JPH0780156B2

JPH0780156B2 - 布類の裁断装置

Info

Publication number: JPH0780156B2
Application number: JP14417686A
Authority: JP
Inventors: 秀雄岩瀬
Original assignee: 岩瀬プリンス株式会社
Priority date: 1986-06-20
Filing date: 1986-06-20
Publication date: 1995-08-30
Anticipated expiration: 2010-08-30
Also published as: JPS632692A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、積層状態や布やこれに類するシート等（以
下、布類という）を裁断する裁断装置に関する。

〔従来の技術〕

多数の布類を積層して一度に裁断する従来の裁断装置
は、移動自在に構成された機枠に、裁断機を固定したス
ライド部材が、上記機枠の移動方向に直交する方向に移
動自在に設けられ、機枠の移動と、該機枠に対するスラ
イド部材の移動によって裁断機を縦横斜めに動かして、
支持台上の布類を裁断することができる構成とされてい
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところが、上記従来の裁断装置は、上述のように裁断機
がスライド部材に固定されており、上下に動かすことが
できなかったため、長さが等しい１種の裁断刃しか使う
ことができず、布類の積層高さ（厚さ）の変化に対する
順応性がない上、裁断作業の途中において裁断刃を研摩
することが難しく、また一つの裁断箇所から他の裁断箇
所に裁断機を空送りできず、作業性に劣るという問題点
があった。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、移動自在な機枠に、スライドベースを上記機
枠の移動方向に直交する方向に移動自在に設け、該スラ
イドベースに、旋回用駆動モータによって旋回させられ
る旋回筒を、昇降装置を介して昇降自在に設けるととも
に、裁断刃を交換自在に備えた裁断機を、上記旋回筒の
下部に取り付ける一方、上記旋回筒内に、所要の伝動機
構を介して裁断用駆動モータの回転を上記裁断機に伝え
る伝動軸を挿入することによって上記従来の問題点を解
決したものである。

〔作用〕

昇降装置で裁断機を下降させ、裁断用駆動モータにより
伝動軸を介して裁断機を作動させながら、機枠とスライ
ドベースを動かし、支持台上の布類を裁断する。上記に
おいて、裁断機の進行方向が変わるような場合には、旋
回用駆動モータにより裁断機を旋回筒と一緒に旋回さ
せ、裁断機を進行方向に向ける。

また、昇降装置で裁断機を上昇させることにより、裁断
刃を布類の上に上げ、裁断機を一つの裁断位置から他の
裁断位置に移動させ、必要がある場合には、裁断刃を布
類の上に浮かせたまま、裁断機に備付けの研摩装置で裁
断刃を研摩する。更にまた、布類の積層高さが変わった
ような場合には、その高さに応じた長さの裁断刃に付け
替えて裁断作業を行う。

〔実施例〕

図面は、本発明の一実施例を示すもので、図中１は機枠
である。この機枠１は、基台２に敷設されたＹ軸レール
3,3にスライドシュー4,4を嵌合させ、かつ基台２に設け
られたラック５にピニオン６を噛み合わせて設けられ、
Ｙ軸移動用駆動モータ７による上記ピニオン６の回転で
Ｙ軸方向（第１図において紙面に垂直な方向）に移動す
る構成とされている。なお、ピニオン６は、機枠１に取
り付けられた軸８と、その軸８に同軸に取り付けられた
伝動プーリ９、伝動ベルト10、伝動プーリ11、該伝動プ
ーリ11を取り付けた中間軸12、該中間軸12に取り付けら
れた伝動プーリ13、伝動ベルト14、駆動プーリ15を介し
てＹ軸移動用駆動モータ７に連絡されている。上記機枠
１の横桟16には、Ｘ軸ガイド部材17と、Ｘ軸送りネジ18
が、水平かつ平行に設けられている。そして、上記横桟
16には、Ｘ軸送りナット19とスライドシュー20とを備え
たスライドベース（スライド部材）21が、上記Ｘ軸送り
ネジ18にＸ軸送りナット19を螺合させ、またＸ軸ガイド
部材17にスライドシュー20を嵌合させて、Ｘ軸ガイド部
材17の長さ方向、つまりＸ軸方向（第１図で左右方向）
に移動自在に構成されている。上記Ｘ軸送りネジ18は、
該Ｘ軸送りネジ18の第１図において右端に取り付けられ
た伝動プーリ22と、伝動ベルト23、及び駆動プーリ24を
介してＸ軸移動用駆動モータ25に連絡されている。従っ
て上記の構成では、Ｘ軸移動用駆動モータ25が作動する
と、Ｘ軸送りネジ18が回転して、スライドベース21がＸ
軸ガイド部材17に沿ってＸ軸方向に移動する。

上記スライドベース21は、主台26と補助台27とからな
り、補助台27は、上下装置28によって主台26に上下自在
に取り付けられ、ボルトよりなる固定部材29によって主
台26に固定されている。上記上下装置28は、主台26にユ
ニバーサルジョイント30を介して植設された回転ネジ軸
31と、該回転ネジ軸31に螺合して補助台27に取り付けら
れたナット部材32と、上記回転ネジ軸31に取り付けられ
た同期プーリ33に巻き掛けられた同期ベルト34とから構
成され、ハンドル35で１本の回転ネジ軸31を回転させる
と、同期プーリ33と同期ベルト34とを介して総ての回転
ネジ軸31が回転し、補助台27が主台26に対して上下（第
２図では、右が上、左が下である）するようになってい
る。なお、補助台27は４本の回転ネジ軸31と、４本の固
定部材29（いずれも第２図において重なっている）によ
って主台26に取り付けられているが、回転ネジ軸31と固
定部材29の使用本数は上記に限られるものではない。

また、スライドベース21の補助台27には、旋回用駆動モ
ータ36と、裁断用駆動モータ37、及び旋回筒38とを備え
た昇降フレーム39が、シリンダよりなる昇降装置40を介
して昇降自在に支持されている。上記旋回筒38、その下
端に裁断機41を固定するとともに、中間部分に縦長の歯
車42を備え、該歯車42を旋回用駆動モータ36の駆動歯車
43に噛み合わせて上記昇降フレーム39の軸受け44に垂直
に取り付けられている。

上記旋回筒38内には、上端と下端に伝動プーリ45,46を
備えた伝動軸47が挿入され、ボールベアリング48で旋回
筒38と同心に支承されている。この伝動軸47は、裁断用
駆動モータ37の回転を裁断機41に伝えるものであって、
上記伝動プーリ45と、伝動ベルト49、及び駆動プーリ50
を介して裁断用駆動モータ37に、また、伝動プーリ46
と、伝動ベルト51、及び受動プーリ52を介して裁断機41
にそれぞれ連絡されている。

裁断機41は周知のもので、その基本構造は、受動プーリ
52が取り付けられた回転軸53の内端に、回転輪54を取り
付け、この回転輪54の偏心位置に設けられたクランク軸
55に、直接棒56の上端を連結し、また連接棒56の下端の
軸57に裁断刃58をビス59で交換自在に取り付けて成り、
回転輪54が回転すると、連接棒56を介して裁断刃58が溝
（図示せず）に案内されて垂直に上下するようになって
いる。

裁断機41に設けられたロッド60の下端に、クッション部
材61を介して押え金62が取り付けられ、また、上下動駆
動モータ（図示せず）によって上下させられる上下動シ
ャフト64の下端に、研摩台65が取り付けられ、上記ロッ
ド60に案内されている。そして上記研摩台65には、研摩
用駆動モータ（図示せず）により回転させられる研摩プ
ーリ66,66に研摩ベルト67を巻き掛けた研摩装置68が設
けられている。なお、研摩ベルト67は裁断刃58の第２図
にいて手前側にも設けられているが、図面では省略され
ている。

また、上記伝動軸47には、配線用のパイプ63が回転自在
に挿入されるとともに、該パイプ63は、歯車69,70、中
間軸71、歯車72,42を介して旋回筒38に連絡されてお
り、旋回筒38が旋回すると、旋回筒38と同方向に同角度
旋回して内部の電線等のねじれを防止するようになって
いる。

なお、73は案内プーリである。裁断刃58は、その刃を裁
断機41の旋回中心に一致させて軸57に取り付けられる。

次に上記のように構成された本発明に係る布類の裁断装
置の作用を説明する。

第１図は、載台74上に積層された布類Ｃを押え金62で押
さえた裁断準備状態を示すもので、この状態から、裁断
用駆動モータ37を作動させると、該裁断用駆動モータ37
の回転は、伝動軸47を介して裁断機41に伝達され、裁断
刃58が上下に移動して布類Ｃの裁断を開始する。裁断機
41の作動を継続したまま、Ｘ軸移動用駆動モータ25を作
動させると、Ｘ軸送りネジ18が回転して、裁断機41がス
ライドベース21と一緒にＸ軸ガイド部材17に沿って横に
移動するため、布類ＣはＸ軸方向に裁断されることにな
る。

また、Ｙ軸移動用駆動モータ７を作動させると、ピニオ
ン６が回転し、機枠１の全体がＹ軸レール３に沿って縦
に動くので、布類ＣはＹ軸方向に裁断されることにな
る。なお、この際、旋回用駆動モータ36を作動させて、
旋回筒38とともに裁断機41を90度旋回させ、裁断刃58の
刃を裁断機41の移動方向に向ける。

Ｙ軸移動用駆動モータ７とＸ軸移動用駆動モータ25とを
同時に作動させた場合、裁断機41は上記の合成方向に移
動する。この場合も、裁断刃の刃を裁断機41の進行方向
に向けることは言うまでもない。

積層厚さの異なる布類Ｃを裁断する場合には、その布類
Ｃの厚さに該当する長さの裁断刃58に付け替え、また固
定部材29を外してハンドル35の操作で回転ネジ軸31を回
転させることにより補助台27を上下させ、裁断刃58の刃
先きが布類Ｃの下方に一定寸法突き抜けるように調整し
た後、再び固定部材29で補助台27を主台26に固定し、上
記同様にして裁断作業に入る。

裁断機41を一つの裁断位置から他の裁断位置に空送りす
る必要が生じたような場合には、昇降装置40で裁断機41
を上昇させ、裁断刃58を布類Ｃの上に出して移動させ
る。また、裁断刃58を研摩するには、研摩ベルト67を作
動させながら、研摩台65を上下させて行うが、昇降装置
40により裁断刃58を上に上げると、上記のように、裁断
刃58が布類Ｃの上に完全に露出するので、布類Ｃの有無
に関係なく研摩作業を行うことができる。

なお、図の実施例のものは、伝動プーリ9,11,13等にタ
イミングプーリが用いられ、また伝動ベルト10,14等に
タイミングベルトが用いられているが、これに限られる
ものではない。

また、図のものは、長さの異なる何種類かの固定部材が
用意され、裁断刃の長さに対応できるように構成されて
いるが、一種類の固定部材で補助台の取付け高さを調整
できるようにすることも可能である。上下装置の固定機
能が高い場合には、固定部材を省くこともできる。X,Y
駆動系も図面のものに限られるものではない。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明に係る布類の裁断装置は、
移動自在な機枠に、スライドベースが上記機枠の移動方
向に直交する方向に移動自在に設けられ、該スライドベ
ースに、旋回用駆動モータによって旋回させられる旋回
筒が、昇降装置を介して昇降自在に設けられるととも
に、裁断刃を交換自在に備えた裁断機が、上記旋回筒の
下部に取り付けられる一方、上記旋回筒内には、所要の
伝動機構を介して裁断用駆動モータの回転を上記裁断機
に伝える伝動軸が挿入され、裁断機を自由に昇降させる
ことができる構成とされているので、長さの異なる何種
類もの裁断刃を準備しておき、布類の厚さに応じて裁断
刃を使い分けることにより、布類を最良の状態、最高の
能率で裁断することができる。

しかも、裁断刃を布類の上に浮かせることができるの
で、裁断機を自由に空送りできるとともに、裁断作業中
であっても、裁断刃を研摩できる長所がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る布類の裁断装置の正面略図、第２
図はスライドベースと旋回筒等の関係を示す断面図であ
る。１……機枠、26……主台、27……補助台、28……上下装
置、29……固定部材、36……旋回用駆動モータ、37……
裁断用駆動モータ、38……旋回筒、40……昇降装置、41
……裁断機、58……裁断刃。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】移動自在な機枠に、スライドベースが上記
機枠の移動方向に直交する方向に移動自在に設けられ、
該スライドベースに、旋回用駆動モータによって旋回さ
せられる旋回筒が、昇降装置を介して昇降自在に設けら
れるとともに、裁断刃を交換自在に備えた裁断機が、上
記旋回筒の下部に取り付けられる一方、上記旋回筒内に
は、所要の伝動機構を介して裁断用駆動モータの回転を
上記裁断機に伝える伝動軸が挿入されたことを特徴とす
る布類の裁断装置。
【請求項２】スライドベースは、主台と補助台とからな
り、上記補助台は、上下装置によって上下自在に主台に
取り付けられるとともに、主台と補助台の間に、主台に
対して補助台を固定する固定部材が設けられたことを特
徴とする特許請求の範囲第１項記載の布類の裁断装置。