JPH07969Y2 - スライドフアスナ−用上止め具取付け装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、単位長さに切断したワイヤー（扁平な金属
線）をＵ字状に屈曲して上止め具を成形し、その上止め
具に手動によってファスナーストリンガーの側縁部を差
し込み、上止め具を加締めて取り付けるスライドファス
ナー用上止め具取付け装置に関する。

〔従来の技術〕

この種の取付け装置は、例えば米国特許公報第3415293
号（c1.140-93）によって開示されたものが知られてい
る。当該公報の装置は、第22図の如くダイ126の手前に
ワイヤー46を突入し、その後方より上あご140と下あご1
48をワイヤーに向かって前進し、第24図と第25図の如く
ワイヤーを切断し且つＵ字状に屈曲し、その屈曲した上
止め具を両あご間に挟持したまま更に前進することによ
り、前記ダイを側方へ後退せしめ、次いで第12図の如く
ファスナーストリンガーの側縁部を上止め具内に手動で
差し込み、その状態を保持して両あごを更に前進するこ
とにより、第15図の如くローラと上あごのカム面によっ
て上あごの先端部を下あごに向って押し付け、その押し
付け作動により上止め具を加締めて取付けるものであ
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記従来の装置によれば、第９図と第14図に上止め具の
取付け状態を示している如く、ファスナーストリンガー
を差し込んだ時の位置より、上止め具が更に前進しつつ
加締められるものであるから、作業者はファスナースト
リンガーが前進する上止め具と共に手前へ押し付けられ
ないように、逆にファスナーストリンガーを機械の方へ
向って押すように保持する必要がある。また、加締めた
直後に上下のあごが後退を始めるものであるが、上止め
具が加締められたその厚みが薄くなり一応は両あごより
抜けやすいことになるが、実際には理論的に反し作業者
が力を入れてファスナーストリンガーを両あごより引き
抜く必要があることから、操作上危険性が伴うと共に、
動きながら加締められしかも動きに対する抵抗力を与え
て保持するため、諸定位置よりずれて取り付けられた
り、上止め具の取り付け姿勢が狂ってしまうなど、甚だ
不安定であり取り付けに熟練と技術を要する欠点があっ
た。

本考案は、以上の問題点を解決することにあり、所望す
る位置に正常且つ確実に取り付けることが出来、しかも
作業を安全に行なうことが出来るスライドファスナー用
上止め具取付け装置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による解決手段は、上唇と下唇とを案内孔を保っ
て形成した嘴部の後方に、上止め具素材となるワイヤー
から上止め具を成形して嘴部内へ挿入するケーシング部
を設け、前記嘴部の下唇の突出長さを上唇より短くして
その先端と上唇の先端間の間隔内に、加締めパンチを嘴
部の上唇に向って上下動可能に臨ましてあり、前記ケー
シング部は、嘴部の後方に、上止め具素材となるワイヤ
ーを供給する空間部を備え、該空間部内へワイヤーの供
給方向と直交して突入退出するカーリングダイを設け、
上記空間部に臨みワイヤーをカーリングダイに押付ける
方向に可動するカッティングパンチとベンディングパン
チ及び該両パンチ間に挾まれたプランジャーを配設し、
該プランジャーが空間部より嘴部の案内孔内に突入可能
に形成してあることを特徴とする。

〔作用〕

従って、ケーシング部内でカッティングパンチ、ベンデ
ィングパンチ及びプランジャーを一緒に前進することに
よって、空間部内に突入するワイヤーをカッティングパ
ンチで切断し、その切断された上止め具素材をカッティ
ングパンチとベンディングパンチで送り、カーリングダ
イによってＵ字状に屈曲すると共に、その屈曲部がプラ
ンジャーで押し付けられ、更にカッティングパンチ、ベ
ンディングパンチ及びプランジャーを一緒に前進するこ
とにより、カーリングダイが空間部内より脱出され、Ｕ
字状に屈曲した上止め具が嘴部の案内孔内に挿入され
る。以後プランジャーのみを更に前進することにより、
上止め具を下唇の上面を乗り越えて加締めパンチにまで
移送する。この時プランジャーは上止め具に押していた
時の状態のまま当接しておき、そこで、上唇と加締めパ
ンチで挾持されている上止め具内にファスナーストリン
ガーを手動で差し込み、加締めパンチを上昇することに
よって、上止め具が加締められてファスナーストリンガ
ーに取り付けられるものである。

〔実施例〕

本考案を具体的に説明すると、第５図に機械化された実
施例を示しており、起立したフレーム１の中間部に横方
向に長いケーシング部３を突設し、フレーム１の上端部
にワイヤー26を巻いたリール２を軸支し、そのワイヤー
26をケーシング部３の先端部へ供給するフィーダ４を上
下に揺動可能に備え、更にケーシング部３の先端部に嘴
部７を設けたものである。

更に前記ケーシング部３内にはその長手方向に空洞部５
を有し、該空洞部５の先端部に前記ワイヤー26を突入す
る空間部６を連続して設け、空間部６より先頭部に連続
して前記嘴部７を固着し、嘴部７に加締めパンチ８を付
設しているものである。

前記空洞部５内には第１図に示す如く、その上側にカッ
ティングパンチ９を、下側にベンディングパンチ10を、
また両パンチ9,10間にプランジャー11を挟んだ状態で嵌
装し、両パンチ9,10の先端は互いに揃えてあるが、プラ
ンジャー11は両パンチ9,10の先端より後退した状態を保
つもので、第５図図示の如く組み合わした一対のシリン
ダー12,13で両パンチ9,10及びプランジャー11を嘴部７
側へ向って前進し、更にプランジャー11のみ前進して嘴
部７内に突入できるように形成してある。尚、両パンチ
9,10とプランジャー11の駆動は、前記作動条件で駆動す
る適宜の機構を使用すれば良い。またベンディングパン
チ10の先端には嘴部７の後端面に当接するストッパー14
とカーリングダイ17を後方に下げるための斜面が形成し
てある。

前記空洞部６には第１図図示の如く、その上方にカッテ
ィングパンチ９と接触するカッティングダイ15が固着し
てあり、またケーシング部３の側方より空間部６内にス
プリング（図示せず）の付勢力で突入する可動板16を備
え、可動板16の先端にカーリングダイ17をプランジャー
11と相対向して突設してあると共に、可動板16の下端に
おけるベンディングパンチ10側の角部に、隅角を面取り
した状態の傾斜カム面18を有するもので、ベンディング
パンチ10にその前進の途中でカム面18に当接し、可動板
16を空間部６内より押し出す前述した斜面（図示せず）
を有する。更に、カッティングダイ15にはその上面より
空間部６へ通じる透孔19を、カーリングダイ17が突入す
る位置よりやや後方位置に向って穿設してあって、この
透孔19にワイヤー26を差し込み、所要分を空間部６内へ
供給されるものである。

前記嘴部７は第１図図示の如く、上唇20と下唇21間にプ
ランジャー11が挿入し得る案内孔22を備え、しかも下唇
21は先端部側を上唇20より短く形成し、その短くした部
分に加締めパンチ８を臨ましてある。従って、嘴部７の
先端部は上唇20と加締めパンチ８で構成されるものであ
る。

加締めパンチ８は、第１図図示の如く、下唇21にピン23
で前後方向に揺動自在に枢支したレバー24の上端に一体
に設けたもので、該レバー24の下端部に前記とは別のシ
リンダー25のピストンロッド29を連結したものである。

尚、図中27はワイヤー26で成形された上止め具、28はフ
ァスナーストリンガーを示している。

上記取付け装置で上止め具27をファスナーストリンガー
28に取り付けるには、第１図図示の如く、ワイヤー26を
空間部６内へ上止め具27を成形するのに必要な所要長さ
分供給した後に、第２図図示の如く、両パンチ9,10とプ
ランジャー11とを互いに同速で前進し、カッティングパ
ンチ９でワイヤー26を切断し、その直後に両パンチ9,10
とプランジャー11及びカーリングダイ17によって切断し
たワイヤー26をＵ字状に屈曲する。屈曲して成形した上
止め具27は両パンチ9,10とプランジャー11間で形成して
いる内空部に挾み込まれており、更に挾んだままで前進
するとカーリングダイ17が空間部６内より押し出され、
第３図図示の如くストッパー14で両パンチ9,10が嘴部７
の後面において停止されるが、プランジャー11のみ更に
前進して上止め具27を嘴部７の案内孔22に挿入され、上
止め具27が嘴部７の上唇20と加締めパンチ８で挟持した
時点でプランジャー11の前進を停止する。そこで、手動
によってファスナーストリンガー28の側縁を挟持してい
る上止め具27内に差し込み、その状態を保持しながらレ
バー24を駆動することにより、上止め具27が加締められ
ファスナーストリンガー28に取り付けられる。以後、レ
バー24を復動し、プランジャー11及び両パンチ9,10を後
退して次期の取り付け作動する態勢に戻るものである。

〔考案の効果〕

本考案によるスライドファスナー用上止め具取付け装置
によれば、ケーシング部に供給したワイヤーの先端部を
切断し且つＵ字状に屈曲して形成された上止め具を、プ
ランジャーによって嘴部の先端口部へ誘導し、その嘴部
の先端口部に加締めパンチを臨まして設けたもので、嘴
部の先端口部に挟持された上止め具は加締めパンチで挾
まれており、しかも加締めパンチは嘴部の上唇に向って
可動可能に設けたものであるから、上止め具を当初に設
置された位置で加締められたことになり、ファスナース
トリンガーに押圧力が加えられずに静止したままで加締
めて取り付けられるものである。従って作業を安全に行
なうことが出来、また所定位置に正常にかつ確実に取り
付けられるものである。

更に、嘴部の下唇が短く、その短くした部分に加締めパ
ンチを上唇の先端部に対向するように設けたものである
から、上下唇間に設けた案内孔の間隔が変化しないもの
であり、このことからプランジャーを下唇の先端にまで
差し込むことができ、上止め具を加締めパンチ上にまで
確実に移送することができ、しかも加締め中もプランジ
ャーを退避する必要がないことから、加締め中の上止め
具の屈曲部を支えておくことができ、加締め時に上止め
具が後退するようにずれることがなく、上止め具を正確
に取り付けることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案によるスライドファスナー用上止め具取付
け装置を示し、第１図は要部の構造を示す断面図、第２
図乃至第４図は取付ける作動順序を示す各断面図、第５
図は機械化された実施例を示す側面図である。 ３……ケーシング部、６……空間部、７……嘴部、８…
…加締めパンチ、９……カッティングパンチ、10……ベ
ンディングパンチ、11……プランジャー、15……カッテ
ィングダイ、17……カーリングダイ、20……上唇、21…
…下唇、22……案内孔、26……ワイヤー、27……上止め
具、28……ファスナーストリンガー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上唇20と下唇21とを案内孔22を保って形成
   した嘴部７の後方に、上止め具素材となるワイヤー26か
   ら上止め具を成形して嘴部７内へ挿入するケーシング部
   ３を設け、前記嘴部７の下唇21の突出長さを上唇20より
   短くしてその先端と上唇20の先端間の間隔内に、加締め
   パンチ８を嘴部７の上唇20に向って上下動可能に臨まし
   てあり、前記ケーシング部３は、嘴部７の後方に、上止
   め具素材となるワイヤー26を供給する空間部６を備え、
   該空間部６内へワイヤー26の供給方向と直交して突入退
   出するカーリングダイ17を設け、上記空間部６に臨みワ
   イヤー26をカーリングダイ17に押付ける方向に可動する
   カッティングパンチ９とベンディングパンチ10及び該両
   パンチ9,10間に挾まれたプランジャー11を配設し、該プ
   ランジャー11が空間部６より嘴部７の案内孔22内に突入
   可能に形成してあることを特徴とするスライドファスナ
   ー用上止め具取付け装置。