JPH0796510A - 水硬性組成物の押出成形体の製造方法 - Google Patents

水硬性組成物の押出成形体の製造方法

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JPH0796510A
JPH0796510A JP24346193A JP24346193A JPH0796510A JP H0796510 A JPH0796510 A JP H0796510A JP 24346193 A JP24346193 A JP 24346193A JP 24346193 A JP24346193 A JP 24346193A JP H0796510 A JPH0796510 A JP H0796510A
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emulsion
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water
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asbestos
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Hajime Kimura
元 木村
貴 ▲高▼田
Takashi Takada
Mitsunobu Otani
光伸 大谷
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Toray Industries Inc
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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    • C04B2111/00034Physico-chemical characteristics of the mixtures
    • C04B2111/00129Extrudable mixtures

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無石綿の補強材が含まれている水硬性組成物
の押出成形体であって、保型性と表面平滑性が優れ、高
強度・高靱性である押出成形体を円滑に押出成形する方
法を提供する。 【構成】 この製造方法においては、無石綿の補強材が
含有されている水硬性組成物を押出成形する際に、前記
水硬性組成物に、表面張力差が20dyne/cm 以上である
2種類の液体を混合してなる海島型構造をなし、かつ、
島成分の液体には当該液体に可溶性の高分子物質が含有
されているエマルジョンを添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水硬性組成物の押出成形
体の製造方法に関し、さらに詳しくは、建築用の壁材、
屋根材、床材などや、土木用のパイプ、パネル、トラフ
などを製造するときに適用して有用な水硬性組成物の押
出成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セメントや石膏などの水硬性無機物の補
強材としては、従来、石綿が多用されていた。しかしな
がら、最近では、石綿公害が問題になっているため、こ
の石綿に代えて、たとえば、ガラス繊維、炭素繊維、ロ
ックウールなどの無機繊維;ポリアクリルニトリル系、
ポリオレフィン系、ポリビニルアルコール系などの有機
合成繊維;麻、木材、竹パルプなどの有機天然繊維;雲
母、滑石、緑泥石、炭酸カルシウム、カオリン、クレ
ー、ワラストナイトなどの粉末を補強材として実用化す
るための検討が進められている。
【0003】しかしながら、上記したような補強材は、
いずれも石綿に比べて大径であり、しかも保水性や親水
性が小さいので、これらの補強材を配合した水硬性組成
物を押出成形するときは、円滑な押出成形が実現しにく
いという問題がある。このような問題は、水硬性組成物
に、さらにメチルセルロースのようなセルロース誘導体
を多量に添加すれば、ある程度解決することができる。
【0004】しかしながら、セルロース誘導体を多量に
添加すると、押出成形の過程における水硬性や、押出成
形体の性能に悪影響をもたらすだけではなく、セルロー
ス誘導体は高価であるため、得られた製品の製造コスト
を大幅に引き上げるという問題が発生する。このような
問題を解決するために、たとえば、特開昭57−209
866号公報には、メチルセルロースとポリアクリルア
ミドとをセメント質材料に添加混合して押出成形体を製
造する方法が開示されている。また、特開平4−144
949号公報には、水溶性または水分散性のセルロース
誘導体と同じく水溶性または水分散性のアクリル系ポリ
マーとからなる無石綿系セメント押出成形用混和剤が提
案されている。
【0005】しかしながら、これらの先行技術では、い
ずれも、アクリル系ポリマーを水に溶解して用いてい
る。そのため、これらアクリル系ポリマーの水への溶解
過程では均一溶解が実現しづらく、いわゆる“ママコ”
などが発生して得られた液体は不均一になりやすい。し
かも、用いるアクリル系ポリマーが高分子量のものであ
る場合、水への溶解は非常に困難である。
【0006】また、得られた液体の粘度は高いので、セ
メントのような水硬性組成物に添加したとき、その各成
分間に充分滲透しないため、各成分間の結合力を充分に
高めることができず、その結果、得られた押出成形体の
保型性は悪くなり、また表面平滑性も悪くなるという問
題がある。さらに、特開昭54−162721号公報に
は、ポリアクリル酸エステルなどのエマルジョンを用い
てセメント組成物の押出成形体を製造する方法が開示さ
れている。
【0007】しかしながら、この方法においては、ポリ
アクリル酸エステルのエマルジョン化に際して、増粘剤
としてカルボキシメチルセルロース(CMC)やヒドロ
キシエチルセルロース(HEC)を用いているため、上
記ポリマーの相互作用により、得られたエマルジョンが
凝集を起こしやすく不均一になる。そして得られたエマ
ルジョンの粘度は高く、水硬性組成物の各成分間への滲
透性も悪いということと相俟って、得られる押出成形体
の保型性、表面平滑性、さらには機械的強度を改善する
という効果はほとんど期待できない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、無石
綿の補強材が含有されている水硬性組成物を押出成形す
るときの上記した問題を解決し、無石綿の水硬性組成物
を円滑に押出成形することができ、高強度・高靱性で、
保型性と表面平滑性も優れている、水硬性組成物の押出
成形体の製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、無石綿の補強材が含有され
ている水硬性組成物を押出成形する際に、前記水硬性組
成物に、表面張力差が20dyne/cm 以上である2種類の
液体を混合してなる海島型構造をなし、かつ、島成分の
液体には当該液体に可溶性の高分子物質が含有されてい
るエマルジョンを添加することを特徴とする、水硬性組
成物の押出成形体の製造方法が提供される。
【0010】まず、本発明における水硬性組成物とは、
水硬性無機物である石灰質原料とケイ酸質原料とを主原
料とし、これに、石綿に代わる補強剤や、各種の混和剤
が配合されているものである。主原料の一方を構成する
石灰質原料としては、たとえば、ポルトランドセメン
ト、アルミナセメントのような単味セメント;高炉セメ
ントのような混合セメント;膨張セメントのような特殊
セメント;をあげることができる。
【0011】また他方のケイ酸質原料としては、たとえ
ば、ケイ砂、ケイ石粉のような結晶性シリカ;フライア
ッシュ、シリカヒューム、高炉スラグ、けいそう土のよ
うな非結晶性シリカ;をあげることができる。主原料を
調製するときの石灰質原料とケイ酸質原料との混合割合
はとくに限定されるものではないが、通常、後者1重量
部に対し、前者を約0.5〜約1.2倍量の範囲で混合され
る。
【0012】石綿に代わる補強材としては、たとえば、
ガラス繊維、炭素繊維、ロックウールなどの無機繊維;
ポリアクリルニトリル系、ポリオレフィン系、ポリビニ
ルアルコール系などの有機合成繊維;麻、木材、竹パル
プなどの有機天然繊維;ワラストナイト、チタン酸カリ
ウム、エデナイトなどの繊維状粉末;をあげることがで
きる。
【0013】これらの補強材のうち、ワラストナイトは
好ましい補強材である。ワラストナイトを補強材として
用いる場合は、前記した主原料100重量部に対し、1
〜30重量部、目的によっては、5〜20重量部含有さ
せることが好ましい。また、主原料に配合する混和剤と
しては、たとえば、押出成形時における水硬性組成物の
流動性(成形性)を向上させる、滑石(タルク)、雲母
(マイカ)、緑泥石などの滑材;押出成形時の保水性を
向上させる、セピオライト、ベントナイト、ゼオライト
などの無機鉱物、アクリル系重合体やデンプン系のよう
な高吸水性樹脂;押出成形体を軽量にする、パーライ
ト、シラスバルーン、ガラスバルーン、合成樹脂の発泡
ビーズ;をあげることができる。
【0014】本発明方法においては、上記した水硬性組
成物を押出成形するときに、さらに、後述するエマルジ
ョンが必須成分として添加される。なお、このときに、
同時に、前記水硬性組成物に保水性を付与し、また各成
分間の結合力を高めることを目的として、セルロース誘
導体を粘結剤として添加することが好ましい。
【0015】このようなセルロース誘導体としては、た
とえば、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルエチルメチルセルロースなどをあげることがで
きる。これらは、それぞれ、単独で用いてもよいし、ま
た2種以上を混合して用いてもよい。このセルロース誘
導体の添加量は、水硬性組成物の前記した主原料100
重量部に対し、0.3〜3重量部であることが好ましい。
とくに好ましくは、主原料100重量部に対し、0.5〜
1重量部に設定される。
【0016】この添加量が少なすぎると、水硬性組成物
に充分な保水性を付与することができない場合があり、
また逆に多すぎると、水硬性組成物の硬化に悪影響を与
えたり、製造コストの上昇を引き起こす傾向が増すから
である。本発明方法で用いるエマルジョンは、下記の性
状で特徴づけられるものである。
【0017】まず、このエマルジョンは、表面張力差が
20dyne/cm 以上である2種類の液体を混合してなり、
全体として海島型構造をなしている。表面張力差が20
dyne/cm 以上の2種類の液体は、本来、非相溶性であ
る。しかし、ここに、さらに、脂肪酸塩類、高級アルコ
ール硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩
類、脂肪族アミン塩類、第四アンモニウム塩類、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン
アルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類の
ような公知の界面活性剤を共存させるとミセル粒子を形
成して安定化して海島型構造を有するエマルジョンにな
る。
【0018】このとき、2種類の液体の混合割合を変え
たり、または界面活性剤の種類を適宜に選択することに
より、形成されるエマルジョンを、油中水型(W/O
型)エマルジョンまたは水中油型(O/W型)エマルジ
ョンにすることができる。本発明においては、両方のエ
マルジョンを用いることができるが、水硬性組成物の各
成分間の結合力を高め、得られる押出成形体の保型性を
高めるということからすると、W/O型エマルジョンを
用いることが好ましい。
【0019】用いるエマルジョンがW/O型である場
合、その海島型構造における島成分は水であり、海成分
は、たとえば、パラフィン、ベンゼンやトルエン、鉱
油、灯油のような不活性な疎水性有機溶媒である。また
用いるエマルジョンがO/W型である場合は、島成分、
海成分は上記と逆になる。用いるエマルジョンにおいて
は、島成分を構成する液体に、その液体に可溶性の高分
子物質が取り込まれている。
【0020】たとえば、W/O型エマルジョンの場合、
島成分である水に水溶性の高分子物質が微細粒子の形で
取り込まれている。その場合、水溶性高分子物質の分子
量は、高分子量であればあるほど、水硬性組成物の各成
分間の結合力を高め、押出成形体の保型性や表面平滑性
を向上させるので好適であり、通常、重量平均分子量で
100万以上のものが用いられる。好ましくは、300
万以上、さらに好ましくは、500万〜1500万のも
のである。
【0021】このような水溶性高分子物質としては、た
とえば、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル
酸ソーダ、メタクリル酸ソーダのような水溶性単量体の
1種または2種以上の混合物を重合してなるものを好適
なものとしてあげることができる。また、上記した水溶
性単量体とともに、他の水溶性単量体、たとえば、マレ
イン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸塩、ジメチルア
ミノメタクリレートなどを少量併用してもよい。
【0022】その場合、微細粒子として島成分(水)に
取り込まれている水溶性高分子物質の粒径は平均粒径で
5μm以下であることが好ましい。好ましくは2μm以
下、さらに好ましくは0.1〜1μmである。この粒径が
5μmより大きくなると、水硬性組成物に添加したとき
に、主原料、補強材、混和剤などの各成分間の間隙にエ
マルジョンが充分に滲透できず、その結果、各成分間の
結合力が充分に高くならず、また押出成形体の保型性が
低くなりやすいからである。
【0023】本発明で用いるエマルジョンは、つぎのよ
うに挙動する。それをW/O型エマルジョンの場合につ
いて説明する。このW/O型エマルジョンを、たとえば
水で希釈すると、島成分に取り込まれていたときは溶解
度の関係で実質的に島成分(水)に不溶または膨潤した
状態にあった水溶性の高分子物質が、大量の水相と接触
することにより溶解する。その結果、このW/O型エマ
ルジョンはO/W型エマルジョンに転相する。そして、
その転相エマルジョン、すなわち、水溶性の高分子物質
は、水硬性組成物を構成する各種の補強材や混和剤の間
隙にまで滲透し、各成分間の結合力を高め、もって円滑
な押出成形を可能にすることによって、押出成形体の保
型性や表面平滑性、さらには機械的強度の向上効果が発
揮される。
【0024】このとき、エマルジョンを構成する2種類
の液体間の表面張力差が20dyne/cm より小さいと、エ
マルジョンの安定性が悪く、また上記したエマルジョン
の相転移が迅速に起こらなくなり、そのため、水溶性高
分子物質の溶解が起こりにくくなって上記した効果は減
殺されてしまう。したがって、2種類の液体間における
表面張力差は、20dyne/cm 以上であることが必要にな
る。好ましくは、30dyne/cm 以上、さらに好ましくは
40dyne/cm 以上である。
【0025】このようなW/O型エマルジョンは、つぎ
のようにして調製することができる。すなわち、不活性
な疎水性の有機溶媒に、前記したような水溶性単量体の
水溶液を、界面活性剤の存在下で分散させ、油溶性ラジ
カル開始剤を用いて水溶性単量体の重合反応を進めるこ
とによって得ることができる。
【0026】このときに用いる疎水性有機溶媒として
は、たとえば、脂肪族炭素水素、芳香族炭化水素、各種
の植物油や動物油をあげることができる。具体的には、
前記したような、パラフィン、ベンゼンやトルエン、鉱
油、灯油、などをあげることができる。用いる界面活性
剤としては、安定なW/O型エマルジョンを形成するこ
とができ、かつそのエマルジョンが水に接触すると、そ
のエマルジョンをO/W型エマルジョンに転相しやすく
するものであればよく、格別限定されるものではない。
たとえば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレン誘導体、ポリエステル−ポリオキシ
エチレン縮合物などをあげることができる。
【0027】また、上記した重合反応に用いる油溶性ラ
ジカル開始剤としては、たとえば、アゾイソブチロニト
リルのようなアゾ系化合物や、ベンゾイルパーオキサイ
ドのような有機過酸化物をあげることができる。このよ
うにして合成されたW/O型エマルジョンの添加量は、
島成分(水)に取り込まれている上記水溶性高分子物質
の量が、水硬性組成物の前記した主原料100重量部に
対し、0.05〜2重量部であることが好ましい。とくに
好ましくは、主原料100重量部に対し0.1〜0.5重量
部である。
【0028】この添加量が少なすぎると、前記したW/
O型からO/W型への転相が少なくなり、押出成形体の
良好な保型性と表面平滑性が実現しずらくなり、また逆
に多すぎると、押出成形時の成形圧が高くなって安定し
た押出成形を行いずらくなるからである。本発明方法に
おいては、まず、石灰質原料およびケイ酸質原料からな
る主原料と、石綿に代わる補強材と、前記した各種の混
和剤と、さらに必要に応じて水溶性のセルロース誘導体
の粉末とを、たとえばアイリッヒミキサーで混合して混
合物とし、ここに適量の水を添加して全体を撹拌する。
水の添加量は、上記混合物100重量部に対し、通常、
20〜30重量部に設定される。
【0029】この場合、前記したエマルジョンは、その
所定量を上記した水に分散させた状態で添加することが
好ましい。このとき、水溶性高分子物質が水に溶解し
て、転相の結果得られたO/W型エマルジョンの粘度が
著しく上昇して、そのエマルジョンを水硬性組成物に均
一に混合することが困難になることがある。
【0030】そのような場合には、用いるW/O型エマ
ルジョンの一部を、主原料のアルカリで増粘するエマル
ジョン、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸などのような不飽和カルボン酸と、メタクリル酸エ
ステル、マレイン酸エステルなどのビニル系モノマーと
の共重合体のようなアルカリ増粘性のエマルジョンで置
換することが好ましい。
【0031】このような処置を施すと、エマルジョンの
水硬性組成物への混合が容易になり、しかも押出成形体
は、その保型性と表面平滑性が向上すると同時に、高強
度・高靱性になるからである。なお、水硬性組成物に上
記エマルジョンを添加した場合、島成分に取り込まれて
いる高分子物質が水で希釈されて溶解を開始すると同時
に、形成されたO/W型エマルジョンが水硬性組成物の
各成分の間の間隙に滲透していくことが好ましい。この
エマルジョンを水で希釈したのち、あまり長時間放置し
ておくと、高分子物質の溶解が定常状態に達して転相エ
マルジョンの粘度は過度に上昇して水硬性組成物の各成
分の間の間隙への滲透性が低下するからである。
【0032】したがって、水で希釈後1時間以内のでき
るだけ早い時期、または希釈後ただちに水硬性組成物に
添加することが好ましい。このようにして調製された水
硬性組成物は、つぎに、たとえば真空押出機によって押
出成形する。そして、得られた押出成形体を養生して水
和硬化させる。このとき、押出成形体は、押出機のダイ
スを所望するダイスに変えることにより、板状物、柱状
物、筒状物など任意の形状にすることができる。また、
養生方法としては、押出成形体の種類に応じて、自然養
生、蒸気養生、オートクレーブ養生、またはそれらを適
当に組み合わせた方法を採用することができる。
【0033】
【発明の実施例】
実施例1 平均粒径20μmのポルトランドセメント65重量部と
平均粒径10μmのケイ石微粉35重量部とからなる主
原料100重量部と、平均粒径20μmのワラストナイ
ト7.5重量部、平均粒径5μmのタルク7.5重量部、パ
ルプ1.8重量部、繊維長6mmのポリプロピレン繊維0.4
重量部、およびメトローズ90SH30000(商品
名、信越化学工業(株)製のヒドロキシプロピルメチル
セルロース粉末)1重量部をアイリッヒミキサー(日本
アイリッヒ(株)製の型式RV−02)で充分に混合し
た。
【0034】つぎに、表面張力差が47dyne/cm の2種
類の液体からなり、W/O型エマルジョンを形成し、島
成分内に、ポリアクリルアミド(重量平均分子量約50
0万)の微細粒子(平均粒径2μm)が含まれているエ
マルジョンを、固形分が0.1重量部、水分が28重量部
となるように希釈し、撹拌したのち、ただちに上記混合
粉末に添加して全体をニーダで充分に混練した。
【0035】この押出成形体を長さ500mmに切断して
試料とし、スパン長240mmのエッジ上に静置し、試料
の中央部におけるたわみ量を測定し保型性を評価した。
たわみ量は1.6mmであった。また、押出成形体の表面
に、亀裂は全く認められず、表面平滑性は良好であっ
た。押出成形体を一昼夜自然養生したのち、70℃のス
チーム中で4時間の前養生を行い、ついでオートクレー
ブにいれて180℃のスチーム中で5.5時間の養生を行
った。
【0036】養生後の成形体の嵩密度は1.90g/cm3
気乾状態下における曲げ強度(スパン長、100mm)と
シャルピー衝撃値は、それぞれ395kg/cm2、3.1kg−
cm/cm2 であった。 比較例 用いたエマルジョンが、表面張力差が15dyne/cm の2
種類の液体からなるものであったことを除いては、実施
例1と同様にして押出成形体を製造した。
【0037】得られた成形体のたわみ量は3.4mmであ
り、表面に亀裂が少し認められた。表面平滑性は実施例
1の場合に比べて劣っていた。この成形体につき、実施
例1と同様の養生を行った。養生後の成形体の嵩密度は
1.91g/cm3 、気乾状態下における曲げ強度(スパン
長、100mm)とシャルピー衝撃値は、それぞれ330
kg/cm2、2.6kg−cm/cm2 であった。
【0038】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明方
法によれば、無石綿の補強材を含む水硬性組成物を押出
成形して、保型性と表面平滑性が優れ、しかも高強度・
高靱性の押出成形体を製造することができる。これは、
押出成形する水硬性組成物に、表面張力差が20dyne/c
m 以上である2種類の液体を混合してなる海島型構造を
有し、かつ、島成分の液体には当該液体に可溶性の高分
子物質が含有されているエマルジョンを添加したことが
もたらす効果である。
【0039】すなわち、このエマルジョンを水溶性組成
物に添加すると、島成分内の高分子物質が速やかに水に
溶解してO/W型エマルジョンに転相し、このO/W型
エマルジョンが水硬性組成物の各成分間の間隙に滲透
し、その結果、各成分間の結合力を高め、滑性を向上さ
せ、もって円滑な押出成形を可能にするので押出成形体
の保型性と表面平滑性、さらには機械的強度が良好にな
るのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 24/26 H 28/02 //(C04B 28/02 14:06 Z 14:38 14:04 Z 16:02 Z 16:06 Z 24:38 D 24:26) D 103:44

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無石綿の補強材が含有されている水硬性
    組成物を押出成形する際に、前記水硬性組成物に、表面
    張力差が20dyne/cm 以上である2種類の液体を混合し
    てなる海島型構造をなし、かつ、島成分の液体には当該
    液体に可溶性の高分子物質が含有されているエマルジョ
    ンを添加することを特徴とする、水硬性組成物の押出成
    形体の製造方法。
JP24346193A 1993-09-30 1993-09-30 水硬性組成物の押出成形体の製造方法 Pending JPH0796510A (ja)

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JP24346193A Pending JPH0796510A (ja) 1993-09-30 1993-09-30 水硬性組成物の押出成形体の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020050990A (ko) * 2000-12-22 2002-06-28 신현준 슬래그 보드의 제조방법

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