JPH0793867B2 - ホエイタンパク質ゲル状組成物及びその製造法 - Google Patents
ホエイタンパク質ゲル状組成物及びその製造法Info
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- JPH0793867B2 JPH0793867B2 JP3057769A JP5776991A JPH0793867B2 JP H0793867 B2 JPH0793867 B2 JP H0793867B2 JP 3057769 A JP3057769 A JP 3057769A JP 5776991 A JP5776991 A JP 5776991A JP H0793867 B2 JPH0793867 B2 JP H0793867B2
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-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A23—FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
- A23J—PROTEIN COMPOSITIONS FOR FOODSTUFFS; WORKING-UP PROTEINS FOR FOODSTUFFS; PHOSPHATIDE COMPOSITIONS FOR FOODSTUFFS
- A23J3/00—Working-up of proteins for foodstuffs
- A23J3/04—Animal proteins
- A23J3/08—Dairy proteins
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- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Zoology (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Nutrition Science (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Dairy Products (AREA)
- Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水又は緩衝液に溶解も
しくは分散させたホエイタンパク質とポリ−L−リシン
もしくはその塩とからなるホエイタンパク質ゲル状組成
物及び該ゲル状組成物の製造方法に関する。本発明のホ
エイタンパク質ゲル状組成物は、ホエイタンパク質含有
ゼリーおよびゼリー状飲料として用いることができ、ま
た、肉類の結着材および増量材として、ソーセージ、ハ
ンバーグ、ステーキ用肉、カマボコなどの製造に好適に
使用することが出来る。
しくは分散させたホエイタンパク質とポリ−L−リシン
もしくはその塩とからなるホエイタンパク質ゲル状組成
物及び該ゲル状組成物の製造方法に関する。本発明のホ
エイタンパク質ゲル状組成物は、ホエイタンパク質含有
ゼリーおよびゼリー状飲料として用いることができ、ま
た、肉類の結着材および増量材として、ソーセージ、ハ
ンバーグ、ステーキ用肉、カマボコなどの製造に好適に
使用することが出来る。
【0002】
【従来の技術】ホエイタンパク質は、チーズおよびカゼ
イン生産の際の副産物として得られ、栄養価の高いタン
パク質であることが知られている。しかしながら、該ホ
エイタンパク質の有効な利用法は、いまだ確立されてい
ない。また、ホエイタンパク質は他のタンパク質と同様
に加熱後、冷却することにより変性ゲルの形でゲル化す
ることが知られている。しかしながら、該ホエイタンパ
ク質を加熱することによって得られる変性ゲルは、熱に
対して不安定であり、例えば100℃以上に加熱すると
溶解するという欠点がある。
イン生産の際の副産物として得られ、栄養価の高いタン
パク質であることが知られている。しかしながら、該ホ
エイタンパク質の有効な利用法は、いまだ確立されてい
ない。また、ホエイタンパク質は他のタンパク質と同様
に加熱後、冷却することにより変性ゲルの形でゲル化す
ることが知られている。しかしながら、該ホエイタンパ
ク質を加熱することによって得られる変性ゲルは、熱に
対して不安定であり、例えば100℃以上に加熱すると
溶解するという欠点がある。
【0003】熱に安定なホエイタンパク質ゲルを得る試
みとして、ホエイタンパク質に尿素または塩酸グアニジ
ンを添加することが行われている。しかしながら、尿素
および塩酸グアニジンは、食品として用いることはでき
ず、したがってこの方法により製造されたホエイタンパ
ク質ゲル状組成物は、熱に安定ではあるが食品として利
用出来ないという大きな欠点を有している。
みとして、ホエイタンパク質に尿素または塩酸グアニジ
ンを添加することが行われている。しかしながら、尿素
および塩酸グアニジンは、食品として用いることはでき
ず、したがってこの方法により製造されたホエイタンパ
ク質ゲル状組成物は、熱に安定ではあるが食品として利
用出来ないという大きな欠点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、尿素お
よび塩酸グアニジンを用いて得られたホエイタンパク質
ゲル状組成物と異なり、食品としての安全性が高く、且
つ熱に対し安定性の高いホエイタンパク質ゲル状組成物
を得るべく鋭意研究を進めた結果、水又は緩衝液に溶解
もしくは分散させたホエイタンパク質溶液もしくは分散
液にポリ−L−リシンを添加、反応させることにより、
タンパク質の熱変性によるものとは異なる、透明で、熱
に対して安定なゲル状物質が室温で調製出来ることを見
いだし、また、ホエイタンパク質にポリ−L−リシンを
添加することによって得られたゲル状組成物は、加熱す
るとより強固なゲルになることから、従来知られている
ホエイタンパク質の加熱によるゲル化法とも併用出来る
ことを見いだし、本発明を完成した。以上の記述から明
らかなように、本発明の目的は、ホエイタンパク質の栄
養価を損なうことなく、透明で、熱に対して安定で食品
として使用できる安全性の高いホエイタンパク質ゲル状
組成物及びその製造方法を提供することである。
よび塩酸グアニジンを用いて得られたホエイタンパク質
ゲル状組成物と異なり、食品としての安全性が高く、且
つ熱に対し安定性の高いホエイタンパク質ゲル状組成物
を得るべく鋭意研究を進めた結果、水又は緩衝液に溶解
もしくは分散させたホエイタンパク質溶液もしくは分散
液にポリ−L−リシンを添加、反応させることにより、
タンパク質の熱変性によるものとは異なる、透明で、熱
に対して安定なゲル状物質が室温で調製出来ることを見
いだし、また、ホエイタンパク質にポリ−L−リシンを
添加することによって得られたゲル状組成物は、加熱す
るとより強固なゲルになることから、従来知られている
ホエイタンパク質の加熱によるゲル化法とも併用出来る
ことを見いだし、本発明を完成した。以上の記述から明
らかなように、本発明の目的は、ホエイタンパク質の栄
養価を損なうことなく、透明で、熱に対して安定で食品
として使用できる安全性の高いホエイタンパク質ゲル状
組成物及びその製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を有
する。 (1)水又は緩衝液に溶解もしくは分散させたホエイタ
ンパク質とポリ−L−リシンもしくはその塩とからなる
ホエイタンパク質ゲル状組成物。 (2)ホエイタンパク質含有量が8重量%〜70重量%
であるホエイタンパク質溶液もしくは分散液と、ホエイ
タンパク質1重量部に対して0.01〜1重量部のポリ
−L−リシンもしくはその塩とからなる前記第1項記載
のホエイタンパク質ゲル状組成物。 (3)ポリ−L−リシンもしくはその塩が、α−ポリ−
L−リシンもしくはその塩またはε−ポリ−L−リシン
もしくはその塩である前記第1項もしくは第2項記載の
ホエイタンパク質ゲル状組成物。 (4)ポリ−L−リシンの塩が、無機塩もしくは有機酸
塩である前記第1項もしくは第2項記載のホエイタンパ
ク質ゲル状組成物。 (5)ホエイタンパク質を水または緩衝液に溶解させた
溶液もしくは分散させた分散液にポリ−L−リシンもし
くはその塩を添加することによりゲル化させることを特
徴とするホエイタンパク質ゲル状組成物の製造方法。 (6)ホエイタンパク質含有量が8重量%〜70重量%
のホエイタンパク質溶液もしくは分散液にポリーLーリ
シンもしくはその塩をホエイタンパク質1重量部に対し
て0.01〜1重量部添加することによりゲル化させる
ことを特徴とする前記第5項記載のホエイタンパク質ゲ
ル状組成物の製造方法。
する。 (1)水又は緩衝液に溶解もしくは分散させたホエイタ
ンパク質とポリ−L−リシンもしくはその塩とからなる
ホエイタンパク質ゲル状組成物。 (2)ホエイタンパク質含有量が8重量%〜70重量%
であるホエイタンパク質溶液もしくは分散液と、ホエイ
タンパク質1重量部に対して0.01〜1重量部のポリ
−L−リシンもしくはその塩とからなる前記第1項記載
のホエイタンパク質ゲル状組成物。 (3)ポリ−L−リシンもしくはその塩が、α−ポリ−
L−リシンもしくはその塩またはε−ポリ−L−リシン
もしくはその塩である前記第1項もしくは第2項記載の
ホエイタンパク質ゲル状組成物。 (4)ポリ−L−リシンの塩が、無機塩もしくは有機酸
塩である前記第1項もしくは第2項記載のホエイタンパ
ク質ゲル状組成物。 (5)ホエイタンパク質を水または緩衝液に溶解させた
溶液もしくは分散させた分散液にポリ−L−リシンもし
くはその塩を添加することによりゲル化させることを特
徴とするホエイタンパク質ゲル状組成物の製造方法。 (6)ホエイタンパク質含有量が8重量%〜70重量%
のホエイタンパク質溶液もしくは分散液にポリーLーリ
シンもしくはその塩をホエイタンパク質1重量部に対し
て0.01〜1重量部添加することによりゲル化させる
ことを特徴とする前記第5項記載のホエイタンパク質ゲ
ル状組成物の製造方法。
【0006】本発明に用いられるポリ−L−リシンは、
α位のアミノ基とカルボキシル基が結合したα−ポリ−
L−リシンおよびε位のアミノ基とカルボキシル基が結
合したε−ポリ−L−リシンのどちらでも用いることが
出来る。また、遊離のもののみならず塩酸、硫酸、臭化
水素酸、リン酸などの無機酸もしくはプロピオン酸、フ
マル酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸との塩の形で
も用いることが出来る。 また、本発明に用いるホエイ
タンパク質は、牛乳を遠心分離により脱脂乳としたもの
に塩酸または塩酸と乳酸もしくは酢酸との混合溶液を加
えてpH4.5 にして遠心分離し、カゼインを沈殿分離し
た上澄液として得られる。現在では、この液を限外濾過
およびイオン交換法により濃縮することにより、タンパ
ク質含量90重量%以上の分離ホエイタンパク質が製造
されるようになっている。本発明に用いるホエイタンパ
ク質は、粗製品でも精製品でもどちらでも使用出来る。
α位のアミノ基とカルボキシル基が結合したα−ポリ−
L−リシンおよびε位のアミノ基とカルボキシル基が結
合したε−ポリ−L−リシンのどちらでも用いることが
出来る。また、遊離のもののみならず塩酸、硫酸、臭化
水素酸、リン酸などの無機酸もしくはプロピオン酸、フ
マル酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸との塩の形で
も用いることが出来る。 また、本発明に用いるホエイ
タンパク質は、牛乳を遠心分離により脱脂乳としたもの
に塩酸または塩酸と乳酸もしくは酢酸との混合溶液を加
えてpH4.5 にして遠心分離し、カゼインを沈殿分離し
た上澄液として得られる。現在では、この液を限外濾過
およびイオン交換法により濃縮することにより、タンパ
ク質含量90重量%以上の分離ホエイタンパク質が製造
されるようになっている。本発明に用いるホエイタンパ
ク質は、粗製品でも精製品でもどちらでも使用出来る。
【0007】本発明のホエイタンパク質ゲル状組成物を
製造する際のポリ−L−リシンの添加量は、ホエイタン
パク質1重量部に対してポリ−L−リシン0.01〜1
重量部である。また、分散液もしくは溶液中のホエイタ
ンバク質含有量は比較的高い方が望ましく、通常8重量
%以上、好ましくは、15重量%以上であればよい。ゲ
ル化の反応条件は、pH5〜9、反応温度4〜80℃、
好ましくは4〜70℃、反応時間は反応pHおよび温度
により異なるが6〜24時間放置すれば良い。
製造する際のポリ−L−リシンの添加量は、ホエイタン
パク質1重量部に対してポリ−L−リシン0.01〜1
重量部である。また、分散液もしくは溶液中のホエイタ
ンバク質含有量は比較的高い方が望ましく、通常8重量
%以上、好ましくは、15重量%以上であればよい。ゲ
ル化の反応条件は、pH5〜9、反応温度4〜80℃、
好ましくは4〜70℃、反応時間は反応pHおよび温度
により異なるが6〜24時間放置すれば良い。
【0008】本発明のゲル状組成物は、動的貯蔵弾性率
(log G’)が2以上であることが好ましいが、反応条
件によりゲル弾性は任意に調整することが出来る。ま
た、作製したゲル状組成物を4℃程度の低温で放置する
ことによりゲル弾性率の高いゲル状組成物とすることも
出来る。また、低温での反応である為、白濁せず、濁り
のない透明なゲル状組成物であり、該ゲル状組成物は、
100℃以上に加熱しても安定である。この為、目的に
合わせて、他のタンパク質、油脂、香料等を加えること
が出来る。また、食品衛生上の安全性もあるので、食品
素材として種々の用途に用いることが出来る。
(log G’)が2以上であることが好ましいが、反応条
件によりゲル弾性は任意に調整することが出来る。ま
た、作製したゲル状組成物を4℃程度の低温で放置する
ことによりゲル弾性率の高いゲル状組成物とすることも
出来る。また、低温での反応である為、白濁せず、濁り
のない透明なゲル状組成物であり、該ゲル状組成物は、
100℃以上に加熱しても安定である。この為、目的に
合わせて、他のタンパク質、油脂、香料等を加えること
が出来る。また、食品衛生上の安全性もあるので、食品
素材として種々の用途に用いることが出来る。
【0009】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明
する。尚、以下単に「%」とある場合は「重量%」を意
味する。 実施例1 ホエイタンパク質を蒸留水に20%になるように分散させ
た。この分散液10gに、ε−ポリ−L−リシンの重量
がホエイタンパク質重量に対して0.1、0.2、0.5、1.0 の割
合になるようにεーポリーL−リシンを添加し、撹拌し
たのち、温度25℃で24時間放置した。目視的にゲル
化が認められたのち、該ゲル状組成物をガラス管に入
れ、円筒型(φ11×10mm)とした。これをレオロジ
社製MR−300型動的粘弾性測定装置を用いて、動的
貯蔵弾性率(log G’)および動的損失弾性率(log
G”)を測定した。この結果を表1に示した。また、生
成したゲルは、いずれも目視的に透明なゲルであった。
する。尚、以下単に「%」とある場合は「重量%」を意
味する。 実施例1 ホエイタンパク質を蒸留水に20%になるように分散させ
た。この分散液10gに、ε−ポリ−L−リシンの重量
がホエイタンパク質重量に対して0.1、0.2、0.5、1.0 の割
合になるようにεーポリーL−リシンを添加し、撹拌し
たのち、温度25℃で24時間放置した。目視的にゲル
化が認められたのち、該ゲル状組成物をガラス管に入
れ、円筒型(φ11×10mm)とした。これをレオロジ
社製MR−300型動的粘弾性測定装置を用いて、動的
貯蔵弾性率(log G’)および動的損失弾性率(log
G”)を測定した。この結果を表1に示した。また、生
成したゲルは、いずれも目視的に透明なゲルであった。
【0010】 上記の結果から明らかなように、本発明のゲル状組成物
は、温度25℃でタンパク質の熱変性をさせることなく
ゲル化させたものである。また、log G’、logG”の
値から粘性の強いゲルという特徴が認められる。
は、温度25℃でタンパク質の熱変性をさせることなく
ゲル化させたものである。また、log G’、logG”の
値から粘性の強いゲルという特徴が認められる。
【0011】実施例2 ホエイタンパク質を蒸留水に8%、15%、50%、7
0%になるように溶解または分散させた。この溶液また
は分散液10gに、ε−ポリ−L−リシンの重量がホエ
イタンパク質重量に対して0.5 の割合になるようにεー
ポリーL−リシンを添加し、撹拌後、温度25℃で24
時間放置した。目視的にゲル化を確認したのち、実施例
1と同様の方法でゲルのlog G’およびlog G”を測定
した。この結果を表2に示した。
0%になるように溶解または分散させた。この溶液また
は分散液10gに、ε−ポリ−L−リシンの重量がホエ
イタンパク質重量に対して0.5 の割合になるようにεー
ポリーL−リシンを添加し、撹拌後、温度25℃で24
時間放置した。目視的にゲル化を確認したのち、実施例
1と同様の方法でゲルのlog G’およびlog G”を測定
した。この結果を表2に示した。
【0012】
【0013】実施例3 ホエイタンパク質を蒸留水に20%になるように分散さ
せた。この分散液10gに、ε−ポリ−L−リシンの重
量がホエイタンパク質重量に対して0.01の割合になるよ
うに εーポリーLーリシンを添加し、撹拌後、温度6
0℃で6時間放置し、さらに4℃で18時間放置した。
目視的にゲル化を確認したのち、実施例1と同様の方法
でゲルのlog G’およびlog G”を測定した。この結
果、log G’=2.2、log G”=2.0であった。
せた。この分散液10gに、ε−ポリ−L−リシンの重
量がホエイタンパク質重量に対して0.01の割合になるよ
うに εーポリーLーリシンを添加し、撹拌後、温度6
0℃で6時間放置し、さらに4℃で18時間放置した。
目視的にゲル化を確認したのち、実施例1と同様の方法
でゲルのlog G’およびlog G”を測定した。この結
果、log G’=2.2、log G”=2.0であった。
【0014】実施例4 ホエイタンパク質を蒸留水に20%になるように分散さ
せた。この分散液10gに、ε−ポリ−L−リシンの重
量がホエイタンパク質重量に対して 0.5の割合になるよ
うにεーポリーLーリシンを添加し、撹拌したのち、温
度25℃で8時間放置し、4℃で16時間放置した。そ
の後、さらに70℃で2時間放置した。4℃放置後およ
び70℃放置後のゲルのlog G’およびlog G”を実施
例1と同様の方法で測定した。この結果を表3に示し
た。
せた。この分散液10gに、ε−ポリ−L−リシンの重
量がホエイタンパク質重量に対して 0.5の割合になるよ
うにεーポリーLーリシンを添加し、撹拌したのち、温
度25℃で8時間放置し、4℃で16時間放置した。そ
の後、さらに70℃で2時間放置した。4℃放置後およ
び70℃放置後のゲルのlog G’およびlog G”を実施
例1と同様の方法で測定した。この結果を表3に示し
た。
【0015】 この結果より明かなように、本発明のゲル状組成物が熱
に対して安定であることが判る。
に対して安定であることが判る。
【0016】実施例5 ホエイタンパク質をトリス緩衝液に20%になるように
分散させた分散液10gに、ε−ポリ−L−リシン・塩
酸塩の重量がホエイタンパク質重量の 0.5の割合になる
ようにεーポリーLーリシン・塩酸塩を添加し、水酸化
ナトリウム水溶液を加えてpH7前後に調整し、撹拌後、
温度25℃で24時間放置した。生成したゲルを実施例
1と同様の方法でlog G’およびlog G”を測定した。
この結果、log G’=3.0,log G”=2.7であっ
た。
分散させた分散液10gに、ε−ポリ−L−リシン・塩
酸塩の重量がホエイタンパク質重量の 0.5の割合になる
ようにεーポリーLーリシン・塩酸塩を添加し、水酸化
ナトリウム水溶液を加えてpH7前後に調整し、撹拌後、
温度25℃で24時間放置した。生成したゲルを実施例
1と同様の方法でlog G’およびlog G”を測定した。
この結果、log G’=3.0,log G”=2.7であっ
た。
【0017】実施例6 ホエイタンパク質をトリス緩衝液に20%になるように
分散させた分散液10gに、α−ポリ−L−リシン・臭
化水素酸塩の重量がホエイタンパク質重量に対して 0.5
の割合になるようにαーポリーL−リシン・臭化水素酸
塩を添加し、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを7
前後に調整し、撹拌後、温度25℃で24時間放置し
た。生成したゲルについて実施例1と同様の方法でゲル
のlog G’及びlog G”を測定した。この結果、log
G’=3.4、log G”=2.9であった。
分散させた分散液10gに、α−ポリ−L−リシン・臭
化水素酸塩の重量がホエイタンパク質重量に対して 0.5
の割合になるようにαーポリーL−リシン・臭化水素酸
塩を添加し、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを7
前後に調整し、撹拌後、温度25℃で24時間放置し
た。生成したゲルについて実施例1と同様の方法でゲル
のlog G’及びlog G”を測定した。この結果、log
G’=3.4、log G”=2.9であった。
【0018】
【発明の効果】本発明のゲル状組成物は、熱変性によら
ず温和な条件で生成出来るので、ホエイタンパク質の持
つ特性が損なわれず、また、熱に対して安定で、且つ透
明であり、しかも食品衛生上安全性の高い物質のみから
できているため、食品加工に適した食品素材として種々
の用途に好適に使用することが出来るゲル状組成物であ
る。
ず温和な条件で生成出来るので、ホエイタンパク質の持
つ特性が損なわれず、また、熱に対して安定で、且つ透
明であり、しかも食品衛生上安全性の高い物質のみから
できているため、食品加工に適した食品素材として種々
の用途に好適に使用することが出来るゲル状組成物であ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】水又は緩衝液に溶解もしくは分散させたホ
エイタンパク質とポリ−L−リシンもしくはその塩とか
らなるホエイタンパク質ゲル状組成物。 - 【請求項2】ホエイタンパク質含有量が8重量%〜70
重量%のホエイタンパク質溶液もしくは分散液と、ホエ
イタンパク質1重量部に対して0.01〜1重量部のポ
リ−L−リシンもしくはその塩とからなる請求項1記載
のホエイタンパク質ゲル状組成物。 - 【請求項3】ポリ−L−リシンもしくはその塩が、α−
ポリ−L−リシンもしくはその塩またはε−ポリ−L−
リシンもしくはその塩である請求項1もしくは請求項2
のいずれか1項記載のホエイタンパク質ゲル状組成物。 - 【請求項4】ポリ−L−リシンの塩が、無機塩もしくは
有機酸塩である請求項1もしくは請求項2のいずれか1
項記載のホエイタンパク質ゲル状組成物。 - 【請求項5】ホエイタンパク質を水または緩衝液に溶解
させた溶液もしくは分散させた分散液にポリ−L−リシ
ンもしくはその塩を添加することによりゲル化させるこ
とを特徴とするホエイタンパク質ゲル状組成物の製造方
法。 - 【請求項6】ホエイタンパク質含有量が8重量%〜70
重量%のホエイタンパク質溶液もしくは分散液にポリー
Lーリシンもしくはその塩をホエイタンパク質1重量部
に対して0.01〜1重量部添加することによりゲル化
させることを特徴とする請求項5記載のホエイタンパク
質ゲル状組成物の製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3057769A JPH0793867B2 (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | ホエイタンパク質ゲル状組成物及びその製造法 |
US07/834,215 US5232729A (en) | 1991-02-28 | 1992-02-12 | Whey protein gel and a process for producing the same |
DE69201351T DE69201351T2 (de) | 1991-02-28 | 1992-02-24 | Molkeproteingel und Verfahren zu dessen Herstellung. |
EP92103057A EP0501373B1 (en) | 1991-02-28 | 1992-02-24 | A whey protein gel and a process for producing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3057769A JPH0793867B2 (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | ホエイタンパク質ゲル状組成物及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05276877A JPH05276877A (ja) | 1993-10-26 |
JPH0793867B2 true JPH0793867B2 (ja) | 1995-10-11 |
Family
ID=13065087
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3057769A Expired - Fee Related JPH0793867B2 (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | ホエイタンパク質ゲル状組成物及びその製造法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5232729A (ja) |
EP (1) | EP0501373B1 (ja) |
JP (1) | JPH0793867B2 (ja) |
DE (1) | DE69201351T2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE69331597T2 (de) * | 1992-11-25 | 2002-09-12 | Chisso Corp | Methoden und Verwendung von poly-L-lysine als Enzymschutzmittel |
US5709813A (en) * | 1996-03-21 | 1998-01-20 | Janke; George A. | Deicing composition and method |
US5709812A (en) * | 1996-04-25 | 1998-01-20 | Janke; George A. | Deicing composition and method |
US5773057A (en) * | 1996-06-26 | 1998-06-30 | Swift-Eckrich, Inc. | Low-fat ground meat products |
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