部材により設定される開弁
圧以上の圧力となるとラジエータ注水口を開弁する加圧
弁を備えたラジエータキャップにおいて、ラジエータ内
温度に対応して体積が変化する感温部材を設け、この感
温部材の体積変化により上記弾性部材を付勢することに
より、加圧弁の開弁圧を可変制御する構成としたことを
特徴とするものである。
【0018】
【作用】上記構成のラジエータキャップは、ラジエータ
内温度に対応して体積が変化する感温部材を設けると共
に、この感温部材の体積変化により上記弾性部材を付勢
して加圧弁の開弁圧を可変制御する構成としたことによ
り、弾性部材が加圧弁を弾性付勢する付勢力をラジエー
タ内温度に応じて変化させることができる。
【0019】よって、弾性部材の付勢力はラジエータ内
温度に応じて徐々に増大減少を行うこととなり、これに
伴い加圧弁の弁開度もラジエータ内温度に応じて連続的
に変化する特性を示す。
【0020】これにより、ラジエータ内温度が高い時に
はラジエータキャップの加圧弁は高い開弁圧を有するこ
ととなり、ラジエータ内圧力が高くなった時点で開弁す
る。また、ラジエータ内温度が低い時にはラジエータキ
ャップの加圧弁は低い開弁圧となり、ラジエータ内圧力
が低い時点で開弁する。このように、開弁圧がラジエー
タ内温度に対応して可変されることにより、ラジエータ
内の冷却水及び水蒸気がラジエータキャップより過度に
オーバーフローすることはなくなり、ラジエータ内圧力
が設定圧力より低下することを防止することができる。
【0021】
【実施例】次に本発明の実施例について図面と共に説明
する。
【0022】図1は本発明の第1実施例であるラジエー
タキャップ20の断面図である。このラジエータキャッ
プ20は、図6を用いて説明した冷却系のラジエータキ
ャップ8に代わりに組み込まれるものである。尚、以下
の説明において、図6に示した構成については同一符号
を付して説明する。
【0023】図1において、21はキャップであり、ラ
ジエータ3の注水口22に装着される。このキャップ2
1には円筒状部を有するリンク23が図に現れない支持
部材により固定されている。リンク23には吸水口24
が穿設されている。
【0024】リンク23の下部位置には、加圧弁25が
配設されている。この加圧弁25は、加圧プレート25
aと、その下側に張設されたゴム材25bとによりな
り、ラジエータ3の注水口22に圧接される構成とされ
ている。また、26はキャップ21側に取り付けられた
ガスケットであり、加圧弁25から水等が吹き出した時
に、これがラジエータ3上に漏れることを防止するため
に設けられている。
【0025】ガスケット26と加圧弁25との間には、
加圧弁用ばね27が介装されており、この加圧弁用ばね
27の弾性付勢力により加圧弁25は注水口22の弁座
22aに圧接される構成とされている。従って、加圧弁
25が開弁を行う開弁圧は、加圧弁用ばね27の弾性付
勢力により可変することができる。即ち、加圧弁用ばね
27の弾性付勢力が大きい場合には開弁圧も高くなり、
加圧弁25はラジエータ内圧力が加圧弁用ばね27の弾
性付勢力により決まる所定の高い値にならないと開弁し
ない。また、加圧弁用ばね27の弾性付勢力が小さい場
合には開弁圧も小さくなり、加圧弁25はラジエータ内
圧力が加圧弁用ばね27の弾性付勢力により決まる所定
の低い値となった時点で開弁する。
【0026】加圧弁用ばね27の加圧弁25側にはリテ
ーナ28が設けられており、このリテーナ28はリンク
23の外周を上下方向に摺動する構成とれさている。ま
た、加圧弁25の中央部には、ばね29により上方に付
勢された負圧弁30が設けられている。具体的には、負
圧弁30の中央位置には柱部30aが固定されており、
この柱部30aは加圧弁25の中央部に形成されたベン
ト31を貫通して上方に延出し、その上端部には鍔部が
形成されている。ばね29は、この鍔部と加圧弁25と
の間に配設されており、よって負圧弁30はばね29に
より上方に付勢される構成とされている。
【0027】上記の負圧弁30はラジエータ3内の圧力
が負圧になると開弁する構成とされており、この負圧弁
30が開弁するとリザーブタンク10から吸水口24を
通って吸入された水はベント31を通ってラジエータ3
側に吸入される。32はオーバーフローパイプであり、
リザーブタンク10に接続される。
【0028】また、上記したキャップ21の下部位置に
は、本発明の要部となる開弁圧可変機構35が配設され
ている。この開弁圧可変機構35は、大略すると容器3
6,感温部材37(図中、梨地で示す),押圧部材3
8,ゴムスプール39等により構成されている。
【0029】容器36は例えば有底筒状の形状を有し、
その開口部分はキャップ21の下部に固定されている。
この容器36の内部には、感温部材37としてサーモワ
ックスが装填されている。この感温部材37として用い
られるサーモワックスは、例えばサーモスタット弁6に
配設されるものと同様のものであり、熱により体積変化
を行う構成とされている。
【0030】具体的には、サーモワックスは常温では固
化した状態となっているが、温度が上昇するに従いサー
モワックスは液化し、その体積が増大する。この体積の
増大する割合は、印加される熱量に比例しており、従っ
て温度上昇に略比例してサーモワックスの体積は増大す
る。このサーモワックスとしては、例えばパラフィン系
のワックスの使用が考えられる。
【0031】また、押圧部材38は、前記した加圧弁用
ばね27の上端と対向するよう構成された板状部40
と、この板状部40の中央部に立設されたニードル部4
1と、このニードル部41の先端部に形成されたニード
ルストッパ42とを一体的に形成した構成とされてい
る。
【0032】板状部40は容器36の下部に位置してお
り、またニードルストッパ42はキャップ21の上部に
位置しており、更にニードル部41は容器36内を貫通
して設けられている。このため、容器36の底部の中央
部及びキャップ21にはニードル部41を貫通させるた
めの貫通孔が形成されている。
【0033】容器36に形成さたれ貫通孔はニードル部
41の下部に形成された大径部41cに対応した径寸法
とされており、またキャップ21に形成さたれ貫通孔は
ニードル部41の上部に形成された小径部41bに対応
した径寸法とされている。
【0034】更に、ニード部41の上記した小径部41
bと大径部41cとの間部分にはテーパ部41aが形成
されている。後述するように、このテーパ部41aを形
成することにより、押圧部材38は感温部材37の体積
変化に対応して上下動を行う構成とすることができる。
【0035】一方、ニードル部41が容器36内を貫通
する部位にはゴムスプール39が配設されている。この
ゴムスプール39は上記した容器36及びキャップ21
に夫々形成された貫通孔間に配設されており、ニードル
部41が容器36に装填された感温部材37に対して液
密状態を維持しつつ上下動しうる構成とされている。
【0036】更に、ニードルストッパ42の径寸法は、
キャップ21に形成された貫通孔の径寸法よりも大きく
設定されているため、押圧部材38はニードルストッパ
42がキャップ21と当接する位置を下動限とし、また
板状部40が容器36の底部と当接する位置を上動限と
して上下移動できる構成とされている。
【0037】続いて、上記構成とされたラジエータキャ
ップ20の動作について説明する。
【0038】先ず、ラジエータ3内の水温が十分には上
昇していない時(以下、低温時という)について説明す
る。ラジエータ3内の水温が十分には上昇していない状
態では、容器36に装填された感温部材37は固化した
状態を維持しており、従ってその体積は小さい状態とな
っている。
【0039】このように、感温部材37が固化しその体
積が小さい状態では、押圧部材38は板状部40が加圧
弁用ばね27により弾性付勢力されて動限位置に位置し
ている。従って、低温時においては、加圧弁25の開弁
圧は加圧弁用ばね27の弾性付勢力のみよって決定され
る圧力となる。
【0040】次に、低温時より温度が上昇した場合にお
けるラジエータキャップ20の動作について説明する。
【0041】ラジエータ3内の水温が上昇してくると、
この水温の上昇はラジエータキャップ20にも熱伝達さ
れ、ラジエータキャップ20自体の温度も上昇する。こ
れにより、ラジエータキャップ20に配設された容器3
6に装填された感温部材37にも熱が印加され、感温部
材37は印加された熱量に応じて体積を膨張させる。ま
た、感温部材37の体積が膨張することにより、容器3
6内の内圧もこれに対応して増大する。
【0042】このように増大する内圧は、容器36の内
壁及び容器36内に位置するニードル部41の表面に印
加される。容器36は剛体であるため内圧が印加されて
もその体積変化はない。一方、押圧部材38は上記のよ
うに上下動可能な構成とされているため、ニードル部4
1に内圧が印加されることにより押圧部材38は下方向
に移動付勢される。これについて図3を用いて説明す
る。
【0043】図3は、図1におけるニードル部41近傍
を拡大して示す図である。いま、上記のように感温部材
37の体積膨張により容器36内にはっせいする内圧力
(単位面積当たりの内圧)をFとすると、この内圧力F
はニードル部41の表面全体に印加される。しかるに、
小径部41b及び大径部41cは円筒形状を有するため
印加される内圧Fは相殺されて押圧部材38を下方に移
動付勢する力は発生しない。
【0044】しかるに、テーパ部41aは、小径部41
bから大径部41cに向けその径寸法が漸次増大するテ
ーパ面を有しているため、図3に示されるように、内圧
力Fは分力されて押圧部材38を下方に向け移動付勢す
る分力fが発生する。押圧部材38はこの分力fにより
下方向に向けて移動する。図2は、押圧部材38が下動
限まで移動した状態を示している。このように、下動限
まで押圧部材38が移動すると、ニードルストッパ42
がキャップ21と当接することによりその移動は規制さ
れる。
【0045】上記のように、押圧部材38が下動すると
により、板状部40は加圧弁用ばね27の上部と当接
し、これを下方に向け押圧付勢する。これにより、加圧
弁用ばね27には予圧F0 が発生する。上記した分力f
による押圧部材38の移動距離をx,加圧弁用ばね27
のバネ定数をkとすると、予圧F0 の値は
【0046】
【数1】と示すことができる。
【0047】従って、本実施例に係るラジエータキャッ
プ20では、ラジエータ内温度が上昇すると、感温部材
37の体積膨張により加圧弁用ばね27に予圧F0 を与
えることができる。また、加圧弁用ばね27に予圧F0
を与えることは、加圧弁25を加圧する弾性付勢力(こ
の弾性性力は開弁圧と等価である)が増大することを意
味する。従って、本実施例に係るラジエータキャップ2
0では、ラジエータ内温度が上昇することにより、開弁
圧が増大する構成となる。
【0048】また、感温部材37の体積膨張は急激に発
生するものではなく、温度の上昇に比例して漸次その体
積を膨張させる。従って、感温部材37の体積変化量を
V,温度変化をT,比例定数をa0 とすると、
【0049】
【数2】と示すことができる。更に、押圧部材38の移
動距離xは、感温部材37の体積変化量Vと比例するた
め、押圧部材38の移動距離xは、比例定数をa1 とす
ると、
【0050】
【数3】と示すこともできる。よって、上記した(1) 〜
(3)式をまとめると、
【0051】
【数4】となる。即ち、(4) 式より、予圧F0 の値は温
度変化量Tと比例した値となることが判る。
【0052】図4は、本実施例に係るラジエータキャッ
プ20の開弁圧特性を示している。同図において、横軸
はラジエータ内温度を示しており、縦軸はラジエータキ
ャップ20の開弁圧を示している。
【0053】同図において、ラジエータ内温度がt0
ある状態は上記した低温時であり、この時は感温部材3
7の体積膨張は発生していない。この時のラジエータキ
ャップ20の開弁圧がP0 で示す値であったとする。従
来の構成では、開弁圧はラジエータ内温度により変化す
ることはなく常に一定の値であった。
【0054】これに対し、本実施例に係るラジエータキ
ャップ20は、ラジエータ内温度が変化することにより
開弁圧可変機構35により加圧弁用ばね27に予圧F0
が印加され、よって開弁圧もラジエータ内温度に対応し
て変化する構成となっている。従って、図4に示される
ように、ラジエータキャップ20の開弁圧はラジエータ
内温度が上昇するに従って上昇する特性を示す。
【0055】このように、ラジエータキャップ20の開
弁圧をラジエータ内温度に対応して可変する構成とする
ことにより、例えばラジエータ内が高温で、加圧弁25
が開弁することにより冷却水及び水蒸気が激しく噴出す
るような状態では開弁圧が高くなる。即ち、例えば図4
においてラジエータ内温度がt1 の時を注目すると、従
来ではラジエータ内温度に拘わらずラジエータ内圧力が
0 となった時に加圧弁は開弁していたが、本実施例の
場合ではラジエータ内圧力がP3 となった時点で始めて
加圧弁25が開弁する。
【0056】上記したように、開弁圧が高くなることは
加圧弁用ばね27が加圧弁25を閉弁付勢する力が大き
くなることと等価であり、従って冷却水及び水蒸気が激
しく噴出するような状態下であってもラジエータ内圧力
が所定開弁圧以下となった状態で直ちに加圧弁25を閉
弁することが可能となる。即ち、加圧弁25の応答性を
向上させることができる。
【0057】これにより、ラジエータ3内の冷却水及び
水蒸気が過度のオーバーフローを行うことを防止でき、
よってラジエータ内の圧力が所定圧力値( 0.9 Kg/c
m2 )から低下してしまうことを防止できる。よつて、
ラジエータ内圧力は常に所定圧力値に維持されるため、
ウォータポンプのキャビテーションに起因した損傷を防
止でき、また損傷部分からの腐食発生を防止できるた
め、冷却装置の信頼性,耐久性を向上させることができ
る。
【0058】また、図4に示されるように開弁圧の変化
は急激なものではなく、ラジエータ内温度の変化に伴い
徐々に増大減少を行うため、加圧弁25が開弁する際も
加圧弁25が急激に開弁することを防止でき、これによ
ってもラジエータ3内の冷却水及び水蒸気がラジエータ
キャップより過度にオーバーフローすることを防止する
ことができる。
【0059】続いて、本発明の第2実施例について説明
する。図5は本発明の第2実施例に係るラジエータキャ
ップ45の断面図を示している。尚、同図に示すラジエ
ータキャップ45において、図1乃至図3を用いて説明
したラジエータキャップ20と同一構成については同一
符号を付してその説明を省略する。
【0060】前記した第1実施例に係るラジエータキャ
ップ20は、開弁圧可変機構35を容器36,感温部材
37,押圧部材38,ゴムスプール39等により構成し
た例を示した。これに対し、本実施例に係るラジエータ
キャップ45は、開弁圧可変機構46を感温部材37,
押圧部材47,弾性変形膜48及び容器49等により構
成したことを特徴とするものである。
【0061】押圧部材47は有底筒状形状を有し、加圧
弁用ばね27の上端と対向するよう構成された底部50
と筒状部51とを一体的に形成した構成とされている。
底部50は、上記のように加圧弁用ばね27の上端と対
向すると共に、後述する弾性変形膜48とも対向するよ
う配設されている。
【0062】また、弾性変形膜48は、キャップ21に
固定された筒状の容器49の下方開口部分に配設さてれ
いる。この弾性変形膜48は、例えばゴム材等により構
成されており、容器49内に装填される感温部材37の
体積変化に伴い弾性変形する構成とされている。具体的
には、ラジエータ内温度が上昇して感温部材37の体積
膨張が生じると、弾性変形膜48は下方に向け突出する
よう弾性変形し、押圧部材47を下方に向け押圧付勢す
る。また、ラジエータ内温度が低くなり感温部材37の
体積収縮が生じると、押圧部材47は加圧弁用ばね27
の弾性付勢力により上動移動する。
【0063】従って、本実施例とさたれラジエータキャ
ップ45においても、ラジエータ内温度の変化に伴う感
温部材37の体積変化により加圧弁用ばね27に予圧を
与えることが可能となり、開弁圧をラジエータ内温度に
応じて可変させることができる。これにより、本実施例
においてもラジエータ3内の冷却水及び水蒸気が過度の
オーバーフローを行うことを防止でき、ラジエータ内圧
力は常に所定圧力値に維持されるため、ウォータポンプ
のキャビテーションに起因した損傷を防止でき冷却装置
の信頼性,耐久性を向上させることができる。
【0064】尚、上記した実施例においては、感温部材
37としてサーモワックスを用いた例を示したが、感温
部材の材料はサーモワックスに限定されるものではな
く、温度変化により体積変化を行うものであれば、他の
材料を用いることも可能である。
【0065】また、上記した各実施例においては、感温
部材37を用いた開弁圧可変機構35,46により加圧
弁25の開弁圧を変化させる構成としたが、感温部材3
7を用いることなく、例えば加圧弁用ばね27を形状記
憶合金により構成し、温度変化に伴う形状記憶合金の伸
縮を利用して加圧弁用ばね27のばね特性を変化させ、
これにより温度変化に伴い開弁圧を変化させる構成とし
てもよい。
【0066】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、開弁圧がラ
ジエータ内温度に対応して可変されることにより、ラジ
エータ内の冷却水及び水蒸気がラジエータキャップより
過度にオーバーフローすることはなくなり、ラジエータ
内圧力が設定圧力より低下することを防止することがで
き、よってラジエータキャップが設けられる冷却装置の
信頼性,耐久性を向上させることができる等の特長を有
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であるラジエータキャップ
の断面図である。
【図2】第1実施例に係るラジエータキャップにおい
て、押圧部材が可動減まで移動した状態を示す図であ
る。
【図3】ニードル部に形成されたテーパ部近傍を拡大し
て示す図である。
【図4】本発明の第1実施例であるラジエータキャップ
の開弁圧特性を示す図である。
【図5】本発明の第2実施例であるラジエータキャップ
の断面図である。
【図6】一般に用いられている内燃機関の冷却装置の系
統図である。
【図7】従来のラジエータキャップの断面図である。
【図8】従来のラジエータキャップの弁開度特性を示す
図である。
【符号の説明】
3 ラジエータ 5 ウォータポンプ 20,45 ラジエータキャップ 21 キャップ 25 加圧弁 27 加圧弁用ばね 30 負圧弁 35,46 開弁圧可変機構 36 容器 37 感温部材 38,47 押圧部材 39 ゴムスプール 40 板状部 41 ニードル部 41a テーパ部 42 ニードルストッパ 48 弾性変形膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性部材により弾性付勢されており、ラ
    ジエータ内圧力が前記弾性部材により設定される開弁圧
    以上の圧力となるとラジエータ注水口を開弁する加圧弁
    を備えたラジエータキャップにおいて、 ラジエータ内温度に対応して体積が変化する感温部材を
    設け、 前記感温部材の体積変化により前記弾性部材を付勢する
    ことにより、前記加圧弁の前記開弁圧を可変制御する構
    成としてなることを特徴とするラジエータキャップ。
JP23571394A 1994-09-29 1994-09-29 ラジエータキャップ Pending JPH08100654A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19753597A1 (de) * 1997-12-03 1999-06-24 Heinrich Reutter Verschlußdeckel für Kraftfahrzeugkühler
US6729271B1 (en) 1999-05-22 2004-05-04 Heinrich Reutter Closure cap for a motor vehicle radiator
JP2009041557A (ja) * 2007-07-17 2009-02-26 Honda Motor Co Ltd 水冷式内燃機関の冷却装置
US10697718B2 (en) 2016-09-12 2020-06-30 Hyundai Motor Company Pressure cap for cooling system having variable opening pressure
CN113715607A (zh) * 2021-07-23 2021-11-30 东风汽车集团股份有限公司 一种除气室总成及具有其的车辆

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