JPH078524U - 内燃機関の排気装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車等の内燃機関の排気装置、特に排気管
を内管と外管とで内外二重に構成した排気装置に係り、
その内外二重に構成した排気管の断熱効果を増大させる
と共に、排気管内からの放射音を低減させることを目的
とする。 【構成】 排気管１を内管１１と外管１２とで内外二重
に構成した内燃機関の排気装置において、上記内外管１
１・１２間の内管側にセラミックウール４を、その外側
の外管内面との間にグラスウール５もしくはロックウー
ルを充填したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車等の内燃機関の排気装置、特に排気管を内外二重に形成した排 気装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、自動車の内燃機関の排気装置は、一般に機関からの排気を排気管を介 して触媒コンバータに導き、その触媒コンバータから更に排気管を介して消音器 に導く構成である。 そして、上記の機関から触媒コンバータに導かれる排気の温度を所定の温度以 上に維持させるため、あるいは排気管の表面温度の上昇を抑制するために、上記 の排気管、特に機関から触媒コンバータに至る排気管を内管と外管とで内外二重 に形成したものは知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、従来の排気管は内外管間に単に空間を設けた中空二重構造であるか ら、断熱作用が必ずしも充分ではなく、触媒コンバータに導かれる排気温度が低 下したり、排気管の表面温度が高くなる等の不具合があった。 また最近この種の排気装置においては、騒音規制がますます強化される傾向に あり、従来あまり問題とされなかった排気管内からの放射音（透過音）等を低減 することが望まれている。

【０００４】 そこで、上記の内外管間の空間内にグラスウールやロックウール等の吸音材を を兼ねる断熱材を充填することが考えられるが、通常この種の排気装置に用いら れるグラスウールやロックウールは、必ずしも耐熱温度が充分ではなく、特に機 関に近い位置に設ける場合には、内管内を通る排気からの熱で劣化して弾力性や 吸音性能が低下する等のおそれがある。

【０００５】 本考案は上記の問題点に鑑みて提案されたもので、上記のような吸音材を内外 管間、特に機関に近い位置に設ける場合にも、熱で劣化する等のおそれがなく、 弾力性や吸音性能を良好に維持させることにできる内燃機関の排気装置を提供す ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案による内燃機関の排気装置は、以下の構成と したものである。 即ち、排気管を内管と外管とで内外二重に構成した内燃機関の排気装置におい て、上記内外管間の内管側にセラミックウールを、その外側の外管内面との間に グラスウールもしくはロックウールを充填したことを特徴とする。

【０００７】

【作用】

上記のように内外管間の内管側にセラミックウールを、その外側の外管内面と の間にグラスウールもしくはロックウールを充填したことによって、断熱作用を 増大させることができると共に、セラミックウールやグラスウールもしくはロッ クウールの吸音作用によって放射音等を低減させることが可能となる。また内外 管間の内管側に耐熱性のよいセラミックウールを設けたことによって、例えば機 関に近い高温域にあっても、セラミックウールやグラスウールもしくはロックウ ールが熱で劣化する等のおそれがなく、その弾力性や吸音性能を良好に維持させ ることが可能となる。

【０００８】

【実施例】

以下、図に示す実施例に基づいて本考案による内燃機関の排気装置を具体的に 説明する。 図１は内燃機関の排気装置の一実施例を示す側面図、図２はその横断面図であ る。図において、１は排気管であり、その排気管１の一端（図１で左端）は接続 用フランジ２を介して図に省略した内燃機関の排気マニホールドに接続され、排 気管１の他端には、触媒コンバータおよび排気管を介して消音器が接続されるが 図には省略した。図中３は触媒コンバータ接続用フランジである。

【０００９】 上記の排気管１は図２に示すように内管１１と外管１２とで内外二重に構成さ れ、その内外管１１・１２間の内管外周にセラミックウール４を、さらにその外 周の外管内面との間に本実施例においてはグラスウール５を充填したものである 。

【００１０】 上記のセラミックウール４やグラスウール５の材質等は適宜であるが、本実施 例においては、セラミックウール４として、Ａｌ₂ Ｏ₃ とＳｉＯ₂ とからなる平 均繊維径約２．８μｍのセラミックファイバーをマット状に形成したものが用い られ、その最高使用温度（耐熱温度）は１２６０℃〜１４３０℃程度である。 またグラスウール５としては、本実施例においては、ＳｉＯ₂ を主成分とし、 それにＡｌ₂ Ｏ₃ やＣａＯその他の酸化金属等を含む平均繊維径約９μｍグラス ファイバーをマット状に形成したものが用いられ、その最高使用温度は４００℃ 〜５００℃程度である。なお上記グラスウール５の代わりに、いわゆるロックウ ールを用いてもよい。

【００１１】 また上記のセラミックウール４やグラスウール５もしくはロックウールを内外 管１１・１２間に充填する方法等は適宜であるが、例えば外管１２内に内管１１ を装填する前に、内管１１の外周に上記のようにマット状に形成したセラミック ウール４を所定の厚さ巻き付け、その外周に同様にマット状に形成したグラスウ ール５もしくはロックウールを所定の厚さ巻き付ける。そして、それを外管１２ 内に装填すればよい。

【００１２】 上記実施例は外管１２内に１本の内管１１を配置した構成であるが、これに限 らず各種構成のものにも適用可能であり、例えば図３の（ａ）に示すように外管 １２内に内管１１を複数本配置したものにも適用できる。また上記図３の（ａ） のものは外管１２を上下２つ割りに構成して、その合せ面を溶接等で固着したも のであるが、例えば同図（ｂ）のように内管１１も上記と同様に２つ割りに構成 したもの等にも適用可能である。

【００１３】

【考案の効果】

上記のように本考案は内外二重に構成した排気管１の内外管１１・１２間にセ ラミックウール４とグラスウール５もしくはロックウールとを充填したから、前 記従来のように排気管を中空二重構造としたものに比べ、断熱作用を大幅に増大 させることができると共に、セラミックウール４およびグラスウール５もしくは ロックウールの吸音作用によって放射音等を低減させることができる。 また内外管１１・１２間の内管１１側に耐熱温度の高いセラミックウール４を 設けたので、例えば機関に近い位置に設ける場合にも、セラミックウール４やグ ラスウール５もしくはロックウールが排気熱で劣化するおそれが少なく、弾力性 や吸音性能を良好に維持させることができる。 しかも上記内外管間にセラミックウールのみを充填した場合には、セラミック ウールはグラスウールやロックウールよりも弾性力が小さいため、充填密度をか なり高めないと内外管の間隔保持力が不足して内外管が振動し騒音等を発するお それがあるが、それよりも弾力性のよいグラスウールもしくはロックウールも併 用するようにしたので、比較的小さい充填密度で内外管を良好に且つ安定に保持 させることができる。 さらにグラスウールやロックウールは、一般にセラミックウールよりも安価で あるため、セラミックウールのみを充填した場合に比べて製作コストを低減でき ると共に、グラスウールやロックウールはセラミックウールよりも吸音性能がよ く放射音等を良好に低減させることができる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による内燃機関の排気装置の一実施例を
示す斜視図。

【図２】図１におけるＡ−Ａ線拡大横断面図。

【図３】（ａ）・（ｂ）は本考案による内燃機関の排気
装置の他の実施例を示す横断面図。

【符号の説明】

１ 排気管 １１ 内管 １２ 外管 ４ セラッミックウール ５ グラスウール

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 排気管を内管と外管とで内外二重に構成
   した内燃機関の排気装置において、上記内外管間の内管
   側にセラミックウールを、その外側の外管内面との間に
   グラスウールもしくはロックウールを充填したことを特
   徴とする内燃機関の排気装置。