JPH0771577A - 車両用走行制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、変速歯車機構のギアを望みの位置に
切換え、カーブの手前でのシフトダウンや、追い越し動
作の直前のシフトダウン等の操作を簡単に行なうととも
に、エンジンブレーキ効果を有効に利用して運転者の望
みの運転を円滑に行ない車両走行時の快適性を高めるこ
とを最も主要な特徴とする。 【構成】オートマチック式変速機１の自動変速操作を行
う第１の変速プログラムと、シフトポジション選択部２
で選択された各シフトポジションでの特定段のギア位置
で変速操作をロックする第２の変速プログラムとを切換
えるプログラムスイッチ６を設け、第２の変速プログラ
ムでシフトポジションを変更するシフトポジション変更
手段１１をステアリングホイール１３に設けたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はオートマチック式変速
機を備えた車両の走行制御を行う車両用走行制御装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、オートマチック式変速機を備え
た自動車等の車両にはこのオートマチック式変速機の変
速操作を行うシフトポジション選択部が設けられてい
る。このシフトポジション選択部のユニット本体には手
動操作によりオートマチック式変速機のシフトポジショ
ンを選択的に切換え操作するコラム式、或いはフロア式
のシフトレバーが設けられている。そして、このシフト
レバーの移動操作にともないオートマチック式変速機の
シフトポジションが、例えばＰ（パーキング），Ｒ（リ
バース），Ｎ（ニュートラル），Ｄ（ドライブ），２
（セカンド），Ｌ（ロウ）等の各位置に切換え操作され
るようになっている。

【０００３】また、車両走行中、シフトレバーがＤ，
２，Ｌのいずれかのポジションに移動操作された状態で
は選択されたシフトレバーのポジション毎に予め設定さ
れた運転特性、例えば車速とエンジン負荷（アクセル開
度）との関係に応じてプラネタリーギアユニットからな
る変速歯車機構のギアの切換え操作が自動的に行なわれ
るようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構成のものにあっては車両走行中にアクセル・ペダル
を所定の開度以上に踏み込み、ダウンシフトの自動変速
線を過ぎた時点で変速歯車機構のギアが自動的にシフト
ダウンされる不快なキックダウン現象が発生するおそれ
があるので、車両走行時の快適性が損なわれる問題があ
る。

【０００５】さらに、車両走行中、シフトレバーがＤ，
２，Ｌのいずれかのポジションに移動操作された状態で
保持されている場合でも選択されたシフトレバーのポジ
ション毎に予め設定された運転特性に応じて変速歯車機
構のギアの切換え操作が自動的に行なわれるので、変速
歯車機構のギアを運転者の望みの位置に切換え操作する
ことが難しい問題がある。そのため、カーブの手前での
シフトダウンが難しく、エンジンブレーキ効果が利用し
にくいので、ブレーキペダルの踏み込み操作回数等が比
較的多くなる問題がある。さらに、例えば車両の追い越
し動作を行なう直前のシフトダウン等の操作が難しいの
で、車両の追い越し動作が難しくなるおそれがある。

【０００６】また、変速歯車機構のギアの自動切換え操
作時にレスポンスラグや、トラクションの中断が発生す
るおそれもあるので、運転者の望みの運転を円滑に行な
うことが難しい問題もある。

【０００７】さらに、変速歯車機構のギアが自動的に切
換え操作されるので、例えば坂道を走行する場合には不
必要なシフトダウンや、シフトアップが行なわれ、燃料
ロスが発生するおそれがあるとともに、下り坂ではエン
ジンブレーキ効果が利用しにくい問題もある。

【０００８】この発明は上記事情に着目してなされたも
ので、変速歯車機構のギアを運転者の望みの位置に切換
え操作することができ、カーブの手前でのシフトダウン
や、車両の追い越し動作を行なう直前のシフトダウン等
の操作を簡単に行なうことができるとともに、エンジン
ブレーキ効果を有効に利用することができ、運転者の望
みの運転を円滑に行ない車両走行時の快適性を高めるこ
とができる車両用走行制御装置を提供することを目的と
するものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明はオートマチッ
ク式変速機およびこのオートマチック式変速機の変速操
作を行う複数段のシフトポジションを適宜選択可能な手
動式のシフトポジション選択部を備えた車両用走行制御
装置において、前記シフトポジション選択部で選択され
たシフトポジションに応じて予め設定された運転特性に
合わせて前記オートマチック式変速機の変速操作を行う
第１の変速プログラムと、前記シフトポジション選択部
で選択された各シフトポジションに設定された特定段の
ギア位置で変速操作をロックする第２の変速プログラム
とを切換える切換え手段を設けるとともに、前記第２の
変速プログラムに切換え操作された状態で前記シフトポ
ジションを変更するシフトポジション変更手段を車両の
ステアリングホイールに設けたものである。

【００１０】

【作用】プログラム切換え手段によって第１の変速プロ
グラムが選択された場合にはシフトポジション選択部で
選択されたシフトポジションに応じて予め設定された運
転特性に合わせてオートマチック式変速機の自動的な変
速操作が行なわれる。また、第２の変速プログラムに切
換え操作された場合にはシフトポジション選択部で選択
された各シフトポジションに設定された特定段のギア位
置で変速操作がロックされるとともに、車両のステアリ
ングホイールのシフトポジション変更手段によってシフ
トポジションを望みどうりに変更できるようにしたもの
である。

【００１１】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図１を参照して
説明する。図１は車両用走行制御装置全体の概略構成を
示すもので、１は５速オートマチック式変速機、２はこ
のオートマチック式変速機１の変速操作を行うシフトポ
ジション選択部である。このシフトポジション選択部２
のユニット本体３には手動操作によりオートマチック式
変速機１のシフトポジションを選択的に切換え操作する
フロア式のシフトレバー４が設けられている。そして、
このシフトレバー４の移動操作にともないオートマチッ
ク式変速機１のシフトポジションが、例えばＰ（パーキ
ング），Ｒ（リバース），Ｎ（ニュートラル），Ｄ（ド
ライブ），４（４速），３（３速），２（２速）等の各
位置に切換え操作されるようになっている。

【００１２】また、車両走行中、シフトレバー４がＤ，
４，３，２のいずれかのポジションに移動操作された状
態では選択されたシフトレバー４のポジション毎に予め
設定された運転特性、例えば車速とエンジン負荷（アク
セル開度）との関係に応じて変速歯車機構のギアの切換
え操作が自動的に行なわれるようになっている。

【００１３】さらに、シフトポジション選択部２のユニ
ット本体３はオートマチック式変速機１の動作を制御す
る例えばマイクロコンピュータおよびその周辺回路によ
って形成された電子制御用の制御部５に接続されてい
る。この制御部５にはさらにプログラムスイッチ（プロ
グラム切換え手段）６、スロットルアングル検出器７、
キックダウンスイッチ８、ギアインジケータ９、点火系
統コントローラ１０およびシフトポジション変更手段１
１がそれぞれ接続されている。

【００１４】ここで、プログラムスイッチ６には滑りや
すい路面で安全な走行を可能にするウィンタードライブ
プログラムとともに、シフトポジション選択部２で選択
されたシフトポジションに応じて予め設定された運転特
性に合わせてオートマチック式変速機１の変速操作を行
う第１の変速プログラムを選択するＥ（エコノミー）ポ
ジション６ａと、シフトポジション選択部２で選択され
た各シフトポジションに設定された特定段のギア位置で
変速操作をロックする第２の変速プログラムを選択する
Ｓ（スポーツ）ポジション６ｂとが設けられている。そ
して、ウィンタードライブプログラムが選択されている
場合以外の車両走行時にはこのプログラムスイッチ６の
切換え操作にともないＥポジション６ａまたはＳポジシ
ョン６ｂのいずれか一方が選択され、ここで選択された
Ｅポジション６ａまたはＳポジション６ｂに対応するい
ずれか一方の変速プログラムにもとづいて制御部５から
オートマチック式変速機１に制御信号が出力されるよう
になっている。

【００１５】また、スロットルアングル検出器７はアク
セルペダル１２の踏み込み操作にもとづいてアクセル開
度を検出し、制御部５にその検出信号を出力するセンサ
で、キックダウンスイッチ８は変速機１へシフトダウン
を指令するスイッチである。

【００１６】さらに、ギアインジケータ９は車室内のコ
ックピットに組込まれたギア表示器である。そして、車
両走行中はＳポジション６ｂで走行する際に、現在のギ
アがこのギアインジケータ９に表示される他、エンジン
オイル温度、オイルプレッシャー、リアアクスルオイル
温度等の情報が表示されるようになっている。

【００１７】また、シフトポジション変更手段１１には
車両のステアリングホイール１３に装着されたシフトア
ップキー１１ａおよびシフトダウンキー１１ｂがそれぞ
れ設けられている。これらのシフトアップキー１１ａお
よびシフトダウンキー１１ｂは車両走行中、プログラム
スイッチ６がＳポジション６ｂに切換え操作されて第２
の変速プログラムが選択され、かつシフトポジション選
択部２のシフトレバー４がＤ，４，３，２のいずれかの
ポジションに移動操作された状態で、変速機１のギアの
シフトアップ操作、或いはシフトダウン操作を行ない、
シフトポジションを変更するものである。

【００１８】次に、上記構成の作用について図２のフロ
ーチャートを参照して説明する。まず、ステップＳ１
で、車両のスタータキーがオン操作されたことが検出さ
れ、エンジンが始動されたのち、ステップＳ２で、プロ
グラムスイッチ６によって第１の変速プログラムが選択
されているか否かが判断される。

【００１９】ここで、プログラムスイッチ６がＥポジシ
ョン６ａに切換え操作され、第１の変速プログラムが選
択されていると判断された場合にはステップＳ３に示す
ようにシフトポジション選択部２のシフトレバー４によ
って選択されたポジション毎に予め設定された運転特
性、例えば車速とエンジン負荷（アクセル開度）との関
係に応じて変速歯車機構のギアの切換え操作が自動的に
行なわれる。

【００２０】また、ステップＳ２で、プログラムスイッ
チ６がＳポジション６ｂに切換え操作され、第２の変速
プログラムが選択されていると判断された場合にはステ
ップＳ４に示すようにシフトポジション選択部２のシフ
トレバー４で選択された各シフトポジション毎に設定さ
れた特定段のギア位置で変速操作がロックされる。

【００２１】この第２の変速プログラムによる車両走行
時には続いて、ステップＳ５で、シフトポジション変更
手段１１の操作状態が判断される。ここで、シフトポジ
ション変更手段１１のシフトアップキー１１ａおよびシ
フトダウンキー１１ｂがそれぞれ中立位置で保持されて
いる場合（非操作状態）にはステップＳ６に示すように
シフトレバー４で選択された各シフトポジション毎に設
定された特定段のギア位置で変速操作がロックされてい
る状態が継続される。

【００２２】また、ステップＳ５で、シフトアップキー
１１ａの押圧操作が検出された場合にはステップＳ７に
示すように変速機１のギアのシフトアップ操作が行なわ
れる。さらに、ステップＳ５で、シフトダウンキー１１
ｂの押圧操作が検出された場合にはステップＳ８に示す
ように変速機１のギアのシフトダウン操作が行なわれ
る。すなわち、シフトアップキー１１ａまたはシフトダ
ウンキー１１ｂの操作によってマニュアルシフトが行な
われる。

【００２３】また、車両走行中、プログラムスイッチ６
の切換え操作が行なわれた場合には以後はここで、切換
え操作されたプログラムにもとづいてオートマチック式
変速機１が制御される。

【００２４】そして、ステップＳ９，Ｓ１０で示すよう
に車両のスタータキーがオフ操作されたことが検出され
た時点で、それ以後のオートマチック式変速機１の制御
が停止される。

【００２５】そこで、上記構成のものにあってはプログ
ラムスイッチ６によってＥポジション６ａに切換え操作
され、第１の変速プログラムが選択された場合にはシフ
トポジション選択部２のシフトレバー４で選択されたシ
フトポジションに応じて予め設定された運転特性に合わ
せてオートマチック式変速機１の自動的な変速操作が行
なわれるので、トルクとパワー曲線に最適調整された快
適なオートマチック走行を実現することができ、特に市
街地でのリラックスしたドライブに好適となる。

【００２６】さらに、第１の変速プログラムによる車両
走行中は例えば郊外の走行時にも、不快に感じられるキ
ックダウン現象の発生を抑制することができ、車両走行
時の快適性を高めることができる。

【００２７】また、エンジンの回転数が上限に達すると
自動的にシフトアップされるとともに、エンジンの回転
過剰につながるシフトダウンを選択しても実行されない
ようにしたので、運転者による操作ミスを防ぐことがで
きる。なお、ギアシフトを誤っても常にキックダウンが
優先されるようにしたので、安全性を高めることができ
る。

【００２８】さらに、車両走行中にアクセルペダルを離
したフリーホイールの状態では自動的に第２速までシフ
トダウンされるようにしたので、停止後にスムーズに発
進することができる。なお、停止状態でマニュアルで第
１速にシフトダウンして、最高の加速を実現することも
可能となる。

【００２９】また、プログラムスイッチ６によってＳポ
ジション６ｂに切換え操作され、第２の変速プログラム
が選択された場合にはシフトポジション選択部２で選択
された各シフトポジションに設定された特定段のギア位
置で変速操作をロックさせ、シフトアップキー１１ａま
たはシフトダウンキー１１ｂの操作によってシフトポジ
ションを望みどうりに変更できるので、クラッチ付きの
マニュアル式の変速機と略同様のマニュアルシフト操作
を行なうことができる。そのため、従来のオートマチッ
ク式変速機のように変速歯車機構のギアの自動切換え操
作時にレスポンスラグや、トラクションの中断が発生す
るおそれがなく、運転者の望みの運転を円滑に行なうこ
とができる。したがって、カーブの手前でのシフトダウ
ン操作を簡単に行なうことができ、エンジンブレーキ効
果を有効に利用してブレーキペダルの踏み込み操作回数
等を低減し、運転操作の容易化を図ることができる。

【００３０】同様に、常に運転者が希望するギア位置で
確実に保持させることができるので、レスポンスラグの
ない最適な加速が得られる。そのため、例えば車両の追
い越し動作を行なう直前のシフトダウン等の操作も簡単
に行うことができ、車両の追い越し動作を迅速に行なう
ことができる。

【００３１】また、ステアリングホイール１３のシフト
アップキー１１ａまたはシフトダウンキー１１ｂの操作
によってシフトポジションを変更できるようにしたの
で、運転者がステアリングホイール１３から手を離すこ
となく簡単にシフトアップキー１１ａまたはシフトダウ
ンキー１１ｂの操作を行うことができる。そのため、フ
ロア式のシフトレバー４を操作する場合のようにステア
リングホイール１３から手を離してその操作を行う場合
に比べて車両走行中の安全性を高めることができる。加
えて、クラッチ付きのマニュアル式の変速機のように運
転者のクラッチ操作を経てギア位置の変速操作を行う場
合のようにレスポンスラグや、トラクションの中断が発
生するおそれもない。

【００３２】さらに、第２の変速プログラムではシフト
ポジション選択部２で選択された各シフトポジションに
設定された特定段のギア位置で変速操作がロックされる
ので、例えば坂道を走行する場合に従来のオートマチッ
ク式変速機のように不必要なシフトダウンや、シフトア
ップが行なわれるおそれがない。そのため、燃料ロスが
発生するおそれがなく、燃料消費率の向上を図ることが
できるとともに、下り坂でのエンジンブレーキ効果を有
効に利用することができる。

【００３３】なお、この発明は上記実施例に限定される
ものではない。例えば、シフトポジション変更手段１１
はステアリングホイール１３の近傍に配置され、ステア
リングホイール１３から手を離すことなく操作できるレ
バー等によって形成してもよい。さらに、その他、この
発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できること
は勿論である。

【００３４】

【発明の効果】この発明によればシフトポジション選択
部で選択されたシフトポジションに応じて予め設定され
た運転特性に合わせてオートマチック式変速機の変速操
作を行う第１の変速プログラムと、シフトポジション選
択部で選択された各シフトポジションに設定された特定
段のギア位置で変速操作をロックする第２の変速プログ
ラムとを切換える切換え手段を設けるとともに、第２の
変速プログラムに切換え操作された状態でシフトポジシ
ョンを変更するシフトポジション変更手段を車両のステ
アリングホイールに設けたので、変速歯車機構のギアを
運転者の望みの位置に切換え操作することができ、カー
ブの手前でのシフトダウンや、車両の追い越し動作を行
なう直前のシフトダウン等の操作を簡単に行なうことが
できるとともに、エンジンブレーキ効果を有効に利用す
ることができ、運転者の望みの運転を円滑に行ない車両
走行時の快適性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の車両用走行制御装置の概略
構成図。

【図２】車両用走行制御装置の動作を説明するためのフ
ローチャート。

【符号の説明】

１…オートマチック式変速機、２…シフトポジション選
択部、６…プログラムスイッチ（プログラム切換え手
段）、１１…シフトポジション変更手段、１３…ステア
リングホイール。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 オートマチック式変速機およびこのオー
   トマチック式変速機の変速操作を行う複数段のシフトポ
   ジションを適宜選択可能な手動式のシフトポジション選
   択部を備えた車両用走行制御装置において、前記シフト
   ポジション選択部で選択されたシフトポジションに応じ
   て予め設定された運転特性に合わせて前記オートマチッ
   ク式変速機の変速操作を行う第１の変速プログラムと、
   前記シフトポジション選択部で選択された各シフトポジ
   ションに設定された特定段のギア位置で変速操作をロッ
   クする第２の変速プログラムとを切換える切換え手段を
   設けるとともに、前記第２の変速プログラムに切換え操
   作された状態で前記シフトポジションを変更するシフト
   ポジション変更手段を車両のステアリングホイールに設
   けたことを特徴とする車両用走行制御装置。
2. 【請求項２】 車両のステアリングホイールにオートマ
   チック式変速機の変速操作を行う変速操作手段を設けた
   ことを特徴とする車両用走行制御装置。