JPH079353U - 医療材料セット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 多くの医療材料を一括してセット化すること
により、取扱いを簡便かつ衛生的にすることができる医
療材料セットを提供することにある。 【構成】 本考案の医療材料セットにおいては、本体２
の隔壁部３２の下側に第１の医療材料４が複数収納さ
れ、また隔壁部３２の上側に第２の医療材料６が設置さ
れている。第１の医療材料４は、本体２の側壁部下方に
形成される取出口１０から順次取り出すことができる。
第２の医療材料６は本体の上方から容易に取り出すこと
ができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、トレー内に、綿棒、ピンセット、綿球等の医療補助品が密封されて いる医療補助品キットや消毒薬等の医薬品等の医療材料を、複数収納し、運搬、 保管、ディスプレイすることができるようにした医療材料セットに関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、外傷治療には、多くの医療補助品や医薬品が必要であった。近年、 これら医療補助品や医薬品をまとめてキットとすることにより、その取扱いを簡 便にすることが本願出願人による実願平第４−８８１２３号等で提案されている 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この種の医薬品及び医療補助品のキットは、感染症対策等のため一回の治療ご とに廃棄処分されることが望ましい。従って、通常、キット内に収められている 医療補助品等も一回の治療に必要な数量が収められている。このため、複数の患 者を一度に治療する場合や、病院、薬局等においては、複数のキットを一度に運 搬、保管あるいはディスプレイすることが必要である。

【０００４】 本考案は、上記課題に鑑みなされたもので、その目的は、より多くの医療材料 を一括してセット化することにより、取扱いを簡便かつ衛生的にすることができ る医療材料セットを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の医療材料セットは、有底かつ中空の箱体からなり、一側壁部の下方に 設けられた切り込みからなり切除することにより開口部を形成する取出口と、収 納部分を上部収納部と下部収納部に分割する隔壁部と、を有する本体と、該本体 の下部収納部に複数収納され、前記取出口より取り出される第１の医療材料と、 前記本体の上部収納部に収納される第２の医療材料と、からなるものである。

【０００６】

【作用】

本考案の医療材料セットにおいては、本体の隔壁部の下側に第１の医療材料が 複数収納され、また隔壁部の上側に第２の医療材料が設置されている。この第１ の医療材料は、本体の側壁部下方に形成される取出口から順次取り出すことがで き、また第２の医療材料は本体の上方から容易に取り出すことができる。

【０００７】 〔考案の詳細な説明〕 図１は本考案の一実施例に係る医療材料セットを示す斜視図である。２は段ボ ール等の紙あるいはその他焼却可能な材料からなる本体である。この本体２は底 部を有する中空の直方体状の箱体からなるものであり、後述するような上部収納 部と下部収納部を有する。

【０００８】 ４は医療補助品等のキットからなる複数の第１の医療材料であり、重ね合わさ れた状態で本体２の下部収納部内に収められている。

【０００９】 ６は医薬品等が複数詰められた第２の医療材料であり、本体２の上部収納部に 収納されている。

【００１０】 ８は本体２の上部に一体に形成された中箱部であり、本実施例においては廃棄 時に使用する袋等が収納されている。

【００１１】 図１に示す本実施例の医療材料セットにおいては、その本体２の側壁部の下方 に凸状の切り込みからなる取出口１０が設けられており、その切り込みの内側を 切除することにより開口部が形成される。第１の医療材料４は、この取出口１０ から１つずつ引き出される。また、取出口１０の上部に形成される窓部１０ａは 、本体２の内部に収められている第１の医療材料４の残量を確認するためのもの である。

【００１２】 一方、本実施例の中箱部８の上面にも略菱形の切り込みからなる取出口１１が 設けられており、この部分を切除して袋を取り出すように構成されている。尚、 取出口１１を形成する切り込みの形状は、略菱形以外に、長方形、楕円形、円形 等、他の形状であっても良い。

【００１３】 次に本実施例における医療材料セットの上記各構成部分の構造をより詳細に説 明する。図２は図１に示す本体２の一部を展開した状態を示す斜視図であり、図 ３及び図４はその組立過程を示す斜視図、図５は図１に示す本体の断面図である 。図２に示すように、本体２には、ほぼ本体２の外形を形成する４つの側壁部１ ２〜１８が設けられており、その各下端には折曲片２０〜２６が設けられている 。この折曲片２０〜２６は、重なるように折り曲げられて図５に示すような底部 ２７を形成する。本実施例における底部２７は、折曲片２６の解放端中央に突出 片２６ａを設け、側壁部１４と折曲片２２との境に設けられたスリット２２ａに 突出片２６ａを差し込むことにより固定されている。

【００１４】 また、側壁部１２、１６の上端には、隔壁部を形成する折曲片２８、３０が設 けられている。この折曲片２８、３０は、側壁部１２、１６との境からその側壁 部１２、１６の内面に沿って折り曲げられ、その立ち下がり部２８ａ、３０ａか ら更に折曲片２８、３０の先端部分が突き合わされて重なるように折り曲げられ ている。本実施例におけるこの折曲片２８、３０の先端部分には、互いに向き合 うように幅方向に形成されたスリット２８ｂ、３０ｂが設けられており、これを 図３に示すように噛み合わせて連結させることにより、隔壁部３２を形成してい る。この隔壁部３２の上下がそれぞれ上部収納部３３と下部収納部３５となる。 更に、本実施例においては、側壁部１８の上端に折曲片３４を設け、その側壁部 １８側と解放端側にそれぞれ立ち下がり部３４ａと立ち上がり部３４ｂを形成す るように本体２内に折込み、その中央部分３４ｃで蓋をすることにより、図５に 示すように隔壁部３２の上面を平坦にしている。

【００１５】 更に、側壁部１４の上端には、中箱部８を形成する折曲片３６が設けられてい る。この折曲片３６には、本体２の上部開口部の略半分を覆う蓋部３６ａと、そ の３方の端部から突出する側壁形成部３６ｂ〜３６ｄと、その側壁形成部３６ｂ 、３６ｃから更に突出する底形成部３６ｅ、３６ｆと、が設けられている。この 折曲片３６は、図４に示すように箱状に折り曲げながら、本体２内に折り込まれ て独立した中箱部を８を形成する。尚、本実施例における中箱部８は、側壁形成 部３６ｃの一部を切り起こして係合片３６ｇを形成し、側壁部１８と折曲片３４ との境に設けられたスリット３４ｄに係合片３６ｇを差し込むことにより固定さ れている。また、この中箱部８内には、図５に示すように、折り畳まれた複数の ポリ袋３１が収納されている。

【００１６】 上記構成からなる本体２においては、図５等に示すように、隔壁部３２で仕切 られる上部・下部収納部３３、３５が独立するように構成されている。従って、 下部収納部３５に収められている第１の医療材料４が取出口１０から引き出され て徐々に数が減ってその高さが低くなっても、隔壁部３２でその上の上部収納部 ３３の底を支えることができ、隔壁部３２上に載置されている第２の医療材料６ 等が本体２内に落ち込んでしまうことがないように構成されている。また、上部 収納部３３に重い医療材料等を載せても、下に収納されている医療材料がつぶれ てしまったり、引き出しにくくなることもない。

【００１７】 図６は図１に示す第１の医療材料４を示す斜視図である。この第１の医療材料 ４は、複数の凹部が設けられたトレー３８の中に、綿棒、ピンセット、綿球、ス キンクロージャー、ガーゼ、救急絆創膏、サージカルテープ、包帯等の医療補助 品を収め、トレー３８の開口部をシート４０で密封してキット化したものである 。このシート４０には、その一部にガス透過性滅菌紙４０ａが設けられており、 トレー３８内を滅菌することが可能な構造になっている。また、トレー３８の縁 には、上方に突出する突出部３８ａ、３８ｂが引き出し方向に設けられており、 トレー３８を複数重ねることができると共に横ずれすることなく取出口１０から 引き出すことができるように構成されている。尚、この第１の医療材料４内に消 毒薬、止血剤等の医薬品を収めることもできる。

【００１８】 図７は図１に示す第２の医療材料６を示す斜視図である。この第２の医療材料 ６は、複数の穴４２ａが上面に設けられた箱４２と、その穴４２ａに嵌め込まれ た容器に入った消毒薬等の医薬品４４とから構成されている。この第２の医療材 料６を単体で輸送する時には、図８に示すように、側方が開口した中空の箱４６ 内に第２の医療材料６を収め、更に必要があればその周囲全体をフィルム等で覆 って密封しても良い。この包装構造によれば、輸送中に医薬品４４が箱４２から 抜脱することを防ぐことができる。このように箱４６等を用いて輸送された第２ の医療材料６を本体２内に嵌め込む際には、箱４６を取り外した状態、即ち図７ に示す状態にして嵌め込む。このように収納しておくことにより、使用時に容易 に医薬品４４を取り出すことが可能となる。尚、箱４２には、医薬品４４だけで なく、他の医療材料を収めても良い。また、この第２の医療材料６や第１の医療 材料４も本体２と同様に焼却可能な材料で構成されている。

【００１９】 上記のような本体２に嵌め込む前の第２の医療材料６の包装構造は、図８に示 す箱４６を用いる他に、図９乃至図１２に示すような構造であっても良い。即ち 、図９に示すように、図８で示した中空の箱４６を用いず、図７に示す第２の医 療材料６の周囲全体をフィルム等で包みこむ構造としても良い。また、図１０に 示すように、端部４９ａ、４９ｂを折り曲げることにより第２の医療材料６の箱 ４２の下面に差しこむことで医薬品４４の上部を押さえるようにする。更にその 周囲全体をフィルム等で包みこむ構造としても良い。更に、図１１に示すように 、図中下方が開口した中箱５１を第２の医療材料６に被せ、その周囲全体をフィ ルム等で包みこむように構成することもできる。また、図１２に示すように、本 体２の上部収納部３３に適合する中箱５３の中に第２の医療材料６を収めても良 い。図９乃至図１１に示す包装構造においては、フィルム４７や中箱４９、５１ を取り除いてから第２の医療材料６を本体２に嵌め込むことが好ましいが、図１ ２に示す包装構造においては、中箱５３の上面に取出口５５を形成するための切 り込みを設けることにより、第２の医療材料６を中箱５３に入れたまま本体２に 嵌め込んで使用することも可能である。

【００２０】 次に、上記本体２等の変更例を図１３乃至図２０に基づいて説明する。図１３ 乃至図１５は図１等に示す本体２の取出口１０の形状を変更した例を示す斜視図 である。図１等に示す取出口１０は、側壁部１２の下方のみ切除することにより 形成されていたが、図１３に示す変更例では、側壁部１２だけでなく側壁部１８ や側壁部１４の一部にまで回り込むように切り込みを設けてこれを切除するよう に構成している。このように構成することにより、取出口１０の開口面積を広げ て取り出し易くすることができる。また、図１４及び図１５に示すように、側壁 部１２あるいは側壁部１２、１４、１８に設けられている切り込み内を全て切除 するのではなく、底部との境を残して破り、手前に開くように構成することもで きる。このように構成することにより、切り開いた部分１０ｂで再び取出口１０ を塞ぐことが可能になる。

【００２１】 図１６乃至図２０は図１等に示す本体２の変更例をそれぞれ示す斜視図である 。図１６において、本体２の対向する側壁部１２、１６の上端には側壁部１２、 １６をそのまま延長したような挿入片５０、５２が設けられており、また、側壁 部１４の上端には折り曲げることにより本体２の上部開口部を塞ぐ蓋となる折曲 片４８が設けられている。この本体２の上には、独立した箱５４が載置され、そ の底部５４ｃと両側端部５４ａ、５４ｂとの間の隙間から本体２の挿入片５０、 ５２を箱５４内に挿入することにより本体２上に位置決め固定されている。尚、 この本体２においては、折曲片４８が図３に示すような隔壁部３２として作用し 、その上に箱５４が設置されて上部収納部を形成している。また、箱５４の上部 には内部に収められた第２の医療材料や袋等を取り出すための取出口５６を形成 する切り込みが設けられている。

【００２２】 図１７において、本体２の側壁部１２、１６の上端の中央には上方に突出する 突出片５８、６０が設けられており、側壁部１８の上端には折り曲げることによ り本体２の上部開口部を塞ぐ蓋及び隔壁部として作用する折曲片６２が設けられ ている。この本体２の上にも箱６４が載置されて上部収納部を形成しており、こ の箱６４はその端部下方等にスリット６４ａを有しそこに突出片５８、６０が差 し込まれることにより本体２上に位置決め固定されている。尚、この箱６４の上 面には側部より立ち上がって折り曲げられた蓋６４ｂが設けられており、また箱 ６４の内部には第２の医療部材６や袋３１が収められている。

【００２３】 図１８において、本体２の側壁部１２、１６の上端には本体内方に折り曲げら れる折曲片６８、７０が設けられ、また側壁部１４の上端には本体２の上部開口 部を覆う蓋及び隔壁部として作用する折曲片７２が設けられている。この本体２ の上にも箱が載置されて上部収納部が形成される。この箱は、側方が開口した中 空の外箱７４と、その中に側方から差し込まれる上方が開口した中箱７６とから なり、この中箱７６と共に外箱７４内に折曲片７２を通すことにより本体２上に 位置決め固定されている。尚、中箱７６の中には、図７に示す第２の医療材料６ と図５に示す袋３１収納されており、外箱７４にはそれらの取出口７１、７３を 形成する切り込みが設けられている。

【００２４】 図１９において、本体２の上部からは図１等に示す本体２の中箱部８を形成す る折曲部３６が取り除かれ、折曲部３４で形成される凹状の上部収納部３３のみ がもうけられている。この上部収納部３３には、これに適合する中箱８０が載置 されている。この中箱８０内には、第２の医療材料６が収められており、この第 ２の医療材料６が中箱８０の窓部８０ａから露出し、ここから第２の医療材料６ の残量を確認したり取り出したりすることができる。尚、中箱８０を使用するこ となく直接第２の医療材料６を上部収納部内に収めても良い。また、中箱８０の 図中右半分には袋等他の物が収納されており、その取出口としての穴８０ｂも上 面に設けられている。

【００２５】 また、図２０に示すように、図１９に示す中箱８０を中箱８４と中箱８６の２ つに分け、中箱８４の中に第２の医療材料６を入れ、また中箱８６の中に袋等を 入れて、中箱８４の窓部８４ａから第２の医療材料６が露出するように構成して も良い。

【００２６】

【考案の効果】

本考案によれば、多くの医療材料をひとつの箱として全てまとめることができ るので、取り扱いを衛生的かつ簡便にすることができる。特に、多くの医療材料 が混在する医療現場において、場所をとることがなく、コンパクトに整理するこ とができる。

【００２７】 また、医療材料を上下の収納部にそれぞれ独立して収納することができ、更に その取り出しもそれぞれ別個の取出口から取り出すことができるので、必要なも のだけを確実に取り出すことができる。

【００２８】 更に、取出口等から残りの個数の確認をすることもでき、在庫管理が容易であ ると共に残りの医療材料を衛生的かつ効率的に保管することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る医療材料セットを示す
斜視図である。

【図２】図１に示す本体２の一部を展開した状態を示す
斜視図である。

【図３】図２に示す本体の組立過程を示す斜視図であ
る。

【図４】図２に示す本体の組立過程を示す斜視図であ
る。

【図５】図１に示す本体の断面図である。

【図６】図１に示す第１の医療材料を示す斜視図であ
る。

【図７】図１に示す第２の医療材料を示す斜視図であ
る。

【図８】図７に示す第２の医療材料を本体に嵌め込む前
の包装構造を示す斜視図である。

【図９】図８に示す第２の医療材料の他の包装構造を示
す斜視図である。

【図１０】図８に示す第２の医療材料の他の包装構造を
示す斜視図である。

【図１１】図８に示す第２の医療材料の他の包装構造を
示す斜視図である。

【図１２】図８に示す第２の医療材料の他の包装構造を
示す斜視図である。

【図１３】図１等に示す本体の取出口の形状を変更した
例を示す斜視図である。

【図１４】図１等に示す本体の取出口の形状を変更した
例を示す斜視図である。

【図１５】図１等に示す本体の取出口の形状を変更した
例を示す斜視図である。

【図１６】図１等に示す本体の変更例を示す斜視図であ
る。

【図１７】図１等に示す本体の変更例を示す斜視図であ
る。

【図１８】図１等に示す本体の変更例を示す斜視図であ
る。

【図１９】図１等に示す本体の変更例を示す斜視図であ
る。

【図２０】図１等に示す本体の変更例を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

２ 本体 ４ 第１の医療材料 ６ 第２の医療材料 １０ 取出口 ３２ 隔壁部 ３３ 上部収納部 ３５ 下部収納部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 有底かつ中空の箱体からなり、一側壁部
   の下方に設けられた切り込みからなり切除することによ
   り開口部を形成する取出口と、収納部分を上部収納部と
   下部収納部に分割する隔壁部と、を有する本体と、該本
   体の下部収納部に複数収納され、前記取出口より取り出
   される第１の医療材料と、前記本体の上部収納部に収納
   される第２の医療材料と、からなることを特徴とする医
   療材料セット。
2. 【請求項２】 有底かつ中空の箱体からなり、一側壁部
   の下方に設けられた切り込みからなり切除することによ
   り開口部を形成する取出口と、医療材料を収納する収納
   部分を上部収納部と下部収納部に分割する隔壁部と、を
   有する本体からなることを特徴とする医療材料用ケー
   ス。