JPH0783330A - 金属間化合物製ピストンリング - Google Patents

金属間化合物製ピストンリング

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JPH0783330A
JPH0783330A JP23144993A JP23144993A JPH0783330A JP H0783330 A JPH0783330 A JP H0783330A JP 23144993 A JP23144993 A JP 23144993A JP 23144993 A JP23144993 A JP 23144993A JP H0783330 A JPH0783330 A JP H0783330A
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JP
Japan
Prior art keywords
intermetallic compound
tial
ring
top ring
piston ring
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Pending
Application number
JP23144993A
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English (en)
Inventor
Yoshinari Fujiwara
良也 藤原
Toshio Tokune
敏生 徳根
Izuru Shikaya
出 鹿屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
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Priority to DE1994607525 priority patent/DE69407525T2/de
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量で、且つ高剛性であり、高い限界回転数
を有するTiAl系金属間化合物製ピストンリングを提
供する。 【構成】 内燃機関に用いられるピストンリングであっ
て、L10 型TiAl(γ相)の体積分率VfがVf≧
30%であるTiAl系金属間化合物より構成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関、油圧機器等に
用いられるピストンリング、特に金属間化合物より構成
されたピストンリングに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関用ピストンリングとして
は、JIS SUS420J2等のステンレス鋼より構
成されたものが知られている(例えば、特開昭64−3
5055号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在、内燃機関は高回
転化および高出力化の傾向にあり、それに対応してピス
トンリングには軽量化が要求されるが、その構成材料と
してステンレス鋼を用いると、前記要求を満たすことが
できず、またその重量が大きいことに起因して、例えば
機関回転数約5000rpm にてフラッタリング現象を発
生するためブローバイガス量およびオイル消費量が急増
し、したがって限界回転数が低く、機関の高回転化に対
応することができない、という問題がある。
【0004】その上、ステンレス鋼は、機関運転中にお
けるピストンリング周りの雰囲気温度250〜350℃
にて比較的熱伝導率が低いため、ピストンリングを仲介
とするシリンダ壁へのピストンの放熱性が悪い、という
問題もある。
【0005】本発明は前記に鑑み、軽量で、且つ高剛性
であると共に前記雰囲気温度250〜350℃にて高い
熱伝導率を発揮する前記ピストンリングを提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、内燃機関、油
圧機器等に用いられるピストンリングであって、L1 0
型TiAlの体積分率VfがVf≧30%であるTiA
l系金属間化合物より構成されていることを特徴とす
る。
【0007】
【作用】構成材料として、前記構成のTiAl系金属間
化合物を用いると、ピストンリングの機械加工性を良好
にし、またその軽量化を達成し、さらに前記雰囲気温度
250〜350℃における熱伝導率を向上させることが
できる。
【0008】その上、ピストンリングの高剛性化をも達
成し得るので、そのピストンリングは、ピストンへの装
着時において折損することがなく、また長期に亘りへた
りを生じることなく所期の張力を維持し、したがって優
れた耐久性を有する。
【0009】さらに、高剛性化および軽量化に伴い、ピ
ストンリングのフラッタリング現象の発生を抑制して、
その限界回転数を例えば約8000〜約9000rpm に
高めることが可能である。
【0010】ただし、L10 型TiAlの体積分率Vf
がVf<30%になると、ピストンリングの機械加工
性、耐久性および限界回転数の低下を招来し、またピス
トンへの装着時において折損し易くなる。
【0011】
【実施例】図1,2において、ピストンリングとしての
内燃機関用トップリング1はTiAl系金属間化合物よ
り構成される。
【0012】トップリング1の製造に当っては、次のよ
うな方法を採用した。(a)純度99.9%以上の素材
を用意し、その素材をプラズマスカル溶解炉により溶解
してTiAl系金属間化合物組成の溶湯を調製する、
(b)溶湯を用いて直径100mm、厚さ50mmのインゴ
ットを鋳造する、(c)インゴットに、真空中、100
0℃、72時間の均質化処理を施す、(d)トップリン
グの自由時形状に合せてインゴットにくり抜き加工を施
す、(e)インゴットに突切り加工を施して所定の幅を
有するリング素材を得る、(f)リング素材外周面にカ
ム旋削加工を施す、(g)リング素材に切断加工を施し
て合い口2に対応するスリットを形成する、(h)リン
グ素材内周面に旋削加工を施す、(i)リング素材の切
断面および内、外周面に仕上げ加工を施す、(j)リン
グ素材の外周面および両端面にイオンプレーティング処
理を施して、例えば厚さ5μmのTiN層を形成する、
(k)リング素材外周面にラッピング加工を施す。
【0013】このような製造方法に則って、組成および
L10 型TiAl(以下、本欄においてγ相と称す)の
体積分率Vfを異にする各種トップリング1を製造し、
また比較のためJIS SUS420J2より構成され
るトップリング1を製造した。それらトップリング1に
ついて機械加工性の良否、ピストンへの装着時の折損の
有無および高温保持試験(JIS B8032)後の張
力減退の有無を調べ、また比ヤング率およびSUS42
0J2製トップリングに対する重量比を求めたところ、
表1の結果を得た。比ヤング率において、ρは比重(g
/cm3 )である。
【0014】γ相の体積分率Vfは、SEM反射電子組
成像を画像解析してγ相の面積率を求め、その面積率を
数値演算処理することによって算出された。
【0015】表1において、機械加工性の良否は、前記
製造過程で旋削、切断等を支障なく行うことができた場
合を「○」で表わし、一方、旋削等に当り治具、加工方
法等について工夫を要した場合を「△」で表わしてあ
る。
【0016】また前記折損の有無は、トップリング1を
拡張してピストンに装着するときに折損しなかった場合
を「無」、一方、折損した場合を「有」で表わしてあ
る。
【0017】さらに前記張力減退の有無は、トップリン
グ1を装着されたピストンを内燃機関のシリンダ内に組
込んで、300℃、1時間の加熱を行い、常温冷却後ト
ップリング1の張力を測定して、その張力が初期規定範
囲内に収まる場合を「無」、一方、初期規定範囲外にあ
る場合を「有」で表わしてある。なお、前記装着時に折
損したトップリングは高温保持試験からは外されてい
る。
【0018】
【表1】
【0019】表1から明らかなように、トップリング1
の実施例、即ち、例(4)〜(10)の如く、その構成
材料としてγ相の体積分率VfがVf≧30%のTiA
l系金属間化合物を用いると、軽量化および高剛性化を
達成し、また機械加工性を良好にし、さらにピストンへ
の装着時における折損を防止し、その上、高温保持試
験、したがって長期使用による張力減退を回避すること
ができる。
【0020】この張力減退の回避により、トップリング
1による気密性を確保してブローバイガス量およびオイ
ル消費量の低減を図ることができるもので、トップリン
グ1が本来の機能を有効に果している、といえる。
【0021】次に、実施例である例(4),(8)〜
(10)および比較例である例(3),(11)を用い
て機関単体ファイアリング試験を行って、機関回転数と
ブローバイガス量との関係を求めたところ、図3の結果
を得た。内燃機関としては、直列4気筒ガソリン機関、
ボア径72mm、行程76mm、排気量1236ccのものを
使用した。また機関単体ファイアリング試験とは、実際
の運転と同様にガソリンを燃焼させて機関を回転し、そ
の特性を評価する試験を意味する。
【0022】図3から明らかなように、実施例である例
(4),(8),(9)の場合、機関回転数約8000
rpm にてブローバイガス量の増加が認められ、したがっ
て例(4)等の限界回転数は約8000rpm であるとい
える。特に、実施例である例(10)の場合にはその限
界回転数は約9000rpm 以上に高められる。
【0023】これに対し、比較例である例(11)の限
界回転数は約5000rpm といったように低い。これ
は、例(11)では機関回転数約5000rpm 以上でフ
ラッタリング現象が発生しているからである。比較例で
ある例(3)も例(11)と略同様の傾向を示すが、こ
の場合のブローバイガス量の増大は張力減退に起因する
ものである。
【0024】図4は、実施例である例(10)と比較例
である例(11)に関する温度と熱伝導率との関係を示
す。図4より、機関運転中におけるトップリング周りの
雰囲気温度250〜350℃の範囲で、例(10)の方
が例(11)よりも熱伝導率が高いことが判る。これに
よりピストンのシリンダ壁への放熱性を良好にすること
ができる。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、ピストンリング構成材
料として、前記のようにL10 型TiAlの体積分率V
fを特定されたTiAl系金属間化合物を用いることに
より、軽量で、且つ高剛性であると共に機関運転中にお
いて高い熱伝導率を発揮するピストンリングを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トップリングの平面図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【図3】機関回転数とブローバイガス量との関係を示す
グラフである。
【図4】温度と熱伝導率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 トップリング(ピストンリング) 2 合い口
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年12月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関、油圧機器等に用いられるピス
    トンリングであって、L10 型TiAlの体積分率Vf
    がVf≧30%であるTiAl系金属間化合物より構成
    されていることを特徴とする金属間化合物製ピストンリ
    ング。
JP23144993A 1993-09-17 1993-09-17 金属間化合物製ピストンリング Pending JPH0783330A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23144993A JPH0783330A (ja) 1993-09-17 1993-09-17 金属間化合物製ピストンリング
DE1994607525 DE69407525T2 (de) 1993-09-17 1994-09-19 Kolbenring aus TiAl basierender intermetallischer Verbindung und Verfahren zur Oberflächenbehandlung
EP19940114746 EP0645463B1 (en) 1993-09-17 1994-09-19 TiAl-based intermetallic compound piston ring and process for treating the surfaces thereof

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23144993A JPH0783330A (ja) 1993-09-17 1993-09-17 金属間化合物製ピストンリング

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0783330A true JPH0783330A (ja) 1995-03-28

Family

ID=16923706

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JP23144993A Pending JPH0783330A (ja) 1993-09-17 1993-09-17 金属間化合物製ピストンリング

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JP (1) JPH0783330A (ja)

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