JPH0775699B2 - 表面保護工法 - Google Patents

表面保護工法

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JPH0775699B2
JPH0775699B2 JP4046426A JP4642692A JPH0775699B2 JP H0775699 B2 JPH0775699 B2 JP H0775699B2 JP 4046426 A JP4046426 A JP 4046426A JP 4642692 A JP4642692 A JP 4642692A JP H0775699 B2 JPH0775699 B2 JP H0775699B2
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守彦 佐藤
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秩父コンクリート工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄板、鉄骨、アルミ
板、橋梁、橋脚、タンク、屋根、配管、階段、コンクリ
ート面などの表面保護工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、錆の発生や毀損を防止す
るため、表面に塗装が施される。
【0003】 この塗装に用いられる塗料は、近年大幅に
改善されてはいるものの、合成高分子系樹脂溶剤形か
ら、フッ素系、アクリルシリコン系、エポキシ系、その
他耐久性を特徴としている反応硬化形など多数の種類が
有るが、何れも塗り厚が薄く、その厚みは0.1mm程
度以下である。そのために、砂塵等の飛来物により表層
塗膜が損傷し、鉄面まで達しそこから錆の成長がある。
このように、外的な衝撃・摩耗などの刺激に対する抵抗
性に劣っている。また、有機溶剤は、人体問題や、引火
性があり扱い難い。また有機物であるために紫外線(太
陽光線)、オゾン、NOx・SOx等からの影響を受け
経時的に「塗膜の劣化」「塗膜の固化」が生じてくる。
着色剤も一般的には、有機質系着色剤が多用されている
ため、退色・変色の進行も著しい。したがって、防錆効
果も衰え外的条件によっては3〜5年でいたる所から錆
が発生し、再塗装が必要になってくる。再塗装のための
費用は、足場掛け・ケレンを含め初回塗装費用よりも多
くかかるのが実情である。
【0004】 また従来、鉄面のさび止め、防食方法とし
て、鉛系化合物、クロム系化合物、亜鉛粉末のような防
さび材料類を、例えば合成樹脂などの展着剤(バインダ
ー)と混和したさび止め塗料によるコーティングが最も
一般的に採用されている。
【0005】 しかしながら、これ等は一般に溶剤型であ
り、安全面、省資源、衛生面等からも問題が多い。そし
て、使用されるバインダーは有機質であるため防錆効果
も衰え、外的条件によっては3〜5年でいたる所から錆
が発生し、再塗装が必要になってくる。また、膜厚も
0.1mm以下と一般には薄いため、耐摩耗性に問題を
生じる場合もある。
【0006】 一方、これら有機質系防錆塗料以外にも種
々の防錆方法が提案され採用されている。例えば鉄パイ
プ等には、セメントモルタルを被覆し、セメントのアル
カリ雰囲気で鉄面を不動態化する方法も行はれている
が、セメントモルタルのみでは、鉄面への付着力が不足
し、乾燥収縮に伴う亀裂の発生や機械的強度、耐衝撃性
の不足等のために、その用途は著しく限定されている。
【0007】 これら欠点を改善するために、セメントモ
ルタルに、これと混和性をもつ合成樹脂エマルジョンを
添加したポリマーセメントモルタルを鉄面に塗布する防
錆方法も行なわれているが、耐水性、付着力、防水性、
透気性等に問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は付着力及び耐
衝撃性に優れ、常温で強固な塗膜を形成し、優れた防錆
力、表面保護力を持つ表面保護層を迅速且つ安価に形成
することができる表面保護工法を提供することを課題と
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するためになされたもので、複数の材料を吹付け法又
は刷毛塗りとの併用により積層し、各材料の特性を生か
し、各材料の欠点を互に補う保護層を形成させることを
特徴とする表面保護工法である。
【0010】 すなわち、本発明は、吹付け法のみ、又は
刷毛塗りとの併用で保護層を形成させるもので、保護層
は、下塗り層A、塗膜層B(ポリアーセメントモルタル
層)、シーラー層C及びトップ層Dから形成され、前記
下塗り層Aの形成にはポリアクリル酸エステル(PA
E)に、環状脂肪酸塩(例えば、安息香酸ナトリュウ
ム)と0.3mm以下の程度の骨材を混合したものを主
材とし、それに常法による増粘剤、消泡剤、分散剤、顔
料等を配合したプライマーを用い、塗膜層Bの形成に
は、セメントに増粘剤、流動化剤、消泡剤、繊維、顔料
骨材等を配合した粉体と、塗材中の樹脂固形分が5%〜
7%のポリアクリル酸エステル(PAE)とから成る複
合材料を用い、シーラー層Cの形成には、合成高分子エ
マルジョンであるポリアクリル酸エステル(PAE)を
用い、トップ層Dの形成には、アクリル系合成高分子エ
マルジョン(クリヤ)又はシリコンアクリル系塗料を用
いるものである。
【0011】 なお、4層から成る全塗り厚は1.7mm
以下、乾燥後の実質1.3mm程度とし、ポリマーセメ
ントモルタル中の樹脂固形分は5%以上とすることが好
ましい。
【0012】 着色には通常無機系焼成顔料のみを用い、
有機系は一切使わない。したがって、鮮やかな美観に富
んだものとは言えない。美観性を要求する場合は、有
機、無機複合体樹脂塗料のシリコンアクリル系(耐久
性、耐汚染性はフッ素樹脂に匹敵)塗料を上塗り(トッ
プ層)に用いて仕上げる方法を採る。
【0013】
【作用】下塗り層Aは錆止め用であって、金属、コンク
リート面等と強力な付着力を持ち、使用材料を構成する
環状脂肪酸塩(例えば、安息香酸ナトリュウム)が防錆
効果を発揮し、また骨材は次の工程で付着させる被覆層
の付着力を向上する。
【0014】 塗膜層Bは2回の吹付けにより1.2〜
1.6mmの塗厚を形成し、使用材料のセメントの有す
る長期強度、耐久性を生かし、セメントの欠点である曲
げ強度、緻密性、低収縮性、防水性、付着性、防塩性、
防錆性等は配合される合成高分子ポリマーであるポリア
クリル酸エステル(PAE)がそれをカバーする。そし
て、塗膜層を2層としたのは、1層の場合吹付けに限ら
ず、水和生成物、水分蒸発物等には必ずピンホールが生
成し、それが防錆力等に悪影響を与えるため、それを防
止するためである。
【0015】 シーラー層Cは、塗膜層Bを2層としても
ピンホール、ポア、キャピラリーが残ることがあるた
め、その上に緻密なシーラー層Cを形成して防水性、防
錆性を向上させるものであり、この施工により、水の中
のOや塩素イオン、又は空気を地肌まで通さないシー
ルされた組織構造が形成される。
【0016】 また、トップ層Dは、シーラー層C自体に
生じたピンホールを埋め耐汚染性を向上させる作用があ
る。
【0017】
【実施例】図1は本発明の実施例を示すもので、Xは被
保護物である鉄板、Aは下塗り層、Bは塗膜層、Cはシ
ーラー層、Dはトップ層である。
【0018】 下塗り層A(プライマー)は、合成高分子
エマルジョンであるポリアクリル酸エステル(PAE)
に防錆効果を強化する防錆剤として環状脂肪酸塩の一種
である安息香酸ナトリュウムを配合し、さらに後の工程
で吹付けて形成する塗膜層Bの付着力を向上するため
に、0.3mm以下の大きさの骨材を配合し、増粘剤、
消泡剤、分散剤、顔料等を配合したもので、施工は吹付
け、刷毛、ローラー等によって行う。
【0019】 鉄板X表面にこの下塗り層Aを施したもの
は、塩水噴霧試験結果より推定すると、約2年間相当の
防錆効果が得られ、又、強力な付着力を発揮している。
【0020】 塗膜層Bは、セメントに増粘剤、流動化
剤、消泡剤、繊維、顔料、骨材等を配合した粉体と、合
成高分子エマルジョンであるポリアクリル酸エステル
(PAE)とからなるポリマーセメント系複合材料を吹
付けにより形成した層で、塗厚は2回の吹付けによって
1.2〜1.6mmの塗厚にする。
【0021】 この塗膜層Bは、セメントの有する長期強
度、耐久性を生かし、セメントの欠点である曲げ強度、
緻密性、防水性、付着性、防塩性、防錆性等を合成高分
子ポリマーにより付与したものである。
【0022】 実施例において、2回吹きとしたのは、吹
付け、塗り付けに限らず、水和生成物、水分蒸発物等は
必ずピンホールが生成し、これが防錆力等に著しい悪影
響を与えるため、2回吹付けをして2層としている。
【0023】 下塗り層Aの乾燥後、塗膜層Bを形成する
ため1回目を吹付けた場合、通常ピンホールが発生す
る。しかし、2回吹付けによって2層とすると、ピンホ
ールの真上にピンホールが重なる可能性は極めて少な
く、第1層のピンホールは埋められることになるので、
ピンホールによる錆の発生の虞がなくなる。
【0024】 シーラー層Cは、合成高分子エマルジョン
であるポリアクリル酸エステル(PAE)を用い、吹付
け又は刷毛塗りで形成する。
【0025】 塗膜層Bにはピンホール、ポア、キャピラ
リーが多少存在するので、シーラー層Cを形成して、緻
密な塗膜を形成し、防水性、防錆性を向上させる。この
ような樹脂をピンホール等に含浸させ埋める工法を採る
ことにより、水の中のOや塩素イオン又は空気を鉄面
まで通さないシールされた組織構造を形成させる。
【0026】 トップ層Dは吹付けによって形成し、その
材料としては、下記2つの材料の中、何れかを用いる。
【0027】 アクリル系合成高分子エマルジュン
(クリヤ)
【0028】 シリコンアクリル系塗料
【0029】 トップ層Dはシーラー層Cに生じたピンホ
ールを埋め耐汚染性を向上させる。
【0030】 本発明による保護層の着色には、通常、無
機系焼成顔料のみを使用し、有機系は一切使わない。し
たがって、鮮やかな美観に富んだものとは言えない。し
たがって美観性を要求する場合は、有機、無機複合樹脂
塗料のシリコンアクリル系(耐久性、耐汚染性はフッ素
樹脂に匹敵)塗料を上塗りして仕上げる方法をとる。
【0031】 鉄板Xの表面上に形成された保護層の全塗
り厚は1.5〜1.7mm、乾燥後の塗り厚が実質1.
3〜1.5mm程度とし、使用する合成高分子エマルジ
ョンであるポリアクリル酸エステル(PAE)を用い、
かつポリマーセメントモルタル中の樹脂固形分は5%以
上とすることにより、優れた耐久性と長期間にわたる防
錆性効果を有し、かつ、外的な衝撃とか摩耗などの刺激
に対する抵抗性のある無機質系表面保護層となった。
【0032】 本発明は、このように、複数材料を用い、
積層することにより夫々の層を形成する材料特性(長
所)を生かし、欠点を補う積層処方を用い、かつ作業能
率をあげるために、吹付け法で、しかも、追っかけ積層
工事を可能にしたところが特徴である。
【0033】 次に本発明実施例で使用した材料とテスト
結果について述べる。テスト結果は、施工工程を1層仕
上げから4層仕上げまで変化した場合における、塩水噴
霧による経時的な発錆状況の変化を観察し、調べたもの
である。
【0034】 本発明実施例におけるプライマーAを構成
する原料とその配合例を示せば、表1に示す通りであ
る。なお、これらの原料および配合例は、鉄板との付着
力および防錆力を最も発揮できるよう原材料の選択と適
切な配合の検討を行ったものである。
【0035】
【表1】
【0036】本発明実施例における塗膜層Bを構成する
原材料(粉体)の配合とその練り混ぜ条件を示せば、表
2の通りである。なお、これらの原材料および配合例
は、長期強度、耐久性、および曲げ強度、緻密性、付着
性、耐衝撃性を最も発揮できるような原材料の選択と適
切な配合の検討を行ったものである。
【0037】
【表2】
【0038】
【塩水噴霧試験方法】温度40℃、湿度100%の湿気
箱内に試験体を吊し、加湿器より3%食塩水と1%硫酸
ソーダ水の混合液を噴霧させ経時的な発錆状況の変化を
観察した。
【0039】 (3ケ月間実施)
【0040】 本実施例の供試体成形方法を下記に示す。
【0041】
【外1】 ・試験板の大きさは、(80×160×1mm)普通鉄
板とした。 ・鉄板にプライマーを刷毛塗りした。塗布量は0.1k
g/mとした。 ・乾燥状態となってから、1回目のミクスチャーをワイ
ダースプレイガンW−77で 吹き付けた。吹付け量は
1.5kg/mとした。 ・ミクスチャーの練り混ぜは1000RPMの高速ハン
ドミキサーを用いて微量成 分を溶解するために90秒
間練り混ぜた。 ・ミクスチャーの吹付けはスプレイガンを用い、吹き付
けガンの口径は1.2mm、吹付け時の空気圧を5kg
f/cmとした。 ・2回目のミクスチャーを、追っ掛けで1回目と同様に
吹付けた。 ・乾燥状態となってから、シーラーを刷毛塗りした。塗
布量は0.07kg/mとした。 ・シーラーが、乾燥状態となってから、トップを刷毛塗
りした。アクリル系およびシリコンアルリル系も塗布量
は0.07kg/mとした。 ・養生期間を2週間とし、試験を開始した。
【0042】 本発明実施例のテスト結果を示すと表3に
示す通りである。
【0043】
【表3】
【0044】工程を1層から3層と短縮したものは、い
ずれも発錆が確認された。4層に積層した試験体には発
錆は見られなかった。
【0045】 NO.4試料と同様に、3層止め(3層仕
上げ)にした所、シーラーにタックがあり、又、吹付け
仕上がり状態がやや凹凸であるためホコリ等が付着し、
かなり汚染され、施工を失敗してしまった。
【0046】 又、100℃の加熱よりの水蒸気を噴霧し
た所、3層仕上げではシーラー部にフクレが見られた
が、4層仕上げでは発生は見られなかった。このように
4層目に耐汚染性シーラーとして、トップをかける工程
が大事である。
【0047】 又、塗膜層B上にトップ層D(アクリル、
シリコンアクリル)だけで仕上げ、工程の簡略化を試み
たが、やはり防錆力に劣ることが判明した。
【0048】 配合的には、セメント量が多いとひび割れ
が発生し、厚塗りすると、それは顕著になった。又、繊
維を混入しないとダレてしまい、厚塗りには繊維が必要
である。
【0049】 そして塗膜層B の骨材は、連続粒度とし、
空際を少なくした。又、塗膜層Bを構成する粉体に練り
混ぜる合成高分子エマルジョンの樹脂固形分が5%以下
の1%および3%では発錆があり、防錆力は得られなか
ったが、5%では防錆力に寄与している事が確認され
た。又、5%〜7%位までは、吹付け作業は良好であっ
たが7%以上10%間では、合成高分子エマルジョンが
非常に濃くなるため、吹付けられなかった。
【0050】 このように、複数材料を用い、積層するこ
とにより、夫々の層を形成する材料特性(長所)を生か
し、欠点を補う積層処方を用い、かつ作業能率をあげる
ために吹付け法で、追っかけ積層工事(各工程間隔時間
(1)プライマー吹付け後、間隔時間:30分、(2)
ミクスチャー1回目吹付け、生乾き状態での追っかけミ
クスチャー2回目吹付け、後間隔時間:2時間、(3)
シーラー吹け後間隔時間:1時間、(4)トップ吹付
け)が可能であること判明した。
【0051】 次にエマルジョンの種類及び樹脂固形分を
変えた場合の発錆状態について述べる。
【0052】 表4はエマルジョンの種類について、アク
リル系、EVA系、酢ビベオバ系、及び樹脂固形分につ
いては、1,3,5(%)と変化させた場合における、
塩水噴霧による経時的な発錆状況の変化を観察し、調べ
たものである。
【0053】 又、比較として、プライマー(防錆剤な
し、防錆剤入り)及び一般市販の3層塗料の場合につい
ても併記した。
【0054】 なお、ミクスチャーの粉体配合、練り混ぜ
条件、吹付けによる施工方法およびプライマー処理方
法、塩水噴霧試験方法、供試体形成方法及び養成時間は
前述の場合と同様である。
【0055】
【表4】
【0056】このテスト結果に示すように、比較用アク
リル系エマルジョン、比較用EVA系エマルジョン、比
較用酢ビベオバ系エマルジョン、及び本発明処方に於て
樹脂固形分1%、3%、並びに防錆剤なし、防錆剤入り
のプライマーだけ、一般市販の3層塗料にはいずれも発
錆が確認された。
【0057】 又、塗膜層Bに処方する合成高分子エマル
ジョンであるポリアクリル酸エステルの樹脂固形分比率
5%以下の1%および3%では発錆があり防錆力は得
られなかったが、5%では防錆力が寄与している事が確
認された。
【0058】 又、5%〜7%位では、吹付け作業は良好
であったが、7%以上〜10%間では合成高分子エマル
ジョンが非常に濃くなるため、吹付けられなかった。
【0059】 このように、塗膜層Bに処方する合成高分
子エマルジョンとしてポリアクリル酸エステル(PA
E)を用い、かつポリマーセメントモルタル中の樹脂固
形分は5%以上とすることによって優れた耐久性と長期
間にわたる防錆効果を発揮するのに最も適した材料であ
ることが判明した。
【0060】 次に温水浸漬と屋外暴露の繰り返し後の発
錆状況及び付着強さに関するテスト結果について述べ
る。
【0061】 このテストは、本発明処方の塗膜層Bの塗
り厚を0.5mm、1.0mm,1.5mm、2.5m
m、3.0mm、に変化させた場合における温水浸漬と
屋外暴露の繰り返し後の発錆状況及び付着強さについて
調べたもので、その結果を表5に示す。
【0062】 温水(90℃)に24時間温水浸漬後、2
4時間屋外暴露の繰り返しを6ケ月間行い、試験体表面
の発錆状況を観察した。
【0063】 ただし、付着強さ試験および落下テスト
は、試験開始後5ケ月の時点で行った。落下試験条件
は、試験体を1mの高さからコンクリート床へ20回落
下させた時の塗膜の状態を確認した。表6はそのテスト
結果である。
【0064】 なお、塗膜層Bの粉体配合、練り混ぜ条
件、吹付けによる施工工法およびプライマー処理方法は
前述の場合と同様である。
【0065】 試験板(80×160×1mm)の普通鉄
板の厚さ1mm鉄板の錆による崩壊年月数は、通常
【0066】 屋外放置では10年間位を要する。
【0067】 屋外で多湿(NaClなし)状態下で
は、5年〜6年間位要する。
【0068】 日中、夜間常時多湿(湿度95%以
上)、NaCl噴霧下では6ケ月要する。
【0069】 高温(100℃以下)多湿〜常温乾燥
の繰り返しでは、6ケ月要する。
【0070】 高温(100℃以下)多湿〜常温乾
燥、NaCl存在下での繰り返しでは、3ケ月を要す
る。
【0071】
【表5】
【0072】
【表6】
【0073】上記テスト例では、塗り厚0.5mm、
1.0mmでは4ケ月、5ケ月位にて発錆が確認され
た。又、それ以上では、塗膜表面には発錆は見られず、
裏側の鉄面破れ、端部への食込み等が確認された。この
ようなことにより、経済性、施工性、物性より塗り厚は
1.5mm程度とした。
【0074】 材令6ケ月にて、鉄の裏が破れる状態にな
っても、塗膜表面には発錆が見られなかったことは、こ
の塗膜の防錆力は10年間位あるものと推定される。
【0075】 前述の本発明実施例と、普通ポルトランド
セメント/豊浦標準砂=1/3で水セメント比が85%
のセメントモルタル(比較例)との諸特性を比べると、
表7に示す通りであった。
【0076】
【表7】
【0077】
【発明の効果】一般的に使用されている塗料の防錆効果
は、外的条件によって違うが、3〜5年でいたる所から
錆が発生し、再塗装が必要になっている。本発明の積層
塗膜工法による防錆力は、10年間あり、一般塗料の2
〜3倍の防錆効果が得られる。再塗装のサイクルを1〜
2回省けるのである。
【0078】 また再塗装のための費用は、総費用の15
%程度が材料、施工費、85%が足場、ケレン費であ
り、初回塗装費用よりも多くかかるのが実情であり、1
回塗装が省けると上記経費が削減される。
【0079】 日本防錆技術協会の調査によると、防錆の
ためにGNPの約5%、2兆5000億円が日年間に使
われているという統計があり、又、東京大学、増子教授
によると1分間当り1ton、年間50万tonの鉄が
錆ていると計算されている報告がある。
【0080】 このようなことにより、再塗装のサイクル
を1〜2回省けるのは大きなメリットである。
【0081】 以上のように、本発明による表面保護工法
は、被保護物との付着力が強く、耐久性と耐衝撃性に優
れ、長期間にわたる防錆効果を有する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の断面図である。
【符号の説明】
X 鉄板 A 下塗り層 B 塗膜層 C シーラー層 D トップ層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被保護表面に、0.3mm以下の大きさ
    の骨材と環状脂肪酸塩を含有させたポリアクリル酸エス
    テルを主材とする下塗り層A、セメントに樹脂固形分が
    5%〜7%のポリアクリル酸エステルと増粘剤及び流動
    化剤を配合した塗膜層B、シーラー層C及びトップ層D
    を順次形成したことを特徴とする表面保護工法。
  2. 【請求項2】 塗膜層Bを2層としたことを特徴とする
    請求項1記載の表面保護工法。
JP4046426A 1992-01-21 1992-01-21 表面保護工法 Expired - Lifetime JPH0775699B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008087979A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd Alc構造物の補修方法

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US4430179A (en) * 1981-08-03 1984-02-07 Olin Corporation Portable method for filter press cell assembly

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