JPH0781485A - 自動車における収納装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車Ａの車体ａに積み込む物を、トランク
ルーム内に収納せしめて自動車に積み込む際に、トラン
クルーム内の容量を効率的に利用して、多種類の物を、
積み重ねた状態として多量に収納でき、かつ、その物が
整理された状態として収納され、しかも、上方に積み込
まれた物を取り出すことなく、必要とする物だけを簡単
に取り出せるようにする。 【構成】 自動車Ａの車体ａの後部に形成されたトラン
クルームｂ内に、上面側が開放する浅い平箱状に形成し
た複数の棚段１…を、多段に積み重ねて装入し、それら
棚段１…をそれらの左右の両側に配位せるパンタグラフ
機構２に、その機構２のリンク杆２０…の連結軸２ａ…
２ｂ…を介して連繋するとともに、少なくとも２段目以
上の棚段１…と前記リンク杆２０…の連結軸２ａ…２ｂ
…との連繋を前後方向に移動自在とし、最下位の棚段１
の前端寄りの部位と最上位の棚段１の後端寄りの部位と
を、伸縮するガススプリング３により前後方向に傾斜さ
せて連繋する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車のボンネットに
より開閉するトランクルーム内に装置する収納装置につ
いての改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車のトランクルーム内に、種々の物
を、整理された状態で収納するための収納装置として、
従来から収納箱が用いられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述の収納箱を用いる
手段は、収納箱の内部の容量が限られていることと、そ
れの開閉蓋を開放させるときに、自動車のトランクルー
ムの天井部に開閉蓋が干渉するようになることが多いこ
とで、物を、収納箱に詰めてトランクルーム内に収納せ
しめることにより自動車に積み込む場合に、その積み込
む物を、整理された状態として収納せしめ得るようには
なるが、かえって、収納箱の機壁分だけトランクルーム
の容量を狭める問題と、積み込んだ物を取り出すとき
に、収納箱をトランクルームから持ち出さなければなら
ず、物の取出し操作が面倒になる問題がある。

【０００４】

【目的】本発明は、自動車のトランクルーム内に物を収
納する際に生じている上述の問題を解消せしめるために
なされたものであって、物を、トランクルーム内に収納
せしめて自動車に積み込む際に、トランクルーム内の容
量を効率的に利用して、多種類の物を、積み重ねた状態
として多量に収納でき、かつ、その物が整理された状態
として収納され、しかも、上方に積み込まれた物を取り
出すことなく、必要とする物だけを簡単に取り出せるよ
うにする新たな収納手段を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そして、本発明において
は、上述の目的を達成するための手段として、自動車の
車体の後部に形成されたトランクルーム内に、上面側が
開放する浅い平箱状に形成した複数の棚段を、多段に積
み重ねて装入し、それら棚段をそれらの左右の両側に配
位せるパンタグラフ機構に、その機構のリンク杆の連結
軸を介して連繋するとともに、少なくとも２段目以上の
棚段と前記リンク杆の連結軸との連繋を前後方向に移動
自在とし、最下位の棚段の前端寄りの部位と最上位の棚
段の後端寄りの部位とを、伸縮するガススプリングによ
り前後方向に傾斜させて連繋してなる自動車における収
納装置を提起するものである。

【０００６】

【実施例】次に実施例を図面に従い詳述する。図１は、
本発明を実施せる自動車Ａの斜視図で、ａは車体、ｂは
車体ａに設けてあるトランクールーム、ｃはトランクル
ームｂを開閉するボンネット、Ｂはトランクルームｂ内
に装置せる収納装置を示す。

【０００７】トランクルームｂは、車体ａの後部に、ボ
ンネットｃの回動作動で開閉するよう設けられている通
常のものである。

【０００８】収納装置Ｂは、自動車Ａのトランクルーム
ｂ内に載置し得る広さの浅い平箱状に形成した上面側が
開放する棚段１…を多段に積層して、それら棚段１…
を、それらの左右の両側面に配設した上下方向に伸縮す
るパンタグラフ機構２により連繋し、かつ、最上位の棚
段１の側面と、最下位の棚段１の側面とを、左右の両側
に配位したガススプリング３によりそれぞれ連繋して、
そのガススプリング３の伸長作動によるパンタグラフ機
構２の伸長により、積層する各棚段１…が、図３に示し
ている如く、上下に間隔Ｌをあけて多段に並列する状態
となり、また、そのガススプリング３の収縮作動による
パンタグラフ機構２の収縮によって、各棚段１…が、図
２の如く、密に重合して積層した状態となるようにして
ある。

【０００９】そして、各棚段１…の側面に対するパンタ
グラフ機構２のリンク杆２０…に対する連繋は、上下に
伸縮するパンタグラフ機構２の下端においては、リンク
杆２０…の連結軸２ａ・２ｂのうちの、前方に位置する
側の連結軸２ａを最下位の棚段１の側面に対し、位置を
固定して固定支軸となるように連繋し、後方に位置する
側の連結軸２ｂを、それに設けたコロ２１と、図４に示
す如く、棚段１の左右のフレーム１０・１０に設けた前
後方向のガイドレール１１・１１との嵌合により、この
連結軸２ｂがガイドレール１１に沿い摺動することで、
パンタグラフ機構２の伸縮作動が行なわれるようにす
る。

【００１０】しかし、２段目以上の棚段１…とパンタグ
ラフ機構２のリンク杆２０…との連結は、前方に位置す
る連結軸２ａと後方に位置する連結軸２ｂとの両方を、
棚段１の側面のフレームを兼ねて形成してあるガイドレ
ール１１に、コロ２１…を介して前後に移動自在に嵌合
させてあり、かつ、このガイドレール１１…の各前端側
の終端を規制するストッパー４が、図２にあるように、
上位の棚段１となるに従い、順次前方に偏位していくよ
うに配設してある。

【００１１】そしてまた、最上位の棚段１と最下位の棚
段１との間に渡架するガススプリング３にあっては、下
端側の支点軸３０を最下位の棚段１の前端寄りの部位に
連繋し、上端側の支点軸３１を最上位の棚段１の後端寄
りの部位に連繋して、このガススプリング３が伸長して
パンタグラフ機構２を伸長作動させて各棚段１…を持ち
上げていくときに、その棚段１…を後方に向けて押し出
し、図３に示している如く、上位側の棚段１…がトラン
クルームｂの後方の上方に向けて突出してくるようにし
てある。

【００１２】なお、棚段１…の後方への移動を規制する
ストッパー４…は、図３に示している２段目の棚段１の
ように、パンタグラフ機構２の伸長作動により上昇した
ときにトランクルームｂの天井部に対して干渉すること
がないようになる棚段１については、最下位の棚段１に
対する連結軸２ａの直上位置に設けて、図３にて鎖線に
示す如く、パンタグラフ機構２の伸長作動により上昇す
るだけにする場合がある。

【００１３】また、棚段１…の床板１２は、棚段１のフ
レームに対して別体に形成してあって、棚段１のフレー
ム内に落し込み、左右の側縁部に形設した係止縁１２０
を、左右のフレーム１０・１０の下端部に形設せるガイ
ドレール１１の上面に係止することで、棚段１に組付け
てあって、上方に押し上げることにより棚段１から外れ
るようになっている。そして、これにより、例えば、棚
段１…内に収容させる物の上下の寸法が、棚段１の上下
の深さより大きい場合に、その棚段１の上位の棚段１の
床板１２を外すことで、収納が支障なく行なえるように
してある。

【００１４】このように構成せる実施例装置は次のよう
に作用する。収納装置Ｂは、自動車Ａの車体ａの後部に
設けてあるトランクルームｂを、ボンネットｃの開放回
動により開放して、それの内部に、図２に示している如
く、ガススプリング３を押し縮めて、各棚段１…が密に
重合している状態として装入しておく。このとき、ガス
スプリング３の下端の支点軸３０を軸支している最下位
の棚段１の前端側がトランクルームｂの内腔の前端側に
位置し、ガススプリング３の上端側の支点軸３１を軸支
している最上位の棚段１の後端側が、トランクルームｂ
の内腔の後端側に位置するようにする。

【００１５】この収納装置Ｂの各棚段１…内に物を収納
するときは、ボンネットｃを開放回動させて、トランク
ルームｂを開放し、最上位の棚段１を持ち上げ勝手とす
る。これにより、パンタグラフ機構２が伸長作動して、
各棚段１…を均等する間隔をおいて上下に並列する状態
とし、同時に伸び勝手にバランスしているガススプリン
グ３が伸長して、この各棚段１…を持ち上げた状態を保
持するようになる。

【００１６】このとき、ガススプリング３の伸長の方向
が、後方の上方に向う斜め方向となっていることで、最
上位の棚段１を、後方に向けて押し出していくようにな
り、これにより、パンタグラフ機構２との連結軸２ａ・
２ｂに設けたコロ２１・２１がガイドレール１１に対し
て後方に転動していくことで、この最上位の棚段１は、
トランクルームｂの後方の上方に押し出されていく。

【００１７】そして、中間の棚段１…は、この最上位の
棚段１の移動作動に追従して、前位の連結軸２ａ…に設
けたコロ２１…が、各ガイドレール１１…に設けてある
ストッパー４…に突き当るまで後方の上方に向けて移動
していく。このときの中間の棚段１…の移動作動に円滑
を欠く場合は、手で、後方に引き出すようにするか、最
上位の棚段１との間に、紐５または、コイルバネ等を渡
架しておくようにする。

【００１８】収納装置Ｂの各棚段１…内に対する物の収
納は、この図３の状態において行なう。これにより、収
納すべき物は、種類ごとに整理して各棚段１…内に収納
される。

【００１９】そして、この収納作業が終了したところ
で、最上位の棚段１を押し下げていけば、各棚段１…は
ガススプリング３およびパンタグラフ機構２の作動によ
って、図２の如く密に重合した状態に戻り、ボンネット
ｃの閉塞回動によりトランクルームｂ内への物の積み込
みが終了する。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明における自
動車における収納装置は、自動車Ａのトランクルームｂ
内に載置し得る広さで上面側が開放する浅い平箱に形成
した複数の棚段１…を、多段に積み重ねて、それら棚段
１…を、それらの左右の両側に配位した上下に伸縮する
パンタグラフ機構２との連繋により、それら棚段１…の
間に距離Ｌをおいた状態と密に重合する状態とに切り換
わるよう昇降自在とし、かつ、最上位の棚段１と最下位
の棚段１との間にガススプリング３を渡架して、パンタ
グラフ機構２が伸長作動した状態に保持せしめるように
する際に、パンタグラフ機構２のリンク杆２０…の前後
の連結軸２ａ…２ｂ…と各棚段１…との連繋を、少なく
とも２段目以上の棚段１に対して連結軸２ａ…２ｂ…が
前後方向に可動にしてある。また、ガススプリング３
は、下端側を最下位の棚段１の前端寄りの部位に連繋
し、上端側を最上位の棚段１の後端寄りの部位に連繋し
てある。

【００２１】このため、ガススプリング３を伸長させて
各棚段１を上昇させると、各棚段１…は上位側に位置す
るに従い後方の上方に持ち上げられて、各棚段１…が、
ボンネットｃの開放回動により開放したトランクルーム
ｂの後方の上方の空間に突出してくるようになり、多段
に積層した棚段１…内に対する物の収納および取出し
が、整理した状態で楽に行なえるようになる。

【００２２】従って、自動車Ａの車体ａに積み込む物
を、トランクルーム内に収納せしめて自動車に積み込む
際に、トランクルーム内の容量を効率的に利用して、多
種類の物を、積み重ねた状態として多量に収納でき、か
つ、その物が整理された状態として収納され、しかも、
上方に積み込まれた物を取り出すことなく、必要とする
物だけを簡単に取り出せるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施せる自動車の斜視図である。

【図２】同上自動車の要部の一部破断した側面図であ
る。

【図３】同上要部のボンネットを開放した棚段を上昇さ
せた状態の一部破断した側面図である。

【図４】棚段の縦断後面図である。

【符号の説明】

Ａ…自動車、Ｂ…収納装置、ａ…車体、ｂ…トランクル
ーム、ｃ…ボンネット、Ｌ…距離、１…棚段、１０…フ
レーム、１１…ガイドレール、１２…床板、１２０…係
止縁、２…パンタグラフ機構、２ａ・２ｂ…連結軸、２
０…リンク杆、２１…コロ、３…ガススプリング、３０
・３１…支点軸、４…ストッパー、５…紐。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車Ａの車体ａの後部に形成されたト
   ランクルームｂ内に、上面側が開放する浅い平箱状に形
   成した複数の棚段１…を、多段に積み重ねて装入し、そ
   れら棚段１…をそれらの左右の両側に配位せるパンタグ
   ラフ機構２に、その機構２のリンク杆２０…の連結軸２
   ａ…２ｂ…を介して連繋するとともに、少なくとも２段
   目以上の棚段１…と前記リンク杆２０…の連結軸２ａ…
   ２ｂ…との連繋を前後方向に移動自在とし、最下位の棚
   段１の前端寄りの部位と最上位の棚段１の後端寄りの部
   位とを、伸縮するガススプリング３により前後方向に傾
   斜させて連繋してなる自動車における収納装置。