JPH0772574B2 - 差動制限装置の溝付きクラツチ板 - Google Patents

差動制限装置の溝付きクラツチ板

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JPH0772574B2
JPH0772574B2 JP61186086A JP18608686A JPH0772574B2 JP H0772574 B2 JPH0772574 B2 JP H0772574B2 JP 61186086 A JP61186086 A JP 61186086A JP 18608686 A JP18608686 A JP 18608686A JP H0772574 B2 JPH0772574 B2 JP H0772574B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D69/00Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
    • F16D2069/004Profiled friction surfaces, e.g. grooves, dimples

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  • Mechanical Operated Clutches (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は自動車の差動制限装置の構成要素である溝付き
クラッチ板に関する。差動制限装置は、左右の車輪の一
方がぬかるみや凍結路などで空転して伝達トルクが小さ
くなったときに、空転しない他方の車輪の伝達トルクを
増大させる装置である。
[従来の技術] 自動車では差動装置が知られている。この差動装置は、
左右の駆動車輪の回転数差を吸収し、車両が進行方向を
変えたりする際、あるいは旋回する際、自動的に左右の
車輪の回転速度に差をつけて円滑な走行ができるように
した装置である。普通の差動装置は、常に左右の両駆動
輪に同じトルクが伝達される。そのため、一方の車輪が
ぬかるみなどで空転して伝達トルクが小になると、他方
の車輪の伝達トルクも小になる。そのため脱出不可能に
なる。かかる欠点を改良するために差動制限装置があ
る。
この差動制限装置は第14図に示すように左デフケース10
0a及び右デフケース100bからなるハウジング100と、か
さ歯車からなる差動大歯車(サイドギヤ)101と、かさ
歯車からなり差動大歯車101と歯合しピニオンシャフト1
02aに取着された差動小歯車(ピニオンギヤ)102と、差
動小歯車軸103と、溝付きクラッチ板104と、溝付きクラ
ッチ板104の間に介在する内クラッチ板105と、プレッシ
ャリング106と、溝付きクラッチ板104に押付け力を与え
摩擦トルクを発生させるカム機構105とをもつ。
この差動制限装置では、エンジンからの駆動力はシャフ
ト102a、差動小歯車102を介して左右の差動大歯車101に
等しく伝達される。そして左右の車輪の回転速度がちが
って差動が生じると、ハウジング100と差動大歯車101と
が相対回転する。このときカム機構107等で溝付きクラ
ッチ板104に押付け力が付与されているので、多数個の
溝付きクラッチ板104が互いにすべり接触しクラッチ板1
04間に摩擦トルクが発生し、この摩擦トルクが差動抵抗
トルクとなり、低速回転側の伝達トルクが増大する。
上記した溝付きクラッチ板104は、表面であるすべり摩
擦面に、一般に、縦溝と横溝とからなる格子状の油保持
溝をもつ。ここで油保持溝のピッチは例えば2〜8mmで
ある。
ところで、溝付きクラッチ板104を形成するにあたって
は、従来より、鋼板を脱脂する工程、鋼板の表面を整面
する工程、鋼板の表面のうち縦溝および横溝となる部位
を除く部位にマスキング処理して被膜を形成する工程、
被膜を乾燥する工程、エッチング液に鋼板を浸漬して、
被膜を施していない部位のみを腐食させ腐蝕により縦溝
および横溝を形成する工程、被膜を鋼板から剥離する工
程、鋼板から所定に形状のクラッチ板を打ち抜く工程と
を順に行うことにしている。
したがって、上記したようにエッチング処理して形成し
た溝付きクラッチ板104では、第12図にしめすように、
油保持溝104aの奥方部が浸蝕されて表面であるすべり摩
擦面側よりも横に広がっている。このように油保持溝10
4aの奥方部が浸蝕されて横方向に広がっていると、一
旦、油保持溝104aの中に入った潤滑油は溝付きクラッチ
板104aのすべり摩擦面側に出にくくなり、故に、溝付き
クラッチ板104のすべり摩擦面で良好な油膜を形成しに
くくなる。そのため、溝付きクラッチ板104のすべり摩
擦面が差動制限装置の中で摺接する際に、騒音(チャタ
音)の原因となり易い。また、潤滑油保持のためには油
保持溝104aの深さは深い程好ましいが、エッチング処理
で油保持溝104aを形成する場合には、深さが深くなるに
つれて横方に浸蝕されやすいため、溝付きクラッチ板10
4のすべり摩擦面での良好な油膜形成を考慮すると、油
保持溝104aの深さは制限される。
更に、上記したようにエッチング処理して形成した溝付
きクラッチ板104では、第12図にしめすように、すべり
摩擦面側に出っ張り部104bが生じ易い。このように出っ
張り部104bが生じると、溝付きクラッチ板104が差動制
限装置の中で摺接する際に、騒音(チャタ音)の原因と
なり易い。
上記したような出っ張り部104bの出っ張りを抑制するた
めには、エッチング処理後に平ロールで圧延して第13図
に示すように、すべり摩擦面を平坦化することも好まし
いが、溝奥での横方向への浸食はいぜんそのままであ
り、すべり摩擦面側への潤滑油の排出の問題は改善され
ない。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、その
目的は、すべり摩擦面での油膜形成、騒音の問題を改善
した、差動制限装置の溝付きクラッチ板を提供するにあ
る。
[問題点を解決するための手段] 本発明に係る溝付きクラッチ板は、外周部に多数個の突
条部をもつ圧延ロールで圧延して形成され互いに背向す
る2つのすべり摩擦面をもつ金属製の溝付きクラッチ板
であり、 2つのすべり摩擦面の少なくともいずれか一方の略全域
は、 圧延の際に圧延ロールの突条部が押しこまれて形成さ
れ、深さが深くなるにつれて対向距離が次第に小となる
と共に圧延に伴い加工硬化された加工硬化領域で形成さ
れた内側面をもち互いに交差する油保持溝を有し、油保
持溝の開口の周縁部は、所定の範囲の曲率をもつ円弧部
で形成されており、かつ、すべり摩擦面は平坦化圧延処
理がなされていることを特徴とするものである。
本発明に係る溝付きクラッチ板の油保持溝は、一方向に
のびる第1溝群とこれと交差する方向にのびる第2溝群
とからなる格子状溝が代表的なものである。場合によっ
ては油保持溝は、クラッチ板のほぼ中央部から直状に又
は円弧状に放射方向にのびる溝で形成することもでき
る。油保持溝付近の拡大断面図を第5図に示す。このよ
うに圧延ロールの突条部がおしこまれて油保持溝が形成
されるので、第5図に示すように、溝の奥方に向うに従
って溝幅寸法Lが次第に小さくなるテーパ面で、油保持
溝の内側面は形成されている。
ここで、油保持溝をもつ溝付きクラッチ板の表面である
すべり摩擦面側の溝幅寸法Lは、クラッチ板のサイズに
よっても異なるが、0.2〜1.5mm程度、特に0.5〜0.7mm程
度が好ましい。油保持溝の底面側の溝幅寸法L1は、クラ
ッチ板のサイズによっても異なるが、0.19〜1.0mm程
度、特に0.3〜0.4mm程度が好ましい。又、油保持溝の開
口側である周縁部は、クラッチ板のサイズによっても異
なるが、0.03〜0.1mm程度、特に0.05〜0.06mm程度の曲
率Rをもつ円弧部で形成されていることが望ましい。又
油保持溝の深さ寸法hは、クラッチ板のサイズによって
も異なるが、0.08〜0.5mm程度、特に0.10〜0.12mm程度
が好ましい。また、油保持溝間の距離Uは、クラッチ板
のサイズによっても異なるが、1.0〜10mm程度、特に2
〜5mm程度が望ましい。溝付きクラッチ板の表面である
すべり摩擦面は、平坦化圧延処理がされているので最高
すべり面の高さと最低すべり面の高さとの差がほとんど
0の平坦であり、したがって、すべり摩擦面は断面では
第5図にしめすように一直線でえがくことができる。
さて、奥方に向かうにつれて対向距離が小となるテーパ
状の内側面をもつ油保持溝を形成するにあたっては、突
条部をもつプレス型を鋼板に強圧して成形することによ
っても行ないうる。しかしながら、プレス型を強圧して
成形する場合には、鋼板とプレス型の型面とが面接触す
る関係上、押圧力が大きくなりがちで、2000〜3000tと
いった極めて大きな押圧力をもつプレス型が必要で設備
費も高騰しがちである。また、2000〜3000tといった極
めて大きな押圧力をもつプレス型ですべり摩擦面を形成
しても、鋼板とプレス型の型面とが面接触する関係上、
すべり摩擦面は平坦化されず上方向に脹らみがちであ
る。また、プレス型で成形した後にプレス型から鋼板を
とりはずさなければならず、作業が断続的になりがちで
あり、作業能率の向上に限界があった。
この点、圧延ロールの突条部で上記油保持溝を形成する
場合には、圧延ロールと鋼板とは、面接触ではなく、ほ
ぼ線接触の状態で接触するため、プレス型程の大きな押
圧力は必要とせず、設備費の低廉化に有利である。また
圧延ロールと鋼板とは、ほぼ線接触の状態で接触するた
め、大きな押圧力を用いずとも、すべり摩擦面は平坦化
されやすい。また、圧延ロールの回転によつて行ないう
るので連続的に油保持溝を形成することができ、作業能
率の向上を図りうる。
なお溝付きクラッチ板の表面にモリブデン被膜やリン酸
塩被膜を形成することが好ましい。このようにモリブデ
ン被膜、リン酸塩被膜を形成すれば、差動制限装置に組
込んで使用する際、なじみ性が向上する。
本発明にかかる溝付きクラッチ板は、油保持溝が格子状
である場合は、以下の製造方法で形成することができ
る。
すなわち、軸方向に平行に伸びる直状突条部が周方向に
そって所定のピッチで多数個連続して列設された第1ロ
ールで、帯鋼板を厚み方向に挟圧して圧延することによ
り、直状突条部で帯鋼板の少なくとも片面に互いに平行
な横溝群を形成するとともに、円周方向に伸びるリング
状突条部が軸方向にそって所定のピッチで多数個連続し
て列設された第2ロールで、帯鋼板を厚み方向に挟圧し
て圧延することにより、互いに平行で横溝群とともに格
子状溝を構成する縦溝群を帯鋼板に形成する溝形成圧延
工程と、 外周面が平滑な平滑ロールで帯鋼板を挟持して平坦化圧
延する平坦化圧延工程と、 帯鋼板から打抜型で所定に形状にクラッチ板を打ち抜く
打抜工程と、を順次実施する製造方法である。ここで、
縦溝群、横溝群が油保持溝を形成する。
溝形成圧延工程では、第1ロールで横溝群を形成する工
程を実施した後で、第2ロールで縦溝群を形成する工程
を実施してもよいし、あるいは、その逆で第2ロールで
縦溝群を形成した後に、第1ロールで横溝群を形成する
工程を実施してもよい。
帯鋼板の片面のみに油保持溝を形成する場合には、直状
突条部をもつ第1ロールと、外周分が平滑な平ロールと
を配設し、さらに、リング状突条部をもつ第2ロール
と、外周部が平滑な平ロールとを配設し、第1ロールと
平ロールとの間、第2ロールと平ロールとの間に帯鋼板
を通して行なう。又帯鋼板の両面に油保持溝を形成する
場合には、直状突条部をもつ2個1対の第1ロール間に
帯鋼板を通し、リング状突条部をもつ2個1対の第2ロ
ール間に帯鋼板を通して行なう。
第1ロールの直状突条部、第2ロールのリング状突条部
の高さ寸法や幅寸法は、形成せんとする溝の大きさに応
じて、あるいは帯鋼板の材質などに応じて適宜設定され
るが、一般的には高さ寸法は0.4〜0.6mm、幅寸法は0.6
〜0.8mmとすることができる。
なお溝形成圧延工程では、一般に冷間状態で行う。その
理由は、帯鋼板の表面にスケール膜が生じるとスケール
膜も圧延されて帯鋼板に傷を発生させ易いからである。
又特殊な例では、帯鋼板を200〜400℃程度とした温間状
態でも溝形成工程を行うことができる。
第1ロール、第2ロールは、鍛鋼ロール、チルドロー
ル、サンドロール、グレンロール、中抜きロール、複合
ロール、鋳鋼ロールを用いることができるが、その耐摩
耗性を考慮すると、鍛鋼ロールであることが好ましい。
又直状突条部、リング状突条部付近は、熱処理して強靱
かつ硬化しておくことが好ましい。
本発明に係るクラッチ板の組成は、特に限定はされない
が、炭素が0.80〜0.90重量%程度、クロムが0.010〜0.2
5重量%程度、マンガン0.20〜0.40重量%程度、シリコ
ン0.10〜0.30重量%程度ものが好ましい。具体的には、
JIS−SK5とすることができる。又クラッチ板は、厚み寸
法1.0〜3.0mm、外径寸法が50〜100mmであることが好ま
しい。
[発明の効果] 本発明に係る溝付きクラッチ板においては、2つのすべ
り摩擦面の少なくともいずれか一方は、圧延ロールの突
条部がおしこまれて形成され深さが深くなるにつれて対
向距離が次第に小となる内側面をもつ格子状の油保持溝
を有し、油保持溝の開口の周縁部は、所定の範囲の曲率
をもつ円弧部で形成されており、かつ、すべり摩擦面は
平坦化圧延処理がなされていることを特色とする。
したがってエッチング処理をして形成した従来のクラッ
チ板と異なり、油保持溝の開口側の表面部には出っ張り
部が生じていない。従って騒音(チャタ音)の抑制に有
効である。
更には油保持溝は、溝幅寸法が第5図に示すように奥方
に向うにつれて対向距離が小となるテーパ状の内側面で
形成されている。したがって、油保持溝に一旦入り貯溜
された潤滑油は、それだけテーパ状の内側面にそって表
面側に流れ易くなり、溝付きクラッチ板の表面側で油膜
を形成し易くなり、従って騒音(チャタ音)の抑制に一
層有効である。油保持溝は、圧延の際に圧延ロールの突
条部が押しこまれて形成されているので、油保持溝の内
側面は、強く加工硬化された加工硬化領域で形成されて
おり、加工硬化に伴う高強度化及び高硬度化が期待でき
る。
[実施例] 第1図〜第11図は本発明の1実施例を示す。この実施例
は、既述したトルク比例式差動制限装置の溝付きクラッ
チ板に利用した場合である。
まず、溝付きクラッチ板104の製造方法から説明する。
第1工程としての溝形成圧延工程では、第1図にしめす
ように、軸方向11に平行に伸びる直状突条部10が所定の
ピッチで周方向に連続して多数個列設された2個1対の
第1ロール1を矢印A方向へ回転させつつ、第1ロール
1で、肉厚1.0〜2.0mm程度の帯鋼板2(JIS−SK5)を厚
み方向に挟圧して冷間圧延する。これにより帯鋼板2の
両面に横溝群20を列設する。横溝群20は、帯鋼板2の長
さ方向とほぼ直交する向きに平行とされている。
なお、第1ロールで冷間圧延する際、ロール径195mm、
ロール胴長100mm、圧延トルクが100ton−mm程度であ
り、角速度が1.7ラジアン/秒程度であり、接触角が4
度程度である。
更に、帯鋼板2が更に前進すると、周方向31に伸びるリ
ング状突条部30が軸方向に所定のピッチで連続して多数
個列設された2個1対の第2ロール3が矢印B方向に回
転しているので、帯鋼板2は厚み方向に挟圧されて冷間
圧延される。このように第2ロール2で冷間圧延すれ
ば、帯鋼板2の長さ方向にのびる縦溝群21が帯鋼板2の
両面に形成される。
なお、第2ロール3で冷間圧延する際、圧延トルクが10
0ton−mm程度であり、角速度が1.7ラジアン/秒程度で
あり、接触角が4度程度である。
ここで、第6図〜第8図に、第1ロール1を示す。第6
図〜第8図に示すように、第1ロール1では、4.0mmの
ピッチP1で直状突条部10が多数個形成されている。この
直状突条部10の幅寸法M1は0.7mmであり、高さQ1は0.5mm
である。そして、この第1ロール1の幅寸法S1は100mm
であり、その直径D1は約195mmである。
又第9図〜第11図に第2ロール3を示す。第2ロール3
に形成されているリング状突条部30は、ピッチP2が4.0m
mであり、そのリング状突条部30の幅寸法M2は直状突条
部10と同じく0.7mm、その高さ寸法Q2は直状突条部10と
同じく0.5mmである。なお、第1ロール1および第2ロ
ール3の材質はともにJIS−SKD11である。
上記したような溝形成圧延工程を実施すれば帯鋼板2の
両面に縦溝群21および横溝群20が連続して形成され、第
2図に示すように、縦溝群21および横溝群20からなる格
子状の油保持溝23が形成される。
以上のように溝形成圧延工程を終了したならば、第1図
に示すように、外周面が平滑な2個1対の平滑ロール4
を用い、この2個1対の平滑ロール4を矢印C方向へ回
転させ、平滑ロール4で帯鋼板2を挟持して、帯鋼板2
の表面を平坦化圧延する。この場合、押圧力は5〜10to
n程度とする。このように平坦化圧延すれば、横溝群20
及び縦溝群21を除く帯鋼板2の表面は、平坦度が極めて
向上する。帯鋼の全長で板厚変動±0.03mmが保証でき
る。
上記したような本実施例にかかる帯鋼板2の油保持溝23
付近の拡大断面図を第4図及び第5図に示す。第4図は
溝形成圧延工程を実施した後の断面図であり、第5図は
溝形成圧延工程と平坦化圧延工程とを実施した後の断面
図である。第4図に示すように溝形成圧延工程を実施し
ただけでは、表面であるすべり摩擦面24は若干丸味を帯
びており、油保持溝23の深さh2は0.12mmである。
平坦化圧延工程を実施した後では、第5図に示すよう
に、油保持溝23となる縦溝群21および横溝群20の開口側
の周縁部200の曲率半径Rは、0.03mmであり、油保持溝2
3となる縦溝群21および横溝群20の深さhは0.11mm程度
であり、開口側の溝幅Lは0.60mmであり、底面側の溝幅
L1は0.3mmであり、溝間距離Uは1.8mm程度であった。こ
こで、平坦化圧延工程を実施した後のすべり摩擦面24
は、第5図にしめすように、一直線状にプロットされ
る。
なお、第4図および第5図、第12図および第13図では、
(深さ方向の倍率/横方向の倍率)=10/1であり、深さ
方向が横方向に比較して拡大されている。
上記したように溝形成圧延工程、平坦化圧延工程を実施
した後の帯鋼板2を、適宜、プレス型で差動制限装置の
溝付きクラッチ板5(第3図に示す)として打ち抜き、
その後バリ取り処理を行ない、更にモリブデンコーティ
ング処理し、それを第14図に示す差動制限装置に組込ん
だ。
そして実機テストをした。この実機テストでは、エッチ
ング処理で溝を形成したクラッチ板に生じ易かった騒音
(チャタ音)は有効に防止された。又クラッチ板の表面
にも良好な油膜が形成されたため、クラッチ板の寿命が
向上した。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第11図は本発明の1実施例を示し、第1図は本
実施例に係る溝付きクラッチ板を製造主要工程を示す概
略斜視図であり、第2図は溝形成圧延工程を実施した後
の帯鋼板の平面図であり、第3図は打抜き工程を実施し
た後のクラッチ板の平面図であり、第4図は溝形成圧延
工程を実施した後の油保持溝付近の拡大断面図であり、
第5図は平坦化圧延工程を実施した後の油保持溝付近の
拡大断面図である。第6図〜第8図は本実施例で用いる
第1ロールを示し、第6図は第1ロールの正面図であ
り、第7図は左半分を省略して示す第1ロールの側面図
であり、第8図は第1ロールの直状突条部付近を展開し
て示す拡大断面図である。第9図〜第11図は第2ロール
を示し、第9図は第2ロールの正面図であり、第10図は
左半分を省略して示す第2ロールの側面図であり、第11
図は第2ロールのリング状突条部付近を展開して示す断
面図である。第14図は差動制限装置の断面図である。 第12図は従来のエッチング処理工程を用いて形成した溝
付きクラッチ板の油保持溝付近の拡大断面図であり、第
13図はエッチング処理工程の次に平滑ロールで圧延した
後の油保持溝付近の拡大断面図である。 図中、1は第1ロール、10は直状突条部、2は帯鋼板、
21は縦溝群(油保持溝)、20は横溝群(油保持溝)、3
は第2ロール、30はリング状突条部、4は平滑ロールを
それぞれ示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周部に多数個の突条部をもつ圧延ロール
    で圧延して形成され互いに背向する2つのすべり摩擦面
    をもつ金属製の溝付きクラッチ板であり、 2つの該すべり摩擦面の少なくともいずれか一方の略全
    域は、 圧延の際に該圧延ロールの該突条部が押しこまれて形成
    され、深さが深くなるにつれて対向距離が次第に小とな
    ると共に圧延に伴い加工硬化された加工硬化領域で形成
    された内側面をもち互いに交差する油保持溝を有し、 該油保持溝の開口の周縁部は、所定の範囲の曲率をもつ
    円弧部で形成されており、 かつ、該すべり摩擦面は平坦化圧延処理がなされている
    ことを特徴とする溝付きクラッチ板。
  2. 【請求項2】油保持溝のすべり摩擦面側の溝寸法Lは、
    0.2〜1.5mm程度、油保持溝の底面側の溝幅寸法L1は、0.
    2〜1.0mm程度、又、油保持溝の開口側である周縁部は、
    0.03〜0.1mm程度の曲率Rをもつ円弧部で形成されてお
    り、又油保持溝の深さ寸法hは、0.08〜0.5mm程度、ま
    た、油保持溝間の距離Uは、1.0〜10mm程度である特許
    請求の範囲第1項記載の溝付きクラッチ板。
  3. 【請求項3】すべり摩擦面は、モリブデン被膜やリン酸
    塩被膜などの被膜で被覆されている特許請求の範囲第1
    項記載の溝付きクラッチ板。
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