JPH0771460B2 - 霜降り肉とその製造方法 - Google Patents

霜降り肉とその製造方法

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JPH0771460B2
JPH0771460B2 JP3169810A JP16981091A JPH0771460B2 JP H0771460 B2 JPH0771460 B2 JP H0771460B2 JP 3169810 A JP3169810 A JP 3169810A JP 16981091 A JP16981091 A JP 16981091A JP H0771460 B2 JPH0771460 B2 JP H0771460B2
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fat
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emulsifier
injected
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隆 伊地知
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Prima Meat Packers Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、霜降り肉およびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、霜降り肉が高級なものとされて好
まれており、価格の比較的安い赤身肉等の肉に、脂肪を
乳化させた乳化液を注入して、付加価値の高い霜降り牛
肉を製造する方法が、種々提案されてきた。これらの方
法のうち、常温で固体の脂肪をその脂肪の融点以上の温
度に加温した乳化液とし、この温度で乳化液を生肉に注
入して肉の中にほぼ均一に分散させたのち、冷却して脂
肪を肉中に分散させて霜降り肉を製造する方法が、例え
ば、特公昭59−23777号公報、特開昭59−16
2853号公報で提案された。
【0003】前記公報による方法では、乳化液の乳化の
安定のために、脂肪の融点以上に加温した乳化液を生肉
に注入しているが、解凍直後の1℃程度の生肉に、加温
された乳化液を注入すると、肉の鮮度が低下するという
問題があった。このような問題点を解消するために、常
温で固体の脂肪を乳化剤で乳化液とし、その乳化液を低
温で生肉に注入する方法が、例えば、特開平2−124
073号公報に提案されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、乳化液
は水を含有するために、乳化液を注入した製品は、どう
しても自然の霜降り肉とは隔たったものができていた。
そのために、乳化液中により多くの脂肪を乳化させた乳
化剤が開発され、その結果、約50%程度の脂肪が含有
された乳化液が、肉への注入に使用できるようになっ
た。現在のところ脂肪分約50%の乳化液が限界であ
り、それ以上の脂肪分を増加させて水分を減らすと、乳
化液の粘度が増大しハム製造用のインジェクターでは注
射が困難である。また、そのような高粘度の乳化液を注
入した場合には、肉中での乳化液の分散が悪く、出来上
がった製品は、不自然でいかにも人工的な外観となる。
【0005】このように、現在使用されている乳化液中
には、どうしても水分が約50%程度も含まれてしまう
ことになるから、乳化剤として肉の保水力を助ける機能
の弱いものを使用した場合、製品の保存中に多量の肉汁
が流出してしまい、調理時にも流出し加熱中の縮みが大
きくなり、霜降り牛肉としての品質上の問題となってい
た。
【0006】また、水分の流出を防ぐために、乳化剤と
して肉の保水力を助ける機能の強いものを使用した場
合、焼き上げた製品がハムのように繊維感の少ない食
感、例えば、プリンプリンとした食感になってしまい、
自然感を損ねていた。そこで本発明は、結果として高濃
度の脂肪を含んだ乳化液を生肉中に注入でき、生肉中に
できる限り分散させた、自然感に溢れた外観および食感
の霜降り牛肉を提供すること、およびその製造方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記した問題点を解決す
るために、本発明は、常温で固体または液体の脂肪を乳
化剤により乳化液とし、該乳化剤を低温で生肉に注入
し、遠心脱水装置により脱水することを特徴とする霜降
り肉の製造方法とするものである。また本発明は、常温
で固体または液体の脂肪を乳化剤により乳化液とし、該
乳化液を低温で生肉に注入し、マッサージし、遠心脱水
装置により脱水することを特徴とする霜降り肉の製造方
法とするものである。
【0008】 本発明において使用する遠心脱水装置に
は、プレスハムの製造に通常用いられている脱色用のボ
ール状遠心脱水機を使用することができる。脱水処理に
は、通常、回転数2000r.p.m.で6分間程度行
なうが、同様の脱水効果があれば、前記条件に限定され
るものではない。乳化液が注入された生肉に脱水処理を
行なうことによって、乳化剤中に元々含まれ生肉中に分
散していた過剰な水が脱水されて、生肉中に分散されて
いた乳化液中の脂肪が濃縮される。
【0009】従来、生肉に注入する水分をできるだけ減
らすために、約50%程度の高濃度の脂肪含有量の乳化
液を注入していたが、この遠心脱水処理を行なうことに
よって、生肉製品中の水分を減らすことができ、この生
肉の保存時および調理時に流出してくる水分を減らすこ
とができる。そして結果的に、脱水後に肉中に含まれる
乳化剤の脂肪は濃縮され、より高濃度に脂肪を含有させ
ることができる。
【0010】また、無理に高濃度に含有された脂肪の乳
化液を注入する必要もなく、水分を50%よりも多めの
乳化剤を使用しても、即ち、脂肪含有量の50%以下の
乳化液を使用しても優れた霜降り肉を製造することがで
きる。というのは、水分含有量が多い乳化剤を生肉中へ
注入すると、その乳化剤は粘度が低いので乳化剤が生肉
中の隅々まで楽に注入され分散されやすい。そして、最
終的な製品に含まれる水分は、脱水工程により調整する
ことができるからである。
【0011】このように、本発明の方法によって製造さ
れた霜降り肉は、肉中に分散された脂肪は、粒状になっ
たり、偏ったりせずに、自然に分散された状態になって
いる。しかも、脱水の程度により、生肉中の脂肪比率を
調整することができる。本発明において使用するマッサ
ージ装置には、ハム製造用の回転ドラムを使用すること
ができる。マッサージ処理には、通常、回転数25回転
/分程度で行なう。この回転の目的は、肉に注入された
乳化液を均一に拡散させること、および、チャーニング
(脂肪粒子の成長)をおこさせることである。このマッ
サージで物理的な攪拌を与えることにより、乳化剤の膜
を有する脂肪粒子を合一させ、次第に脂肪粒子を成長さ
せることにより析出させ、自然に近い霜降り肉とするこ
とができる。ただし、この処理をやりすぎると脂肪粒が
大きくなりすぎて霜降り肉らしい自然感を損ない、ま
た、加熱時の脂肪の流出を助長する。
【0012】本発明において使用することのできる乳化
剤には、従来、霜降り肉の製造に使用されている全ての
乳化剤を使用することができる。例えば、乳化剤とし
て、カゼインナトリウム、乳精、脱脂粉乳等の乳蛋白
質、卵蛋白質、大豆蛋白質、小麦蛋白質等の植物蛋白
質、蛋白加水分解物、フォスファチジルコリン、フォス
ファチジルエタノールアミン等の燐脂質、キトサン、シ
ュガーエステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソル
ビタン脂肪酸エステル、天然ガム等が使用できる。ま
た、これらの乳化剤を適当に組み合わせることにより、
乳化剤同士の相乗作用により乳化力を高め、また乳化剤
の流動性を高めて、乳化剤の全体使用量を減らすことが
できる。また、その組み合わせにより、食感を自然なも
のとすることができる。
【0013】本発明で使用する、常温で固体の脂肪と
は、例えば、牛脂、豚脂、乳脂等の動物油、及びパーム
油等の植物油が用いられる。本発明で使用する、常温で
液体の脂肪とは植物性油脂等が用いられる。常温で液体
の脂肪は、本来は、生肉中に注入すると保持性が悪く、
溶出し易いが、乳化剤同士の相乗作用によって、生肉の
冷蔵保存時および調理時ともに、肉中の保持性が良いも
のとなる。
【0014】本発明で生肉内に注入する方法は、筋肉注
射法、及び/又は血管注射法により注入する。特に、血
管注射法により、毛細血管を伝わって、肉組織の隅々ま
で、乳化液を均一に分散させることができる。本発明に
適用できる牛肉は、豚肉、馬肉、羊肉等の全ての食肉に
適用可能である。
【0015】
【実施例1】オーストラリア産の牛のモモ肉に、脂肪:
水:乳化剤=50:46:4の配合の乳化液を注射し
た。乳化剤として、燐脂質、カゼイネート、脱脂粉乳、
植物蛋白質等の混合物を用いた。注射装置として、ハム
製造用のインジェクターを用い、1kg/cm2 の圧力
で注射し、乳化液の注射量は、肉重量100に対し、2
0とした。これを2時間静置した。
【0016】つぎに、プレスハム製造で使う脱色用のボ
ール状遠心脱水機で脱水して、乳化液中に含まれていた
余分な水を除去するとともに、牛肉中に分散していた脂
肪の濃度を高めた。この脱水処理には、前記遠心脱水機
を回転数2000r・p・mとして6分間脱水した。で
きあがった製品の重量は、もともとの肉100に対して
113となった。すなわち、乳化液を肉重量100に対
し20加えていたので、約7程度の水がこの脱水処理に
より除去されたことになる。
【0017】製造された製品は、析出した脂肪が均一に
分散されており、不自然な脂肪のぶつぶつした粒子の存
在もなく、自然感にあふれるものであった。
【0018】
【実施例2】オーストラリア産の牛のモモ肉に、脂肪:
水:乳化剤=50:46:4の配合の乳化液を注射し
た。乳化剤として、燐脂質、カゼイネート、脱脂粉乳、
植物蛋白質等の混合物を用いた。注射装置として、ハム
製造用のインジェクターを用い、1kg/cm2 の圧力
で注射した。乳化液の注射量は、肉重量100に対し、
25とした。
【0019】つぎに、乳化液の注射された牛肉に対して
ハム製造用の回転ドラムを用い、ドラムの回転数を25
回転/分としてマッサージして脂肪を分散させると同時
に析出させた。つぎに、プレスハム製造で使う脱色用の
ボール状遠心脱水機で脱水して、乳化液中に含まれてい
た余分な水を除去するとともに、牛肉中に分散していた
脂肪の濃度を高めた。この脱水処理には、前記遠心脱水
機を回転数2000r・p・mとして6分間脱水した。
できあがった製品の重量は、もともとの肉100に対し
て115となった。すなわち、乳化液を肉重量100に
対し25加えていたので、約10程度の水がこの脱水処
理により除去されたことになる。
【0020】製造された製品は、肉繊維に沿って流れ込
みがあり、また脂肪が均一に分散されており自然な霜降
り肉が得られた。
【0021】
【実施例3】本実施例において使用した乳化液の成分組
成を脂肪:水:乳化剤:=35:62:3とし、脱水処
理時間を10分とした。その他の条件は全て実施例2と
同じにしてオーストラリア産の牛のモモ肉にこの乳化液
を適用した。乳化液の注入後の重量は、もとの肉100
に対して133とした。脱水後の重量は115となっ
た。すなわち、乳化液を肉重量に対し33加えていたの
で、約18程度の水がこの脱水処理により除去されたこ
とになる。
【0022】製造された製品は、肉繊維に沿って流れ込
みがあり、また脂肪が均一に分散されており自然な霜降
り肉が得られた。本実施例では、乳化液中に含まれてい
る脂肪濃度を前記実施例1及び2よりも低濃度とした。
本発明では、このように、脂肪含有量が少ない乳化液を
使用しても、実施例1及び2と同じ量の脂肪を生肉中に
注入することができ、自然な外観の霜降り肉が得られる
ので、乳化液を製造するのに、特に乳化液の脂肪含有率
を高率にする必要はない。
【0023】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、常温で固体または液体の脂肪を乳化剤により乳化
液とし、該乳化液を生肉に注入し、脱水装置により脱水
することにより、製造された霜降り肉及びその製造方法
は次の効果を有する。 (1)本発明の霜降り肉は生肉状態でドリップが出にく
い。
【0024】(2)脂肪が均一に分散し、外観が自然に
近く緻密な霜降り肉が得られる。 (3)脱水処理を調整することにより、生肉中に注入さ
れた乳化液中に含まれる水分の量を脱水によりコントロ
ールすることができるので、乳化液を作る際、特に脂肪
含有率を高率にする必要がない。 (4)本発明の霜降り肉を焼いたときに焼き縮みが少な
く、繊維感のある自然な食感となる。
【0025】(5)もともとの赤身モモ肉に比べて、本
発明の霜降り肉は脂肪のうま味があり、柔らかい霜降り
肉が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温で固体または液体の脂肪を乳化剤に
    より乳化液とし、該乳化液を生肉に注入し、遠心脱水装
    置により脱水することを特徴とする霜降り肉の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 常温で固体または液体の脂肪を乳化剤に
    より常温で液体の乳化液とし、該乳化液を生肉に注入
    し、マッサージし、遠心脱水装置により脱水することを
    特徴とする霜降り肉の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の霜降り肉の製造
    方法により製造された霜降り肉。
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