JPH0798712B2 - 油かすの多段階醗酵法及び醗酵有機質肥料 - Google Patents

油かすの多段階醗酵法及び醗酵有機質肥料

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JPH0798712B2
JPH0798712B2 JP25828291A JP25828291A JPH0798712B2 JP H0798712 B2 JPH0798712 B2 JP H0798712B2 JP 25828291 A JP25828291 A JP 25828291A JP 25828291 A JP25828291 A JP 25828291A JP H0798712 B2 JPH0798712 B2 JP H0798712B2
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勉 村田
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    • Y02W30/40Bio-organic fraction processing; Production of fertilisers from the organic fraction of waste or refuse

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は農園芸特に家庭園芸にお
いて使用される油かすを主原料とした醗酵有機質肥料に
関する。
【0002】
【従来の技術】油かすが有効な有機質肥料であることは
古くから認められている所であり、特に30年程以前か
ら油かすを醗酵させて得られる醗酵油かすが、油かす特
有の不快臭が抑えられている点もあり、家庭園芸用肥料
として広く使用されるに至っている。しかしながらこの
物は、一応醗酵しているとはいえ、必ずしも完全に原料
油かすが醗酵分解しているものではなく製品中に20〜
30%の未醗酵部分が残存しているため、施肥した場合
には、この残存する未醗酵油かすの二次醗酵により不快
臭を放ち、これにより衛生害虫を誘引し、又肥料自体の
表面にカビを生じるなど、施設園芸及び家庭園芸用肥料
として使用する場合には多くの問題が残されており、室
内或いはベランダでの使用のみでなく、ビニルハウス内
での使用は敬遠されがちである。
【0003】一方、最近植物ホルモン研究が盛んにな
り、特に天然産の成長ホルモンに関する注目すべき研究
がいくつか発表されている。例えば、菜種油かすを十分
に醗酵、腐熟させた場合に、植物成長ホルモンがいちぢ
るしく増加することが明らかとなった。又、有機質肥料
を施すと土壌中で微生物の働きにより、根の発育を促す
ホルモンであるサイトカイニンが生成されると言う報告
もある。これ等の植物ホルモン類とは別に、ビタミン類
も植物成長にかかせないものであることが明らかとな
り、例えば、酵母菌が増殖した場合、その菌体中に豊富
に存在するビタミン類が植物成長の栄養源となっている
事実も明らかとなってきた。このように、植物栄養源と
して、古くから知られている、窒素、燐酸、加里の三要
素、並びにMg、Ca、Fe、Mn等の中・微量要素に
加えて、最近では植物ホルモン並びにビタミン類が植物
栄養源として重要であることが明らかとなってきてお
り、しかもこれ等の栄養源が油かすから微生物の働きに
より生産されることも明らかとなってきている。
【0004】このように、油かすが、新しい栄養源の素
材として見直されて来ているにも拘らず現在市販されて
いる醗酵油かすの製造においては、これらの新しい栄養
源についての考慮が全く払われていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、現在
市販されてる醗酵油かす肥料は、醗酵が十分行われてお
らず、製品中には20〜30%の未醗酵油かすが残存し
ている。この未醗酵油かすが施用後二次醗酵を起こし、
不快臭を放ち、衛生害虫を誘引しまたカビを生ずるなど
の原因となっている。発明者等は先ず醗酵を十分行わ
せ、製品中に未醗酵油かすが残存しないようにすること
を、解決すべき第一の課題とした。同時に十分醗酵させ
ることにより、最近の研究による植物ホルモン、ビタミ
ン類の活用を図った。尚、これらの醗酵分解が完全に進
むことにより生ずる可溶性あるいは揮発性物質が流亡、
逃散するのを防止することもこの場合重要な課題であ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】現在市販されている醗酵
油かす肥料の欠点は、製品中に残存する20〜30%の
未醗酵の油かすが施肥後、二次醗酵を起こす為であるこ
とは、広く知られているところである。しかしながら現
在採用している醗酵方法は自然醗酵によるものであり、
一部、醗酵菌を使用しているものもあるが、いずれにし
ても単純な醗酵方法によるものであり、このような単純
醗酵による限りでは、若干醗酵期間を延長し、あるいは
醗酵条件を変化させても、原料油かすの70〜80%を
醗酵させるのが限度であり、それ以上の醗酵は望まれな
い。即ち、現行の単純醗酵法には本質的に限界があるこ
とが明らかとなった。よって、発明者等は、醗酵の過程
を詳細に研究、解析した結果、醗酵の各段階において、
夫々の段階に応じた条件を与えることにより、原料油か
すを100%醗酵させることに成功し、しかも完全醗酵
の結果、原料油かす中に存在する植物栄養分は、従来か
ら知られている、窒素、燐酸、加里などのいわゆる肥料
成分として利用するのみでなく、最近の研究にもとずく
植物ホルモン類並びに醗酵菌体に存在するビタミン類を
も十分に活用することに成功した。本発明においては、
醗酵を次の三段階に分けて行う。
【0007】醗酵第1工程 油かすに、初期菌体増殖の栄養源として必要な糖源並び
に公知の副原料である魚粉、骨粉、米糠、草木灰等の有
機質原料を適量混合し、別途培養した糸状菌及びセルロ
ース分解菌を加え、水分40%になる如く、加水、攪は
ん後堆積し、品温60℃以下にておよそ14日間、醗酵
させる。品温が上昇した場合は切り返しにより品温を下
げると共に酸素の供給を行う。この第1段階に於いて
は、原料中に含まれるセルロース、繊維等を糸状菌、セ
ルロース分解菌によって醗酵分解し、糖化することを主
目的としている。糸状菌、セルロース分解菌の活発な増
殖の為に、初期栄養源として必要な糖源を加えておくこ
とは、この場合必須の要件である。本工程で十分に糸状
菌を繁殖させることにより、糸状菌が利用出来る栄養源
が消化され、施肥後の糸状菌の発生が抑制される。後述
の試験−1に示すように、本発明品と市販油かすとの間
には、施肥後の糸状菌の発生に格段の差があることは明
らかである。
【0008】醗酵第2工程 第2工程に於いては、糸状菌に替わり、以下に示すよう
な各種の培養菌を加え、蛋白質の醗酵分解を進めると同
時に、第1工程で生産された糖化物質を利用させる。こ
の際、吸着力の強い腐植を加え、蛋白並びに糖の分解に
より生成される、水溶性分解物を吸着保持させる。ここ
で使用する各種の培養菌とは次の如きものである。 (1)蛋白質分解能に優れている菌として、納豆菌、枯
草菌、放線菌。 (2)植物に有効な栄養物を生成する能力がある酵母、
乳酸菌、光合成細菌。先ず納豆菌、枯草菌、放線菌によ
り蛋白質が分解され、次いで酵母等により植物に有効な
栄養物(アミノ酸、フィチン酸、ビタミン類)及び植物
成長促進物質(ホルモン類)が生産される。 以上の醗酵分解に当たっては、水分は30%より多く5
0%より少なく、好ましくは40±5%程度に保つ。こ
の場合30%以下では菌の増殖が遅れ、50%以上では
通気が妨げられ腐敗菌等の嫌気性菌が繁殖し易い。温度
は30〜50℃とし、50℃を越える場合には切返しに
より温度を調節すると同時に原料水分もコントロールす
る。醗酵期間は大よそ20日間とする。
【0009】尚、第1工程においては、水溶性物質にま
で分解が進むことは無かったが、本工程では、分解が進
み、いずれも水溶性となり、成分流失の恐れがあるた
め、あらかじめ良質の腐植を加えておき、これ等の水溶
性分解物を吸着、保持することが必要である。市販化学
肥料に腐植を加えて製品としたものもあり、又醗酵を終
えた後、この醗酵生産物を最終製品である肥料とする際
に腐植を加えることも公知であり、その効果は広く知ら
れている所である。しかしながら、醗酵が進みつつある
段階に於いて、腐植を加えることは、従来全く見られな
かったところである。本発明者等は、種々研究の結果、
最終段階で加えた場合に比較し、醗酵段階で加えた場合
は、そこで生産される水溶性物質を、その場で吸着、保
持するため、最終段階で加える場合のように、単に機械
的、あるいは物理的混合による吸着と異なり、これらの
水溶性物質が遙かに強く腐植内に吸着、保持されるもの
であることを見出し、これを採用することとした。但し
全量の腐植をこの段階で加えた場合は、腐植過多によ
り、醗酵自体に影響を及ぼすので、ここでは適量を見出
し、適量を加えることが肝要である。いずれにしても、
腐植を分割投与することは、本発明の必須の要件であ
る。
【0010】醗酵第3工程 本工程は、醗酵を完結させる為の最終段階であり、又熟
成の段階でもある。この段階では、主原料である油かす
は100%醗酵分解される。醗酵分解物はいずれも水溶
性であり、ここで生成された植物栄養物(アミノ酸、フ
ィチン酸、ビタミン類)や成長促進物質(ホルモン類)
は腐植に取込まれ、保持される。この段階で特に注意す
べきは、蛋白分解物の一部がアンモニア態Nにまで分解
され、逃散する恐れがあることである。これを防止する
為、pH調整剤を添加しpHを5〜6の範囲にとどめる
ことが、必須の要件である。
【0011】本工程の最終段階では、原料中の栄養源は
利用し尽くされ、菌の増殖は停止する。かくして、生菌
数は減少し、死滅した菌体は植物栄養となる。醗酵の条
件としては、前工程の条件を維持するが、菌体の増殖が
減少期に入ると共に品温は徐々に低下する。温度が再上
昇する場合は菌体が利用出来る栄養物が残っているの
で、即ち未醗酵物が残っている証拠であるので、切返し
を行い、醗酵を完結させる。醗酵完結にはおよそ24日
間を要し、全工程では60日間を要することとなる。こ
れは市販油かす肥料の製造が一般に10日間程度で終了
しているのに比較しいちぢるしく長いが、これにより原
料油かすが完全に醗酵、分解され、原料中の各成分が、
夫々有効なかたちで、溶失、流亡、逃散することも無
く、腐植に吸着、保持され、100%有効に利用出来る
かたちとなる。本工程の最終段階で、ばっ気を行い、同
時に水分を30%前後に調整する。現行の単純醗酵法で
は分解が十分進んでいないので、ガスの発生も無く、ば
っ気の必要は全く無かった。しかしながら本発明の三段
階醗酵法によるときは、炭酸ガスや有臭ガス(メルカプ
タン、硫化水素)が発生し、醗酵生産物中に包含されて
いるのでばっ気や切返しにより、ガス抜きを行う必要が
ある。又、この工程により水分を30%前後に調整す
る。このことにより1〜3の醗酵工程によって生成され
た植物栄養物は完全に腐植に吸着され、保持され、この
結果、後日、土壌に施用した場合でも、簡単に流亡する
ことは無い。以上が本発明の油かす多段階醗酵方法であ
る。
【0012】醗酵有機質肥料の製造 上記の工程によって得られた醗酵生産物より本発明の醗
酵有機質肥料を製造するには、上記醗酵生産物に所要の
肥料成分並びに腐植を加え、乾燥して製品とするか、あ
るいは、公知の方法により造粒、乾燥して製品とする。
加える肥料成分の種類及び量は、対象植物により、例え
ば、東洋蘭、シダ類の如き肥料要求量の少ない植物や、
一般野菜、花き類の如き肥料要求量の多い植物により、
それぞれ適応したものとする。ここで加えられた腐植は
緩衝作用と保肥力により施肥後、植物の根を濃度障害か
ら守ることが出来る。
【0013】
【実施例】本発明の方法により、実際に本発明の醗酵有
機質肥料を製造した一例を以下に示す。 第1工程 主原料としての菜種油かす(60部)に、副原料として
の骨粉(25部)、魚粉(5部)、米糠(5部)、肉骨
粉(5部)をよく混合し、これに別途糸状菌及びセルロ
ース分解菌を培養した培養液10部と初期栄養(糖源)
としてのグルコース5%水溶液10部を加え、さらに水
分40%となるように加水し、攪拌後堆積する。この状
態で14日間第一次の醗酵をさせる。この間品温が60
℃以上になった場合には、切り返しをした。 第2工程 第1工程生産物85部に良質の草炭10部ならびに別の
夫々培養した枯草菌、放線菌、酵母、光合成細菌、及び
初期栄養源としての米ぬか合計5部を加え良く攪拌し、
引続き堆積し、30日間醗酵させた。この際水分は40
%前後に、温度は30〜50℃に保った。 第3工程 pH調整剤として過燐酸石灰5部を加え、pH6.5に
調整し、更に24日間醗酵をつづける。最後に切り返し
を行い、ガス抜きをし、水分を30%に調整した。 醗酵有機質肥料の製造 上記3工程によって得られた醗酵生産物63部に化学肥
料20部、草灰17部を添加、混合し、通常の方法によ
り造粒、乾燥し製品とした。
【0014】上記において製造した本発明肥料につい
て、以下の如く各種の評価試験を行った。 試験−1.カビ発生防止効果試験 (1)目的 施肥後の多湿条件下における糸状菌(カビ)の発生の有
無を本発明肥料と市販油かす肥料と比較した。 (2)試料 A区:本発明肥料 5粒 約8g B区:市販油かす肥料 5粒 約8g (3)試験方法 4号ポリポットへ土壌約300mlを充填し、十分に加
水し、この状態の表土に、各試料5粒(約8g)を、各
粒それぞれの下半分を土に埋めるような状態に置いた。
試料が十分に吸水するよう再度加水し、その後このポリ
ポットを45cm×30cm×20cmのプラスチック
容器内に収納し、容器内湿度を100%に保つよう容器
の上面をガラス板で覆い、保湿器に入れ6日間30℃前
後に保ち糸状菌の発生状況を観察した。 (4)結果及び考察 B区ではカビが発生し、肥料表面のみならず、肥料周辺
の土壌に迄及んだ。よってカビの発生した全面積を計測
し、ポット土壌表面積との比を求めた。
【表1】 A区では、肥料表面に放線菌が僅かに発生したのみで糸
状菌(カビ)の発生は全くみられなかった。一方B区で
は表土面積の68.2%迄が糸状菌に覆われた。以上の
結果から、本発明の肥料は施肥後糸状菌(カビ)の発生
がなく、家庭園芸での室内或はベランダでの使用が可能
となった。
【0015】試験−2.悪臭発生の有無試験 (1)目的 施肥後の悪臭発生の有無につき本発明肥料と市販油かす
肥料と比較した。 (2)試料 A区:本発明肥料 5粒 約8.6g B区:市販油かす肥料 5粒 約8.6g (3)試験方法 各試料を十分に吸水した土壌表面に一昼夜静置し吸水さ
せた後、300ml三角フラスコにとり、ゴム栓で密栓
し34日間置いた。この間所定の日毎に、ガスの一部を
抜きとり、濃度を測定した。測定はガステック社製のガ
ス濃度検知器を使用し、下記ガスにつき、夫々のガス検
知管により、夫々のガス濃度を測定した。 1)アミン類 2)酢酸イソブチル 3)エチルメルカプタン 但し、アミン類は(アミン類+アンモニア)濃度として
測定されるので、別にアンモニアのみの濃度を測定し、
之を差引きアミン類濃度とした。 (4)試験結果
【表2】 (5)考察 アミン類についてはA区では13日目、16日目、34
日目に少量検出されたが異臭は感じられなかった。B区
では34日目に至っても尚発生は続いていた。酢酸イソ
ブチル及びエチルメルカプタンについてはA区ではこの
検出器では全く検出されなかった。B区では多量に発生
し不快臭発生の主因となっていることが明らかである。
【0016】試験−3.腐植質の保肥能力試験 (1)目的 本発明の方法の醗酵第2段階において添加する腐植の効
果を明らかにする。 (2)試料 A区:本発明肥料 B区:醗酵第2段階において腐植を添加しない点を除
き、その他は本発明の方法と全く同じ方法により製造さ
れた肥料 (3)試験方法 各試料を計量後、濾紙を敷いたガラスロートに充填し、
蒸留水60mlを加え10分間静置したのち、排出し濾
過液を得、濾過液のE.C値(電気伝導度)を計測し
た。更に30分後及び15時間後に夫々50mlを加水
し、10分間静置し、排出し同様に濾過液のE.C値を
測定した。 (4)結果 濾過液のE.C値測定結果は次の如くであった。
【表3】 (5)考察 A区、本発明肥料では、濾過液のE.C値は徐々に下っ
てゆき、腐植による栄養成分の保持効果が顕著にみられ
た。一方B区においては、1回目の灌水でE.C値は高
い値を示し、2回目以降急激に低下したのは、最初の灌
水で栄養成分が大量に流出したためと思われる。本実験
の結果、醗酵第2段階で腐植を加えるのは、成分保持の
点から、極めて効果のあることが明らかとなった。本発
明の腐植の2段分割添加の考えは、本実験をはじめと
し、之に関連した数多くの試験研究の結果確立されたも
のである。
【0017】試験−4.無機化試験 (1)目的 窒素の肥効特性を知る。当該肥料中に含有される蛋白質
などの有機態窒素が土壌中で、無機化されて、植物に吸
収作用されるアンモニアや硝酸態窒素になる速度を知
る。これによって、速効性か緩効性なのかが判断でき、
実際の施肥上有効な情報となる。 (2)試料 A区:本発明肥料 B区:市販油かす肥料 (3)試験方法 50農蚕7007号『無機化試験法』による。乾土50
gに対し、窒素として25mgに相当する量の試料をビ
ーカーにとり、畑状態の水分に調整した後、30℃の恒
温器に入れ、保温静置(無機化処理)する。静置期間、
0日、4日、8日、15日、30日ごとに一部試料をと
り出し無機化率を測定する。 無機化率測定法 無機化処理した土壌を、10%塩化カリウム液で振とう
して無機化窒素を抽出する。抽出液は濾過したのち、蒸
留フラスコに移し、デバルタ合金1gと酸化マグネシウ
ム1gを加え、加熱蒸留する。流出したアンモニアをほ
う酸で受け、標準硫酸で滴定して、無機態窒素を定量
し、これより無機化率を算出する。 (4)結果
【表4】 (5)考察 本発明品では、4日目の無機化率は29.8%と無機化
は緩やかに進行している。その後8日目で38.1%、
15日目で48.5%、30日目経過後では74.7%
と速やかな分解状態を呈している。一方、市販油かす肥
料では、4日目の無機化率は41.6%と本発明品より
高い値を示し過剰施肥時には危険率が高く、本発明品の
溶出は緩やかで植物の生育に適性であることが示され
た。
【0018】試験−5.植生試験(1) (1)目的 プリムラポリアンサを使っての植生試験により、本発明
肥料の多段階醗酵による総合的効果を明らかにする。 (2)試料及び試験区 A区:本発明肥料 B区:市販油かす肥料 C区:無肥料 但しN,P,K成分は調整して同一量とした。 (3)試験方法 4号ポリポットに土壌0.51を充填し、プリムラポリ
アンサの苗を定植した。試験区は前記の如くA,B,C
3区とし各区3連(3ポット)とした。ポット当り施肥
量は次の通りである。
【表5】 栽培管理 (4)生育調査結果
【表6】 (5)考察 生育調査の結果、A,B両区は、N,P,Kいわゆる肥
料3要素については、同量であるにも係らず、A区はB
区に比較し葉枚数及び葉面積のいずれにおいても高い数
値を示した。特に注目すべきは、B区がC区に比較し葉
枚数が増加しているにも係らず、葉面積においては殆ど
変らないのに反し、A区では葉数が増加しているのは当
然のこととして葉面積が格段に大きくなっている点であ
る。之は本発明肥料が多段階醗酵法により、原料菜たね
油かす中にある有効成分を100%活用し、植物の栄養
源となる植物ホルモン類,ビタミン類を豊富に含有して
いることの証左である。
【0019】試験−6.植生試験(2) (1)目的 農作物に対して、化学分析等では予知し得ない、肥料に
よる植害を施肥量の異なった条件下で、障害に鋭敏な幼
植物を用いて試験する。供試作物は小松菜を用いる。 (2)試料及び試験区 A区:本発明肥料 B区:市販油かす肥料 (3)試験方法 59農蚕第1943号(昭和59年4月18日、農林省
農蚕園芸局長通達)に定める「幼植物試験法」に準ず
る。試験容器は、ノイバウェルポット(650ml)を
用い、1区2連制とする。施肥量はA,B両区共に鉢当
りTNとして125mgを標準量施用区とし、この2倍
量、3倍量、4倍量施用区を設けた。は種量は容器当り
20粒とし、は種は、種子が等間隔となるよう、ます目
状に行い、は種後風乾土壌で種子が隠れる程度に覆う。
試験期間は次の通りである。 平成3年2月28日 は種 3月 7日 発芽調査(は種後7日目) 3月26日 生育調査(は種後26日目) (4)試験結果 発芽調査:小松菜20粒をは種、は種後7日目の発芽数
及び発芽率を調査した。
【表7】 生育調査:は種後26日目の地上部重量を測定した。
【表8】 (5)考察 小松菜種子の発芽に及ぼす影響は、両肥料共に全ての区
において100%の発芽率を示しこの間に差はみられな
かった。小松菜幼植物の生育に及ぼす影響をポット当り
の地上部重量で比較すると、本発明肥料では2倍、3倍
と施用量を増すに従い生育は増進し、4倍量施用区にお
いて僅かに低下傾向を示した。之にひきかえ、市販油か
す肥料においては、3倍量区において既に生育低下傾向
を示した。更に絶対量で両肥料を比較してみると、その
差は顕著で、本発明肥料は市販油かす肥料に比べて1.
5〜2倍の地上部重量を示した。尚、本植害試験におい
て両肥料各区ともに小松菜の生育状態に、異常は観察さ
れなかった。
【0020】
【発明の効果】1.原料油かすを、完全に醗酵させるこ
とにより、カビの発生を防ぎ、不快臭の発生を完全に防
いだ。 2.完全醗酵により、原料油かす中に存在する各種の肥
料成分ならびに原料油かすに由来する植物ホルモン、ビ
タミン類を有効に利用することが出来た。 3.醗酵段階において腐植を添加したことにより、醗酵
分解の進行に伴い生ずる可溶性栄養分を吸着保持しその
流亡を防いだ。 4.pH調整剤の添加により、蛋白質分解物が最終段階
でアンモニア迄分解し、逃散するのを防いだ。 5.完全な醗酵により、増殖した菌体中のビタミン類を
有効に利用することが出来た。 6.以上を総合し、植生試験の結果、N,P,Kを同じ
くする市販油かす肥料と比較し、葉数、葉面積等におい
て格段の効果を示した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油かすに糖源並びにその他所要の副原料
    を加え、糸状菌及び又はセルロース分解菌により、水分
    30%より多く50%より少なく、60℃以下で醗酵分
    解させる第1工程と、第1工程で得られた醗酵生産物に
    腐植を加え、納豆菌、枯草菌、放線菌の群から選ばれた
    一種又は二種以上の菌及び酵母、乳酸菌、光合成細菌の
    群から選ばれた一種又は二種以上の菌により、水分30
    %より多く50%より少なく、50℃以下で主として蛋
    白質を分解する第2工程と、pH調整剤によりpHを5
    〜6に調整しながら醗酵させ、最後にばっ気して水分調
    整をする第3工程とからなる、油かすの多段階醗酵法。
  2. 【請求項2】 「請求項1」に記載した方法によりえら
    れた醗酵生産物に腐植並びに適宜の肥料成分を添加して
    公知の方法により製造される油かすを主原料とした醗酵
    有機質肥料。
JP25828291A 1991-07-04 1991-07-04 油かすの多段階醗酵法及び醗酵有機質肥料 Expired - Lifetime JPH0798712B2 (ja)

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