JPH0795469B2 - 電熱ユニツト - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、一般家庭において、主に調理用として使用さ
れる電熱ユニットに関するものである。

従来の技術 従来この種の電熱ユニットは第３図に示すように、有底
円筒状の収納ケース１に、シリカまたはアルミナ繊維を
主成分とする断熱材からなる断熱基板２を収納し、この
断熱基板２に設けた溝３に、螺旋状に巻かれた電熱線４
を収納し、この電熱線４によって天板５を加熱してい
た。なお前記収納ケース１と天板５は、天板５の側面で
収納ケース１の外側面で挟持することで一体に構成して
いた。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記従来の構成では、電熱線４から発生す
る熱量が大きくなると、前記収納ケース１および天板５
の断熱基板２に対向もしくは当接する内面が高温とな
り、これらの内面が伸びるのに対して外面の伸びが遅れ
るためにそりが発生し、このそりによって被加熱物まで
の距離の変化が生じ、その結果天板上の温度むらを発生
させ調理上不都合があった。

本発明は上記従来の問題点を解決するもので、電熱線の
発熱量が大きくなっても、天板および収納ケースにそり
を生ずることのない、製品信頼性の高い電熱ユニットを
提供することを目的とするものである。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するため、本発明の電熱ユニットは、金
属板からなる有底筒状の天板と、螺旋状に巻かれ前記天
板を加熱する電熱線と、この電熱線を配設する溝を有す
る断熱基板と、この断熱基板を収納する有底筒状の収納
ケースとを備え、前記天板と断熱基板と収納ケースの中
心部にそれぞれ孔を設け、これらの孔に固定部材を嵌通
させて前記天板と断熱基板と収納ケースを一体に固定す
るとともに、前記天板と収納ケースは、天板の内側面に
設けた複数個の係止爪または被係止部と前記収納ケース
の外側面に設けた前記天板の係止爪または被係止部に対
応する複数個の被係止部または係止爪とを係合すること
によって一体に構成したものである。

作 用 上記構成によれば、電熱ユニットの中心部は固定部材に
よって一体に固定され、かつ周縁部は係止爪と被係止部
を係合させることによって一体に固定されるために、熱
膨張による天板および収納ケースの変形は抑制されるも
のである。

実施例 以下、本発明の具体的な実施例を第１図〜第２図にもと
づいて説明する。

図において、６は圧延鋼板（SPCC）からなる有底円筒状
の天板で、この天板６の被加熱物側には放射特性に優れ
た遠赤外線物質よりなる放射層が、また反対側には、耐
熱性および耐熱衝撃性に優れたセラミックファイバーを
含有する耐熱ホーロ物質からなる絶縁層がそれぞれ形成
されている。この天板６の下方に配設された断熱基板７
はシリカまたはアルミナ繊維を主成分とする耐熱温度12
00℃以上の断熱材を真空成形したもので、この断熱基板
７には螺旋状に巻かれた電熱線８を配設する溝7aが設け
られている。前記断熱基板７は圧延鋼板（SPCC）よりな
る収納ケース９に収納されている。この収納ケース９は
天板６の内径より小さな外径を有し、かつ天板６の内側
に位置させている。

前記収納ケース９の外側面には複数個の係止爪10a,10b,
10c,10dが設けられ、かつ前記天板６の側面にこの係止
爪10a,10b,10c,10dにそれぞれ対応する被係止部11a,11
b,11c,11dが設けられている。そして前記天板6,断熱基
板７および収納ケース９の中心部には、それぞれ孔12,1
3,14が設けられている。これらの孔12,13,14の径は、断
熱基板７に設けられた孔13の径が最も径大であり、天板
６の収納ケース９に設けられた孔12,14が同径に構成さ
れ、前記断熱基板７の孔13において天板６に設けたフラ
ンジ6aと収納ケース９に設けたフランジ9aが当接されて
いる。そして前記断熱基板７を収納した収納ケース９
に、係止爪10a〜10dと被係止部11a〜11dをそれぞれ係合
させて天板６を装着させて、かつ前記孔12,13,14に固定
リング15を嵌通させて、その両端部をハトメと同様にし
てかしめて、前記天板６、断熱基板７および収納ケース
９を一体に構成する。16は前記電熱線８に電気的に接続
された電源端子、17は絶縁碍子である。

上記実施例によれば、電熱ユニットの周縁部が、係止爪
10a〜10dと被係止部11a〜11dを係合することによって一
体に固定され、そして中心部が天板６、断熱基板７およ
び収納ケース９にそれぞれ設けた孔12,13,14に固定リン
グ15を嵌通させて、この固定リング15の両端部をかしめ
ることによって固定されるために、熱膨張により天板６
と収納ケース９の変形が抑制され、その結果天板６上の
温度むらを発生することのない製品信頼性の高いものを
実現できる。

なお本実施例においては、収納ケース９に係止爪10a〜1
0dを設け、天板６に被係止部11a〜11dを設けた構成につ
いて説明したが、収納ケース９に被係止部を設け、天板
６に係止爪を設けた構成とした場合にも同様の作用効果
を奏することができる。また固定部材として固定リング
15を用いたがリベットを用いても良い。

発明の効果 上記実施例の説明から明らかなように本発明によれば、
天板の側面に複数個の係止爪または被係止部を設け、そ
してこの係止爪または被係止部に対応する被係止部また
は係止爪を収納ケースの外側面に設けることによって、
電熱ユニットの周縁部を一体に固定し、そして、天板と
断熱基板と収納ケースの中心部にそれぞれ孔を設け、こ
れらの孔に固定部材を嵌通させて、そしてこの固定部材
で一体に固定しているために、電熱線の発熱による熱膨
張にともなう天板および収納ケースの変形が抑制され、
そして天板の上面を平坦に保つことができる。その結
果、天板からの発熱量を均一化し、調理物への安定した
加熱が実現でき、製品信頼性を高めることが可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例において電熱ユニットを分解
して示した斜視図、第２図は同電熱ユニットの縦断面
図、第３図は従来の電熱ユニットの縦断面図である。 ６……天板,7……断熱基板,8……電熱線,9……収納ケー
ス,10a,10b,10c,10d……係止爪,11a,11b,11c,11d……被
係止部,12,13,14……孔,15……固定リング。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】金属板からなる有底筒状の天板と、螺旋状
   に巻かれ前記天板を加熱する電熱線と、この電熱線を配
   設する溝を有する断熱基板と、この断熱基板を収納する
   有底筒状の収納ケースとを備え、前記天板と断熱基板と
   収納ケースの中心部にそれぞれ孔を設け、これらの孔に
   固定部材を嵌通させて前記天板と断熱基板と収納ケース
   を一体に固定するとともに、前記天板と収納ケースは、
   天板の内側面に設けた複数個の係止爪または被係止部と
   前記収納ケースの外側面に設けた前記天板の係止爪また
   は被係止部に対応する複数個の被係止部または係止爪と
   を係合することによって一体に構成した電熱ユニット。