JPH0771B2 - 高温調理機器用皮膜の構造 - Google Patents

高温調理機器用皮膜の構造

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JPH0771B2 JP10423989A JP10423989A JPH0771B2 JP H0771 B2 JPH0771 B2 JP H0771B2 JP 10423989 A JP10423989 A JP 10423989A JP 10423989 A JP10423989 A JP 10423989A JP H0771 B2 JPH0771 B2 JP H0771B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は高温調理機器の調理面あるいは加熱室壁面等
の基材の上に形成される皮膜構造に関するものであり、
特に、耐熱性、非粘着性の改良された皮膜構造に関する
ものである。
[従来の技術] 第9図はオーブンレンジの斜視図であり、第10図は該オ
ーブンレンジに用いられている内箱の斜視図である。オ
ーブンレンジ2は本体部4とドア6とからなる。本体部
4には、内箱8が嵌め込まれる。内箱8は、左右の側壁
10,10と天板12と底板14と背板16と前板18とからなる。
天板12には、天板12に設けられたヒータ(図示せず)の
熱を、内箱8内に導入するための、複数個の孔が設けら
れてなる高温熱照射孔部20が設けられている。
第11図は、電気ホットプレートの断面図である。電気ホ
ットプレート24は、プレート板26と蓋28とからなる。プ
レート板26にはシーズヒータ30が埋込まれている。プレ
ート板26は、アルミニウム合金鋳物ダイキャスト材で形
成されている。
第10図および第11図を参照して、高温調理機器の内箱8
の壁面および電気ホットプレートのプレート板26の調理
面25には、耐熱性を有するステンレス鋼板、琺瑯仕上げ
した鋼板、あるいは四フッ化エチレン樹脂、PES樹脂、
シリコン樹脂、ポリシロキサン樹脂等の結合剤と、無機
質顔料と、充填材等からなる耐熱性高分子組成物または
セラミックが塗布された耐熱性鋼板が使用されている。
[本発明の基礎となった先行技術] ところで、高温高速の調理機器の開発においては、調理
食品の味を良くするために、また時間の有効利用を図る
ために、調理時間を短縮するという要求がある。そのた
め、食料品を高温下で処理する必要があり、第10図およ
び第11図を参照して、調理面25、オーブンの内箱の内
壁、ドア内面を高温耐熱性のものにする必要がある。し
かしながら、前述した従来のオーブンレンジおよび電気
ホットプレートでは、高温耐熱性の点において不十分で
あった。そこで、本出願人会社は、既に、ポリチタノカ
ルボシランを結合剤とする有機溶剤ワニス、耐熱性の金
属酸化物または複合酸化物からなる耐熱顔料、および塗
料用添加剤を含む塗料を、ホットプレートの調理面また
はオーブンレンジの内箱の壁面等に焼付けて、耐熱酸化
性、耐食性および清掃性の向上ならびに食品の焦げつき
防止を図る技術を開示している。
[発明が解決しようとする課題] 前述のポリチタノカルボシランを主成分とする塗料から
形成された塗膜は、300〜320℃,20分の焼付け条件で硬
化焼結し、さらに温度を上昇させると、約400℃からポ
リチタノカルボシランのポリマーがセラミック化する。
長時間加熱するか、または600〜800℃の高温下にさらに
加熱することにより、このポリチタノカルボシランポリ
マーは完全にセラミック化する。こうして得られたセラ
ミック質塗膜は高温耐熱性を持つ点において、他に類を
見ない。
しかしながら、このセラミック質塗膜を用いた調理機器
においても、以下に述べる問題点があった。すなわち、
800℃の高温を出す赤外線ヒータを用いたオーブン庫内
においては、魚、牛肉、豚肉、鶏肉等の調理食品から飛
散する肉質と油質の点滴が塗膜に付着し、焦げついて、
炭化固化する。このときの壁面の温度が250℃以下であ
れば、また、300℃に加熱されても調理時間が30分以内
であれば、壁面に付着した固化物もすぐに剥がれ、清掃
性に何ら問題はない。
しかしながら、第10図を参照して、庫内温度を300℃と
いう高温にすると、一般壁面(側壁10,10および背板1
6)は280〜300℃の高温に加熱され、高温熱照射孔部20
から出てくる800℃の熱線が照射される底面14は300℃も
の高温になる。また、温風を循環させ、庫内を300℃に
するコンベクション機能を有するオーブンレンジにおい
ては、温風吹出孔の近傍は約400〜450℃の高温になる。
このような高温下において、塗膜に付着した油滴は、付
着性が非常に強力で、通常の清掃によってはなかなか取
れない。そこで、そのまま使用することになるのである
が、7時間〜100時間も使用すると、付着した油滴が固
化し、炭化し、最後に灰化し、皮膜を浸蝕し、素地面を
露出させるという事態を引き起こす。したがって、この
ポリチタノカルボシランを主成分とする塗膜は、実用上
問題であった。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされ
たもので、ポリチタノカルボシランのもつ高温耐熱性と
いう優秀な特徴を保持しつつ、さらに、非粘着性をも有
する高温調理機器用皮膜の構造を提供することを目的と
する。
[課題を解決するための手段] 第1B図を参照して、本発明の皮膜構造の構成を説明す
る。第1B図を参照して、32は高温調理機器の調理面ある
いは加熱室壁面等の基材を表わしている。基材32の上
に、主成分であるポリチタノカルボシランがセラミック
化してなるセラミック層34が形成されている。セラミッ
ク層34内に顔料粒子36が埋込まれているが、この顔料粒
子36は必須構成要件ではない。セラミック層34上には、
非粘着性を呈する樹脂を含む非粘着性樹脂層38が形成さ
れている。そして、セラミック層34と非粘着性樹脂層38
との界面において、非粘着性樹脂40とポリチタノカルボ
シランとの割合は上下に連続的に変化している。すなわ
ち、セラミック層34の上層部にいくにつれて、非粘着性
樹脂40の濃度は高くなり、セラミック層34の最上層部に
おいては、非粘着性樹脂40の濃度は100%になってい
る。
[作用] 本発明の皮膜構造においては、上述のとおり、最上層部
に非粘着性を呈する樹脂からなる非粘着性樹脂層38が形
成されているので、油滴等が付着しても、容易に除去で
きる。また、皮膜構造の本体部分はポリチタノカルボシ
ランがセラミック化してなるセラミック層34で形成され
ているので、高温耐熱性に富む。さらに、セラミック層
34と非粘着性樹脂層38との界面において、非粘着性樹脂
40とポリチタノカルボシランとの割合が上下に連続的に
変化しているので、セラミック層34と非粘着性樹脂層38
との密着性は良好となる。
[実施例] 以下、この発明の実施例を図について説明するが、本発
明はこれに限定されない。
第1A図および第1B図は、本発明にかかる皮膜構造が形成
される過程を模式的に示したものである。第1A図は焼結
前の状態の断面図、第1B図は焼結後の状態の断面図であ
る。
まず、第1A図を参照して、基板32の上に塗料42が10〜40
ミクロン仕上げになるようにスプレー塗布される。塗料
42としては、ポリチタノカルボシラン(たとえば宇部興
産株式会社製のチラノコート)を結合剤とした有機溶剤
ワニス中に、高温に耐えるFe,Co,Mn,Cr等の金属酸化物
または複合酸化物の耐熱顔料、フッ素樹脂粉末(ヘキス
トジャパン株式会社製のフォスタフロン#9205)、増粘
剤、シリコンオイルおよび有機溶剤を混合してなるもの
を使用した。一般的な配合割合を次にまとめる。
チラノコートを含む有機溶剤ワニス ……20〜40部 耐熱顔料 ……………………………20〜40部 フォスタフロン#9205 ………3〜20重量% 増粘剤 ……………………0.1〜1.0重量% シリコンオイル …………0.1〜1.0重量% 有機溶剤 ……………………………20〜40部 なお、塗料の比重が1.1〜1.8、塗料の不揮発分が50〜70
%になるように、配合されるのが好ましい。
また、塗料の色は、耐熱顔料の成分により、黒色、茶色
または白色等にできることは言うまでもない。
基材32には、予め、脱脂、錆落し、化成処理、サンドブ
ラスト等の前処理を行なったアルミニウムめっき鋼板、
13あるいは18Cr系のステンレス鋼板が用いられた。
次に、150℃20分の予備乾燥後、300〜400℃の温度で20
分間焼付けて焼結すると、第1B図に示す塗膜が形成され
た。
考えられる焼結の機構を説明すると、300〜400℃の焼付
け(詳細な条件は後に述べる)により、結合剤であるポ
リチタノカルボシランがセラミック化し、焼結セラミッ
ク質緻密粒子の集合体(セラミック層34)となる。この
とき同時に、フッ素樹脂48の粉末が融解して、比重差の
ため浮上し、セラミック粒子の間に浸入する。その結
果、セラミック粒子の間にフッ素樹脂48が充填されたよ
うな構造となり、皮膜構造の最上層部が高濃度のフッ素
樹脂のフィルム(非粘着性樹脂層38)で形成される。四
フッ化ポリエチレン樹脂のコーティングと同じ構造にな
るが、四フッ化樹脂のコーティングとの大きな相違点
は、セラミック層34と非粘着性樹脂層38との界面におい
て、セラミック層34の上層部にいくにつれて、非粘着性
樹脂40の濃度が連続的に高くなっている点である。これ
により、セラミック層34と非粘着性樹脂層38との密着性
が向上する。また、セラミック層34の内部においても、
セラミックの粒子の間にフッ素樹脂の結合層ができてい
るため、耐腐食性、耐ミクロクラック性に優れ、高温
(300〜400℃)での食品の焦げつき防止に作用する。
次に、本発明を第9図および第10図に示すオーブンレン
ジに適用して、適切な塗布方法、フッ素樹脂の添加量、
焼成条件を求めた。内箱8の左右の側壁10,10、底板1
4、背板16、前板18および前板18と接触するドア6の裏
面22には、250〜450℃の範囲の温度に耐え得るように、
アルミニウムめっき鋼板あるいはSUS430,SUS410,SUS304
のステンレス鋼板が用いられた。天板12にはヒータが設
けられており(図示せず)、その最大温度が800℃にも
なるので、天板12には耐熱性のSUS444等のステンレス鋼
板が使用された。
実施例1 前述の一般的配合割合において、フッ素樹脂粉末(ヘキ
ストジャパン社製ホスタフロン#9205)を3,6,8,15,20
重量%と変化させて、塗料を形成した。一方、フッ素樹
脂が0重量%(すなわち、フッ素樹脂を全く含まない塗
料)のものも準備した。フッ素樹脂粉末を含む塗料を、
第9図および第10図を参照して、側壁10,10、底板14、
背板16、前板18およびドア6の裏面22に、10〜40ミクロ
ン仕上げになるように塗布した。塗布方法は第2図に示
すとおりである。すなわち、基材32の上に塗料50を吹付
け塗布する方法である。天板12には、前述のフッ素樹脂
粉末を含まない塗料を10〜40ミクロン仕上げになる厚さ
に塗布した。次に、150℃で20分間予備乾燥を行なった
後、焼付け硬化を300〜400℃で20分間行なった。
実施例2 前述の一般的配合割合において、フッ素樹脂を全く含ま
ない塗料を準備した。このフッ素樹脂を全く含まない塗
料を側壁10,10、底板14、背板16、前板18、ドア6の裏
面20に10〜15ミクロンの仕上げになるように吹付け塗布
した。天板12には、フッ素樹脂を含まない塗料を10〜40
ミクロン仕上げになるように塗布した。塗布方法は、第
3図に示すとおりである。すなわち、第4図を参照し
て、基材32の上にフッ素樹脂を含まない塗料52を吹付け
塗布した。その後、室温に放置して、有機溶剤を揮発さ
せた。表面に艶がなくなったところをみはからって、そ
の上に3〜20重量%(3,6,8,15,20重量%が選ばれた)
の範囲のフッ素樹脂粉末を含む塗料50を、乾燥焼付け後
の厚みが10〜20ミクロンになるように塗布した。その
後、150℃で20分間予備乾燥を行なった後、300〜400℃
で20分間焼付け硬化焼成を行なった。
実施例1と実施例2の結果と考察 塗布方法について 実施例1(第2図)のように、フッ素樹脂を含む塗料50
だけを基材32に塗布した場合、仕上がり表面に塗料の留
まりが悪く、垂れが生じ、厚く塗布することができなか
った。その結果、フッ素樹脂粉末を、第1B図に示すよう
に、上層部に浮上させることができず、非粘着性が不十
分となった。また、厚みも薄いため、剥離現象、傷つき
が生じ、耐食性、耐久性に問題もあった。これに対し、
実施例2(第3図)のように2層構造にすると、このよ
うな不都合は発生しなかった。すなわち、第1B図に示す
ように、フッ素樹脂が浮上し、塗面の最上層部にフッ素
樹脂層38が形成された。これは以下の理由によるものと
思われる。すなわち、下塗りの塗料52の上に、フッ素樹
脂を含む塗料52が塗り重ねられると、上塗りの塗料52中
の有機溶剤が下塗りの塗料52中に浸み込んで、粘着性が
増大し、垂れなくなる。そのため、厚塗りが可能とな
る。また、この方法によると、フッ素樹脂を含む塗料52
を、フッ素樹脂粉末を十分に浮き上がらせ得るように、
さらにシンナーで希釈させて、吹付けることが可能とな
る。結果として、フッ素樹脂を第1B図に示すように、効
率良く浮上させることができるのである。これは、次の
事実によっても裏づけられる。すなわち、下塗りの塗料
52を80〜150℃で強制乾燥させて、上塗りの塗料50を塗
布すると、フッ素樹脂が浮上しない。また、下塗りの塗
料52を300〜320℃の高温で焼付けた後、上塗りの塗料50
を塗布すると、層間剥離を生ずる。
フッ素樹脂粉末の添加量と焼成条件について 実施例2を参照して、フッ素樹脂粉末の添加量を3,6,8,
15,20重量%と変えてテストパネルを作製し、焼成条件
を300〜320℃,330〜360℃,370〜400℃の3種選び、試験
した。
300〜320℃の焼付けでは、フッ素樹脂粉末の添加量を変
えてみても、コンベクショングリルオーブンの調理にお
いて、魚、肉から飛散してくる油滴は塗膜に焦げつい
た。その焦げつき程度は同じであり、清掃性に大きな差
は認められなかった。しかし、フッ素樹脂粉末の添加量
が増加するにつれて、清掃性が向上する傾向はみられ
た。
330〜360℃の焼付け条件においても、同じような結果が
得られた。
370〜400℃の焼付けでは、フッ素樹脂を6,8,15重量%加
えたものが、長期耐熱性、耐食性、耐久性の点におい
て、最も良い性能を示した。20重量%加えたものも、最
上層部において粉化する傾向が認められたものの、実用
的には支障のないものが得られた。
なお、上記実施例では非粘着性樹脂として、熱可塑性の
フッ素樹脂(四フッ化ポリエチレン樹脂)を例示した
が、この発明はこれに限られるものでなく、PPS、PES等
の熱可塑性エンジニアリングプラスチック粉末であって
も同様の効果を実現する。
第4図〜第8図に示す実施例は、本発明を第11図に示す
電気ホットプレートの調理面に適用したものである。本
発明を適用した電気ホットプレートの調理面は、250〜4
50℃の温度範囲の高温調理において、良好な非粘着性と
清掃性を示した。以下、塗膜の製造方法について説明す
る。
実施例3 第4図を参照して、基材32の調理面を400℃でオイル焼
きした後、ショットブラストした。得られた粗面54を清
掃、清浄した後、該粗面54上に、下塗り用の、フッ素樹
脂を含まない塗料52を10〜20ミクロン仕上げになるよう
に塗布した。その後、室温に放置して、有機溶剤を揮発
させた後、フッ素樹脂を8〜15重量%含む塗料50を10〜
30ミクロン仕上げになるように塗布した。なお、塗料は
実施例1で調合されたものと同じである。以下に述べる
実施例においても同様である。その後、150℃で20分間
乾燥した後、370〜400℃で20分間焼付け硬化を行なっ
た。得られた調理面は、良好な非粘着性と清掃性を示し
た。
実施例4 第5図を参照して、基材32の調理面を400℃でオイル焼
きした後、ショットブラストして、その表面に凹凸をつ
けた。得られた粗面54を清掃、清浄した後、粗面54上に
セラミック質のアルミナ−チタニア56の溶射を行なっ
た。その後、下塗り用のフッ素樹脂を含まない塗料52を
10〜20ミクロン仕上げになるように塗布した。次に、室
温に放置して、有機溶剤を揮発させた後、フッ素樹脂を
8〜15重量%含む塗料50を30〜30ミクロン仕上げになる
ように塗布した。この実施例では、セラミック質のアル
ミナ−チタニア56が粗面54の上に溶射されているので、
基材32と塗膜との良好な密着性が得られる。
実施例5 第6図を参照して、基材32の調理面を400℃でオイル焼
きした後、ショットブラストしてその表面に凹凸をつけ
た。得られた粗面54を清浄、清掃した後、粗面54上にセ
ラミック質のアルミナ−チタニア56を溶射した。その
後、8〜15重量%のフッ素樹脂粉末を含む塗料50を20〜
40ミクロン仕上げになるように塗布した。このような実
施例であっても、非粘着性と清掃性において良好な性能
を示した。この場合、下塗りの塗料を用いないので、製
造コストが減少するという効果を奏する。
実施例6 第7図を参照して、基材32の調理面を400℃でオイル焼
きした後、ショットブラストして、その表面に凹凸をつ
けた。得られた粗面54を清浄、清掃した後、粗面54上に
セラミック質のアルミナ−チタニア56を溶射した。その
後、ポリチタノカルボシランを結合剤としたアルミニウ
ム粉を混合したシルバー色の耐熱プライマ塗料58を3〜
5ミクロン仕上げになるように塗布した。その後、室温
乾燥し、溶剤を揮発させた後、フッ素樹脂を8〜15重量
%含む塗料50を20〜40ミクロン仕上げになるように塗布
した。この実施例では、プライマ塗料58を用いているの
で、耐食性が向上するという効果を奏する。
実施例7 第8図を参照して、基材32の調理面を400℃でオイル焼
きした後、ショットブラストして凹凸をつけた。得られ
た粗面54を清掃、清浄した後、粗面54上にセラミック質
のアルミナ−チタニア56を溶射した。その後、ポリチタ
ノカルボシランを結合剤にしたアルミニウム粉を混合し
たシルバー色の耐熱プライマ塗料58を3〜5ミクロン仕
上げになるように塗布した。その後室温で乾燥し、溶剤
揮発させた後、フッ素樹脂を含まない塗料52を10〜15ミ
クロン仕上げになるように塗布した。その後、室温で乾
燥し、フッ素樹脂を8〜15重量%含む塗料50を10〜30ミ
クロン仕上げになるように塗布し、150℃で20分間乾燥
させた後、370℃〜400℃で20分間焼結した。この実施例
によると、耐食性、密着性において一層優れるようにな
る。
なお、上記実施例では、オーブンレンジと電気ホットプ
レートを例示したが、他の高温調理機器に本発明を適用
することも可能である。
以上、本発明を要約すると次のとおりである。
(1)特許請求の範囲に記載のものにおいて、非粘着性
樹脂層はフッ素樹脂で形成される。
(2)特許請求の範囲に記載の皮膜構造の製造方法は、 ポリチタノカルボシランを結合剤とする有機溶剤ワニス
に非粘着性樹脂を添加し、混合して、塗料とする工程
と、 上記塗料を基材の上に塗布する工程と、 上記基材の上に塗布された上記塗料を焼結させる工程
と、を備える。
(3)上記第2項に記載の方法において、上記焼結は37
0〜400℃の範囲内で加熱することによって行なわれる方
法。
(4)上記(2)に記載の方法において、非粘着性樹脂
は熱可塑性のフッ素樹脂粉末である方法。
(5)上記(4)に記載の方法において、上記フッ素樹
脂粉末の添加量は上記有機溶剤ワニスの総重量に対して
6〜15重量%である方法。
[発明の効果] 以上説明したとおり、本発明の皮膜構造によれば、最上
層部に非粘着性を呈する樹脂からなる非粘着性樹脂層が
形成されているので、油滴等が付着しなくなる。また、
皮膜構造の本体が、ポリチタノカルボシランがセラミッ
ク化しなるセラミック層で形成されているので、高温耐
熱性に富む。さらに、非粘着性樹脂層とセラミック層と
の界面において、非粘着性樹脂とポリチタノカルボシラ
ンとの割合が上下に連続的に変化しているので、非粘着
性樹脂層とセラミック層との密着性は大となる。このよ
うな皮膜構造を、高温調理機器であるオーブンレンジの
内壁面、電気ホットプレートの調理面等に形成すると、
耐熱性、非粘着性の点において優れた性能を発揮する。
【図面の簡単な説明】
第1A図は、本発明の一実施例にかかる皮膜構造の、焼結
前の状態を断面図で示したものである。第1B図は、本発
明の一実施例にかかる皮膜構造の断面図である。第2図
は、本発明にかかる皮膜構造の製造方法を示した断面図
である。第3図は、この発明の皮膜構造の製造方法の他
の例を示す断面図である。第4図は、この発明のさらに
他の実施例の断面図である。第5図は、この発明のさら
に他の実施例の断面図である。第6図は、この発明のさ
らに他の実施例の断面図である。第7図は、この発明の
さらに他の実施例の断面図である。第8図は、この発明
のさらに他の実施例の断面図である。第9図は、オーブ
ンレンジの斜視図である。第10図は、オーブンレンジに
嵌め込まれる内箱の斜視図である。第11図は、電気ホッ
トプレートの断面図である。 図において、2はオーブンレンジ、6はドア、10は側
壁、12は天板、14は底板、16は背板、18は前板、22はド
アの裏面、24は電気ホットプレート、25は調理面、32は
基材、34はセラミック層、38は非粘着性樹脂層である。 なお、各図中、同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高温調理機器の調理面あるいは加熱室壁面
    等の基材の上に形成される皮膜構造であって、 主要成分であるポリチタノカルボシランがセラミック化
    してなり、前記基材の上に形成されたセラミック層と、 非粘着性を呈する樹脂を含み、前記セラミック層の上に
    形成された非粘着性樹脂層と、を備え、 前記非粘着性樹脂層と前記セラミック層との界面におい
    て、前記非粘着性樹脂と前記ポリチタノカルボシランと
    の割合が上下方向に連続的に変化している、高温調理機
    器用皮膜の構造。
JP10423989A 1988-11-09 1989-04-24 高温調理機器用皮膜の構造 Expired - Fee Related JPH0771B2 (ja)

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AU44396/89A AU629256B2 (en) 1988-11-09 1989-11-03 Film for high temperature cooking apparatus and method of formation thereof
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