JPH0788181B2 - 駐輪装置駐輪ユニット - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、狭い場所を有効に利用して多数台の自転車を
安定して駐車できるようにした駐輪装置を容易に提供で
きる駐輪装置用駐輪ユニットに関するものである。

（従来の技術） 狭い場所を有効に利用して多数台の自転車を駐車できる
ようにした駐輪装置は従来より種々のものが提案されて
いる。（例えば、実開昭57−90286号、、実開昭51−143
987号、特開昭51−20341号などの公報） しかしながら、これらの装置では基本的に自転車をロッ
クして駐輪させるために駐輪時に自転車は殆ど動かせな
い状態となり、自転車の出し入れの際手荷物が他の自転
車に引っ掛かった、服が引っ掛かったりすると身動きが
できなくなるという問題があった。また、自転車をロッ
クしない場合においては前記のような問題は解決される
が、自転車が将棋倒しになるという問題があった。

（発明が解決しようとする課題） 本発明は前記のような問題を解決し、自転車をある程度
の動きが可能な状態として簡単に駐輪させることができ
るうえに、将棋倒しになることもない駐輪装置用駐輪ユ
ニットを提供することにある。

（課題を解決するための手段） 前記のような課題を解決した本発明の駐輪装置用駐輪ユ
ニットは、ベースプレートに自転車の前後輪を誘導支持
するガイドレールと自転車の縦パイプを保持するスタン
ドとを付設した駐輪装置用駐輪ユニットにおいて、ベー
スプレートの一側に車輪安定用の長孔が底面に形成され
た前後の樋状ガイドレール部材よりなるガイドレールを
設けるとともに前記スタンドを逆Ｌ字状としてその垂直
部をもってベースプレートの他側に立設して垂直部の上
方から一側に向け張出する腕部の腕先に縦パイプ保持用
ブラケットを設け、該縦パイプ保持用ブラケットは、前
記腕部の腕先に中央部が固定されて後輪側が下向きにな
るよう傾斜したＵ字形受金と、その前側突出片の先端上
面に載せられた一端がピンにより枢支され、他端は自重
によりＵ字形受金の後側突出片の先端に当接されて常時
はＵ字形受金の先端の開口部分を閉じる開閉自在なフッ
ク金と、このフック金によりＵ字形受金の先端の開口部
分が閉じられた状態に保持するロック部材とよりなるも
のとして、駐車させた自転車が車輪の接地点を中心とし
てスタンド側とフック側のいずれにも傾斜できるだけの
余裕を残した状態として自転車の縦パイプを前記Ｕ字形
受金とフック金間の円形空間に抱持させて自転車の出入
りを容易にするとともに自転車の重力を利用して安定を
保って駐車できるようにしたことを特徴とするものであ
る。

（作用） このような駐輪装置用駐輪ユニットは、その多数台を並
列させてベースプレートとガイドレールを地上に設置し
て駐輪装置とし、スタンドの垂直部から張出される腕部
の腕先に設けられる縦パイプ保持用ブラケットのフック
金を開いて縦パイプ保持用ブラケットの固定のＵ字形受
金の先端の開口部分を開放状態としておき、入車時には
自転車の前後輪を誘導支持するようにベースプレートの
一側に設けられているガイドレールの前後の樋状ガイド
レール部材に前後輪を誘導支持させたうえ、自転車を傾
動させてＵ字形受金とフック金間に形成される円形空間
に自転車の縦パイプを保持させ、次いで、Ｕ字形受金の
前側突出片の上方側先端に枢支されているフック金に軽
く手を触れて自重によりフック金を枢動させ、後側突出
片の先端にフック金の先端を当接させたうえフック金を
ロックするもので、自転車の出し入れ時に手荷物や服が
隣の自転車に引っ掛かっる場合は、自転車を傾動させる
余裕がある円形空間内で隣の自転車をフック金側に傾斜
させて駐輪スペースを拡げれば、自転車の出し入れを容
易とすることができる。

（実施例） 次に、本発明を図示の実施例について詳細に説明する。

（１）は多数の抜き孔が配設されたアルミニウム合金鋳
物などによりなる略三角形状をしたベースプレートであ
って、その底辺に相当する該ベースプレート（１）の一
側縁の前方部と後方部にはそれぞれガイドレール連結用
の取付片（11）を複数個上向きに形成するとともに、頂
部に相当する他側縁には自転車の縦パイプを保持するス
タンド連結用の取付片（12）と、各駐輪ユニット同志を
連結して駐輪装置とするユニット連結用の取付片（13）
とを上向きに形成してあり、また、ベースプレート
（１）を地上に固定する固定杭差込み孔（14）も配設し
てある。（２）はベースプレート（１）の一側に設けら
れて自転車の前後輪を誘導支持するガイドレールであっ
て、このガイドレール（２）はベースプレート（１）の
前記した前後のガイドレール連結用の取付片（11）に各
別にボルト止めできるように前後の樋状ガイドレール部
材（21）、（22）に分割されていてこの樋状ガイドレー
ル部材（21）、（22）の底面にはそれぞれ車輪を安定さ
せる長孔（23）、（24）が形成され、また、前側の樋状
ガイドレール部材（21）には前記ユニット連結用の取付
片（13）との連結用ボルト孔（25）が設けられ、さら
に、後側の樋状ガイドレール部材（22）には自転車の脚
立を介入させる切欠（26）が形成されている。（３）は
自転車の縦パイプを保持するスタンドであって、該スタ
ンド（３）は逆Ｌ字状としてその垂直部（32）をもって
ベースプレート（１）の他側に形成してある前記スタン
ド連結用の取付片（12）に下端をボルト止めされて立設
し、該垂直部（32）の上方から一側に向け張出する腕部
（33）の腕先には縦パイプ保持用ブラケット（34）を設
けて該縦パイプ保持用ブラケット（34）を前記ガイドレ
ール（２）側に向け張出させてある。縦パイプ保持用ブ
ラケット（34）は前記腕部（33）の腕先に後輪側が下向
きとなるよう傾斜してボルト止めしたＵ字形受金（35）
と、その前側突出片（35a）の上方側先端にピン（37）
により枢支されてＵ字形受金（35）の先端の開口部分を
開閉するフック金（36）とよりなるものとして前記フッ
ク金（36）の先端が自重によりＵ字形受金（35）の後側
突出片（35b）の先端に常時は当接されるようになって
いる。そして、Ｕ字形受金（35）とフック金（36）とは
任意のロック部材（38）によりロック可能となってい
る。また、Ｕ字形受金（35）とフック金（36）間に形成
される円形空間は車輪の接地点を中心として自転車
（イ）がスタンド（３）側に約13度傾斜でき、且つフッ
ク金（36）側に約８度傾斜できるだけの余裕をもたせ
て、自転車が（イ）が重力により安定保持されるように
するとともに、適宜駐輪スペースを拡げることができる
ようになっている。そして、前記した自転車の縦パイプ
を保持するスタンド（３）の腕部（33）には番号表示部
（39）を設けており、この番号表示部（39）を前記ロッ
ク部材（38）と組合せて施錠有料管理が可能になってい
る。なお、図中（40）はスタンド（３）などに設けられ
る広告表示部である。

このように構成されたものは、道路の一側や駐輪場の進
入路の左右に対して30度の角度をもたせるとともに自転
車の幅の約1/2の間隔として、多数の駐輪ユニットを前
記前側の樋状ガイドレール部材（21）に設けた連結用ボ
ルト孔（25）に挿入したボルトで前記ユニット連結用の
取付片（13）と連結してベースプレート（１）とガイド
レール（２）とが地上に並列な設置された状態としてお
き、入車時には進入路の両側にあるいずれかの駐輪ユニ
ットのベースプレート（１）の一側に設けられているガ
イドレール（２）に沿って前後輪を誘導させてゆき、前
後輪がガイドレール（２）を構成している樋状ガイドレ
ール部材（21）、（22）の底面に形成されている長孔
（23）、（24）にそれぞれ入って安定した後、自転車を
傾動されて自転車の縦パイプを保持するスタンド（３）
の縦パイプ保持用ブラケット（34）に向かって自転車の
縦パイプを傾動させれば、予め腕部（33）の腕先に固定
のＵ字形受金（35）の先端の開口部分を開放状態とされ
ているから、Ｕ字形受金（35）の先端の開口部分に縦パ
イプは自然に介入保持されることとなるが、本発明では
特に縦パイプ保持用ブラケット（34）が前記腕部（33）
の腕先に後輪側が下向きとなるよう傾斜したＵ字形受金
（35）とその前側突出片（35a）の上方側先端に枢支さ
れて先端の開口部分を開閉するフック金（36）とよりな
るものとしてあるので、Ｕ字形受金（35）の前側突出片
（35a）の先端に枢支されているフック金（36）に軽く
手を触れれば、自重により後側突出片（35b）の先端が
フック金（36）の先端に当接されるので、その後フック
（36）をロックさせればよく、自転車はフック金（36）
とＵ字形受金（35）との円形空間内でスタンド側に寄り
掛かった状態と安定状態が得られる。この状態は強風な
どによってもフック金（36）が自動的に開かれることが
ない。しかも、ベースプレート（１）の一側にガイドレ
ール（２）を設けるとともにその反対側の他側に逆Ｌ字
状のスタンド（３）をその垂直部（32）をもって立設し
て垂直部（32）の上方から一側に向け張出する腕部（3
3）の腕先に縦パイプ保持用ブラケット（34）を設けて
あることにより強風にたいする各駐輪スタンドの安定性
は極めて優れたものとなり、長期耐用できる。特に、駐
輪場の進入路の左右に対して30度の角度をもたせるとと
もに自転車の幅の約1/2の間隔で多数の駐輪ユニットを
連結した場合、相隣る自転車のハンドルは真横に並ぶこ
とがないので、自転車の出入時にハンドルが干渉しあう
ことがないうえ、前後に荷篭を装着した自転車でも前後
の長さを大きくとることなく且つ自転車相互の接触によ
る車体や荷篭の破損もなくスムースに出し入れを行うこ
とができ、また、整列状態も良好で都市の美観上も好ま
しいものとなる。しかして、自転車を出すときの手順は
フック金（36）をひらいたうえ前記した入車時とは逆に
後退させればよく、この際、手荷物や服が隣の自転車に
引っ掛かるようなことがあれば、円形空間内のスタンド
側に寄り掛かっている隣の自転車の縦パイプをフック金
（36）側に傾動させて駐輪スペースを拡げれば出し入れ
をスムースに行うことができる。なお、前記実施例はア
ルミニウム製としているが、他の軽金属や合成樹脂など
によるものとしてもよく、廃材を再利用すれば廃棄物公
害防止上も好ましいものとなる。

（発明の効果） 本発明は前記説明から明らかなように、自転車の縦パイ
プを抱持して自転車の出入を容易にするとともに自転車
を寄り掛からせて車輪安定用の長孔が底面に形成された
前後の樋状ガイドレール部材に安定して駐輪できるよう
にしたころ、狭い場所を有効に利用して多数台の自転車
を駐車できるうえに自転車の出入操作時における自転車
相互の接触による破損もなく、さらに、縦パイプ保持用
ブラケットは後輪側が下向きとなるよう傾斜したＵ字形
受金とその前側突出片の上方側先端に枢支されて先端の
開口部分を開閉するフック金とよりなるものとして前記
フック金の先端が自重により後側突出片の先端に常時は
当接されるようにするなど自転車やフック金を重力を巧
妙に利用することにより、操作性を良好なものとするこ
とができるうえに、フック金のＵ字形受金間の円形空間
は車輪の接地点を中心としてフック金側とスタンド側と
の双方に傾動できるので、自転車を重力を利用して安定
して駐輪させることができて駐輪スペースを適宜拡げる
ことができることとなり、手荷物をもっていても自転車
の出し入れは極めて良好なものとなる。しかも、強風な
どの悪条件に対する安定性が極めて高く、強風などの何
らかの理由でブラケットが開放されて自転車が転倒する
およれやスタンド自身が強風などで倒れるおそれがない
うえに、Ｕ字形受金とフック金とがロック可能としてあ
るので盗難のおそれもなくなるなど種々の利点があり、
また、構造が簡単で安価に提供できるなど種々の利点が
ある。

さらに、ベースプレートに対してガイドレールの前後の
樋状ガイドレール部材およびスタンドがいずれも分解自
在で、且つスタンドがベースプレートに対して分解自在
な逆Ｌ字状の支柱とその腕部に対して分解自在な縦パイ
プ保持用ブラケットとよりなるものとした場合は、製
作、搬送、組立コストを低減できる利点がある。

従って、本発明は従来のこの種駐輪装置用駐輪装置ユニ
ットの問題点を解決したものとして極めて有用なもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す斜視図、第２図は同じく
正面図、第３図は同じく側面図、第４図は同じく平面
図、第５図は同じく一部切欠正面図である。 （１）：ベースプレート、（２）：ガイドレール、
（３）：スタンド、（21）：樋状ガイドレール部材、
（22）：樋状ガイドレール部材、（23）：長孔、（2
4）：長孔、（31）：支柱、（32）：垂直部、（33）：
腕部、（34）：縦パイプ保持用ブラケット、（35）:U字
形受金、（35a）：前側突出片、（35b）：後側突出片、
（36）：フック金、（37）：ピン、（38）：ロック部
材。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ベースプレート（１）に自転車の前後輪を
   誘導支持するガイドレール（２）と自転車の縦パイプを
   保持するスタンド（３）とを付設した駐輪装置用駐輪ユ
   ニットにおいて、ベースプレート（１）の一側に車輪安
   定用の長孔（23）、（24）が底面に形成された前後の樋
   状ガイドレール部材（21）、（22）よりなるガイドレー
   ル（２）を設けるとともに前記スタンド（３）を逆Ｌ字
   状としてその垂直部（32）をもってベースプレート
   （１）の他側に立設して垂直部（32）の上方から一側に
   向け張出する腕部（33）の腕先に縦パイプ保持用プラケ
   ット（34）を設け、該縦パイプ保持用プラケット（34）
   は、前記腕部（33）の腕先に中央部が固定されて後輪側
   が下向きになるよう傾斜したＵ字形受金（35）と、その
   前側突出片（35a）の先端上面に載せられた一端がピン
   （37）により枢支され、他端は自重によりＵ字形受金
   （35）の後側突出片（35b）の先端に当接されて常時は
   Ｕ字形受金（35）の先端の開口部分を閉じる開閉自在な
   フック金（36）と、このフック金（36）によりＵ字形受
   金（35）の先端の開口部分が閉じられた状態に保持する
   ロック部材（38）とよりなるものとして、駐車させた自
   転車が車輪の接地点を中心としてスタンド側とフック側
   のいずれにも傾斜できるだけの余裕を残した状態として
   自転車の縦パイプを前記Ｕ字形受金（35）とフック金
   （36）間の円形空間に抱持させて自転車の出入りを容易
   にするとともに自転車の重力を利用して安定を保って駐
   車できるようにしたことを特徴とする駐輪装置用駐輪ユ
   ニット。
2. 【請求項２】ベースプレート（１）に対してガイドレー
   ル（２）の前後の樋状ガイドレール部材（21）、（22）
   およびスタンド（３）がいずれも分解自在で、且つスタ
   ンド（３）がベースプレート（１）に対して分解自在な
   逆Ｌ字状の支柱（31）とその腕部（33）に対して分解自
   在な縦パイプ保持用ブラケット（34）とよりなる請求項
   １記載の駐輪装置用駐輪ユニット。