JPH0782650A - 拭き布の製造方法および製造装置 - Google Patents

拭き布の製造方法および製造装置

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JPH0782650A
JPH0782650A JP5170940A JP17094093A JPH0782650A JP H0782650 A JPH0782650 A JP H0782650A JP 5170940 A JP5170940 A JP 5170940A JP 17094093 A JP17094093 A JP 17094093A JP H0782650 A JPH0782650 A JP H0782650A
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JP
Japan
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paper sheet
long
sheet
pressure water
wiping cloth
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Application number
JP5170940A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Hashimoto
雅彦 橋本
Shinji Kuno
信司 久野
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面が均一で地合の乱れのない拭き布を製造
する方法および装置を提供する。 【構成】 長繊維不織布シートの表面に紙シートを積層
し、得られた積層物の紙シート側に高圧水柱流を噴射す
ることにより、紙シートを構成するパルプ繊維と長繊維
不織布シートを構成する長繊維とが絡合された拭き布を
得る。積層物に高圧水柱流を噴射するに先立って、紙シ
ートの全面に刺針による穿孔処理を施す。 【効果】 穿孔処理した紙シートの孔から滞留水を排出
し易くし、高圧水柱流の噴射エネルギーを最大限に活用
して、高圧水柱流の積層物に及ぼす作用効果を均一にす
る。その結果、表面が均一で地合の乱れの無い優れた品
質の拭き布が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、使い捨て手拭き、ウェ
ットティシュ、産業用ウエス、ワイパー、使い捨て雑巾
などとして有用な拭き布の製造方法および製造装置に関
する。さらに詳しくは、紙シートと長繊維不織布シート
との積層物に高圧水柱流を施すことによって紙シートを
構成するパルプ繊維と長繊維不織布シートを構成する長
繊維とが絡合された拭き布を製造する方法および装置の
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より使い捨て手拭き等の拭き布とし
て、パルプ繊維を嵩高に集積してなる乾式パルプシート
が知られているが、この乾式パルプシートは水や薬剤等
をしみこませた後の濡れ強度が低く、使用中に破れ易い
という欠点があった。
【0003】一方、使い捨て手拭き等の拭き布として、
レーヨン繊維を崇高に集積した後、レーヨン繊維相互間
をゴム系結合剤で結合した不織布に水等をしみ込ませた
ものも使用されている。この拭き布は、レーヨン繊維相
互間が接合されているので、高い濡れ強度を示すものの
拭き布にゴム系結合剤が含有されているため、悪臭がす
るという欠点があった。また、ゴム系結合剤はざらざら
とした手触りのため、拭き布の使用感が悪いという欠点
もあった。このため、ゴム系結合剤を使用せず、レーヨ
ン繊維相互間を結合させた不織布も提案されている。レ
ーヨン繊維相互間の絡合には、レーヨン繊維が集積され
たウェブに高圧水柱流を施すことが考えられる。このよ
うにして得られた拭き布は悪臭がすることがなく、また
ざらざらした手触り感がない点では好ましい。
【0004】しかしながら、レーヨン繊維よりなる拭き
布には、以下に示すような欠点があった。即ち、レーヨ
ン繊維は親水性に優れているため、拭き布として使用し
た場合、水を良く吸収して膨潤し、その剛性が極端に低
下することである。レーヨン繊維の剛性が低下すれば、
その拭き布自体の剛性も低下し、拭き布を手で把持した
ときの反発力が低下し、使用し難くなる。
【0005】本件出願人は上記欠点を解決するため種々
の研究を行った結果、以下に示すような拭き布の製法に
より、上記欠点を解決することに成功した。即ち、長繊
維不織布シートとパルプ繊維よりなる紙シートを積層し
た後、得られた積層物の紙シート側から高圧水柱流を噴
射することによって長繊維不織布とパルプ繊維とを絡合
させて拭き布を得る方法である(特願平3−20487
5号、特願平4−89650号および特願平4−113
048号等)。この方法により得られる拭き布は、水を
吸収しにくい長繊維が主体となって形態を保持している
ため、使用中に剛性が低下して、手指で把持し難くなる
という欠点はない。
【0006】しかしながら、この拭き布には、その製造
方法に由来する欠点が存在した。すなわち、この技術
は、長繊維不織布シートの表面に紙シートを積層して、
得られた積層物の紙シート側へ向けて高圧水柱流処理を
施すものであり、このとき積層シートを貫通せずに紙シ
ート上に飛散した高圧水はネットコンベア下部に設置し
た吸引装置により排出されるが、紙シートの坪量が大き
くなると、一部の高圧水はシートを透過できず、紙シー
ト上に滞留するために、高圧水柱流の噴射エネルギーが
この滞留水によって遮られてしまう。これが高圧水柱流
処理効果を低下させ、更に繊維ウェブに及ぼす高圧水柱
流の作用効果を不均一にする。要するに、紙シートの坪
量が大きくなると、紙シートの透水性が低下して、滞留
水が生じ易くなり、高圧水柱流処理効果を不均一にする
とともにその効果を低下させるのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
欠点を解決し、シート状積層物の紙シート上の滞留水を
高圧水柱流処理の障害にならない程度に抑えた状態で高
圧水柱流を噴出することにより、高圧水柱流のエネルギ
ーを最大限に活用してシート状積層物に及ぼす高圧水柱
流処理効果を均一ならしめるとともに、該処理効果を向
上せしめ、もって表面に地合の乱れのない優れた品質の
拭き布を得ることができる製造方法および製造装置を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、その一面にお
いて長繊維不織布の表面に紙シートを積層し、得られた
長尺シート状の積層物をコンベアにて移送せしめつつ、
該積層物の紙シート側から長繊維不織布シート側に貫通
するように高圧水柱流処理を施すことにより、該紙シー
トを構成するパルプ繊維と該長繊維不織布を構成する長
繊維とを絡合させる拭き布の製造方法において、長尺シ
ート状の積層物に該高圧水柱流噴射処理を施す前に、該
紙シートの全表面に刺針による穿孔処理を施すことを特
徴とする拭き布の製造方法を提供する。
【0009】本発明は、他の一面において、長繊維不織
布シートの表面に紙シートが積層されてなる長尺シート
状積層物を移送するコンベアと、該コンベアにて移送し
つつある長尺シート状積層物の紙シート側に高圧水柱流
を施す処理装置とを具えた拭き布の製造装置において、
該高圧水柱流噴射処理装置の上流位置に、回転方向およ
び軸方向のピンピッチが5〜30mmの範囲である針ロ
ールからなる紙シート刺針穿孔装置が設けられているこ
とを特徴とする拭き布の製造装置を提供する。
【0010】以下、本発明の拭き布の製造方法および製
造装置について詳細に説明する。本発明において用いら
れる長繊維不織布シートを構成する長繊維としては、従
来公知の熱可塑性樹脂の長繊維を使用することができ
る。そのような長繊維としては、例えば、ポリオレフィ
ン系長繊維、ポリエステル系長繊維、ポリアミド系長繊
維、ポリアクリル酸エステル系長繊維等が挙げられる。
本発明において、長繊維を使用する理由は、長繊維より
なる不織布シートは、短繊維よりなるウェブと比較し
て、引張強度や形態安定性に優れ、また、長繊維の場
合、高圧水柱流処理を施しても、水柱流と共に流失し難
いからである。
【0011】長繊維の繊度は、1〜4デニールが好まし
い。長繊維の繊度が4デニールを超えると、長繊維不織
布の柔軟性が低下し、拭き布として使用した場合の使用
感が低下する。逆に、長繊維の繊度が1デニール未満に
なると、長繊維の製造に厳密な条件が必須になって、長
繊維、ひいては長繊維不織布を高速度で効率よく製造す
ることが困難になる。
【0012】長繊維不織布の坪量は、5〜30g/m2
が好ましい。特に、5〜20g/m2 がより好ましい。
長繊維不織布の坪量が30g/m2 を超えると、紙シー
トと長繊維不織布との積層シートに、紙シート側から長
繊維不織布側に向けて高圧水柱流を施しても、紙シート
を構成するパルプ繊維が長繊維不織布の裏面(紙シート
と当接していない面)に移動しにくくなり、得られる拭
き布の片面にパルプ繊維が偏在した状態となって、パル
プ繊維の少ない面における吸水性が低下する傾向が生じ
る。さらに、パルプ繊維と長繊維との結合が不十分にな
るため拭き布の使用時にパルプ繊維が脱落し易い。逆
に、長繊維不織布の坪量が5g/m2 未満になると、長
繊維不織布の形態安定性が低下し、得られる拭き布の湿
潤強度が低下する傾向がみられる。更に、長繊維相互間
の間隙が大きくなって、高圧水柱流を施したときに、そ
の間隙からパルプ繊維が流出してしまい、使用後の高圧
水柱流を回収した場合、その中にパルプ繊維が大量に混
入する恐れが生じる。
【0013】なお、本発明において使用する長繊維不織
布は、長繊維相互間が自己融着したウェブであってもよ
いし、また長繊維相互間が結合していないフリース状の
ものであってもよい。特に、前者のうちでも、長繊維相
互間が自己融着した点融着区域が、散点状に多数配置さ
れたものが好ましい。この理由は、長繊維相互間が自己
融着している点融着区域を持つため形態安定性に優れる
と共に、点融着区域以外の区域においては長繊維相互間
が自己融着されておらず、自由な状態で集積されている
ため、柔軟性に優れ且つパルプ繊維と良好に絡合しやす
いからである。
【0014】長繊維ウェブを自己融着させるには、従来
公知の方法を用いることができる。例えば、長繊維ウェ
ブを加熱された凹凸ロールと平滑ロールとの間に導入
し、凹凸ロールの凸部が当接した箇所において、長繊維
を溶融または軟化させ、長繊維相互間を融着させる方法
等がある。
【0015】以上のようにして準備した長繊維不織布の
上に紙シートを積層する。この紙シートとしては、従来
公知の任意のものを使用することができる。紙シートの
坪量も、任意であって格別限定されるものではないが、
特にJIS P 8124で示された方法で測定した坪
量が10〜100g/m2 である紙シートが好ましい。
紙シートの坪量が10g/m2 未満であると、パルプ繊
維の絶対量が少なく、得られる拭き布に十分な吸湿性や
保水性を与え難くなる。逆に、紙シートの坪量が100
g/m2 を超えると、パルプ繊維の絶対量が多すぎて、
紙シートに高圧水柱流を施しても、一本一本のパルプ繊
維に長繊維と絡合しうる程度の運動量を与えにくくなる
傾向がみられ、不完全絡合繊維が増加してしまう。更
に、パルプ繊維の絶対量が多すぎて、得られる拭き布の
柔軟性が低下する。
【0016】紙シートを構成するパルプ繊維としては、
針葉樹および広葉樹木材をクラフト法、サルファイト
法、ソーダ法、ポリサルファイド法等で蒸解された未晒
パルプ繊維若しくは晒パルプ繊維、またはグランドパル
プ繊維、ケミメカニカルパルプ繊維、サーモメカニカル
パルプ繊維等の機械パルプ繊維を、単独でまたは混合し
て使用することができる。針葉樹パルプ繊維と広葉樹パ
ルプ繊維とを混合して使用する場合において、その重量
比は、好ましくは、針葉樹パルプ/広葉樹パルプ=10
0〜20/0〜80、より好ましくは100〜40/0
〜60の範囲である。広葉樹パルプが80%を超える
と、高圧水柱流によるパルプの流出量が増加するばかり
でなく、絡合後のシートの柔軟性が低下しがちである。
【0017】本発明で使用される紙シートの密度(JI
S P 8118に示された方法で測定)は0.6g/
cm3 以下が好ましい。より好ましくは0.55g/c
3以下である。紙シートの密度が0.6g/cm3
超えると、紙シートの上から高圧水柱流を施した場合
に、パルプ繊維の運動が抑制され、絡合のために必要な
エネルギー量が増大する。
【0018】この紙シートは、予め準備した長繊維不織
布表面に積層される。この際、長繊維不織布の坪量と紙
シートの坪量(紙シートの坪量はJIS P 8124
に示された方法で測定される)の比が、長繊維不織布:
紙シート=1:1〜1:19となるようにするのが好ま
しい。長繊維不織布:紙シート=1:1未満になると、
長繊維の量に対して、相対的にパルプ繊維の量が少ない
ため得られる拭き布の吸水性や保水性が低下する傾向が
ある。また、長繊維に対して、廉価なパルプ繊維の量が
少ないため、得られる拭き布自体が高価になる。逆に、
長繊維不織布:紙シート=1:19を超えて、紙シート
の坪量が重くなると、紙シートを構成するパルプ繊維の
全てが強固に長繊維と絡合しにくくなり、得られる拭き
布を湿潤させて使用した場合に、パルプ繊維が脱落し易
くなる。
【0019】長繊維不織布の表面に紙シートを積層して
なる長尺シート状積層物は、金網のような透水性構造体
でできた移送用コンベア上に載置されて移送され、長尺
シート状積層物の紙シート側から、長繊維不織布へ高圧
水柱流が貫通するようにして、高圧水柱流を噴射する。
この高圧水柱流は、高圧水柱流処理装置1の微細な直径
のノズル孔を通して、高圧で水を噴出させて得られる。
例えば、孔径0.01mm〜0.3mm程度のノズル孔
を通して、10kg/cm2 〜150kg/cm2 程度
の圧力で水を噴出させて得られる。この高圧水柱流を積
層物に施すと、高圧水柱流は紙シートに衝突する。そし
て、紙シートはまず長繊維不織布上に密着し、次いでこ
の密着した状態で、紙シートの破壊が生じ、紙シートを
構成するパルプ繊維を単離させ、パルプ繊維に曲げやね
じれ等の変形を起こさせると共に、パルプ繊維に運動エ
ネルギーを十分に与え、このパルプ繊維にランダムな運
動を生じさせる。その結果、これらの複合作用によっ
て、パルプ繊維と長繊維不織布中の長繊維とが絡み合
い、更に、このパルプ繊維によって長繊維同士も絡合す
る。以上のようにしてパルプ繊維と長繊維とが絡合した
シートが得られる。
【0020】本発明の要点は、長尺シート状の積層物に
高圧水柱流噴射処理を施すに先立って、紙シートの全表
面に刺針による穿孔処理を施すことにある。刺針穿孔処
理の後に高圧水柱流噴射処理を施すことによって、紙シ
ート上に飛散した一部の高圧水から生じる滞留水が容易
に除去される。そのため、高圧水柱流と紙シートの衝突
点近傍に生じる滞留水が高圧水柱流処理効果を低下させ
るという問題点が解決され、且つ表面に地合の乱れのな
い優れた品質の拭き布が得られる。紙シートの刺針穿孔
処理は紙シートと長繊維不織布とを積層する前に行うこ
とが望ましいが、高圧水柱流噴射処理前であれば積層後
に行ってもよい。
【0021】本発明の製造方法および製造装置を図1に
示す具体例について説明すると、紙シート1はロール8
から引出され、また、長繊維不織布シート4はロール9
から引出される。紙シート1と長繊維不織布シート4は
積層されて、紙シートが上面となるように、金網のよう
な透水性構造体でできた移送用コンベア5に載置されて
移送される。コンベア5上を移送されるシート状積層物
12、高圧水柱流噴射処理装置6によって、その全幅に
亘って高圧水柱流が噴射される。噴射された高圧水の大
部分はシート状積層物とコンベア5を貫通して排水器7
へ排出される。
【0022】ロール8から引出された紙シート1は、長
繊維不織布シート4と積層されるに先立って、刺針穿孔
装置を通ることによって紙シートの全面に連続的に刺針
穿孔処理を受ける。刺針穿孔処理装置は、針ロール2と
受けロール3とを具えている。紙シート1は、針ロール
2の周速と実質的に同じ速度で刺針穿孔処理装置へ送ら
れる。
【0023】針ロール2の外周面には多数の針(ピン)
が植えられており、その回転方向および軸方向ともに5
〜30mmの範囲とする。ピンピッチが5mm未満であ
ると、紙シートの強度低下による断紙を生じ易く、地合
も凹凸が大きく乱れたものとなる。また、ピンピッチが
30mmを超えると、高圧水柱流より生じる滞留水が紙
シートの孔から排出され難くなり、その滞留水が障害と
なって高圧水柱流のエネルギーが低下するため、積層シ
ートへの高圧水柱流処理効果は不均一となってシートの
地合を悪化させる。
【0024】紙シートに対するピンの挿入距離(深さ)
は2mm〜7mmが好ましい。ピンの挿入距離が2mm
未満であると、紙シートに一度、開口処理を施しても、
長繊維不織布シートと積層した際に孔がふさがり易くな
る。また、ピンの挿入距離が7mmを超えると、ピンが
紙シートに食い込み過ぎて針ロールの送り出し部分でピ
ンの抜けが悪くなるため、紙シートが断紙し易くなる。
【0025】針ロールのピン径は、ピンが紙シートに挿
入される部分がφ0.50〜1.20mmの範囲である
ことが好ましい。ピン径がφ0.50mm未満である
と、孔が小さく、紙シート上の水の表面張力の作用が大
きくなり、滞留水が紙シートの孔から排出され難くな
る。また、ピン径φ1.20mmを超えると、滞留水が
排出され易くなるものの、紙シート上の凹凸が大きくな
り、地合が乱れて外観が悪くなる。受けロール3として
は、針ロールとの衝撃を緩衝するブラシロールやゴムロ
ールあるいはフェルトロール等の使用が好ましい。
【0026】以上にして得られた拭き布は、パルプ繊維
と長繊維が絡合されて一体化したものである。そして、
この拭き布には、所望に応じて、水やプロピレングリコ
ールなどの湿潤剤、アルコール類やパラ安息香酸などの
抗菌剤、防黴剤、香料などの薬剤が付与されて、工業用
ワイパー、ウエス、カウンタークロス、ウェットティッ
シュなどの拭き布として使用される。
【0027】
【実施例】
実施例1 ポリプロピレン長繊維が集積されてなり、且つポリプロ
ピレン長繊維相互間が自己融着された点融着区域を多数
持つ長繊維不織布シートと針葉樹晒クラフトパルプ繊維
を用いて乾式抄紙して得られた紙シートを準備した。こ
の長繊維不織布を構成する長繊維の繊度は2.3デニー
ルであり、長繊維不織布シートの坪量は10g/m2
紙シートの坪量は60g/m2 であった。一対の針ロー
ルとブラシロールの間に紙シートを通し、シート全幅に
連続的に穿孔処理した後、この紙シートと長繊維不織布
シートを積層した。針ロールのピンピッチは回転方向お
よび軸方向ともに5mm、ピンの挿入距離は4mm、ピ
ン径は1.00mmである。
【0028】次いで、孔の開いた紙シートを上に、長繊
維不織布を下に位置するようにして、金網で形成された
移送コンベア上に載置した。次いで、この積層シートを
30m/分の速度で移送させながら、孔径0.1mmの
ノズル孔が1mm間隔で並んでいる高圧水柱流噴射処理
装置を用いて、50kg/cm2 の水圧で高圧水柱流を
噴射させ、紙シートの表面に高圧水柱流を施した。以上
のようにして、紙シートを構成しているパルプ繊維と長
繊維とが絡合し、一体化された拭き布を得た。
【0029】実施例2 紙シートの坪量を90g/m2 に変更し、ピンピッチが
回転方向および軸方向ともに10mmである針ロールを
用いた他は実施例1と同様の方法で拭き布を得た。
【0030】実施例3 紙シートの坪量を30g/m2 に変更し、ピンピッチが
回転方向および軸方向ともに15mmである針ロールを
用いた他は実施例1と同様の方法で拭き布を得た。
【0031】比較例1 紙シートに一対の針ロールと受けロールによる穿孔処理
を施さなかった他は実施例2と同様の方法で拭き布を得
た。
【0032】比較例2 ピンピッチが回転方向および軸方向ともに3mmである
針ロールを用いた他は実施例1と同様の方法で拭き布を
得た。
【0033】比較例3 ピンピッチが回転方向および軸方向ともに40mmであ
る針ロールを用いた他は実施例1と同様の方法で拭き布
を得た。
【0034】実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた
拭き布を下記のテストに供し、その品質を評価した。こ
の結果を表1に示した。
【0035】
【表1】
【0036】拭き布の品質は以下の方法によって評価し
た。 1)拭き布の表面状態:拭き布の表面の均一性をモニタ
ー15人による目視で評価した。官能評価は、次の5段
階で行い、平均値を求めた。5…極めて均一であった。
4…均一であった。3…若干不均一な部分がみられるも
のの、概ね均一であった。2…不均一な部分が多かっ
た。1…全体的に不均一な部分が極めて多かった。
【0037】2)繰り返し使用性:拭き布を水に浸漬し
た後、軽く絞り、ついで手で揉むという操作を繰り返し
て、官能評価した。官能評価は、次の5段階で行った。
5…拭き布の強度は殆ど低下せず、十分に繰り返し使用
可能であった。4…拭き布の強度は若干低下したもの
の、繰り返し使用可能であった。3…拭き布の強度が、
数回程度の繰り返し使用には耐えられなかった。2…拭
き布の強度が低下し、繰り返し使用可能とは言えなかっ
た。1…拭き布の強度低下が激しく、繰り返し使用は不
可能であった。
【0038】実施例1で得られた拭き布は、その製造条
件により高圧水柱流と紙シートの衝突点近傍に発生する
滞留水をほぼ完全に排出できたため、表面状態、繰り返
し使用性ともに優れるものであった。実施例2で得られ
た拭き布は、紙シートの坪量の増加にともない紙シート
の透水性が低下したことも影響して、滞留水を十分に排
出できず、高圧水柱流噴射処理に若干のムラを生じたた
め、表面状態、繰り返し使用性に若干劣るものとなっ
た。実施例3で得られた拭き布は、針ロールのピンピッ
チが大きくなったものの高圧水柱流の障害となる滞留水
をかなり排出できたため、表面状態、繰り返し使用性と
もに良好であった。
【0039】実施例1〜3と比較例1〜3を比較する
と、比較例1の条件では、シート上の滞留水をほとんど
排出できず、滞留水が部分的に障害となって、高圧水柱
流噴射処理効果が低下した。そのため、これにより得ら
れた拭き布は、長繊維とパルプ繊維との絡合が不均一と
なり、ムラの大きな表面状態で、繰り返し使用性も劣る
ものとなった。比較例2の条件では、ピンピッチを5m
mと小さくしたことによって開孔部分が増加し、滞留水
が排出され易くなったものの、紙シートの強度低下を招
き、搬送中の紙シートが断紙し易くなった。そのうえ、
紙シート表面の細かな凹凸が増加したため、シートの地
合が悪化した。これらの結果、比較例2で得られた拭き
布は、繰り返し使用性に優れるものの、表面状態は著し
く劣るものとなった。比較例3の条件で、ピンピッチを
40mmに変えたものは、シート上の開孔部分は滞留水
を概ね排出するのに十分とは言えず、高圧水柱流効果を
有効的に発揮できないため、これにより得られた拭き布
は表面状態、繰り返し使用性に劣るものであった。
【0040】
【作用及び発明の効果】以上説明したように、本発明に
よる拭き布の製造においては、長繊維不織布シートの表
面に紙シートを積層し高圧水柱流噴射処理を施すに先立
って、紙シートに刺針穿孔処理を施し、紙シート上に発
生する滞留水を排出し易くするものである。この結果、
積層シートへ高圧水柱流を噴射したとき、高圧水柱流が
滞留水に遮られて積層シートに不均一に適用されること
が防止され、且つ表面に地合の乱れのない優れた品質の
拭き布を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係わる拭き布の製造方法および
製造装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 紙シート 2 針ロール 3 受けロール 4 長繊維不織布シート 5 コンベア 6 高圧水柱流噴射処理装置 7 排水器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】一方、使い捨て手拭き等の拭き布として、
レーヨン繊維を高に集積した後、レーヨン繊維相互間
をゴム系結合剤で結合した不織布に水等をしみ込ませた
ものも使用されている。この拭き布は、レーヨン繊維相
互間が接合されているので、高い濡れ強度を示すものの
拭き布にゴム系結合剤が含有されているため、悪臭がす
るという欠点があった。また、ゴム系結合剤はざらざら
とした手触りのため、拭き布の使用感が悪いという欠点
もあった。このため、ゴム系結合剤を使用せず、レーヨ
ン繊維相互間を結合させた不織布も提案されている。レ
ーヨン繊維相互間の絡合には、レーヨン繊維が集積され
たウェブに高圧水柱流を施すことが考えられる。このよ
うにして得られた拭き布は悪臭がすることがなく、また
ざらざらした手触り感がない点では好ましい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】本発明の製造方法および製造装置を図1に
示す具体例について説明すると、紙シート1はロール8
から引出され、また、長繊維不織布シート4はロール9
から引出される。紙シート1と長繊維不織布シート4は
積層されて、紙シートが上面となるように、金網のよう
な透水性構造体でできた移送用コンベア5に載置されて
移送される。コンベア5上を移送されるシート状積層物
に対し、高圧水柱流噴射処理装置6によって、その全幅
に亘って高圧水柱流が噴射される。噴射された高圧水の
大部分はシート状積層物とコンベア5を貫通して排水器
7へ排出される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】実施例1〜3と比較例1〜3を比較する
と、比較例1の条件では、シート上の滞留水をほとんど
排出できず、滞留水が部分的に障害となって、高圧水柱
流噴射処理効果が低下した。そのため、これにより得ら
れた拭き布は、長繊維とパルプ繊維との絡合が不均一と
なり、ムラの大きな表面状態で、繰り返し使用性も劣る
ものとなった。比較例2の条件では、ピンピッチを
mと小さくしたことによって開孔部分が増加し、滞留水
が排出され易くなったものの、紙シートの強度低下を招
き、搬送中の紙シートが断紙し易くなった。そのうえ、
紙シート表面の細かな凹凸が増加したため、シートの地
合が悪化した。これらの結果、比較例2で得られた拭き
布は、繰り返し使用性に優れるものの、表面状態は著し
く劣るものとなった。比較例3の条件で、ピンピッチを
40mmに変えたものは、シート上の開孔部分は滞留水
を概ね排出するのに十分とは言えず、高圧水柱流効果を
有効的に発揮できないため、これにより得られた拭き布
は表面状態、繰り返し使用性に劣るものであった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長繊維不織布シートの表面に紙シートを
    積層し、得られた長尺シート状の積層物をコンベアにて
    移送せしめつつ、該積層物の紙シート側から長繊維不織
    布シート側に貫通するように高圧水柱流を噴射すること
    により、該紙シートを構成するパルプ繊維と該長繊維不
    織布シートを構成する長繊維とを絡合させる拭き布の製
    造方法において、長尺シート状の積層物に該高圧水柱流
    噴射処理を施す前に、該紙シートの全表面に刺針による
    穿孔処理を施すことを特徴とする拭き布の製造方法。
  2. 【請求項2】 長繊維不織布シートの表面に紙シートが
    積層されてなる長尺シート状積層物を移送するコンベア
    と、該コンベアにて移送しつつある長尺シート状積層物
    の紙シート側に高圧水柱流を噴射する処理装置とを具え
    た拭き布の製造装置において、該高圧水柱流噴射処理装
    置の上流位置に、回転方向および軸方向のピンピッチが
    5〜30mmの範囲である針ロールからなる紙シート刺
    針穿孔装置が設けられていることを特徴とする拭き布の
    製造装置。
JP5170940A 1993-06-18 1993-06-18 拭き布の製造方法および製造装置 Pending JPH0782650A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100944739B1 (ko) * 2002-07-16 2010-03-03 파이버웹 코로빈 게엠베하 액체 투과성 부직포 천공장치 및 방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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