JPH0785797B2 - 復水濾過装置 - Google Patents

復水濾過装置

Info

Publication number
JPH0785797B2
JPH0785797B2 JP62156547A JP15654787A JPH0785797B2 JP H0785797 B2 JPH0785797 B2 JP H0785797B2 JP 62156547 A JP62156547 A JP 62156547A JP 15654787 A JP15654787 A JP 15654787A JP H0785797 B2 JPH0785797 B2 JP H0785797B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
condensate
hollow fiber
iron oxide
filtration
tower
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62156547A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS644289A (en
Inventor
敏之 太期
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Organo Corp filed Critical Organo Corp
Priority to JP62156547A priority Critical patent/JPH0785797B2/ja
Publication of JPS644289A publication Critical patent/JPS644289A/ja
Publication of JPH0785797B2 publication Critical patent/JPH0785797B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は火力発電所、電子力発電所等の復水中に含まれ
る酸化鉄に起因するクラッドを除去するために設置され
る中空糸モジュールを利用した濾過装置に関するもので
ある。
<従来の技術> 火力発電所や原子力発電所等の復水の処理装置として、
近年になって中空糸モジュールを用いた濾過塔で先ず復
水中の酸化鉄微粒子等に起因するクラッドを濾過により
除去し、次いで当該濾過水をカチオン交換樹脂とアニオ
ン交換樹脂の混床式脱塩塔で処理して溶存するFe2+イオ
ン等の不純物イオンを除去する方式の復水処理装置が提
案されている。第2図は、このような方式の復水処理装
置を含む、沸騰水型(BWR型)原子力発電所の発電設備
のフローを示したものであり、BWR型原子炉1で発生し
たスチームはタービン2を経て復水器3に送給され、当
該復水器3で凝縮されて復水となる。当該復水中には、
タービン2あるいは配管等の腐食によって持たらされる
酸化鉄微粒子に起因するクラッドや微量の不純物イオン
が含まれているので、これを復水ポンプ4を介して中空
糸モジュールを用いた濾過塔5に送給して先ず復水中の
クラッドを除去し、次いで濾過水をカチオン交換樹脂と
アニオン交換樹脂の混床式脱塩塔6に送給して不純物イ
オンの除去を行う。クラッド及び不純物イオンを除去さ
れた復水は、例えば酸素ボンベ及びレギュレーターから
なる酸素注入装置7によって所定量の酸素を注入された
後、ヒーター8を経て再びBWR型原子炉1に循環され
る。なお、混床式脱塩塔6で処理した復水に酸素を注入
する理由は、前述のヒーター8あるいは配管等の腐食を
抑制するためである。すなわち、酸素は本来ヒーター8
や配管等の材質である炭素鋼やステンレス鋼の腐食を促
進するものであるから、前記発電所の復水においては、
復水中の溶存酸素を極力少なくしなければならないが、
溶存酸素濃度があまりに低くなり過ぎると逆に腐食が促
進される。第3図は炭素鋼の腐食速度と溶存酸素濃度と
の関係を示したもので、これからわかるように溶存酸素
濃度が概略0.7ppmを超えると腐食速度が著しく大きく、
それ以下で小さいのは当然であるが、溶存酸素濃度が概
略0.02ppm(20ppb)以下というような極めて低濃度にな
ると、逆に腐食速度が再び大きくなる。しかるに、前述
のBWR型原子力発電所においては、タービン2を経て復
水器3に送給されたスチームを、減圧下で濃縮して復水
となしている関係から、当該復水中の溶存酸素濃度は2
〜10ppbというような極めて低濃度まで脱気されてしま
う。すなわち、第3図からわかるように、当該濃度は腐
食速度の大きい領域に属するので好ましくなく、よっ
て、前述の如く、当該復水中の溶存酸素濃度が第3図に
おける腐食速度の小さい濃度領域に入るように、当該復
水に所定量の酸素を供給するのである。
前述のような復水処理装置に用いられている中空糸モジ
ュールを用いた濾過塔5を詳しく説明すると、膜面に0.
01μ〜1μあるいは分画分子量が500〜1,000,000の性能
を有する微細孔を多数有し、かつ、外径0.3〜2mm、内径
0.2〜1.5mmの中空糸状に成型された中空糸を多数本束ね
て中空糸モジュールを形成し、当該中空糸の外側から内
側へ、あるいは内側から外側へというように、各中空糸
の一方の側から他方の側へ復水を通過させて各中空糸の
一方の側で酸化鉄微粒子を濾過し、他方の側から得る濾
過水を集合して濾過塔5から流出させるものであり、今
のところ各中空糸の外側から内側へ復水を通過させる、
いわゆる外圧型濾過が主流を占めている。
また、このような濾過の続行により濾過塔5の差圧が上
昇した際には、酸化鉄が付着している中空糸の原水側の
膜面を空気等の気体でバブリングしたり、あるいは中空
糸の他方の側から一方の側へ気体、水等の流体を逆流さ
せたりして中空糸から酸化鉄を剥離し、酸化鉄を多量に
含む洗浄排液を得る洗浄を行い、当該洗浄と前記濾過を
順次繰り返して処理を行うものである。
以上説明したごとく中空糸モジュールを用いる濾過塔
は、復水を各中空糸で直接濾過するので、従来から行わ
れている微粉末状イオン交換樹脂等の濾過助剤を用いる
プレコート式濾過塔と比較して、洗浄排液中に含まれる
固形物量が極めて少量であり、特に沸騰水型原子力発電
所の復水のごとく、放射性物質を含む酸化鉄の除去に適
している。
すなわちプレコート式濾過塔の場合は、その洗浄の際に
濾過により除去した酸化鉄とともに、当該酸化鉄より圧
倒的多量の使用済プレコート剤をも含む洗浄排液が排出
されるが、中空糸モジュールを用いる濾過塔における洗
浄排液には、このような使用済プレコート剤が一切含ま
れることがないので、放射性廃棄物処理の対象となる固
形物が著しく低減できるという利点を有している。
<発明が解決しようとする問題点> 上述したような中空糸モジュールを用いた濾過塔で比較
的長期間復水の処理を行うと、前記気体や水を用いる洗
浄を実施しても、差圧がもとの状態に戻らなくなること
がある。このことは復水を中空糸の外側から内側に濾過
する外圧型濾過タイプの中空糸モジュールを用いた濾過
塔において特に顕著である。
そこでこのような状態に至った外圧型濾過タイプの中空
糸モジュールを調査したところ、本来付着するはずのな
い中空糸の内側、すなわち、濾過水側の膜面に酸化鉄が
強固に付着しており、そのために濾過水の流通路である
中空糸の内部が狭くなって差圧を上昇させていることが
明らかとなった。
この原因については、今のところ明らかでないが、一応
以下のように推定される。
すなわち、復水中に含まれるクラッドは、Fe3O4、Fe
2O3、FeOOHなどの形態の酸化鉄からなり、それらの組成
は一定せずに把握しにくいが、一般に、発電設備の定常
運転時(いわゆる温水循環時)にはFe3O4(マグネタイ
ト)が多くなる。マグネタイトは、Fe2+とFe3+とが1:2
の割合で構成される化合物であり、pHが中性でかつ、復
水器内の脱気によって溶存酸素濃度が極めて低くなった
状態下の復水中では、マグネタイト中の前記Fe2+が非常
に溶解し易くなる。その結果、復水器を経た復水中には
Fe2+イオンが比較的多く存在するようになる。また、前
述の説明で明らかな如く、復水器を経た復水は、溶存酸
素濃度が低いので腐食性も高く、よって復水器から濾過
塔に至る間に配管等の腐食を促進することとなり、この
点も濾過塔に供給される復水中にFe2+イオンが増加する
要因となる。すなわち、第2図において、復水器3及び
復水ポンプ4を経て濾過塔5に送給される復水中には、
酸化鉄微粒子は勿論であるが、Fe2+イオンも比較的多く
含まれるようになる。
このような復水を、その孔径が0.01〜0.1μという微細
孔を有する中空糸からなるモジュールで濾過した場合に
は、酸化鉄の微粒子は中空糸の外側で捕捉されるが、Fe
2+イオンは膜を通過して中空糸内部に達し、濾過された
復水中に残留することなる。一方、当該濾過された復水
中には、前述の如くたとえ僅かであっても溶存酸素が存
在する(通常2〜10ppb)ので、これが中空糸内部に通
過したFe2+イオンの一部を酸化してFe3+イオンを生成す
ると考えられる。Fe3+イオンはFe2+イオンと異なり溶解
度が非常に小さいため直ちにFeOOH等の酸化鉄として析
出する。なお、復水中の溶存酸素濃度は、中空糸膜を通
過する前と後とで変化しない考えられるにもかかわら
ず、何故中空糸膜を通過した後にFe2+イオンがFe3+イオ
ンに酸化されるのか明らかでないが、例えば、復水が中
空糸膜を通過する際に当該酸化反応が促進されるのでは
ないかということも考えられる。
以上のようにして析出した酸化鉄が中空糸内部の膜面に
付着し、これが中空糸内部に徐々に蓄積して差圧を上昇
させるのであろうと推定される。また、析出した酸化鉄
の中空糸内側膜面への付着に関しては、以下のようなこ
とも考えられる。すなわち、復水のように不純物の含有
量が極めて少ない、従って比抵抗の大きな流体が、内径
の非常に細い中空糸内部を比較的高流速で流れることに
よって前記膜面に摩擦による静電気が蓄積され、そのた
めに、析出した酸化鉄の膜面への付着がより強固になる
のではないかと推定される。
以上が、外圧型濾過タイプの中空糸の内側、すなわち濾
過水側の膜面に酸化鉄が強固に付着する理由であろうと
推定されるが、このように強固に付着した酸化鉄は、付
着面が中空糸の内側であることもあって、前述のような
気体や水を用いる洗浄を実施しても除去することが出来
ない。
従ってかかる状態、すなわち中空糸の内側膜面が酸化鉄
で汚染された中空糸モジュールを適当な洗浄薬液で洗浄
して当該酸化鉄を除去しないかぎり、当該中空糸モジュ
ールを再び用いることができない。
このような酸化鉄で汚染された中空糸モジュールを、ハ
イドロサルファイトのような還元剤溶液あるいは蓚酸溶
液、クエン酸溶液のような還元性を有する酸やキレート
性を有する酸あるいは塩酸等の薬液で洗浄すれば、膜面
に強固に付着した酸化鉄と言えどもこれを溶解して除去
することができる。
しかしながら沸騰水型原子力発電所の復水の如く放射性
物質を含む酸化鉄の除去を対象とした中空糸モジュール
を用いる濾過等においては、前述の薬液による洗浄排液
は放射性廃棄物処理の対象となり、当該洗浄排液中に含
まれる還元剤や酸を中和して生ずる塩等が放射性廃棄物
処理の際の固形物を増加させるという点で好ましくな
い。
本発明は、中空糸モジュールを用いた濾過塔におけるか
かる問題点に鑑みてなされたものであり、中空糸の濾過
水側の膜面における鉄汚染を防止する手段を講じた濾過
装置を提供することを目的とするものである。
<問題点を解決するための手段> 本発明は、中空糸モジュールを用いた濾過塔における中
空糸の濾過水側の膜面に酸化鉄が付着する理由について
の前述のような推論に基づいてなされたものである。す
なわち、濾過塔に供給する前の腹水に酸化剤を注入する
ことによって、当該復水中に溶存するFe2+イオンを酸化
して予め析出させてしまい、濾過塔に供給する復水中に
Fe2+イオンが存在しないようにすれば中空糸の濾過水側
膜面における酸化鉄の析出が防止出来るものではないか
との発想から本発明に至ったものである。
本発明はかかる考えに基づくもので、酸化鉄を含む復水
を処理するための中空糸モジュールを用いた濾過塔と、
当該濾過塔に接続した復水流入管の途中に付設した、前
記復水に酸化剤を添加するための酸化剤添加手段とを備
えてなる復水の濾過装置である。
本発明において復水に添加する酸化剤としては、酸素
(空気等の酸素含有ガスを含む)、オゾン、過酸化水
素、塩素、次亜塩素酸ナトリウム等を挙げることが出来
るが、復水処理においては、濾過塔の後段に設置する復
水脱塩塔のイオン負荷を増大させないものがよく、この
点において、酸素、オゾン、過酸化水素が特に好適であ
る。通常はこれらを単独で用いればよいが、これらの二
種以上を同時に使用しても何ら差し支えない。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
第1図は、本発明の実施態様の一例を示すフローの説明
図であり、本実施態様に示した濾過塔5は、その下部に
復水流入管9を接続するとともに上部に濾過水流出管10
を接続した濾過塔5内に、仕切板11を横設するとともに
当該仕切板11に多数の中空糸モジュール12を垂設したも
ので、従来公知のものである。当該中空糸モジュール12
は、本願出願人が先に開示した特願昭59−273579に示し
た如く、多数の中空糸を、各中空糸の上端部を開口する
とともに、その下端部を閉塞して束ねたものであり、ま
た各中空糸モジュール12の下端にスカート部13を有し、
当該モジュール12を洗浄する際にディストリビュータ14
から発生させる気泡を当該スカート部13で浮けるように
してある。なお、当該モジュール12の下端部には、スカ
ート部13で受けた気泡を各中空糸の外表面に通過させる
ための貫通口を設けてある。
上述のような構成において、本発明の特徴とするところ
は、中空糸モジュール12を用いた濾過塔5に接続した復
水流入管9の途中に、当該流入管9内を流れる復水に酸
化剤を添加するための酸化剤添加手段15を付設した点に
あり、第1図においては、濾過塔5と、前記流入管9の
途中に設けた、当該濾過塔5に酸化鉄を含んだ復水を供
給するための復水ポンプ4とを結ぶ復水流入管9の間
に、当該流入管9内に酸化剤を注入すべく、酸化剤添加
手段15を付設してある。なお、酸化剤添加手段15を、復
水ポンプ4の吸込側の復水流入管9に付設してもよいこ
とは言うまでもない。また、16は、酸化剤添加手段15の
下流側の復水流入管9に連通させて設けた反応槽であ
り、酸化剤添加手段15によって復水中に添加した酸化剤
と復水中のFe2+イオンとの反応を完全に行わせるために
設置するものである。当該反応槽16の容量は、使用する
酸化剤によっても異なるが、一般に1〜5分間程度の滞
留時間となるような容量でよい。なお、酸化剤の添加位
置から濾過塔5に至る復水流入管9内で上記時間を持た
せるように、当該流入管9の長さを構成することが出来
れば上記反応槽16を設置する必要はない。また、酸化剤
としてオゾンや過酸化水素等の過酸化物を使用する場合
には、このような反応時間を持たせることによって、こ
れら酸化剤を反応させた後の復水中に極く微量残留する
過酸化物の分解も併せて行われるので好都合である。
<作用> 以下に本発明装置の操作を説明する。
本発明において、酸化鉄を含む復水を濾過する場合は先
ず復水ポンプ4から復水流入管9を通して送られる復水
に、酸化剤添加手段15を用いて所定量の酸化剤を添加す
る。次いで、酸化剤を添加した復水を反応槽16に送給
し、当該反応槽16内で復水中のFe2+イオンを充分に酸化
して酸化鉄として析出させた後、濾過塔5の下部に接続
した復水流入管9を介して当該濾過塔5内に流入させ
る。
本発明に用いる酸化剤添加手段15は、一般的に使用され
るものでよく、例えば酸化剤として酸素やオゾン等のガ
ス体を使用する場合であれば、酸素ボンベやオゾン発生
器等によって得られるこれらのガス体を、前記流入管9
に直接、あるいはこれらのガス体を一旦純水等に溶解さ
せた後に前記流入管9に注入する構成とすればよい。ま
た、その内部に前記ガス体の散気装置を有する酸化槽を
復水流入管9に連通させて設けた構成としてもよい。更
に、酸化剤が過酸化水素の如く、通常水溶液として使用
されるものであれば、ポンプを用いて当該酸化剤を前記
流入管9内に注入する構成とすればよい。
濾過塔5内に流入させた復水は、各中空糸モジュール12
の前記貫通口、あるいは側部から各中空糸モジュール12
内に導入して、各中空糸の外側で酸化鉄を濾過し、各中
空糸内側に得た濾過水を前記仕切板11の上方で集合し、
更に濾過水流出管10から流出させて後段の混床式脱塩塔
(図示せず)に送給する。
本発明においては、上述の如く、中空糸モジュール12を
用いた濾過塔5に供給する前の復水に酸化剤を添加し、
当該復水中のFe2+イオンを予め酸化、析出させてしま
い、濾過塔5にはFe2+イオンがほとんど存在しない復水
を流入させることによて中空糸の内側、すなわち濾過水
側の膜面に酸化鉄が析出、付着するのを防止しようする
もので、このような考えに至った理由については既に推
論した通りである。事実、後述の実施例で示す如く、本
発明においては中空糸の濾過水側の膜面における鉄汚染
を確実に防止することが出来る。
上述のような濾過の続行により圧力損失が増加した場合
には、以下の洗浄を行う。
すなわち通水を中断し、濾過塔5の仕切板11の下部に流
入復水を、また仕切板11の上方に濾過水を満たしたま
ま、濾過塔5の下部に付設した空気導入管17Aから空気
を導入する。当該空気はディストリビュータ14から気泡
状となって上昇し、当該上昇した気泡は前述した各中空
糸モジュール12のスカート部13を介して下端に設けた貫
通口から各中空糸モジュール12の内部に流入し、各中空
糸を振動させ、各中空糸の外側の膜面に付着している酸
化鉄を剥離させる。なお当該気泡は各中空糸モジュール
12の上側部から放出させ、次いで濾過塔5の上側部に付
設した空気抜き管18から流出される。
このような各中空糸の気泡による振動を充分に行った
後、濾過水流出管10に分岐接続した空気導入管17Bから
空気を圧入して、仕切板11の上部に存在する濾過水を各
中空糸の内側から外側へ逆流させ、多量の酸化鉄を含む
洗浄排液を濾過塔5の下部に接続したブロー管19より流
出させ、廃水処理系へと移送する。
このような洗浄を行った後、再び前述した濾過を続行
し、以後当該濾過と洗浄を繰り返すが、本発明において
は、後述の実施例で示す如く、従来の中空糸モジュール
を用いた濾過塔の場合と異なり各中空糸の内側の膜面に
酸化鉄が付着することはなく、一方、各中空糸の外側の
膜面に付着した酸化鉄は上記洗浄操作によって確実に除
去されるので、長期間安定した処理を行うことが出来
る。
なお、本発明の濾過装置を第2図に示したようなBWR型
原子力発電所の復水処理に適用する場合であって、酸化
剤として酸素を使用する場合には、従来混床式脱塩塔6
の後段に設置していた酸素注入装置7(第2図参照)を
省略することが出来る。
また、上述の実施態様においては、外圧型の中空糸モジ
ュールを用いた濾過装置について説明したが、本発明は
酸化鉄を含む含水を中空糸の内側に通して、外側から濾
過水を得る、いわゆる内圧型の中空糸モジュールを用い
た濾過装置にも適用出来ることは言うまでもない。
<効果> 以上説明した如く、本発明の装置においては、従来の中
空糸モジュールにおいて見られた、本来付着するはずの
ない中空糸の濾過水側の膜面における酸化鉄の析出、付
着を確実に防止することが出来るので、中空糸の原水側
の膜面に付着する酸化鉄を、水や空気を用いる通常の洗
浄方法によって定期的に除去するのみで長期間安定した
処理を行うことが出来る。
また、従来であれば前記膜面に付着した酸化鉄は、還元
剤や酸等の薬剤を用いて洗浄する以外に除去することが
出来なかったが、本発明によれば前記酸化鉄の付着を未
然に防止出来るのでこれらの薬剤を用いた洗浄を行う必
要もなくなる。従って、本発明の装置はBWR型原子力発
電所のように、当該薬剤を含む洗浄排液を、放射性廃棄
物として処理せねばならない場合においては極めて有用
である。
<実施例> 以下に本発明の効果をより明確とするために実施例を説
明する。
内径0.8mm、外径1.2mm、長さ1,000mmの外圧型のポリオ
レフィン系中空糸100本を束ねた中空糸モジュール(濾
過総面積0.38m2)1本を充填した実験用濾過塔と、酸素
ボンベからの酸素ガスを純水に溶解させて酸素水を得る
酸素水調整槽及び当該調整槽の酸素水を前記濾過塔の復
水流入管の途中に注入するための定量ポンプとからなる
酸化剤添加手段とを備えた第1図に示したようなフロー
の本発明の濾過装置を用いて、酸化鉄を含む発電所の復
水(溶存酸素濃度2〜5ppb)の濾過実験を行った。な
お、中空糸の鉄汚染を速めるために、中空糸モジュール
への復水の供給量を標準値(0.1m3/hr)の2倍、すなわ
ち、0.2m3/hrとした。また、酸化剤としての酸素は、復
水中の溶存酸素濃度が50ppbとなるように注入した。ま
た、酸素注入点以後の復水流入管には、Fe2+イオンの酸
化反応を完全に行わせるべく、滞留時間が約2分の容量
の反応槽を設けた。
以上の条件で復水の濾過を行った後、気泡による振動と
濾過水の逆洗による洗浄を行って、再び上記濾過を行う
というサイクルを繰り返したところ、5サイクル経過後
の通水初期の差圧は0.83kg/cm2at0.2m3/hrとなり、新品
モジュールの通水初期の差圧が0.82kg/cm2at0.2m3/hrで
あったのと比較してほとんど差圧の上昇は見られず、更
にこれ以上の濾過サイクルを続行しても問題なく濾過処
理を行うことが出来ると思われた。
上記サイクル経過後洗浄を行い、その後濾過塔から中空
糸モジュールを取り出して解体し、中空糸を観察したと
ころ、中空糸の外側、すなわち原水側には極く僅かな酸
化鉄の付着が見られたが、中空糸の内側、すなわち濾過
水側には酸化鉄の付着が全く見られなかった。
比較のため、同一仕様の中空糸モジュールを用いた従来
の濾過塔を併設し、これには酸素を添加せず、他の条件
は全て同一として復水の濾過実験を行ったところ、前記
と同様な洗浄を定期的に行ったにもかかわらず通水初期
の差圧が徐々に上昇し、3サイクル目には通水初期の差
圧が1.2kg/cm2at0.2m3/hrとなった。当該サイクル終了
後洗浄を行い、その後前記と同様に中空糸モジュールを
解体して中空糸を観察したところ、中空糸の外側には前
記本発明におけると同様、極く僅かな酸化鉄の付着しか
見られないのに対し、中空糸の内側には、相当量の酸化
鉄が付着しているのが観察された。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施態様の一例を示すフローの説明図
であり、第2図は、従来の中空糸モジュールを用いた濾
過塔を含むBWR型原子力発電所の発電設備のフローの説
明図であり、また、第3図は炭素鋼の腐食速度と溶存酸
素濃度との関係を示すグラフで、縦軸に腐食速度を、横
軸に溶存酸素濃度を示す。 1……BWR型原子炉、2……タービン 3……復水器、4……復水ポンプ 5……濾過塔、6……混床式脱塩塔 7……酸素注入装置、8……ヒーター 9……復水流入管、10……濾過水流出管 11……仕切板、12……中空糸モジュール 13……スカート部 14……ディストリビュータ 15……酸化剤添加手段 16……反応槽、17……空気導入管 18……空気抜き管、19……ブロー管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G21C 19/307

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化鉄を含む復水を処理するための中空糸
    モジュールを用いた濾過塔と、当該濾過塔に接続した復
    水流入管の途中に付設した、前記復水に酸化剤を添加す
    るための酸化剤添加手段とを備えてなる復水濾過装置。
  2. 【請求項2】酸化剤が酸素、オゾン、過酸化水素のうち
    から選ばれる一種または二種以上である特許請求の範囲
    第1項記載の復水濾過装置。
JP62156547A 1987-06-25 1987-06-25 復水濾過装置 Expired - Fee Related JPH0785797B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62156547A JPH0785797B2 (ja) 1987-06-25 1987-06-25 復水濾過装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62156547A JPH0785797B2 (ja) 1987-06-25 1987-06-25 復水濾過装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS644289A JPS644289A (en) 1989-01-09
JPH0785797B2 true JPH0785797B2 (ja) 1995-09-20

Family

ID=15630180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62156547A Expired - Fee Related JPH0785797B2 (ja) 1987-06-25 1987-06-25 復水濾過装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0785797B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2655642B1 (fr) * 1989-12-11 1992-02-28 Anjou Rech Installation de traitement des eaux par une boucle de filtration tangentielle.
US20070210002A1 (en) * 2004-08-04 2007-09-13 Siemens Water Technologies Corp Chemical and process for cleaning membranes
JP4881412B2 (ja) * 2009-09-10 2012-02-22 株式会社東芝 二酸化炭素回収装置
JP5117612B2 (ja) * 2011-11-30 2013-01-16 株式会社東芝 二酸化炭素回収装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPS644289A (en) 1989-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105753105B (zh) 一种电厂循环水排污水回用过程中反渗透***污堵的原因分析确定方法及其化学清洗方法
CN110104902A (zh) 一种阳极氧化废水处理***
JP3405911B2 (ja) 流量および圧力変動による内圧型除濁用膜モジュールの逆洗方法
JPH0785797B2 (ja) 復水濾過装置
JP2009173980A (ja) 鋼帯の酸洗設備、焼鈍・酸洗設備および酸洗槽での、酸液の回収・再生・供給方法
CN107746154A (zh) 一种印染(含锑)污水处理***
KR0162157B1 (ko) 역삼투막 시스템을 이용한 화학 폐수의 처리방법
CN208762364U (zh) 印染废水深度处理***
JP5017922B2 (ja) 水処理方法
JPS59213495A (ja) 水の処理方法
JP3729342B2 (ja) 放射性排水の処理方法及び処理装置
CN206476858U (zh) 一种火电厂循环排污水处理***
KR20030042133A (ko) 침지형 분리막의 세정방법 및 그 장치
JP5845478B2 (ja) 放射性物質含有排水の処理方法及び処理装置
CN107055907A (zh) 一种燃机电厂废水零排放处理装置及处理工艺
JP2945549B2 (ja) 発電所補給水の製造装置
CN206408003U (zh) 一种电镀含镍废水的处理***
JP3438508B2 (ja) 高度水処理方法およびその装置
JPS63221886A (ja) 中空糸膜フイルタによる浄化方法及びその浄化装置
JP2922059B2 (ja) 中空糸膜濾過器の運転方法
JP3899545B2 (ja) 復水器への補給水供給装置
US6810100B2 (en) Method for treating power plant heater drain water
CN218841860U (zh) 一种自来水的膜处理***
CN218321019U (zh) 一种含砷废水处理设备
JP2514933B2 (ja) 中空糸モジユ−ルの洗浄方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees