JPH078229Y2 - リボン切替装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、プリンタに使用されるリボン切替装置に関
する。

従来の技術 従来、第３図に示すように、印字部を保持するキヤリア
（図示せず）に、この印字部の前面に引出されたリボン
を摺動自在に保持するリボンガイド100をキヤリアの移
動方向と直交するＡ方向に摺動自在に嵌合し、このリボ
ンガイド100をキヤリアの移動方向に沿つて摺動自在に
保持するリボンシフトシヤフト101の両端を保持する左
右一対のシフトアーム102をキヤリアの移動方向と直交
するＢ方向に揺動自在に設け、これらのシフトアーム10
2の側面にローラ103を設け、これらのローラ103に係合
する溝カム104にギヤ105,106を介して回転力を伝達する
正逆回転自在のモータ107を設けたリボン切替装置が存
する。

したがつて、長手方向に沿つて複数色の印字ゾーンに色
分けされたカラーリボンを用いた場合には、モータ107
により溝カム104を回転させシフトアーム102を揺動させ
てリボンガイド100をＡ方向に変位させ、リボンの所望
のゾーンを印字部に対向させることにより、多色印字が
なされる。

考案が解決しようとする問題点 しかし、製作誤差により左右のシフトアームの寸法や取
付位置が異なり、これに伴いキヤリアの移動方向に対す
るリボンシフト101の平行度にバラツキが生じる。これ
により、リボンガイド100及びリボンがキヤリアの移動
方向に対して傾斜して移動することになり、多色印字の
場合は混色が生じる。

問題点を解決するための手段 印字部を保持してプラテンに沿つて移動するキヤリアに
リボンの一部を摺動自在に保持するリボンガイドを前記
キヤリアの移動方向と直交する方向に変位自在に設け、
前記リボンガイドを前記キヤリアの移動方向に沿わせて
摺動自在に係合させるリボンシフトシャフトを設け、こ
のリボンシフトシヤフトの両端を保持する左右一対のシ
フトアームを前記キヤリアの移動方向と直交する方向に
駆動する駆動機構を設け、少なくとも前記シフトアーム
の一方を二つの分割体に分割し、これらの分割体に互い
に前記キヤリアの移動方向と直交する方向の動作を許容
する案内部を形成するとともに両者を固定する固定部を
設ける。

作用 したがつて、駆動機構により左右のシフトアームをリボ
ンシフトアームとともに変位させてリボンガイドをキヤ
リアの摺動方向と直交する方向に変位させることによ
り、印字部に対向するリボンの部分が選択されて多色印
字がなされるが、シフトアームを形成する分割体を案内
部により相対的に変位させて固定部により任意位置で固
定することにより、キヤリアの移動方向に対するリボン
シフトシヤフトの平行度が調整され、したがつて、リボ
ンはキヤリアの移動方向に対して平行に送られるため混
色が防止される。

実施例 この考案の一実施例を第１図及び第２図に基づいて説明
する。相対向するフレーム1,2に保持されるキヤリアシ
ヤフト３が架設されているとともに、キヤリアガイドシ
ヤフト3aが回転自在に支承されている。また、フレーム
1,2には左右一対のシフトアーム4,5を回動自在に保持す
る支軸６が立設され、これらの支軸６にはシフトアーム
4,5を一方向へ付勢する捻じりばね７が巻回されてい
る。また、これらのシフトアーム4,5にはリボンカセツ
ト８を着脱自在に保持するカセツトホルダ９が取付けら
れているとともに、外側に突出するローラ10が回転自在
に保持されている。そして、フレーム1,2にはブラケツ
ト11,12が螺子止めされ、これらのブラケツト11,12に
は、前記キヤリアガイドシヤフト3aと一体的に回転する
ギヤ13と、これらのギヤ13に噛合されるギヤ14を有する
溝カム15とが回転自在に支承されている。また、左右の
ブラケツト11にはギヤ13に噛合されたギヤ16を駆動する
正逆回転自在のモータ17が螺子止めされている。さら
に、左右の溝カム15にはその回転中心からの半径が連続
的に変化して前記ローラ10を保持する溝18が形成されて
いる。すなわち、モータ17とギヤ13,14,16と溝カム15と
キヤリアガイドシヤフト3aとによりシフトアーム4,5を
揺動させる駆動機構19が形成されている。

前記キヤリアシヤフト３とキヤリアガイドシヤフト3aと
に摺動自在に嵌合されたキヤリア20には、上方へ突出す
る二本の案内軸21が立設されている。そして、キヤリア
20にはリボンガイド22が上下方向に摺動自在に保持され
いる。このリボンガイド22は、案内軸21に上下動自在に
保持された上部ブロツク23と、キヤリア20の前面に形成
された案内部（図示せず）に上下動自在に保持された下
部ブロツク24とよりなり、上部ブロツク23には複数の係
止爪25が一体的に形成され、これらの係止爪25が弾発的
に係合する係止部26が下部ブロツク24に形成されてい
る。

さらに、左右のシフトアーム4,5には、下部ブロツク24
をキヤリア20の移動方向に沿わせて摺動自在に係合させ
るリボンシフトシヤフト27の両端部を保持する切欠28が
形成されている。しかして、右側のシフトアーム５は大
小二つの分割体29,30に分割され、大きい方の分割体29
には突起による案内部31が形成され、小さい方の分割体
30には案内部31と嵌合する小孔による案内部32及び切欠
28が形成されている。また、これらの分割体29,30には
両者を固定する固定部33が設けられている。この固定部
33は、分割体30に案内部32を半径の中心として形成され
た弧状孔34と、分割体29に形成された螺子孔35と、弧状
孔34に挿入されて螺子孔35に螺合される締付螺子36とよ
りなる。

さらに、キヤリア20には環状のベルト37の一部が固定さ
れている。このベルト37は、図示しないがキヤリアモー
タに駆動されるプーリに巻回されて回転することによ
り、キヤリア20を往復動させるものである。さらに、リ
ボンカセツト８から引き出されたリボン38はリボンガイ
ド22の上部ブロツク23に摺動自在に保持されている。こ
のリボン38はその長手方向に沿つて複数のゾーンに色分
けされている。

このような構成において、左右のシフトアーム4,5の寸
法及びフレーム1,2に対する取付関係にバラツキが生じ
たとしても、一方のシフトアーム５の締付螺子36を緩
め、案内部31,32と中心として分割体29,30を回動させる
ことにより、キヤリアシヤフト３やキヤリアガイドシヤ
フト3aに対してリボンシフトシヤフト27を平行に調整す
ることができる。すなわち、キヤリア20とリボンガイド
22とを平行に移動させるための調整作業が容易に行われ
る。

そして、キヤリア20を移動させる過程でキヤリア20に搭
載された印字ヘツドにより印字がなされる。この時、キ
ヤリア20に上下動自在に保持されたリボンガイド22はリ
ボンシフトシヤフト27に沿つて摺動する。また、モータ
17により溝カム15を回転させると、シフトアーム4,5が
リボンシフトシヤフト27とともに支軸６を中心に上下方
向に回動するため、リボンガイド22がリボン38とともに
上下方向へ移動する。すなわち、リボン38の選択された
色のゾーンが印字ヘツドの前面に対向することにより、
印字色の切替がなされるが、前述したように、リボンシ
フトシヤフト27及びリボンガイド22の移動方向がキヤリ
ア20の移動方向に対して平行状態に維持させるため、シ
フトアーム4,5を回動させない限り印字ヘツドの位置に
よつてリボンガイド22及びリボン38の位置が変わること
がなく、したがつて、多色印字に際して混色を防止する
ことができる。

考案の効果 この考案は上述のように構成したので、駆動機構により
左右のシフトアームをリボンシフトアームとともに変位
させてリボンガイドをキヤリアの摺動方向と直交する方
向に変位させることにより、印字部に対向するリボンの
部分が選択されて多色印字がなされるが、シフトアーム
を形成する複数の分割体を案内部により互いに相対的に
変位させて固定部により任意位置で固定することによ
り、キヤリアの移動方向に対するリボンシフトシヤフト
の平行度を容易に調整することができ、したがつて、多
色印字をする時にリボンをキヤリアの移動方向に対して
平行に送つて混色を防止することができる効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はこの考案の一実施例を示すもので、
第１図は分解斜視図、第２図は側面図、第３図は従来例
を示す側面図である。 4,5……シフトアーム、19……駆動機構、20……キヤリ
ア、22……リボンガイド、27……リボンシフトシヤフ
ト、29,30……分割体、31,32……案内部、33……固定
部、38……リボン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】印字部を保持してプラテンに沿つて移動す
   るキヤリアにリボンの一部を摺動自在に保持するリボン
   ガイドを前記キヤリアの移動方向と直交する方向に変位
   自在に設け、前記リボンガイドを前記キヤリアの移動方
   向に沿わせて摺動自在に係合させるリボンシフトシヤフ
   トを設け、このリボンシフトシヤフトの両端を保持する
   左右一対のシフトアームを前記キヤリアの移動方向と直
   交する方向に駆動する駆動機構を設け、少なくとも前記
   シフトアームの一方を二つの分割体に分割し、これらの
   分割体に互いに前記キヤリアの移動方向と直交する方向
   の動作を許容する案内部を形成するとともに両者を固定
   する固定部を設けたことを特徴とするリボン切替装置。