JPH0789513A - 中空物品の包装装置及びその包装方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 中空物品を密封状に包装できるようにして、
フィルム内部にゴミや埃等が侵入するのを防止でき、し
かも、容易且つ迅速に包装することができる中空物品の
包装装置及びその包装方法を提供する。 【構成】 中空部３を有する物品１に、該物品１より長
い筒状の外側用の熱収縮フィルム５を外嵌し、外側用の
熱収縮フィルム５をその中空物品１より突出する両端部
5a，5bが縮径すべく加熱収縮し、該収縮された両端部5
a，5bを中空部３内に屈曲し、しかも、中空部３内に筒
状の内周用フィルム24を挿入した後に、該内周用フィル
ム24を前記外側用の熱収縮フィルム５の両端部5a，5bに
接着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば金属製の線条体
及びコード線等の長尺体をコイル状に巻回してなる中空
物品の包装装置及びその包装方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば、金属製の線条体及びコー
ド線等の長尺状の物品は、取扱が便利なようにコイル状
に巻回された後に包材にて包装された状態で、運搬及び
保管されているのが現状である。この物品を包装材で包
装する手段としては、包材としてのフィルムあるいは包
装紙で該物品を覆い、該包装材の端部分を物品の中空部
分内に折り込んでいた（従来例１）。

【０００３】また、他の包装手段として、図９に示す如
く帯状のテープ50を物品51の外周面から内周面にわたっ
て巻回することにより、包装する場合もあった（従来例
２）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記従来例１の包装手
段においては、包装材の両端部分を物品の中空部内に折
り込んでいるだけなので、物品の中空部分側が露出し、
包装材内にゴミ、埃等の異物が侵入するおそれがあっ
た。

【０００５】また、従来例２は、テープを巻いているこ
とから包装作業に時間を要し、作業能率が悪く生産コス
トが高くなる欠点があった。特に、物品が金属製の線条
体を巻回したもののように大型のものは、テープを巻回
する作業は非常に煩雑となり、上記問題が顕著であっ
た。更に、上記従来例１及び２共に密封状態が悪く、そ
のため防湿効果が低く、特に物品が金属の場合には容易
に錆びてしまうという欠点があった。

【０００６】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、中空物品を密封状に包装できるようにし
て、フィルム内部にゴミや埃等が侵入するのを防止で
き、しかも、容易且つ迅速に包装することができる中空
物品の包装装置及びその包装方法を提供することを課題
とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたもので、中空物品の包装方法とし
ての特徴は、中空部３を有する物品１に、該物品１より
長い筒状の外側用の熱収縮フィルム５を外嵌し、外側用
の熱収縮フィルム５をその中空物品１より突出する両端
部5a，5bが縮径すべく加熱収縮し、該収縮された両端部
5a，5bを中空部３内に屈曲し、中空部３内に筒状の内周
用フィルム24を挿入した後に、該内周用フィルム24を前
記外側用の熱収縮フィルム５の両端部5a，5bに接着する
ことにある。

【０００８】更に、中空物品の包装装置としての特徴
は、中空部３を有する物品１に外嵌装着され、加熱収縮
されると共に両端部5a，5bが前記中空部３内に屈曲され
てなる外側用の熱収縮フィルム５と、該外側用の熱収縮
フィルム５の両端部5a，5bの表面に接着剤44を塗布する
ための接着ユニット33ａ，33b と、筒状の内周用フィル
ム24が外嵌され且つ前記中空部３内に挿入されるマンド
レル14とが備えられ、該マンドレル14は、内周用フィル
ム24を外側用の熱収縮フィルム５の接着剤が塗布された
両端部5a，5bに押圧すべく、拡縮自在に設けられてなる
ことにある。

【０００９】また、中空物品の包装方法としての特徴
は、中空部３を有する中空物品１に、該中空物品１より
長い筒状の熱収縮フィルム39を、その一方が他方よりも
長くなるように外嵌し、前記中空部３にバー40を挿入し
た状態で該熱収縮フィルム39を加熱収縮した後に、熱収
縮フィルム39の他方の短い端部39a を中空部３内に屈曲
し、しかも、一方の長い端部39b を中空部３に挿入し前
記他方の端部39a に接着することにある。

【００１０】

【作用】本発明の中空物品の包装装置及びその包装方法
において、物品に外嵌された外側用の熱収縮フィルムの
両端部の表面に接着剤を介して内周用フィルムの両端部
を接着したり、熱収縮フィルムの両端部を接着すること
により、物品はその外周面は無論、中空部の周面もフィ
ルムにて密封することができるのである。従って、これ
ら外側用の熱収縮フィルム及び内周用フィルム内にゴミ
や埃等の異物が侵入することはない。また、防湿性にも
優れるため、金属物の包装に最適である。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図面に従っ
て説明する。図１〜図３において、１は中央に中空部３
を有する物品で、この物品１は、例えば金属製の線条体
をコイル状に巻回したものである。５は前記物品１に外
嵌装着された筒状の熱収縮フィルムで、該フィルム５は
物品１の幅Ｌよりも長く設けられ、加熱収縮させた後に
その両端部5a，5bが物品１の中空部３内に折り込まれて
いる。

【００１２】７は前記物品１を保持するための載置台
で、該載置台７は平行に並設され物品１が載置される一
対の回転ローラ3aが設けられ、該回転ローラ3aは物品１
を回転できるように、図外の駆動モータ等により回転自
在である。９は前記載置台７の一方に配置された機台
で、該機台９に平行に敷設された一対のレール８に沿っ
て移動架台10が、前記載置台７に対して接離する方向に
移動可能である。尚、11は機台９の下端に設けられ前記
レール８上を転動するローラである。

【００１３】13はパイプからなる支持体で、その基端側
が前記移動架台10の上端で且つ水平に固定されている。
該支持体13の移動架台10よりも突出する部分には、該支
持体13と同心状のマンドレル14が径方向に拡縮自在に設
けられている。即ち、マンドレル14は湾曲する４枚の押
圧板15からなり、各押圧板15の両端部には、前記支持体
13に固定された拡縮手段としてのシリダー装置17のロッ
ド17ａが連結されており、従って、各シリダー装置17を
作動させることにより、各押圧板15を移動させマンドレ
ル14の径を拡縮できるのである。

【００１４】各マンドレル14の縮径時には、上方側の押
圧板15と下方側の押圧板15との間には、間隙19が形成さ
れるようになっている。

【００１５】22は前記押圧板15の間隙19に対応するよう
に支持体13から左右に突設して設けられたフィルム保持
体で、両フィルム保持体22の先端には、該マンドレル14
に外嵌装着された筒状の内周用フィルム24が押し込まれ
るＶ字状の切り欠き23が支持体13に沿って形成されてい
る。26は前記支持体13の先端側に設けられたフィルム挿
入用の円錐状のガイド体で、支持体13の先端は更に該ガ
イド体26よりも突出しており、その突出部27は、載置台
７に対して前記機台９と反対位置に配置された機台30の
支持穴31に挿脱自在に挿通支持されるようになってい
る。

【００１６】33ａ，33b は前記外側用の熱収縮フィルム
５の両端部5a，5bの表面にホットメルト接着剤44をそれ
ぞれ塗布するための一対の接着ユニットで、そのノズル
36からホットメルト接着剤44が吐出可能となっている。
一方の接着ユニット33ａは前記移動架台10に固定された
シリンダー装置34に固定され、他方の接着ユニット33b
は機台30に固定されたシリンダ装置35に固定され、これ
ら両接着ユニット33ａ，33b は、シリンダー装置34，35
により移動し、物品１に対して接離自在で、しかも、各
接着ユニット33ａ，33b は物品１の両端に当接した際
に、それぞれ停止し位置決めができるようになってい
る。

【００１７】また、前記両シリンダー装置34，35は移動
架台10及び機台30に対して上下に移動調整可能であり、
中空部３の径の異なる数種類の物品１に対応できるよう
になっている。

【００１８】本発明の包装装置の一実施例は上記の構成
からなり、次にその装置を用いた物品１の包装方法につ
いて説明する。先ず、筒状に形成した外側用の熱収縮フ
ィルム５を物品１に外嵌装着し（図４イ参照）、更に、
熱収縮フィルム５を加熱収縮させることにより、その両
端部5a，5bを同図ロに示す如く小径状に形成する。次
に、その小径状に形成された両端部5a，5bを物品１の中
空部３内に屈曲する（図４ハ参照）。該フィルム５の屈
曲は、加熱収縮直後のフィルム５が柔軟な状態で行うこ
とが好ましい。そして、物品１を前記載置台７の回転ロ
ーラ3aに載置する。

【００１９】一方、移動架台10が後退した状態におい
て、縮径状態にあるマンドレル14に、略物品１と同じ長
さの内周用フィルム24が外嵌される。該内周用フィルム
24は、図２に示すように板材37にて各押圧板15の間隙19
を介してフィルム保持体22の切り欠き23に押し込まれ
る。

【００２０】次に、移動架台10を内周用フィルム24と共
に前進させ、該内周用フィルム24をマンドレル14と共に
中空部３内に挿入するのであるが、この内周用フィルム
24の挿入に際して、該内周用フィルム24はフィルム保持
体22に押し込まれているので、該内周用フィルム24が邪
魔になって、挿入時に支障となることはない。

【００２１】次に、前記両シリンダー装置34，35の作動
により、各接着ユニット33ａ，33bはそれぞれ前進し、
物品１の両端に当接した際に停止する。各接着ユニット
33ａ，33b の位置決めが終了すると、そのノズル36から
ホットメルト接着剤44が吐出されると共に、載置台７の
回転ローラ3aが物品１を回転させ、外側用の熱収縮フィ
ルム５の両端部5a，5b表面の全周にわたってホットメル
ト接着剤44が塗布される。

【００２２】次に、拡縮用のシリンダー装置17が作動
し、各押圧板15が径外方向に移動することにより、マン
ドレル14の径が拡大する。マンドレル14の径の拡大に伴
って内周用フィルム24はフィルム保持体22の切り欠き23
から外れ、外側用の熱収縮フィルム５の両端部5a，5bを
介して物品１の中空部３周面に押圧され、外側用の熱収
縮フィルム５の両端部5a，5bに内周用フィルム24が密着
状に接着されることにより、物品１は外側用の熱収縮フ
ィルム５及び内周用フィルム24にて包装される（図５ハ
参照）。

【００２３】尚、上記実施例では、外側用の熱収縮フィ
ルム５の両端部5a，5bにホットメルト接着剤44を塗布す
る際に物品１を回転させたが、物品１は固定させておい
て接着ユニット33ａ，33b 側を物品１の周方向に回転さ
せる構成であっても良い。更に、外側用の熱収縮フィル
ム５及び内周用フィルム24の材質は任意に設定可能であ
る。

【００２４】また、本発明の包装方法は上記の実施例に
限定されるものではなく、他の実施例を図６及び図７に
示すように一枚の熱収縮フィルム39から包装することも
可能である。即ち、熱収縮フィルム39をその一方側が長
くなるように物品１に外嵌装着し（図６イ参照）、該物
品１の中空部３にバー40を挿入した状態で熱収縮フィル
ム39を加熱収縮する（同図ロ参照）。

【００２５】更に、バー40を中空部３から抜いた後に、
縮径された他方の短い端部39a を中空部３内に屈曲し、
その表面にホットメルト接着剤44を塗布し、次に、一方
の長い端部39b を、例えば、図７（イ）に示す如く筒体
42に挿入し、その状態で筒体42を中空部３内に挿入する
ことにより、該端部39ｂを中空部３内に位置させ端部39
ｂの先端を端部39a に接着する（図７ロ）。

【００２６】この図７及び図８に示した実施例において
は、包装用の熱収縮フィルム39は一枚であることから、
部品点数を減少でき、しかも、接着部分が一箇所である
ので、更に密封性が得られる。

【００２７】尚、本発明は、上記の実施例に限定される
ものではなく、物品１は金属製の線条体に限らず、紐等
を束にしたものであっても良く、特に限定されるもので
は無い。また、接着剤の種類もホットメルト以外に任意
に設定自在である。更に、図８に示す如く、外側用の熱
収縮フィルム５及び内周用フィルム24を熱接着可能な材
料から構成し、該熱収縮フィルム５の両端部5a，5bと内
周用フィルム24とを、熱ローラ47を周方向に押圧回転さ
せることにより、直接熱接着させることも可能である。
また、上記図６及び図７に示した一枚の熱収縮フィルム
39においても、熱接着可能な材料から構成しても良い。

【００２８】

【発明の効果】本発明の中空物品の包装方法において
は、中空部を有する物品に、該物品より長い筒状の外側
用の熱収縮フィルムを外嵌し、該熱収縮フィルムを加熱
することにより、外側用の熱収縮フィルムをその中空物
品より突出する両端部が縮径すべく加熱収縮し、該収縮
された両端部分を中空部内に屈曲し、屈曲された両端部
の表面に接着剤を塗布した後に、中空部内に内周用筒状
フィルムを挿入し、該内周用筒状フィルムを拡径するこ
とにより、前記熱収縮フィルムの両端部に接着するの
で、外側用の熱収縮フィルムと内周用フィルムとにより
物品を容易且つ迅速に密封包装でき、これら外側用の熱
収縮フィルム及び内周用フィルム内にゴミや埃等の異物
が侵入するおそれはなく、特に、物品が金属製の線条体
であっても水滴の侵入を好適に防止できることとなり、
物品が腐食するのを防止できる利点がある。

【００２９】また、外側用の熱収縮フィルムと内周用フ
ィルムとが別体であるので、内周用フィルムにはコスト
の安いものが使用できる利点がある。

【００３０】中空物品の包装装置においては、一連の物
品の包装を自動的に行うことができ、作業能率の向上を
図ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す全体断面図。

【図２】マンドレルの縮径時の断面図。

【図３】本発明の一実施例を示し、（イ）はマンドレル
の拡径時の断面図、（ロ）は要部断面図。

【図４】本発明の一実施例を示し、（イ）〜（ハ）は本
発明の包装工程を示す断面図。

【図５】本発明の一実施例を示し、（イ）及び（ロ）は
包装工程を示す断面図、（ハ）は物品の斜視図。

【図６】本発明の他の実施例を示し、（イ）〜（ハ）は
包装工程を示す断面図。

【図７】本発明の他の実施例を示し、（イ）及び（ロ）
は包装工程を示す断面図。

【図８】本発明の他の実施例を示す断面図。

【図９】従来例を示す斜視図。

【符号の説明】

１…物品、３…中空部、５a …外側用の熱収縮フィル
ム、5a，5b…両端部、24…内周用フィルム、14…マンド
レル、44…接着剤、33a ，33b …接着ユニット、39…熱
収縮フィルム

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 中空部３を有する物品１に、該物品１よ
   り長い筒状の外側用の熱収縮フィルム５を外嵌し、外側
   用の熱収縮フィルム５をその中空物品１より突出する両
   端部5a，5bが縮径すべく加熱収縮し、該収縮された両端
   部5a，5bを中空部３内に屈曲し、しかも、中空部３内に
   筒状の内周用フィルム24を挿入した後に、該内周用フィ
   ルム24を前記外側用の熱収縮フィルム５の両端部5a，5b
   に接着することを特徴とする中空物品の包装方法。
2. 【請求項２】 中空部３を有する物品１に外嵌装着さ
   れ、加熱収縮されると共に両端部5a，5bが前記中空部３
   内に屈曲されてなる外側用の熱収縮フィルム５と、該外
   側用の熱収縮フィルム５の両端部5a，5bの表面に接着剤
   44を塗布するための接着ユニット33ａ，33b と、筒状の
   内周用フィルム24が外嵌され且つ前記中空部３内に挿入
   されるマンドレル14とが備えられ、該マンドレル14は、
   内周用フィルム24を外側用の熱収縮フィルム５の接着剤
   44が塗布された両端部5a，5bに押圧すべく、拡縮自在に
   設けられてなることを特徴とする中空物品の包装装置。
3. 【請求項３】 中空部３を有する中空物品１に、該中空
   物品１より長い筒状の熱収縮フィルム39を、その一方が
   他方よりも長くなるように外嵌し、前記中空部３にバー
   40を挿入した状態で該熱収縮フィルム39を加熱収縮した
   後に、熱収縮フィルム39の他方の短い端部39a を中空部
   ３内に屈曲し、しかも、一方の長い端部39b を中空部３
   に挿入し前記他方の端部39a に接着することを特徴とす
   る中空物品の包装方法。